JP4728545B2 - 通信端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末装置に係り、より詳細には、相手側に対する通話要求時に、自己の端末IDとともに、付加メッセージを送信することができ、受信(着信)時に発信側に対する応答メッセージを送信できる通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の通信端末装置、例えば電話機においては、相手方に対して通話要求を行った電話機のID、例えば電話番号などを通話要求を受けた電話機のディスプレイに表示させることができる。ユーザは、ID表示により、通話を開始する前に通話要求を行った者を確認することもできる。
【0003】
発信者の電話機におけるID(電話番号等)以外の情報、例えば発信者が通話で行おうとしている用件に関する情報を得る方法としては、実際に通話を行うことにより直接要件を聞く方法が一般的である。或いは、特開平6−62108号公報に記載されているように、実際に通話を行えない状況下においては、電話機自身が持っている留守番電話機能、もしくは電話通信システム上に用意されている留守番電話サービスを利用する方法がある。この方法によれば、一旦、電話機内の記憶領域又は留守番電話サービス用の情報処理装置内の記憶領域に用件に関する情報を格納しておき、着信後であって情報を確認できる余裕ができた際に、上記記憶領域に記憶されている情報を取り出して用件を聞く。
【0004】
また、特開平11−41344号公報には、通話要求を受けた者が受話できない場合であって通話要求を受けた者の電話機が留守番電話モードに設定されている場合に、通話要求を受ける前に予め設定しておいた留守番電話の応答メッセージ或いは通話要求拒否専用メッセージを、通話要求を行った者に対して送ることにより通話要求を受けた者が通話できない理由などを通話要求者に対して知らせる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の電話機を用いた通信システムにおいては、通話要求を受けた時に電話の用件を確認し、その際における自己の置かれた状況との重要度の比較を行う機会がなかった。迅速に重要度の比較判断を行いたい場合には、実際に通話を開始する必要がある。例えば会議中において、会議を中断するか席を外すなど、着信前に行っていた作業に対して大きな影響を与える。
【0006】
また、通話要求を受けた時点では相手方の用件などの情報が分からないため、例えば通話要求を行った者に対して返信する予定時期などに関し、用件に応じて柔軟な対応を行うことができず、また重要度などの判断結果を相手に伝えたい場合には、実際に通話を行う必要があった。
本発明は、通信端末装置における通信の利便性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、通話音声データと該通話音声データ以外の付加データとを送受信できる通信端末装置であって、前記付加データを入力できる入力部と、相手方との通話を要求する際に自己の識別データと前記入力部から入力された付加メッセージとを送信するとともに、通話を要求された際に前記識別データと前記付加メッセージとを受信する通信処理部とを備えた通信端末装置が提供される。
【0008】
上記の通信端末装置を用いると、通話要求時に、その識別データと付加メッセージとを送信できるので、それに基づいて通話要求を受けた者が通話を始めるか否かを決める際の判断材料を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、通信端末装置の例として電話機を用い、2台の電話機の間で送受信を行う場合を例にとって本実施の形態による通信端末装置について説明する。
発明者は、電話機により相手方に通話要求を出す場合に、その電話機の識別用端末IDとともに、付加的にメッセージを送信することを思い付いた。端末IDと付加的なメッセージとは、例えば通話要求を受けた側(以下「着信側」と称する。)の電話機に付属する表示装置に表示させれば良い。端末IDと付加的なメッセージとにより、着信側通の電話機の使用者は、通話を行う前に通話要求を行った側(以下「発信側」と称する。)との通話の重要性を知ることができ、直ちに通話を行う必要があるか否かを判断する有力な材料となる。
【0010】
以下、本発明の一実施の形態による通信端末装置及びそれを用いた通信システムについて、図1から図11までを参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による通信端末装置(以下「電話機」と称する。)の構成を示す機能ブロック図である。図1に示す通信システムは、発信側通信電話機1と着信側電話機11との2台の電話機で構成されている。これら2台の電話機1、11の構成及び機能はほぼ同様であり、発信側電話機と着信側電話機とは、交換可能である。各機能ブロックに関する説明は、電話機1もしくは電話機11のうちいずれか一方の機能ブロックに関する説明が、他方の機能ブロックの説明を兼ねる。
【0011】
電話機1は、通信処理部2と、音声処理部3と、スピーカ4と、マイクロフォン5と、入力装置6と、制御部7と、記憶装置8と、表示装置9と、メッセージ処理部10とを有している。電話機11も、同様の機能を有しており、それらの機能は電話機1における各機能ブロックに付された符号に10を足した符号で示される。電話機1と電話機11とは、通信ネットワーク10cなどを介して有線ケーブルまたは無線(10a、10b)によりお互いに接続可能に構成されている。
【0012】
通信処理部2は、通信システム10cを介して、相手側の電話機11と接続され、相手側の電話機11を呼び出す。より詳細には、呼び出し音などを受信したり、音声又は文字などにより表現されるデジタルメッセージを送受信したりする機能も有する。
【0013】
音声処理部3は、通信処理部2により処理され出力されたデジタル音声データを受け取り、D/A変換やボリューム調整など、通話音声データを可聴音声信号に変換する音声データ処理を行う。音声データ処理後のデータは、スピーカ4を介して音声として出力される。また、音声処理部3は、マイク5から入力された音声を、A/D変換などの音声データの変換処理を施し、通信処理部2に出力する機能を有する。入力装置6は、メッセージなどのデータを入力することができる。
【0014】
制御部7は、電話機内に設けられた各装置を制御する。記憶装置8は、各種のデータを記憶する。表示装置9は、電話機を識別するための識別IDや付加メッセージなどを表示する。メッセージ処理部10は、入力装置6などから入力されたメッセージを表示装置9に表示させるための処理を行う。
【0015】
着信側は、着信前にあらかじめ通話拒否メッセージを作成・メンテナンスしておく。図2は、通話拒否メッセージのメンテナンスに関するフローチャート図である。図1及び図2を参照して、着信側が新たな着信に備えて通話拒否メッセージをメンテナンスする処理について説明する。
【0016】
図2に示すように、当初、電話機は待機状態S0にある。着信側利用者が、入力装置16を用いて、通話拒否メッセージのメンテナンスを行う旨を指示すると、制御部17は、ステップS1の通話拒否メッセージメンテナンスモードに移る。ステップS2において、メッセージ処理部20が、メンテナンスメニュー、例えば「作成」、「編集」、「終了」などの機能選択モードのメニューを表示装置19に表示させる。ステップ着信側利用者は、上記機能選択モードのうちのいずれかを、入力装置16を用いて選択する。
【0017】
「作成」モードを選択した場合には、ステップS3に進み、メッセージ処理部20は記憶装置18内の通話拒否メッセージ格納領域の空き領域を調べる。ステップS3において、空き記憶領域が存在しないと判断された場合には、ステップS4に進み、空き記憶領域が存在しない旨の警告メッセージを表示するとともに、ステップS6に進む。
【0018】
ステップS3において、空き記憶領域が存在すると判断された場合には、着信側の利用者は、ステップS5において入力装置16を用いて新しい通話拒否メッセージ(新規メッセージ)を作成できる。
図6に、記憶装置18内に格納する通話拒否メッセージのデータ形式の例を示す。図7にグループIDの内容を示す。
【0019】
図6に示すように、通話拒否メッセージグループは、複数のグループIDと、それぞれのグループIDに対応し通話拒否のメッセージ内容を表した複数の通話拒否メッセージとを有している。グループIDは、メッセージの内容をカテゴリに分けるために付与されたものであり、例えば図7のような形式のデータが記憶装置18内に格納されている。
【0020】
図6に示すように、通話拒否メッセージとしては、文字列ベースの書式を例にして示している。文字列内に特殊記号を付加することにより、通話拒否メッセージを選択し送信する段階において、部分的に文字列を追加編集する領域(以後、「任意設定文字列」と呼ぶ)を指定できる。例えば、C言語におけるprintf()関数をモデルとした文字列書式が用いている。図6の上から2行目の通話メッセージにおいて“%2d”は2桁の数値文字列を表す。すなわち、「“%2d”時“%2d”分頃連絡します。」というメッセージは、例えば、着信時に通話拒否メッセージを選択する場面で、送信直前に“¥03¥30¥”を入力すれば、「03時30分頃連絡します。」という具体的なメッセージとして記憶される。このようにすれば、フレキシブルかつ着信場面に応じたメッセージを簡単に作成することが可能となる。この際、着信拒否メッセージに続いて、区切り記号“¥”で区切り、任意設定文字列に格納するデフォルト値を、メッセージ先頭にあるものから順に格納する。上記の例では、“¥03¥30¥”と入力することにより、上記の“%2d”時“%2d分”の最初の%2dに03、後の%2dに30という値を代入することが指定されることになる。
【0021】
尚、通話拒否メッセージを選択し送信するのは着信時であり、着信側が通話拒否メッセージを送信するまでの間、発信側は通話待ちの状態となる。
上記のように、定型メッセージの重要な部分(上記の例では数字で表される具体的な時間)のみを書き換える方法を用いることにより、相手方に対して迅速な応答が可能となる。デフォルト値としては前回メッセージ選択時に入力した文字列を格納する。ステップS5では、メッセージのグループIDも指定する。
【0022】
但し、グループID=0は、ユーザが通話拒否メッセージを指定しなかった場合に選択される単一のデフォルトメッセージである。従って、ユーザが作成するメッセージとして指定はしない。
【0023】
ステップS2において「編集」モードを選択すると、既に入力済みのメッセージを再度編集することができる。まず、入力装置16を用いて再編集するメッセージを選択する。ステップS6において、メッセージ処理部20は、入力装置16の指示にしたがって記憶装置18からメッセージを選択して取り出し、表示装置19に表示させる。図6を参照して説明したように、選択されたメッセージを書式に従ってステップS7において再度編集する。
【0024】
次いで、ステップS8において、編集後の作成メッセージが空であるか否かの判定を行う。作成メッセージが存在すれば、そのメッセージを有効なものと判断し、ステップS9において記憶装置18中に図6に示す形式により作成メッセージを格納する。
【0025】
ステップS8において作成メッセージが存在しない(空である)と判断されると、メッセージは消去される。但し、グループIDが0の場合、すなわちデフォルトの場合には、ステップS10において記憶装置18内に格納されているグループID=0の初期設定メッセージを読み出し、ステップS12において、グループID=0のメッセージ(初期メッセージ)を記憶装置18内に格納する。その後、メンテナンスメニュー選択画面(ステップS2)に戻る。ステップS2において「終了」モードを選択すると、メンテナンスメニューを終了して、再び待機状態(ステップS0)に戻る。
【0026】
図8は、発信側31が呼び出し動作を行い、着信側51が通話を選択した場合の手順を示すダイアグラムである。図1をも参照して手順について説明する。
発信側31において、利用者(発信者)は、入力装置6を使って通話用件(メッセージ)を入力する。
【0027】
このとき、マイク5、音声処理部3を通して入力された音声を識別して文字をデータとして認識する音声識別機能を音声処理部3またはそれに付随する処理部が備えていれば、自由な文字列を短時間に入力することができる。続いて通信相手を特定する電話番号等の識別情報33を入力して発信する。電話端末は、入力された通話用件メッセージと通信相手、すなわち着信側の電話機ID(番号)と送信側の電話機ID(番号)とをセットにして、通信処理部2を通して通信システムに送信する。
【0028】
この際に発信される発信メッセージデータのデータ構造の例を図11に示す。データ構造は、着信側IDと発信側IDと通話用件メッセージとを含む。着信側の電話機は、通信システムから発信メッセージデータを通信処理部12(図1)により受信する。着信を利用者(着信者)に知らせるために呼び出しベルが鳴るとともに、発信メッセージデータをメッセージ処理部20(図1)で処理する。発信メッセージデータに含まれている通話用件メッセージと、発信相手に関する情報を表示装置19(図1)に表示する。
【0029】
着信者は、表示装置19に表示された情報と着信者が置かれている状況とにより、後の処理方法を決定する。例えば、直ちに通話するべきであると判断した場合は、入力装置16(図1)を通して「通話」を端末に指示し、発信者との音声通話を開始する。
【0030】
図3は発信側の電話機において発信時に行う処理の流れを示すフローチャートである。図4及び図5は、着信側の電話機において着信時に行う処理の流れを示すフローチャートである。図8から図10までは、時系列ダイアグラムに従う処理を示す図であり、図3から図5までが図8から図10までにそれぞれ対応する。適宜、図1をも参照して以下の説明を進める。
【0031】
図3に示すように、ステップS0の待機状態から、ステップS13に進む。ステップS13において、発信側の電話機1により、発信者は入力装置6を用いて通話用件メッセージを入力する。この際、メッセージ処理部10が、表示装置9に入力中のメッセージ内容を表示させる。ステップS14において、発信者は相手方の電話番号を入力する。発信側の準備が終了する。
【0032】
ステップS15において実際の発信操作を行う。まず、メッセージ処理部10が、入力された通話用件メッセージと相手側の電話番号とを通信処理部2に送る。通信処理部2は、入力された電話番号の電話機11と所定の通信ネトワーク10cを介して接続される。
【0033】
図11に示す相手側の電話番号、自分の電話番号、通話用件メッセージをセットにしたデータが送信され、相手側の電話機11を発呼する。図4に示すように、ステップS21において、電話機11の通信処理部12が、電話機1の通信処理部2からの発呼を受け取る。通信処理部12から制御部17に対して、着信があった旨を知らせる信号を送信する。
【0034】
ステップS22において、制御部17は着信があった旨を利用者に通知するため、例えば、音声処理部13およびスピーカ14などを通して呼び出しベルを鳴動する。通信処理部12は、図6に示される受信した通話用件メッセージと発信者電話番号とを、メッセージ処理部20に送る。メッセージ処理部20は、通話用件メッセージと発信者電話番号とに基づく情報を表示装置19に表示させる。この際、着信者が通話可能状態にあるか、または表示装置19に表示された発信者の通話用件メッセージを見て現在通話不可能状態にあるが通話の優先度が高いと判断すると、入力装置16により「受話」を指示する(ステップS24)。
【0035】
制御部17は、この指示を受けると、ステップS25に移り、通信処理部12を通常通話の状態に移行させる。この際、呼び出しベルも止まる。着信側の通信処理部12が、発信側の通信処理部2に対して着信側が受話したことを通知するとともに、音声処理部13で入出力した音声データを通信処理部2との間でやり取りする。
【0036】
着信側の電話機11の通信処理部12が、発信側の電話機1との間で通話状態になったことを、発信側の制御部7に通知する。発信側の電話機1の制御部7はこの通知を受け、ステップS17(図3)において通常通話状態に移行する。通信処理部2は、音声処理部3及びスピーカ4で入力する音声データを通信処理部12と交換する。通話が終了するとステップS0(待機状態)に戻る。
【0037】
尚、ステップS20において発信側が呼び出しを中断した場合には、ステップS35において受信側もこれを受け(図4)、ステップS36において呼び出しベルを停止して待機状態S0に戻る。
【0038】
図9は、発信側31が発呼(呼び出し)を行い、着信側51が通話拒否メッセージを返す場合のやり取りを示すダイアグラムである。着信側51が通話用件メッセージと発信相手情報を表示するまでの流れは図8を参照して説明した流れと同じである。着信者51が通話用件メッセージを見て、着信者51が置かれている状況と用件とから重要度を判断し、今は通話しないと判断した場合は、入力装置16(図1)を用いて「通話拒否」の指示を電話機11に指示する。この指示を受け、制御部17が呼び出しベルを切るとともに、通話拒否メッセージを作成する処理を行い、作成した通話拒否メッセージを発信側に送信して通信を切断する。発信側は着信側からの通話拒否メッセージを受けてこれを表示装置に表示し、通話拒否メッセージを見て通信を終了する。
【0039】
図9のダイアグラムに関する、電話端末内の具体的な処理フローは以下の通りである。発信側電話機1から発呼する(図3のステップS13からステップS16)。これを受けて、受信側電話機11が着信して通話用件メッセージを表示する(図4のS21からS24)までの処理は図8と同様である。
【0040】
ステップS24(図4)において、着信者が通話可能状態になく、かつ着信者が行っている作業よりも通話の優先度が低い場合は、ステップS26の通話拒否メッセージを通知するか否かの選択モードに移行する。
【0041】
まず、ステップS27(図5)で制御部17は呼び出しベルを停止する。次いで、メッセージ処理部20が記憶装置18から全グループ名を取り出し、表示装置19に一覧表示する。ステップS28において、着信者は入力装置16により全グループ一覧中のうちから1つのグループを選択する。次に、メッセージ処理部20が記憶装置18から、グループに属する通話拒否メッセージを取り出し、表示装置19に一覧表示する。ステップS29において、着信者は入力装置16から通話拒否メッセージのうちのいずれかを選択する。予め、相手方の識別番号と通話拒否メッセージを関連付けしておいても良い。関連付けは、ケースバイケースで変更できるように構成するのが好ましい。
【0042】
通話拒否メッセージ中に任意設定文字列が存在する場合には、該当個所を“¥”で区切られたデフォルト文字列に置き換えるとともに、アンダーラインなどを表示して任意設定文字列であることを明示する。ステップS29で選択した通話拒否メッセージに任意設定文字列が存在するか否かをステップS30において調べ、任意設定文字列が存在する場合には、任意設定文字列を編集するステップS31に移行する。表示装置19に表示された通話拒否メッセージ中におけるいずれかの任意設定文字上にカーソルを表示する。任意設定文字列が一つ以上存在する場合は、入力装置16に設けられたカーソルキーなどで編集対象とする任意設定文字列を指定する。任意設定文字列を、相手側用件や通話拒否する理由に基づいて変更した場合には、ステップS32において、その前に設定値として通話拒否メッセージ内のデフォルト設定値も置き換える。
【0043】
ステップS30において、任意設定文字列が存在しない場合には、ステップS33に移り、編集作業を終了させる。このとき、マイク15、音声処理部13を通して入力された音声を識別して文字データとして認識する音声識別機能を音声処理部13または入力装置16またはその付随処理部が備えていれば、自由な文字列を短時間に入力することができるため、通信拒否メッセージの表現力を高めることが可能である。通話拒否メッセージに対して更にメッセージを追加する場合にはステップS28に戻る。
【0044】
ステップS33において、通話拒否メッセージの作成・編集作業が終了すると、ステップS34において、通信処理部12を通じて、作成済みの通話拒否メッセージを発信側の電話機1に送信する。
【0045】
図4に示す待機状態(ステップS0)に戻る。
図3に示すように、ステップS18において、発信側電話機1の通信処理部2が、着信側電話機11の通信処理部12から通話拒否メッセージを受け取ると、ステップS19において、その旨を制御部7に通知するとともに、通話拒否メッセージをメッセージ処理部10に送る。ステップS19において、メッセージ処理部10が、表示装置9に受信した通話拒否メッセージを表示し、待機状態S0に戻る。
【0046】
図10は、発信側31が発呼を行ったが、着信側51が電話機11を操作できないなどの事情があり、通話拒否メッセージを編集することなく一定時間が経過した状況を示すダイアグラムである。
【0047】
発信側電話機1から発呼する(図3のステップS13からステップS16まで)。通話用件メッセージを含む情報を受信側電話機11が受け取り、通話用件メッセージを表示装置19に表示する(図4のステップS21からステップS24まで)までの処理は図8に示す処理と同様である。図4のステップS37に示すように、発呼を受けてから一定時間が経過した場合にはタイムアウトと判断される。メッセージ処理部20が、記憶装置18内に格納されたグループID=0のデフォルト通話拒否メッセージ(図6および図7)を取り出し、ステップS38(図4)において通信処理部12を介して発信側電話機1に送信する。次いで、ステップS36において呼び出しベルを停止させ、待機状態(ステップS0)に戻る。発信側電話機1内における処理は、図9に示した処理(ステップS18及びステップS19)と同じである。
【0048】
以上のように、本実施の形態による通信端末装置を用いれば、例えば電車内にいる場合や会議中である場合など、必ずしも通話不可能ではないが一般に通話応答できない場面において、着信側は通話前に相手の通話用件を知ることができる。従って、着信者が置かれている状況と通話用件との重要度により通話と現在の状況とのいずれを優先させるかを判断することが容易になり、状況に応じた行動を選択できる。
【0049】
さらに、得られた着信電話の用件の重要度を考慮して着信拒否メッセージを作成できるため、相手とのコミュニケーションの機会を設定するための補助データを得ることができる。
【0050】
加えて、事前に着信拒否メッセージを用意しておき、着信時に、重要な部分のみを簡単な操作で変更することが可能なため、発信相手と通話用件メッセージの内容をみて、例えば折り返し連絡をする時間を明記した通話拒否メッセージを発信側に返信することもできる。
【0051】
発信側においては、着信側からの通話拒否メッセージを見て、連絡時間までの間、別の作業を行う、電子メールなど電話による通話とは異なるコミュニケーション手段を用いて着信側に用件を伝えるといった対応を取ることができ、より効率的な行動スケジューリングを計画することができる。
【0052】
また、発信者との通話チャネルと通話用件メッセージとがセットになっているため、通話用件メッセージを見て通話の優先度が高いと判断した結果、直ちに発信者との通話チャネルに入ることができる。
【0053】
尚、用件を通話前に連絡する文字ベースのツールとして例えば電子メールがある。しかしながら、電子メールシステムなどは通話チャネルと隔離しているため、通話を行うには別途通話手続きをとる必要がある。すなわち、用件着信側が電話発信アクションを取るか、通話可能である旨を電子メール等で発信側に返し、発信側が電話発信アクションを取る必要がある。
本実施の形態による通信端末装置を用いれば、上記のような操作の煩雑さがない。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について例示したが、上記例示は制限的な意味を有さない。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0055】
例えば、上記の実施の形態による通信端末装置として、電話機を例として説明したが、通信端末装置には、携帯用電話機、携帯用情報処理端末、パーソナルコンピュータなど、送受信機能とデータ入力機能とを備えた装置が含まれる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、電話機などの通信端末装置を用いた通話を行う場合に、発信側と着信側とで、相手の状況に合わせたより緊密なコミュニケージョンをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による通信端末装置の構成を示す機能ブロック図である。図においては、2台の電話機間における通話を想定している。
【図2】本発明の一実施形態よる通信端末装置において、着信前に予め設定しておく通話拒否メッセージのメンテナンス処理に関するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による通信端末装置において、発信側の処理に関するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態による通信端末装置において、着信側の処理に関するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による通信端末装置において、着信側の処理のうち、通話拒否メッセージの作成処理と発信処理に関するフローチャートである。
【図6】着信前に設定しておく通話拒否メッセージに関し、記憶装置内における格納されたデータ形式とデータ内容とを示す図である。
【図7】図6に示される通話拒否メッセージのグループIDの内容に関し、記憶装置内に格納されたデータ形式とデータの内容を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態による電話機を用いた通信技術において、着信者が着信時に通話を選択した場合のダイアグラムである。
【図9】本発明の一実施の形態による通信端末装置において、着信者が着信時に通話拒否を選択した場合のダイアグラムである。
【図10】本発明の一実施の形態による通信端末装置において、着信者が着信時に操作を行わなかった場合のダイアグラムである。
【図11】発信時に発信側が着信側に送るデータの形式である。
【符号の説明】
1,11…電話機(通信端末装置)、2,12…通信処理部、3,13…音声処理部、4,14…スピーカ、5,15…マイク、6,16…入力装置、7,17…制御部、8,18…記憶装置、9,19…表示装置、10,20…メッセージ処理部。
Claims (1)
- 通信ネットワークを介して他の通信端末装置との間で、通話音声データと該通話音声データ以外の付加データとを送受信可能な通信端末装置であって、
前記付加データを入力する入力部と、
前記他の通信端末装置との間で、
前記通話音声データの送受による通話要求を送信する際に、
前記通信端末装置の識別データと、前記入力部で入力された付加メッセージと、を送信するとともに、
前記通話音声データの送受による通話要求の際に、前記他の通信端末装置より送信された当該他の通信端末装置の識別データと、当該識別データ送信の際に送信された付加メッセージと、を受信する通信処理部と、
前記通話音声データの送受による通話要求の際に、直ちに通話を開始する通話開始モードと、現在は通話ができない旨を通知する通話拒否モードと、のいずれかを選択できる選択手段と、
規定の通話拒否メッセージと、複数の通話拒否メッセージを記憶する記憶部と、
前記通話拒否モードが選択されている場合に、複数の前記通話拒否メッセージの中から選択した通話拒否メッセージを、前記他の通信端末装置に返信する通話拒否メッセージ送信手段と、
を備え、
前記記憶部が記憶している前記通話拒否メッセージを更新する際に、
空文字列で構成された通話拒否メッセージへの更新であるときは、
前記変更の対象となっている通話拒否メッセージが所定の箇所の通話拒否メッセージに対するものであるかを判断し、
前記判断にて、所定の箇所に対する通話拒否メッセージに対する編集であると判断した場合には、前記規定の通話拒否メッセージを前記記憶部から読み出し、その読み出した通話拒否メッセージを用いて前記所定の箇所の通話拒否メッセージを更新し、
それ以外の箇所の通話拒否メッセージであると判断した場合には、対象となっている通話拒否メッセージを削除する
ことを特徴とする通信端末装置。
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