JP4721348B2 - 電気電子機器用キャビネットの制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、外キャビネットの内部に粘弾性体により支持された内キャビネットを設け、2重構造とした電気電子機器用キャビネットの制振構造に関するものである。
電気電子機器用キャビネットの内部に収納された機器を地震から保護するために、キャビネットを内外2重構造とし、内キャビネットと外キャビネット間を粘弾性体で接合したものは、例えば特許文献1に示されるように従来から知られている。ところが特許文献1のキャビネットは、単に内キャビネットを外キャビネットに粘弾性体を介して接合しただけであり、地震等の外力に対する外キャビネット及び内キャビネット自体の変形が考慮されておらず、内キャビネットの内部に伝わる振動を効率的に減衰させることは困難であった。
特表平11−501499号公報
本発明は上記した従来の問題点を解決し、地震振動に伴う外キャビネットや内キャビネット自体の減衰特性及び粘弾性体の特性等を考慮することにより、内キャビネットの内部機器に伝わる振動を効率的に減衰させることができる電気電子機器用キャビネットの制振構造を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、外キャビネットの内部に、上側及び下側の粘弾性体により支持された内キャビネットを設けた2重構造の電気電子機器用キャビネットの制振構造であって、
外キャビネットはフレーム同士を溶接又はコーナー部材を用いて強固に接合した構造とする一方、内キャビネットは接合した部材同士がこすれあうことにより震動を吸収する振動吸収部を備えた構造とし、
外キャビネットのばね定数は内キャビネットのばね定数以上、
内キャビネットの減衰定数は外キャビネットの減衰定数以上、
最大地震力が加わったときの下側粘弾性体の変位量は上側弾性体の変位量以上であり、
下側粘弾性体の減衰定数は外キャビネットの減衰定数より大きい、ことを特徴とするものである。
なお、内キャビネットは、振動を吸収しやすい振動吸収部を備えることが好ましく、下側粘弾性体の変位量を上側弾性体の変位量の1.4倍以上とすることが好ましい。また前記粘弾性体は、主鎖にC-C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合したものであることが好ましい。
本発明によれば、外キャビネットや内キャビネット自体の減衰特性及び粘弾性体の特性等を考慮することにより、後記する実施例のデータに示されるように、内キャビネットの内部機器に伝わる振動を効率的に減衰させることができ、単に2重構造としていた従来品よりも優れた制振機能を発揮させることができる。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の実施形態を示す斜視図であり、図2はその底部の拡大斜視図、図3は説明用の模式図である。図1、図2に示されるように、本発明の電気電子機器用キャビネットは外キャビネット1と内キャビネット2との2重構造を有し、内キャビネット2は上下に配置された上側粘弾性体3と下側粘弾性体4とにより、外キャビネット1の内部に支持されている。
この実施形態では、外キャビネット1は12本のフレームを直方体状に組み立てた骨格構造を有し、これに周知のごとく側板、背板、天板、扉など(図面では省略)を取り付けて構成されている。しかし板体同士を接合して外キャビネット1を構成してもよい。いずれの場合にも、外キャビネット1は外力に対して強い特性を持たせる必要がある。これは輸送時や設置時に受ける外力に対応するためと、扉の開閉、側板、背板の脱着に支障が生じないよう取付寸法を維持するためである。このために、外キャビネット1の骨格構造は、板厚が厚い多角形中空フレーム(ロール成型)を採用した上、その断面積を大きく形成し、外キャビネット1のばね定数を大きくなるような構成とした。さらに、フレーム同士の接合は、溶接又はコーナー部材を用いて強固に接合することにより、外力に対する減衰定数は比較的低くなるような構造とした。
内キャビネット2のばね定数は外キャビネット1のばね定数以下となるように設定するために、フレーム7は折曲フレームを採用した。また、内キャビネット2の減衰定数を外キャビネット1以上に設定するために、内キャビネット2は下板5と上板6との間を4本のフレームで連結した構造としたうえ、その連結部はねじ止め構造を採用し、外力で発生した振動を接合した部材同士がこすれあうことにより吸収する振動吸収部としての機能を持たせたものとした。これにより、内部機器(ラックユニットなど)の種類、取付位置に応じてフレーム7と下板5及び上板6との連結位置を、工場又は出荷先で調節することが容易にもなり、電気電子機器用キャビネットに適した構造となった。
図3に示すように、これらの外キャビネット1と内キャビネット2との間には、上側粘弾性体3と下側粘弾性体4とが配置されている。この実施形態では、図2に示すように底面板5の四隅に下側粘弾性体4が配置されており、同様に上面板6の四隅に上側粘弾性体3が配置されている。しかしその数は必ずしも実施形態のとおりでなくてもよい。
一般に粘弾性体の変位量は、主にそのばね定数によって決定され、ばね定数が小さいほど変位量が大きくなる。粘弾性体のばね定数を決定する要素は、下記のとおりである。
・ 粘弾性体の厚さH(厚み大⇒ばね定数小⇒変位量大)
・ 配置個数N (個数小⇒ばね定数小⇒変位量大)
・ 粘弾性体の面積A(面積小⇒ばね定数小⇒変位量大)
・ 粘弾性体のせん断弾性係数G(やわらかい⇒ばね定数小⇒変位量大)
粘弾性体のばね定数keとこれらの間には、ke=G・A・N/Hの関係式が成立する。また、想定される最大地震力Fに対して粘弾性体の変位XはX=F/keとなるから、このような粘弾性体の特性を考慮し、下側粘弾性体4の変位量が上側粘弾性体3の変位量よりも大きくなるような粘弾性体を選択する。好ましくは、最大地震力Fに対する下側粘弾性体4の変位量が上側粘弾性体3の変位量の1.4倍以上となるようにする。これにより、後記する実施例のようにキャビネット全体としての制振性能を向上させることができる。
このほか本発明では、下側粘弾性体4の減衰定数が外キャビネット1の減衰定数より大きくなるようにする。動的粘弾性試験における等価粘性減衰定数(Heq)および等価せん断弾性率(Geq=Keq/(S/D))とは、粘弾性材料のせん断変形を生じさせる正弦波加振を行い、その際の履歴ループ(ヒステリシス曲線)を測定し、その結果に基づいて計算されるものである。
図4に基づいて説明すると、Heqは下記の式1、Geqは下記の式2により計算される数値である。
Heq=ΔW/2πW・・・・・・・式1
Geq=Keq/(S/D)=F/UBE/(S/D)・・・・・・・式2
W:せん断変形の弾性エネルギ(図4において示される2つの三角形の面積。単位はkgf・cm)
ΔW:せん断変形により吸収するエネルギの合計(図4において示されるヒステリシス曲線で囲まれた面積。単位はkgf・cm)
F:最大変位を与えるときの荷重(単位はkgf)
BE:最大変位(単位はcm)
S/D:試験サンプルの形状係数(サンプルせん断面積/サンプルせん断隙間。単位はcm)
また、外キャビネット、内キャビネットの減衰定数Hは、図5に示されるように正弦波の掃引加振によって測定された伝達関数のピーク値周波数f0より3dB小さい点の周波数をf1及びf2とすると、H=(f2−f1)/2f0で表されるものである。
さらに、下側粘弾性体4は、外キャビネット1の減衰定数よりも大きい、高い減衰性能を有するものとしたので、後述する実験データで示すとおり、2重キャビネットとして高い減衰性能を発揮できるような構造とした。
なお、一般的な粘弾性体は振動周波数によって減衰定数が変化するが、上記実施の形態の電気電子機器用キャビネットに使用されている粘弾性体の材質として、主鎖にC-C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合したものを使用すれば、さまざまな地震に対して比較的安定した制振効果を得ることができ、好ましい。
次に、上側粘弾性体3、下側粘弾性体4について詳述する。
一般的な粘弾性材料は、振幅の増加に連れて剛性が増加し、抵抗力が大きくなる。振幅が大きくなるにつれて剛性が大きくなる性質をもつ粘弾性体を用いると、キャビネットの加速度応答や各部応力の過大な上昇が生じる。そこで、振幅が増加しても剛性の増加が頭打ちになる性質を備えた粘弾性体を用いることが好ましい。
また、一般的な粘弾性材料は、振動周波数の増加に伴い、Geq(=Keq/(S/D))〔kgf/cm〕が著しく増加する。例えば一般的な粘弾性体では、20℃では、0.1Hzのときと2.0HzのときではGeqの値が2〜3倍に増加する。地震動は0.1Hz〜20Hz程度に分布するので、これらの周波数に対して剛性や減衰性能の点で比較的安定した性質を備えた粘弾性体を用いることが望ましい。具体的には、より入力周波数分布領域が広範囲に及ぶ地震動に対応する必要がある。粘弾性体がキャビネットに付与する減衰性能は、概ね粘弾性体の有する剛性(ここでは等価せん断弾性率Geq)と減衰定数(ここでは等価粘性減衰定数Heq)との積で表現することができる。周波数依存性の評価は、一定の温度条件の下で、斯かる積の値が、ある周波数の時を基準として、上述した地震動の0.1Hz〜20Hzの範囲で±50%以内であればよい。
また、一般的に粘弾性体は、低温時に剛性が高くなり、高温時に剛性が低くなる。この実施形態では、電子機器等を収容する制振キャビネットに用いられるので、例えば、通常の室温の範囲、例えば、0℃〜50℃程度の温度範囲に対して剛性や減衰性能の点で比較的安定した性質を備えた粘弾性体を用いることが望ましい。
例えば、制振キャビネットの使用環境が0℃〜50℃であれば、20℃のGeq(等価せん断弾性率)を基準として、低温側は0℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=0℃)と、20℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=20℃)の比、Geq(t=0℃)/Geq(t=20℃)≦1.7とし、高温側は、50℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=50℃)と、20℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=20℃)の比、Geq(t=50℃)/Geq(t=20℃)≧0.45とするとよい。
この実施形態では、粘弾性体21、22に、上述した歪依存性、周波数依存性、温度依存性を持たせるため、主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合した高減衰ゴムを用いた。
斯かる高減衰ゴムを用いることにより、上述した歪依存性、周波数依存性、温度依存性を満足することができる。特に、20℃での性能がHeq≧0.2、0.35≦Geq≦6.0(N/mm)の範囲にあって、かつ、Geqの温度依存性が0℃/20℃≦1.7、50℃/20℃≧0.45(ともに、周波数0.1Hz、せん断歪率±1.0)を実現できる。ここでせん断歪率は図6に示すように、粘弾性体のせん断変形量dを粘弾性体の高さtで除したものである。
なお、シラン化合物は、下記の一般式で:
Figure 0004721348
〔式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つはアルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、他は同一または異なった水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。〕で表されるシラン化合物とを含有するゴム組成物の加硫成形により形成される。また、基材ゴムとしては、主鎖にC−C結合を有する種々のゴムがいずれも使用可能である。具体的には天然ゴム(NR)の他、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
前記一般式(1)で表されるシラン化合物において、R〜Rに相当するアルコキシ基としては、Cn2n+1Oで表される種々の炭素数のものがあげられるが、とくに炭素数が1〜2であるメトキシ、エトキシが好ましいものとしてあげられる。またハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素などがあげられる。
アルキル基としては、Cn2n+1で表される種々の炭素数のものがあげられるが、とくにその炭素数は1〜20程度であるのが好ましい。かかるアルキル基としては、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどがあげられる。
またアリール基としては、たとえばフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、o−テルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどがあげられる。かかるシラン化合物の具体例としては、これに限定されないがたとえば、n−ヘキシルトリメトキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジェトキシジメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシランなどがあげられる。
ゴム組成物には上記以外にもたとえば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、シリカ以外の補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、粘着性付与剤その他、各種の添加剤を添加してもよい。上記のうち加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物などがあげられ、このうち有機含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−ジチオビスモルホリンなどがあげられ、有機過酸化物としては、たとえばベンゾイルペルオキジド、ジクミルペルオキシドなどがあげられる。
また加硫促進剤としては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸テルルなどのジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤や、あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)などの無機促進剤があげられる。
加硫促進助剤としては、たとえばステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸や、あるいは亜鉛華などの金属酸化物などがあげられる。加硫遅延剤としては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸などの芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミンなどのニトロソ化合物などがあげられる。
上記加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤および加硫遅延剤は、その合計の配合量が、基材ゴム100重量部に対して4〜15重量部程度であるのが好ましい。老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類;ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール類などがあげられる。
老化防止剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して1.5〜5重量部程度が好ましい。シリカ以外の補強剤としては主にカーボンブラックが使用される他、ケイ酸塩系のホワイトカーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレーなどの無機補強剤や、あるいはクマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共重合体)などの有機補強剤も使用できる。
また、充填剤としては、たとえば炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。上記シリカ以外の補強剤および/または充填剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度が好ましい。軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸など)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどの、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟化剤があげられる。
軟化剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して10〜100重量部程度が好ましい。可塑剤としては、たとえばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェートなどの各種可塑剤があげられる。可塑剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜20重量部程度が好ましい。
さらに粘着性付与剤としては、たとえばクマロン・インデン樹脂、芳香族系樹脂、芳香族・脂肪族混合系樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などがあげられる。粘着性付与剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度であるのが好ましい。
上記以外にも、ゴム組成物にはたとえば分散剤、溶剤などを適宜配合してもよい。ゴム組成物は、上記の各成分を、たとえば密閉式混練機などを用いて混練することで製造される。そして粘弾性体は、たとえば上記ゴム組成物を、ローラーヘッド押出機などを用いてシート状に成形し、所定の形状を有するようにこのシートを打ち抜いた後、打ち抜いたシートを、所定の厚みを有するように複数枚、積層した状態で、所定の型内で加熱して加硫成形するなどして製造される。
図1に示された2重構造のキャビネットを用いて加振テストを行い、本発明の構成要件と制振性能との関係を調べた。外キャビネットは接合箇所全部を溶接した剛性の高いものとし、内キャビネットは上板、下板間にフレーム材をねじ止めした剛性の低いものを採用した。これにより外キャビネットのばね定数が内キャビネットのばね定数以上となるようにした。なお、ばね定数kと固有振動数fと質量mとの間には、f=(1/2π)・(k/m)1/2の関係が成立するため、ばね定数kが大きくなると固有振動数fも大きくなる。このため、ばね定数kの大小は固有振動数fの大小と一致する。実施例では外キャビネットの固有振動数は6Hz、内キャビネットの固有振動数は2Hzであり、外キャビネットのばね定数が大きい。また外キャビネットの減衰定数は2%、内キャビネットの減衰定数は8%である。
このような外キャビネットと内キャビネットとの間に設ける上側粘弾性体と下側粘弾性体の特性をさまざまに変化させ、加振テストを行った。なおテストの際には制振性能が最も要求される、キャビネットの積載許容荷重と同重量の重りを、重心が内キャビネットの中央となるように搭載した。表1は上側粘弾性体または下側粘弾性体の最大変位が50mmとなるように水平振動を加えた場合のデータであり、表2は上側粘弾性体または下側粘弾性体の最大変位が30mmとなるように水平振動を加えた場合のデータである。なお、粘弾性体の最大変位は、内キャビネットの端部と外キャビネットの横フレーム又は奥行きフレームまでの距離S1又はS2として定義される。
Figure 0004721348
Figure 0004721348
これらの表において、3段目の比率は下側粘弾性体変位/上側粘弾性体変位の値である。また加速度比率は、内キャビネットに加わる最大加速度を、上側粘弾性体と下側粘弾性体の最大変位が等しい場合を1として指数で示した。また変位比率は、外キャビネットの最大変位を、上側粘弾性体と下側粘弾性体の最大変位が等しい場合を1として指数で示した。
これらのデータから分かるように、下側粘弾性体の変位量が上側弾性体の変位量以上、すなわち比率が1以上のときに内キャビネットに加わる最大加速度が下限値となり、比率が1.4以上であれば内キャビネットに加わる最大加速度が小さくなる。また外キャビネットの最大変位は、この比率が1のときに最大である。この結果、下側粘弾性体の変位量を上側弾性体の変位量以上とし、その比は大きいほうが好ましいこととなる。
次に表3に、外キャビネットと下側粘弾性体の減衰定数および2重キャビネット全体の最大加速度比率及び最大変位比率を示す。この表3に示すように、下側粘弾性体の減衰定数が外キャビネットより大きいときに、2重キャビネット全体の最大加速度及び最大変位が大きくなり優れた制振性能が発揮されることとなる。なおこの実験では何れも、内キャビネットの減衰定数を8%、下側粘弾性体変位/上側粘弾性体変位で示される比率を5とした。
Figure 0004721348
以上に説明したように、本発明の各要件が満足された場合に、2重キャビネットとしての制振性能が高まり、内キャビネットの内部に収納された機器を地震による振動から効果的に保護することが可能となる。なお、本発明の各キャビネットはフレームにより構成されるものに限らず、箱体のみからなるものをも含むものとする。また本発明はキャビネットの前後方向および左右方向共に適用可能であるが、一方向だけでも可である。例えば、キャビネットは前面に開口部があるために左右方向の振動の弱く、両サイドには側板や補強材を入れることが可能であるので、前後方向の振動には強いという特性を持つため、主として左右方向の振動に対応できる構造としておいてもよい。
本発明の実施形態を示す斜視図である。 本発明の実施形態を示す底部の拡大斜視図である。 本発明の説明用の模式図である。 粘弾性体の減衰定数を求めるためのヒステリシス曲線のグラフである。 外キャビネット、内キャビネットの減衰定数を求めるための伝達関数のグラフである。 せん断歪率を説明する図である。
符号の説明
1 外キャビネット
2 内キャビネット
3 上側粘弾性体
4 下側粘弾性体
5 下板
6 上板
7 フレーム
8 取付金具


Claims (4)

  1. 外キャビネットの内部に、上側及び下側の粘弾性体により支持された内キャビネットを設けた2重構造の電気電子機器用キャビネットの制振構造であって、
    外キャビネットはフレーム同士を溶接又はコーナー部材を用いて強固に接合した構造とする一方、内キャビネットは接合した部材同士がこすれあうことにより震動を吸収する振動吸収部を備えた構造とし、
    外キャビネットのばね定数は内キャビネットのばね定数以上、
    内キャビネットの減衰定数は外キャビネットの減衰定数以上、
    最大地震力が加わったときの下側粘弾性体の変位量は上側弾性体の変位量以上であり、
    下側粘弾性体の減衰定数は外キャビネットの減衰定数より大きい、ことを特徴とする電気電子機器用キャビネットの制振構造。
  2. 内キャビネットは、振動を吸収しやすい振動吸収部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気電子機器用キャビネットの制振構造。
  3. 下側粘弾性体の変位量を、上側粘弾性体の変位量の1.4倍以上としたことを特徴とする請求項1または2記載の電気電子機器用キャビネットの制振構造。
  4. 前記粘弾性体は、主鎖にC-C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合したものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電気電子機器用キャビネットの制振構造。
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