JP4729693B2 - 眼鏡に装着するディスプレイ及びディスプレイを支持する眼鏡フレーム - Google Patents

Description

本発明は、一組の眼鏡に装着するディスプレイに関する。

眼鏡（ｏｐｈｔｈａｌｍｉｃ）ディスプレイは、画像又はマルチメディアタイプの情報を投影する光学式イメージャ（ｉｍａｇｅｒ）を備えている。例えば、光学式イメージャは、電子信号から光ビームを発生させる電子光学システム、例えばミニチュアスクリーン、レーザーダイオード又は発光ダイオードタイプのシステム、から放射される光ビームを具形化する働きを行う。光学式イメージャは、情報内容が見えるように、ユーザーの目に直接光ビームを当てる。

このようなディスプレイは、携帯電話、デジタルプレーヤー、パーソナル・コンピュータ、ゲームマシン、あるいはマルチメディア・コンテンツを配信するのに適するその他の機器によりマルチメディア・コンテンツを見るのに用いられる。

「ディスプレイ」の用語は、ここでは、光学式イメージャ及び光ビームを発生させる電子光学システムにより構成されるアセンブリを意味するように用いられる。一組の眼鏡の従来の構成部材がフレーム及びフレームにより支持された眼鏡レンズであることは周知である。
眼鏡のフレームにディスプレイを固定することが、例えば、特許文献１に開示されている。

第１のバリエーション形態において、ディスプレイはフレームに、さらに正確にはフレームの一つのブランチ（テンプル；ｔｅｍｐｌｅ）にクリップ留めされている。
従って、そのようなタイプの留め具は、ディスプレイを使用したい時には着用者の一組の眼鏡に固着でき、そして眼鏡を従来の方法で使用したい時にはそこから分離できるように、前記フレーム上のディスプレイが取外し可能な構成を有している。

それにもかかわらず、そのようなタイプの留め具は、例えば、瞳孔間距離などの着用者の特性に整合させるようにイメージャを調整するための対策がなされていない。例えばこのような調整の目的は、完全な画像、すなわちビネット現象（ｖｉｇｎｅｔｔｉｎｇ ｐｈｅｎｏｍｅｎｏｎ）による隠れた部分が全くない画像を着用者に提供することである。

第２のバリエーション形態において、前記ディスプレイは、光ビームを発生させる電子光学システムがヒンジで結合されたイメージャーから成っている。そのようなタイプのディスプレイは、同様にフレームのブランチにクリップ留めされる。

そのようなタイプのディスプレイは、確かにフレーム上のディスプレイが取り外し可能な構成を有し、また、そのヒンジによりイメージャの位置が着用者の特性の機能に従い調整可能になっているにもかかわらず、以下の問題点をはらんでいる。

イメージャは、一旦フレームに固着され、ヒンジを動かすことにより着用者の目に対応して正確に位置決めされる。その後、イメージャが取り外されると、その剛直でないヒンジアセンブリは、同じ位置を保持するのが極めて難しい。すなわち、イメージャと光ビームを発生させる電子光学システムとの相対的な位置が修正されることになるので、イメージャが取り付けられる度毎に再調整を行なう必要がある。
さらに、そのヒンジアセンブリは、相対的に嵩張っており、取り外した後に例えば衣服のポケットの中に仕舞う必要があるなど不便であり、そして一組の眼鏡のフレームに装着された時にあまり外観がよくないという問題点があった。

米国特許第６２０４９７４号明細書

本発明は、それらの問題を解決するため、一組の眼鏡に装着するのに好適であり、着用者の目に対してイメージャの位置を着用者により一度限りで調整でき、ディスプレイが後で取り外されても調整状態が保持されるのに好適なディスプレイを提供する。また、本発明のディスプレイは、特にコンパクトで、極めて省スペースである。

本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、眼鏡フレーム（２Ａ）の直立している側面に設けられた凹部（２Ｃ）に、ディスプレイ（１）を取り外し自在に装着する、取り外し可能な装着機構を備える第１の構成部材（１０、１０’）と、
光ビームを発生させる電子光学システム（２０Ａ）及びそこから放射される光ビームを具形化するイメージャ（ｉｍａｇｅｒ）（２０Ｂ）と、イメージャーの位置を着用者の目に対応して調節する調整機構と、調整機構を介して第１の構成部材（１０、１０’）に接続可能であって、調整された位置に第１の構成部材（１０、１０’）をロックする位置ロック手段と、を備えた第２の構成部材（２０）と、
から成るディスプレイ（１）であって、
取り外し可能な装着機構が、第１の構成部材（１０、１０’）に設けられたそれぞれ別個（ｄｉｓｔｉｎｃｔ）な軸を有する２つのほぞ（１０Ｃ’、１０Ｃ”）からなり、前記２つのほぞ（１０Ｃ’、１０Ｃ”）が眼鏡（２）に配設された２つの開口にクリップ留めされるクリップ留め機構であることを特徴とする眼鏡に装着するディスプレイを提供する。

好適な実施形態において、前記第２の構成部材は、前記イメージャのみが外側に伸長して露出状態になる防護カバーを具備する。
従って、本発明によるディスプレイは、損傷を与え得る衝突から保護される。
好ましくは、前記調整機構は、レール・案内面機構（ｒａｉｌ−ａｎｄ−ｓｌｉｄｅｗａｙ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）により構成される。
そして、好適には、前記レールは前記第１の構成部材に設けられ、前記案内面は前記第２の構成部材に設けられる。

バリエーション形態において、前記調整機構は、前記第１及び第２の構成部材の一方又は他方に全体的に配置することができる。
好適には、前記案内面は、前記イメージャの長軸（ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ ａｘｉｓ）と実質的に平行になっている。
好ましくは、前記ロック手段は、前記第２の構成部材に設けられたねじにより構成され、前記レールが案内面の適所にある時、ロッキングシュー（ｌｏｃｋｉｎｇ ｓｈｏｅ）を前記第１の構成部材のレールに押し当てるように働く。

本発明はまた、上記特定したディスプレイを支持するように設計された眼鏡のフレームであって、相互の係合により第１の構成部材（１０）を支持するための凹部（２Ｃ）を眼鏡フレーム（２Ａ）の直立している側面に有し、凹部が２つのクリップ留めの開口を具備し、開口の軸はそれぞれ別個であることを特徴とする眼鏡フレームを提供する。

本発明によるディスプレイは、小さくて軽量となるように設計することができる。したがって、扱い易く、ポータブルであり、衣服ポケットに収めることができる。さらに、その軽量のため、フレームを変形させるような一切の応力も作用しない。
本発明によるディスプレイは、コンパクトな装着システムを用いるため、一組の眼鏡のレンズの近隣に配置することができる。従って、それは眼鏡のフレームと不均衡にならない。

単に本発明の好適な実施形態を示す図を用いて本発明を以下に詳細に説明する。

図１は、フレーム２Ａ及び２つの眼鏡レンズ（ｏｐｈｔｈａｌｍｉｃ ｌｅｎｓｅｓ）２Ｂから成る一組の眼鏡２に装着されたディスプレイ１を示す。
ディスプレイ１は、光ビームを発生させる電子光学システム２０Ａと、その電子光学システム２０Ａから放射されるビームを具形化するイメージャ２０Ｂとから成る。

ディスプレイ１は、一組の眼鏡２に取り外し可能に装着する装着機構と、着用者の目に対応してイメージャ２０Ｂの位置を調整してさらに正確な瞳孔間距離を調整する調整機構とを有する。ディスプレイ１は、２つの構成部材、すなわち取り外し可能な装着機構を具備する第１の構成部材１０と、電子光学システム２０Ａ及びイメージャ２０Ｂからなり、位置ロック手段を備えた前記調整機構を介して第１の構成部材１０に接続可能な第２の構成部材２０とからなる。
さらに詳細には、第１の構成部材１０は図２〜図５に、第２の構成部材２０は図６〜図８に示す。

図２及び３に示すように、第１の構成部材１０は、一組の眼鏡のフレーム２Ａに配設された凹部２Ｃによって支えれる係合部１０Ａが形成されている。示された具体的な実施形態において、この凹部２Ｃはフレーム２の直立している側面に設けられる。

凹部２Ｃは、係合部１０Ａに設けられた各々のほぞ（ｔｅｎｏｎ）１０Ｃをクリップ留め係合により支持する２つのクリップ留め開口（図示せず）を備えている。２つのほぞ１０Ｃは、２つの反対面（両面）に配置されている。
このように、ディスプレイ１の取り外し可能な装着機構は、第１の構成部材１０に設けられたクリップ留め機構により構成される。

第１の構成部材１０は、また、第１の構成部材１０が一組の眼鏡２に装着される時に、一組の眼鏡２の正面上方に沿って突出するレール１０Ｂを有している。
好ましくは、レール１０Ｂは、レンズ２Ｂが実装されるフレームのリムの平均平面（ｍｅａｎ ｐｌａｎｅ）と実質的に平行になっている。

図４及び５は、他の実施形態（バリエーション形態）による第１の構成部材１０’を示す。
このバリエーション形態は、２つの改良点を有している点で図２を参照して上述した第１の構成部材１０と異なる。

このバリエーション形態において、眼鏡のフレームの凹部２Ｃのクリップ留めのほぞ１０Ｃ’及び１０Ｃ”の軸が、それぞれ別個で、好ましくは平行になっており、それにより、第１の構成部材１０’は一旦フレームに留められると、一切の回転をしない。言い換えれば、フレームの凹部２Ｃの２つの対応するクリップ留め開口は、図３に示すように実質的に水平である２つの凹部２Ｃの対向面がお互いに向き合っていない。

さらに、第１の構成部材１０’は、フレームの凹部２Ｃの面に隣接する横リブ（ｔｒａｎｓｖｅｒｓｅ ｂｌａｄｅ）１０Ｄ’を有しており、この横リブ１０Ｄ’は上記２つの対向面と直角で、図３に示すように実質的に垂直になっている。

これらの改良により、第１の構成部材１０’が一旦フレームの凹部２Ｃにクリップ留めされると、適所に極めて堅固に保持され、第２の構成部材２０を容易にあるいは調整ロスなしに第１の構成部材１０’に装着しかつ調整することができる。

第２の構成部材２０は、図６〜図８に示す。
この第２の構成部材２０は、電子光学システム２０Ａ及びイメージャ２０Ｂを有し、イメージャー２０Ｂのみが外に露出状態になる防護カバー２０Ｃを具備する。本例示において、イメージャ２０Ｂは実質的に水平状態の長軸（ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ ａｘｉｓ）を有し、一組の眼鏡の１つのレンズ２Ｂに隣接して配置される。

この第２の構成部材２０は、イメージャ２０Ｂの長軸と実質的に平行な案内面（ｓｌｉｄｅｗａｙ）２０Ｄを備えている。レール１０Ｂを支持するためのこの案内面２０Ｄは、位置ロック手段をも有するこのレール・案内面調整機構（ｒａｉｌ−ａｎｄ−ｓｌｉｄｅｗａｙ ａｄｊｕｓｔｍｅｎｔ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）により、第２の構成部材２０を第１の構成部材１０に接続することができる。

位置ロック手段は、第２の構成部材２０に設けられたねじ２０Ｅより構成され、レール１０Ｂが案内面２０Ｄの適所にある時に、ロッキングシュー２０Ｆを第１の構成部材のレール１０Ｂに押し当てるように働く。
さらに、イメージャ２０Ｂは、一組の眼鏡のレンズ２Ｂを保護するため、レンズ２Ｂに面している表面に反摩擦機構を備えることができる。反摩擦機構は、レンズ２Ｂに面するイメージャ２０Ｂの面に施される特殊な被覆により構成される。

まず、最初に、着用者が眼鏡のフレーム２に本発明によるディスプレイを取り付ける時、図３に示すように、第１の構成部材１０をフレームの凹部２Ｃにクリップ留めする。
それから、図１に示すように、案内面２０Ｄを第１の構成部材１０のレール１０Ｂに設置することにより第２の構成部材２０は第１の構成部材１０に接続される。

これにより、案内面とレールとの相対的な位置決めによりイメージャ２０Ｂと着用者の目との相対的な位置を調整することができ、そして、第２の構成部材のカバー２０Ｃの外側からアクセスしやすいねじ２０Ｅを締めることにより最適な相対的位置がロックされる。特に、これにより、着用者の瞳孔間距離の機能としてイメージャの位置を調整することができる。

着用者がもはやディスプレイを使用したくない時には、第１の構成部材１０は装着された第２の構成部材２０と共に取り外すことができる。その時、一組の眼鏡２のフレームは、図１の右側に示すように快い外観を呈する。ディスプレイ１は、コンパクトで、堅牢で、サイズあるいは調整ロスの如何なる問題もなしに片付けることができるパーツである。

ディスプレイをその後に用いる時に、着用者はディスプレイ１を一組の眼鏡２のフレームの各凹部２Ｃに対応してクリップ留めするだけで充分である。同じ着用者に対しては、もはやその後の調整は不要である。
イメージャと着用者の目との相対的な位置を調整するのを補助して容易にするために、眼鏡レンズ又はレールにマーキングを施すことができる。

本発明は、上述した実施形態に限定するものではない。
他の形態形態として、ディスプレイを一組の眼鏡のフレームに装着する代わりに一組の眼鏡の一つのレンズに装着することもできる。

本発明によるディスプレイが取り付けられた一組の眼鏡の斜視図である。 本発明によるディスプレイの部分平面図である。 本発明によるディスプレイが取り付けられた部分の一組の眼鏡の斜視図である。 図２に示した構成部材の他の実施形態の斜視図である。 図２に示した構成部材の他の実施形態の斜視図である。 本発明によるディスプレイの正面図である。 本発明によるディスプレイの背面図である。 本発明によるディスプレイの平面図である。

符号の説明

１ ディスプレイ
２ 眼鏡
２Ａ フレーム
２Ｂ レンズ
２Ｃ 凹部
１０、１０’、１０” 第１の構成部材
１０Ａ 係合部
１０Ｂ レール
１０Ｃ、１０Ｃ’、１０Ｃ” ほぞ
１０Ｄ’ 横リブ
２０ 第２の構成部材
２０Ａ 電子光学システム
２０Ｂ イメージャ
２０Ｃ 防護カバー
２０Ｄ 案内面
２０Ｅ ねじ
２０Ｆ ロッキングシュー

Claims (9)

1. 眼鏡フレーム（２Ａ）の直立している側面に設けられた凹部（２Ｃ）に、ディスプレイ（１）を取り外し自在に装着する、取り外し可能な装着機構を備える第１の構成部材（１０、１０’）と、
   光ビームを発生させる電子光学システム（２０Ａ）及びそこから放射される光ビームを具形化するイメージャ（ｉｍａｇｅｒ）（２０Ｂ）と、前記イメージャーの位置を着用者の目に対応して調節する調整機構と、前記調整機構を介して前記第１の構成部材（１０、１０’）に接続可能であって、調整された位置に前記第１の構成部材（１０、１０’）をロックする位置ロック手段と、を備えた第２の構成部材（２０）と、
   から成るディスプレイ（１）であって、
   前記取り外し可能な装着機構が、前記第１の構成部材（１０、１０’）に設けらられたそれぞれ別個（ｄｉｓｔｉｎｃｔ）な軸を有する２つのほぞ（１０Ｃ’、１０Ｃ”）からなり、前記２つのほぞ（１０Ｃ’、１０Ｃ”）が前記眼鏡（２）に配設された２つの開口にクリップ留めされるクリップ留め機構であることを特徴とする眼鏡に装着するディスプレイ。
2. 前記第２の構成部材（２０）は、前記イメージャ（２０Ｂ）のみがその外側に伸長して露出状態になる防護カバー（２０Ｃ）を具備することを特徴とする請求項１に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
3. 前記調整機構は、レール・案内面機構（ｒａｉｌ−ａｎｄ−ｓｌｉｄｅｗａｙ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）により構成されることを特徴とする請求項１又２に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
4. 前記レール（１０Ｂ、１０Ｂ’）は前記第１の構成部材（１０、１０’）に設けられ、
   前記案内面（２０Ｄ）は前記第２の構成部材（２０）に設けられることを特徴とする請求項３に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
5. 前記案内面（２０Ｄ）は前記イメージャ（２０Ｂ）の長軸（ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ ａｘｉｓ）と平行になっていることを特徴とする請求項４に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
6. 前記ロック手段は、前記第２の構成部材（２０）に設けられたねじ（２０Ｅ）により構成され、前記レール（１０Ｂ、１０Ｂ’）が案内面（２０Ｄ）の適所にある時、ロッキングシュー（ｌｏｃｋｉｎｇ ｓｈｏｅ）を前記第１の構成部材のレール（１０Ｂ、１０Ｂ’）に押し当てるように働くことを特徴とする請求項４又は５記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
7. 前記クリップ留め機構は、前記一組の眼鏡に隣接する横リブ（１０Ｄ’）に連設されていることを特徴とする請求項１に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
8. 前記イメージャ（２０Ｂ）は、眼鏡のレンズ（２Ｂ）に面している表面に反摩擦機構を備えていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項に記載の眼鏡に装着するディスプレイ。
9. 請求項１乃至８のいずれか１項に記載のディスプレイを支持するように設計された眼鏡のフレームであって、
   相互の係合により前記第１の構成部材（１０）を支持するための凹部（２Ｃ）を眼鏡フレーム（２Ａ）の直立している側面に有し、前記凹部が２つのクリップ留めの開口を具備し、前記開口の軸はそれぞれ別個であることを特徴とするディスプレイを支持する眼鏡フレーム。

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