JP4724840B2 - 保存安定性に優れたn−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液及びそれを用いてなるフィルムの製造方法 - Google Patents

保存安定性に優れたn−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液及びそれを用いてなるフィルムの製造方法 Download PDF

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本発明は、長期間貯蔵時の保存安定性に優れるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液及び該保存安定性に優れるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を用いてなるフィルムの製造方法に関するものである。
N−置換マレイミド・オレフィン樹脂は、透明かつ低複屈折性で、耐熱性、表面硬度及び機械的強度に優れた光学材料であることが開示されている(例えば特許文献1参照。)。
そして、樹脂をフィルムとする際のフィルムの製造法としては、溶融法又は流延法が知られている。
特開平05−117334号公報
しかし、流延法によりN−置換マレイミド・オレフィン樹脂フィルムを作製する場合、流延用のN−置換マレイミド・オレフィン樹脂溶液の溶液粘度が低い際には、フィルム乾燥の初期状態でウエット状態にあるフィルム上に対流が原因となるオレンジピールが発生し、表面平滑性が低下し易いという課題があった。
該オレンジピールを解決する方法としてN−置換マレイミド・オレフィン樹脂溶液を高濃度とし、溶液粘度を上げる方法が考えられるが、該N−置換マレイミド・オレフィン樹脂溶液は溶液濃度を上げ、溶液粘度を上げるとゲル化などが発生し、N−置換マレイミド・オレフィン樹脂溶液の保存安定性が低下するという課題があり、ゲル化の発生のない、優れた溶液安定性を有するN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の出現が切望されていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体、及び、貧溶媒または非溶媒から選ばれる特定の溶媒を配合した特定の混合溶媒からなるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液がゲル化分の発生のない、優れた溶液安定性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記式(i)で示されるオレフィン残基単位と下記式(ii)で示されるN−置換マレイミド残基単位からなるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体10〜40重量%、及び、ニトリル系溶媒1〜40重量%とハロゲン系溶媒99〜60重量%からなる混合溶媒90〜60重量%からなる保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液及び該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を用いてなるフィルムの製造方法に関するものである。
Figure 0004724840
(ここで、R1、R2はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。)
Figure 0004724840
(ここで、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜24の芳香族基、アルキル置換芳香族基を示す。)
以下に、本発明に関し詳細に説明する。
本発明を構成するN−置換マレイミド・オレフィン共重合体としては、上記式(i)で示されるオレフィン残基単位及び上記式(ii)で示されるN−置換マレイミド残基単位からなる共重合体である。ここで、R1、R2はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、該炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基等を挙げることができ、該炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。また、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜24の芳香族基、アルキル置換芳香族基であり、該炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基等を挙げることができ、該炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ、炭素数6〜24の芳香族基、アルキル置換芳香族基としては、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、o−エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−メチルフェニル基、m−エチルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o,p−ジメチルフェニル基、o,p−ジエチルフェニル基、o,p−ジプロピルフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の具体例としては、例えばN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・エチレン共重合体、N−フェニルマレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・イソブテン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・エチレン共重合体、N−(2−メチルフェニル)マレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・イソブテン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・エチレン共重合体、N−(2−エチルフェニル)マレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−メチルマレイミド・エチレン共重合体、N−メチルマレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・エチレン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・2−メチル−1−ブテン共重合体等が挙げられ、その中でも特に保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液となるとともに、耐熱性、透明性、力学特性にも優れたフィルムが得られることから、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体が好ましい。
該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、上記式(i)で示されるオレフィン残基単位を誘導するオレフィン化合物及び上記式(ii)で示されるN−置換マレイミド残基単位を誘導するマレイミド化合物を公知の重合法を利用することにより得ることができる。その際の重合法としては、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などを挙げることができる。また、該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、無水マレイン酸・オレフィン共重合体とアンモニア、アミン化合物を反応させて得られたアミド酸化物を脱水閉環イミド化する方法により得ることも可能である。
本発明に用いられる混合溶媒は、ニトリル系溶媒1〜40重量%とハロゲン系溶媒99〜60重量%からなるものであり、特に保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液となり、フィルム製造時の成形性にも優れることからニトリル系溶媒1〜20重量%とハロゲン系溶媒99〜80重量%からなることが好ましい。ここで、ニトリル系溶媒が40重量%を越える場合、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の保存安定性が低下したり、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の溶解性が著しく低下し溶液が得られない。一方、ニトリル系溶媒が1重量%未満である場合、得られるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の保存安定性が低下する。
本発明におけるニトリル系溶媒とは、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の貧溶媒又は非溶媒として作用するものであり、該ニトリル系溶媒を貧溶媒又は非溶媒として添加することによって、良溶媒のみを単独で用いて同一濃度の溶液とした場合より溶液粘度を低下することが可能となり、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の保存安定性をさらに向上させることができる。該ニトリル系溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロパンニトリル、ブタンニトリル、フェニルアセトニトリル等を挙げることができ、その中でも、特に保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液となることからアセトニトリルが好ましい。
本発明におけるハロゲン系溶媒とは、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の良溶媒として作用するものであり、該ハロゲン系溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等であり、特にN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の溶解性に優れ、保存安定性に優れた溶液となることから塩化メチレンが好ましい。
本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液は、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体10〜40重量%及び該混合溶媒90〜60重量%からなるものであり、特に保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液となることから、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体20〜30重量%及び該混合溶媒80〜70重量%からなることが好ましい。ここで、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体が10重量%未満である場合、溶液濃度が低いため、特に溶液をフィルム成形に供した際に乾燥の初期段階で対流が原因となるオレンジピールが発生し、表面平滑性の低下したフィルムとなり易くなる。一方、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体が40重量%を超える場合、溶液を長期に保存するとN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の凝集などによりゲル化が発生し、保存安定性に劣るものとなる。
本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の製造方法には特に制限はなく、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体に混合溶媒を添加しても、混合溶媒にN−置換マレイミド・オレフィン共重合体を添加してもかまわない。また、混合溶媒は、予めニトリル系溶媒とハロゲン系溶媒を混合し混合溶媒としてもよいし、それぞれを独立でN−置換マレイミド・オレフィン共重合体に添加し最終的に混合溶液としてもよい。なお、本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を製造する際には、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の溶解速度が速くなることからN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の形態として粉末を用いることが好ましい。
また、本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常、樹脂、樹脂組成物、フィルム等に用いられるポリアミド、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリグルタルイミド等の熱可塑性樹脂;紫外線吸収材、近赤外吸収材、酸化防止剤、耐光安定剤、耐候安定剤、難燃剤、可塑剤等の添加剤、等を配合していてもよい。
本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液は、その保存安定性が優れることからフィルムを製造する際の成形性に優れ、特に流延法によるフィルム成形性に優れたものとなる。
以下に、本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を用い流延法によりフィルムを製造する際の一例示を示す。
(1)本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を支持体上に流延して溶媒を含む流延フィルムを形成する工程(以下、流延工程ということがある。)。次いで(2)該流延フィルムから溶媒を蒸発せしめる工程(以下、乾燥工程ということがある。)、によりフィルムを製造することができる。
該流延工程は、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を支持体上に流延して流延フィルムを支持体上に形成させる工程である。該工程では本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を例えばコンマコーター、リップコーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、ロールコーター等を用いて、例えばエンドレスバンドドラム等の支持体上に流延するのが一般的である。尚、支持体には鏡面処理を施したステンレスなどの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム、ガラスなどを用いることが好ましい。
該乾燥工程は、該流延フィルムより溶媒を蒸発せしめて、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムを形成させる工程である。溶媒の蒸発は、溶媒除去効率を向上させるため、加熱により行うことが好ましい。加熱は一定温度で行ってもよいが、数段以上にわたって変化させることが経済性やフィルムの表面の平滑性の観点から好ましい。また、乾燥は、得られるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムが耐熱性、寸法精度、低吸湿性に優れることから、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルム中の残存溶媒量が5重量%以下となるまで行うことが好ましく、特に1重量%以下となることが好ましく、さらに0.5重量%以下となることが好ましい。また、その際の乾燥温度は、特に生産効率よくN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムを製造することが可能となることから、用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体のガラス転移温度以上とすることが好ましい。
また、製造されたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムは、通常、支持体から剥離して使用される。剥離の方法には特に制限はなく、膜状物を支持体から連続的に剥離することにより長尺のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムを得ることができる。また、シート状の支持体を用いてバッチ法で短尺のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムを得ることもできる。
該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムは、例えば電気絶縁分野では、H種クラスの電気機器、モータや発電機のスロットライナ、相間絶縁などの絶縁材料、接着剤や粘着剤を塗工しテープ状に加工した変圧器や電線向けのラッピング材、コンデンサーなどの誘電体用フィルム、チューブ状絶縁材料などに利用できる。エレクトロニクス関連分野では、フレキシブルプリント回路基板やその補強板、耐熱スペーサー、PCBラミネートなどに利用できる。音響関連分野では、スピーカーの振動板や振動補強板に利用できる。情報関連分野では、寸法安定性が要求される記録用テープ、ディスク、液晶ディスプレイのガラス基板代替フィルム、延伸加工を施すことで位相差フィルム、光ファイバーの接続部に利用できる。食品・医療分野では、医療用殺菌機器、電子レンジ・オーブンレンジ用の加熱パックなどに利用できる。
本発明のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液は、ハロゲン系溶液及びニトリル系溶媒からなる混合溶媒を用いることにより、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液の課題であった保存安定性を改良することが可能となった。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。実施例における各物性値の測定方法を以下に示す。
〜重量平均分子量及び数平均分子量の測定〜
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、商品名HLC−802A)を用い測定した溶出曲線により、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びその比である分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
〜ガラス転移温度の測定〜
示差熱測定装置(セイコー電子工業製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
〜ヘイズの測定〜
透明性の一評価として、JIS K 7136(2000年版)に準拠して、ヘイズの測定を行った。
合成例1(N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体の製造)
撹拌機、圧力計、温度計、窒素導入管、オレフィン導入管及び脱気管の付いた3リットルオートクレーブにN−フェニルマレイミド128g(0.74mol)、t−ブチルパーオキシピバレート0.19g(0.76mmol)及びメチルエチルケトン390gを仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソブテンを148ミリリットル(1.48mol)を仕込み、60℃で8時間反応させてN−フェニルマレイミド−イソブテン共重合体(重量平均分子量(Mw)=161000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=2.05)を得た。
実施例1
合成例1により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体12.5g、塩化メチレン37.125g、アセトニトリル0.375gを混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=99:1(重量比))とし、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液を調製した。
該N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液を、25℃にて1ヶ月放置を行い保存安定性の確認したところ、ゲル化は観察されなかった。
また、保存安定性を観察した後のN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと記す。)上に流延し、該溶液から塩化メチレン及びアセトニトリルを揮発除去し、その後固化により形成されるN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムを剥離し回収した。該フィルムをさらに100℃にて4時間、120℃から160℃にかけて10℃間隔にてそれぞれ1時間乾燥し、その後、真空乾燥機で180℃にて4時間真空乾燥して約100μmの厚みを有するフィルムを得た。得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムはヘイズ0.3%であった。それぞれの評価結果を表1に示す。
実施例2
塩化メチレン37.125gの代わりに35.625g、アセトニトリル0.375gの代わりに1.875gとし混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=95:5(重量比))とした以外は、実施例1と同様に方法により、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムの調製を行った。
得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液は、25℃、1ヶ月の放置でもゲル化は観察されず、保存安定性に優れるものであった。また、得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムのヘイズは0.5%であった。それぞれの評価結果を表1に示す。
実施例3
塩化メチレン37.125gの代わりに33.75g、アセトニトリル0.375gの代わりに3.75gとし混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=90:10(重量比))とした以外は、実施例1と同様に方法により、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムの調製を行った。
得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液は、25℃、1ヶ月の放置でもゲル化は観察されず、保存安定性に優れるものであった。また、得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムのヘイズは0.4%であった。それぞれの評価結果を表1に示す。
実施例4
塩化メチレン37.125gの代わりに30g、アセトニトリル0.375gの代わりに7.5gとし混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=80:20(重量比))とした以外は、実施例1と同様に方法により、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムの調製を行った。
得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液は、25℃、1ヶ月の放置でもゲル化は観察されず、保存安定性に優れるものであった。また、得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムのヘイズは0.5%であった。それぞれの評価結果を表1に示す。
実施例5
塩化メチレン37.125gの代わりに22.5g、アセトニトリル0.375gの代わりに15gとし混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=60:40(重量比))とした以外は、実施例1と同様に方法により、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムの調製を行った。
得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液は、25℃、1ヶ月の放置でもゲル化は観察されず、保存安定性に優れるものであった。また、得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムのヘイズは1.0%であった。それぞれの評価結果を表1に示す。
比較例1
合成例1により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体12.5g、塩化メチレン37.5gによりN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液を調製した。
該N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液を、25℃にて放置したところ1日でゲル化し、フィルムを得ることはできなかった。それぞれの評価結果を表2に示す。
比較例2
塩化メチレン37.125gの代わりに18.75g、アセトニトリル0.375gの代わりに18.75gとし混合溶媒(塩化メチレン:アセトニトリル=50:50(重量比))とした以外は、実施例1と同様に方法により、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体フィルムの調製を試みた。
しかしながら、該N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体25重量%溶液は白濁しており、流延用の溶液には適さずフィルムを得ることができなった。それぞれの評価結果を表2に示す。
Figure 0004724840
Figure 0004724840

Claims (5)

  1. 下記式(i)で示されるオレフィン残基単位と下記式(ii)で示されるN−置換マレイミド残基単位からなるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体10〜40重量%、及び、ニトリル系溶媒1〜40重量%とハロゲン系溶媒99〜60重量%からなる混合溶媒90〜60重量%よりなる保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液。
    Figure 0004724840
    (ここで、R1、R2はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。)
    Figure 0004724840
    (ここで、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜24の芳香族基、アルキル置換芳香族基を示す。)
  2. N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液。
  3. ニトリル系溶媒が、アセトニトリルであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液。
  4. ハロゲン系溶媒が、塩化メチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の保存安定性に優れたN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体溶液を用い、該溶液より溶媒を除去してなることを特徴とするN−置換マレイミド・オレフィン共重合体フィルムの製造方法。
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