JP4727274B2 - 建物の移設可能部屋部分の構築方法およびその建物 - Google Patents

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Description

この発明は、店舗用等の建物において、一部に移設可能な部屋部分を構築する方法、およびそのような移設可能部屋部分を有する建物に関する。
店舗用の建物では、売り場等の店舗部分の他に、トイレとなる部屋部分や、控室、バックヤード、倉庫等となる部屋部分が一部に設けられる。事務所用の建物においても、一部にトイレとなる部屋部分等が設けられる。
これらの部屋部分の内装を構成する壁や天井は、建物の強度を負担する建物躯体に壁や天井の下地を組み、面材を貼り付けて構築される。トイレとなる部屋部分においても、建物の一部として施工され、廊下の壁や下部の床と一体となっている。
店舗用の建物や事務所用の建物、例えばコンビニエンスストア等の建物では、数年あるいは十数年といった比較的短期の使用により、解体・移設することを想定したものが多くある。このような短期使用を目的としたリユース用の建物では、移設が簡単に行えることが望まれる。
しかし、従来の建物は、上記のように部屋部分の内装を構成する壁や天井が、建物の強度を負担する建物躯体に組まれた下地に面材を貼って構築されるため、建物躯体と一体となっている。そのため、建物を解体する場合には、面材、および壁・天井下地材を撤去することになり、移設ができない。
部屋部分の一例であるトイレについては、全体が一体となった簡易なユニットトイレがあり、この場合には解体・移設が可能である。しかし、ユニットトイレは規格化されたものであるため、個々の建物の敷地条件、店内区画、意匠上の要求等に応じて設計されるトイレ部分の寸法に対して納まりが悪い場合が多い。また、簡易なユニットトイレでは高級感が得られない。
各種の部屋部分についても、ユニット化して移設可能とすることは考えられるが、ユニット化すると建物の自由な設計が制限され、画一的な建物となって、店舗等の特徴を出すことができないうえ、敷地条件やその他の種々の要望に対応できない。
この発明の目的は、建物の自由な設計を可能としながら、解体・移設が可能な建物の移設可能部屋部分の構築方法およびその建物を提供することである。
この発明における第1の建物の移設可能部屋部分の構築方法は、建物の一部に移設可能部屋部分を構築する方法であって、建物躯体で構成される建物空間内に、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームを現場施工で構築し、このユニットフレームに床および内壁を施工して部屋ユニットとし、この部屋ユニットは、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立したものとして、前記移設可能部屋部分とする方法である。
この方法によると、現場施工による建物でありながら、建物躯体とは別の柱および梁を用いた移設用のボックス形のユニットフレームを構築し、このユニットフレームに床,内壁等を施工して部屋ユニットとするため、部屋ユニット全体を吊り上げることで、建物躯体からの分離・解体、および他の場所への移設が容易に行える。部屋ユニットの構築は現場施工であるため、部屋ユニットを規格化する必要がなく、様々なプランに対応することができる。すなわち、この発明におけるユニット化は工場生産化および規格化による工期短縮を図るものではなく、新築時に予め移設を考慮した設計とするものであるため、プランへの対応性が高いものとなる。また、このように解体、移設が容易であるため、部屋空間を構成する部材の解体移設時の再利用率を上げることができ、産業廃棄物の発生を抑制できる。
この発明において、前記部屋ユニットがトイレユニットであり、前記ユニットフレームの内側に、水回り設備等の設備機器を現場施工で設置しても良い。
ユニットフレームの内側に設備機器を設置することで、移設時は設備機器をユニットフレームごと運搬し、現場に設置することができる。
この発明の建物は、一部に移設可能部屋部分を構築した建物であって、建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋ユニットとを備える。この部屋ユニットは、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームが現場施工で構築され、このユニットフレームに床および内壁が施工されたものであり、前記移設可能部屋部分は前記部屋ユニットからなる
この構成の建物によると、建物躯体とは別の柱および梁を用いた移設用のボックス形のユニットフレームを有し、このユニットフレームに床,内壁等を施工して部屋ユニットとしたため、部屋部分の移設が容易であり、建物全体の解体・移設も容易に行うことができる。
この発明の他の建物の移設可能部屋部分の構築方法は、建物躯体で構成される建物空間内に、部屋部分のパネル状または枠組状の床下地材を、前記建物躯体と分離可能に設け、この床下地材の外周の辺に沿って壁下地材を設け、この壁下地材に壁面材を張って前記部屋部分の内壁を設け、前記床下地材に下端が連結されて上端が内壁の上端よりも上方に突出しまたは内壁の上端から取り出し可能な複数本の吊り索を設けることを特徴とする。床下地材を建物躯体と分離可能に設けるとは、床下地材が建物躯体に接合されていても、破壊や切断作業等を伴わずに、止め付け部分の分離程度の簡易な処置で分離できる状態であることを言う。吊り索は、例えばワイヤーロープとされる。
この方法によると、前記吊り索を用いて部屋部分の全体を吊り上げることで、建物躯体からの分離・解体、および他の場所への移設が行える。部屋部分はパネル状または枠組状の床下地材を設け、この床下地材ごと吊り索で吊り上げるため、床下地材上に壁下地材等を載せた状態で床下地材を吊り上げることになって、壁下地材は運搬時に強度が要求されず、建物内で納まった状態で必要な強度が得られるものであれば良い。そのため、壁下地材等は一般的な建物で用いられるものでよく、移設上の必要で部材が増えることが抑えられる。吊り索は、下端が床下地材に連結されかつ上端が前記内壁の上端よりも上方に突出しまたは内壁の上端から取り出し可能なように新築時に設けておくため、移設時に連結する場合と異なり、作業の行い易い状態で吊り索の床下地材への連結が行える。この方法においても、移設可能部屋部分の構築が現場施工であるため、移設可能部屋部分を規格化する必要がなく、様々なプラン上等の要求も満たすことができる。また、部屋空間を構成する部材の解体・移設時の再利用率を上げることができ、産業廃棄物の発生を抑制できる。
この構築方法の場合に、前記壁下地材における立方向の壁下地材のうちの複数本のものは、パイプ状の部材からなるものとし、その内部に前記吊り索を挿通させても良い。
このように壁下地材に吊り索を挿通しておくことで、吊り索が建物の施工中や建物使用中に、壁内に作業を施す必要のある場合に邪魔とならず、また吊り索の連結忘れ等も生じ難くなる。
この発明における他の建物は、建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋部分とを備え、この部屋部分は、パネル状の床下地材と、この床下地材の外周の辺に沿って立設された複数本の立方向の下地材とを有し、これら下地材のうちの複数本のものはパイプ状とされてその内部に、下端が前記床下地材に連結された吊り索が通されたものとしたことを特徴とする。
この構成によると、新築時に床下地材に連結された吊り索を吊り上げることによって、部屋部分の解体・移設が行え、移設作業が簡単に行える。そのため、建物の全体の解体・移設も容易に行うことができる。
この発明の建物の移設可能部屋部分の構築方法は、建物の一部に移設可能部屋部分を構築する方法であって、建物躯体で構成される建物空間内に、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームを現場施工で構築し、このユニットフレームに床および内壁を施工して部屋ユニットとし、この部屋ユニットは、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立したものとして、前記移設可能部屋部分とするため、建物の自由な設計を可能としながら、解体・移設が可能となる。
この発明の建物は、一部に移設可能部屋部分を構築した建物であって、建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋ユニットとを備え、この部屋ユニットは、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームが現場施工で構築され、このユニットフレームに床および内壁が施工されたものであり、前記移設可能部屋部分は前記部屋ユニットからなるため、建物の自由な設計を可能としながら、解体・移設が可能となる。
この発明における他の建物の移設可能部屋部分の構築方法は、建物躯体で構成される建物空間内に、部屋部分のパネル状または枠組状の床下地材を、前記建物躯体と分離可能に設け、この床下地材の外周の辺に沿って壁下地材を設け、この壁下地材に壁面材を張って前記部屋部分の内壁を設け、前記床下地材に下端が連結されて上端が前記内壁の上端よりも上方に突出しまたは内壁の上端から取り出し可能な複数本の吊り索を設ける方法であるため、建物の自由な設計を可能としながら、解体・移設が可能となる。
この発明における他の建物は、建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋部分とを備え、この部屋部分は、パネル状の床下地材と、この床下地材の外周の辺に沿って立設された複数本の立方向の床下地材とを有し、これら下地材のうちの複数本のものはパイプ状とされてその内部に、下端が前記床下地材に連結された吊り索が通されたものとしたため、建物の自由な設計を可能としながら、解体・移設が可能となる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図3はこの実施形態の構築方法が適用される移設可能部屋部分を有する建物の一例を示す部分間取り図である。この建物1は、解体・移設を想定した例えばコンビニエンスストア等の店舗建物であって、建物躯体6で構成される建物空間内に、バックヤード2、従業員用トイレ部分3′、客用女子トイレ部分4、客用男子トイレ部分5等の各部屋部分が構築される。建物躯体6は、ここでは建物1の荷重を負担する柱や梁等の強度負担部材、および外壁のことを言う。
上記各部屋部分2〜5のうち、従業員用トイレ部分3′、客用女子トイレ部分4、客用男子トイレ部分5は移設可能な部屋部分とされている。これらの部屋部分3′〜5は、図2に示すボックス形のユニットフレーム7に床や内壁を施工して構成される部屋ユニットからなる。
図1(A)〜(C)には、上記各部屋ユニットのうち、従業員用トイレ部分3′となる部屋ユニット3について、その側面図、半部正面図、および平面図を示す。この部屋ユニット3は、外壁等の建物躯体6(図1(C))とは別の軽鉄製角パイプ等からなる柱8および梁9を用いて、図2のように部屋部分の骨組みとなるラーメン構造のボックス形のユニットフレーム7に現場施工で構築し、このユニットフレーム7に床10、内壁11および天井12を施工することでトイレユニットとされる。このトイレユニットとなる部屋ユニット3、つまりトイレ用部屋ユニット3は、隣接する部屋や廊下等の建物部分13(図1(A),(B))とは部材を共有しない独立したものとされる。図1(B)において、隣接する建物部分13として、軽鉄等による壁下地材13aとこの壁下地材13aに張られた内装用の壁面材13bを示している。
トイレ用の部屋ユニット3の内部には便器14、水タンク15を含む水回り設備等の設備機器が、内壁11にはドアユニット16が、天井12には換気ユニット17、照明器具18、配線ユニット(図示せず)等が、それぞれ現場施工で設置される。床10は、乾式床19の上に床仕上げ材20を設けて構成され、床10と土間床21との間には床下空間22が確保される。このトイレ用部屋ユニット3の天井部の四隅には、移設時に部屋ユニット3をつり上げるためのフック23が設けられる。なお、このトイレ用部屋ユニット3は、容易に吊り上げ可能な荷重となるように設計される。
この部屋ユニットの構築方法によると、建物躯体6とは別の柱8および梁9を用いてボックス形のユニットフレーム7を建物空間内に現場施工で構築し、このユニットフレーム7に床10、内壁11および天井12を施工して部屋ユニット3とし、この部屋ユニット3は、隣接する部屋および廊下等の建物部分13とは部材を共有しない独立したものとしている。そのため、部屋ユニット3の全体を吊り上げることで、建物躯体6からの分離・解体、および他の場所への移設が可能となる。なお、部屋ユニット3の分離・解体を容易にするために、上記した水回り設備の配管を分離可能な差し込み型とし、配線ユニットをコンセント化することが望ましい。
また、部屋ユニット3の構築が現場施工であるため、部屋ユニット3を規格化する必要がなく、プラン上等の様々な設計要求も満たすことができる。また、部屋部分を構成する部材の解体・移設時の再利用率を上げることができ、産業廃棄物の発生を抑制できる。
さらに、建物空間内の部屋部分を上記したように移設可能な部屋ユニット3とすることにより、建物1の全体の解体・移設も容易に行うことができる。
また、上記トイレユニットとなる部屋ユニット3は、その内部に水回り設備等の設備機器(便器14、水タンク15等)を現場施工で設置しているが、このトイレユニットとなる部屋ユニット3は、移設時には設備機器ごと運搬できる。そのため、移設先での施工が簡易に行える。
この発明の第2の実施形態を図4ないし図10に示す。この実施形態の構築方法が適用される移設可能部屋部分33(図9)は、例えば控え室、バックヤード、倉庫、その他の居室などの部屋部分となるものである。この部屋部分33は、例えば図2の間取り図におけるバックヤード2等に適用される。
この構築方法は、建物躯体(図示せず)で構成される建物空間内に、現場施工により、図4に分解斜視図で示すように、部屋部分33の全体の床となるパネル状の床下地材34を設ける。この床下地材34を基準にして、その上に鋼製の壁下地材35,39A,39B,42A,42Bと、天井下地材36を組み立てる。床下地材34の四隅には、長ナット等からなる吊り索連結部品41を溶接等で設けておく。
床下地材34は、この例では、後に現場打ちのコンクリート床を構築するための下地材とされ、方形の鋼製の平板状パネル34Aの上にデッキプレート34Bを接合して構成される。平板状パネル34Aは、デッキプレート34Bよりもその波山の連続方向に両端が壁下地材39Bの幅だけ突出している。吊り索連結部品41は平板状パネル34Aの上に接合されている。
壁下地材のうち、立方向の壁下地材35には軽鉄製の角パイプが用いられ、下辺および上辺の横方向の壁下地材39A,39B,42A,42Bには軽鉄製の溝形部材が用いられる。下辺の壁下地材39A,39Bは、床下地材34の上面側縁に沿って上向きに配置され、ビス止めまたは溶接等で床下地材34上に接合される。立方向の壁下地材35は、下辺の壁下地材39A,39Bに対して下端を圧入することにより接合される。上辺の壁下地材42A,42Bは下向きとされ、立方向の壁下地材35の上端に圧入によって接合される。
このように接合して、図8のように床下地材34の4側面の壁下地材35,39A,39B,42A,42Bが建て込まれる。
図6に平面図で示すように、床下地材34の四隅に対応する立方向の壁下地材35は、3本の角パイプ35a〜35cを平面視でL字状に並べて構成され、その両側の角パイプ35b,35cが、各横方向の壁下地材39A,39Bの溝内にそれぞれ立設される。中間位置の角パイプ35aは、吊り索連結部品41に遊嵌した状態で平板状パネル34Aの上に立設される。なお、立方向の壁下地材35としては、吊り索連結部品41に遊嵌するものだけを角パイプとし、他の壁下地材35はパイプ状としなくても良い。
図7に示すように、吊り索連結部品41には、吊り索44がその下端に設けられた環付きのボルト43を介して連結される。吊り索44は、ワイヤーロープ等からなる。床下地材34の四隅に連結された吊り索44は、図8のように、それぞれ角部の壁下地材35の角パイプ35a内に挿通され、その上端が角パイプ35aの上端から上方に突出した状態とされる。吊り索44の上端は、フック(図示せず)等が掛けやすいように、環状とされている。
図8において、天井下地材36は、互いに交差する複数本の天井下地素材36A,36Bを組み合わせて構成される。この天井下地材36は、その上に分散して立設されたボルト45により、建物躯体の天井部に吊り下げることによって支持される。この吊り下げ状態において、壁下地材42A,42Bとは互いに非接合状態とされる。
この後、部屋部分33の床下地材34上に床コンクリートを打設し、図9のようにコンクリート床38とする。このコンクリート床38と部屋部分33の周辺のコンクリート床46との間は目地切りをしておき、その目地を目地材47で埋める。
床コンクリートの打設の後、壁面材および天井面材(図示せず)を張り、ユニット状の移設可能部屋部分33が完成する。この部屋部分33は、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは下地材等の部材を共有しない独立したものとする。
この構築方法で構築した部屋部分33によると、建物躯体や、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有せず、独立したものとされているため、図10のように、吊り索44に他の吊り索50を連結して部屋部分33の全体を吊り上げることで、建物躯体からの部屋部分33の解体が行える。解体後は、そのまま移設・再設置が可能である。
この場合に、天井下地材36は建物躯体の天井部からボルト45で吊られたものであるが、建物躯体から外して移設可能部屋部分33に載せることで、移設可能部屋部分33と共に吊り上げて移設を行うことができる。天井下地材36は建物躯体から外すときは、その前にビス等で壁下地材42A,42Bに仮止めしておくことで、解体時のずれが防止される。
この構築方法の場合、部屋部分33は、床下地材34の4隅に連結された吊り索44で吊り上げるため、床下地材34上に壁下地材35,39A,39B,42A,42Bや壁面材等を載せた状態で床下地材34を吊り上げることになる。そのため、壁下地材35,39A,39B,42A,42Bは運搬時に強度が要求されず、建物内で納まった状態で必要な強度が得られるものであれば良い。したがって、壁下地材35,39A,39B,42A,42B等は一般的な建物で用いられるものでよく、移設上の必要で部材が増えることが抑えられる。
吊り索44は、下端が床下地材34に連結されかつ上端が壁下地材35の上端よりも上方に突出した状態に新築時に設けておくため、移設時に設ける場合と異なり、作業の行い易い状態で吊り索44の床下地材34への連結が行える。吊り索44は、壁下地材35の内部に挿通しておくため、吊り索44が建物の施工中や建物使用中に、壁内に作業を施す必要のある場合に邪魔とならず、また吊り索44の連結忘れ等も生じ難くなる。
この構築方法においても、移設可能部屋部分33の構築が現場施工であるため、移設可能部屋部分33を規格化する必要がなく、様々なプラン上等の要求も満たすことができる。また、部屋空間を構成する部材の解体・移設時の再利用率を上げることができ、産業廃棄物の発生を抑制できる。
この移設可能部屋部分33の構築方法は、建物の各種の部屋部分について適用でき、これにより、物置や控え室、化粧室等の部屋空間単位での解体移設が可能となり、リビルト建物が実現できる。
なお、この実施形態の構築方法と、図1ないし図3と共に前述した第1の実施形態にかかる構築方法とは、同じ建物において併用することができる。
図11,図12は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態における建物の移設可能部屋部分の構築方法は、図4ないし図10と共に説明した実施形態の構築方法において、部屋部分33の床38Aを乾式化したものである。
この構築方法では、コンクリート床46Aを、移設可能部屋部分33とその周辺とにわたって連続して設け、部屋部分33の床38Aの床下地材(図示せず)をコンクリート床46A上に止め付ける。この止め付けは、コンクリート釘や他の適宜の接合具(図示せず)によって行う。このように止め付けた床下地材上に、第2の実施形態と同様に部屋部分33を組み立てる。
この構築方法の場合、解体後の移設時も、図11のようにユニット状の部屋部分33をコンクリート床46A上に吊り降ろした後、コンクリート床46Aの上に部屋部分33の床下地材を止め付けることにより、部屋部分33が設置される。
(A)はこの発明の第1の実施形態にかかる構築方法により構築される建物の移設可能部屋部分であるトイレユニットの側面図、(B)は同半部正面図、(C)は同平面図である。 同トイレユニットにおけるユニットフレームの斜視図である。 同トイレユニットが内部に構築される建物の部分間取り図である。 この発明の第2の実施形態にかかる構築方法により構築される建物の移設可能部屋部分の分解斜視図である。 (A)は図4の部屋部分における床下地材への壁下地材の取付け構造を示す部分側面図、(B)同部分平面図である。 同部屋部分における壁下地材の立設構造を示す部分平面図である。 同部屋部分における吊り索の取付け構造を示す断面図である。 同部屋部分の組立状態を示す斜視図である。 同部屋部分に床仕上げ材を設けた状態を示す斜視図である。 移設可能部屋部分の解体作業説明図である。 この発明の第3の実施形態にかかる構築方法により構築されるた部屋部分の斜視図である。 同部屋部分の移設先での吊り降ろし過程を示す斜視図である。
符号の説明
1…建物
3…部屋ユニット(トイレユニット)
6…建物躯体
7…ユニットフレーム
8…柱
9…梁
10…床
11…内壁
13…建物部分
14…便器(設備機器)
15…水タンク(設備機器)
33…移設可能部屋部分
34…床下地材
35…壁下地材
41…吊り索連結部品
44…吊り索

Claims (6)

  1. 建物の一部に移設可能部屋部分を構築する方法であって、建物躯体で構成される建物空間内に、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームを現場施工で構築し、このユニットフレームに床および内壁を施工して部屋ユニットとし、この部屋ユニットは、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立したものとして、前記移設可能部屋部分とする建物の移設可能部屋部分の構築方法。
  2. 請求項1において、前記部屋ユニットがトイレユニットであり、前記ユニットフレームの内側に、水回り設備等の設備機器を現場施工で設置する建物の移設可能部屋部分の構築方法。
  3. 一部に移設可能部屋部分を構築した建物であって、建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋ユニットであるとを備え、この部屋ユニットは、前記建物躯体とは別の柱および梁を用いて部屋部分の骨組みとなるボックス形のユニットフレームが現場施工で構築され、このユニットフレームに床および内壁が施工されたものであり、前記移設可能部屋部分は前記部屋ユニットからなることを特徴とする建物。
  4. 建物躯体で構成される建物空間内に、部屋部分のパネル状または枠組状の床下地材を、前記建物躯体と分離可能に設け、この床下地材の外周の辺に沿って壁下地材を設け、この壁下地材に壁面材を張って前記部屋部分の内壁を設け、前記床下地材に下端が連結されて上端が前記内壁の上端よりも上方に突出しまたは内壁の上端から取り出し可能な複数本の吊り索を設けることを特徴とする建物の移設可能部屋部分の構築方法。
  5. 請求項4において、前記壁下地材における立方向の壁下地材のうちの複数本のものは、パイプ状の部材からなるものとし、その内部に前記吊り索を挿通させる建物の移設可能部屋部分の構築方法。
  6. 建物躯体と、この建物躯体で構成される建物空間内に設けられ、隣接する部屋および廊下等の建物部分とは部材を共有しない独立した部屋部分とを備え、この部屋部分は、パネル状の床下地材と、この床下地材の外周の辺に沿って立設された複数本の立方向の下地材とを有し、これら下地材のうちの複数本のものはパイプ状とされてその内部に、下端が前記床下地材に連結された吊り索が通されたものとしたことを特徴とする建物。
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