JP4722278B2 - 油捕集素材、それを用いて成る油捕集材及び油捕集器、並びに、その油捕集器による油捕集方法 - Google Patents

油捕集素材、それを用いて成る油捕集材及び油捕集器、並びに、その油捕集器による油捕集方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場、精油施設、タンカーその他の船舶などから、海洋、河川、湖沼等の水面に流出した油、特に重質油を回収するため用いる油捕集素材、それを用いて成る油捕集材及びその油捕集材をロープで連ねて成る油捕集器、並びにそれらを用いる油回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水面に流出した油を回収するため、親油疎水性の樹脂から成る油吸着マットが用いられているが、このようなマットでは、100cSt以上の中質油、重質油などの高粘度油や、C重油が海水と混合して生じた14,000cSt以上のムース油などを、例えばA重油などの、1cSt程度の低粘度油と同じように効率よく吸着することができない。それは、このような高粘度油は、マットに良く吸着されないためである。
【0003】
このような高粘度油やムース油を回収する技術は、例えば、特開昭51−145484号、米国特許第32854号等に開示されており、実用品として米国パーカーシステムズ社から『オイルスネアー』(商品名)として上市されているものがある。
【0004】
これは、幅0.5〜12.7mm、厚さ12〜127μm、長さ約190mmのポリプロピレン製テープ の両端を接合し、直径600mm程度のシングルループを多数作成し、複数のシングルループを略同心にドーナツ状に取り揃えてマルチループとし、その一箇所をポリプロピレン製の紐等で束ね、更にそれらを多数ポリプロピレン製ロープに取り付けて成るものである。
【0005】
典型的な実施態様において、1個のマルチループの重量は、230g程度であり、長尺のロープに約500mm間隔で多数取り付けられ、水面に流出した油を包囲し、油の拡散を抑制すると共に、油を捕集、回収するするため用いられる。
【0006】
この油捕集器は日本近海の油流出事故の処理にも貢献した実績があるが、その油捕集能力は必ずしも充分とは言えず、又捕集した油を確実に保持する能力が低下する場合もあり、又、油の拡散を確実に防止し、確実に回収するためには、大勢の作業員の長時間にわたる過酷な労働が要求されるため、より油吸着能力が優れ、迅速かつ軽作業で油を回収し得る油捕集器が要求されている。
【0007】
一旦事故が発生したときは、可能な限り迅速に被害の拡大を食い止め、油を回収しなければ被害は飛躍的に拡大する。そのため、事故に対処する人達は、長期に亘り苛酷で危険な労働を強いられるのが現状である。
優れた油捕集能力を有する油捕集用の資材が提供されれば、環境の保全と、労働衛生、作業の安全および処理経費の削減に貢献することができる。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためなされたものであって、その目的とするところは、先ず、油捕集能力が大幅に改善された油捕集素材及びそれを用いた油捕集用の資材を安価かつ大量に提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、装置が柔軟であるため、油回収作業の際の取り扱いが容易で、作業員の労働を軽減でき、安全かつ迅速に油を回収し得る油捕集器及び油捕集方法を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、上記本発明にかかる資材の効果的使用方法、即ち、能率の良い油回収方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明の上記の目的は、親油疎水性の不撚糸を多数平行に揃えて成る油捕集素材によって達成される。
ここで、不撚糸とは、撚糸でない繊維を言い、長短、形状、材質を問わない。好ましい実施例において、油捕集素材は、トウ若しくはスライバー、又はそれらの混合繊維により構成され、スライバーとしては、プリットヤーン短繊維、パーストヤーン短繊維、短いフィラメント若しくはステープルファイバー又はそれらの混合繊維が用いられる。
【0012】
トウとは、多数のモノフィラメントを実質的に撚りを掛けずに長さ方向に引き揃えたフィラメント集合体であり、束ねられたり撚り合わされたりしてはいないが、フィラメント同士が適度に絡まり合い、細長い紐状体としてまとまっているものである。
【0013】
スライバーとは、スフ、即ちステーブル・ファイバーなどの短繊維を梳り、繊維を長さ方向に平行に揃え、通常、直径20〜30mm程度に引き延ばしたもので、短繊維同士が適度に絡まり合い、細長い紐状体となっているものである。
スライバー用の短繊維としては、スフの外、スプリットヤーン短繊維、パーストヤーン短繊維、短いフィラメント又はそれらの混合繊維などが用いられる。
トウ又はスライバーには繊度3,000〜10,000デニール程度の繊維が用いられ、これらの繊維が相互の接触、交絡、よじれなどにより紐状にまとまるものである。
【0014】
解繊糸を用いたものも好ましい実施例の一つである。
油捕集素材を構成する繊維の材料は、親油疎水性であれば特に制約はないが、合成繊維であれば、ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、オレフィン−ノルボルネンコポリマー、ポリブテん等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニル系重合体、PET、PBT等の芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミド、ポリ乳酸、ポリサクシニックブチレート等の脂肪族ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルポリオール、ポリカーボネート、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート又はそれらの共重合体から成る繊維を用いることができるが、中でも親油性と疎水性とを有するポリオレフィン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーが特に推奨される。
【0015】
又これらの熱可塑性樹脂には、親油性を高めるため、例えば、高級脂肪酸、ポリオレフィンワックス等を添加又は塗布することが推奨され、更に必要に応じて、紫外線吸収剤等の耐候性付与剤を添加又は塗布しても良い。
又、天然繊維としては、綿、麻、絹、木質繊維などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を用いることができる。
使用する繊維の繊度は、、1デニール以上、100,000デニール以下、望ましくは1,000デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましくは、25,000前後とすることが望ましい。
【0016】
而して、本発明においては、これらの油捕集素材を用いて、油捕集材を製造し、それらの油捕集材をロープで連ねて油捕集器を構成する。
好ましい実施例において、油捕集素材を複数回ループ状に巻き揃え、その一個所を結束し、マルチループ状の油捕集材を製作する。
他の好ましい実施例においては、一定長に切り揃えた油捕集素材の両端部を接合してシングルループを形成し、多数のシングルループをドーナツ状に取り纏め、その一個所を結束してマルチループ状の油捕集材を得る。
ループが充分に太いものであれば、ループは一巻であっても良い。
【0017】
更に他の好ましい実施例においては、一定長に切り揃えた油捕集素材を、複数本互いに密着するよう取り揃え、その一端を結束して房状の油捕集材を得る。
これらの油捕集材を多数、長尺のロープ状支持体に結合して油捕集器とするが、その際のロープ状支持体としては、細紐を荒目に編成して成る長尺の中空円筒状ロープ、例えば、特殊カゴ形構造ロープとして知られたイージーループ(商品名、丸高製綱株式会社製などを使用することが望ましい。
【0018】
この中空円筒状ロープは、その端部の繊維を圧縮、一体化処理して、ロープの編目を貫通し得る先細の連結用刺針としてあり、これらの連結用刺針状の端部を荒目に編まれたロープの編目を刺し通し得るようになっている。
このため、二本のロープのそれぞれの一端部を互いに他のロープの端部近傍の編目に刺し通し、その二本のロープを連結することができ、又ロープの一端部をその近傍に刺し通して、係留用のアイを形成することができるものである。
又これらの油捕集器は、複数一連に長く連結し、海面に流出した油を包囲したり、その両端部を、それぞれ2艘の油回収船により保持し、油が流出した海面を曳航し、流出油を捕集するため使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施例ついて説明する。
図1は本発明に係る油捕集素材の一実施例を示す正面図、図2は図1に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集材の一実施例を示す正面図、図3は同様の油捕集素材を用いて構成した油捕集材の第二の実施例を示す正面図、図4は図2に示した油捕集材を用いて構成した油捕集器の一実施例を示す正面図、図5は図3に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集器の一実施例を示す正面図、図6は油捕集器を用いた油回収方法の一例を示す斜視図、図7は本発明にかかる房状の油捕集材を用いた油捕集器の一部を示す写真、図8はその油捕集器で用いられた油捕集材の一部拡大写真、図9は上記油捕集器で用いた油捕集素材を扇状に広げた状態を示す写真、図10は図9に示した油捕集素材に一部拡大写真である。
【0020】
図1において、10は多数の不撚糸、即ち撚りを掛けられていないモノフィラメント11を撚り合わすことなく一本に取り纏め、長尺の油捕集素材としたものである。
一実施例において、油捕集素材10はトウ、即ち、多数の不撚糸11を実質的に撚りをかけずに長さ方向に多数本平行に引き揃え、直径10〜30mm程度の長いフイラメント集合体としたものである。
【0021】
一般的には、不撚糸11は、繊度1デニール以上、100,000デニール以下、望ましくは、1,000デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましくは、25,000デニール前後、即ち、20,000デニール以上、30,000デニール以下のものとすることが推奨される。
通常、紡績に供されるトウは、繊維の分繊性、平行度が良好なことが要求され、又、フィラメント同士のよじれ、もつれなどは望ましくないとされるが、本発明においては、これらは油捕集効果の増進に寄与する。
【0022】
又、他の一実施例において、油捕集素材10は、スライバー、即ち、スフ(ステープル・ファイバー)等の短繊維を梳り、繊維を長さ方向に平行な状態に引き揃え、通常、直径10〜30mm程度の細長い繊維連続体としたものから成る。
スライバーを構成する短繊維としては、例えば、スプリットヤーン、パーストヤーン、フィラメント及びステープルファイバー等の短繊維が挙げられる。
【0023】
一般的に本発明で用いるスフの繊度は、1デニール以上、100,000デニール以下、望ましくは、1,000デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましくは、25,000デニール前後、即ち、20,000デニール以上、30,000デニール以下とすることが推奨される。
このスライバーにおいても、紡績に供されるものと異なり、フィラメント同士のよじれ、もつれなどがあるほうが望ましい。
【0024】
本発明に係る油捕集素材の第三の実施例においては、スプリットヤーン、即ち、縦裂き糸が用いられる。
本発明において用い得るスプリットヤーンの態様としては、例えば、解繊糸、即ちフィルムを適当な幅で切断し、延伸してから更に細かく縦方向に割り裂いて、細い繊維集合体としたものを挙げることができる
又、スプリットヤーンの他の態様としては、例えば、細かくスリットしたフィルムをフイブリル化するまで延伸し、衝撃的応力を与えることにより弱い方向に割り、たて方向に裂け目を生じせしめ、1〜5デニール程度の繊度の集合体としたものを挙げることができる。
【0025】
スプリットヤーンは、一般的には、各繊維が相互に連携をもち、繊維の性質としては、フィイラメントと紡績糸の中間的性質を有する。
本発明において用いるスプリットヤーンの繊度は、特に限定されるものではないが、一般的には、やや太めの500〜5,000デニール程度となる。
【0026】
本発明において用いる繊維の原料は、特に限定されるものではなく、親油疎水性の繊維であれば良い。
合成繊維であれば、ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、オレフィン−ノルボルネンコポリマー、ポリブテん等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニル系重合体、PET、PBT等の芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミド、ポリ乳酸、ポリサクシニックブチレート等の脂肪族ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルポリオール、ポリカーボネート、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート又はそれらの共重合体から成る繊維を用いることができるが、中でも親油性と疎水性とを有するポリオレフィン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーが特に推奨される。
【0027】
又これらの熱可塑性樹脂には、親油性を高めるため、例えば、高級脂肪酸、ポリオレフィンワックス等を添加又は塗布することが推奨され、更に必要に応じて、紫外線吸収剤等の耐候性付与剤を添加又は塗布しても良い。
又、天然繊維としては、綿、麻、絹、木質繊維などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を用いることができる。
【0028】
而して、これらの油捕集素材10を用いて、図2又は図3に示す如き油捕集材20又は30を製造する。
図2に示した実施例においては、油捕集素材10を多数回ループ状に巻き、その一個所を結束し、マルチループ状の油捕集材20とする。
ループの直径は1m以上、3m以下とすることが望ましく、又、ループの巻き数は1回以上、100回以下、望ましくは80回以下、更に望ましくは50以下とすることが望ましい。ループが充分に太い場合には、通常は3、4回巻、最低1巻で充分である。
尚、この油捕集材を製造する際には、上記の如く油捕集素材10を多数回ループ状に巻く代りに、適宜の長さに切断した油捕集素材10を一巻してシングルループを多数作成し、これをドーナツ状に取り纏め、その一個所を束ねるようにしても良い。
【0029】
図3に示した実施例においては、油捕集素材10を所定の長さに切り揃え、所望本数ずつ取り纏めその一端を結束し、房状の油捕集材30とする。
この房状油捕集材30は又、前記のマルチループ状油捕集材20のループを、結束位置とは反対側で切断することによっても製造し得るものである。
油捕集材の望ましい長さは0.1m以上、5m以下、更に望ましくは、0.3m以上、3m以下である。
【0030】
一般的には、マルチループ状油捕集材20は、房状油捕集材30よりも製造は簡単であるが、油捕集能力、保持能力の点では房状油捕集材30の方が勝っている。その理由は、油を含んだ際、房状油捕集材30の繊維は筆の穂先のように良く揃い、総ての繊維が密着してその間に無駄無く油を含むからである。
【0031】
これらの油捕集材は、図4及び5に示す如く、長いロープからなる支持体に多数連ねて結合し、油捕集器として使用するものである。
図4に示した油捕集器40は、多数のループ状油捕集材20をロープ41に取り付けて成るものであり、図5に示した油捕集器50は、多数の房状油捕集材30をロープ51に取り付けて成るものである。
而してこれらの油捕集材を取り付ける間隔は、この装置を海上に敷設、展開した際に、油捕集素材が適宜に接触し重なり合い、海上に浮遊する油を確実に包囲し得るように定められる。
【0032】
このとき用いるロープとしては、前記のイージーループなどの特殊カゴ型構造ロープなどを使用することが推奨される。このロープは細い紐を細長い中空円筒状に、荒い籠編みに編み上げてなるロープであり、金具で巻き締めたロープの一端を編み目を通してロープ内部に挿通することにより、極めて容易に、ロープ端部同士を接続したり、アイを形成したりできるので、油捕集器同士を結合したり、端部をブイなどに係留するのに便利である。
【0033】
本発明に係る油捕集器は、これを多数一連に連結して、海面などに流出した油を包囲し、油の拡散を防ぐと共に、油を吸着させた油捕集器を引上げ油を搾り取って回収するため用いられるが、図6に示すようにして油を回収するのに用いることも推奨されるものである。
図6に示す方法は、油捕集器を多数一連に連結して、長い油捕集器62とし、その両端を、それぞれ2艘の油回収船60,60により保持せしめ、油64が流出した海面を曳航し、流出油を捕集するものである。
【0034】
以下、本発明品と、従来公知の構成の対照品とを、略同一の条件で製作し、比較試験を行った結果を示す。
これらの試供品は、使用した油捕集素材の形状以外は、略同等のものである。
本発明品については、油捕集素材として、ポリプロピレン製フィルムを解繊装置により、長さ方向に不完全に裂いて得た解繊糸を用いたが、従来品については、ポリプロピレン製テープが用いられた。
【0035】
何れの試供品も、使用する油捕集素材により直径600mmのシングルループを多数作成し、それらをそれぞれ同量宛取り分け、ドーナツ状に揃えて一箇所をポリプロピレン製の紐で結束し、マルチループの油捕集材とし、試験に供した。
【0036】
この試供品の重量Wを測定した後、試験油に浸漬し、人力で5分間攪拌後、15分間静置して引き上げ、30秒経過後の総重量W及び24時間静置後引き上げ、30秒後の総重量Wを計測し、下式により油捕集比S0及びSを算出した。更に試験油に浸漬し、人力で5分間攪拌後、15分間静置して引き上げ、10分経過後の総重量W、2時間経過後の総重量W3を計測し、油保持能力比H0及びHを算出した。
S=(W −W)/W
S=(W −W)/W
H=(W −W)/W
H=(W −W)/W
S 、S及びH、Hは、何れも油捕集素材単位重量当りの捕集油重量及び保持油重量である。
【0037】
粘度14,000cPのムース油を用いたときの試験結果は、本発明品については、
S=50gr/gr
S=74gr/gr
H=15gr/gr
H=10gr/gr
対照品に付いては、
S=46gr/gr
S=52gr/gr
H=10gr/gr
H= 5gr/gr
であった。
この試験結果から、本発明品は、従来公知のテープ状油捕集素材に比し、油捕集能力において1.4倍、油保持能力において2倍以上の能力があることが判明する。
【0038】
又、本発明品は特に高粘度油の回収を目的として開発されたものであるが、軽油、A重油等の低粘度油でも自重の7〜10倍程度の油を捕集し得るものである。この油捕集能力は公知のものの1.5倍程度に相当するので、それらのの回収にも効率良く使用できるものである。
このような油捕集能力の向上は、使用する油捕集器の数量削減に役立ち、油保持能力の高さは油を捕集した装置を船上に引上げ処理する際の作業性を大幅に改善する。
【0039】
尚、本発明の構成は叙上の実施例に限定されるものでなく、例えば、上記にはロープからなる支持部材に一定の形状寸法の油保持具を取り付けたが、これは大小二様のものを交互に取り付けることも推奨され、上記の油捕集素材を筵状、網状などに織成して、油捕集や油捕集器として用いることもあり、更に本発明は上記の説明から容易に相当し得る総ての変更例を包摂するものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成されるから、本発明によるときは、取扱いが容易であり、使用量が少なくて済み、敷設及び回収作業が簡単で、効率良く油を回収し得る油捕集器及び油捕集方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油捕集素材の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集材の一実施例を示す正面図である。
【図3】図1に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集材の第二の実施例を示す正面図である。
【図4】図2に示した油捕集材を用いて構成した油捕集器の一実施例を示す正面図である。
【図5】図3に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集器の一実施例を示す正面図である。
【図6】油回収方法の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる房状の油捕集材を用いた油捕集器の一部を示す写真である。
【図8】その油捕集器で用いられた油捕集材の一部拡大写真である。
【図9】上記油捕集器で用いた油捕集素材を扇状に広げた状態を示す写真である。
【図10】図9に示した油捕集素材に一部拡大写真である。
【符号の説明】
10 油捕集素材
11 親油疎水性不撚糸
20 油捕集素材
30 油捕集素材
40 油捕集器
41 ロープ状支持体
50 油捕集器
51 ロープ状支持体
60 油回収船
62 油捕集器
64 油

Claims (5)

  1. 解繊糸から成る親油疎水性不撚糸を多数平行に揃え、紐状に纏めて成る油捕集素材をマルチループ状或いはシングルループ状にしてなる油捕集材
  2. 親油疎水性不撚糸が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群の中から選ばれた少なくとも一種の合成繊維から成る請求項1に記載の油捕集材
  3. 請求項1または2に記載の油捕集素材を、複数本取り揃え、その一端を結束して成る房状の油捕集材。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の油捕集材を、長尺のロープ状支持体に結合して成る油捕集器。
  5. 請求項に記載の油捕集器を多数一連に連結し、その両端部を、それぞれ2艘の油回収船により保持し、流出油を捕集することを特徴とする流出油捕集方法。
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