JP4728473B2 - 改質多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、改質多孔質膜及びその製造方法に関し、更に詳しくは、エンドトキシン吸着能及び透水性に優れた改質多孔質膜及びその簡単な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半透膜は、例えば工業分野では、ビール及びジュース等の飲料の濃縮及び精製並びに水処理等に使用されている。そして、医療分野では、血液透析療法、血液濾過療法、及び血漿交換療法等の血液浄化療法並び生体要素を分離するバイオセパレータに使用されている。
【0003】
血液透析療法では、半透膜を中空糸状に紡糸したもの(中空糸膜という)を一万本程度束ねて、ケーシング内に装填した血液浄化装置が用いられている。血液透析の際には、一般に、中空糸膜の内表面側に血液を流し、外表面側に透析液を流し、中空糸膜を介して血液と透析液とを接触させ、拡散により血液中の尿毒素等を濾別除去する。
【0004】
このような中空糸膜は、セルロースに代表される親水性膜と、ポリスルホン及びポリエステルに代表される疎水性膜とに大別される。中でも、ポリエーテルスルホンとポリアリレートとからなるポリエステル系ポリマーアロイ膜は、膜本来の性質として機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れるだけでなく、生体との適合性に優れることから、血液浄化膜として利用されている。
【0005】
血液透析における透析液中には、人体に侵入すると発熱原因となるエンドトキシンが含まれている。エンドトキシンは、細菌毒素の一種で、例えばグラム陰性菌が壊れて、その細胞壁の構成成分であるリポ多糖(LPS)が遊離し、毒性を発揮する。そこで血液透析に使用する中空糸膜の細孔をエンドトキシンよりも小さくすることにより、エンドトキシンを濾過し、血液中に入り込むことを阻止している。
【0006】
しかし、エンドトキシンは分子量が一定ではないことから、小さい径のエンドトキシン及びエンドトキシンの断片がこの中空糸膜の細孔を透過して血液中に入りこむ可能性がある。
【0007】
一方、エンドトキシンの断片までも透過しない小さな細孔を中空糸膜に設けると、膜の透水性や溶質除去性能が低下し、透析時間が長くなる等の問題が生じる。
【0008】
エンドトキシンを除去する他の方法として、ポリミキシンB等のポリペプチド系の抗生物質とエンドトキシンとの生物学的相互作用を利用する除去方法がある。しかし、ポリミキシンBを利用した吸着器は、高価であり、また、この吸着器を利用できる使用症例が限られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記課題を解決することを目的とする。すなわち、透水性の低下の原因となる中空糸膜の細孔径の微小化を必要とせずに、分子量を一義的に定められないエンドトキシン等の物質が膜を透過することを阻止でき、安価で、利用できる使用症例の多い改質された多孔質膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリマーアロイから製造された多孔質膜を、カルボン酸基の炭素を除く炭素数が1〜3であり、少なくとも1個の水酸基及び少なくとも1個のカルボン酸基を有するヒドロキシ酸を含有する液で処理して成ることを特徴とする改質多孔質膜であり
この改質多孔質膜の態様において、前記ヒドロキシ酸がリンゴ酸である化合物であり、
この改質多孔質膜の態様において、前記ヒドロキシ酸を含有する液のヒドロキシ酸の濃度が1〜10重量%であり、
前記課題を解決するための他の手段は、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリマーアロイから製造された多孔質膜を、カルボン酸基の炭素を除く炭素数が1〜3であり、少なくとも1個の水酸基及び少なくとも1個のカルボン酸基を有するヒドロキシ酸を含有する液で処理することを特徴とする改質多孔質膜の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明における多孔質膜は、疎水性ポリマーを用いて形成されることができる。
【0012】
疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ポリスチレン−ポリブタジエンブロックポリマー、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、及びポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。この発明におけるポリマーはこれらの一種単独で使用されても良く、又併用されても良い。
【0013】
これらの中でも好ましいのはポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリアリレートよりなる群から選択される少なくとも一種であり、中でも、ポリアリレートとポリスルホンとを組み合わせたポリマーアロイ、及びポリアリレートとポリエーテルスルホンとを組み合わせたポリマーアロイを好適例として挙げることができる。
【0014】
前記ポリアリレートは、以下の式(1)に示す繰り返し単位を有するポリマーを好適に採用することができる。
【0015】
【化1】
Figure 0004728473
【0016】
ただし、式中、R1及びR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基である。R1及びR2は互いに同一であっても良く、あるいは相違していても良い。R1及びR2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。この発明においては、R1及びR2がメチル基であるのが好ましい。
【0017】
この発明において、ポリアリレートは、その分子量が20,000〜50,000程度であるのが良い。
【0018】
この発明においては、前記ポリアリレートとしては、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とを重縮合することにより適宜に合成したポリアリレートを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商標名「Uポリマー」として販売されているユニチカ(株)による製品、商標名「APE」として販売されているバイエル社による製品、商標名「DUREL」として販売されているセラニーズ社による製品、商標名「Arylon」として販売されているデュポン社による製品等を挙げることができる。
【0019】
前記ポリスルホンとしては、以下の式(2)に示す繰り返し単位を有するポリマーを好適に採用することができる。
【0020】
【化2】
Figure 0004728473
【0021】
ただし、式中、R3及びR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基である。R3及びR4は互いに同一であっても良く、あるいは相違していても良い。R3及びR4としては、例えばメチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。この発明においては、R3及びR4がメチル基であるのが好ましい。
【0022】
前記式(2)で示される繰り返し単位を有するポリスルホンは、その分子量が20,000〜40,000程度であるのが好ましい。
【0023】
このポリスルホンは、適宜に合成したポリスルホンを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商品名「P−3500」として販売されているユニオンカーバイド社製の製品を挙げることができる。
【0024】
前記ポリエーテルスルホンとしては、次の式(3)、(4)又は(5)で示される繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
【0025】
【化3】
Figure 0004728473
【0026】
【化4】
Figure 0004728473
【0027】
【化5】
Figure 0004728473
【0028】
このポリエーテルスルホンは、前記式(3)、(4)又は(5)で示される繰り返し単位を主たる繰り返し単位とする限り特に制限がないが、その分子量が20,000〜40,000程度であるのが好ましい。
【0029】
また、このポリエーテルスルホンとしては、適宜に合成したポリエーテルスルホンを用いても良く、また市販品を用いても良い。市販品としては、商標名「スミカエクセルPES」として販売されている住友化学工業(株)による製品等を挙げることができる。
【0030】
ポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとを組み合わせる場合、ポリアリレート(A)とポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホン(B)との混合重量比(A/B)は、0.1〜10、好ましくは0.3〜4であるのが望ましい。
【0031】
この発明においては、疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜等の疎水性ポリマーからなる多孔質膜の表面に、一分子中に水酸基と少なくとも一つのカルボキシル基を有するヒドロキシ酸の溶液を接触させ、前記多孔質膜特に疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜をヒドロキシ酸により表面改質させることで、疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜の表面の吸着能を改質する。
【0032】
一分子中に水酸基と少なくとも一つのカルボキシル基を有するヒドロキシ酸としては、例えば、2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)、2−、3−、又は4−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシモノカルボン酸、グリセリン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸、酒石酸等のジヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシマロン酸、リンゴ酸等のヒドロキシジカルボン酸、及びクエン酸等のヒドロキシトリカルボン酸等が挙げられる。中でも、ヒドロキシジカルボン酸が好ましい。
【0033】
ヒドロキシ酸は、メチル基、エチル基等の炭素数5以下のアルキル基の置換基を有していてもよい。ヒドロキシ酸は、無水物、アルカリ塩の形で溶媒中に添加してもよい。
【0034】
これらのヒドロキシ酸は、水溶液として使用する。ヒドロキシ酸は、一般に1〜10重量%溶液とする。ヒドロキシ酸溶液のpHは、1〜5の範囲であれば、いかなる数値であってもよいが、特に、1〜3の範囲が好ましい。
【0035】
この発明に係る改質多孔質膜を利用した製品として、血液浄化器を挙げることができる。次に、中空糸膜を多孔質膜をヒドロキシ酸で処理してなる改質多孔質膜を利用した血液浄化器について説明する。
【0036】
該中空糸膜は、前記二種以上の疎水性ポリマーを有機溶媒に溶解することにより調製されたポリマー原液を、二重管となった紡糸口金又は押し出しダイスから押しだして凝固液中に導入することにより、中空の紐状体もしくは糸状体として、形成されることができる。
【0037】
前記有機極性溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
【0038】
前記ポリマー原液を調製する際に、二種のポリマーの濃度、特にポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとの濃度としては、通常10〜25重量%、好ましくは12〜20重量%である。このポリマー原液は、紡糸口金から吐出することにより繊維を形成するために調製される場合、前記ポリマー濃度が10重量%よりも低いときには、紡糸口金により紡糸しても強度のある糸に形成することができないことがあり、また25重量%よりも濃度が高いと、多孔質の糸に形成することができず、またポリマー原液がゲル化し易くなって取り扱いに困ることがある。
【0039】
前記有機極性溶媒に二種のポリマー特にポリアリレートとポリスルホン及び/又はポリエーテルスルホンとを溶解する際の温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。
【0040】
なお、ポリマー原液には、この発明の目的を阻害しない限りにおいて、各種の添加剤が含有されていても良い。
【0041】
こうして、紡糸した中空糸膜を、有機溶媒等を除去するために水洗し、乾燥させる。
【0042】
その後、この中空糸膜を血液浄化療法に使用する場合は、血液浄化器を作成する。まず、中空糸膜は一万本程を束にするバンドル化処理がなされる。このとき、中空糸膜は、円筒状のケーシングの内径に合った外径に調製される。
【0043】
次に、この中空糸膜をケーシング内に装填し、ポッティングを行ってモジュール化する。ポッティング工程においては、ケーシングの内部空間の両端面にシーリング材を封止し、シーリング材が硬化したならば、ケーシング端部より外側にはみ出した部分の中空糸の束およびシーリング材をケーシングの開口部と同一平面になるように切断する。これによりケーシング内に中空糸束が装填されたモジュールが作成される。
【0044】
ここで、中空糸膜を使用した血液浄化器について図面を参照して説明する。図1に示すように、血液浄化器1は、ケーシング2と、このケーシング2に対して着脱自在に螺合する注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4とから構成してある。ケーシング2は、ポリカーボネートにより形成された円筒状部材である。そして、このケーシング2の側面であって排出側血液ポート4側の端部には透析液の流入口5を形成してあり、注入側血液ポート3側の端部には透析液の排出口6を形成してある。
【0045】
注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4は、ケーシング2の両端部にて開口を塞ぐように螺合するキャップ部材として機能するものであり、ケーシング2と同じくポリカーボネイトにより形成してある。そして、注入側血液ポート3には、血液を注入するための注入口7が突設してあり、排出側血液ポート4には、血液を排出するための排出口8を突設してある。また、注入側血液ポート3とケーシング2との接触部及び排出側血液ポート4とケーシング2との接触部には、それぞれ液密性を保つためのOリング9を配設してある。
【0046】
上記のケーシング2の内部空間に中空糸束10を装填してある。この中空糸束10は、紡糸した中空糸膜を一万本程度束ねたものである。
【0047】
ケーシング2における両端の開口部には、ウレタン系樹脂等のシーリング材12を充填してある。そして中空糸束10の端部は、開口した中空糸膜が密集していると共に、中空糸膜同士の隙間を液密性を確保した状態でシーリング材12が塞いでいる。
【0048】
このシーリング材12は透析液の流入口5及び透析液の流出口6を塞いでいないので、透析液の流入口5と透析液の排出口6は、それぞれケーシング2内における中空糸膜の外表面同士で形成され、又は外表面とケーシングとで形成される外表面側の空間と連通している。従って、中空糸束10を装填したケーシング2の内部空間は、血液の流路である中空糸膜の内表面側と、透析液の流路である中空糸膜の外表面側とが中空糸膜によって分離された状態となる。
【0049】
モジュールを作成したならば、このモジュールの状態で中空糸膜本体の表面を一分子中に水酸基と少なくとも一つのカルボキシル基を有するヒドロキシ酸により表面改質させ、中空糸膜の吸着能を改質する。
【0050】
この改質処理工程では、まず、付着処理を行って、モジュール内の血液流路又は透析液流路の少なくとも一方にヒドロキシ酸溶液を流して膜本体の表面をヒドロキシ酸により表面改質させる。エンドトキシンの吸着を目的とする改質処理においては、透析液流路側にヒドロキシ酸溶液を流通させるのが望ましい。ヒドロキシ酸により表面改質させた後、モジュール内の洗浄を行い余剰のヒドロキシ酸を除去する。
【0051】
上記の付着処理に関し、例えば、膜本体の透析液流路側をヒドロキシ酸により表面改質する場合には、ケーシング2に設けられた透析液の流入口5からヒドロキシ酸溶液を所定の流量で注入し、血液浄化器の透析液流路側を通過させた後、透析液の排出口から排出する。なお、このヒドロキシ酸溶液の注入は、5〜60分程行う。
【0052】
中空糸膜へのヒドロキシ酸による表面改質は、モジュール形成前に行うこともできる。その場合は、紡糸した中空糸膜を、有機溶媒等を除去するために水洗後、乾燥前に、改質処理を行う。この場合、所定の濃度、pH、温度のヒドロキシ酸溶液中に水洗後の中空糸膜を浸漬させて、改質処理を行う。改質処理後の中空糸膜は、水洗、乾燥処理後、モジュール化する。
【0053】
この改質処理によって、疎水性ポリマー特に疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜の疎水性が高まり、その結果、膜本体のエンドトキシン吸着能が向上する。このため、膜本体の細孔を小さくすることなく、エンドトキシンを吸着ろ過することができる。
【0054】
【実施例】
(実施例)
N−メチルピロリドン中に(1)に示す構造式を持つポリアリレート樹脂((株)ユニチカ製、商品名Uポリマー)と(4)式に示す構造式を持つポリエーテルスルホン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカエクセルPES)とをそれぞれ17重量%となるように溶解し、製膜原液とした。また、N−メチルピロリドンの50重量%水溶液をそれぞれ、芯液及び凝固液とした。そして、製膜原液を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐出してPEPA膜を紡糸した。
【0055】
紡糸されたPEPA膜を水洗処理した後、3.5重量%のリンゴ酸水溶液(pH2、液温20℃)中に5分間浸漬し、その後水洗して乾燥させた。
【0056】
(比較例)
紡糸後リンゴ酸による改質処理を行わない点を除き、実施例と同じ方法でPEPA膜を得た。
【0057】
(エンドトキシンの透過試験)
実施例及び比較例で作製したPEPA膜を用いて1.0m2の膜面積のモジュールをそれぞれ作製した。PEPA膜の外表面側(透析液流路側)にエンドトキシン濃度1000EU/Lのエンドトキシン汚染液を透析液の流入口から注入した後、透析液の流出口を塞いで、充填した。PEPA膜の内表面側(血液流路側)にエンドトキシン濃度0EU/Lの蒸留水を血液流入口から注入した後、血液排出口を塞いで、充填した。4時間静置させた後、PEPA膜の内表面側の蒸留水中のエンドトキシン濃度をリムルステスト法を用いて測定した。
【0058】
リンゴ酸で処理したPEPA膜の場合は、蒸留水中にエンドトキシンは検出されなかった。リンゴ酸で処理しないPEPA膜の場合は、蒸留水中にエンドトキシンが5EU/Lの濃度で検出された。
【0059】
(接触角の測定)
実施例及び比較例で作製したPEPA膜の水との接触角を接触角度計を用いて測定した。リンゴ酸で処理したPEPA膜は、接触角が80°、リンゴ酸で処理しないPEPA膜は、接触角が69°であり、リンゴ酸処理することにより、接触角が増加し、膜表面の疎水性が向上した。
【0060】
【発明の効果】
リンゴ酸等のヒドロキシ酸処理をすることにより、疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜の疎水性が改質された。また、疎水性の向上に伴い、エンドトキシン等の分子量が一義的でない物質に対する疎水性ポリエステル系ポリマーアロイ膜の吸着能が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血液浄化器の断面図である。
【符号の説明】
1 血液浄化器、2 ケーシング、3 注入側血液ポート、4 排出側血液ポート、5 透析液の流入口、6 透析液の排出口、7 注入口側血液ポートにおける注入口、8 排出側血液ポートにおける排出口、9 Oリング、10 中空糸束、12 シーリング材

Claims (4)

  1. ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリマーアロイから製造された多孔質膜を、カルボン酸基の炭素を除く炭素数が1〜3であり、少なくとも1個の水酸基及び少なくとも1個のカルボン酸基を有するヒドロキシ酸を含有する液で処理して成ることを特徴とする改質多孔質膜。
  2. 前記ヒドロキシ酸が、リンゴ酸であることを特徴とする前記請求項1に記載の改質多孔質膜。
  3. 前記ヒドロキシ酸を含有する液のヒドロキシ酸の濃度が1〜10重量%であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の改質多項質膜。
  4. ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを含むポリマーアロイから製造された多孔質膜を、カルボン酸基の炭素を除く炭素数が1〜3であり、少なくとも1個の水酸基及び少なくとも1個のカルボン酸基を有するヒドロキシ酸を含有する液で処理することを特徴とする改質多孔質膜の製造方法。
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