JP2008027947A - 発光装置 - Google Patents

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幸宏 林
敦智 ▲濱▼
Atsutomo Hama
潤 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】 高出力かつ長寿命の発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、励起光を射出する光源と、上記励起光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を射出する波長変換部材と、上記励起光を波長変換部材に導く導光部材とを備えた発光装置である。本発明は、特に、上記波長変換部材が、上記励起光の導入方向に交差する一断面に複数の層又は領域を配置させたものであり、かつ、上記導光部材が、上記波長変換部材の複数の層又は領域のそれぞれに励起光が入射されるように光学的に連結されて、複数設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として光源と、波長変換部材と、複数の導光部材とを有する発光装置に関する。
従来から、高い出力で色情報が正確に再現されるような発光装置が求められている。今日では、その光源として、発光ダイオード(以下「LED」ともいう。)、レーザダイオード(以下「LD」ともいう。)等の発光素子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。
LED及びLDは、小型で電力効率が良く、鮮やかな色で発光し、球切れ等の心配がない。特に、LDは、LEDよりも光密度が高いため、より高輝度の発光装置を実現することができる。
特表2003−515899号公報
しかし、例えば、特許文献1に記載されたLED及びLD等では、色の再現性、励起光の能力の発揮が十分に実現されていないのが現状である。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、用いる励起光、波長変換部材、導光部材の組み合わせを工夫することにより、励起光の能力、色の再現性、高出力化等の全てを改善することができる発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、励起光を射出する光源と、前記励起光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を射出する波長変換部材と、前記励起光を波長変換部材に導く複数の導光部材とを備えており、前記波長変換部材は、前記励起光の導入方向に交差する一断面に複数の層又は領域が配置されており、かつ、前記複数の導光部材のそれぞれは、前記波長変換部材の複数の層又は領域のそれぞれに励起光を入射するように光学的に連結されていることを特徴とする。
このような発光装置では、波長変換部材は、励起光の導入方向に交差する一断面において、その中心から外側方向に複数の層又は領域が配置されていてもよいし、励起光の導入方向に直交する任意の断面において、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲していてもよいし、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲していてもよいし、励起光を導入する励起光導入面において、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲していてもよい。
波長変換部材は、蛍光体と透光性材料とを含んで構成されることが好ましい。
さらに、導光部材の少なくとも一部を被覆する被覆部材を備えることが好ましい。
また、光源がレーザダイオードであり、導光部材が光ファイバであることが好ましく、光源は、波長変換部材を構成する複数の層又は領域に対応して、複数備えられていることが好ましい。
本発明の発光装置によれば、波長変換部材を特定の方向において複数の層又は領域を積層することにより、各波長変換部材と光源とを、精度良く、かつ容易に配置することができる。
また、励起光を、波長変換部材の各特性に応じて使い分けることにより、波長変換部材の能力を最大限に発揮させることができ、高輝度、高出力の発光装置を得ることができる。
さらに、励起光のオン/オフ又は出力調整を行うことにより、任意の色の再現性を実現することができる。
本発明の発光装置は、少なくとも、光源10と、導光部材20と、波長変換部材40とから構成され、さらに、被覆部材30を備えていてもよい。
光源
光源は、励起光を射出するための光源であり、後述する波長変換部材を構成する蛍光体を励起することができる光を出射するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、半導体発光素子、ランプ又は電子ビーム、プラズマ、EL等をエネルギー源とするデバイス等が挙げられる。なかでも、300〜500nmの波長の光を発する発光素子であることが好ましく、LD、LEDが好適に用いられる。これらを使用することにより、初期駆動特性に優れ、振動やオン/オフ点灯の繰り返しに強く、小型で発光出力の高い発光装置とすることができる。特に、LDは、LEDに比較して光密度が高いので、容易に輝度を向上させることができる。
本発明においては、光源は、1つの発光装置において、1つのみ用いるものであってもよいが、複数個用いることが好ましい。例えば、後述する波長変換部材の複数の層のそれぞれに対して、少なくとも1つの光源を組み合わせることが好ましい。
導光部材
導光部材は、光源からの光を後述する波長変換部材に導くための透光性部材である。導光部材は、長手方向に延伸するとともに、屈曲可能に構成されていることが好ましい。この導光部材を備えることにより、所望の位置に光を容易に導出することができる。なお、導光部材の断面は円形が好ましいが、これに限定されるものではない。導光部材20の径は、特に限定されないが、例えば、3000μm以下、1000μm以下、400μm以下、さらには200μm以下のものを用いることができる。一例として、具体的には、コア/クラッド=114/125(μm)、72/80(μm)等のものが挙げられる。導光部材20の径とは、その断面が円形でない場合は、断面における平均の長さとする。
導光部材は、その一端が光源側に配置されており、他端が後述する波長変換部材側に配置されている。導光部材としては、光源からの光を波長変換部材に導くものであればよく、例えば、光ファイバを用いることができる。これにより、光源からの光を効率よく導出することができる。光ファイバは、通常、内側に屈折率の高いコアが、外側に屈折率の低いクラッドが配置されて構成される。導光部材の光源側の端部又は波長変換部材側の端部の形状は特に限定されず、平面、凸状レンズ、凹状レンズ、部分的に凹凸を設けた形状等、種々の形状とすることができる。例えば、導光部材として光ファイバを用いる場合、各端部においてコア又はクラッドをこれらの形状とすることができる。
導光部材は、単線ファイバ、多線ファイバのいずれでもよいが、単線ファイバであることが好ましい。また、単一モードファイバ、多モードファイバのいずれでもよいが、多モードファイバであることが好ましい。
導光部材の材料は特に限定されるものではなく、例えば、石英ガラス、プラスチック等が挙げられる。なかでも、コアの材料がピュアシリカ(純粋石英)によって構成されているものが好ましい。これにより、伝達損失を抑えることができる。なお、導光部材内の一部、例えば、コア材料に、後述する蛍光体等を含有させてもよい。
本発明において、導光部材は、通常、1つの発光装置に複数備えられる。この場合、1つの光源に対して、複数の導光部材を連結させてもよいが、複数の光源のそれぞれに対して、少なくとも1つの導光部材を連結させることが好ましい。例えば、第1〜第nの光源(nは2以上の整数)のそれぞれに1対1で導光部材を設けてもよいし、第1の光源に1つの導光部材、第2〜第nの光源(nは3以上の整数)にそれぞれ2つの導光部材を設けてもよいし、第1の光源に1つの導光部材、第2の光源に2つの導光部材、第3の光源に4つの導光部材を設ける等であってもよい。これにより、種々の波長の光を利用することができるとともに、その波長の光に応じて波長変換部材を組み合わせることが可能となり、より波長変換部材の能力を発揮させることができる。また、光源のオン/オフ、各光源の出力調整を容易に行うことができる。
波長変換部材
波長変換部材は、レーザダイオードから出射される励起光の一部又は全部を吸収し、波長変換して所定の波長域の光、例えば、赤色、緑色、青色、さらにこれらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する光を放出し得るものである。したがって、波長変換部材は、このような機能を実現することができる材料によって構成されるものであれば、その種類は限定されない。
波長変換部材は、例えば、異なる波長の光を波長変換する複数の層又は領域(2層又は領域又は3層又は領域以上)により構成されていてもよいし、複数の層又は領域のうち、少なくとも1層又は領域が光を透過及び/又は散乱させる層又は領域により構成されていてもよい。これらの層又は領域は、蛍光物質のみから構成されるもの、透光性材料に蛍光物質を含有させたもの、透光性材料のみからなるものが挙げられる。具体的には、図5(a)に示すように、励起光の導入方向に略直交する方向に複数の層又は領域が積層されていてもよいし、図6に示すように、励起光の導入方向に交差する方向に(例えば、放射状に)複数の層又は領域が配置されていてもよい。
蛍光物質としては、レーザダイオードで励起されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、M2Si58:Eu、MAlSiN3:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、M2Si58:EuのほかMSi710:Eu、M1.8Si50.28:Eu、M0.9Si70.110:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi222:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活されるサイアロン系蛍光体は、Mp/2Si12-p-qAlp+qq16-p:Ce、M−Al−Si−O−N(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。qは0〜2.5、pは1.5〜3である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M5(PO43X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、M259X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl24:R、Sr4Al1425:R、CaAl24:R、BaMg2Al1627:R、BaMg2Al1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、La22S:Eu、Y22S:Eu、Gd22S:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、Y3Al512:Ce、(Y0.8Gd0.23Al512:Ce、Y3(Al0.8Ga0.2512:Ce、(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Gd)3Al512:Ceの組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、Zn2GeO4:Mn、MGa24:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、又は、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。
また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
これらの蛍光体の具体的な組み合わせとしては、例えば、(Sr,Ca)5(PO43Cl:Eu(青色発光)と、Lu3Al512:Ce(緑色発光)又はBaSi222:Eu(緑色から黄色発光)と、(Sr,Ca)2Si58:Eu(赤色発光)との組み合わせ;Ca5(PO43Cl:Eu、Ca259Cl:Eu、BaMgAl1017:Eu(青色発光)と、(Y,Gd)3Al512:Ce(黄色発光)との組み合わせ;Ca5(PO43Cl:Eu、Ca259Cl:Eu又はBaMg2Al1627:Eu等(青色発光)と、Lu3AlO12:Ce(緑色発光)と、(Sr,Ca)2Si58:Eu(赤色発光)との組み合わせが挙げられる。これにより、可視光の短波長領域の360〜470nmの範囲の発光ピーク波長を有するレーザダイオードと組み合わせると、演色性の良好な白色系の混色光を得ることができる。また、Lu3AlO12:Ce(緑色発光)と、Sr2Si58:Eu、(Sr,Ca)2Si58:Eu又はCaAlSiN3:Eu(赤色発光)との組み合わせ;Lu3AlO12:Ce(緑色発光)と、(Y,Gd)3Al512:Ce(黄色発光)との組み合わせ;Lu3AlO12:Ce(緑色発光)と、CaAlSiBaN3:Eu(赤色発光)との組み合わせ等が挙げられる。これにより、450nm付近(例えば、400〜460nm)に発光ピーク波長を有するレーザダイオードと組み合わせることにより、発光効率をさらに向上させることができる。
透光性材料は、レーザダイオードからの光を透過し得る材料であれば、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機材料、ガラス、低融点ガラス、結晶化ガラス等の無機材料等、これらの材料に後述するフィラー等を含有したもの等が挙げられる。これにより、レーザダイオードから得られた光を、そのまま波長変換せずに用いることができ、光の指向性を制御することができる。
なお、良好な演色性を得るためには、波長変換部材を通った後の照射光が、70以上、さらに80以上の平均演色評価数(Ra)となるような材料を選択することが好ましい。
このように、波長変換部材を用いることにより、複数の波長の光を合成することができ、白色系の混色光を得ることができる。ただし、色調を調整するための各色の光は、必ずしも波長変換部材によって波長変換された光でなくてもよく、レーザダイオードから得られた光をそのまま利用してもよい。例えば、レーザダイオードからの光と、1以上の蛍光物質からの光とが合成されたもの、あるいは、2以上の蛍光物質からの光が合成されたものが挙げられる。
波長変換部材には、任意に、SiO2等のフィラーを含有させてもよい。フィラーは、照射された光を反射、散乱させるためのものである。これにより、光を散乱させて取り出すことができる。また、混色が良好になるとともに色むらを低減させることができる。さらに、波長変換部材にフィラーを混合することにより、その粘度を調整することができるため、任意の形状に、任意の部位に、容易に配置させることができる。フィラーは、波長変換部材を構成する材料により、任意の粒径、粒子形状、使用量を適宜調整して用いることができる。
波長変換部材は、光ファイバの端部(端面)のみを被覆するように形成されていてもよいが、発光装置が後述する保持部材を備えている場合には、光ファイバ端部のみならず、保持部材の端面にまでわたって、その端面の一部、さらに、全部を被覆していることが好ましい。これにより、波長変換部材が広い領域に形成されることとなり、放熱性が向上するとともに、密着性が向上し、波長変換部材の剥離等を防止することができる。また、波長変換部材に照射される光の密度を低減させることができ、樹脂の劣化を防止することが可能となる。さらに、光の取り出し効率が向上し、高輝度の発光装置を得ることができる。波長変換部材での保持部材の端部の被覆面積が増加するほど、この効果が向上する。
波長変換部材は、励起光の導入方向に交差する一断面に複数の層又は領域が配置されている。ここで、励起光の導入方向に交差する一断面とは、励起光の導入方向に対して、±90°未満で交差する任意の1つの断面を意味し、好ましくは、±45°程度以下で交差する任意の1つの断面を意味し、さらに、励起光の導入方向に対して直交する1つの断面であることが好ましい。
波長変換部材は、このような1つ断面で複数の層又は領域が配置されていればよく、例えば、複数の層又は領域がマトリクス状に規則的に又はランダムに配置されていてもよいが、波長変換部材の中心(幅方向、高さ方向のいずれでもよい、以下同じ)から外側方向に、複数の層又は領域が配置されていることが好ましい。
具体的には、励起光の導入方向に直交する任意の一断面において又は互いに平行する複数の断面において、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲するように、複数の層又は領域が配置されていることが好ましい。例えば、図2(a)、(b)に示すように、波長変換部材が円柱状である場合には、中心部に円柱状の第1層又は領域40A、その第1層又は領域40Aの外周に、内径が順に大きくなる円筒状の第2層又は領域40B〜第n層又は領域(nが3の場合、40C)が同心円となるように配置された、断面がバウムクーヘン状の態様が挙げられる。また、円柱状の層又は領域が内側に複数個配置され、それらの外周を取り囲む円筒状の層又は領域が外側に配置された態様であってもよい。
例えば、図3(a)、(b)に示すように、波長変換部材がドーム状である場合には、中心部に第1層又は領域40A、その外周をほぼ相似なドーム状に包囲するように第2層又は領域40B〜第n層又は領域(nが3の場合、40C)が配置される態様が挙げられる。また、ドーム状の層又は領域が内側に複数個配置され、それらの外周を取り囲むドーム状の層又は領域が外側に配置された態様であってもよい。
さらに、励起光の導入方向にかかわらず、全方向おいて、外側の層又は領域が内側の層又は領域を略完全に包囲していてもよい。例えば、図4(a)、(b)に示すように、波長変換部材が球状である場合には、球の中心部に第1層又は領域40A、その外周を球状に取り囲むように第2層又は領域40B〜第n層又は領域(nが3の場合、40C)が配置される態様が挙げられる。
波長変換部材の形状は、上述したように、円柱状、ドーム状、球状の他、多角形柱又はこれらの形状に近似する形状とすることができる。その大きさは、特に限定されるものではなく、用いる光源の大きさ、任意に後述する導光部材の構造及び大きさ等によって適宜調整することができる。例えば、波長変換部材の直径(又は幅)が、少なくとも導光部材の直径より大きいことが好ましい。特に、複数の層又は領域の内の各層又は領域の直径(又は幅)が、導光部材のコアの径と同等又はそれより大きいことが好ましい。また、別の観点から、球状の波長変換部材の場合には、中心の層又は領域の径が、導光部材のコアの径と同等又はそれより大きいことが好ましく、複数の層又は領域の各層又は領域の幅が、導光部材のコアの径と同等又はそれより大きいことが好ましい。
なお、内側の層又は領域と外側の層又は領域とは必ずしも同じ形状(相似)でなくてもよく、内側の層又は領域が円柱、外側の層又は領域が多角形柱の組合わせ、内側の層又は領域が卵形、外側の層又は領域が球形の組合わせ、内側の層又は領域が球形、外側の層又は領域がドーム形状の組合わせ等であってもよい。
波長変換部材の膜厚は特に限定されるものではなく、用いる材料、蛍光体の量等によって適宜調整することができる。例えば、波長変換部材を厚膜で形成する場合には、変換効率が向上し、結果的に発光効率を上げることができるが、その一方、光の吸収等により発光効率を損なうこともあるため、これらを考慮して適切な膜厚を選択することが好ましい。なお、各層の膜厚は異なっていてもよい。
本発明では、波長変換部材は、上述したように、複数の層又は領域に、互いに異なる波長の光を波長変換する蛍光体をそれぞれ含有して構成されていることが好ましいが、複数の層又は領域のうち少なくとも1層又は領域が、光を透過及び/又は散乱させる層として構成されていてもよい。これにより、光源から得られた光を、そのまま波長変換せずに用いることができ、光の指向性を制御することができる。
波長変換部材の複数の層又は領域は、蛍光体のみから構成されるもの、透光性材料に蛍光体を含有させたもの、透光性材料のみからなるもの、透光性材料に、任意に、励起光を反射しやすい蛍光体、フィラー、光拡散等のための拡散剤のいずれか1種以上を含有させたもの等が挙げられる。
なお、良好な演色性を得るためには、波長変換部材を通った後の照射光が、70以上、さらに80以上の平均演色評価数(Ra)となるような材料を選択することが好ましい。
波長変換部材は、複数の層又は領域のそれぞれに励起光が入射されるように、複数の導光部材が光学的に連結されている。ここで、光学的に連結するとは、光が伝達されている状態を維持していることを意味し、他に透光性部材等が間に介在していてもよい。
例えば、図5(d)に示すように、第1層又は領域401に導光部材20aが1つ、第2層又は領域402に導光部材20bが1つ光学的に連結されていてもよいし、図5(a)、(b)にそれぞれ示すように、第1層又は領域40Aに導光部材20aが1つ、第2層又は領域40Bに導光部材20bが2つ又は4つ、図5(c)に示すように、第1層又は領域40Aに導光部材20aが1つ、第2層又は領域40Bに導光部材20bが2つ、第3層又は領域40Cに導光部材20cが2つ光学的に連結されていている等でもよい。なお、例えば、図5(d)に示すように、波長変換部材を回転するなどして、複数の層又は領域を構成する個々の層又は領域と、各導光部材との位置関係を異ならせることができる場合には、波長変換部材は、導光部材又は後述する被覆部材に対して、回動可能に取り付けて、経時的に励起光に対して適切な蛍光体を適用することを可能としてもよい。
このように、複数の層又は領域からなる波長変換部材を、複数の導光部材とともに用いることにより、波長変換部材を構成する材料に最も適した励起光を利用することが可能となり、波長変換部材の材料に応じた波長及び出力を調整することができ、励起光の使い分けが可能となる。その結果、波長変換部材、これを構成する個々の材料(例えば、蛍光体)の性能を最大限に発揮させることができる。
また、複数の波長の光を、その出力等のオン/オフ又は調整しながら、最も適切に合成することができ、色再現が容易となり、白色系の混色光を得ることができる。ただし、色調を調整するための各色の光は、必ずしも波長変換部材によって波長変換された光でなくてもよく、光源から得られた励起光をそのまま利用してもよい。例えば、光源からの光と、1以上の蛍光体からの光とが合成されたもの、あるいは、2以上の蛍光体からの光が合成されたものが挙げられる。
波長変換部材は、例えば、上述した蛍光体等を、任意にフィラーとともに、透光性材料に混合し、必要があれば適当な溶媒を用いて、ポッティング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法等、さらに、注型法、圧縮法、トランスファー法、射出法、押し出し法、積層法、カレンダー法、インジェクションモールド法等のプラスチップの成型法等、真空被覆法、粉末噴霧被覆法、静電堆積法、電気泳動的に堆積させる方法等を利用して、上述した所望の形状に形成することができる。また、透光性材料を用いずに、例えば、蛍光体等と、任意にフィラー及び適当な溶媒とともに混合し、任意に加熱しながら、加圧により成型する方法、電着等を利用してもよい。
特に、図2(a)、(b)に示すような円板状の場合には、n層又は領域の積層の数に応じて、透光性材料中に任意に蛍光体を含有させたものを準備し、最も内側に配置するものを棒状に成形し、これを取り囲むように順に他のものを被覆し、次いで、所定の温度で延伸(熱引き)して所望の径を有する線状部材を形成し、この線状部材を切断することにより、円柱状の部材を得ることができる。延伸する際の温度は、透光性材料の軟化温度以上であることが好ましく、用いる透光性材料によって適宜決定することができる。線状部材の直径は、導光部材のコア径に応じて適宜決定することができる。
また、図4(a)、(b)に示すような球状の場合には、透光性材料中に任意に蛍光体を含有させたものを準備し、適当な大きさに分割し、これを例えば、研磨又はこれに準じた方法を利用して、球状に成形し、次いで、得られた球状物に、別の透光性材料中に任意に蛍光体を含有させたものを被覆し、同様に、研磨等を利用して、球状に成形する工程を1回以上繰り返すことにより、球状の部材を得ることができる。研磨の方法は、用いる材料、処理する量、得ようとする球状物の大きさ等によって適宜選択することができ、例えば、バレル研磨等が適している。
波長変換部材は、導光部材の端部(端面)のみを被覆するように形成されていてもよいが、発光装置が後述する被覆部材を備えている場合には、導光部材端部のみならず、被覆部材の端面にまでわたって、その端面の一部、さらに、全部を被覆していることが好ましい。このように、波長変換部材が広い領域に形成される場合には、放熱性が向上するとともに、密着性が向上し、波長変換部材の剥離等を防止することができる。また、波長変換部材に照射される光の密度を低減させることができ、波長変換部材の劣化を防止することが可能となる。さらに、光の取り出し効率が向上し、高輝度の発光装置を得ることができる。波長変換部材での被覆部材の端部の被覆面積が増加するほど、この効果が向上する。
波長変換部材は、導光部材の先端部に取り付けられていることが好ましいが、光源と導光部材との接続部分に取り付けてもよいし、導光部材を用いずに光源自体に取り付けてもよい。光源と導光部材との接続部分に取り付ける場合には、導光部材の先端が汚れる箇所においても使用することができる。また、波長変換部材の取り替えが容易にできる。さらに、波長変換部材を種々の位置に設けることにより生産性の向上を図ることができる。
被覆部材
本発明の発光装置においては、導光部材の先端、つまり光源に接続されていない端部が、被覆部材によって支持されていることが好ましい。このような被覆部材により、導光部材からの出射光を固定することが容易となる。また、その材料や形状に応じて発光効率を向上させることができるとともに、複数の導光部材に波長変換部材を光学的に連結させる際に、発光装置としての組み立てが容易となる。したがって、被覆部材は、導光部材を支持し得るものであれば、どのような材料及び形状で構成されていてもよい。
被覆部材は、励起光及び/又は波長変換された光を反射する材料、又は波長変換ロスによって発生した熱を逃がす材料、つまり光に対する反射率が高い、熱伝導性が高い、いずれかの材料又はこれらの性質の両方を備える材料で形成されていることが好ましい。例えば、励起光及び/又は波長変換された光に対して80%以上の反射率及び/又は0.1W/m・℃以上の熱伝導性を有するものが好ましい。具体的にはAg、Al、Ni、Al23、ZrO2、SiC、AlN、ダイヤモンド、ステンレス鋼(SUS)、真鍮、カーボン、銅、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、Agを用いた場合には、反射率と熱伝導性が高いため、好ましい。
また、反射率を上げるために、被覆部材の端面に反射膜をつけて鏡面反射をさせるか、乱反射をさせてもよいし、凹凸等の加工をしてもよい。これにより、一旦、導光部材から照射された励起光や波長変換された光が反射によって導光部材側に戻ってきた場合に、被覆部材によって再度反射させることにより、励起光及び波長変換された光を有効に外部に取り出すことができ、出力を向上させることができる。また、凹凸が形成されている場合には、波長変換部材の被覆部材への密着性が向上し、波長変換部材の放熱性を増大させるとともに、波長変換部材の剥がれや劣化を防止することができる。なお、鏡面反射及び/又は凹凸を有する面は、被覆部材のみならず、導光部材の端面にも形成されていることが好ましい。反射膜材料としては、具体的にAg,Al、Ni、Cr等が挙げられる。なかでもAgを用いた場合には、反射率が高いため、好ましい。
被覆部材は、例えば、複数の導光部材の外周を取り囲むような円筒形状であってもよいし、導光部材の端面に種々の機能を付与するために各種の機能膜/部材等が一体的に又は別個に取り付けられたものでもよいし、導光部材の端面や各種機能膜/部材等を被覆するためのカバー又はキャップ等が一体的に又は別個に取り付けられたものでもよい。
その他の部材
光源の射出側には、レンズが設けられていてもよい。
レンズは、光源から射出された光が、導光部材に集光される限り、どのような形状でもよく、光源と導光部材との間に、複数枚並べて配置してもよい。レンズは、無機ガラス、樹脂等により形成することができ、なかでも、無機ガラスが好ましい。光源と導光部材との間にレンズを備え、レンズを介して光源から射出された励起光を導光部材へ導入することにより、光源から射出された励起光の光出力を保ったまま、効率よく導光部材内に導光することができる。
また、光源に備えられるレンズに蛍光体等を含有させてもよい。これにより、レンズ自体を波長変換部材として機能させることができる。レンズ機能により、波長変換された励起光が、確実に射出部に集光されるため、色バラツキを解消することができ、レンズの製造によって波長変換部材をも製造することができるために、波長変換部材の製造コストを抑えることができる。
上述した被覆部材に取り付ける場合に限らず、本発明の発光装置には、適切な位置に各種機能膜/部材を取り付けることが好ましい。ここでの機能膜/部材としては、例えば、波長変換光反射膜、励起光反射膜、拡散防止部材、拡散部材、遮断部材等が挙げられる。
波長変換光反射膜は、波長変換部材によって波長変換された光が、励起光入射側に戻ることを防止するとともに、励起光入射側に戻った光を反射させることにより光として外部に取り出すために利用することができる。したがって、波長変換反射膜は、特定波長の光のみを通過させ、特定波長、つまり波長変換された光を反射し得る材料により形成することが好ましい。これにより、励起光入射側に戻った光を反射することができ、発光効率の向上を図ることができる。
励起光反射膜は、励起光が直接外部に照射されること、励起光が意図しない部分から漏れること等を防止するために利用することができる。これにより、例えば、波長変換部材内を通過するが、蛍光体等で波長変換されなかった励起光を再度波長変換部材内に戻すことにより、発光効率を向上させることができる。したがって、励起光反射膜は、波長変換された特定波長の光のみを通過させ、励起光を反射し得る材料により形成することが好ましい。
拡散防止部材は、励起光又は波長変換された光が意図しない方向に拡散することを防止するために利用することができる。したがって、拡散防止部材は、励起光又は波長変換された光を90%以上遮断する材料及び形状で構成されることが好ましい。例えば、導光部材と波長変換部材との間、つなぎ目などに、導光部材と波長変換部材との間で挟持するように配置してもよいし、導光部材と波長変換部材との境界部分を取り囲むように配置してもよいし、波長変換部材の波長変換光照射部分以外の外表面を被覆するように配置してもよい。
拡散部材は、主として励起光を拡散させることにより、特に、波長変換部材の蛍光体等により多くの励起光を照射させ、発光効率を向上させるために利用することができる。したがって、拡散部材は、導光部材の光の出射口と波長変換部材との間に配置させることが好ましい。拡散部材は、例えば、上述した樹脂のうち、屈折率の比較的高いもの、上述した樹脂に上述したフィラーを含有するもの等を利用することが好ましい。なかでも、シリコーン樹脂にフィラーを含むものが好ましい。これにより、波長変換部材に照射される光の密度を低減でき、単位面積あたりの波長変換部材の負担を軽減することができるため、波長変換部材を構成する被覆部材の劣化、変色を軽減できる。したがって、発光効率及びリニアリティや発光出力の最大値を向上させることができる。
遮断部材は、光源からの光を90%以上遮断するものであることが好ましい。これにより、所定の波長の光のみを取り出すことができる。例えば、人体に有害な紫外線を放出する発光素子を用いる場合、その紫外線を遮断するために紫外線吸収剤又は反射剤等を遮断部材として、光導出部において、波長変換部材に含有させて用いることができる。なかでも、より発光効率を向上させることができる観点から、反射剤を用いることが好ましい。遮断部材は、上述した励起光反射膜、拡散防止膜等としての機能をも有しているため、これらと厳密に区別して利用されていなくてもよい。
発光装置の用途
本発明の発光装置は、例えば、通常の照明器具、車両搭載用の照明(具体的には、ヘッドライト用、テールランプ用光源等)、内視鏡装置、ファイバースコープ、電流の漏洩や発熱等を回避したい部材における光源、点光源を要求する場所や光源の取り替えが困難な場所などで使用する発光装置等として利用することができる。
したがって、この発光装置は、撮像部材(つまり、光学像を電気信号に変換する電子部品(受光素子))、具体的には、CCD(charge-coupled device)、CMOS(CMOS image sensor)等を利用した撮像素子、電気信号を画像信号に変換する画像信号処理装置、電気信号又は測定値等を表示するインジケータ、画像信号を出力して画像を映し出すディスプレイ、各種の処理及び計算を行うコンピュータ等とともに使用することができる。特に、撮像部材として撮像素子を用いる場合には、被写体の光学像を、扱いやすいものとすることができる。
例えば、受光素子(例えば、フォトダイオード等)は、発光装置と別体として設けてもよいが、光源における発光素子の近傍に、光ガイドの周辺にあるいは光ガイド先端部材内のいずれに設けてもよい。これにより、受光素子によって発光素子から発せられた光量を観測し、一定の光量以下の場合に、発光素子に投入される電流を調整するなどして一定の光量を維持することができる。
本発明の発光装置は、色調バラつきが少なく、色再現性に非常に富み、演色性が非常に高いため、内視鏡装置のように、鮮明な撮像等が要求される装置との併用に極めて優れた効果を発揮する。
さらに、本発明の発光装置は、可視光通信にも使用することができる。つまり、上述した発光装置により得られる可視光を利用し、例えば、発光装置に通信機能を付加することによりワイヤレス環境を構築することができる。これにより、光源としてレーザ素子を用いているために、数百MHzという変調速度を実現することができる。
以下に、本発明の発光装置の具体例を図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1
図1及び図5(a)に示したように、この実施例の発光装置100は、光源10と、導光部材20と、被覆部材30と、波長変換部材40とを備えて構成される。
光源10aは、445nm近傍に発光ピーク波長を有するGaN系の半導体からなるレーザダイオードであり、光源10bは、405nm近傍に発光ピーク波長を有するGaN系の半導体からなるレーザダイオードである。前者を導光部材20a、後者を2本の導光部材20bにそれぞれ光学的に連結した。レーザダイオードの前面には、レーザダイオードからの励起光1を集光するためのレンズ2が配置されている。
導光部材20a、20bは、上述したように、その一端が各光源10の光の出射部に接続されており、他端は、図5(a)に示すように、Niからなる直径1mmの被覆部材30によって一体的に固定されている。導光部材20a、20bとして、石英製のSI型114(μm:コア径)/125(μm:クラッド径)を用いた。
図5(a)における光源と層の組合せを表1に示す。光源10aと第1層A、及び光源10bと第2層Bの配置は入れ替わってもよい。
波長変換部材40は、表1に示す種々の蛍光体を、シリコーン樹脂中に、均一に分散するように混合し、円柱状の内側の第1層40Aと、それを取り囲む外側の第2層40Bとによって構成されており、第1層40Aは1本の導光部材20aの先端に、第2層40Bは2本の導光部材20bの先端に、それぞれ光学的に連結されている。
なお、表1において、蛍光体は、緑色に発光するLu3Al512:Ce(LAG:Green)と、赤色に発光するCa0.99AlSiB0.103.1:Eu0.01(CASBN:Red)と、青色に発光するCa10(PO46Cl2:Eu(CCA:Blue)を使用した。これらの蛍光体を、シリコーン樹脂中に均一になるまで混練している。このとき、蛍光体と樹脂との割合は、重量比で1〜50:50〜99程度で、適宜調整した。
また、この波長変換部材40には、レーザダイオードから射出される光を拡散するための拡散剤(例えば、SiO2フィラー)を混合した。この場合の波長変換部材40の膜厚は、例えば、500μm程度とした。
Figure 2008027947
このような発光装置では、例えば、2つの光源を同時にオンして、波長及び/又は出力を調整することにより、所定の波長変換部材(蛍光体)に、最適な波長の光を、最適な出力で照射することができ、得られる光の色再現性、強度、効率等を最大限に発揮させることができ、例えば、平均演色評価数(Ra)が80以上と、演色性の良好な白色系の混色で発光した。
さらに、目的とする色再現性を得るために発光色の異なる蛍光体の組み合わせを用いることが必要であるが、その蛍光体の励起光又は熱に対する耐性が異なる場合に、特に有利である。つまり、励起光又は熱で劣化し易い蛍光体の光源の出力を低減したり、必要に応じてオン/オフや、パルス駆動したりすることにより、励起光を有効に利用して、高性能、高信頼性及び高寿命の発光装置を得ることができる。
また、各励起光源を交互に点灯する(パルス駆動で位相をずらす)ことで、各励起光源、及び蛍光体の負担が減り、出力の向上や寿命を延ばす事が可能になる。
実施例2
この発光装置は、波長変換部材40として、図5(c)に示すような構成とした場合の、光源と層の組合せを表2に示す。表2に示す蛍光体を用い、波長変換部材40の構成に応じて所望の光源を用いる以外、実施例1の発光装置と同様の構成を有する。光源10aと第1層A、光源10bと第2層B、光源10cと第3層Cの配置は、それぞれ入れ替わってもよい。
Figure 2008027947
得られた発光装置は、実施例1と同様に、励起光の使い分けにより、波長変換部材の蛍光体に応じた波長及び出力を適用することにより、波長変換部材の能力を最大限に発揮させることができ、発光出力の高い信頼性のある発光装置とすることができる。
実施例3
この発光装置は、波長変換部材40として、図5(d)に示すような構成とする以外、実施例1の発光装置と同様の構成を有する。
この発光装置では、波長変換部材40が、被覆部材30に対して着脱可能であり、波長変換部材を構成する第1層401と第2層402との位置を変更し得る構造である。あるいは、回転によって、その第1層401と第2層402との位置を変更し得る構造である。
得られた発光装置は、実施例1と同様に、励起光の使い分けにより、波長変換部材の蛍光体に応じた波長及び出力を適用することにより、波長変換部材の能力を最大限に発揮させることができ、発光出力の高い信頼性のある発光装置とすることができる。
また、導光部材20aから射出される光に対しては励起され、導光部材20bから射出される光に対しては励起されない蛍光体を第1層401に配置、また、導光部材20bから射出される光に対しては励起され、導光部材20aから射出される光に対しては励起されない蛍光体を第2層402に配置することで、波長変換部材の回転により、励起光だけ射出したり、蛍光体の発光光を射出したりすることができる。
実施例4
この発光装置は、波長変換部材40が、図6に示すようにドーム状とする以外、実施例1の発光装置と同様の構成を有する。
得られた発光装置は、実施例1と同様に、励起光の使い分けにより、波長変換部材の蛍光体に応じた波長及び出力を適用することにより、波長変換部材の能力を最大限に発揮させることができ、発光出力の高い信頼性のある発光装置とすることができる。
たとえば耐環境性の低い波長変換部材を40Aに配置し、耐環境性の高い波長変換部材を40Bに配置することで、耐環境性の低い蛍光体を用いた場合でも、耐環境性(信頼性)の高い発光装置とすることができる。
本発明の発光装置は、照明器具、車両搭載用照明、ディスプレイ、インジケータ等に利用することができる。また、生体内部を撮像する内視鏡装置、狭い隙間及び暗い空間等を照明することができるファイバースコープ、電流の漏洩や発熱のない照明を必要とする各種工業用の装置等に利用することができる。
本発明の発光装置の実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材の別の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置における波長変換部材のさらに別の構造を説明するための概略構成図である。 本発明の発光装置における先端部分の構造を示す概略構成図である。 本発明の発光装置における別の先端部分の構造を示す概略構成図である。
符号の説明
1 励起光
2 光
10、10a、10b 光源
20、20a、20b、20c 導光部材
30 被覆部材
40 波長変換部材
40A、401 第1層
40B、402 第2層
40C 第3層

Claims (9)

  1. 励起光を射出する光源と、
    前記励起光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を射出する波長変換部材と、
    前記励起光を波長変換部材に導く複数の導光部材とを備えており、
    前記波長変換部材は、前記励起光の導入方向に交差する一断面に複数の層又は領域が配置されており、かつ、
    前記複数の導光部材のそれぞれは、前記波長変換部材の複数の層又は領域のそれぞれに励起光を入射するように光学的に連結されていることを特徴とする発光装置。
  2. 波長変換部材は、励起光の導入方向に交差する一断面において、その中心から外側方向に複数の層又は領域が配置されている請求項1に記載の発光装置。
  3. 波長変換部材は、励起光の導入方向に直交する任意の断面において、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲してなる請求項2に記載の発光装置。
  4. 波長変換部材は、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲してなる請求項1に記載の発光装置。
  5. 波長変換部材は、励起光を導入する励起光導入面において、外側の層又は領域が内側の層又は領域を包囲してなる請求項4に記載の発光装置。
  6. 波長変換部材は、蛍光体と透光性材料とを含んで構成される請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置。
  7. さらに、導光部材の少なくとも一部を被覆する被覆部材を備える請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
  8. 光源がレーザダイオードであり、導光部材が光ファイバである請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置。
  9. 光源を、波長変換部材を構成する複数の層又は領域に対応して、複数備える請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光装置。

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