[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る車両用バンパ構造10が車両左側から見た断面図にて示されている。なお、図面では、車両前方(車両外方)を矢印FRで示し、上方を矢印UPで示す。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造10には、サイドメンバとしての矩形筒状のフロントサイドメンバ12が一対設けられており、一対のフロントサイドメンバ12は、それぞれ、車両の前部の右側部分及び左側部分において、車両前後方向へ延伸されている。
一対のフロントサイドメンバ12の車両前側には、バンパとしてのフロントバンパ14が設けられている。
フロントバンパ14には、矩形筒状のバンパリインフォースメント16が設けられており、バンパリインフォースメント16は、車幅方向に延伸されて一対のフロントサイドメンバ12の車両前側端12Aに固定されると共に、フロントバンパ14を補強している。バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上下方向全体は、車両前後方向位置を同一位置に配置されており、これにより、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上下方向全体が、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18(車両外側端面)にされている。バンパリインフォースメント16内には、補強部材としての板状のリブ20が所定数(本実施の形態では2つ)設けられており、リブ20は、バンパリインフォースメント16の車両前側壁と車両後側壁との間に水平に架け渡されて、バンパリインフォースメント16を車両前後方向において補強している。
バンパリインフォースメント16の車両前側には、略矩形柱状のバンパアブソーバ22が設けられており、バンパアブソーバ22は、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、車両前側面22Aが垂直に配置されている。バンパアブソーバ22の車両下側端部は、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部に固定されており、バンパアブソーバ22は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bよりも車両上側に突出されている。バンパアブソーバ22には、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部を除く部分の車両前側において、断面矩形状の隙間24が形成されており、隙間24はバンパアブソーバ22の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、隙間24の車両上側端部はバンパリインフォースメント16の車両上側面16Bの車両上側へ向けて車両後方に開放されている。また、バンパアブソーバ22は発泡材から作られており、バンパアブソーバ22は車両の前面衝突時に収縮されることで衝突荷重を吸収可能にされている。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18には、車両上下方向における所定箇所(本実施の形態では2箇所)において、衝突検出センサとしての長尺矩形柱状の光ファイバセンサ26が固定(設置)されており、光ファイバセンサ26は、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。光ファイバセンサ26は、当該車両前側端面18の車両上側端部と当該車両前側端面18の車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両下側部分とに配置されて、上記隙間24内に配置されている。なお、車両上側端の光ファイバセンサ26の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28(車両上側端の光ファイバセンサ26の車両上側端と車両下側端の光ファイバセンサ26の車両下側端との間の範囲)の車両下側端28Aは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。さらに、当該設置範囲28の車両上下方向中央28Bは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
光ファイバセンサ26には、光ファイバ30が設けられており、車両上側の光ファイバセンサ26の光ファイバ30と車両下側の光ファイバセンサ26の光ファイバ30とは、バンパリインフォースメント16の長手方向一端において、湾曲された状態で互いに連通されている。光ファイバ30は、湾曲変形されることで、内部を長手方向へ沿って通過する光を損失可能にされており、光ファイバ30は、湾曲変形量が大きい程、損失する光の量も大きくなる構成にされている。
車両上側の光ファイバ30と車両下側の光ファイバ30とは、バンパリインフォースメント16の長手方向他端において、それぞれセンサ作動部としてのセンサ用回路(図示省略)に接続されている。センサ用回路には、発光ダイオード(発光回路部)が設けられており、発光ダイオードは、車両上側の光ファイバ30及び車両下側の光ファイバ30の何れか一方に接続されて、当該光ファイバ30へ光を照射可能にされている。センサ用回路には、フォトダイオード(受光回路部)が設けられており、フォトダイオードは、車両上側の光ファイバ30及び車両下側の光ファイバ30の何れか他方に接続されて、当該光ファイバ30から放射される光を信号電圧に変換可能にされている。
光ファイバ30の周囲は、被覆部材としての断面矩形状のモールド材32によって被覆されており、モールド材32はシリコン等にされて弾性を有している。
車両上側の光ファイバセンサ26と車両下側の光ファイバセンサ26との車両前側には、荷重伝達部材としての断面逆L字形板状の荷重伝達板34の車両下側部分34Aが固定されており、荷重伝達板34はバンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、荷重伝達板34の車両上側部分34Bは車両後側へ延伸されて車両上側端の光ファイバセンサ26とバンパリインフォースメント16との車両上側に配置(接触)されている。また、荷重伝達板34の車両下側部分34A及び車両上側部分34Bは、バンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
バンパアブソーバ22の車両前側、車両上側及び車両下側は、意匠部材としての断面略コ字形板状のバンパカバー36によって被覆されており、バンパカバー36は、フロントバンパ14の意匠を構成している。バンパカバー36は、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aとの車両前後方向における対向部分36Aがバンパアブソーバ22の車両前側面22Aに沿って配置されており、バンパカバー36の当該対向部分36Aは、垂直に配置されている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の車両用バンパ構造10では、車両の前面衝突時に、フロントバンパ14に衝突荷重が入力されて、バンパカバー36及びバンパアブソーバ22が車両後側へ変形されることで、荷重伝達板34及び光ファイバセンサ26が車両後側へ押圧されて、光ファイバセンサ26においてモールド材32を介して光ファイバ30が湾曲変形される。これにより、センサ用回路の発光ダイオードから照射されて光ファイバ30内を通過する光が損失されると共に、センサ用回路のフォトダイオードが光ファイバ30から放射される光を信号電圧に変換することで、光ファイバ30からの光の損失量が検出されて、光ファイバセンサ26へ入力された衝突荷重が検出される。さらに、車両の前面衝突時における、光ファイバセンサ26へ入力された衝突荷重の時間積分値と、車両の車速と、を用いて、衝突質量(「有効質量」ともいう)の時間変化が算出される。
ところで、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28の車両上下方向中央28Bが、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
このため、軽量物(例えば、路上に下端を固定された側面視長尺矩形状のポストコーンや、路上に載置された側面視三角形状の工事柵及びパイロン(ゴムパイロンを含む)等)に対する車両の前面衝突時には、フロントバンパ14の車両下側部分に主に衝突荷重が入力されることで、光ファイバセンサ26へ入力される衝突荷重が小さくなる。これにより、上記衝突質量の時間変化から車両が軽量物に前面衝突したと判定される。
一方、図2に示す如く、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時には、歩行者38の車両側への倒れ込みによって、フロントバンパ14の車両上側部分に主に衝突荷重が入力されることで、光ファイバセンサ26へ入力される衝突荷重が大きくなる。これにより、上記衝突質量の時間変化から車両が歩行者38に前面衝突したと判定される。
ここで、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28の車両下側端28Aが、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。
このため、図2に示す如く、上方へ向かうに従い反車両側へ傾斜された歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時のように、衝突荷重のフロントバンパ14への入力がフロントバンパ14の車両下側部分から始まる際でも、車両下側の光ファイバセンサ26に衝突荷重が早く入力されるため、車両が歩行者38に前面衝突したと早く判別することができる。
以上により、車両が歩行者38に前面衝突したと早く判別することができると共に、車両が軽量物に前面衝突したか車両が歩行者38に前面衝突したかの判定精度を維持することができる。
[第2の実施の形態]
図3には、本発明の第2の実施の形態に係る車両用バンパ構造40が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造40は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造40では、バンパアブソーバ22が略三角柱状にされており、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aは、車両下側へ向かうに従い車両前側へ向かう方向へ傾斜されている。
バンパカバー36は、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aとの車両前後方向における対向部分36Aがバンパアブソーバ22の車両前側面22Aに沿って配置されており、バンパカバー36の当該対向部分36Aは、車両下側へ向かうに従い車両前側へ向かう方向へ傾斜されている。
これにより、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時には、衝突荷重のフロントバンパ14への入力がフロントバンパ14の車両下側部分から始まる。
ここで、上記第1の実施の形態と同様に、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28の車両下側端28Aが、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。
このため、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時に、衝突荷重のフロントバンパ14への入力がフロントバンパ14の車両下側部分から始まる際でも、車両下側の光ファイバセンサ26に衝突荷重が早く入力される。
これにより、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
[第3の実施の形態]
図4には、本発明の第3の実施の形態に係る車両用バンパ構造50が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造50は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造50では、バンパアブソーバ22の車両前側端部に、車両上側部分において、略断面矩形状の凹部52が形成されており、凹部52は、バンパアブソーバ22の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、車両前側及び車両上側へ開放されている。バンパアブソーバ22の車両前側端部の車両下側部分に略断面矩形状の凸部54が形成されており、これにより、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時には、衝突荷重のフロントバンパ14への入力がフロントバンパ14の車両下側部分から始まる。
凹部52は、クリアランスソナー(図示省略)が設定されている場合のワイヤハーネス56設置用に削られた形状である。クリアランスソナー設定時には、凹部52内にワイヤハーネス56が配置されており、ワイヤハーネス56はクリアランスソナーに接続されている。クリアランスソナーはバンパカバー36に固定されており、クリアランスソナーが、車両前方へ向けて超音波を発信すると共に、車両の前方の障害物に反射された超音波を受信することで、車両と当該障害物との距離を測定可能にされている。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18には、車両上下方向における所定箇所(本実施の形態では3箇所)において、衝突検出センサとしての長尺矩形柱状の歪ゲージ58が固定(設置)されており、歪ゲージ58は、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。歪ゲージ58は、当該車両前側端面18の車両上側端部と当該車両前側端面18の車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両上側部分と当該車両前側端面18の車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両下側部分とに配置されて、バンパリインフォースメント16とバンパアブソーバ22との間の隙間24内に配置されている。なお、車両上側端の歪ゲージ58の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への歪ゲージ58の車両上下方向における設置範囲28(車両上側端の歪ゲージ58の車両上側端と車両下側端の歪ゲージ58の車両下側端との間の範囲)の車両下側端28Aは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。さらに、当該設置範囲28の車両上下方向中央28Bは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
各歪ゲージ58は、バンパリインフォースメント16の長手方向一端において、センサ作動部としてのセンサ用回路(図示省略)に接続されており、歪ゲージ58が圧縮変形されることで、センサ用回路が歪ゲージ58の圧縮変形量に応じた信号電圧を生成可能にされている。
荷重伝達板34は、板状にされて、各歪ゲージ58の車両前側に固定されており、荷重伝達板34の車両前側面は、バンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ところで、車両の前面衝突時に、フロントバンパ14に衝突荷重が入力されて、バンパカバー36及びバンパアブソーバ22が車両後側へ変形されることで、荷重伝達板34及び歪ゲージ58が車両後側へ押圧されて、歪ゲージ58が圧縮変形される。これにより、センサ用回路が歪ゲージ58の圧縮変形量に応じた信号電圧を生成することで、歪ゲージ58の圧縮変形量が検出されて、歪ゲージ58へ入力された衝突荷重が検出される。さらに、車両の前面衝突時における、歪ゲージ58へ入力された衝突荷重の時間積分値と、車両の車速と、を用いて、衝突質量(「有効質量」ともいう)の時間変化が算出される。
以上により、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
[第4の実施の形態]
図5には、本発明の第4の実施の形態に係る車両用バンパ構造60が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造60は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造60では、バンパアブソーバ22とバンパリインフォースメント16の車両前側面16Aとの間の隙間24の車両上側端部が開放されていない。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18には、車両上下方向における所定箇所(本実施の形態では1箇所)において、衝突検出センサとしての長尺矩形柱状の感圧センサ62が固定(設置)されており、感圧センサ62はバンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。感圧センサ62は、当該車両前側端面18の車両上側端部と車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両下側部分との間に亘って配置されて、上記隙間24内に配置されている。なお、感圧センサ62の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への感圧センサ62の車両上下方向における設置範囲28(感圧センサ62の車両上側端と車両下側端との間の範囲)の車両下側端28Aは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。さらに、当該設置範囲28の車両上下方向中央28Bは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
感圧センサ62は、感圧導伝タイプや液体封入タイプ等にされて、バンパリインフォースメント16の長手方向一端において、センサ作動部としてのセンサ用回路(図示省略)に接続されており、感圧センサ62が圧縮変形されることで、センサ用回路が感圧センサ62の圧縮変形量に応じた信号電圧を生成可能にされている。
また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態における荷重伝達板34が設けられておらず、感圧センサ62の車両前側面は、バンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ところで、車両の前面衝突時に、フロントバンパ14に衝突荷重が入力されて、バンパカバー36及びバンパアブソーバ22が車両後側へ変形されることで、感圧センサ62が車両後側へ押圧されて、感圧センサ62が圧縮変形される。これにより、センサ用回路が感圧センサ62の圧縮変形量に応じた信号電圧を生成することで、感圧センサ62の圧縮変形量が検出されて、感圧センサ62へ入力された衝突荷重が検出される。さらに、車両の前面衝突時における、感圧センサ62へ入力された衝突荷重の時間積分値と、車両の車速と、を用いて、衝突質量(「有効質量」ともいう)の時間変化が算出される。
以上により、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
[第5の実施の形態]
図6には、本発明の第5の実施の形態に係る車両用バンパ構造70が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造70は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造70では、バンパアブソーバ22の車両下側端部かつ車両後側端部に、断面矩形状の硬質部72が形成されており、硬質部72は、バンパアブソーバ22の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、バンパアブソーバ22の他の部分及び光ファイバセンサ26(すなわち光ファイバセンサ26及びモールド材32)に比し硬質にされている。バンパアブソーバ22は、硬質部72において、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aに固定(当接)されており、硬質部72の車両前後方向における肉厚74は、荷重伝達板34の車両下側部分34A及び光ファイバセンサ26(衝突検出センサ)の車両前後方向厚さ76(仮に荷重伝達板34が存在しない際には光ファイバセンサ26の車両前後方向厚さ)以下にされている。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、バンパアブソーバ22の車両下側端部かつ車両後側端部の硬質部72が、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28の車両下側に設けられており、硬質部72は、光ファイバセンサ26に比し硬質にされると共に、荷重伝達板34の車両前側面から車両前側へ突出しない寸法に設定されている。このため、軽量物に対する車両の前面衝突時には、車両下側の光ファイバセンサ26への衝突荷重の入力が抑制されて、車両下側の光ファイバセンサ26への衝突荷重の入力時間が長くなることを抑制でき、光ファイバセンサ26へ入力される衝突荷重を確実に小さくできる。これにより、車両が軽量物に前面衝突したか車両が歩行者38に前面衝突したかの判定精度を確実に維持することができる。
[第6の実施の形態]
図7には、本発明の第6の実施の形態に係る車両用バンパ構造80が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造80は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造80では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部に、硬質部としての断面矩形状の突出部82が形成されており、突出部82は、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aから車両前側へ突出されると共に、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。また、光ファイバセンサ26(すなわち光ファイバセンサ26及びモールド材32)に比し硬質にされている。
バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aからの突出部82の車両前後方向における突出量84は、荷重伝達板34の車両下側部分34A及び光ファイバセンサ26の車両前後方向厚さ76以下にされており、光ファイバセンサ26が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向における設置範囲28は、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端から車両下側端までの突出部82の部分を含んだ範囲にされている。
すなわち、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aに凹凸が形成されても、当該凹凸の車両前後方向厚さが、荷重伝達板34の車両前側端(荷重伝達板34が存在しない際には光ファイバセンサ26(衝突検出センサ)の車両前側端)から光ファイバセンサ26の車両後側端までの車両前後方向厚さ76(例えば10mm)以下である場合には、光ファイバセンサ26が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向における設置範囲28は、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端から車両下側端までの当該凹凸の部分を含んだ範囲にされる。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの突出部82が、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への光ファイバセンサ26の車両上下方向における設置範囲28の車両下側に設けられており、突出部82は、光ファイバセンサ26に比し硬質にされると共に、荷重伝達板34の車両前側面から車両前側へ突出しない寸法に設定されている。このため、軽量物に対する車両の前面衝突時には、車両下側の光ファイバセンサ26への衝突荷重の入力が抑制されて、車両下側の光ファイバセンサ26への衝突荷重の入力時間が長くなることを抑制でき、光ファイバセンサ26へ入力される衝突荷重を確実に小さくできる。これにより、車両が軽量物に前面衝突したか車両が歩行者38に前面衝突したかの判定精度を確実に維持することができる。
[第7の実施の形態]
図8には、本発明の第7の実施の形態に係る車両用バンパ構造90が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造90は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造90では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端部にテーパ面92が形成されており、テーパ面92は、車両上側へ向かうに従い車両後側へ向かう方向へ傾斜されると共に、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。
テーパ面92の車両下側端には、折れ部94が形成されており、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの折れ部94に比し車両下側の部分が、下記感圧センサ62が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18にされている。
バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両上側端部と、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両上側端部に車両前後方向において対向するバンパカバー36の部分と、は、車両上側へ向かうに従い車両後側へ向かう方向へ傾斜されている。
バンパアブソーバ22とバンパリインフォースメント16の車両前側面16Aとの間の隙間24は、車両上側端部がバンパリインフォースメント16の折れ部94に比し僅かに車両上側に配置されており、隙間24の車両上側端部は開放されていない。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18には、車両上下方向における所定箇所(本実施の形態では1箇所)において、上記第4の実施の形態と同様に感圧センサ62(衝突検出センサ)が固定(設置)されており、感圧センサ62は、当該車両前側端面18の車両上側端部と車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両下側部分との間に亘って配置されて、上記隙間24内に配置されている。なお、感圧センサ62の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の折れ部94と同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の折れ部94に比し低い高さに配置されてもよい。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への感圧センサ62の車両上下方向における設置範囲28(感圧センサ62の車両上側端と車両下側端との間の範囲)の車両下側端28Aは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。さらに、当該設置範囲28の車両上下方向中央28Bは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
感圧センサ62は、上記第4の実施の形態と同様にセンサ用回路(図示省略)に接続されている。
また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態における荷重伝達板34が設けられておらず、感圧センサ62の車両前側面は、バンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの折れ部94に比し車両下側の部分を、感圧センサ62(衝突検出センサ)が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18にした構成としたが、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの折れ部94に比し車両下側の部分の他、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの折れ部94に比し感圧センサ62(衝突検出センサ)の車両前後方向における厚さ96(仮に荷重伝達板34が存在する場合には荷重伝達板34及び感圧センサ62の車両前後方向における厚さ)だけ車両後側のテーパ面92の部分も、感圧センサ62(衝突検出センサ)が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18にした構成としてもよい。
また、本実施の形態では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端部にテーパ面92を形成した構成としたが、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部にテーパ面92を形成した構成としてもよい。この場合、テーパ面92は、車両下側へ向かうに従い車両後側へ向かう方向へ傾斜される。
[第8の実施の形態]
図9には、本発明の第8の実施の形態に係る車両用バンパ構造100が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造100は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造100では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部に断面矩形凹状の段差102が形成されており、段差102はバンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されている。段差102の車両前後方向における厚さ104(深さ)は、感圧センサ62(衝突検出センサ)の車両前後方向における厚さ96(仮に荷重伝達板34が存在する場合には荷重伝達板34及び感圧センサ62の車両前後方向における厚さ)に比し大きくされている。これにより、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの段差102に比し車両上側の部分が、下記感圧センサ62が設置されるバンパリインフォースメント16の車両前側端面18にされている。
バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両下側端部と、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両下側端部に車両前後方向において対向するバンパカバー36の部分と、は、車両下側へ向かうに従い車両後側へ向かう方向へ傾斜されている。また、バンパアブソーバ22とバンパリインフォースメント16の車両前側面16Aとの間の隙間24の車両上側端部は、開放されていない。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18には、車両上下方向における所定箇所(本実施の形態では1箇所)において、上記第4の実施の形態と同様に感圧センサ62(衝突検出センサ)が固定(設置)されており、感圧センサ62は、当該車両前側端面18の車両上側端部と車両上下方向中央18Aに比し僅かに車両下側部分との間に亘って配置されて、上記隙間24内に配置されている。なお、感圧センサ62の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
バンパリインフォースメント16の車両前側端面18への感圧センサ62の車両上下方向における設置範囲28(感圧センサ62の車両上側端と車両下側端との間の範囲)の車両下側端28Aは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両下側に設定されている。さらに、当該設置範囲28の車両上下方向中央28Bは、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両上下方向中央18Aよりも車両上側に設定されている。
感圧センサ62は、上記第4の実施の形態と同様にセンサ用回路(図示省略)に接続されている。
また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態における荷重伝達板34が設けられておらず、感圧センサ62の車両前側面は、バンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両下側端部に段差102を形成した構成としたが、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端部に段差102を形成した構成としてもよい。
[第9の実施の形態]
図10には、本発明の第9の実施の形態に係る車両用バンパ構造110が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造110は、上記第7の実施の形態(図8参照)と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造110では、バンパアブソーバ22とバンパリインフォースメント16の車両前側面16Aとの間の隙間24が、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両前側の他に、バンパリインフォースメント16のテーパ面92の車両前側にも形成されており、隙間24は、テーパ面92に沿って配置されると共に、車両上側端部がバンパリインフォースメント16の車両上側面16Bよりも僅かに車両上側に配置されている。
バンパリインフォースメント16のテーパ面92には、上記第4の実施の形態と同様に感圧センサ62(衝突検出センサ)が固定(設置)されており、当該感圧センサ62は、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、テーパ面92の車両上側部分に配置されて、上記隙間24内に配置されている。なお、当該感圧センサ62のテーパ面92への固定部分の車両上側端は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
当該感圧センサ62は、上記第4の実施の形態と同様に、センサ用回路(図示省略)に接続されると共に、車両前側面がバンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時には、歩行者38の車両側への倒れ込みによって、フロントバンパ14の車両上側部分に主に衝突荷重が入力されることで、テーパ面92の感圧センサ62へ入力される衝突荷重が大きくなる。これにより、車両が軽量物に前面衝突したか車両が歩行者38に前面衝突したかの判定精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、テーパ面92の感圧センサ62(衝突検出センサ)の車両下側端を、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18に比し感圧センサ62の厚さ96(仮に荷重伝達板34が存在する場合には荷重伝達板34及び感圧センサ62の厚さ)よりも大きく車両後側に配置した構成とするのが好ましい。
[第10の実施の形態]
図11には、本発明の第10の実施の形態に係る車両用バンパ構造120が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造120は、上記第8の実施の形態(図9参照)と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係る車両用バンパ構造120では、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの車両上側端部に段差102が形成されており、バンパリインフォースメント16の車両前側面16Aの段差102に比し車両下側の部分が、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18にされている。
バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両上側端部と、バンパアブソーバ22の車両前側面22Aの車両上側端部に車両前後方向において対向するバンパカバー36の部分と、は、車両上側へ向かうに従い車両後側へ向かう方向へ傾斜されている。また、バンパアブソーバ22とバンパリインフォースメント16の車両前側面16Aとの間の隙間24は、バンパリインフォースメント16の車両前側端面18の車両前側の他に、段差102に沿って設けられており、隙間24の車両上側端は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し僅かに車両上側に配置されている。
バンパリインフォースメント16の段差102には、車両後側面において、上記第4の実施の形態と同様に感圧センサ62(衝突検出センサ)が固定(設置)されており、当該感圧センサ62は、バンパリインフォースメント16の長手方向(すなわち車幅方向)に沿って配置されると共に、上記隙間24内に配置されている。なお、当該感圧センサ62の車両上側面は、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bと同一の高さに配置される他、バンパリインフォースメント16の車両上側面16Bに比し低い高さに配置されてもよい。
段差102の感圧センサ62は、上記第4の実施の形態と同様に、センサ用回路(図示省略)に接続されると共に、車両前側面がバンパアブソーバ22の隙間24形成面に接触されている。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、歩行者38の下肢38Aに対する車両の前面衝突時には、歩行者38の車両側への倒れ込みによって、フロントバンパ14の車両上側部分に主に衝突荷重が入力されることで、段差102の感圧センサ62へ入力される衝突荷重が大きくなる。これにより、車両が軽量物に前面衝突したか車両が歩行者38に前面衝突したかの判定精度を向上させることができる。
なお、上記第1の実施の形態乃至第10の実施の形態では、本発明の車両用バンパ構造を車両前側のフロントバンパ14に適用した構成としたが、本発明の車両用バンパ構造を車両後側のリヤバンパに適用した構成としてもよい。