JP2002113360A - 油捕集素材、それを用いて成る油捕集材及び油捕集器、並びに、その油捕集器による油捕集方法 - Google Patents

油捕集素材、それを用いて成る油捕集材及び油捕集器、並びに、その油捕集器による油捕集方法

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JP2002113360A
JP2002113360A JP2000305700A JP2000305700A JP2002113360A JP 2002113360 A JP2002113360 A JP 2002113360A JP 2000305700 A JP2000305700 A JP 2000305700A JP 2000305700 A JP2000305700 A JP 2000305700A JP 2002113360 A JP2002113360 A JP 2002113360A
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/68Treatment of water, waste water, or sewage by addition of specified substances, e.g. trace elements, for ameliorating potable water
    • C02F1/681Treatment of water, waste water, or sewage by addition of specified substances, e.g. trace elements, for ameliorating potable water by addition of solid materials for removing an oily layer on water

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Abstract

(57)【要約】 【課題】油捕集能力が大幅に改善された油捕集素材及び
それを用いた油捕集用の資材を安価かつ大量に提供する
と共に、それらを用いる油回収方法を提供する。 【解決手段】本発明の上記の目的は、親油疎水性の不撚
糸を多数平行に揃えて成る油捕集素材、それを用いて構
成された油捕集材、更にその捕集具を多数ロープに連結
して成る、油捕集器及びそれらを用いる油回収方法によ
って達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場、精油施設、
タンカーその他の船舶などから、海洋、河川、湖沼等の
水面に流出した油、特に重質油を回収するため用いる油
捕集素材、それを用いて成る油捕集材及びその油捕集材
をロープで連ねて成る油捕集器、並びにそれらを用いる
油回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水面に流出した油を回収するため、親油
疎水性の樹脂から成る油吸着マットが用いられている
が、このようなマットでは、100cSt以上の中質油、重質
油などの高粘度油や、C重油が海水と混合して生じた1
4,000cSt以上のムース油などを、例えばA重油などの、
1cSt程度の低粘度油と同じように効率よく吸着すること
ができない。それは、このような高粘度油は、マットに
良く吸着されないためである。
【0003】このような高粘度油やムース油を回収する
技術は、例えば、特開昭51−145484号、米国特許第3285
4号等に開示されており、実用品として米国パーカーシ
ステムズ社から『オイルスネアー』(商品名)として上
市されているものがある。
【0004】これは、幅0.5〜12.7mm、厚さ12〜127μ
m、長さ約190mmのポリプロピレン製テープ の両端を接
合し、直径600mm程度のシングルループを多数作成し、
複数のシングルループを略同心にドーナツ状に取り揃え
てマルチループとし、その一箇所をポリプロピレン製の
紐等で束ね、更にそれらを多数ポリプロピレン製ロープ
に取り付けて成るものである。
【0005】典型的な実施態様において、1個のマルチ
ループの重量は、230g程度であり、長尺のロープに約50
0mm間隔で多数取り付けられ、水面に流出した油を包囲
し、油の拡散を抑制すると共に、油を捕集、回収するす
るため用いられる。
【0006】この油捕集器は日本近海の油流出事故の処
理にも貢献した実績があるが、その油捕集能力は必ずし
も充分とは言えず、又捕集した油を確実に保持する能力
が低下する場合もあり、又、油の拡散を確実に防止し、
確実に回収するためには、大勢の作業員の長時間にわた
る過酷な労働が要求されるため、より油吸着能力が優
れ、迅速かつ軽作業で油を回収し得る油捕集器が要求さ
れている。
【0007】一旦事故が発生したときは、可能な限り迅
速に被害の拡大を食い止め、油を回収しなければ被害は
飛躍的に拡大する。そのため、事故に対処する人達は、
長期に亘り苛酷で危険な労働を強いられるのが現状であ
る。優れた油捕集能力を有する油捕集用の資材が提供さ
れれば、環境の保全と、労働衛生、作業の安全および処
理経費の削減に貢献することができる。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するためなされたものであって、その目的とする
ところは、先ず、油捕集能力が大幅に改善された油捕集
素材及びそれを用いた油捕集用の資材を安価かつ大量に
提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、装置が柔軟であるた
め、油回収作業の際の取り扱いが容易で、作業員の労働
を軽減でき、安全かつ迅速に油を回収し得る油捕集器及
び油捕集方法を提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、上記本発明にか
かる資材の効果的使用方法、即ち、能率の良い油回収方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決する手段】本発明の上記の目的は、親油疎
水性の不撚糸を多数平行に揃えて成る油捕集素材によっ
て達成される。ここで、不撚糸とは、撚糸でない繊維を
言い、長短、形状、材質を問わない。好ましい実施例に
おいて、油捕集素材は、トウ若しくはスライバー、又は
それらの混合繊維により構成され、スライバーとして
は、プリットヤーン短繊維、パーストヤーン短繊維、短
いフィラメント若しくはステープルファイバー又はそれ
らの混合繊維が用いられる。
【0012】トウとは、多数のモノフィラメントを実質
的に撚りを掛けずに長さ方向に引き揃えたフィラメント
集合体であり、束ねられたり撚り合わされたりしてはい
ないが、フィラメント同士が適度に絡まり合い、細長い
紐状体としてまとまっているものである。
【0013】スライバーとは、スフ、即ちステーブル・
ファイバーなどの短繊維を梳り、繊維を長さ方向に平行
に揃え、通常、直径20〜30mm程度に引き延ばしたもの
で、短繊維同士が適度に絡まり合い、細長い紐状体とな
っているものである。スライバー用の短繊維としては、
スフの外、スプリットヤーン短繊維、パーストヤーン短
繊維、短いフィラメント又はそれらの混合繊維などが用
いられる。トウ又はスライバーには繊度3,000〜10,000
デニール程度の繊維が用いられ、これらの繊維が相互の
接触、交絡、よじれなどにより紐状にまとまるものであ
る。
【0014】解繊糸を用いたものも好ましい実施例の一
つである。油捕集素材を構成する繊維の材料は、親油疎
水性であれば特に制約はないが、合成繊維であれば、ポ
リエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジ
オタクチックポリプロピレン、エチレン−プロピレンコ
ポリマー、オレフィン−ノルボルネンコポリマー、ポリ
ブテん等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル等のビニル系重合体、PET、PBT等の芳香族ポリエ
ステル、ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミド、
ポリ乳酸、ポリサクシニックブチレート等の脂肪族ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリエステルポリオール、ポ
リカーボネート、レーヨン、ポリエチレンテレフタレー
ト又はそれらの共重合体から成る繊維を用いることがで
きるが、中でも親油性と疎水性とを有するポリオレフィ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー
が特に推奨される。
【0015】又これらの熱可塑性樹脂には、親油性を高
めるため、例えば、高級脂肪酸、ポリオレフィンワック
ス等を添加又は塗布することが推奨され、更に必要に応
じて、紫外線吸収剤等の耐候性付与剤を添加又は塗布し
ても良い。又、天然繊維としては、綿、麻、絹、木質繊
維などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を用いることが
できる。使用する繊維の繊度は、、1デニール以上、10
0,000デニール以下、望ましくは1,000デニール以上、5
0,000デニール以下、更に望ましくは、25,000前後とす
ることが望ましい。
【0016】而して、本発明においては、これらの油捕
集素材を用いて、油捕集材を製造し、それらの油捕集材
をロープで連ねて油捕集器を構成する。好ましい実施例
において、油捕集素材を複数回ループ状に巻き揃え、そ
の一個所を結束し、マルチループ状の油捕集材を製作す
る。他の好ましい実施例においては、一定長に切り揃え
た油捕集素材の両端部を接合してシングルループを形成
し、多数のシングルループをドーナツ状に取り纏め、そ
の一個所を結束してマルチループ状の油捕集材を得る。
ループが充分に太いものであれば、ループは一巻であっ
ても良い。
【0017】更に他の好ましい実施例においては、一定
長に切り揃えた油捕集素材を、複数本互いに密着するよ
う取り揃え、その一端を結束して房状の油捕集材を得
る。これらの油捕集材を多数、長尺のロープ状支持体に
結合して油捕集器とするが、その際のロープ状支持体と
しては、細紐を荒目に編成して成る長尺の中空円筒状ロ
ープ、例えば、特殊カゴ形構造ロープとして知られたイ
ージーループ(商品名、丸高製綱株式会社製などを使用
することが望ましい。
【0018】この中空円筒状ロープは、その端部の繊維
を圧縮、一体化処理して、ロープの編目を貫通し得る先
細の連結用刺針としてあり、これらの連結用刺針状の端
部を荒目に編まれたロープの編目を刺し通し得るように
なっている。このため、二本のロープのそれぞれの一端
部を互いに他のロープの端部近傍の編目に刺し通し、そ
の二本のロープを連結することができ、又ロープの一端
部をその近傍に刺し通して、係留用のアイを形成するこ
とができるものである。又これらの油捕集器は、複数一
連に長く連結し、海面に流出した油を包囲したり、その
両端部を、それぞれ2艘の油回収船により保持し、油が
流出した海面を曳航し、流出油を捕集するため使用する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施例
ついて説明する。図1は本発明に係る油捕集素材の一実
施例を示す正面図、図2は図1に示した油捕集素材を用
いて構成した油捕集材の一実施例を示す正面図、図3は
同様の油捕集素材を用いて構成した油捕集材の第二の実
施例を示す正面図、図4は図2に示した油捕集材を用い
て構成した油捕集器の一実施例を示す正面図、図5は図
3に示した油捕集素材を用いて構成した油捕集器の一実
施例を示す正面図、図6は油捕集器を用いた油回収方法
の一例を示す斜視図、図7は本発明にかかる房状の油捕
集材を用いた油捕集器の一部を示す写真、図8はその油
捕集器で用いられた油捕集材の一部拡大写真、図9は上
記油捕集器で用いた油捕集素材を扇状に広げた状態を示
す写真、図10は図9に示した油捕集素材に一部拡大写
真である。
【0020】図1において、10は多数の不撚糸、即ち撚
りを掛けられていないモノフィラメント11を撚り合わす
ことなく一本に取り纏め、長尺の油捕集素材としたもの
である。一実施例において、油捕集素材10はトウ、即
ち、多数の不撚糸11を実質的に撚りをかけずに長さ方向
に多数本平行に引き揃え、直径10〜30mm程度の長いフイ
ラメント集合体としたものである。
【0021】一般的には、不撚糸11は、繊度1デニール
以上、100,000デニール以下、望ましくは、1,000デニー
ル以上、50,000デニール以下、更に望ましくは、25,000
デニール前後、即ち、20,000デニール以上、30,000デニ
ール以下のものとすることが推奨される。通常、紡績に
供されるトウは、繊維の分繊性、平行度が良好なことが
要求され、又、フィラメント同士のよじれ、もつれなど
は望ましくないとされるが、本発明においては、これら
は油捕集効果の増進に寄与する。
【0022】又、他の一実施例において、油捕集素材10
は、スライバー、即ち、スフ(ステープル・ファイバ
ー)等の短繊維を梳り、繊維を長さ方向に平行な状態に
引き揃え、通常、直径10〜30mm程度の細長い繊維連続体
としたものから成る。スライバーを構成する短繊維とし
ては、例えば、スプリットヤーン、パーストヤーン、フ
ィラメント及びステープルファイバー等の短繊維が挙げ
られる。
【0023】一般的に本発明で用いるスフの繊度は、1
デニール以上、100,000デニール以下、望ましくは、1,0
00デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましく
は、25,000デニール前後、即ち、20,000デニール以上、
30,000デニール以下とすることが推奨される。このスラ
イバーにおいても、紡績に供されるものと異なり、フィ
ラメント同士のよじれ、もつれなどがあるほうが望まし
い。
【0024】本発明に係る油捕集素材の第三の実施例に
おいては、スプリットヤーン、即ち、縦裂き糸が用いら
れる。本発明において用い得るスプリットヤーンの態様
としては、例えば、解繊糸、即ちフィルムを適当な幅で
切断し、延伸してから更に細かく縦方向に割り裂いて、
細い繊維集合体としたものを挙げることができる又、ス
プリットヤーンの他の態様としては、例えば、細かくス
リットしたフィルムをフイブリル化するまで延伸し、衝
撃的応力を与えることにより弱い方向に割り、たて方向
に裂け目を生じせしめ、1〜5デニール程度の繊度の集合
体としたものを挙げることができる。
【0025】スプリットヤーンは、一般的には、各繊維
が相互に連携をもち、繊維の性質としては、フィイラメ
ントと紡績糸の中間的性質を有する。本発明において用
いるスプリットヤーンの繊度は、特に限定されるもので
はないが、一般的には、やや太めの500〜5,000デニール
程度となる。
【0026】本発明において用いる繊維の原料は、特に
限定されるものではなく、親油疎水性の繊維であれば良
い。合成繊維であれば、ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンコポリマー、オレフィン−ノ
ルボルネンコポリマー、ポリブテん等のポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニル系重合
体、PET、PBT等の芳香族ポリエステル、ナイロン6、ナ
イロン66、等のポリアミド、ポリ乳酸、ポリサクシニ
ックブチレート等の脂肪族ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリエステルポリオール、ポリカーボネート、レー
ヨン、ポリエチレンテレフタレート又はそれらの共重合
体から成る繊維を用いることができるが、中でも親油性
と疎水性とを有するポリオレフィン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレンコポリマーが特に推奨される。
【0027】又これらの熱可塑性樹脂には、親油性を高
めるため、例えば、高級脂肪酸、ポリオレフィンワック
ス等を添加又は塗布することが推奨され、更に必要に応
じて、紫外線吸収剤等の耐候性付与剤を添加又は塗布し
ても良い。又、天然繊維としては、綿、麻、絹、木質繊
維などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を用いることが
できる。
【0028】而して、これらの油捕集素材10を用いて、
図2又は図3に示す如き油捕集材20又は30を製造する。
図2に示した実施例においては、油捕集素材10を多数回
ループ状に巻き、その一個所を結束し、マルチループ状
の油捕集材20とする。ループの直径は1m以上、3m以下
とすることが望ましく、又、ループの巻き数は1回以
上、100回以下、望ましくは80回以下、更に望ましくは5
0以下とすることが望ましい。ループが充分に太い場合
には、通常は3、4回巻、最低1巻で充分である。尚、こ
の油捕集材を製造する際には、上記の如く油捕集素材10
を多数回ループ状に巻く代りに、適宜の長さに切断した
油捕集素材10を一巻してシングルループを多数作成し、
これをドーナツ状に取り纏め、その一個所を束ねるよう
にしても良い。
【0029】図3に示した実施例においては、油捕集素
材10を所定の長さに切り揃え、所望本数ずつ取り纏めそ
の一端を結束し、房状の油捕集材30とする。この房状油
捕集材30は又、前記のマルチループ状油捕集材20のルー
プを、結束位置とは反対側で切断することによっても製
造し得るものである。油捕集材の望ましい長さは0.1m以
上、5m以下、更に望ましくは、0.3m以上、3m以下であ
る。
【0030】一般的には、マルチループ状油捕集材20
は、房状油捕集材30よりも製造は簡単であるが、油捕集
能力、保持能力の点では房状油捕集材30の方が勝ってい
る。その理由は、油を含んだ際、房状油捕集材30の繊維
は筆の穂先のように良く揃い、総ての繊維が密着してそ
の間に無駄無く油を含むからである。
【0031】これらの油捕集材は、図4及び5に示す如
く、長いロープからなる支持体に多数連ねて結合し、油
捕集器として使用するものである。図4に示した油捕集
器40は、多数のループ状油捕集材20をロープ41に取り付
けて成るものであり、図5に示した油捕集器50は、多数
の房状油捕集材30をロープ51に取り付けて成るものであ
る。而してこれらの油捕集材を取り付ける間隔は、この
装置を海上に敷設、展開した際に、油捕集素材が適宜に
接触し重なり合い、海上に浮遊する油を確実に包囲し得
るように定められる。
【0032】このとき用いるロープとしては、前記のイ
ージーループなどの特殊カゴ型構造ロープなどを使用す
ることが推奨される。このロープは細い紐を細長い中空
円筒状に、荒い籠編みに編み上げてなるロープであり、
金具で巻き締めたロープの一端を編み目を通してロープ
内部に挿通することにより、極めて容易に、ロープ端部
同士を接続したり、アイを形成したりできるので、油捕
集器同士を結合したり、端部をブイなどに係留するのに
便利である。
【0033】本発明に係る油捕集器は、これを多数一連
に連結して、海面などに流出した油を包囲し、油の拡散
を防ぐと共に、油を吸着させた油捕集器を引上げ油を搾
り取って回収するため用いられるが、図6に示すように
して油を回収するのに用いることも推奨されるものであ
る。図6に示す方法は、油捕集器を多数一連に連結し
て、長い油捕集器62とし、その両端を、それぞれ2艘の
油回収船60,60により保持せしめ、油64が流出した海面
を曳航し、流出油を捕集するものである。
【0034】以下、本発明品と、従来公知の構成の対照
品とを、略同一の条件で製作し、比較試験を行った結果
を示す。これらの試供品は、使用した油捕集素材の形状
以外は、略同等のものである。本発明品については、油
捕集素材として、ポリプロピレン製フィルムを解繊装置
により、長さ方向に不完全に裂いて得た解繊糸を用いた
が、従来品については、ポリプロピレン製テープが用い
られた。
【0035】何れの試供品も、使用する油捕集素材によ
り直径600mmのシングルループを多数作成し、それらを
それぞれ同量宛取り分け、ドーナツ状に揃えて一箇所を
ポリプロピレン製の紐で結束し、マルチループの油捕集
材とし、試験に供した。
【0036】この試供品の重量Wを測定した後、試験油
に5分間浸漬、人力で攪拌後、15分間静置して引き上
げ、30秒経過後の総重量W及び24時間静置後引き上
げ、30秒後の総重量Wを計測し、下式により油捕集比S
0及びSを算出した。更に試験油に5分間浸漬、人力で攪
拌後、15分間静置して引き上げ、10分経過後に総重量W
時間経過後の総重量W3を計測し、油保持能力比H0及び
H1を算出した。 S=(W −W)/W S =(W −W)/W H=(W −W)/W H=(W −W)/W S、S及びH、Hは、何れも油捕集素材単位重量当
りの捕集油重量及び保持油重量である。
【0037】粘度14,000cPのムース油を用いたときの試
験結果は、本発明品については、 S=50gr/gr S =74gr/gr H=15gr/gr H1=10gr/gr 対照品に付いては、 S=46gr/gr S =52gr/gr H=10gr/gr H1= 5gr/gr であった。この試験結果から、本発明品は、従来公知の
テープ状油捕集素材に比し、油捕集能力において1.4
倍、油保持能力において2倍以上の能力があることが判
明する。
【0038】又、本発明品は特に高粘度油の回収を目的
として開発されたものであるが、軽油、A重油等の低粘
度油でも自重の7〜10倍程度の油を捕集し得るものであ
る。この油捕集能力は公知のものの1.5倍程度に相当す
るので、それらのの回収にも効率良く使用できるもので
ある。このような油捕集能力の向上は、使用する油捕集
器の数量削減に役立ち、油保持能力の高さは油を捕集し
た装置を船上に引上げ処理する際の作業性を大幅に改善
する。
【0039】尚、本発明の構成は叙上の実施例に限定さ
れるものでなく、例えば、上記にはロープからなる支持
部材に一定の形状寸法の油保持具を取り付けたが、これ
は大小二様のものを交互に取り付けることも推奨され、
上記の油捕集素材を筵状、網状などに織成して、油捕集
や油捕集器として用いることもあり、更に本発明は上記
の説明から容易に相当し得る総ての変更例を包摂するも
のである。
【0040】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるから、本
発明によるときは、取扱いが容易であり、使用量が少な
くて済み、敷設及び回収作業が簡単で、効率良く油を回
収し得る油捕集器及び油捕集方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油捕集素材の一実施例を示す正面
図である。
【図2】図1に示した油捕集素材を用いて構成した油捕
集材の一実施例を示す正面図である。
【図3】図1に示した油捕集素材を用いて構成した油捕
集材の第二の実施例を示す正面図である。
【図4】図2に示した油捕集材を用いて構成した油捕集
器の一実施例を示す正面図である。
【図5】図3に示した油捕集素材を用いて構成した油捕
集器の一実施例を示す正面図である。
【図6】油回収方法の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる房状の油捕集材を用いた油捕集
器の一部を示す写真である。
【図8】その油捕集器で用いられた油捕集材の一部拡大
写真である。
【図9】上記油捕集器で用いた油捕集素材を扇状に広げ
た状態を示す写真である。
【図10】図9に示した油捕集素材に一部拡大写真であ
る。
【符号の説明】
10 油捕集素材 11 親油疎水性不撚糸 20 油捕集素材 30 油捕集素材 40 油捕集器 41 ロープ状支持体 50 油捕集器 51 ロープ状支持体 60 油回収船 62 油捕集器 64 油
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月6日(2000.10.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】この試供品の重量Wを測定した後、試験油
に浸漬し、人力で5分間攪拌後、15分間静置して引き上
げ、30秒経過後の総重量W及び24時間静置後引き上
げ、30秒後の総重量Wを計測し、下式により油捕集比S
0及びSを算出した。更に試験油に浸漬し、人力で5分
間攪拌後、15分間静置して引き上げ、10分経過後の総重
量W 、2時間経過後の総重量W3を計測し、油保持能力
比H0及びHを算出した。 S=(W −W)/W S=(W −W)/W H=(W −W)/W H=(W −W)/W S、S及びH、Hは、何れも油捕集素材単位重量
当りの捕集油重量及び保持油重量である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】粘度14,000cPのムース油を用いたときの試
験結果は、本発明品については、 S=50gr/gr S=74gr/gr H=15gr/gr H=10gr/gr 対照品に付いては、 S=46gr/gr S=52gr/gr H=10gr/gr H= 5gr/gr であった。この試験結果から、本発明品は、従来公知の
テープ状油捕集素材に比し、油捕集能力において1.4
倍、油保持能力において2倍以上の能力があることが判
明する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江崎 元幸 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 一生 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4D024 AA05 AB06 BA17 BB02 4D051 AA01 AB07 CA26 4G066 AC13B AC23B BA16 CA05 DA07 FA25

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親油疎水性不撚糸(11)を多数平行に揃
    え、紐状に纏めて成る油捕集素材(10)。
  2. 【請求項2】トウである請求項1に記載の油捕集素材
    (10)。
  3. 【請求項3】トウが、スプリットヤーン、バーストヤー
    ン及びモノフィラメントからなる群の中からから選ばれ
    た少なくとも一種の長繊維から成る請求項2に記載の油
    捕集素材(10)。
  4. 【請求項4】スライバーである請求項1に記載の油捕集
    素材(10)。
  5. 【請求項5】トウ及びスライバーから成る請求項1に記
    載の油捕集素材(10)。
  6. 【請求項6】スライバーが、スプリットヤーン、バース
    トヤーン、モノフィラメント及びステープルファイバー
    からなる群の中からから選ばれた少なくとも一種の短繊
    維から成る請求項4または5に記載の油捕集素材(1
    0)。
  7. 【請求項7】解繊糸から成る請求項1に記載の油捕集素
    材(10)。
  8. 【請求項8】ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエ
    チレンテレフタレートからなる群の中から選ばれたた少
    なくとも一種の樹脂組成物から成る請求項1乃至7のい
    ずれか一に記載の油捕集素材(10)。
  9. 【請求項9】繊度1デニール以上、100,000デニールの繊
    維から成る請求項1乃至8のいずれか一に記載の油捕集
    素材(10)。
  10. 【請求項10】繊度1,000デニール以上、50,000デニー
    ルの繊維から成る請求項1乃至8のいずれか一に記載の
    油捕集素材(10)。
  11. 【請求項11】繊度20,000デニール以上、30,000デニー
    ルの繊維から成る請求項1乃至8のいずれか一に記載の
    油捕集素材(10)。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11のいずれか一に記載の
    油捕集素材(10)を複数回ループ状に巻き揃え、その一
    個所を結束して成るマルチループ状の油捕集材(20)。
  13. 【請求項13】請求項1乃至9のいずれか一に記載の油
    捕集素材(10)を、所定の長さに切断し、両端を接合し
    てシングルループを形成し、シングルループ状の油捕集
    材(20)。
  14. 【請求項14】請求項1乃至9のいずれか一に記載の油
    捕集素材(10)を、所定の長さに切断し、両端を接合し
    てシングルループを形成し、多数のシングルループを略
    同軸に取り纏め、その一個所を結束して成るマルチルー
    プ状の油捕集材(20)。
  15. 【請求項15】ループの直径が0.1m以上、5m以下であ
    る、請求項12乃至14のいずれか一に記載の油捕集材
    (20)。
  16. 【請求項16】ループの直径が0.3m以上、1m以下であ
    る、請求項12乃至14のいずれか一に記載の油捕集材
    (20)。
  17. 【請求項17】一定長に切り揃えた請求項1乃至9に記
    載の油捕集素材(10)を、複数本取り揃え、その一端を
    結束して成る房状の油捕集材(30)。
  18. 【請求項18】油捕集素材(10)の長さが0.1m以上、5
    m以下である、請求項17に記載の油捕集材(30)。
  19. 【請求項19】油捕集素材(10)の長さが0.3m以上、1
    m以下である、請求項17に記載の油捕集材(30)。
  20. 【請求項20】請求項10乃至18のいずれか一に記載
    の油捕集材(20、30)を多数、それらの結束部を、長尺
    のロープ状支持体(41、51)に結合して成る油捕集器
    (40、50)。
  21. 【請求項21】長尺のロープ状支持体(41、51)が、細
    紐を荒目に編成して成る長尺の中空円筒状ロープである
    請求項20に記載の油捕集器(40、50)。
  22. 【請求項22】中空円筒状ロープの端部の繊維が、一体
    化処理されて、ロープの編目を貫通し得る先細の連結用
    刺針とされており、これにより二本のロープのそれぞれ
    の一端部が互いに他のロープの端部近傍の編目を少なく
    とも一回貫通し、これにより上記二本のロープを連結し
    得るよう構成された、請求項21に記載の油捕集器(4
    0、50)。
  23. 【請求項23】請求項20乃至22の何れか一に記載の
    油捕集器複数一連に連結し、その両端部を、それぞれ2
    艘の油回収船(60、60)により保持し、油が流出した海
    面を曳航し、流出油を捕集することを特徴とする流出油
    捕集方法。
  24. 【請求項24】請求項1乃至7のいずれか一に記載の油
    捕集素材(10)を織成して成る油捕集器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012011367A (ja) * 2010-07-05 2012-01-19 Fukuhara Co Ltd エアーフィルター
RU2460667C1 (ru) * 2011-02-08 2012-09-10 Игорь Алексеевич Зотов Устройство для сбора нефти с поверхности воды
JP2015123100A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 山崎産業株式会社 水浮遊性物質除去具
WO2017208545A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 株式会社クレハ 油捕集体

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