以下,本発明の実施の形態について,図面を用いて説明する。以下で説明する多角形とは,本発明の場合,五角形である。なお,以下の文中において,清音文字とは「あ」,「な」など濁点(゛)や半濁点(゜)のない文字を指し,濁音文字とは「が」,「ざ」など濁点のある文字を指し,半濁音文字とは「ぱ」など半濁点のある文字を指す。
図1は,本発明の実施の形態による文字入力装置の構成例を示す図である。文字入力装置10は,図1(A)に示すように,入力部11,入力動作検出部14,入力文字判断部15,文字抽出制御部16,文字記憶部17,表示部18を備える。
入力部11は,ユーザが文字を入力するための手段であり,多角形入力検出部12と補助入力検出部13とからなる。多角形入力検出部12は,例えば,図1(B)に示すような五角形の入力パネル120であり,文字入力の中心となる手段である。この例の多角形入力検出部12では,多角形の辺となる部分や頂点となる部分などにセンサが配されており,ユーザによる多角形の辺となる部分や頂点となる部分への操作(辺をなぞる,頂点をおさえて辺をなぞる等の操作)を感知することができるようになっている。本実施の形態では,主に五角形の入力パネル120を例として,多角形入力検出部12の説明を行う。補助入力検出部13は,例えば,多角形入力検出部12による文字入力を補助するための機能ボタンなどである。
入力動作検出部14は,入力部11の動作を検出する。すなわち,ユーザが多角形入力検出部12や補助入力検出部13への操作を行ったときに,その操作を検出する。例えば,多角形入力検出部12において,多角形のどの辺がどの方向になぞられたか,どの頂点が押されてどの方向になぞられたかなどが検出される。
入力文字判断部15は,入力動作検出部14で検出された入力部11の動作を解析し,入力された文字を特定する。
文字抽出制御部16は,特定された文字のフォントを文字記憶部17から取得し,取得された文字をLCD等の表示部18に出力する。
図2は,本発明の実施の形態で用いられる様々な入力パネルの例を示す図である。図2に示す入力パネル120を用いて,多角形入力検出部12の様々な形態について説明する。なお,入力パネル120は,表面がプラスチックや金属などによって作られた複数のスイッチ部品を内蔵するものであってもよいし,ディスプレイと併用されるようなタッチパネル上に描かれた映像であってもよい。
図2(A),(B)は,多角形の辺または頂点となる部分にセンサが配置された例を示す図である。図中,点線部分がセンサが配置された部分である。操作された辺や頂点の位置,操作された方向などが検出されれば,どのようにセンサが配置されていてもかまわない。
図2(A)は,多角形の各辺の部分にセンサが配置された例である。操作が行われた辺の位置や操作方向などを検出することができる。図2(B)は,多角形の各頂点の部分にセンサが配置された例である。押された頂点の位置やその頂点からどちらの辺に対して操作されたかなどを検出することができる。
図2(C)〜(E)は,入力パネル120が多角形の枠の形状をしている例を示す図である。操作された辺や頂点の位置,操作された方向などが検出されれば,入力パネル120の形状が多角形の枠状であってもかまわない。
図2(C)は,多角形の枠状である入力パネル120の枠内に,小型のLCD画面121が配置された例である。枠内に小型のLCD画面121を配置することによって,例えば,暫定文字をその画面いっぱいに大きく表示させることで年配のユーザの誤入力が減少するという効果などが得られる。
図2(D)は,多角形の枠状である入力パネル120の枠内に,タッチパネル122が配置された例である。枠内にタッチパネル122を配置することによって,例えば,タッチパネル122に文字の確定や消去などの機能メニューを表示させ,ユーザに多様化された機能を提供することができる。
図2(E)は,複数の片が枠状に配置された入力パネル120の例である。操作された辺や頂点の位置,操作された方向などが検出されれば,複数の片によって入力パネル120が形成されていてもかまわない。
図2(F)は,多角形の入力パネル120の対角線上に意味を持たせた場合の例である。基本的には,多角形の入力パネル120の辺に対する操作によって文字入力が行われるが,多角形の入力パネル120の対角線上に意味を持たせることによって,対角線に対する操作でも文字入力などを行うことができる。対角線上の操作に対して機能や文字を割り当てることによって,多角形の角数を増やさなくても,機能の呼び出しや多種の文字の入力を行うことが可能となる。
図2(G)は,多角形の入力パネル120の中心を軸123として,多角形の入力パネル120を回転させることができるようにした場合の例である。押さえた頂点の位置や多角形の入力パネル120の回転方向,回転角度などを検出することによって,文字の入力を行うようにすることもできる。
図2(H)は,円形の入力パネル120に多角形の頂点または辺の意味を持たせた場合の例である。多角形の辺や頂点の位置を指定する操作,方向を指定する操作などを検出できれば,入力パネル自体の形状が多角形でなくてもかまわない。
以下,実際に本実施の形態の文字入力装置10を用いた文字入力を,具体的な例を挙げて説明する。
図3は,本実施の形態による文字入力装置を備えた情報機器の例を示す図である。図3の情報機器1の例は,外面にサブLCD画面が備えられたクラムシェルタイプの携帯電話端末の例である。ここでは,文字入力装置10を備えた情報機器1の例として携帯電話端末の例を挙げているが,実際に文字入力装置10を備える情報機器1の制限は,特にない。図3の情報機器1には,外面に,表示部18(サブLCD画面),入力パネル120,機能ボタン130(a,b)が備えられている。
ここでは,入力パネル120は,五角形の板状のパネルである。以下に説明する各実施の形態では,五角形の入力パネル120をユーザが指で操作することにより,文字の入力を行うものとする。また,機能ボタン130(a,b)は,情報機器1の各機能を呼び出し,実行するためのボタンであるが,文字入力時には入力パネル120の補助的な役割(文字消去,漢字変換など)を果たす。
なお,以下の各実施の形態において,“ん”はわ行の文字として扱うものとする。また,機能ボタン130aは,文字入力時にキャンセル(文字消去など)ボタンとしての機能を果たすものとする。
〔実施の形態1〕
図4,図5は,本実施の形態1の文字入力の例を説明する図である。図4は,本実施の形態1の入力パネル120への操作の例を示し,図5は,本実施の形態1の文字入力手順の例を示す。図4(A)に示すように,右上の辺から時計回りに辺(1),辺(2),... ,辺(5)とする。
本実施の形態1の文字入力の例は,入力パネル120の辺の位置とその辺をなぞる方向との組み合わせで50音の行を指定し,同じ辺を同じ方向に続けてなぞることにより50音の各段を切替えて,文字を入力する例である。辺の位置と辺をなぞる方向との組み合わせに,どの行が割り当てられているかは,図4(A)に示すとおりである。
まず,清音文字の入力について説明する。例えば文字“う”を入力する場合には(図5のA参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞると(図4(B)参照),表示部18には“あ”が表示される。続けて手順2として辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“あ”が“い”に切り替わる。続けて手順3として辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“い”が“う”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の辺(1)を右下方向に続けて3回なぞることにより(図4(C)参照),文字“う”を入力することができる。
このように本実施の形態1では,なぞる辺の位置と方向との組み合わせにより行を特定し,同じ辺を同じ方向に続けてなぞることにより段を切替え,入力する清音文字を決定する。このような清音文字を入力するための基本操作にいくつかの手順を加え,濁音文字,半濁音文字,小文字,数字,記号などを入力する。
濁音文字の入力について説明する。例えば文字“げ”を入力する場合には(図5のB参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を左上方向に続けて4回なぞると,表示部18には“け”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(1)を逆方向(右下方向)になぞると,表示部18では“け”が“げ”に切り替わる。すなわち,濁音文字がある行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより(図4(D)参照),濁音文字を入力することができる。
半濁音文字の入力について説明する。例えば文字“ぺ”を入力する場合には(図5のC参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向に続けて4回なぞると,表示部18には“へ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“へ”が“べ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)をさらに逆方向(右方向)になぞると,表示部18では“べ”が“ぺ”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(3)を逆方向(左方向),さらに指を離さずに辺(3)をその逆方向(右方向)になぞることにより,半濁音文字を入力することができる。
小文字の入力について説明する。例えば文字“ぃ”を入力する場合には(図5のD参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向に続けて5回なぞると,表示部18には“お”が表示される。続けて手順2として辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“お”が“ぁ”に切り替わる。続けて手順3として辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“ぁ”が“ぃ”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞるという操作を続けて行くにつれ,表示部18に表示される文字は,“あ”,“い”,... ,“お”,“ぁ”,“ぃ”,... と順に切り替わる。
数字の入力について説明する。本実施の形態1では,あ行の部分には“1”が,か行の部分には“2”が,... ,ら行には“9”が,わ行の部分には“0”が割り当てられている(図4(E)参照)。濁音文字,半濁音文字が存在しない行では,いずれかの清音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。濁音文字,半濁音文字が存在する行では,いずれかの濁音文字,半濁音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。
例えば数字“6”を入力する場合には(図5のE参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“は”が“ば”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)をさらに逆方向(右方向)になぞると,表示部18では“ば”が“ぱ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4として辺(3)をまたさらに逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“ぱ”が“6”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(3)を往復してなぞると,清音文字→濁音文字→半濁音文字→数字の順に,表示部18に出力される文字が切り替わる。
記号の入力について説明する。本実施の形態1では,わ行の部分に記号が割り当てられている。わ行のいずれかの文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると数字“0”に切り替わり,指を離さずに辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると記号モードに切り替わる(図4(F)参照)。記号モードに切り替わった状態で,一度指が離れたあとにさらに辺(5)を続けて左下方向になぞって記号の種類を切替えることにより,様々な記号を入力することができる。ここでは,記号は,“ー”,“?”,“!”,... の順に切り替わるものとする。
例えば記号“?”を入力する場合には(図5のF参照),手順1として入力パネル120の辺(5)を左下方向になぞると,表示部18には“わ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると,表示部18では“わ”が“0”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると,表示部18では“0”が“ー”に切り替わる。続けて手順4として辺(5)を左下方向になぞると,表示部18では“ー”が“?”に切り替わる。すなわち,わ行の文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(5)を往復してなぞると,わ行の文字→数字“0”→記号の順に表示部18に出力される文字が切り替わり,さらに辺(5)を続けて左下方向になぞることにより,記号の種類が切り替わる。
本実施の形態1における入力文字の確定は,例えば,最後の入力パネル120への操作を行ってから規定時間を経過させたり,また,確定キーやカーソルキーなどの機能ボタン130を押下することによって行うことができる。また,それまで操作していた辺と異なる辺に操作が移った場合や,一旦指が離れた後に異なる方向に辺がなぞられた場合に,入力文字を確定するようにもできる。
図6は,本実施の形態1における文字入力処理フローチャートである。図6のフローチャートでは,説明を簡単にするため,清音文字の入力処理部分だけを示すが,他の文字の入力処理も同様に実施できることは明らかである。まず,ユーザから入力パネル120への最初の操作を受けると(ステップS10),その操作を受けた辺の位置と操作方向との組み合わせから50音の行を特定する(ステップS11)。表示部18にその行のあ段の清音文字を表示する(ステップS12)。文字が確定されたかを確認し(ステップS13),文字が確定されたら処理を終了する。
文字が確定されずに,ユーザから最初の操作と同じ辺への同じ方向の操作を受けると(ステップS14),表示部18に表示されている文字を,段を1つ下げたものに切り替える(ステップS15)。文字が確定されるまで,ステップS14,S15の処理を繰り返す。
〔実施の形態2〕
図7,図8は,本実施の形態2の文字入力の例を説明する図である。図7は,本実施の形態2の入力パネル120への操作の例を示し,図8は,本実施の形態2の文字入力手順の例を示す。図7(A)に示すように,右上の辺から時計回りに辺(1),辺(2),... ,辺(5)とする。
本実施の形態2の文字入力の例は,入力パネル120の辺の位置とその辺をなぞる方向との組み合わせで50音の行を確定し,確定された行に属する文字が割り当てられた辺をなぞることにより文字を選択して入力する例である。辺の位置と辺をなぞる方向との組み合わせに,どの行が割り当てられているかは,図7(A)に示すとおりである。
まず,清音文字の入力について説明する。例えば文字“う”を入力する場合には(図8のA参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞると,表示部18には“あ”が表示される。このとき,あ行の入力がロックされ,あ行の入力を指定した辺(1)を始点とした時計周り方向には,あ行の文字“あ”,“い”,“う”,“え”,“お”が順に割り当てられた状態となる(図7(B)参照)。一度指が離れたあとに手順2として入力パネルの辺(3)を時計回り方向(左方向)になぞると,表示部18では“あ”が“う”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞり,続けて辺(3)を時計回り方向(左方向)になぞることにより,文字“う”を入力することができる。
濁音文字の入力について説明する。例えば文字“げ”を入力する場合には(図8のB参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を左上方向になぞると,表示部18には“か”が表示される。このとき,か行の入力がロックされ,か行の入力を指定した辺(1)を始点とした反時計周り方向には,か行の濁音文字“が”,“ぎ”,“ぐ”,“げ”,“ご”が順に割り当てられた状態となる。なお,か行の入力を指定した辺(1)を始点とした時計周り方向には,か行の清音文字“か”,“き”,“く”,“け”,“こ”が順に割り当てられた状態となっている(図7(C)参照)。一度指が離れたあとに手順2として入力パネルの辺(3)を反時計回り方向(右方向)になぞると,表示部18では“か”が“げ”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の辺(1)を左上方向になぞり,続けて辺(3)を反時計回り方向(右方向)になぞることにより,文字“げ”を入力することができる。
このように,最初の手順で入力パネル120の辺をなぞることにより行をロックすると,その辺を始点として,時計回り方向にはその行の清音文字が,反時計回りにはその行の濁音文字が割り当てられた状態となる。その状態で一度指が離れたあとに,清音文字の場合には時計回り方向に,濁音文字の場合には反時計回り方向に辺をなぞることにより,その辺に割り当てられた文字を入力することができる。
半濁音文字の入力について説明する。例えば文字“ぺ”を入力する場合には(図8のC参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。このとき,は行の入力がロックされ,は行の入力を指定した辺(3)を始点とした反時計周り方向には,は行の濁音文字“ば”,“び”,“ぶ”,“べ”,“ぼ”が順に割り当てられた状態となる。一度指が離れたあとに手順2として入力パネルの辺(5)を反時計回り方向(左下方向)になぞると,表示部18では“は”が“べ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると,表示部18では“べ”が“ぺ”に切り替わる。すなわち,は行の濁音文字が表示部18に出力されたときに,その指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,半濁音文字を入力することができる。
小文字の入力について説明する。例えば文字“ぃ”を入力する場合には(図8のD参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞると,表示部18には“あ”が表示される。このとき,あ行の入力がロックされ,あ行の入力を指定した辺(1)を始点とした時計周り方向には,あ行の文字“あ”,“い”,“う”,“え”,“お”が順に割り当てられた状態となる。一度指が離れたあとに手順2として入力パネルの辺(2)を時計回り方向(左下方向)になぞると,表示部18では“あ”が“い”に切り替わる。続けて手順3として辺(2)を時計回り方向(左下方向)になぞると,表示部18では“い”が“ぃ”に切り替わる。すなわち,小文字にしたい文字が表示部18に出力されたときに続けて同じ辺を同じ方向になぞることにより,小文字を入力することができる。
数字の入力について説明する。本実施の形態2では,あ行の部分には“1”が,か行の部分には“2”が,... ,ら行には“9”が,わ行の部分には“0”が割り当てられている(図7(D)参照)。入力パネル120への最初の操作によって50音の行が指定され,その状態で指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,その行の部分に割り当てられた数字を入力することができる。
例えば数字“6”を入力する場合には(図8のE参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“は”が“6”に切り替わる。すなわち,は行を指定した状態で指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,は行の部分に割り当てられた数字“6”を入力することができる。
記号の入力について説明する。本実施の形態2ではわ行の部分に記号が割り当てられている。入力パネル120の辺(5)を左下方向になぞるとわ行が指定されて表示部18に“わ”が表示され,そのまま指を離さずに辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると表示部18では“わ”が“0”に切り替わり,そのまま指を離さずに辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると記号モードに切り替わる。記号モードでは,入力パネル120の各辺の各方向に記号が割り当てられている。ここでは,図7(E)に示すように,記号が割り当てられているものとする。
例えば記号“?”を入力する場合には(図8のF参照),手順1として入力パネル120の辺(5)を左下方向になぞると,表示部18には“わ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると,表示部18では“わ”が“0”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると,表示部18では“0”が“ー”に切り替わり記号モードとなる(図7(E)参照)。続けて手順4として辺(4)を右下方向になぞると,表示部18では“ー”が“?”に切り替わる。すなわち,わ行が指定された状態で,指を離さずに辺(5)を往復してなぞると,文字“わ”→数字“0”→記号モードと切り替わり,各辺の各方向に記号が割り当てられた状態となる。この状態で入力したい記号が割り当てられた辺をなぞることにより,記号を入力することができる。
本実施の形態2における入力文字の確定は,例えば,最後の入力パネル120への操作を行ってから規定時間を経過させたり,また,確定キーやカーソルキーなどの機能ボタン130を押下することによって行うことができる。
図9は,本実施の形態2における文字入力処理フローチャートである。図9のフローチャートでは,説明を簡単にするため,清音文字の入力処理部分だけを示している。まず,ユーザから入力パネル120への最初の操作を受けると(ステップS20),その操作を受けた辺の位置と操作方向との組み合わせから50音の行を特定する(ステップS21)。表示部18にその行のあ段の清音文字を表示する(ステップS22)。
最初に操作された辺を始点とする時計回り方向に,特定された行の各清音文字を割り当てる(ステップS23)。ユーザから入力パネル120への時計回り方向の操作を受けると(ステップS24),その操作を受けた辺の位置から文字を特定し(ステップS25),表示部18に表示されている文字を,その特定された文字に切り替える(ステップS26)。
〔実施の形態3〕
図10,図11は,本実施の形態3の文字入力の例を説明する図である。図10は,本実施の形態3の入力パネル120への操作の例を示し,図11は,本実施の形態3の文字入力手順の例を示す。図10(A)に示すように,右上の辺から時計回りに辺(1),辺(2),... ,辺(5)とする。
本実施の形態3の文字入力の例は,入力パネル120の辺の位置とその辺をなぞる方向との組み合わせで50音の行を指定し,そのまま指を離さずに次の辺,さらにその次の辺と順回り方向(最初になぞった方向が時計回り方向なら時計回り方向,反時計回り方向なら反時計回り方向)になぞっていくことにより50音の各段を切替えて,文字を入力する例である。辺の位置と辺をなぞる方向との組み合わせに,どの行が割り当てられているかは,図10(A)に示すとおりである。
ここで,順回り方向に連続してなぞられた辺の数は,例えば,入力パネル120の五角形の各頂点に接触感知ポイントを設け(図2(B)参照),その接触感知ポイントの通過数で判断することができる。例えば,ある辺から順回り方向に3つの辺を連続してなぞった場合には2つの頂点を通過するため,2点の接触感知ポイントを通過することとなる。すなわち,通過接触感知ポイント数が2点であることから,順回り方向に連続してなぞられた辺の数が3つであると判断することができる。また,接触感知ポイントなどを設けず,単に順回り方向に連続して辺をなぞった長さを測定し,その長さから順回り方向に連続してなぞられた辺の数を判断することもできる。
まず,清音文字の入力について説明する。例えば文字“う”を入力する場合には(図11のA参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞると,表示部18には“あ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(2)を順回り方向(時計回り方向)になぞると,表示部18では“あ”が“い”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)を順回り方向(時計回り方向)になぞると,表示部18では“い”が“う”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞり,そのまま指を離さずに順回り方向(この場合には,時計回り方向)に辺(2),辺(3)をなぞっていくことにより(図10(B)参照),文字“う”を入力することができる。
このように本実施の形態3では,最初になぞる辺の位置と方向との組み合わせにより50音の行を特定し,そのまま指を離さずに順回り方向(最初になぞった方向が時計回り方向なら時計回り方向,反時計回り方向なら反時計回り方向)に辺をなぞっていくことにより段を切替え,入力する清音文字を決定する。このような清音文字を入力するための基本操作にいくつかの手順を加え,濁音文字,半濁音文字,小文字,数字,記号などを入力する。
濁音文字の入力について説明する。例えば文字“げ”を入力する場合には(図11のB参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を左上方向になぞると,表示部18には“か”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として順回り方向(この場合には,反時計回り方向)に辺(5),辺(4),辺(3)をなぞると,表示部18では“か”が“け”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)を逆方向(時計回り方向)になぞると,表示部18では“け”が“げ”に切り替わる。すなわち,濁音文字がある行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,濁音文字を入力することができる(図10(C)参照)。
半濁音文字の入力について説明する。例えば文字“ぺ”を入力する場合には(図11のC参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として順回り方向(この場合には,反時計回り方向)に辺(2),辺(1),辺(5)をなぞると,表示部18では“は”が“へ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)を逆方向(時計回り方向)になぞると,表示部18では“へ”が“べ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4として辺(5)をさらに逆方向(反時計回り方向)になぞると,表示部18では“べ”が“ぺ”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を往復させてなぞることにより,半濁音文字を入力することができる。
小文字の入力について説明する。例えば文字“ぃ”を入力する場合には(図11のD参照),手順1として入力パネル120の辺(1)を右下方向になぞると,表示部18には“あ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として順回り方向(この場合には,時計回り方向)に辺(2),辺(3),辺(4),辺(5)をなぞると,表示部18では“あ”が“お”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3としてさらに順回り方向(この場合には,時計回り方向)に辺(1)をなぞると,表示部18では“お”が“ぁ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4としてまたさらに順回り方向(この場合には,時計回り方向)に辺(2)をなぞると,表示部18では“ぁ”が“ぃ”に切り替わる。すなわち,最初になぞる辺の位置と方向との組み合わせにより小文字のある行を指定し,そのまま指を離さずに順回り方向(最初になぞった方向が時計回り方向なら時計回り方向,反時計回り方向なら反時計回り方向)に辺をなぞっていく場合に,1周目は通常の文字であるが2周目には小文字となるため,2周目の入力したい小文字の辺をなぞったところで指を離すことにより,その小文字を入力することができる。
数字の入力について説明する。本実施の形態3では,あ行の部分には“1”が,か行の部分には“2”が,... ,ら行には“9”が,わ行の部分には“0”が割り当てられている(図10(D)参照)。濁音文字,半濁音文字が存在しない行では,いずれかの清音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。濁音文字,半濁音文字が存在する行では,いずれかの濁音文字,半濁音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。
例えば数字“6”を入力する場合には(図11のE参照),手順1として入力パネル120の辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“は”が“ば”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)をさらに逆方向(右方向)になぞると,表示部18では“ば”が“ぱ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4として辺(3)をまたさらに逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“ぱ”が“6”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずにその辺を往復してなぞると,清音文字→濁音文字→半濁音文字→数字の順に,表示部18に出力される文字が切り替わる。
記号の入力について説明する。本実施の形態3では,わ行の部分に記号が割り当てられている。入力パネル120の辺(5)を左下方向になぞるとわ行が指定されて表示部18に“わ”が表示され,指を離さずに辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると数字“0”に切り替わり,指を離さずに辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると記号モードに切り替わる。記号モードに切り替わった状態で,そのまま指を離さずに順回り方向(この場合には,反時計回り方向)に辺をなぞっていって記号の種類を切替えることにより,様々な記号を入力することができる。ここでは,記号は,“ー”,“?”,“!”,... の順に切り替わるものとする。
例えば記号“?”を入力する場合には(図11のF参照),手順1として入力パネル120の辺(5)を左下方向になぞると,表示部18には“わ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると,表示部18では“わ”が“0”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると,表示部18では“0”が“ー”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4として順回り方向(反時計回り方向)に辺(4)をなぞると,表示部18では“ー”が“?”に切り替わる。文字“わ”が指定された状態で,指を離さずに辺(5)を往復してなぞると,文字“わ”→数字“0”→記号の順に表示部18に出力される文字が切り替わり,さらにその指を離さずに順回り方向(この場合には,反時計回り方向)に辺をなぞっていくことにより,記号の種類が切り替わる。
本実施の形態3における入力文字の確定は,例えば,最後の入力パネル120への操作を行ってから規定時間を経過させたり,また,確定キーやカーソルキーなどの機能ボタン130を押下することによって行うことができる。
図12は,本実施の形態3における文字入力処理フローチャートである。図12のフローチャートでは,説明を簡単にするため,清音文字の入力処理部分だけを示している。まず,ユーザから入力パネル120への最初の操作を受けると(ステップS30),その操作を受けた辺の位置と操作方向との組み合わせから50音の行を特定する(ステップS31)。表示部18にその行のあ段の清音文字を表示する(ステップS32)。ユーザが指を離したかを確認し(ステップS33),ユーザが指を離していれば処理を終了する。
さらに指を離さずにユーザから次の順回り方向の辺への操作を受けると(ステップS34),表示部18に表示されている文字を,段を1つ下げたものに切り替える(ステップS35)。ユーザが指を離すまで,ステップS34,S35の処理を繰り返す。
〔実施の形態4〕
図13,図14は,本実施の形態4の文字入力の例を説明する図である。図13は,本実施の形態4の入力パネル120への操作の例を示し,図14は,本実施の形態4の文字入力手順の例を示す。図13(A)に示すように,右上の辺から時計回りに辺(1),辺(2),... ,辺(5)とする。また,上の頂点から時計回りに頂点a,頂点b,... ,頂点eとする。
本実施の形態4の文字入力の例は,入力パネル120の頂点の位置とその頂点からなぞる辺の方向との組み合わせで50音の行を指定し,同じ頂点から同じ辺の方向に続けてなぞることにより50音の各段を切替えて,文字を入力する例である。例えば,入力パネル120の各頂点にセンサ等を設けることにより,どの頂点が抑えられたかを感知することができる。頂点の位置となぞる辺の方向との組み合わせに,どの行が割り当てられているかは,図13(A)に示すとおりである。
まず,清音文字の入力について説明する。例えば文字“う”を入力する場合には(図14のA参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞると(図13(B)参照),表示部18には“あ”が表示される。続けて手順2として頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“あ”が“い”に切り替わる。続けて手順3として頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“い”が“う”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞるという操作を続けて3回行うことにより,文字“う”を入力することができる。
濁音文字の入力について説明する。例えば文字“げ”を入力する場合には(図14のB参照),手順1として入力パネル120の頂点bを押さえてそのまま辺(1)を左上方向になぞるという操作を続けて4回行うと,表示部18には“け”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(1)を逆方向(右下方向)になぞると,表示部18では“け”が“げ”に切り替わる。すなわち,濁音文字がある行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,濁音文字を入力することができる。
半濁音文字の入力について説明する。例えば文字“ぺ”を入力する場合には(図14のC参照),手順1として入力パネル120の頂点dを押さえてそのまま辺(3)を右方向になぞるという操作を続けて4回行うと,表示部18には“へ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“へ”が“べ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)をさらに逆方向(右方向)になぞると,表示部18では“べ”が“ぺ”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(3)を逆方向(左方向),さらに指を離さずに辺(3)をその逆方向(右方向)になぞることにより,半濁音文字を入力することができる。
小文字の入力について説明する。例えば文字“ぃ”を入力する場合には(図14のD参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞるという操作を続けて5回行うと,表示部18には“お”が表示される。続けて手順2として頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“お”が“ぁ”に切り替わる。続けて手順3として頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞると,表示部18では“ぁ”が“ぃ”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の頂点aを押さえてそのまま辺(1)を右下方向になぞるという操作を続けて行くにつれ,表示部18に表示される文字は,“あ”,“い”,... ,“お”,“ぁ”,“ぃ”,... と順に切り替わる。
数字の入力について説明する。本実施の形態4では,あ行の部分には“1”が,か行の部分には“2”が,... ,ら行には“9”が,わ行の部分には“0”が割り当てられている(図13(C)参照)。濁音文字,半濁音文字が存在しない行では,いずれかの清音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。濁音文字,半濁音文字が存在する行では,いずれかの濁音文字,半濁音文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺を逆方向になぞることにより,数字を入力することができる。
例えば数字“6”を入力する場合には(図14のE参照),手順1として入力パネル120の頂点dを押さえてそのまま辺(3)を右方向になぞると,表示部18には“は”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(3)を逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“は”が“ば”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(3)をさらに逆方向(右方向)になぞると,表示部18では“ば”が“ぱ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順4として辺(3)をまたさらに逆方向(左方向)になぞると,表示部18では“ぱ”が“6”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(3)を往復してなぞると,清音文字→濁音文字→半濁音文字→数字の順に,表示部18に出力される文字が切り替わる。
記号の入力について説明する。本実施の形態4では,わ行の部分に記号が割り当てられている。わ行のいずれかの文字が未確定で表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると数字“0”に切り替わり,指を離さずに辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると記号モードに切り替わる。記号モードに切り替わった状態で,一度指が離れたあと,さらに頂点aを押さえて辺(5)を左下方向になぞる操作を繰返し,記号の種類を切替えることにより,様々な記号を入力することができる。ここでは,記号は,“ー”,“?”,“!”,... の順に切り替わるものとする。
例えば記号“?”を入力する場合には(図14のF参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえてそのまま辺(5)を左下方向になぞると,表示部18には“わ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として辺(5)を逆方向(右上方向)になぞると,表示部18では“わ”が“0”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として辺(5)をさらに逆方向(左下方向)になぞると,表示部18では“0”が“ー”に切り替わる。続けて手順4として頂点aを押さえて辺(5)を左下方向になぞると,表示部18では“ー”が“?”に切り替わる。すなわち,わ行の文字が表示部18に出力された状態で,指を離さずに辺(5)を往復してなぞると,わ行の文字→数字“0”→記号の順に表示部18に出力される文字が切り替わり,さらに頂点aを押さえて辺(5)を左下方向になぞる操作を繰り返すことにより,記号の種類が切り替わる。
本実施の形態4における入力文字の確定は,例えば,最後の入力パネル120への操作を行ってから規定時間を経過させたり,また,確定キーやカーソルキーなどの機能ボタン130を押下することによって行うことができる。
〔実施の形態5〕
図15,図16は,本実施の形態5の文字入力の例を説明する図である。図15は,本実施の形態5の入力パネル120への操作の例を示し,図16は,本実施の形態5の文字入力手順の例を示す。図15(A)に示すように,右上の辺から時計回りに辺(1),辺(2),... ,辺(5)とする。また,上の頂点から時計回りに頂点a,頂点b,... ,頂点eとする。
本実施の形態5の文字入力の例は,入力パネル120自身を回転させ,その回転角度によって入力する文字を特定する例である。本実施の形態5では,入力パネル120で押さえる頂点の位置と入力パネル120が回転した方向(時計回り方向,反時計回り方向)との組み合わせで50音の行を指定し,入力パネル120の回転角度によって50音の各段を切り替えて,文字を入力する。押さえる頂点の位置と回転させる方向との組み合わせに,どの行が割り当てられているかは,図15(A)に示すとおりである。
まず,清音文字の入力について説明する。例えば文字“う”を入力する場合には(図16のA参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえて入力パネル120を時計回り方向に回転させると,1角分回転したところで表示部18には“あ”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として入力パネル120を時計回り方向にさらに1角分回転させると,表示部18では“あ”が“い”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として入力パネル120を時計回り方向にまたさらに1角分回転させると,表示部18では“い”が“う”に切り替わる。すなわち,入力パネル120の頂点aを押さえ,入力パネル120を時計回り方向に3角分回転させることにより(図15(B)参照),文字“う”を入力することができる。
このように本実施の形態5では,入力パネル120で押さえる頂点と入力パネル120が回転した方向(時計回り方向,反時計回り方向)との組み合わせにより50音の行を指定し,入力パネル120の回転角度を変えていくことにより50音の各段を切り替え,入力する清音文字を決定する。このような清音文字を入力するための基本操作にいくつかの手順を加え,濁音文字,半濁音文字,小文字,数字,記号などを入力する。本実施の形態5では,機能ボタン130bも用いる。
濁音文字の入力について説明する。例えば文字“げ”を入力する場合には(図16のB参照),手順1として入力パネル120の頂点bを押さえて入力パネル120を反時計回り方向に4角分回転させると,表示部18には“け”が表示される。続けて手順2として機能ボタン130bを押すと,表示部18では“け”が“げ”に切り替わる(図15(C)参照)。すなわち,濁音文字がある行の清音文字が表示部18に出力された状態で機能ボタン130bを押すことにより,濁音文字を入力することができる。
半濁音文字の入力について説明する。例えば文字“ぺ”を入力する場合には(図16のC参照),手順1として入力パネル120の頂点dを押さえて入力パネル120を反時計回り方向に4角分回転させると,表示部18には“へ”が表示される。続けて手順2として機能ボタン130bを押すと,表示部18では“へ”が“べ”に切り替わる。続けて手順3としてさらに機能ボタン130bを押すと,表示部18では“べ”が“ぺ”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で機能ボタン130bを2回押すことにより,半濁音文字を入力することができる。
小文字の入力について説明する。例えば文字“ぃ”を入力する場合には(図16のD参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえて入力パネル120を時計回り方向に5角分(一周分)回転させると,表示部18には“お”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として入力パネル120をさらに時計回り方向に1角分回転させると,表示部18では“お”が“ぁ”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として入力パネル120をまたさらに時計回り方向に1角分回転させると,表示部18では“ぁ”が“ぃ”に切り替わる。すなわち,最初に押さえる頂点の位置と入力パネル120の回転方向との組み合わせにより小文字のある行を指定し,そのまま指を離さずに入力パネル120を回転していく場合に,1周目は通常の文字であるが2周目には小文字となるため,2周目の入力したい小文字のところで指を離すことにより,その小文字を入力することができる。
数字の入力について説明する。本実施の形態5では,あ行の部分には“1”が,か行の部分には“2”が,... ,ら行には“9”が,わ行の部分には“0”が割り当てられている(図15(D)参照)。濁音文字,半濁音文字が存在しない行では,いずれかの清音文字が未確定で表示部18に出力された状態で機能ボタン130bを押すことにより,数字を入力することができる。濁音文字,半濁音文字が存在する行では,いずれかの濁音文字,半濁音文字が未確定で表示部18に出力された状態で機能ボタン130bを押すことにより,数字を入力することができる。
例えば数字“6”を入力する場合には(図16のE参照),手順1として入力パネル120の頂点dを押さえて入力パネル120を反時計回り方向に1角分回転させると,表示部18には“は”が表示される。続けて機能ボタン130bを押すと,表示部18では“は”が“ば”に切り替わる。続けてさらに機能ボタン130bを押すと,表示部18では“ば”が“ぱ”に切り替わる。続けてまたさらに機能ボタン130bを押すと,表示部18では“ぱ”が“6”に切り替わる。すなわち,は行の清音文字が表示部18に出力された状態で機能ボタン130bを立て続けに押すと,清音文字→濁音文字→半濁音文字→数字の順に,表示部18に出力される文字が切り替わる。
記号の入力について説明する。本実施の形態5では,わ行の部分に記号が割り当てられている。ここでは,記号は,“ー”,“?”,“!”,... の順に切り替わるものとする。
例えば文字“?”を入力する場合には(図16のF参照),手順1として入力パネル120の頂点aを押さえて入力パネル120を反時計回り方向に3角分回転させると,表示部18には“ん”が表示される。そのまま指を離さずに手順2として入力パネル120をさらに反時計回り方向に1角分回転させると,表示部18では“ん”が“ー”に切り替わる。そのまま指を離さずに手順3として入力パネル120をまたさらに反時計回り方向に1角分回転させると,表示部18では“ー”が“?”に切り替わる。すなわち,最初に入力パネル120の頂点aを押さえて入力パネル120を反時計回り方向に回転させることによりわ行を指定し,そのまま指を離さずに入力パネル120を回転していく場合に,3角目までは通常の文字であるが4角目以降は記号となるため,4角目以降の入力したい記号のところで指を離すことにより,その記号を入力することができる。
本実施の形態5における入力文字の確定は,例えば,最後の入力パネル120への操作を行ってから規定時間を経過させたり,また,確定キーやカーソルキーなどの機能ボタン130を押下することによって行うことができる。
実施の形態5では,入力パネル120の回転中に逆回転させることにより,文字を戻すことができる。例えば,頂点aを押さえて入力パネル120を時計回り方向に3角分回転して表示部18に“う”が表示されている状態で,指を離さずに逆方向(反時計回り方向)に1角分戻すと,表示部18では“う”から“い”に戻る。
以上,本実施の形態1〜5を説明したが,本発明はこれらの実施の形態に限られるものではない。
例えば,本実施の形態では,日本語を入力する場合に最小かつ最適と考えられる五角形の入力パネル120について説明しているが,他の多角形であってももちろんかまわない。例えば,六角形以上の多角形にした場合には,いずれかの辺を機能呼び出しに割り当てることも可能となるし,日本語以外の言語に利用することも可能となる。
また,本実施の形態では文字入力について説明したが,本発明を一般的な入力デバイスに適用すると考えれば,例えば,音楽の再生,ストップ,早送り,巻き戻し,一時停止などの役割をさらに各辺に割り当ててもよい。この場合,入力パネル120をどの用途に使用するかは,機能ボタン130等により事前に選択する。
以上説明した実施の形態による文字入力の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。