JP4721658B2 - ウェハ支持部材 - Google Patents

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Description

本発明は、主にウェハを加熱する際に用いるウェハ加熱装置に関、例えば半導体ウェハや液晶装置あるいは回路基板等のウェハ上に薄膜を形成したり、記ウェハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成したりする際に好適なウェハ支持部材に関する。
半導体製造装置の製造工程における、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジスト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウェハ(以下、ウェハと略す)を加熱するためのウェハ支持部材が用いられている。
従来の半導体製造装置は、複数のウェハを一括して加熱するバッチ式と、1枚ずつ加熱する枚様式とがあり、枚葉式には、温度制御性に優れているので、半導体素子の配線の微細化とウェハ熱処理温度の精度向上が要求されるに伴い、ウェハ支持部材が広く使用されている。
このようなウェハ支持部材として、例えば特許文献1、特許文献2や特許文献3には、図8に示すようなウェハ支持部材71が提案されている。
このウェハ支持部材71は、板状セラミック体72、金属製のケース79、を主要な構成要素としたもので、アルミニウム等の金属からなる有底状の金属製のケース79の開口部に、窒化物セラミックスや炭化物セラミックスからなる板状セラミック体72を樹脂製の断熱性の接続部材74を介してボルト80で固定され、その上面をウェハWを載せる載置面73とするとともに、板状セラミック体72の下面に、例えば図9に示すような同心円状の抵抗発熱体75を備えていた。
さらに、抵抗発熱体75の端子部には、給電端子77がロウ付けされており、この給電端子77が金属製のケース79の底部79aに形成されたリード線引出用の孔76に挿通されたリード線78と電気的に接続されていた。
ところで、このようなウェハ支持部材71において、ウェハWの表面全体に均質な膜を形成したり、レジスト膜の加熱反応状態を均質にしたりするためには、ウェハの温度分布を均一にすることが重要である。その為、これまでウェハの面内の温度差を小さくするため、載置面73にウェハW支持ピン(不図示)を設け、ウェハWを載置面73から微小な距離浮かしたウェハ支持部材71が特許文献4に記載されている。
特許文献5には、板状セラミック体72の周縁にウェハWを取り囲む壁を設け、ウェハWの横ずれを防ぐウェハ支持部材が開示されている。
また、特許文献6には、図9に示すように、板状セラミック体72の外縁部にウェハWと嵌合させるための突部を形成し、該突部の内側には、ウェハWと抵触する多数の凸状体を形成することで均一な温度分布を実現するウェハ支持部材が開示されている。
また、特許文献7には板状セラミック体の周辺にウェハWの位置決めを行うガイドピンを備えることで、ウェハWを均一な温度分布としたウェハ支持部材が開示されている。
更に、特許文献8にはウェハWの支持ピンの高さを自由に調整することでウェハWの温度分布を調整できるウェハ支持部材が開示されている。また、支持ピンにガイドピンを嵌合させたウェハ支持部材が開示されている。
しかし、いずれも非常に複雑で微妙な構造、制御が必要になるという課題があり、簡単な構造で温度分布を更に均一に加熱できるようなウェハ支持部材が求められていた。
特開2001−203156号公報 特開2001−313249号公報 特開2002−76102号公報 特開平10−223642号公報 特開平10−229114号公報 特開2002−237375号公報 特開2002−184683号公報 特開2001−68407号公報
近年半導体素子の配線微細化に伴い使用され始めた化学増幅型レジストにおいては、ウェハの温度の均一性は勿論のこと、ウェハを熱処理装置に載置した瞬間から離脱し熱処理を終了させるまでの過渡的な温度履歴も極めて重要となり、ウェハ載置直後から概ね60秒以内にウェハの温度が均一に安定することが望まれている。
しかしながら、特許文献5や特許文献6に紹介されている装置では、板状セラミック体の周辺部の肉厚が大きく熱容量が大きいことからウェハW面内の過渡温度が不均一で、ウェハの面内の温度差は0.4〜1.2℃と大きく、また、板状セラミック体の外周の放熱の影響から温度が安定するまでの応答時間が大きくなる虞があった。
また、特許文献8に記載のウェハ支持部材では、ウェハWの周辺部と中心部の温度差を調整することができない虞があり、しかも支持ピンの高さを微調整することは困難であり、調整できてもウェハ表面の温度差は1℃以上と大きなものであった。
更に、何れのウェハ支持部材も、ウェハWを均一に加熱したり、ウェハWを急速に昇温したり急速に降温させる時間が大きくなる虞があった。
本発明のウェハ支持部材は、板状セラミック体の一方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部と、該周辺凸部の内側に該周辺凸部より高さの低い内側凸部を備え、上記周辺凸部の固定穴と上記周辺凸部を固定するボルトとの間に0.5〜1.5mmのクリアランスを具備し、上記周辺凸部が、上記板状セラミック体の半径方
向または垂直方向の少なくとも一方向に移動可能となるように保持されていることを特徴とする。
また、上記周辺の凸部の載置面に平行な外形を示す断面が円形であることを特徴とする。
また、上記周辺の凸部は柱状で頂部の径が小さく、底面の径が大きいことを特徴とする。
また、本発明のウェハ支持部材は、板状セラミック体の一方の主面に抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように上記板状セラミック体と接続したケースと、該ケースに記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部と、該周辺凸部の内側に該周辺凸部より高さの低い内側凸部を備え、上記周辺凸部の固定穴と上記周辺凸部を固定するボルトとの間に0.5〜1.5mmのクリアランスを具備し、上記周辺凸部が、上記板状セラミック体の半径方向または垂直方向の少なくとも一方向に移動可能となるように保持されており、上記周辺凸部は、アルミナ、窒化アルミニウムからなり、上記周辺凸部の熱容量(A)と該周辺凸部と接触する上記板状セラミック体の熱容量(B)との比(A/B)が1.03〜3.04であり、上記周辺凸部を固定する上記ボルトが上記板状セラミック体を貫通し上記ケースと接続固定することを特徴とする。
また、上記周辺の凸部の外周面の平均表面粗さRaが3.0より小さいことを特徴とする。
また、上記3個以上の周辺凸部の内面で形成される内接円の直径が200.2〜206.0mmまたは300.3〜309.0mmの範囲にあることを特徴とする。
また、上記板状セラミック体が上記ケースに固定された押さえ金具で押圧されたことを特徴とする。
また、上記押圧する部分が点接触であることを特徴とする。
また、上記抵抗発熱体を囲む外接円の内側に上記周辺凸部が占めることを特徴とする。
また、上記内側凸部の載置面からの突出高さは0.05〜0.5mmであり、上記内側凸部は、上記周辺凸部に内接する内接円の直径の0.5倍の範囲内に少なくとも1個、記内接円の直径の0.5〜1倍の範囲内に少なくとも3個以上それぞれ同心円状に配置されていることを特徴とする。
また、上記抵抗発熱体の外接円の直径Dが上記板状セラミック体の直径DPの90〜99%であることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、板状セラミック体の一方の主面または内部に複数の抵
抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部と、該周辺凸部の内側に該周辺凸部より高さの低い内側凸部を備え、上記周辺凸部の固定穴と上記周辺凸部を固定するボルトとの間に0.5〜1.5mmのクリアランスを具備し、上記周辺凸部が、上記板状セラミック体の半径方向に移動可能となるように保持されていることによって、ウェハW面内の温度差を小さくできる。更に、過渡時のウェハW面の温度が安定するまでの応答時間を小さくできる。
また、上記周辺部の凸部を構成する部材は載置面の凹部に取り付けることにより更にウェハW面内の温度を小さく、過渡時の応答時間を小さくできる。
また、周辺凸部の熱伝導率を板状セラミック体の熱伝導率の2倍以下とするとウェハW表面の温度差を小さく、温度応答時間が小さくなる。
更に、周辺凸部の一部は板状セラミック体の抵抗発熱体を囲む外接円の内部に設けると好ましい。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は本発明に係るウェハ支持部材1の1例を示す断面図で、炭化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなる板状セラミック体2の一方の主面あるいは内部に複数の抵抗発熱体5を形成し、他方の主面をウェハWを載せる載置面3とするとともに、上記抵抗発熱体5に電気的に接続する給電部6を具備したヒータ部7からなり、給電部6に給電端子11が接続している。これらの給電部6を囲む金属製のケース19が断熱性の接続部材17を介して板状セラミック体2の他方の主面の周辺部に固定されている。
また、ウェハリフトピン25は板状セラミック体2を貫通する孔を通してウェハWを上下に移動させウェハWを載置面3に載せたり降ろしたりすることができる。そして、給電部6に給電端子11が接続し外部から電力が供給され、測温素子27で板状セラミック体2の温度を測定しながらウェハWを加熱することができる。
尚、抵抗発熱体5を複数のゾーンに分割する場合、それぞれのゾーンの温度を独立に制御することにより、各給電部6の給電端子11に電力を供給し、各測温素子27の温度が各設定値となるように給電端子11に加える電力を調整し、載置面3に載せたウェハWの表面温度が均一となるようにしている。
抵抗発熱体5には、金や銀、パラジウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給電部6に給電端子11を接触させることにより、導通が確保されている。給電端子11と給電部6とは、導通が確保できる方法で有れば、はんだ付け、ロ付け等の手法を用いてもよい。
ウェハWの載置面3に対応して円板状のウェハWの表面を均一に加熱するにはウェハW周辺の雰囲気やウェハWに対抗する壁面やガスの流れの影響を受けるが、円板状のウェハWの表面温度をばらつかせないために、ウェハWの周囲や上面の対抗面や雰囲気ガスの流れはウェハWに対し中心対称となるように設計されている。ウェハWを均一に加熱するにはウェハWに対し中心対称な上記環境に合わせたウェハ支持部材1が必要で、載置面3を中心対称に分割し抵抗発熱体ゾーン4を形成することが好ましい。
本発明のウェハ支持部材1は、図1(a)、(b)にその一例を示すように、板状セラミック体の一方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部4と、該周辺凸部4の内側に該周辺凸部4より高さの低い内側凸部8を備え、周辺凸部4が板状セラミック体の半径方向または垂直方向の少なくとも一方向に移動可能となるように保持されている。
具体的には、周辺凸部4の固定穴12と周辺凸部4を固定するボルト10との間に隙間を備え、この隙間の分だけ周辺凸部4が板状セラミック体の半径方向および垂直方向の両方に移動可能となるようにしてある。
特許文献5、6に記載のウェハ支持部材のようにウェハWの横ズレを防止する円環状の凸部は板状セラミック体の周辺部の厚みが大きくなることから、板状セラミック体の周辺部の熱容量が大きくなり、昇温途中の過渡時のウェハW面内の温度差が大きくなるとの問題がある。しかし、本発明のウェハ支持部材1のように板状セラミック体2の周辺部に孤立した周辺凸部4を備えることで、過渡時のウェハW面内の温度差の増大を防止し、しかもウェハWの横ズレを正確に防止できる。
周辺凸部4は載置面3にウェハWを載せるに際して、ウェハWの位置決めを行う上で必要であるが、周辺凸部4そのものに熱容量があり、載置面3の上のウェハWを加熱する際に、熱が周辺凸部4からボルト10を介してケース19に流れウェハWの面内温度差が大きくなる虞があり、周辺凸部4からボルト10に流れる熱が少ないことが好ましい。載置面3の上に在る周辺凸部4を固定する固定孔12とボルト10の間に隙間があると、周辺凸部4からボルト10への熱が伝わり難くなり、ボルト10を介してケース19や接続部材17に流れる熱が少なくなり、周辺凸部4の周辺の温度低下を防ぐ事ができることから好ましい。隙間の大きさとしては貫通孔の直径とボルトの外径の差で0.3〜2mmあると断熱効果が優れ好ましい。更に好ましくは0.5〜1.5mmである。
そして、ウェハWの面内温度差を小さくするためには、板状セラミック体2に貫通孔9を形成し、その貫通孔9にボルト10を通し周辺凸部4や板状セラミック体2の横ずれを防止することが好ましい。特に、周辺凸部4をボルト10で強固に固定すると板状セラミック体2と周辺凸部4の下面の熱伝導が高まりボルト10を介して板状セラミック体2の熱がケース19に流れ、周辺凸部4の周りの板状セラミック体2の温度が低下し、ウェハWの温度も低下する虞があった。そこで、周辺凸部4は板状セラミック体2と強固に接続することなく、ボルト10で横ずれを大きく防止する程度に固定することが好ましい。従って、周辺凸部4は前後左右に0.3〜2mm程移動できることが好ましい。このように接続するとボルト10と周辺凸部4との接触面積も小さくなり周辺凸部4を介して熱が逃げる虞が小さくなり好ましい。そして、このように配設することで、載置面3の温度分布を均一に保つ事が可能となり、温度変更時の過渡時のウェハW面内の温度差を小さくできる。
また、ウェハWは不図示のアームから移送され板状セラミック体2の載置面3に突出したウェハリフトピン25の上に載せられる。そしてウェハリフトピン25が降下し周辺凸部4にガイドされながら載置面3上の内側凸部8にウェハWは載せられる。ウェハWの面内温度差を小さくするのは抵抗発熱体5を備えた板状セラミック体2の中心位置に合わせ、板状セラミック体2に対して正確な位置にウェハWを載せることが重要であり、周辺凸部4をウェハガイドとして、ウェハWの周囲が周辺凸部4と接触しながらガイドされて内側凸部8で支えられることが好ましい。
図2(a)(b)(c)(d)は周辺凸部4を示す拡大断面図である。図2(a)は円錐台形状の周辺凸部4を示し。図2(b)は円柱の上に円錐台が結合した形状の周辺凸部4を示す。図2(c)は周辺が湾曲面からなる周辺凸部4を示す。図2(d)は円柱形状の周辺凸部4を示す。
図2に示す様に、本発明の周辺凸部4の載置面3に平行な外形を示す断面が円形であることを特徴とする。この様な形状とすることで、周辺凸部4を小さくすることができて、ヒータ部7の周辺の温度を低下させる虞がなく、また、取り付けも容易となり好ましい。
そして、周辺凸部4は柱状で頂部の直径が小さく、底面の直径が大きいことが好ましい。この様に頂部の径が小さいとウェハWがずれて載置面3に置かれようとしてもウェハWの位置を周辺凸部4の内面に沿ってウェハWの位置をガイドしながら内側凸部4に対し正確な位置に載せることができる。
また、本発明のウェハ支持部材1は、ヒータ部7とケース19で囲まれた内面に冷却ガスを流通させるために、ヒータ部7を冷却するノズル24とノズル24から噴射された冷却ガスを排出する開口23をケース19に備えている事が好ましい。このようなノズル24と開口23を備える事で、ウェハ支持部材1の冷却スピードが大きくなり好ましい。
また、周辺凸部4の外周面の平均表面粗さRaは3より小さいことが好ましい。表面粗さRaが3.0をえるとウェハWの周辺端面と接触してウェハW位置を矯正する際にウ
ェハWと接触しウェハWを磨耗させる可能性があり、パーティクルを発生しウェハWの歩留まりを低下させる虞があり好ましくない。また、平均表面粗さRaが0.01を下回ると、周辺凸部4の表面加工が困難である。
また、周辺凸部4がウェハWの横ズレを防ぐには周辺凸部4が同一円周上に少なくとも3個必要であり、周辺凸部4と接触する内接円の直径はウェハWの直径より1.001〜1.03倍の大きさであることが好ましい。より好ましくは1.001〜1.02倍である。このように配設することにより載置面3上の正確な位置にウェハWを載せることができることから抵抗発熱体5を備えた板状セラミック体2からの熱を均一に受けることが可能となりウェハWの表面温度差を小さくすることができる。より具体的には、直径200mmのシリコンウェハでは周辺凸部4の内接円の直径は200.2〜206mmであり、直径300mmのウェハW用では、上記内接円の直径は300.3〜309mmであることが好ましい。更に好ましくは200.2〜104mmであり、300.3〜306mmである。
本発明の周辺凸部4は円形のセラミック部材からなり、該セラミック部材の熱容量が上記周辺凸部4と上記板状セラミック体2が接触する面に対応する上記板状セラミック体2の熱容量の3倍より小さいことを特徴とする。周辺凸部4は板状セラミック体2の周辺の上面に載せられている。ウェハWの表面を均一に加熱するには板状セラミック体2の載置面3の温度分布が重要であり、載置面3の周辺に周辺凸部4があると周辺凸部4の熱容量に対応して板状セラミック体2から熱が周辺凸部4に移動したり、周辺凸部4から板状セラミック体2に移動したりする。この熱の移動により周辺凸部4の周囲の板状セラミック体2の温度が高くなったり、低くなったりすることが判明した。そして、主に周辺凸部4と板状セラミック体2の接触面4a、3aを介して熱が移動する。ウェハWの定常時の面内温度差を0.5℃以下としたり、過渡時の面内温度差を小さくしたりするにはこの周辺凸部4の熱容量が小さいことが好ましく、接触面3aを上面とする板状セラミック体2の筒状部2aの熱容量の3倍より小さいと熱の流れが小さくなり、ウェハWの面内温度差が大きくなる虞が小さいことがわかった。
また、ボルト10で板状セラミック体2の横ずれを防止しても、板状セラミック体2が上下にずれる虞があるので、図3に示すように板状セラミック体2の周辺部を止め金具29で押圧されていることが好ましい。また、止め金具29から熱がケース19に流れることを防止するために止め金具29の凸部29aで点押しすることが好ましい。また、止め金具29の数は3〜5箇所が好ましい。
そして、載置面3とウェハWの間隔は内側凸部8でウェハWを支持して保たれるが、ウェハW面と載置面3の間隔をできるだけ均一にするためには、内側凸部8が載置面3に均等に配設されていることが好ましい。内側凸部8は載置面3の中心から周辺凸部4に内接する内接円の直径の0.5倍の範囲内に少なくとも1個、前記内接円の直径の0.5〜1倍の範囲内に少なくとも3個配置されているとウェハW表面の変形が小さく、むら無く支持することが可能となり、ウェハWの自重による変形や反りを防止することができることから、ウェハW面内の温度差が小さくなり好ましい。
また、ウェハWは内側凸部8を介して載置面3と一定の間隔で離間させることにより、載置面3と直接接触した場合の片あたりによるウェハW面内の温度バラツキの発生を防止できる。そして、載置面3上のガスを介してウェハWを加熱することによりウェハW面内の温度を均一に昇温させたり、ウェハW面内の温度を均一に保持したりすることができる。
ウェハWの表面温度差を小さくするには、ウェハWと載置面3の間のパーティクルの噛み込みを防止したり載置面3の微妙な変形によるウェハW面の温度変化を防止したりする点から、ウェハWと載置面3の間隔を決める内側凸部8の載置面からの突出高さは0.05〜0.5mmが適切であり、0.05mmを下回ると載置面3の温度がウェハWに急激に伝わりウェハW面内の温度差を大きくする。また、0.5mmをえると載置面3からウェハWへ伝わる熱の伝わりが遅くなりウェハW面内の温度差を大きくする。更に好ましくは0.07〜0.2mmである。
尚、筒状部2aに接触した接続部17は断熱効果が大きく、熱の伝達を抑制していることから周辺凸部4と板状セラミック体2との関係から検討することが重要となる。また、周辺凸部4の直径は5〜15mmが好ましく、更に好ましくは7〜11mmである。そして、高さは3〜14mmが好ましい。そして、図2の(a)(b)(c)の様に外周面にテーパが備わっていると好ましいが、図2(d)のように外周が円柱状でも良い。そしてこれらの周辺凸部4はその内側に空間4bが形成されていることが好ましい。このような空間を形成することで周辺凸部4の熱容量を低減させることができるからである。更に、周辺凸部4の底面4aの平均表面粗さRaは0.1〜10で板状セラミック体2と接触面の平均表面粗さRaは同様に0.1〜10であると接触面からの熱伝導が小さくなりより好ましい。
更に、板状セラミック体2の周辺凸部4の熱伝導率は板状セラミック体2の熱伝導率の2倍以下の熱伝導率を有することが好ましい。周辺凸部4の熱伝導率が板状セラミック体2の熱伝導率の2倍をえると周辺凸部4の温度が上昇し易くなりウェハWを加熱する際の過渡時のウェハW面内温度差が大きくなる虞がある。好ましくは、板状セラミック体2の熱伝導率より小さくすると、周辺凸部4の周辺の温度低下や上昇を小さくすることができて好ましい。
尚、ウェハWの表面温度差を小さくするには周辺凸部4の一部は板状セラミック体2の抵抗発熱体5を囲む外接円の内部にあることが好ましい。このような配置とすると抵抗発熱体5によりウェハWの表面積より広い範囲の載置面3を加熱することが可能となり、ウェハWの面内の温度差が小さくなり好ましい。
図4(a)は本発明のウェハ支持部材1で、板状セラミック体の一方の主面に複数の抵抗発熱体ゾーン4を備え、中心部に円形の抵抗発熱体ゾーン4aと、その外側に同心円の2つの円環内に抵抗発熱体ゾーン4bcと抵抗発熱体ゾーン4dgとを備える各抵抗発熱体ゾーン4の配置例を示す。
図4(b)は、本発明のウェハ支持部材1の中心部の円形の抵抗発熱体ゾーン4aと、その外側に円環4bcを2等分した扇状の2個の抵抗発熱体ゾーン4b、4cを備え、更にその外側の円環4dg内にそれぞれ対抗する位置で円環を円周方向に4等分した扇状の4個の抵抗発熱体ゾーン4d、4e、4f、4gからなるウェハ支持部材1であり、ウェハWの表面温度がより均一となり好ましい。
上記ウェハ支持部材1の各抵抗発熱体ゾーン4a〜4gは独立して発熱でき、各抵抗発熱体ゾーン4a〜4gに対応して抵抗発熱体5a〜5gを備えている。
尚、円環状の抵抗発熱体ゾーン4bc、4dgはそれぞれ放射方向に2分割、4分割したが、これに限るものではない。
図4(b)の抵発熱体ゾーン4b、4cの境界線は直線であるが、必ずしも直線である必要はなく、波線で有ってよい。抵抗発熱体ゾーン4b、4cが板状セラミック体2の中心に対して中心対称であることが好ましい。
同様に、抵抗発熱体ゾーンの4dと4e、4eと4f、4fと4g、4gと4dとのそれぞれの境界線も必ずしも直線である必要はなく、それぞれの抵抗発熱体4dから4gは、板状セラミック体2の中心に対し中心対称であることが好ましい。
上記の各抵抗発熱体5は、印刷法等で作製し、1〜5mmの巾で厚みが5〜50μmで形成することが好ましい。一度に印刷する印刷面が大きくなると、印刷面の左右や前後でスキージとスクリーンとの間の圧力の違いから印刷厚みが一定とならない虞が生じる。特に、抵抗発熱体5の大きさが大きくなると、抵抗発熱体5の左右前後の厚みが異なり設計した発熱量がバラツク虞があった。発熱量がバラツクとウェハWの面内温度差が大きくなり好ましくない。この抵抗発熱体の厚みのバラツキから生じる温度バラツキを防ぐには、一つの抵抗発熱体からなる外径の大きな個々の抵抗発熱体5を分割することが有効である事が判明した。
そこで、ウェハW載置面3の中心部を除く同心円環状の抵抗発熱体ゾーンは左右に2分割し、更に大きな円環状の抵抗発熱体ゾーンは4分割することで抵抗発熱体ゾーン4にある抵抗発熱体5の印刷する大きさを小さくすることができることから、抵抗発熱体5の各部の厚みを均一にすることができ、更にウェハWの前後左右の微妙な温度差を補正しウェハWの表面温度を均一にすることができる。
また、図5に示すように、抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの90〜99%であることが好ましい。抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの90%より小さいと、ウェハを急速に昇温したり急速に降温させたりする時間が大きくなりウェハWの温度応答特性が劣る。
また、ウェハWの周辺部の温度を下げないようウェハWの表面温度を均一に加熱するには、直径DはウェハWの直径の1.02〜1.1倍程度が好ましいことから、ウェハWの大きさに対して板状セラミック体2の直径DPが大きくなり、均一に加熱できるウェハWの大きさが板状セラミック体2の直径DPに比較して小さくなり、ウェハWを加熱する投入電力に対しウェハWを加熱する加熱効率が悪くなる。更に、板状セラミック体2が大きくなることからウェハ製造装置の設置面積が大きくなり、最小の設置面積で最大の生産を行う必要がある半導体製造装置の設置面積に対する稼働率を低下させ好ましくない。
抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの99%より大きいと接触部材17と抵抗発熱体5の外周との間隔が小さく抵抗発熱体5の外周部から熱が接触部材17に不均一に流れ、特に、外周部の外接円Cに接する円弧状パターン51が存在しない部分からも熱が流れ、外周部の円弧状パターン51が板状セラミック体2の中心部へ曲がっていることから抵抗発熱体5を囲む外接円Cに沿って円弧状パターン51が欠落する部分Pの温度が低下しウェハWの面内温度差を大きくする虞がある。より好ましくは、抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの92〜97%である。
また、図1(a)に示す様な板状セラミック体2の外周面を覆うように金属製のケース19が板状セラミック体2を下から支える場合には、抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの95〜98%が好ましく、更に好ましくは96〜97%である。
一方、図7に示す様に板状セラミック体2と金属製のケース19の外形が略同等で板状セラミック体2を下から金属製のケース19が支える場合、ウェハWの面内の温度差を小さくするには、抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミック体2の直径DPの92〜95%であり、更に好ましくは93〜95%である。
板厚が1〜7mmの板状セラミック体2の一方の主面側を、ウェハを載せる載置面3とするとともに、上記板状セラミック体2の下面に抵抗発熱体5を備えたウェハ支持部材1において、上記抵抗発熱体5の厚みが5〜50μmであるとともに、上記抵抗発熱体を囲む外接円Cの面積に対し、上記外接円Cに占める抵抗発熱体5の面積の比率が5〜50%であることが好ましい。
即ち、抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率を5%未満とすると、抵抗発熱体5の相対向する対向領域において、対向領域の対向間隔S1が大きくなり過ぎることから、抵抗発熱体5のない間隔S1に対応した載置面3の表面温度が他の部分と比較して小さくなり、載置面3の温度を均一にすることが難しいからであり、逆に抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率が50%を超えると、板状セラミック体2と抵抗発熱体5との間の熱膨張差を3.0×10−6/℃以下に近似させたとしても、両者の間に作用する熱応力が大きすぎることから、板状セラミック体2は変形し難いセラミック焼結体からなる
ものの、その板厚tが1mm〜4mmと薄いことから抵抗発熱体5を発熱させると、載置面3側が凹となるように板状セラミック体2に反りが発生し、その結果、ウェハWの中心部の温度が周縁よりも小さくなり、温度バラツキが大きくなるがあるからである。
なお、好ましくは、抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率を10%〜30%、さらには15%〜25%とすることが好ましい。
さらに、このような効果を効率良く発現させるには、抵抗発熱体5の膜厚を5〜50μmとすることが好ましい。
抵抗発熱体5の膜厚が5μmを下回ると、抵抗発熱体5をスクリーン印刷法で膜厚を均一に印刷することが困難となるからであり、また、抵抗発熱体5の厚みが50μmをえると、外接円P1に対し、抵抗発熱体5の占める面積の比率を50%以下としても抵抗発熱体5の厚みが大きく、抵抗発熱体5の剛性が大きくなり、板状セラミック体5の温度変化により抵抗発熱体5の伸び縮みによる影響で板状セラミック体2が変形する虞がある。また、スクリーン印刷で均一の厚みに印刷することが難しくウェハWの表面の温度差が大きくなる虞があるからである。なお、好ましい抵抗発熱体5の厚みは10〜30μmとすることが良い。
本発明の抵抗発熱体5のパターン形状としては、図5に示したような折り返しパターン、あるいは図5や図6に示すような複数のブロックに分割され、個々のブロックが円弧状のパターンと直線状のパターンとからなる渦巻き状やジグザクな折り返し形状をしたもので、本願発明のウェハ支持部材1はウェハWを均一に加熱することが重要であることから、これらのパターン形状は帯状の抵抗発熱体5の各部の密度が均一なことが好ましい。図5に示すように板状セラミック体2の外周部に位置する抵抗発熱体5d、5e、5d、5fは板状セラミック体2の中心から遠い部位は同心円状をした円弧状パターン51とこれらと連続して繋がっている連結パターン52からなることが好ましい。ただし、図9に示すような、板状セラミック体22の中心から放射方向に見て、抵抗発熱体25の間隔が密な部分と粗な部分が交互に現れる抵抗発熱体パターンでは、粗な部分に対応するウェハWの表面温度は小さく、密な部分に対応するウェハWの温度は大きくなり、ウェハWの表面の全面を均一に加熱することはできないことから好ましくない。
また、抵抗発熱体5を複数のブロックに分割する場合、それぞれのブロックの温度を独立に制御することにより、載置面3上のウェハWを均一に加熱することが好ましい。
抵抗発熱体5は、導電性の金属粒子にガラスフリットや金属酸化物を含む電極ペーストを印刷法で板状セラミック体2に印刷、焼き付けしたもので、金属粒子としては、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Rhの少なくとも一種の金属を用いることが好ましく、またガラスフリットとしては、B、Si、Znを含む酸化物からなり、板状セラミック体2の熱膨張係数より小さな4.5×10−6/℃以下の低膨張ガラスを用いることが好ましく、さらに金属酸化物としては、酸化珪素、酸化ホウ素、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくとも一種を用いることが好ましい。
ここで、抵抗発熱体5を形成する金属粒子として、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Rhの少なくとも一種の金属を用いるのは、電気抵抗が小さいからである。
抵抗発熱体5を形成するガラスフリットとして、B、Si、Znを含む酸化物からなり、抵抗発熱体5を構成する金属粒子の熱膨張係数が板状セラミック体2の熱膨張係数より大きいことから、抵抗発熱体5の熱膨張係数を板状セラミック体2の熱膨張係数に近づけるには、板状セラミック体2の熱膨張係数より小さな4.5×10−6/℃以下の低膨張ガラスを用いることが好ましいからである。
また、抵抗発熱体5を形成する金属酸化物としては、酸化珪素、酸化ホウ素、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくとも一種を用いるのは、抵抗発熱体5の中の金属粒子と密着性が優れ、しかも熱膨張係数が板状セラミック体2の熱膨張係数と近く、板状セラミック体2との密着性も優れるからである。
ただし、抵抗発熱体5に対し、金属酸化物の含有量が80%を超えると、板状セラミック体2との密着力は増すものの、抵抗発熱体5の抵抗値が大きくなり好ましくない。その為、金属酸化物の含有量は60%以下とすることが良い。
そして、導電性の金属粒子とガラスフリットや金属酸化物からなる抵抗発熱体5は、板状セラミック体2との熱膨張差が3.0×10−6/℃以下であるものを用いることが好ましい。
即ち、抵抗発熱体5と板状セラミック体2との熱膨張差を0.1×10−6/℃とすることは製造上難しく、逆に抵抗発熱体5と板状セラミック体2との熱膨張差が3.0×10−6/℃を超えると、抵抗発熱体5を発熱させた時、板状セラミック体2との間に作用する熱応力によって、載置面3側が凹状に反るがあるからである。
更に、抵抗発熱体5への給電方法については、有底の金属製のケース19に設置した給電端子11を板状セラミック体2の表面に形成した給電部6にバネ(不図示)で押圧することにより接続を確保し給電する。これは、1〜4mmの厚みの板状セラミック体2に金属からなる端子部を埋設して形成すると、該端子部の熱容量により均熱性が悪くなるからである。そのため、本発明のように、給電端子11をバネで押圧して電気的接続を確保することにより、板状セラミック体2とその有底の金属製のケース19の間の温度差による熱応力を緩和し、高い信頼性で電気的導通を維持できる。さらに、接点が点接触となるのを防止するため、弾性のある導体を中間層として挿入しても構わない。この中間層は単に箔状のシートを挿入するだけでも効果がある。そして、給電端子11の給電部6側の径は、1.5〜5mmとすることが好ましい。
また、板状セラミック体2の温度は、板状セラミック体2にその先端が埋め込まれた熱電対27により測定する。熱電対27としては、その応答性と保持の作業性の観点から、外径0.8mm以下のシース型の熱電対27を使用することが好ましい。この熱電対27の先端部は、板状セラミック体2に孔が形成され、この中に設置された固定部材により孔の内壁面に押圧固定することが測温の信頼性を向上させるために好ましい。同様に素線の熱電対やPt等の測温抵抗体を埋設して測温を行うことも可能である。
また、図1(a)では板状セラミック体2の他方の主面3に抵抗発熱体5のみを備えたウェハ支持部材1について示したが、本発明は、主面3と抵抗発熱体5との間に静電吸着用やプラズマ発生用としての電極を埋設したものであっても良いことは言うまでもない。
更に詳細な構成について説明する。
図1(a)は本発明に係るウェハ支持部材の一例を示す断面図で、板厚tが1〜4mm、100〜200℃のヤング率が200〜450MPaである板状セラミック体2の一方の主面を、ウェハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面に抵抗発熱体5を形成し、この抵抗発熱体5に電気的に接続する給電部6を備えたものである。
100〜200℃のヤング率が200〜450MPaである板状セラミック体2の材質としては、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、窒化アルミニウムを用いることができ、この中でも特に窒化アルミニウムは50W/(m・K)以上、さらには100W/(m・K)以上の高い熱伝導率を有するとともに、フッ素系や塩素系等の腐食性ガスに対する耐蝕性や耐プレズマ性にも優れることから、板状セラミック体2の材質として好適である。
板状セラミック体2の厚みは、2〜4mmとすると更に好ましい。板状セラミック体2の厚みが2mmより薄いと、板状セラミック体2の強度がなくなり抵抗発熱体5の発熱による加熱時、ガス噴射口24らの冷却エアを吹き付けた際に、冷却時の熱応力に耐えきれず、板状セラミック体2にクラックが発生する虞があるからである。また、板状セラミック体2の厚みが4mmをえると、板状セラミック体2の熱容量が大きくなるので加熱および冷却時の温度が安定するまでの時間が長くなる虞がある。
板状セラミック体2は、有底の金属製のケース19開口部の外周にボルト16を貫通させ、板状セラミック体2と有底の金属製のケース19が直接当たらないように、リング状の接触部材17を介在させ、有底の金属製のケース19側より弾性体18を介在させてナット20を螺着することにより弾性的に固定している。これにより、板状セラミック体2の温度が変動した場合に有底の金属製のケース19が変形しても、上記弾性体18によってこれを吸収し、これにより板状セラミック体2の反りを抑制し、ウェハ表面に、板状セラミック体2の反りに起因する温度ばらつきが発生することを防止できるようになる。
リング状の接触部材17の断面は多角形や円形の何れでも良いが、板状セラミック体2と接触部材17が平面で接触する場合において、板状セラミック体2と接触部材17の接する接触部の巾は0.1mm〜13mmであれば、板状セラミック体2の熱が接触部材17を介して有底の金属製のケース19に流れ量を小さくすることができる。そして、ウェハWの面内の温度差が小さくウェハWを均一に加熱することができる。更に好ましくは0.1〜8mmである。接触部材17の接触部の巾が0.1mm以下では、板状セラミック体2と接触固定した際に接触部が変形し、接触部材が破損する虞がある。また、接触部材17の接触部の巾が13mmをえると、板状セラミック体2の熱が接触部材に流れ、板状セラミック体2の周辺部の温度が低下しウェハWを均一に加熱することが難しくなる。好ましくは接触部材17と板状セラミック体2の接触部の巾は0.1mm〜8mmであり、更に好ましくは0.1〜2mmである。
また、接触部材17の熱伝導率は板状セラミック体2の熱伝導率より小さいことが好ましい。接触部材17の熱伝導率が板状セラミック体2の熱伝導率より小さければ板状セラミック体2に載せたウェハW面内の温度分布を均一に加熱することができると共に、板状セラミック体2の温度を上げたり下げたりする際に、接触部材17との熱の伝達量が小さく有底の金属製のケース19との熱的干渉が少なく、迅速に温度を変更することが容易となる。
接触部材17の熱伝導率が板状セラミック体2の熱伝導率の10%より小さいウェハ支持部材1では、板状セラミック体2の熱が有底の金属製のケース19に流れ難く、板状セラミック体2から有底の金属製のケース19に熱が、雰囲気ガス(ここでは空気)による伝熱や輻射伝熱により流れる熱が多くなり逆に効果が小さい。
接触部材17の熱伝導率が板状セラミック体2の熱伝導率より大きい場合には、板状セラミック体2の周辺部の熱が接触部材17を介して有底の金属製のケース19に流れ、有底の金属製のケース19を加熱すると共に、板状セラミック体2の周辺部の温度が低下しウェハW面内の温度差が大きくなり好ましくない。また、有底の金属製のケース19が加熱されることからガス噴射口24からエアを噴射し板状セラミック体2を冷却しようとしても有底の金属製のケース19の温度が高いことから冷却する時間が大きくなったり、一定温度に加熱する際に一定温度になったりするまでの時間が大きくなる虞があった。
一方、接触部材17を構成する材料としては、小さな接触部を保持するために、接触部材のヤング率は1GPa以上が好ましく、更に好ましくは10GPa以上である。このようなヤング率とすることで、接触部の巾が0.1mm〜8mmと小さく、板状セラミック体2を有底の金属製のケース19に接触部材17を介してボルト16で固定しても、接触部材17が変形することが無く、板状セラミック体2が位置ズレしたり平行度が変化したりすることなく、精度良く保持することができる。
尚、特許文献2に記載のような、フッ素系樹脂やガラス繊維を添加した樹脂からなる接触部材では得られない精度を達成することができる。
前記接触部材17の材質としては鉄とカーボンからなる炭素鋼やニッケル、マンガン、クロムを加えた特殊鋼等の金属がヤング率が大きく好ましい。また、熱伝導率の小さな材料としては、ステンレス鋼やFeNi−Co系合金の所謂コバールが好ましく、板状セラミック体2の熱伝導率より小さくなるように接触部材17の材料を選択することが好ましい。
更に、接触部材17と板状セラミック体2との接触部を小さく、且つ接触部が小さくても接触部が欠損しパーティクルを発生する虞が小さく安定な接触部を保持できるために、板状セラミック体2に垂直な面で切断した接触部材17の断面は多角形より円形が好ましく、断面の直径1mm以下の円形のワイヤを接触部材17として使用すると板状セラミック体2と有底の金属製のケース19の位置が変化することなくウェハWの表面温度を均一にしかも迅速に昇降温することが可能である。
以上、接触部材17の構成と板状セラミック体2と抵抗発熱体5の配設の関係について説明したが、これらの配設は、周辺凸部4の一部が抵抗発熱体5を囲む直径Dの内側に存在することから、周辺凸部4のウェハW面内温度に対する影響を考慮していることは言うまでもない。
次に、有底の金属製のケース19は側壁部22と底面21を有し、板状セラミック体2はその有底の金属製のケース19の開口部を覆うように設置してある。また、有底の金属製のケース19には冷却ガスを排出するための孔23が施されており、板状セラミック体2の抵抗発熱体5に給電するための給電部6に導通するための給電端子11,板状セラミック体2を冷却するためのガス噴射口24、板状セラミック体2の温度を測定するための熱電対27を設置してある。
なお、有底の金属製のケース19の深さは10〜50mmで、底面21は、板状セラミック体2から10〜50mmの距離に設置することが望ましい。更に好ましくは20〜30mmである。これは、板状セラミック体2と有底の金属製のケース19相互の輻射熱により載置面3の均熱化が容易となると同時に、外部との断熱効果があるので、載置面3の温度が一定で均一な温度となるまでの時間が短くなるためである。
そして、有底の金属製のケース19内に昇降自在に設置されたリフトピン25により、ウェハWを載置面3上に載せたり載置面3より持ち上げたりといった作業がなされる。そして、ウェハWは、ウェハ支持ピン8により載置面3から浮かした状態で保持され、片当たり等による温度バラツキを防止するようにしている。
また、このウェハ加熱装置1によりウェハWを加熱するには、搬送アーム(不図示)にて載置面3の上方まで運ばれたウェハWをリフトピン25にて支持したあと、リフトピン25を降下させてウェハWを載置面3上に載せる。
次に、ウェハ支持部材1をレジスト膜形成用として使用する場合は、板状セラミック体2の主成分を炭化珪素にすると、大気中の水分等と反応してガスを発生させることもないため、ウェハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な配線を高密度に形成することが可能である。この際、焼結助剤に水と反応してアンモニアやアミンを形成する可能性のある窒化物を含まないようにすることが必要である。
なお、板状セラミック体2を形成する炭化珪素質焼結体は、主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と炭素(C)を添加したり、もしくはアルミナ(Al)イットリア(Y)のような金属酸化物を添加したりして十分混合し、平板状に加工したのち、1900〜2100℃で焼成することにより得られる。炭化珪素はα型を主体とするものあるいはβ型を主体とするもののいずれであっても構わない。
一方、炭化珪素質焼結体を板状セラミック体2として使用する場合、半導電性を有する板状セラミック体2と抵抗発熱体5との間の絶縁を保つ絶縁層としては、ガラス又は樹脂
を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下回り絶縁性が保てず、逆に厚みが400μmをえると、板状セラミック体2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるために、クラックが発生して絶縁層として機能しなくなる。その為、絶縁層としてガラスを用いる場合、絶縁層4の厚みは100〜400μmの範囲で形成することが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの範囲とすることが良い。
さらに、板状セラミック体2の載置面3と反対側の主面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高める観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておくことが好ましい。
また、板状セラミック体2を、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体で形成する場合は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤としてYやYb等の希土類元素酸化物と必要に応じてCaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜2100℃で焼成することにより得られる。板状セラミック体2に対する抵抗発熱体5の密着性を向上させるために、ガラスからなる絶縁層を形成することもある。ただし、抵抗発熱体5の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密着強度が得られる場合は、省略することが可能である。
この絶縁層を形成するガラスの特性としては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が板状セラミック体2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5×10−7/℃〜+5×10−7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、板状セラミック体2を形成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時においてクラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
なお、ガラスからなる絶縁層を板状セラミック体2上に被着する手段としては、前記ガラスペーストを板状セラミック体2の中心部に適量落とし、スピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あるいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペーストを600℃以上の温度で焼き付けすれば良い。また、絶縁層としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体からなる板状セラミック体2を850〜1300℃程度の温度に加熱し、絶縁層を被着する表面を酸化処理しておくことで、ガラスからなる絶縁層との密着性を高めることができる。
窒化アルミニウム粉末に対し、重量換算で1.0質量%の酸化イットリウムを添加し、さらにイソプロピルアルコールとウレタンボールを用いてボールミルにより48時間混練することにより窒化アルミニウムのスラリーを製作した。
次に、窒化アルミニウムのスラリーを200メッシュに通し、ウレタンボールやボールミル壁の屑を取り除いた後、防爆乾燥機にて120℃で24時間乾燥した。
次いで、得られた窒化アルミニウム粉末にアクリル系のバインダーと溶媒を混合して窒化アルミニムのスリップを作製し、ドクターブレード法にて窒化アルミニムのグリーンシートを複数枚製作した。
そして、得られた窒化アルミニムのグリーンシートを複数枚積層熱圧着にて積層体を形成した。
しかる後、積層体を非酸化性ガス気流中にて500℃の温度で5時間脱脂を施した後、非酸化性雰囲気にて1900℃の温度で5時間の焼成を行い各種の熱伝導率を有する板状セラミック体を製作した。
そして、窒化アルミニウム焼結体に研削加工を施し、板厚3mm、直径330mmの円盤状をした板状セラミック体2と、板厚4mmで周辺部に円環状の凸部を備え直径301mmの中心部の板厚が3mmの板状セラミック体を作製した。
更に、中心から60mmの同心円上に均等に3箇所貫通孔を形成した。貫通口径は、4mmとした。
次いで、板状セラミック体2の上に抵抗発熱体5を被着するため、導電材としてAu粉末とPd粉末と、前記同様の組成からなるバインダーを添加したガラスペーストを混練して作製した導電体ペーストをスクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの抵抗発熱体5を形成した。
抵抗発熱体ゾーン4の配置は、中心部に円形の1つに抵抗発熱体ゾーンを形成し、その外側の円環を扇状に2つの抵抗発熱体ゾーンに分割し、更にその外側に円環を4つの扇状の抵抗発熱体ゾーンに分割した計7個の抵抗発熱体ゾーン構成とした。
また、有底の金属製のケースの底面の厚みは2.0mmのアルミニウムと側壁部を構成する厚み1.0mmのアルミニウムからなり、底面に、ガス噴射口、熱電対、導通端子を所定の位置に取り付けた。また、底面から板状セラミック体までの距離は20mmとした。
その後、前記有底の金属製のケースの開口部に、板状セラミック体を重ね、その外周部にボルトを貫通させ、板状セラミック体と有底の金属製のケースが直接当たらないように、リング状の接触部材を介在させ固定することによりウェハ支持部材とした。
尚、接触部材17の断面はL字状で、リング状とした。L字状の段部の幅は5mmで板状セラミック体との接触幅は4mmとした。また、接触部材の材質はポリベンゾイミダゾール樹脂を用いた。
その後、載置面の中心に1個の内側凸部と中心から85mmの距離に3個の内側凸部を取り付け、中心から130mmの距離に5個の内側凸部を取り付けたものを試料No.1〜4とした。
試料No.1は、板状セラミック体2の周辺部の固定穴の内径が3.5mmで、ボルトの直径を3mmとして円錐状の周辺凸部を5箇所等配に取り付けた。
試料No.2は、板状セラミック体2の周辺部の固定穴の内径が4.5mmで、ボルトの直径を3mmとして円筒状の周辺凸部を緩やかに5箇所等配に取り付けた。
試料No.3は、板状セラミック体の周辺部の固定穴の内径が3mmで、ボルトの直径を3mmとして円筒状の周辺凸部を強固に5箇所等配に取り付けた従来のウェハ支持部材である。
また、試料No.4は板状セラミック体の周辺部は環状に載置面より1mm凸に形成された従来のウェハ支持部材である。
試料No.5は板状セラミック体の周辺部に円筒状の周辺凸部を緩やかに5箇所等配に取り付け、内側凸部のない従来のウェハ支持部材である。
作製したウェハ支持部材の評価は、測温抵抗体が29箇所に埋設された直径300mmの測温用ウェハを用いて行った。夫々のウェハ支持部材に電源を取り付け25℃から200℃まで5分間でウェハWを昇温し、ウェハWの温度を200℃に設定してからウェハWの平均温度が200℃±0.5℃の範囲で一定となるまでの時間保持した。そして、ウェハリフトピンを上昇させてウェハWを取り外し、ウェハWを室温に冷却した後再びウェハ支持部材に載せウェハWの平均温度が200℃±0.5℃となるまでの時間を応答時間として測定した。その後30分間ウェハW平均温度を200℃に保持した時点でのウェハW面内の温度差を測定した。
それぞれの結果は表1に示す通りである。
Figure 0004721658
載置面の周辺に孤立した周辺凸部4を設け、内側凸部4を備え、前記周辺凸部の固定穴の内径がボルトの直径より大きくボルトと固定穴の間にクリヤランスのある本発明のウェハ支持部材である試料No.1、2はウェハW面内の温度差は0.31℃、0.35℃と小さく、しかも応答時間は32秒、35秒と小さく優れた特性を示す事が分った。
また、周辺凸部の載置面に平行な外形を示す断面が円形であると試料No.1、2に示すように優れた特性を示すことが分った。
それに対して、載置面の周辺部に円筒状の凸部を強固に取り付けた試料No.3は周辺凸部に熱の流れが多く、ウェハW面内の温度差は0.42℃とやや小さいが、応答時間が52秒と大きく、均一なレジスト膜を作製することが出来なかった。
また、載置面の周辺部に円環状の凸部を備えた試料No.4はウェハW面内の温度差は0.41℃とやや小さいが、応答時間が63秒と大きく、均一なレジスト膜を作製することが出来なかった。
また、内側凸部のない試料No.5は、ウェハW面内の温度差が0.63℃と大きく、しかも応答時間も47秒とやや大きかった。
更に、周辺凸部が円錐状である試料No.1は周辺凸部が円筒状である試料No.2よりウェハ面内の温度差や応答時間が小さくより優れた特性を示すことが分った。
実施例1と同様に板状セラミック体を作製した。
そして、窒化アルミニウム焼結体に研削加工を施し、板厚3mm、直径330mmの円盤状をした板状セラミック体2を複数枚製作し、更に中心から60mmの同心円上に均等に3箇所貫通孔を形成した。貫通口径は、4mmとした。
次いで板状セラミック体2の上に抵抗発熱体5を被着するため、導電材としてAu粉末とPd粉末と、前記同様の組成からなるバインダーを添加したガラスペーストを混練して作製した導電体ペーストをスクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが50μmの抵抗発熱体5を形成した。抵抗発熱体5のパターン配置は、中心部から放射状に円と円環状に分割し、中心部に円形の1つにパターンを形成し、その外側の円環状の部分に2つにパターンを形成し、更に最外周に4つのパターンの計7個のパターン構成とした。
そして、最外周の4つのパターンの外接円Cの直径を310mmとして、板状セラミック体の直径を変えて作製した。しかるのち抵抗発熱体に給電部をロウ付けし固着させることにより、ヒータ部を製作した。
また、有底の金属製のケースの底面の厚みは2.0mmのアルミニウムと、側壁部を構成する厚み1.0mmのアルミニウムとからなり、底面に、ガス噴射口、熱電対、導通端子を所定の位置に取り付けた。また、底面から板状セラミック体までの距離は20mmとした。
その後、前記有底の金属製のケースの開口部に、板状セラミック体を重ね、その外周部にボルトを貫通させ、板状セラミック体と有底の金属製のケースが直接当たらないように、L字状の接触部材を介在させ、接触部材側より弾性体を介在させてナットを螺着し固定することによりウェハ支持部材とした。
また、周辺部に直径10mmの周辺凸部4を上記ボルトを兼用して固定した。周辺凸部4の内接円の大きさは直径300.0〜315mmとした。
また、純度96%アルミナ、ムライト、イットリアを0.1〜5重量%添加した窒化アルミニウムで周辺凸部を作製した。また、各周辺凸部の外周を万能研削盤で加工し必要に応じ外周をダイヤモンド遊離砥粒で研磨しRaが0.005〜10に調整した周辺凸部4を作製した。
そして、周辺凸部4の熱伝導率の異なる各種のウェハ支持部材を試料No.21〜29とした。
作製したウェハ支持部材の評価は、測温抵抗体が29箇所に埋設された直径300mmの測温用ウェハを用いて行った。夫々のウェハ支持部材に電源を取り付け25℃から200℃まで5分間でウェハWを昇温し、ウェハWの温度を200℃に設定してからウェハWの平均温度が200℃±0.5℃の範囲で一定となるまでの時間を応答時間として測定した。その10分後のウェハ温度の最大値と最小値の差をウェハWの温度差として測定した。その後、ウェハリフトピンを載置面の上面に突出させウェハWを載置面から取り外し、不図示のハンドリングアームでウェハを取り外した。その後再びハンドリングアームからウェハWをウェハリフトピンの上に載せ、ウェハリフトピンを降下させて、周辺凸部にガイドさせながら内側凸部に上端にウェハWを載せた。そして、3分後に再びウェハリフトピンを上昇させて、ウェハWを取り外した。このウェハW載置取り外しを1000回繰り返し、その後ウェハWの裏面の周辺部20mm幅と側面に付着したパーティクルをTENKOR社製のパーティクルカウンタで評価した。
それぞれの結果は表2に示す通りである。
Figure 0004721658
表2から、上記周辺凸部を固定する固定ボルトが上記板状セラミック体を貫通しケースと接続固定している試料No.21〜29はいずれもウェハ面内の温度差が0.4℃以下と小さく、応答時間も35秒以下と小さく優れた特性を示すことが分った。
また、試料No.22〜29のように周辺凸部の外周面の表面粗さRaが3.0より小さいとパーティクルの発生個数が2000個以下と少なくより好ましいことが分った。
更に、表2の試料No.29は、周辺凸部の熱容量が1.7(J/K)と大きいことから、ウェハW面内の温度差が0.40℃とやや大きく応答時間も35秒とやや大きかった。
これに対し、試料No.22〜28は周辺凸部の熱容量が周辺凸部に対応する板状セラミック体の熱容量の3倍より小さく、ウェハW面内の温度差は0.34℃以下と小さく、応答時間も34秒以下と小さく好ましいことが分った。
更に、試料No.23〜26のように周辺凸部の熱容量が周辺凸部に対応する板状セラミック体の熱容量の1.5倍より小さいとウェハW面内の温度差は0.23℃以下と小さく、応答時間も25秒以下と小さく更に好ましいことが分った。
また、上記内側凸部の載置面からの突出高さは0.05〜0.5mmであり、上記内側凸部は、上記周辺凸部に内接する内接円の直径の0.5倍の範囲内に少なくとも1個、前記内接円の直径の0.5〜1倍の範囲内に少なくとも3個以上それぞれ同心円状に配置されていることからウェハ面内の温度差が何れも0.4℃以下と小さく好ましいことが分った。
(a)は本発明のウェハ支持部材の一例を示す断面図、(b)は同じく平面図である。 (a)〜(d)は本発明のウェハ支持部材における周辺凸部の拡大断面図である。 図1(b)のY−Y線断面図である。 (a)(b)は本発明のウェハ支持部材における抵抗発熱体ゾーンの形状を示す概略平面図である。 本発明のウェハ支持部材における抵抗発熱体の形状を示す概略平面図である。 本発明のウェハ支持部材における抵抗発熱体の形状を示す概略平面図である。 本発明の他のウェハ支持部材の一例を示す断面図である。 従来のウェハ支持部材の一例を示す断面図である。 従来のウェハ支持部材の抵抗発熱体の形状を示す概略平面図である。
符号の説明
1、71:ウェハ支持部材
2、72:板状セラミック体
3、73:載置面
4:周辺凸部
5、75:抵抗発熱体
6:給電部
7:均熱板
8:内側凸部
9:凹部
10:ボルト
11、77:給電端子
12:固定穴
16:ボルト
17:接触部材
18:弾性体
19、79:金属製のケース
20:ナット
21:底面
23:孔
24:ガス噴射口
25:ウェハリフトピン
26:貫通孔
27:熱電対
28:ガイド部材
W:半導体ウェハ

Claims (11)

  1. 板状セラミック体の一方の主面または内部に複数の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部と、該周辺凸部の内側に該周辺凸部より高さの低い内側凸部を備え、上記周辺凸部の固定穴と上記周辺凸部を固定するボルトとの間に0.5〜1.5mmのクリアランスを具備し、上記周辺凸部が、上記板状セラミック体の半径方向または垂直方向の少なくとも一方向に移動可能となるように保持されていることを特徴とするウェハ支持部材。
  2. 上記周辺の凸部の載置面に平行な外形を示す断面が円形であることを特徴とする請求項1に記載のウェハ支持部材。
  3. 上記周辺の凸部は柱状で頂部の径が小さく、底面の径が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のウェハ支持部材。
  4. 板状セラミック体の一方の主面に抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように上記板状セラミック体と接続したケースと、該ケースに記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備えたウェハ支持部材であって、上記載置面の周辺部に3個以上の周辺凸部と、該周辺凸部の内側に該周辺凸部より高さの低い内側凸部を備え、上記周辺凸部の固定穴と上記周辺凸部を固定するボルトとの間に0.5〜1.5mmのクリアランスを具備し、上記周辺凸部が、上記板状セラミック体の半径方向または垂直方向の少なくとも一方向に移動可能となるように保持されており、上記周辺凸部は、アルミナ、窒化アルミニウムからなり、上記周辺凸部の熱容量(A)と該周辺凸部と接触する上記板状セラミック体の熱容量(B)との比(A/B)が1.03〜3.04であり、上記周辺凸部を固定する上記ボルトが上記板状セラミック体を貫通し上記ケースと接続固定することを特徴とするウェハ支持部材。
  5. 上記周辺凸部の外周面の平均表面粗さRaが3.0より小さいことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のウェハ支持部材。
  6. 上記3個以上の周辺凸部の内面で形成される内接円の直径が200.2〜206.0mmまたは300.3〜309.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のウェハ支持部材。
  7. 上記板状セラミック体が上記ケースに固定された押さえ金具で押圧されたことを特徴とする請求項に記載のウェハ支持部材。
  8. 上記押圧する部分が点接触であることを特徴とする請求項に記載のウェハ支持部材。
  9. 上記抵抗発熱体を囲む外接円の内側に上記周辺凸部が配置されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のウェハ支持部材。
  10. 上記内側凸部の載置面からの突出高さは0.05〜0.5mmであり、上記内側凸部は、上記周辺凸部に内接する内接円の直径の0.5倍以下の範囲内に少なくとも1個、記内接円の直径の0.5〜1倍の範囲内に少なくとも3個以上それぞれ同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のウェハ支持部材。
  11. 上記抵抗発熱体の外接円の直径Dが上記板状セラミック体の直径DPの90〜99%であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のウェハ支持部材。
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