本発明の実施例を以下に説明する。図1は本実施例のシステム構成を示す図であり、内燃機関本体(エンジン)10には、点火コイルと接続された点火プラグ12が配置されるとともに、吸気弁6及び排気弁7と、気筒9内を往復運動するピストン8とで燃焼室を構成している。また、各気筒9には、前記吸気弁6及び排気弁7によってそれぞれ開閉される吸気管18及び排気管19が設置されている。また、該吸気管18には運転状態検出手段の一つであって、吸気管内の圧力を計測する吸気管圧力センサ2、及び、スロットルバルブ3の開度を計測するスロットルセンサ4が各々の適宜位置に配置され、さらに、エンジン冷却水温を計測する冷却水温センサ14、内燃機関の回転数を計測するクランク角センサ13が各々の適宜位置に配置されている。吸気管18の上流部に設けられたエアクリーナ20から流入された空気は、吸気温センサ45によって温度を計測され、スロットルバルブ3で流量を調整された後、燃料噴射弁(インジェクタ)1から所定の角度で噴射されたガソリンと混合されて各気筒9に供給される。吸気管の途中にはスワール流を生成させるためのスワールコントロールバルブ27が設けられている。
燃料タンク21内の燃料は、燃料ポンプ22によって、吸引・加圧された後、プレッシャーレギュレータ15を備えた燃料管23を通って前記燃料噴射弁1の燃料入口に導かれ、余分な燃料は前記燃料タンク21に戻される。
前記気筒9で燃焼した排ガスは、排気管19を経て触媒24に導かれ浄化された後、マフラー25を経由して大気へ排出される。排気管19には、排ガス中の空燃比をリニアに示す空燃比センサ16が適宜位置に配置され、触媒の下流には酸素センサ17が配置されている。また、排出ガスの一部は、排気管19からEGR通路29を通り、EGRバルブ(制御弁)28を介してコレクタボックス30に還流する。EGRバルブ28は、内燃機関コントロールユニット11からの信号で駆動される。
前記吸気管圧力センサ2から得られる吸気管内の圧力を示す出力信号と、前記スロットルセンサ4からの出力信号と、冷却水温センサ14、クランク角センサ13、及び、酸素センサ17等からの各出力信号は、内燃機関制御装置11に入力される。
この内燃機関制御装置11は、車体あるいは内燃機関室内に配置され、点火時期制御、燃料噴射制御などを行なうマイクロコンピュータなどからなる制御装置で、MPU31、ROM32、RAM33、バックアップRAM34、タイマ/カウンタ35、及びI/Oインターフェース36がバスライン26を介して互いに接続され、定電圧回路37から所定の安定化電圧が各部に供給されるとともに、バックアップRAM34に常時バックアップ電圧が印加されるようになっている。この定電圧回路37は、ECUリレー38のリレーコイルがイグニッションキースイッチ39を介してバッテリ40に接続されている。また、前記バッテリ40に、スタータスイッチ41を介してスタータモータ42が接続されている。さらに、セルフシャット(自己電源保持)リレー43のリレー接点が前記ECUリレー38と前記イグニッションキースイッチ39に対して並列に接続されている。このセルフシャットリレー43は、前記イグニッションキースイッチ39をOFFした後も設定時間経過するまで内燃機関制御装置11に対し電源を投入し続ける。
アナログ入力回路44には、前記センサ2,4,14,16,17から信号線が接続され、前記バッテリ40が接続され、また、イグニッションキースイッチ状態とスタータスイッチ状態を検出するためにそれぞれイグニッションキースイッチ39およびスタータスイッチ41を介して接続される。デジタル入力回路には、クランク角センサ13からの信号線が接続される。そして、内燃機関制御装置11は、内燃機関の運転状態を示す各種の電気的な信号に基づいて、所定の演算処理を行い、運転状態に応じた最適の制御を行うように、燃料を噴射供給する前記インジェクタ1の開閉、点火プラグ12の駆動、及びアイドル時の内燃機関回転数を目標回転数となるように制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISC)5の開閉を行う信号を各々出力し、また、前記燃料ポンプ22を制御する。燃料噴射は、各気筒9の吸気行程と燃料噴射のタイミングに合せて、各気筒9別に実行される。
前記各気筒9に供給された混合気が爆発燃焼し、前記空燃比センサ16により排気ガス中の空燃比が検出され、エンジンの空燃比状態が目標空燃比に対し、リッチ側にあるかリーン側にあるかについて判別され、空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御される。
次に、本発明の実施形態である第1実施例のフローを図2に示す。ステップ100(以下、「S100」と記載し、その後続のステップも「S」を頭文字に同様に記載する。)において、基本燃料噴射量を補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S101では、燃料噴射補正量COEFの積算であるCOEFSUM=COEFSUM+COEF、を算出する。S102では、燃料噴射補正量積算値TCOEF=COEFSUM−所定時間前のCOEFSUM、を算出する。つまり、TCOEFは、所定期間内の燃料噴射補正量COEFの積算値である。S103でエンジン停止後、S104でエンジン停止時のTCOEFをRAMに記憶させる。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S105でエンジン始動モードとなるとS106へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S106では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T1を前記エンジン停止時のTCOEFに応じて設定する。燃料噴射補正量積算値TCOEFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T1は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S107では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S108では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T1を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第1実施例)の作用を、図3の波形図に基づいて説明する。同図の下段には燃料噴射弁に出力される燃料噴射パルスを示している。この燃料噴射パルス幅が大きいほど噴射弁からの噴射量が多いことを意味する。この波形図は、エンジン運転中、運転者の発進失敗等によりエンジンストールが発生した場合、それほど時間をおくことなく再始動した場合である。このような場合、エンジンストールによりシリンダ内に未燃の状態で燃料が残留し、シリンダ内の空燃比は過リッチとなっている。始動時はもともと多くの燃料が供給されるので、再始動に際して通常始動と同量の始動時燃料量が供給されたのでは、燃料過剰となって点火プラグのくすぶり等を発生させ、始動性を不良にしてしまう。このため、従来技術では、エンジン停止から短時間内の再始動では燃料の減量補正するようにしているが、かかる補正をエンジンストールに合わせて設定すると、通常のエンジン停止後の再始動の場合には、シリンダ内の空燃比はストイキ付近のため、エンジンストールに合わせた設定の補正では、燃料不足となって始動性を悪化してしまうし、さらに、減速燃料カットがあって吸気ポート付着燃料がないような状態があると、通常のエンジン停止後の再始動に合わせた設定では最適の始動性を得ることができない。
本発明は、このような場合、一義的に燃料の補正をするのではなく、前記エンジン停止時の燃料補正量積算値TCOEFに応じて始動時の基本燃料噴射量を増減補正して噴射するのであるから、燃料が過剰となることもなく、また、燃料が不足することもなく、再始動時にエンジンの状態に応じた適切な燃料噴射量の供給を実現してエンジンの始動性を高めることができる。
図4に各運転状態でのエンジン停止後、再始動時の燃料噴射パルス幅の例を示す。従来の燃料噴射パルス幅は一義的に設定されているのに対し、本発明では、燃料噴射補正量積算値TCOEFに応じて燃料噴射パルスを補正して燃料を噴射する。
次に、本発明の実施形態(第2実施例)のフローを図5に示す。S200において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S201では、燃料噴射補正量COEFの積算であるCOEFSUM=COEFSUM+COEF、を算出する。S202では、燃料噴射補正量積算値TCOEF=COEFSUM−所定時間前のCOEFSUM、を算出する。つまり、TCOEFは、所定期間内の燃料噴射補正量COEFの積算値である。S203でエンジン停止後、S204でエンジン停止時のTCOEFをRAMに記憶させる。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S205でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S206でエンジン始動を判別した場合、エンジン停止から次回始動までの時間TTMをS207で算出しS208へ進む。内燃機関10が始動であるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別することができる。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S208では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T2を前記エンジン停止時のTCOEFと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料補正量積算値TCOEFが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T2は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S209では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S210では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T2を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、上記のようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に残留燃料量に応じて燃料供給量の増減量補正をして、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第3実施例)のフローを図6に示す。S300において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S301でエンジン停止後、S302でエンジン停止時のCOEFをRAMに記憶させる。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S303でエンジン始動モードとなるとS304へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S304では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T3を前記エンジン停止時のCOEFに応じて設定する。燃料噴射補正量COEFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T3は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S305では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S306では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T3を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。
以上のようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していない場合でも、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第4実施例)のフローを図7に示す。S400において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S401でエンジン停止と判別するとS402に進み、エンジン停止時のCOEFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。S403でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S404でエンジン始動モードとなると、S405に進み、そこでエンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出して、S406へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外のとき始動モードと判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上のとき完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S406では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T4を前記エンジン停止時のCOEFと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料噴射補正量COEFが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T4は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S407では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S408では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T4を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第5実施例)のフローを図8に示す。S500において、燃料噴射量TIを算出する。S501では、燃料噴射量TIの積算であるTISUM=TISUM+TI、を算出する。S502では、燃料噴射量積算値TTI=TISUM−所定時間前のTISUM、を算出する。つまり、TTIは、所定期間内の燃料噴射量TIの積算値である。S503でエンジン停止を判別すると、S504に進み、エンジン停止時のTTIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S505でエンジン始動モードと判別した場合は、S506へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外のとき始動モードと判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S506では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T5を前記エンジン停止時のTTIに応じて設定する。燃料噴射量積算値TTIが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T5は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S507では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S508では、前記基本燃料噴射量TIOUT1 に、前記補正係数T5を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第6実施例)のフローを図9に示す。S600において、燃料噴射量TIを算出する。S601では、燃料噴射量TIの積算であるTISUM=TISUM+TI、を算出する。S602では、燃料噴射量積算値TTI=TISUM−所定時間前のTISUM、を算出する。TTIは、所定期間内の燃料噴射量TIの積算値である。S603でエンジン停止を判別すると、S604に進み、エンジン停止時のTTIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。S605でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S606でエンジン始動を判別した場合、エンジン停止から次回始動までの時間TTMをS607で算出して、S608へ進む。内燃機関10が始動であるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別することができる。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S608では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T6を前記エンジン停止時のTTIと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料噴射量積算値TTIが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに見合って前記補正係数T6は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S609では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S610では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T6を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第7実施例)のフローを図10に示す。S700において、燃料噴射量TIを算出する。S701でエンジン停止を判別すると、S702に進み、エンジン停止時のTIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S703でエンジン始動モードとなるとS704へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別することができる。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S704では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T7を前記エンジン停止時のTIに応じて設定する。燃料噴射量TIが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T7は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S705では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S706では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T7を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第8実施例)のフローを図11に示す。S800において、燃料噴射量TIを算出する。S801でエンジン停止を判断するとS802に進み、エンジン停止時のTIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。S803でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S804でエンジン始動モードとなると、S805に進み、エンジン停止から始動までの時間TTMを算出してS806へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S806では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T8を前記エンジン停止時のTIと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料噴射量TIが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T8は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S807では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S808では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T8を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に見合った燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第9実施例)のフローを図12に示す。S900において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S901では、理論空燃比―AFの偏差ΔAFを算出する。S902では、ΔAFの積算であるAFSUM=AFSUM+ΔAF、を算出する。S903では、空燃比偏差積算値TAF=AFSUM−所定時間前のAFSUM、を算出する。TAFは、所定期間内の理論空燃比−AFの偏差ΔAFの積算値である。S904でエンジン停止と判別するとS905に進み、エンジン停止時のTAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S906でエンジン始動モードとなるとS907へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S907では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T9を前記エンジン停止時のTAFに応じて設定する。空燃比偏差積算値TAFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記減量補正係数T9は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S908では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S909では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T9を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第10実施例)のフローを図13に示す。S1000において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S1001では、理論空燃比―AFの偏差ΔAFを算出する。S1002では、ΔAFの積算であるAFSUM=AFSUM+ΔAF、を算出する。S1003では、空燃比偏差積算値TAF=AFSUM−所定時間前のAFSUM、を算出する。TAFは、所定期間内の理論空燃比−AFの偏差ΔAFの積算値である。S1004でエンジン停止と判別するとS1005に進み、エンジン停止時のTAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S1006でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S1007でエンジン始動モードとなると、エンジン停止から次回始動までの時間TTMをS1008で算出してS1009へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1009では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T10を前記エンジン停止時のTAFと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。空燃比偏差積算値TAFが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T10は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1010では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1011では、前記基本燃料噴射量TIOUT1 に、前記補正係数T10を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第11実施例)のフローを図14に示す。S1100において前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S1101では、理論空燃比―AFの偏差ΔAFを算出する。S1102でエンジン停止を判別すると、S1103に進んでエンジン停止時のΔAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S1104でエンジン始動モードとなるとS1105に進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないとき、エンジンストールモードと判定する。
S1105では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T11を前記エンジン停止時のΔAFに応じて設定する。空燃比偏差値ΔAFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T11は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1106では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1107では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T11を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第12実施例)のフローを図15に示す。S1200において前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S1201では、理論空燃比―AFの偏差ΔAFを算出する。S1202でエンジン停止を判別するとS1203に進み、エンジン停止時のΔAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S1204でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S1205でエンジン始動モードとなると、S1206に進み、エンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出してS1207へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないとき、エンジンストールモードと判定する。
S1207では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T12を前記エンジン停止時のΔAFと前記エンジン停止時間から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。空燃比偏差値ΔAFが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T12は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1208では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1209では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T12を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第13実施例)のフローを図16に示す。S1300において前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S1301でエンジン停止を判別するとS1302に進み、エンジン停止時のAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S1303でエンジン始動モードとなるとS1304に進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1304では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T13を前記エンジン停止時のAFに応じて設定する。空燃比AFがリッチなほどシリンダ内の残留燃料量が多く、リッチになっていると推定できるので、それに応じた前記補正係数T13は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1305では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1306では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T13を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第14実施例)のフローを図17に示す。S1400において前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S1401でエンジン停止を判別した場合、S1402に進み、エンジン停止時のAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S1403でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S1404でエンジン始動モードと判別すると、S1405に進み、エンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出して、S1406へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外の場合に、始動モードと判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1406では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T14を前記エンジン停止時のAFと前記エンジン停止時間から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。空燃比AFがリッチで、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、リッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T14は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1407では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1408では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T14を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第15実施例)のフローを図18に示す。S1500において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S1501では、現在から過去所定期間の燃料補正量平均値ACOEFを算出する。S1502でエンジン停止を判別した場合、S1503に進み、エンジン停止時のACOEFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S1504でエンジン始動モードとなると、S1505へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別することができる。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1505では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T15を前記エンジン停止時のACOEFに応じて設定する。燃料補正量平均値ACOEFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T15は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1506では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1507では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T15を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第16実施例)のフローを図19に示す。S1600において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S1601では、現在から過去所定期間の燃料補正量平均値ACOEFを算出する。S1602でエンジン停止と判別した場合、S1603に進み、エンジン停止時のACOEFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。S1604でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S1605でエンジン始動モードとなるとS1606に進み、エンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出してS1607へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないとき、エンジンストールモードと判定する。
S1607では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T16を前記ACOEFと前記TTMに応じて設定する。燃料補正量平均値ACOEFが大きく、エンジン停止から始動までの時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T16は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1608では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定されている。
S1609では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T16を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第17実施例)のフローを図20に示す。S1700において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S1701では、燃料噴射量増量COEFの積算であるCOEFSUM=COEFSUM+COEF、を算出する。S1702では、COEF=0であるならS1703でCOEFSUM=0とクリアする。つまり、COEF>0では、COEFSUMは積算し続けるが、一旦COEF=0と判定した時は、COEFSUMを0にクリアする。S1704でエンジン停止と判断した場合、S1705に進み、エンジン停止時のCOEFSUMをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S1706でエンジン始動モードと判別するとS1707へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1707では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T17を前記エンジン停止時のCOEFSUMに応じて設定する。積算値COEFSUMが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに見合って前記補正係数T17は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1708では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1709では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T17を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第18実施例)のフローを図21に示す。S1800において、基本燃料噴射量に対して補正する燃料噴射補正量COEFを算出する。S1801では、燃料噴射補正量COEFの積算であるCOEFSUM=COEFSUM+COEF、を算出する。S1802では、COEF=0であるならS1803でCOEFSUM=0とクリアする。つまり、COEF>0では、COEFSUMは積算し続けるが、一旦COEF=0と判定した時は、COEFSUMを0にクリアする。S1804でエンジン停止と判断した場合、S1805に進み、エンジン停止時のCOEFSUMをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S1806でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S1807でエンジン始動モードとなると、エンジン停止から次回始動までの時間TTMをS1808で算出してS1809へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1809では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T18を前記エンジン停止時のCOEFSUMと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料噴射補正量積算値COEFSUMが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに見合って前記補正係数T18は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S1810では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S1811では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T18を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第19実施例)のフローを図22に示す。S1900において、燃料噴射量TIを算出する。S1901では、現在から過去所定期間の燃料噴射量平均値ATIを算出する。S1902でエンジン停止を判断するとS1903に進み、エンジン停止時のATIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S1904でエンジン始動モードとなるとS1905へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S1905では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T19を前記エンジン停止時のATIに応じて設定する。燃料噴射量平均値ATIが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T19は小さい(減量率が大きい)値に設定されている。
S1906では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定されている。
S1907では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T19を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第20実施例)のフローを図23に示す。S2000において、燃料噴射量TIを算出する。S2001では、現在から過去所定期間の燃料噴射量平均値ATIを算出する。S2002でエンジン停止を判断した場合、S2003に進んでエンジン停止時のATIをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S2004でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S2005でエンジン始動モードとなると、S2006でエンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出してS2007へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S2007では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T20を前記エンジン停止時のATIと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。燃料噴射量平均値ATIが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T20は小さい(減量率が大きい)値に設定されている。
S2008では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定されている。
S2009では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T20を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第21実施例)のフローを図24に示す。S2100において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S2101では、理論空燃比−AFの偏差ΔAFを算出する。S2102では、現在から過去所定期間の空燃比偏差平均値AΔAFを算出する。S2103でエンジン停止を判断した場合、S2104に進み、エンジン停止時のAΔAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。
S2105でエンジン始動モードとなるとS2106へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S2106では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T21を前記エンジン停止時のAΔAFに応じて設定する。空燃比偏差平均値AΔAFが大きいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T21は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S2107では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S2108では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T21を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第22実施例)のフローを図25に示す。S2200において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S2201では、理論空燃比−AFの偏差ΔAFを算出する。S2202では、現在から過去所定期間の空燃比偏差平均値AΔAFを算出する。S2203でエンジン停止を判断した場合にはS2204に進んで、エンジン停止時のAΔAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断する。S2205でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S2206でエンジン始動モードとなるとS2207に進んで、エンジン停止から次回始動までの時間TTMを算出してS2208へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S2208では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T22を前記エンジン停止時のAΔAFと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。空燃比偏差平均値AΔAFが大きく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T22は小さい(減量率が大きい)値に設定されている。
S2209では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定されている。
S2210では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T22を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第23実施例)のフローを図26に示す。S2300において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S2301では、現在から過去所定期間の空燃比平均値AAFを算出する。S2302でエンジン停止を判断した場合、S2303に進んで、エンジン停止時のAAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。
S2304でエンジン始動モードとなるとS2305へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S2305では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T23を前記エンジン停止時のAAFに応じて設定する。空燃比平均値AAFが小さいほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T23は小さい(減量率が大きい)値に設定されている。
S2306では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定されている。
S2307では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T23を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。このようにして設定された量TIOUTの燃料が、燃料噴射弁(インジェクタ)1から噴射供給される。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の増減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上するとともに、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。
次に、本発明の実施形態(第24実施例)のフローを図27に示す。S2400において、前記空燃比センサ16より空燃比AFを検出する。S2401では、現在から過去所定期間の空燃比平均値AAFを算出する。S2402でエンジン停止を判断するとS2403に進み、エンジン停止時のAAFをRAMに記憶する。エンジン停止であるか否かは、エンジン回転数により判断することができる。S2404でエンジン停止からの時間TMを計測する。
S2405でエンジン始動モードとなると、S2406でエンジン停止から始動までの時間TTMを算出してS2407へ進む。内燃機関10が始動モードであるか否かは、イグニッションキースイッチ39がオンで、かつエンジンの完全爆発モード以外、かつエンジンストールモード以外により判別する。エンジンの完全爆発モード判定は、イグニッションキースイッチ39がオン、かつエンジン回転数が所定値以上により完全爆発モードと判定し、エンジンストールモード判定は、イグニッションキースイッチ39がオフ、かつ、クランク角センサ13信号が所定時間に1度も検出されないときに、エンジンストールモードと判定する。
S2407では、前回運転によりシリンダ内に残留している燃料を考慮して始動時の燃料供給量を増減量補正するための補正係数T24を前記エンジン停止時のAAFと前記エンジン停止から次回始動までの時間TTMに応じて設定する。空燃比平均値AAFが小さく、時間TTMが短いほどシリンダ内の残留燃料量が多く、空燃比がリッチになっていると推定できるので、それに応じて前記補正係数T24は小さい(減量率が大きい)値に設定される。
S2408では、始動時の基本燃料噴射量TIOUT1を演算する。このTIOUT1は、例えば、水温が低いときほど燃料の気化性が低いため増量して設定される。
S2409では、前記基本燃料噴射量TIOUT1に、前記補正係数T24を乗算して始動時の燃料噴射量TIOUTを設定する。燃料噴射弁(インジェクタ)1は、このようにして設定された量TIOUTの燃料を噴射供給する。このようにすれば、機関温度が上昇しきらないうちに機関を停止し、その後すぐに再始動したような場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が多く残留していても、また、減速燃料カットにより吸気ポート付着燃料がないような状態の場合に、シリンダ内に前回運転時の燃料が残留していなくても、再始動時に該残留燃料量に応じた燃料供給量の減量補正が行われるので、新たに噴射される燃料とシリンダに残留している燃料とのトータルで過不足のない燃料量に設定することができ、低温時の再始動性を向上し、かつ、始動後のドライバビリティやアイドル運転時の安定性を向上している。