JP4730227B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として励起光源と、波長変換部材と、導光部材とを有する発光装置に関する。
従来から、高い出力で色情報が正確に再現されるような発光装置が求められている。今日では、その光源として、発光ダイオード(以下「LED」ともいう。)、レーザダイオード(以下「LD」ともいう。)等の発光素子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。
LED及びLDは、小型で電力効率が良く、鮮やかな色で発光し、球切れ等の心配がない。特に、LDは、LEDよりも光密度が高いため、より高輝度の発光装置を実現することができる。
特表2003−515899号公報
しかし、例えば、特許文献1に記載されたLED及びLD等において、波長変換部材を介して、LED又はLDからの光を外部に放出する場合、波長変換部材が光に起因する熱により劣化し、発光素子からの光を十分に外部に放出できなくなったり、場合によっては波長変換部材が変色し発光装置として使用できなくなったりする等の問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、波長変換部材の劣化等を最小限に止めて、高出力かつ長寿命である発光装置を提供するとともに、色むらを生じない発光特性の良好な発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、
励起光を射出する励起光源と、
該励起光を波長変換する波長変換部材とから構成されており、
前記波長変換部材が、励起光の導入方向に沿って順に複数の層/領域が配置されており、励起光源に最も近い側の層/領域であって励起光の導入方向に交差する断面において複数の層/領域が配置され、かつ、励起光源から最も遠い側の層/領域に、前記断面の外側の層/領域と同一材料の層/領域が形成されてなり、
前記波長変換部材の発光観測面側となる少なくとも一部に、前記複数の層/領域の少なくとも1つと同一材料を含む層/領域が設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の別の発光装置は、
励起光を射出する励起光源と、
該励起光を波長変換する波長変換部材とから構成されており、
前記波長変換部材は複数の層/領域からなり、
前記波長変換部材の複数の層/領域の一部に射出光遮断手段を具備しており、かつ、該射出光遮断手段が、波長変換部材の励起光源に最も遠い側の層/領域以外の層/領域の側面に配置されてなることを特徴とする。
本発明の光源装置は、波長変換部材が、少なくとも透光性材料と蛍光物質とから構成されていることが好ましい。
また、導光部材は光ファイバであり、及び/又は、発光素子はレーザダイオードであることが好ましい。
さらに、導光部材の側面の少なくとも一部を被覆する被覆部材を備えることが好ましい。
本発明の発光装置によれば、波長変換部材の所定の部位に射出光遮断手段又は所定の材料層/領域を配置することにより、有効に色むらを改善することができ、良質の光を得ることができる。
さらに、波長変換部材が、特定の方向において配置する複数の層/領域によって形成されることにより、各波長変換部材と励起光源とを、精度良く、かつ容易に配置することができる。また、励起光源による強励起に弱い波長変換部材を励起光源から遠ざけるか、強励起に強い波長変換部材を励起光源に近いところに配置する等により、励起光源による熱及び高強度の光等に、強励起に弱い波長変換部材を直接さらすことなく、波長変換部材の劣化を防止し、発光装置の高寿命化を図ることができる。
本発明の発光装置は、図1に示すように、励起光源10と、波長変換部材40とから構成され、任意に、導光部材20、被覆部材30等を備えていてもよい。
励起光源
励起光源は、励起光を射出するための光源であり、後述する蛍光物質を励起することができる光を出射するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、半導体発光素子、ランプ又は電子ビーム、プラズマ、EL等をエネルギー源とするデバイス等が挙げられる。なかでも、LD、LEDが好適に用いられる。これらを使用することにより、初期駆動特性に優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強く、小型で発光出力の高い発光装置とすることができる。特に、LDは、LEDに比較して光密度が高いので、容易に輝度を向上させることができる。一方、LDは、光密度が高いために波長変換部材が発熱しやすく、劣化、変色を招く。本発明は、熱による波長変換部材への悪影響を大幅に軽減することができるため、励起光源としてLDを用いる場合に特に有効である。
導光部材
導光部材は、光源からの光を波長変換部材に導くための透光性部材である。さらに、導光部材は、長手方向に延伸するとともに、屈曲可能に構成される、例えば、光ファイバであることが好ましい。これにより、所望の位置に光を容易に導出することができる。なお、導光部材の断面は円形が好ましいが、これに限定されるものではない。導光部材20の径は、特に限定されないが、例えば、3000μm以下、1000μm以下、400μm以下、さらには200μm以下のものを用いることができる。一例として、具体的には、コア/クラッド=114/125(μm)、72/80(μm)等のものが挙げられる。導光部材20の径とは、その断面が円形でない場合は、断面における平均の長さとする。
導光部材は、その一端が励起光源側に配置されており、他端が後述する波長変換部材側に配置されている。導光部材としては、発光素子からの光を波長変換部材に導くものであればよく、例えば、光ファイバを用いることができる。これにより、励起光源からの光を効率よく導出することができる。光ファイバは、通常、内側に屈折率の高いコアが、外側に屈折率の低いクラッドが配置されて構成される。導光部材の励起光源側の端部及び/又は波長変換部材側の端部の形状は特に限定されず、平面、凸状レンズ、凹状レンズ、部分的に凹凸を設けた形状等、種々の形状とすることができる。例えば、導光部材として光ファイバを用いる場合、各端部においてコア及び/又はクラッドをこれらの形状とすることができる。
導光部材は、単線ファイバ、多線ファイバのいずれでもよいが、単線ファイバであることが好ましい。また、単一モードファイバ、多モードファイバのいずれでもよいが、多モードファイバであることが好ましい。
導光部材の材料は特に限定されるものではなく、例えば、石英ガラス、プラスチック等が挙げられる。なかでも、コアの材料がピュアシリカ(純粋石英)によって構成されているものが好ましい。これにより、伝達損失を抑えることができる。
なお、導光部材内の一部、例えば、コア材料に、後述する蛍光物質等を含有させてもよい。
波長変換部材
波長変換部材は、励起光源から出射される励起光の一部又は全部を吸収し、波長変換して所定の波長域の光、例えば、赤色、緑色、青色、さらにこれらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する光を放出し得るものである。また、波長変換部材は複数の層/領域により構成されている。したがって、波長変換部材は、このような機能を実現することができる材料によって構成されるものであれば、その種類は限定されないが、少なくとも透光性材料と蛍光物質とから構成されることが好ましい。
波長変換部材は、例えば、異なる波長の光を波長変換する複数の層/領域により構成されていてもよいし、複数の層/領域のうちの少なくとも1層/領域が光を透過及び/又は散乱させる層/領域により構成されていてもよい。これらの層/領域は、蛍光物質のみから構成されるもの、透光性材料に蛍光物質を含有させたもの、透光性材料のみからなるものが挙げられる。ここで、複数の層/領域により構成されているとは、層毎に構成材料が異なるように(つまり、その境界が明確に)配置されているもの、領域の構成材料が徐々に異なるように(つまり、その境界が明確でないか、濃度分布が存在するかのように)配置されているものの双方を包含する(以下、単に「層」と記載されていても、「層/領域」を意味する)。
(蛍光物質)
蛍光物質は、発光素子からの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系及びMn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体・希土類ケイ酸塩蛍光体ならびにEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくとも1以上であることが好ましい。
具体的には、下記の蛍光体を使用することができるが、これらに限定されず、同様の性能、効果を有する蛍光体を使用してもよい。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、M2Si58:Eu、CaAlSiN3:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、M2Si58:EuのほかMSi710:Eu、M1.8Si50.28:Eu、M0.9Si70.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi222:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活されるサイアロン系蛍光体は、Mp/2Si12-p-qAlp+qq16-p:Ce、M−Al−Si−O−N(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。qは0〜2.5、pは1.5〜3である。)などがある。
Eu等のランタノイド系・Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M5(PO43X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、M259X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl24:R、Sr4Al1425:R、CaAl24:R、BaMg2Al1627:R、BaMg2Al1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、La22S:Eu、Y22S:Eu、Gd22S:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、Y3Al512:Ce、(Y0.8Gd0.23Al512:Ce、Y3(Al0.8Ga0.2512:Ce、(Y,Gd)3(Al,Ga)512の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、Zn2GeO4:Mn、MGa24:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
これらの蛍光体は、発光素子の励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有する蛍光体を使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する蛍光体も使用することができる。これらの蛍光体を種々組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する表面実装型発光装置を製造することができる。
例えば、青色に発光するGaN系化合物半導体を用いて、Y3Al512:Ce又は(Y0.8Gd0.23Al512:Ceの蛍光物質に照射し、波長変換を行う。発光素子からの光と、蛍光体からの光との混合色により白色に発光する発光装置を提供することができる。
また、緑色から黄色に発光するCaSi222:Eu又はSrSi222:Euと、蛍光体である青色に発光する(Sr,Ca)5(PO43Cl:Eu、赤色に発光するCa2Si58:Eu又はCaAlSiN3:Euと、からなる蛍光体を使用することによって、演色性の良好な白色に発光する発光装置を提供することができる。これは、色の三源色である赤・青・緑を使用しているため、第1の蛍光体及び第2の蛍光体の配合比を変えることのみで、所望の白色光を実現することができる。
さらに、(Sr,Ca)5(PO43Cl:Eu(青色発光B)と、LAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)又はBaSi222:Eu(緑色から黄色発光)と、SCESN(赤色発光R)との組み合わせ;CCA、CCB、BAM(青色発光B)と、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)(黄色発光Y)との組み合わせ;CCA、CCB又はBAM等(青色発光B)と、LAG(緑色発光G)と、SCESN(赤色発光R)との組み合わせが挙げられる。これにより、短波長領域の360〜470nmの範囲の発光ピーク波長を有する励起光源と組み合わせると、演色性の良好な白色系の混色を発光する光を得ることができる。
また、LAG(緑色発光G)と、SESN、SCESN又はCaAlSiN3:Eu(赤色発光R)との組み合わせが挙げられる。これにより、450nm付近(例えば、400〜460nm)に発光ピーク波長を有する励起光源と組み合わせることにより、発光効率をさらに向上させることができる。
(透光性材料)
透光性材料は、光源からの光を透過し得る材料であれば、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機材料、低融点ガラス、結晶化ガラス等の無機材料等、これらの材料に後述するフィラー等を含有したもの等が挙げられる。これにより、光源から得られた光を、そのまま波長変換せずに用いることができ、光の指向性を制御することができる。
一般に、有機材料の透光性材料は、光により劣化しやすいが、本発明の構成は、特に、透光性材料が有機部材である場合に有効である。
なお、良好な演色性を得るためには、波長変換部材を通った後の照射光が、70以上、さらに80以上の平均演色評価数(Ra)となるような材料を選択することが好ましい。
このように、波長変換部材を用いることにより、複数の波長の光を合成することができ、白色系の混色を得ることができる。ただし、色調を調整するための各色の光は、必ずしも波長変換部材によって波長変換された光でなくてもよく、励起光源から得られた励起光をそのまま利用してもよい。例えば、励起光源からの光と、1以上の蛍光物質からの光とが合成されたもの、あるいは、2以上の蛍光物質からの光が合成されたものが挙げられる。
波長変換部材には、任意に、SiO2等のフィラーを含有させてもよい。フィラーは、照射された光を反射、散乱させるためのものである。これにより、光を散乱させて取り出すことができる。また、混色が良好になるとともに色むらを低減させることができる。さらに、波長変換部材にフィラーを混合することにより、その粘度を調整することができるため、任意の形状に、任意の部位に、容易に配置させることができる。フィラーは、波長変換部材を構成する材料により、任意の粒径、粒子形状、使用量を適宜調整して用いることができる。
波長変換部材を構成する複数の層は、例えば、励起光の導入方向に沿って順に複数の層が積層されるように配置していてもよいし、励起光の導入方向に交差する断面において(例えば、放射状に)複数の層が配置されてもよいし、これらを組み合わせたように配置されていてもよい。ここで、交差する方向とは、励起光の導入方向に対して、±90°未満で交差する場合を意味するが、好ましくは、励起光の導入方向に対して直交する方向及び±45°程度までとすることが適切である。
励起光の導入方向に沿って順に複数の層(例えば、n種の層、nは2以上の整数、好ましくは2〜5程度、以下同じ)が積層されている態様としては、励起光源に近い側に第1の層が配置され、遠い側に向かって順次第2層〜第n層が配置されているものが挙げられる。
例えば、図2(a)、(c)に示すように、波長変換部材40が円板状である場合には、最初に励起光1が導入される部分、つまり、励起光源に近い側(下層)に第1層40A、上層に第2層40B〜第n層が配置される態様が挙げられる。これにより、励起光が直接導入されるために、比較的劣化しやすい部分に強励起に対して耐性がある層を配置して、第1の層の劣化を軽減し、結果として発光装置の寿命を向上させることができる。
また、励起光の導入方向に交差する断面において複数の層が配置されている態様としては、最初に励起光が導入される部分、つまり、内側に第1の層が配置され、それを取り囲むように、外側に向かって順次第2層〜第n層が配置されているものが挙げられる。
例えば、図3(a)、(c)に示すように、波長変換部材40が円板状である場合には、最初に励起光が導入される部分、例えば、中心部分に円柱状の第1層40A、その円板の外周に、内径が順に大きくなる円筒状の第2層40B〜第n層が同心円となるように配置された断面がバウムクーヘン状の態様が挙げられる。これにより、励起光が直接導入されるために、比較的劣化しやすい部分に強励起に対して耐性がある層を配置して、第1の層の劣化を軽減し、結果として発光装置の寿命を向上させることができる。
さらに、波長変換部材の表面の発光観測面側となる少なくとも一部に、複数の層/領域の少なくとも1つと同一材料を含む層/領域が設けられていることが好ましい。例えば、図4(a)、(b)に示すように、下層においては、中心部分に第1層40A、その円板の外周に第2層40B〜第n層が配置され、その上に上層が積層される態様が挙げられる。この場合の上層は、下層における最も外側に配置される第2層40B〜第n層と同一材料によって形成されていることが好ましい。これにより、導入された励起光の全てを、最終的に同じ材料の層を通して取り出すことができるために、有効に色むらを改善することができる。なお、複数の層/領域の配置は、図4Aに示される形態に限定されることはない。例えば、図4Aに示される中心部分の第一層40Aが、励起光の導入方向、すなわち励起光の光軸方向に沿って配列された複数の層/領域を有していてもよい。
波長変換部材の形状は、上述したように、円板状、円錐台形状、多角形柱、多角台形状又はこれらの形状に近似する形状とすることができる。その大きさは、特に限定されるものではなく、用いる導光部材の構造及び大きさ等によって適宜調整することができる。例えば、波長変換部材の直径(又は幅)が、少なくとも導光部材の直径と同等又はそれより大きいことが好ましい。特に、最初に励起光が導入される層又は最も内側の層の径が、導光部材のコアの径と同等又はそれより大きいことが好ましい。なお、上層と下層、内側の層と外側の層とは必ずしも同じ形状(合同、相似)でなくてもよく、内側の層が円柱、外側の層が多角形柱の組み合わせ、内側の層が卵形、外側の層がドーナツ形状の組み合わせ、上層が多角形柱、下層が円柱の組み合わせ等であってもよい。その膜厚は特に限定されるものではなく、用いる材料、蛍光物質の量等によって適宜調整することができる。例えば、波長変換部材を厚膜で形成する場合には、変換効率が向上し、結果的に発光効率を上昇させることができるが、その一方、光の吸収等により発光効率を損なうこともあるため、これらを考慮して適切な膜厚を選択することが好ましい。なお、各層の膜厚は異なっていてもよい。
このような観点から、波長変換部材は、最初に励起光が導入される部分が、それ以外の部分よりも、励起光により生じる熱が低い材料で形成されていることが好ましい。例えば、図2(a)〜(d)では、励起光源に最も近い側の第1の層40Aが、遠い側の第2層40B〜第n層よりも、励起光により生じる熱が低い材料で形成されていることが好ましい。つまり、耐熱性のある透光性材料により形成されているか、蛍光物質の含量が少量であるか、高温下で発光効率の低下が少ない蛍光物質であるか、あるいは、励起光に対して耐性のある蛍光物質により形成されている等が挙げられる。
また、例えば、図3(a)〜(d)及び図4(a)、(b)では、最初に励起光が導入される最も内側の第1の層40Aが外側の第2層40B〜第n層よりも、励起光により生じる熱が低い材料で形成されていることが好ましい。
あるいは、別の観点から、励起光が最初に導入される第1の層40Aに蛍光物質を含まず、透光性材料のみを配置し、それ以外の励起光源に遠い側の第2層40B〜第n層に蛍光物質等を含有させてもよい。これにより、波長変換部材の端部で光密度を低下させることができるので、遠い側の層の劣化を軽減することができ、発光効率や発光出力を向上させることができる。
さらに、励起光源に近い側の第1の層に、励起光によって励起せず、励起光を反射しやすい蛍光物質及び/又はフィラーを含有させ、遠い側の第2〜第n層に蛍光物質等を含有させてもよい。これにより、励起光を波長変換部材の入射側において散乱させ、出射側に反射させて、波長変換した励起光のすべてを効率的に取り出すことができる。しかも、近い側の層において励起光の光密度をより低下させることができるので、近い側の層の劣化を軽減することができる。なかでも、近い側の層に含まれる第1の蛍光物質を励起光により励起させ、遠い側の層に含まれる第2の蛍光物質を、第1の蛍光物質からの光により励起させることができるように調整することが好ましい。これにより、波長変換部材の劣化をより効果的に軽減することができる。
さらに、励起光源に近い側の第1の層に、熱及び光に耐性の高い蛍光物質を含有させ、遠い側の第2〜第n層に熱や光に対する耐性にかかわらず、蛍光物質を含有させてもよい。つまり、励起光源に近い側から、第1の蛍光物質を有する層と、第2の蛍光物質を有する層とを順に配置させてもよい。ここで、第1の蛍光物質は、第2の蛍光物質よりも、励起光により生じる熱が低いものが好ましい。これにより、波長変換部材全体としての劣化を軽減することができる。なお、第1の蛍光物質及び第2の蛍光物質にそれぞれ生じる熱は、例えば、同体積の第1の蛍光物質と第2の蛍光物質とにそれぞれ励起光を照射し、それぞれの発熱温度を比較することにより測定することができる。
波長変換部材は、例えば、上述した蛍光物質等を、任意にフィラーとともに、透光性材料に混合し、必要があれば適当な溶媒を用いて、ポッティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法等、さらに、注型法、圧縮法、トランスファー法、射出法、押し出し法、積層法、カレンダー法、インジェクションモールド法等のプラスチックの成型法等、真空被覆法、粉末噴霧被覆法、静電堆積法、電気泳動的に堆積させる方法等を利用して、上述した所望の形状に形成することができる。また、透光性材料を用いずに、例えば、蛍光物質等と、任意にフィラー及び適当な溶媒とともに混合し、任意に加熱しながら、加圧により成型する方法、電着等を利用してもよい。
特に、図3(a)、(c)に示すような円板状の場合には、n層の積層の数に応じて、透光性材料中に任意に蛍光物質を含有させたものを準備し、最も内側に配置するものを棒状に成形し、これを取り囲むように順に他のものを被覆し、次いで、所定の温度で延伸(熱引き)して所望の径を有する線状部材を形成し、この線状部材を切断することにより、円板状の部材を得ることができる。延伸する際の温度は、透光性材料の軟化温度以上であることが好ましく、用いる透光性材料によって適宜決定することができる。
波長変換部材は、図1に示すように、励起光を導出するための導光部材の先端部に取り付けてもよいし、励起光源と導光部材との接続部分に取り付けてもよい。後者の場合には、導光部材の先端が汚れる箇所においても使用することができる。また、波長変換部材の取り替えが容易にできる。さらに、波長変換部材を種々の位置に設けることにより生産性の向上を図ることができる。なお、これらの場合には、励起光が、波長変換部材の内側の層に入射されるように導光部材と波長変換部材とを連結することが適している。
波長変換部材は、導光部材の端部(端面)のみを被覆するように形成されていてもよいが、発光装置が後述する被覆部材を備えている場合には、導光部材端部のみならず、被覆部材の端面にまでわたって、その端面の一部、さらに、全部を被覆していることが好ましい。これにより、波長変換部材が広い領域に形成されることとなり、放熱性が向上するとともに、密着性が向上し、波長変換部材の剥離等を防止することができる。また、波長変換部材に照射される光の密度を低減させることができ、樹脂の劣化を防止することが可能となる。さらに、光の取り出し効率が向上し、高輝度の発光装置を得ることができる。波長変換部材での被覆部材の端部の被覆面積が増加するほど、この効果が向上する。
(射出光遮断手段)
波長変換部材の表面の一部(例えば、層/領域が露出した側面又は端面)には、射出光遮断手段(例えば、反射膜)が形成されている。ここで射出光遮断手段とは、光(励起光、波長変換光の双方を含む)を透過しない膜を意味し、光を反射するのみならず、光を吸収する、光を遮光する、可視光成分をカットする機能のいずれかを備えるものであればよい。つまり、本形態における射出光遮断手段とは、蛍光物質含有の有無、蛍光物質の種類や量の異同を問わず、複数の層/領域からなる波長変換部材の所定の部位に設けられる部材であり、所望の色度を有する混色光の生成に寄与することなく発光観測面以外の方向に向かう光が、その方向から射出しないようにその進路を遮断あるいは進路を変更する部材をいう。ここで、波長変換部材の表面のうち、射出光遮断手段が設けられていない側の面を、発光観測面または励起光の入射面とする。このような射出光の遮断を行うことにより、本発明は、発光観測面方向には所望の色度に混色された光が射出することとなるため、波長変換部材から射出する光の色ムラを低減させることができる。また、光の反射率や吸収率、あるいは遮光率が20%以上あれば、本発明の射出光遮断手段として用いることができる。また、波長変換部材の側面とは、励起光の導入方向に水平な方向に延びる面(±45°程度の傾きは許容される)を意味する。また、端面とは、励起光の導入方向に直交する方向に延びる面(±45°程度の傾きは許容される)を意味する。なお、射出光遮断手段は、図2(b)、(d)に示すように、全側面に形成されていてもよいし、図3(b)、(d)に示すように、全端面に形成されていてもよい。また、任意の層の側面又は端面の一部に形成されていてもよい。例えば、図2(a)、(c)に示すように、励起光源に最も遠い側の層以外の層の側面に形成されているか、図3(a)、(c)に示すように、少なくとも、最も内側の層の端面に形成されていることが好ましい。
これにより、波長変換部材から出射される光において、波長の異なる光の強弱を適切に調整することができ、色むらを改善することができる。
なお、射出光遮断手段は、導光部材と波長変換部材との連結部位であって、励起光の通り道以外の部位に配置されていてもよい。これにより、波長変換部材による導光部材への戻り光を防止し、導光部材からの光を有効に利用することができる。
射出光遮断手段の一例としての反射膜は、銀、アルミニウム、銅等の金属により形成することができる。その膜厚は特に限定されるものではなく、例えば、100〜100,000Å程度が適している。このような射出光遮断手段は、任意にマスクを利用して、例えば、蒸着法、スパッタリング法等、当該分野で公知の方法により形成することができる。
被覆部材
本発明の発光装置においては、導光部材の先端、つまり励起光源に接続されていない端部が、被覆部材によって支持されていることが好ましい。このような被覆部材により、導光部材からの出射光を固定することが容易となる。また、その材料や形状に応じて発光効率を向上させることができるとともに、発光装置としての組み立てが容易となる。したがって、被覆部材は、導光部材を支持し得るものであれば、どのような材料及び形状で構成されていてもよい。
被覆部材は、励起光及び/又は波長変換された光を反射する材料、つまり、これらの光に対する反射率が高い、光の屈折率が高い、熱伝導性が高い、いずれかの材料又はこれらの性質を2種以上備える材料で形成されていることが好ましい。例えば、励起光及び/又は波長変換された光に対して80%以上の反射率、350〜500nm程度の光に対してn:1.4以上の屈折率及び/又は0.1W/m・℃以上の熱伝導性を有するものが好ましい。具体的にはAg、Al、ZrO2、ホウケイ酸ガラス、ステンレス鋼(SUS)、カーボン、銅、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、ZrO2を用いた場合には、反射率が高く、導光部材が通るように加工することが容易であり、ステンレス鋼を用いた場合には、引っ張り強度を維持することが容易であるため、ZrO2、ステンレス鋼(例えば、SUS303等)で形成されていることが好ましい。
また、反射率を上げるために、被覆部材の端面にミラーをつけて鏡面反射をさせるか、乱反射をさせてもよいし、凹凸等の加工をしてもよい。これにより、一旦、導光部材から照射された励起光や波長変換された光が反射によって導光部材側に戻ってきた場合に、被覆部材によって再度反射させることにより、励起光及び波長変換された光を有効に外部に取り出すことができ、出力を向上させることができる。また、凹凸が形成されている場合には、波長変換部材の被覆部材への密着性が向上し、波長変換部材の放熱性を増大させるとともに、波長変換部材の剥がれや劣化を防止することができる。なお、鏡面反射及び/又は凹凸を有する面は、被覆部材のみならず、導光部材の端面にも形成されていることが好ましい。
被覆部材は、例えば、導光部材の外周を取り囲むような円筒形状であってもよいし、導光部材の端面に種々の機能を付与するために各種の機能膜/部材等が一体的に又は別個に取り付けられたものでもよいし、導光部材の端面や各種機能膜/部材等を被覆するためのカバー又はキャップ等が一体的に又は別個に取り付けられたものでもよい。
その他の部材
励起光源の射出側には、レンズが設けられていてもよい。
レンズは、発光素子から射出された光が、射出部に集光される限り、どのような形状でもよく、発光素子と射出部との間に、複数枚並べて配置してもよい。レンズは、無機ガラス、樹脂等により形成することができ、なかでも、無機ガラスが好ましい。励起光源と導光部材との間にレンズを備え、レンズを介して励起光源から射出された励起光を導光部材へ導出することができることにより、励起光源からの射出する励起光を集光させ、効率よく導光部材に導出することができる。
また、励起光源に備えられるレンズに蛍光物質等を含有させてもよい。これにより、レンズ自体を波長変換部材として機能させることができる。レンズ機能により、波長変換された励起光が、確実に射出部に集光されるため、色バラツキを解消することができる。
発光装置の態様
本発明の発光装置は、図1に示したように、1つの励起光源と、一本の導光部材と、1つの波長変換部材とから構成されていてもよいし、このような一単位の発光装置を複数個搭載した発光装置としてもよい。
また、1つの励起光源に複数本の導光部材と、それに対応した波長変換部材とを備えるように構成してもよい。また、1つの励起光源に複数本の導光部材と、これら導光部材からの光を1つの波長変換部材で波長変換する構成を有していてもよい。さらに、複数の励起光源と、それに対応する複数本の導光部材と、これら導光部材からの光を1つの波長変換部材で波長変換する構成を有していてもよい。また、これらの発光装置を組み合わせて1つの発光装置として利用してもよい。
発光装置の用途
本発明の発光装置は、例えば、通常の照明器具、車両搭載用の照明(具体的には、ヘッドライト用、テールランプ用光源等)、内視鏡装置、ファイバースコープ、電流の漏洩や発熱等を回避したい部材における光源、点光源を要求する場所や光源の取り替えが困難な場所などで使用する発光装置等として利用することができる。
したがって、この発光装置は、撮像部材(つまり、光学像を電気信号に変換する電子部品(受光素子))、具体的には、CCD(charge-coupled device)、CMOS(CMOS image sensor)等を利用した撮像素子、電気信号を画像信号に変換する画像信号処理装置、電気信号又は測定値等を表示するインジケータ、画像信号を出力して画像を映し出すディスプレイ、各種の処理及び計算を行うコンピュータ等とともに使用することができる。特に、撮像部材として撮像素子を用いる場合には、被写体の光学像を、扱いやすいものとすることができる。
例えば、受光素子(例えば、フォトダイオード等)は、発光装置と別体として設けてもよいが、励起光源における発光素子の近傍に、導光部材の周辺にあるいは導光部材先端部材内のいずれに設けてもよい。これにより、受光素子によって発光素子から発せられた光量を観測し、一定の光量以下の場合に、発光素子に投入される電流を調整するなどして一定の光量を維持することができる。
本発明の発光装置は、色調バラつきが少なく、色再現性に非常に富み、演色性が非常に高いため、内視鏡装置のように、鮮明な撮像等が要求される装置との併用に極めて優れた効果を発揮する。
さらに、本発明の発光装置は、可視光通信にも使用することができる。つまり、上述した発光装置により得られる可視光を利用し、例えば、発光装置に通信機能を付加することによりワイヤレス環境を構築することができる。これにより、励起光源としてレーザ素子を用いているために、数百MHzという変調速度を実現することができる。
以下に、本発明の発光装置の具体例を図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1
この発光装置は、図1に示したように、励起光源10と、導光部材20と、被覆部材30と、波長変換部材40とを備えて構成される。
励起光源10としては、405nm近傍又は445nm近傍に発光ピーク波長を有するGaN系の半導体からなる発光素子10であるレーザダイオードを用いた。このレーザダイオードの前面には、レーザダイオードからの励起光1を集光するためのレンズ2を配置した。
導光部材20は、その一端が、励起光源10の光の出射部に接続されており、他端が、アルミナからなる直径0.7mmの被覆部材30に接続されている。導光部材として、石英製の、例えば、SI型114(μm:コア径)/125(μm:クラッド径)を用いた。
波長変換部材40は、表1に示すように、シリコーン樹脂中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、下層に配置する第1の層40Aの上に、上層として第2の層40Bを配置する二層構造の円板状に成型され、図5(a)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている。また、この波長変換部材40の側面には、種々の態様で射出光遮断手段の一例として反射膜が形成されている。反射膜は、膜厚100000Å程度のAg膜を用いて形成されている。
蛍光物質は、青色に発光するCa10(PO46Cl2:Eu(CCA:Blue)と、黄色から緑色に発光するCeで付活されたYAG(Yellow)とを使用する。これらの蛍光物質は、シリコーン樹脂中に均一になるまで混練している。
また、この波長変換部材40には、レーザダイオードから射出される光を拡散するための拡散剤(例えば、SiO2フィラー)を混合した。この場合の波長変換部材40の膜厚は、例えば、1mm程度とした。
Figure 0004730227
特に、表1中の5の波長変換部材を用いて発光させたところ、図7の破線及び図8の黒四角に示すように、視野の全面においてならびに色度図のx方向及びy方向のいずれにおいても、ほぼ一定の良好な白色度を得ることができ、色むらが改善されていることが確認された。なお、図8中に黒四角および白丸で示されるポイントのそれぞれについて、黒体放射軌跡に沿って色温度の高いほうのポイントが視野角0°における色度を示し、色温度の低いほうのポイントが視野角60°における色度を示す。
なお、比較例として、反射膜を形成しない以外実質的に同一の発光装置について、同様に発光させたところ、図7の実線及び図8の白丸で示すように、反射膜が形成された波長変換部材を用いるのに比較して、視野の範囲におけるバラツキがあり、色度においても劣っていることが確認された。
つまり、波長変換部材40の側面に反射膜を形成することにより、出射光のバランスを図ることができ、色むらを有効に防止し、平均演色評価数(Ra)が80以上と、良好な白色光を得ることができる。
また、この発光装置では、レーザダイオードから射出された励起光1は、レンズ2を透過して射出部に集光され、集光された励起光1は、導光部材20を通して、波長変換部材40の蛍光物質に照射されて波長が変換されることにより、所望の光を得ることができる。
また、第1の層40Aに熱を生じにくい第1の蛍光物質を、第2の40B層に熱を生じやすい第2の蛍光物質をそれぞれ配置させる場合には、波長変換部材が熱により劣化するのを効果的に軽減することができる。第1の層に含まれる第1の蛍光物質により、光が散乱され、光密度が低下するので、第2の層における第2の蛍光物質の発熱をより軽減させることができる。
あるいは、第1の層40Aに励起光を透過する透光性材料を、第2の層40Bに励起光により波長変換する第2の蛍光物質を、それぞれ配置させる場合には、波長変換部材が熱により劣化するのを効果的に軽減することができる。特に、第1の層に含まれるフィラーにより、光が散乱され、光密度が低下するので、第2の層における第2の蛍光物質の発熱をより軽減させることができる。
その結果、発光出力の高い信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例2
この発光装置は、波長変換部材40が、表2に示すように、透光性材料中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、第1の層40Aの上に、第2の層40B、さらにその上に第3の層40Cを配置する三層構造の円板状に成型され、図5(b)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている以外は、実施例1と同様の構成を有する。また、この波長変換部材40の側面には、種々の態様で反射膜が形成されている。
Figure 0004730227
得られた発光装置は、実施例1と同様に、波長変換部材40の熱による劣化を大幅に軽減させることができる。加えて、出射光のバランスを図り、色むらを有効に防止することができる。その結果、発光出力の高く、良質の光を得ることができる信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例3
この発光装置は、波長変換部材40が、表3に示すように、透光性材料中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、内側の層として第1の層40Aの外側に第2の層40Bを配置する二重構造に成型され、図5(c)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている以外は、実施例1と同様の構成を有する。また、この波長変換部材40の端面には、種々の態様で反射膜が形成されている。
Figure 0004730227
得られた発光装置は、実施例1と同様に、波長変換部材40の熱による劣化を大幅に軽減させることができる。加えて、出射光のバランスを図り、色むらを有効に防止することができる。その結果、発光出力の高く、良質の光を得ることができる信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例4
この発光装置は、波長変換部材40が、表4に示すように、透光性材料中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、最も内側の第1の層40A、その外側の第2の層40B、最も外側の第3の層40Cを配置する三重構造に成型され、図5(d)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている以外は、実施例1と同様の構成を有する。また、この波長変換部材40の端面には、種々の態様で反射膜が形成されている。
Figure 0004730227
得られた発光装置は、実施例3と同様に、波長変換部材40の熱による劣化をより大幅に軽減させることができる。加えて、出射光のバランスを図り、色むらを有効に防止することができる。その結果、発光出力の高く、良質の光を得ることができる信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例5
この発光装置は、波長変換部材40が、表5に示すように、透光性材料中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、下層の内側の第1の層40Aの外周に第2の層40Bが形成され、さらにそれらの上層に第2の層40Bを配置する二重構造及び二層構造の円板状に成型され、図6(a)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている以外は、実施例1と同様の構成を有する。
Figure 0004730227
得られた発光装置は、実施例1と同様に、波長変換部材40の熱による劣化を大幅に軽減させることができる。また、上層の第2の層40Bによって、第1の層40Aから直接出射される光がなく、波長変換部材40からの出射光のバランスを図り、色むらを防止することができる。その結果、発光出力の高く、良質の光を得ることができる信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例6
この発光装置は、波長変換部材40が、表6に示すように、透光性材料中に、種々の蛍光物質が均一に分散するように混合され、下層において、最も内側の第1の層40Aの外周に第2の層40B、さらにその外側に第3の層40Cを配置し、それらの上層に第3の層40Cが配置する三重構造からなる二層構造の円板状に成型され、図6(b)に示すように、導光部材20の先端に取り付けられている以外は、実施例1と同様の構成を有する。
Figure 0004730227
得られた発光装置は、実施例1と同様に、波長変換部材40の熱による劣化を大幅に軽減させることができる。また、実施例5と同様に、色むらを防止することができる。その結果、発光出力の高く、良質の光を得ることができる信頼性のある発光装置とすることができる。
本発明の発光装置は、照明器具、車両搭載用照明、ディスプレイ、インジケータ等に利用することができる。また、生体内部を撮像する内視鏡装置、狭い隙間及び暗い空間等を照明することができるファイバースコープ、電流の漏洩や発熱のない照明を必要とする各種工業用の装置等に利用することができる。
本発明の発光装置の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材の別の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材のさらに別の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置の種々の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の発光装置の種々の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の発光装置の発光特性を示すグラフである。 本発明の発光装置の発光特性を示すグラフである。
符号の説明
1 励起光
2 光
10 励起光源
20 導光部材
30 被覆部材
40 波長変換部材
40A 第1の層
40B 第2の層
40C 第3の層
50 射出光遮断手段

Claims (6)

  1. 励起光を射出する励起光源と、
    該励起光を波長変換する波長変換部材とから構成されており、
    前記波長変換部材が、励起光の導入方向に沿って順に複数の層/領域が配置されており、励起光源に最も近い側の層/領域であって励起光の導入方向に交差する断面において複数の層/領域が配置され、かつ、励起光源から最も遠い側の層/領域に、前記断面の外側の層/領域と同一材料の層/領域が形成されてなり、
    前記波長変換部材の発光観測面側となる少なくとも一部に、前記複数の層/領域の少なくとも1つと同一材料を含む層/領域が設けられていることを特徴とする発光装置。
  2. 励起光を射出する励起光源と、
    該励起光を波長変換する波長変換部材とから構成されており、
    前記波長変換部材は複数の層/領域からなり、
    前記波長変換部材の複数の層/領域の一部に射出光遮断手段を具備しており、かつ、該射出光遮断手段が、波長変換部材の励起光源に最も遠い側の層/領域以外の層/領域の側面に配置されてなることを特徴とする発光装置。
  3. 波長変換部材が、少なくとも透光性材料と蛍光物質とから構成されてなる請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 導光部材は光ファイバである請求項1から3のいずれか1つに記載の発光装置。
  5. さらに、導光部材の側面の少なくとも一部を被覆する被覆部材を備える請求項1〜のいずれか1つに記載の発光装置。
  6. 発光素子はレーザダイオードである請求項1〜のいずれか1つに記載の発光装置。
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