以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る図示していない遊技機(例えば、パチンコ遊技機)の遊技盤4を示す正面図である。案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成され、遊技領域12の中央部分には、センターユニット40が配設されている。なお、センターユニット40の正面左上部、及び、左右下端部には、遊技球が通過可能な通路が形成されると共に遊技球が通過したことに基づいて揺動する揺動通路部材43(球通過部)が設けられている。また、センターユニット40の正面右上部には、予め定めた特定の条件のときに画像を表示させて演出を行う演出表示装置として、遊技盤4の前面に対して水平に(遊技盤4面と平行な平面内で)回転駆動制御される回転LED表示ユニット60が設けられている。本実施形態では、回転LED表示ユニット60は作動時においては常に時計回りに回転駆動される。
さらに、センターユニット40には、回転LED表示ユニット60の背面内部に図示しない球通過経路が形成されると共に、回転LED表示ユニット60の左側方に球通過経路の入口40aが、回転LED表示ユニット60の右側方に球通過経路の出口40bが設けられている。また、センターユニット40における回転LED表示ユニット60の下部には、遊技球が通過可能な通路が形成された球通路部材49(球通過部)が設けられている。
また、センターユニット40の正面左上部(センターユニット40の正面左上部に設けられた揺動通路部材43の上方)には、発光体(本実施形態では、LED)の点灯制御により普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示器44が設けられている。本実施形態では、普通図柄表示器44に内蔵されるLEDを赤色と、緑色とに交互に点灯することにより普通図柄を変動表示し、所定期間経過後に赤色、又は、緑色、の一方で停止表示することにより普通図柄の表示結果を導出する。
また、普通図柄表示器44の右上方には、複数個の発光体(本実施形態では、4個のLED)により構成され、点灯・消灯制御される普通図柄始動記憶LED48が設けられている。また、普通図柄始動記憶LED48の下方には、遊技状態に応じて発光体(本実施形態では、LED)を点灯制御する状態表示LED45が設けられている。普通図柄表示器44、普通図柄始動記憶LED48及び状態表示LED45の前面には各々に対応した装飾レンズカバーが設けられている。
また、センターユニット40の中央後方には、画像表示装置42が視認可能に設けられている。なお、本実施形態では、画像表示装置42は、左・中・右の3つの領域を有し、各領域にて各々が識別可能な複数種類の装飾図柄の変動表示を行うものである。また、画像表示装置42には、装飾図柄とは異なる演出画像も表示制御される。
また、画像表示装置42の上方には、パチンコ遊技機の前下方に光照射する上部ランプ88が設けられ、その一部が視認可能となっている。上部ランプ88は、画像表示装置42にて実行される演出と同期して点灯・消灯制御され、画像表示装置42にて表示制御される内容の演出効果を高めるためのものである。
また、画像表示装置42の上方の左右方向略中央には、特別図柄表示器41が視認可能に設けられている。なお、特別図柄表示器41は、複数個の発光体(本実施形態では、4個のLED)によって構成され、これらの発光体を所定の態様で点灯・消灯制御することにより特別図柄を変動表示し、特別図柄の表示結果として所定の態様でLEDを点灯するものである。また、特別図柄表示器41の左側方には、複数個の発光体(本実施形態では、○及び×が付された2個のLED)により構成され、点灯・消灯制御される大当り種類表示LED46が設けられている。
また、画像表示装置42の前方下部には、センターユニット40の左上部に設けられた揺動通路部材43及びセンターユニット40の回転LED表示ユニット60の下部に設けられた球通路部材49によって誘導された遊技球が転動可能なステージ50(球転動面)が設けられている。
また、センターユニット40の一部を構成すると共に、センターユニット40の外縁を形成する前面装飾体80(装飾部材)が設けられている。しかして、前面装飾体80には、上述した揺動通路部材43、球通路部材49が設けられると共に、普通図柄表示器44、普通図柄始動記憶LED48及び状態表示LED45に対応する装飾レンズカバーが設けられている。
さらに、前面装飾体80の下縁部には、ステージ50の一部を構成する排出ステージ80a(球転動面)が形成されている。排出ステージ80aは、パチンコ遊技機の手前方向に所定の角度で傾斜してステージ50上を転動する遊技球を遊技領域12に排出可能にする。
また、前面装飾体80は、遊技領域12における遊技球の流下を規制するように遊技盤4の盤面から前方に所定の厚みを有してなり、遊技領域12を流下してきた遊技球が前面装飾体80の外壁に接触することで、前面装飾体80の左右両側の一方に誘導されると共に、画像表示装置42の視認及び回転LED表示ユニット60の回転駆動を妨げないように遊技球の進入を阻止している。
しかして、前面装飾体80の外壁の一部には、球通過経路の入口40a、球通路部材49の入口、及び左上部に設けられた揺動通路部材43の入口、が形成されている。
センターユニット40の左側方には、ゲート74が設けられている。ゲート74には、ゲート74を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ74a(図2参照)が設けられている。なお、上述した普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示は、ゲート74を遊技球が通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことに基づいて開始される。即ち、ゲートスイッチ74aによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示が許可される。
また、センターユニット40の中央下方には、可変入賞装置70が配設されている。可変入賞装置70は、上方から遊技球が入賞可能な第1始動口72(始動入賞口)と、第1始動口72の下方に設けられた第2始動口73(始動入賞口)と、第1始動口72に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70a(図2参照)と、第2始動口73に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70b(図2参照)とを備えている。また、第2始動口73の両側には、ソレノイド71aにより下部を支点として回動可能な一対の可動片71が設けられている。第2始動口73は、通常、上方に位置する第1始動口72と、第2始動口73の両側に位置する可動片71により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、ソレノイド71aを可動して可動片71を回動させ、遊技球が左右方向から入賞可能な開放状態に制御する。また、第1始動口72に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われ、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70bによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
なお、前面装飾体80の下縁部に形成された排出ステージ80aは、可変入賞装置70の真上に位置しており、これによって排出ステージ80aから排出された遊技球は、第1始動口72及び第2始動口73に入賞し易くなっている。但し、排出ステージ80aの球排出部分は、遊技球の直径寸法に比べて幅広に形成されている。このため、排出ステージ80aでの遊技球の排出部分によって第1始動口72又は第2始動口73に遊技球が入賞する割合が様々に異なるようになっている。即ち、排出ステージ80aから排出された遊技球が第1始動口72及び第2始動口73に入賞し易い構成とは、遊技球がステージ50上を転動することなく第1始動口72又は第2始動口73に入賞する場合に比べて入賞し易いことをいい、排出ステージ80aから排出された遊技球は、必ずしも第1始動口72又は第2始動口73に入賞するものではない。
また、前面装飾体80の左右下端部に設けられる揺動通路部材43に遊技球が進入することにより、可変入賞装置70が配設されている遊技領域12の中央方向に遊技球を誘導可能になる。即ち、前面装飾体80の正面左上部に設けられた揺動通路部材43及び球通路部材49によって遊技球がステージ50に誘導されなかった場合にも、前面装飾体80の左右下端部に位置する揺動通路部材43に遊技球が進入することにより可変入賞装置70が配設されている遊技領域12の中央方向に誘導されるため、遊技領域12の中央方向に遊技球が誘導されない場合に比べて第1始動口72及び第2始動口73への入賞率が高まる。なお、揺動通路部材43は、遊技球が通過したときに遊技盤4の前面表面上に垂直に突出した回転軸を中心として左右に揺動する。このように、遊技球が通過したときに揺動通路部材43が左右に揺動するため、遊技球の通過を確認できると共に、遊技に変化を与えることができ、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
このように、揺動通路部材43に遊技球が進入することによりステージ50上に遊技球を誘導するか、又は、可変入賞装置70が配設されている遊技領域の中央方向に遊技球を誘導するため、揺動通路部材43に遊技球が進入したときに第1始動口72及び第2始動口73への入賞に対する期待感を高めることができる。
可変入賞装置70の下方には、大入賞口開閉装置75(大入賞口装置)が配設されている。大入賞口開閉装置75は、内部に所定の領域の大入賞口を有している。また、大入賞口は、その入口が横長長方形状に形成され、大入賞口開閉装置75は、大入賞口の入口の前面に設けられ、ソレノイド76aにより下部を支点として回動可能な前面扉76と、大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ75a(図2参照)とを備えている。なお、大入賞口開閉装置75は、通常、前面扉76が起立し、大入賞口の入口を塞ぐことで遊技球が入賞不可能な閉塞状態に制御され、ソレノイド76aを可動し、前面扉76の下部を支点としてパチンコ遊技機の手前方向に回動させ、遊技球が入賞可能な 開放状態に制御する。また、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ75aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、14個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、大入賞口開閉装置75の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域12から排出するアウト口77が設けられている。また、遊技領域12には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口13も設けられ、一般入賞口13に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口13に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ13a(図2参照)によって検出され、一般入賞口13に遊技球が入賞し、一般入賞口スイッチ13aによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。
なお、図示しないが、遊技盤4の遊技領域12に設けられるセンターユニット40等の各装置には複数のランプ及びLED等が設けられている(例えば、上部ランプ88等)。そして、画像表示装置42にて実行される演出の演出態様に応じてランプ及びLED等を点灯・消灯制御することにより演出効果を高めている。また、図示しないが、遊技盤4の前面(遊技領域12が形成される側)には遊技球の流下方向を変化させ、遊技球の挙動を面白くする複数の障害釘が突設している。
図2は、実施形態のパチンコ遊技機に配備された主基板グループ及び周辺基板グループにおける回路構成の一例を示すブロック図である。なお、主基板グループ及び周辺基板グループを構成する各種基板は遊技盤4の背面側に取り付けられる。
主基板グループは、主制御基板101及び払出制御基板105によって構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU102、読み出し専用メモリとしてのROM103、読み書き可能メモリとしてのRAM104を備えている。CPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行することによりパチンコ遊技機で行われる各種遊技を制御する共に、周辺基板グループ、払出制御基板105に送信する信号を作成したりする。また、RAM104には、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主制御基板101には、ゲートスイッチ74a、始動口スイッチ70a,70b、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a等からの検出信号が入力される。そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ち、入力された検出信号に基づいてソレノイド71a,76a、特別図柄表示器41、普通図柄表示器44、特別図柄始動記憶ランプ47、普通図柄始動記憶LED48、状態表示LED45、大当り種類表示LED46等へ駆動信号を出力する。さらに、払出制御基板105に入賞に応じた遊技球の払い出しを指示する信号を出力する。
また、払出制御基板105は、中央演算装置としての払出CPU106、読み出し専用メモリとしての払出ROM107、読み書き可能メモリとしての払出RAM108を備えている。なお、上述した始動口スイッチ70a,70b、カウントスイッチ75a、一般入賞口スイッチ13a等により遊技球が検出されたときに、各スイッチから検出信号が主制御基板101に入力され、検出信号が入力されたことに基づいて主制御基板101に搭載されるCPU102から払出制御基板105に遊技球の払い出しを指示する信号が送信される。そして、払出制御基板105は、主制御基板101から受信した払い出しを指示する信号を処理し、払出装置109(払出モータ)に駆動信号を出力する。駆動信号が入力されたことに基づいて払出装置109により遊技球の払い出しが行われる。
また、払出制御基板105には、遊技球を遊技領域12に向けて発射する発射モータを備えた発射装置135も接続される。そして、操作ハンドル(図示せず)が操作されたことに基づいて発射装置135によって発射モータを駆動し、遊技球を打ち出す。なお、図示しないが、操作ハンドルには遊技者が触れていることを検知するタッチセンサが内蔵され、タッチセンサによって遊技者が触れていることを検知し、さらに操作ハンドルが操作されたことに基づいて発射装置135により発射モータを駆動可能な状態となる。なお、下皿が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドルの操作を受付不能な状態に制御し、発射装置135による発射モータの駆動不可能な状態にしてもよい。即ち、払出装置109から払い出された遊技球は上皿に貯留されるが、上皿に貯留しきれない遊技球の払い出しが行われた場合には、上皿と連通した下皿に貯留される。この状態でさらに払出装置109からの遊技球が払い出された場合に下皿が満タンとなったことを検出する下皿満タンスイッチによって検出信号を出力し、この検出信号が入力されたときに操作ハンドルの操作を受付不能な状態に制御してもよい。この場合には、下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されなくなったことに基づいて操作ハンドルの操作を受付可能な状態へ制御するように構成してもよい。
周辺基板グループは、周辺制御基板111、ランプ中継基板119、回転装飾制御基板115及び表示制御基板120によって構成される。周辺制御基板111は、CPU112、ROM113、RAM114を備えている。また、周辺制御基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128及び音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127も備えている。CPU112は、ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主制御基板101から送信された信号を受信し、受信した信号に基づく処理を実行する。また、RAM114には、周辺制御基板111で実行される種々の処理において生成される各種データ、入出力信号、主制御基板101から受信した信号等の情報が一時的に記憶される。そして、CPU112は、RAM114に記憶されている主制御基板101から受信した信号を読み出し、読み出した信号に基づいて表示制御基板120及びランプ中継基板119に信号を送信したり、音ROM127から音出力態様を読み出し、音源IC128によって読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29及び下部スピーカ14に出力したり、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。
ランプ中継基板119は、周辺制御基板111から受信した信号を遊技盤ランプ28及び回転装飾制御基板115に送信する。なお、ランプ中継基板119では、主制御基板101から送信される信号を遊技盤ランプ及び回転装飾制御基板115に中継するだけであり、実質的には遊技盤ランプ及び回転装飾制御基板115の制御は周辺制御基板111が行う。以下、ランプ中継基板119を省略して説明する場合がある。
回転装飾制御基板115は、中央演算装置としてのCPU116、読み出し専用メモリとしてのROM117、読み書き可能メモリとしてのRAM118を備えている。また、表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121、読み出し専用メモリとしての表示ROM122、読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。
また、回転装飾制御基板115に搭載されるCPU116は、周辺制御基板111からランプ中継基板119を経由して受信した信号(コマンド)に基づいて駆動モータ63及びLED62に駆動信号を出力する。駆動モータ63に駆動信号が出力されることにより回転LED表示ユニット60の回転体(後述)が回転駆動制御され、LED62に駆動信号を出力することにより所定の態様の残影が表示される。また、表示制御基板120に搭載される表示CPU121は、周辺制御基板111からの信号に基づいて画像表示装置42を制御する。
ここで、上述した各種構成部材及び装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドルを操作することによりパチンコ遊技機の裏面側に設けられる発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール及び案内レール11を通って遊技領域12の上部に放出され、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口77に向かって流下する。そして、遊技領域12を流下する遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aによって検出されると、普通図柄表示器44で普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯表示)が開始される。
なお、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)でLEDを停止表示する。
また、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を実行中に遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことに基づいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数は普通図柄始動記憶LED48の点灯個数によって表示される。具体的には、普通図柄始動記憶LED48は、ゲート74の通過が有効であるとき(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ74aにより遊技球を検出する毎にLEDを1つ点灯させ、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始する毎に点灯しているLEDを1つ消灯させる。
本実施形態では、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に赤色に点灯した状態で停止表示した後、ソレノイド71aを可動することにより可動片71を回動させて可変入賞装置70を所定期間開放状態に制御する。一方、普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に緑色に点灯した状態で停止表示し、可変入賞装置70を開放状態に制御しない。具体的には、普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に赤色に点灯した状態で停止表示した後、ソレノイド71aを可動して第2始動口73の可動片71を所定時間(例えば、0.5秒)開放する。そして、所定期間経過したときに再びソレノイド71aを可動して可動片71を閉塞する。一方、普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合には、普通図柄の変動表示を開始して、所定期間経過後に緑色に点灯した状態で停止表示した後、可動片71を開放する制御を行わず第2始動口73に遊技球が入賞不可能な閉塞状態に制御されるが、第1始動口72は遊技球を入賞可能な状態となっている。
また、第1始動口72又は第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70a及び始動口スイッチ70bにより遊技球が検出されると、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態、及び、特別図柄及び装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示装置42で装飾図柄の変動表示が開始される。特別図柄及び装飾図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、停止時の特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ:大当り図柄)である場合には、装飾図柄の停止図柄(左・中・右の装飾図柄全てが停止した状態)も特定の表示態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)となり、「大当り遊技状態」の制御を開始する。
即ち、ソレノイド76aを駆動し、大入賞口の入口を塞いでいる前面扉76の下部を支点としてパチンコ遊技機の手前方向に回動させて大入賞口開閉装置75を開放状態に制御し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ75aによって検出されるまで大入賞口を開放した状態に維持する。その後、ソレノイド76aを駆動し、前面扉76の下部を支点として起立させて大入賞口の入口を塞ぎ、大入賞口開閉装置75を閉塞状態に制御する。そして、大入賞口開閉装置75を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)を15回繰り返し実行(15ラウンド実行)したときに大当り遊技状態を終了させる。このように、大当り遊技状態に制御された場合には、大入賞口が開放され、該開放された大入賞口に遊技球を入賞させることで、第1始動口72及び第2始動口73に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能であるため、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始して中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また、停止時の特別図柄が特定の表示態様のうちさらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)である場合には、装飾図柄の停止図柄も特別態様(本実施形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ:確変図柄)となり、大当り遊技状態に制御した後、次に大当り遊技状態となる確率が高くなる(本実施形態では、確率変動状態では1/70、確率変動状態以外では、1/490)。即ち、確率変動状態という遊技者にさらに有利な状態になる。
確率変動状態では、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果「当り」となったことに基づいて開放される可動片71の開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態では、0.5秒、時短状態及び確率変動状態では、0.8秒)、可変入賞装置70が開放状態にされる開放回数を通常状態よりも増加させる制御(本実施形態では、通常状態では、1回、時短状態及び確率変動状態では、3回)等の時短制御も行われる。
また、停止時の特別図柄が特定の表示態様のうち特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ)である場合には、装飾図柄の停止図柄も非特別態様(本実施形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ:非確変図柄)となり、大当り遊技状態に制御した後、特別図柄表示器41にて所定回数(本実施形態では、100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまで特別図柄の変動時間と、普通図柄の変動時間と、を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果「当り」となったことに基づいて開放される可動片71の開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞装置70が開放状態にされる開放回数を通常状態よりも増加させる制御、等の時短制御が実行される。時短状態では、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示が所定回数実行されるまでは、第2始動口73への入賞確率が増加し、所定期間での特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができるため遊技者に有利な状態となる。また、上述した確率変動状態では、時短制御に加えて、普通図柄表示器44にて普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率が高められるため時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した確率変動状態、及び、時短状態、以外の状態である。
なお、上述したように、本実施形態では、第1始動口72に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70aによって検出されたときに3個、第2始動口73に遊技球が入賞し、始動口スイッチ70bによって検出されたときに4個、の遊技球が払い出される。第1始動口72は、上述したように、常に上方から遊技球を入賞可能であることから、遊技球の入賞に対する払出個数が多すぎると始動口(第1始動口72及び第2始動口73)への入賞を(運営者側の不利益解消等により)抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまう。また、払出個数が少なすぎると抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となり遊技者に不利益を与えてしまう。一方、第2始動口73は、後述する時短状態及び確率変動状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、可動片71の開放時間及び開放回数の延長制御を行うようにし、該第2始動口73への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球に対して払出数が少なくなり、有利な遊技状態にも関わらず遊技球が減ることで遊技者に不快感を与えてしまう。これらの事象を考慮し、第1始動口72及び第2始動口73それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、特別図柄表示器41における特別図柄の表示結果と、画像表示装置42における装飾図柄の表示結果とは対応している。即ち、特別図柄表示器41及び画像表示装置42にて特別図柄及び装飾図柄の変動表示を開始するときに大当りとしない判定がなされた場合には、特別図柄表示器41にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示すると共に、画像表示装置42にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、本実施形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出する。
また、画像表示装置42にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器41にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器41にて行われる変動表示の内容を演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。
また、本実施形態では、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された1種類の大当り遊技状態に制御可能であるが、大当り遊技状態として遊技者に付与される利益が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成してもよい。例えば、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数が異なる複数種類の大当り遊技状態に制御するように構成してもよい。この場合には、大当り判定乱数に基づいて大当りとする判定がなされた後、大当り遊技状態にて実行するラウンド数を決定するようにしてもよいし、大当り判定乱数に基づいて異なるラウンド数が設定された複数種類の大当り遊技状態のうちいずれかに制御するか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、状態表示LED45が上述した確率変動状態にて赤色に点灯制御され、上述した時短状態にて緑色に点灯制御される。そして、時短状態及び確率変動状態を終了したとき、即ち、通常状態への制御を開始したとき、及び、大当り遊技状態に制御されたときに状態表示LED45を消灯する。
また、本実施形態では、大当り遊技状態の実行中に上述した大当り種類表示LED46を点灯する。具体的には、大当り遊技状態の種類に応じて、大当り種類表示LED46の○が付された左側のLEDと、×が付された右側のLEDと、のいずれか一方、又は、両方を点灯する。本実施形態では、1種類の大当り遊技状態にのみ制御可能であるため、大当り種類表示LED46を点灯制御しても効果を奏しないが、複数種類の大当り遊技状態に制御可能に構成した場合には、複数種類の大当り遊技状態に対応して大当り種類表示LED46を点灯・消灯制御することにより大当り遊技状態の種類を把握することができる。
例えば、複数種類の大当り遊技状態として、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「7回」が設定された第1大当り遊技状態と、大当り遊技状態にて実行されるラウンド数として「15回」が設定された第2大当り遊技状態と、を実行可能な構成とした場合に、第1大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の右側のLED(×が付されたLED)を点灯させ、第2大当り遊技状態の実行中に大当り種類表示LED46の左側のLED(○が付されたLED)を点灯させる制御を実行するようにしてもよい。このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機は、複数種類の大当り遊技状態に制御可能な遊技機にも対応可能に構成される。
次に、本発明における演出表示装置としての回転LED表示ユニット60について説明する。図3は、回転LED表示ユニット60を右上方から見た斜視図である。回転LED表示ユニット60は、回転体61に1列に多数のLEDが配列されると共に、回転体61が駆動モータ63の駆動軸に連結され、駆動モータ63で遊技盤4面と平行な平面内で回転体61を回転させつつ、多数のLEDを個々に点灯させることにより、回転体61の回転軌跡面上に残像効果により画像を表示させるものである。図1に示すように、本実施形態における回転LED表示ユニット60は、回転体61の内部に複数(本実施形態では、8個)の発光体として多色発光可能なフルカラーLED62を備えている。
また、本実施形態では、センターユニット40の正面右上部に回転LED表示ユニット60が設けられている。上述したように、パチンコ遊技機においては、遊技領域12の左上方から遊技球が打ち出される。また、一般的に、パチンコ遊技機にて遊技を行う遊技者は、センターユニット40の左側に遊技球を流下させて第1始動口72及び第2始動口73への遊技球の入賞を狙う。このため、本実施形態では、最も遊技者の遊技に影響を与えない遊技領域12の正面右上部に対応するセンターユニット40の正面右上部に回転LED表示ユニット60を設けている。
図3に示すように、回転LED表示ユニット60は、駆動モータ63の回転軸(モータ軸)の先端部に設けられた回転体61と、回転体61を回転駆動する駆動モータ63と、駆動モータ63の回転軸(モータ軸)が内蔵されると共に、各種基板を備えたユニット本体64と、ユニット本体64に螺着される取付部材65とから構成される。駆動モータ63のモータ軸の先端部には回転体61が装着され、回転体61の背面側にはモータ軸が内蔵されると共に回転装飾制御基板115等からの信号を中継する中継基板が内蔵されるユニット本体64が配設され、さらにその背面側に駆動モータ63が配置されている。また、取付部材65はユニット本体64に螺着され、この取付部材65に形成された取付孔65aにネジを挿入して遊技盤4の背面側に螺着する。
本実施形態における回転体61は、横長な直方体状(棒状ともいう)で前方が開口した箱型に形成されたケース66と、ケース66の前面を覆うカバー67とを備えており、ケース66の開口を塞ぐようにカバー67を前方から装着することにより密閉する。
回転体61の内部には、多色発光可能な8個のフルカラーLED62、該フルカラーLED62を点灯駆動する点灯ドライバ用IC(図示せず)を含む表示基板、LED62及びICに電力を供給する回路(図示しない)等が搭載される回路基板等が内蔵される。これらの回路基板は、カバー67とケース66とで挟持されることにより回転体61の内部にかっちりと固定され、回転体61を回転させたときに回転体61と一体的に回転する。なお、回転体61への表示コントロール信号の受け渡しは、ユニット本体64の内部に設けられた信号伝達基板(図示せず)の赤外線LEDから出力された赤外線を、駆動モータ63のモータ軸と一体に設けられた信号受信基板の受光素子(回転体と共に回転)で受けることにより行われる(赤外線通信)。また、回転体61への電力供給は、前記モータ軸と一体に設けられたスリップリング(図示せず、回転体と共に回転)とユニット本体64の内部に設けられたカーボンブラシ(図示せず)とで行われる。
また、回転体61の上下の側板の底板側には複数の通気孔68が設けられている。回転体61を回転することにより通気孔68から空気が流入し、回転体61の内部の空気を循環する。なお、回転体61に内蔵される回路基板に搭載されるLED62、点灯ドライバ用IC、電力を供給する回路等は、動作するときに発熱する。このため、通気孔68を形成し、回転体61を回転させたときに回転体61の内部の空気を循環させることによりLED62、点灯ドライバ用IC、電力を供給する回路等を冷却して温度上昇を抑えるように構成している。
以上のように構成される回転体61は、回転装飾制御基板115に搭載されたCPU116からの駆動信号に基づいて駆動モータ63を高速で駆動することにより回転体61を高速回転(本実施形態では、1分間に1250回転)させる。また、このとき8つのLED62を所定の発光パターン(例えば、発光時間、発光位置、発光色、等のパターン)で発光制御することにより複数種類の態様(例えば、花火等)の残影(残像ともいう)を表示させる。なお、駆動モータ63は、本実施形態では96ステップで1回転するステップモータで構成されている。
また、本実施形態では、回転装飾制御基板115に搭載されるROM117には、回転体61の回転態様及びLED62の発光態様が記された複数の発光パターンが記憶されている(予め画像に対応させて一群の点灯データが記憶されている)。そして、予め定めた特定の条件のときに、例えば、特別図柄表示器41にて特別図柄の変動表示を開始するときに(画像表示装置42にて装飾図柄の変動表示を開始するときに)、主制御基板101に配備されたCPU102が周辺制御基板111の配備されたCPU112に対してコマンドを送信することにより演出表示の開始とその内容を指令する。CPU112は、主制御基板101に配備されたCPU102から送信されたコマンドを受けると、回転装飾制御基板115に対してコマンドを送信し、コマンドに対応する演出表示の開始とその内容を指令する。回転装飾制御基板115のCPU116は、周辺制御基板111からランプ中継基板119を経由して受信したコマンドに基づいてROM117に記憶される複数種類の発光パターンのうちいずれかを選択し、選択した発光パターンに基づいて駆動モータ63及び8つのLED62に駆動信号を出力する。即ち、特別図柄表示器41における特別図柄の変動表示及び画像表示装置42における装飾図柄の変動表示と同期して回転体61を回転駆動すると共に、回転体61の内部に設けられるLED62を所定の発光パターンで発光制御する。回転体61を回転駆動すると共に回転体61の内部に設けられるLED62を所定の発光パターンで発光制御することにより、画像表示装置42の前方に所定の態様の残影が表示される。
以上のように構成された回転LED表示ユニット60による演出表示について説明する。図4は、回転体61に配設された8個のフルカラーLEDを説明上区別するために示す概略図である。図4に示すように、回転軸(駆動モータ63のモータ軸)に対して最も外周に配設されたLEDをLED0とし、回転中心に向けて順次配設されたLEDを、LED1、LED2、…、LED6とし、回転軸の最も近く(回転中心部)に配設されたLEDをLED7とする。
図5乃至図6は、回転LED表示ユニット60の動作制御を行う回転装飾制御基板115に配備されたCPU116(以下、単にCPUという)が実行する処理のメインルーチンを示すフローチャートである。なお、以下に説明するCPU116が行う処理において、回転体60の回転中心部に配置されたLEDを点灯するための駆動出力をソフト的に間引く。これにより、回転LED表示ユニット60によって表示される画像の明るさが均一に見えるようになる。
電源投入を行うと、パワーオンリセット回路(図示せず)が起動し、リセット信号がCPUに入力され、CPUはメインルーチンを開始する。メインルーチンを開始すると、CPUの初期設定処理を行う(ステップS01)。CPUの初期設定処理は、I/Oポートの方向レジスタやCPUに内蔵のタイマへのタイマ割込時間の書き込み等の初期値設定を行うものである。なお、本実施形態では、タイマ割込時間として0.5msを設定する。次いで、CPUは、RAM118の全領域のクリアを行い(ステップS02)、後続の各処理に必要な初期値をRAM118の所定のエリアに設定し(ステップS03)、ROM117から初期動作情報を読み(ステップS04)、初期動作情報に基づいて駆動モータ63の原点復帰動作を行う(ステップS05)。即ち、駆動モータ63を低速で回転させ、回転LED表示ユニット60の回転体61に配備された原点検出回路(図示せず)から出力された原点位置検出信号を検出すると駆動モータ63を停止させる。また、原点位置検出信号を検出すると、8個のLED62を2秒間白色点灯させる(ステップS06)。即ち、8個のLED62のそれぞれに対してRGB信号を全てオンとして出力する。
ステップS06の処理が完了すると、ステップS07に進み、定期処理フラグは「1」であるか否かを判別する(ステップS07)。なお、定期処理フラグは、CPUが48ms毎に行う処理ルーチンを実行するか否かを識別するためのフラグである。CPUが電源投入時よりメインルーチンを開始した時点では、ステップS02により定期処理フラグは「0(非実行)」がセットされている。したがって、CPUは、ステップS07をNOと判断する結果、ステップS07を繰り返すことにより、待機状態となる。
タイマに設定された割込時間である0.5msが経過すると、タイマ割込がCPUにかかる。タイマ割込がかかると、CPUはタイマ割込ルーチンにジャンプする。図7は、CPUが実行するタイマ割込ルーチンを示すフローチャートである。タイマ割込ルーチンは、タイマ割込がCPUにかかる毎に、即ち、0.5ms毎に実行される。
タイマ割込ルーチンを開始すると、CPUはモータフラグが「1(駆動)」であるか否かを判定する(ステップA01)。モータフラグは、CPUが駆動モータ63の駆動を行うか否か(即ち、回転体61を回転するか否か)を識別するためのフラグである。CPUが電源投入時よりタイマ割込ルーチンにジャンプした時点では、ステップS02によりモータフラグは「0(停止)」がセットされている。したがって、CPUは、ステップA01をNOと判断する結果、ステップA02に進む。CPUはステップA02に進むと、出力カウンタC2を0クリアする(ステップA02)。出力カウンタC2は、CPUが何番目の点灯データを出力するのかを識別するためのカウンタである。
次いで、ステップA03に進み、タイマカウンタC1の値を+1する(ステップA03)。タイマカウンタC1は、CPUが48msを計時したかを識別するためのカウンタである。次に、タイマカウンタC1の値が「96」に達したか否かを判定する(ステップA04)。タイマ割込ルーチンは0.5ms毎に実行されるため、タイマカウンタC1の値が「96」に達すると(0.5ms×96=48ms)、CPUが48msを計時したことになる。タイマカウンタC1の値が「96」に達していなければ、ステップA04をNOと判定し、タイマ割込ルーチンを抜けてメインルーチンのステップS07に戻る。したがって、電源投入時よりCPUが48msを計時するまでの間は、上述の処理ルーチンを繰り返す。
そして、タイマカウンタC1の値が「96」に達すると、ステップA04をYESと判定し、タイマカウンタC1の値を0クリアし(ステップA05)、定期処理フラグに「1(実行)」をセットし(ステップA06)、タイマ割込ルーチンを抜けてメインルーチンのステップS07に戻る。
定期処理フラグに「1(実行)」がセットされた結果、ステップS07をYESと判定し、ステップS08に進む。したがって、48ms毎に行う処理ルーチンが実行される。ステップS08に進むと、定期処理フラグを0クリアして初期値に戻す(ステップS08)。次に、周辺制御基板111(図2参照)からのコマンドの送信があるか否かを判定する(ステップS09)。コマンドの送信がなければ(具体的には、コマンド送信時に出力されるコマンド送信信号がロー)、ステップS09をNOと判定してステップS07に戻る。ステップS08により定期処理フラグは「0(非実行)」がセットされた結果、CPUは、ステップS07を繰り返すことにより再び待機状態となる。従って、電源投入時よりメインルーチンを開始した時点と変わらず、タイマ割込ルーチンにおける処理も変化しない。
一方、周辺制御基板111(図2参照)からのコマンドの送信がある場合には(具体的には、コマンド送信時に出力されるコマンド送信信号がハイ)、ステップS09をYESと判定し、ステップS10に進む。ステップS10に進むと、送信されたコマンドを受信バッファに取り込み(ステップS10)、受信バッファに取り込んだコマンドが正規のものであるか否かを判定する(ステップS11)。例えば、ノイズ等によりコマンドを正しく受信できなかった場合、ステップS11をNOと判定し、受信バッファを0クリアし(ステップS12)、ステップS07に戻る。従って、受信バッファに取り込んだコマンドが正規のものでなければ、今回受信したコマンドは破棄される。
受信バッファに取り込んだコマンドが正規のものであれば、ステップS11をYESと判定してステップS13に進む(図6参照)。ステップS13に進むと、受信バッファに取り込んだコマンドをコマンド記憶領域にコピーし(ステップS13)、受信バッファを0クリアする(ステップS14)。なお、周辺制御基板111から送信されるコマンド(例えば、2バイトで構成)は、この実施形態では、その内容(最初の1バイト分)により、大まかに、画像表示開始(演出表示開始)と画像表示終了(演出表示終了)とに分けられるものとする。また、画像表示開始は、その内容により(後の1バイト分)、さらに表示する画像の種類(複数種類の画像、例えば、花火、雲、稲妻等の画像パターン、が設けられている)毎に分けられる。
次に、コマンド記憶領域に格納したコマンド(以下、特に断わりがなければコマンドは、コマンド記憶領域に格納したコマンドを指すものとする)は、画像表示開始か否かを判定する(ステップS15)。コマンドが画像表示開始である場合には、ステップS15をYESと判定し、モータフラグに「1(駆動)」をセットし(ステップS16)、表示フラグに「1(表示)」をセットし(ステップS17)、コマンドの内容(上述の後の1バイト分)に対応する画像の点灯データの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS18)、ステップS07に戻り、再び待機状態となる。
なお、本実施形態では、回転体61のLED62はフルカラーLEDで構成されているため、1つのLEDについてR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの点灯データが設けられている。また、本実施形態では、点灯色について階調は行わないため、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの点灯データは、何れも「1(オン)」又は「0(オフ)」である。ROM117の表示データ記憶部には、8個分のLEDについてR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの点灯データが点灯順に記憶されている。
一方、コマンドが画像表示開始でない場合には、コマンドは画像表示終了であることになる。この場合、ステップS15をNOと判定し、ステップS19に進み、モータフラグを0クリアし(駆動停止)(ステップS19)、表示フラグを0クリアし(表示終了)(ステップS20)、ステップS07に戻り、再び待機状態となる。
次に、まず、ステップS15にてコマンドが画像表示開始であると判定された場合のタイマ割込ルーチンにおけるLEDの点灯処理について説明する。この場合は、ステップS16でモータフラグに「1(駆動)」がセットされ、ステップS17で表示フラグに「1(表示)」がセットされている。従って、CPUは、ステップA01をYESと判定する。次に、1ステップ分の駆動モータ63の駆動データを出力ポートにセットし(ステップA07)、駆動データを出力ポートから出力し(ステップA08)、ステップA09に進む。なお、駆動モータ63は1−1相励磁方式であり、A相、B相、/A相、/B相、A相、…のように励磁相を1つずつ切り替えて駆動する。従って、駆動モータ63が回転される結果、回転体61も回転する。
ステップA09に進むと、CPUは表示フラグが「1(表示)」であるか否かを判定する(ステップA09)。この場合、ステップA09をYESと判定してステップA10に進む。ステップA10に進むと、ROM117の表示データ記憶領域から、ポインタの値で指定されるLED0〜LED7の点灯データ(R0〜R7、G0〜G7、B0〜B7)を加工領域に読み出す(ステップA10)。次いで、CPUは、出力カウンタC2の値を+1し(ステップA11)、出力カウンタC2の値が偶数であるか否かを判定する(ステップA12)。本実施形態では、1回転96ステップのステップモータにおいて、1ステップおきに回転中心部のLED(図4のLED7)の点灯データをオフに書き替える(マスキングする)ようにする。図9は、1回転分の画像(96ステップ×3バイト)のデータについて、回転中心部の輝度のみを50%に落とす場合を模式的に示す図である。本実施形態では、出力順序(出力カウンタの値)が偶数番目の点灯データについて、回転中心部のLED(図4のLED7)の点灯データをオフに書き替える。
出力カウンタC2の値が偶数でなければ、ステップA12をNOと判定してステップA14にジャンプする。一方、出力カウンタC2の値が偶数であれば、ステップA12をYESと判定し、加工領域に読み出したLED7の点灯データをオフ(「0」)に書き替え(ステップA13)(マスキングを行う)、ステップA14に進む。ステップA14に進むと、加工領域の点灯データ(LED0〜LED7の各RGB点灯データ)をポートから回転体61に出力する(ステップA14)。次に、ポインタの値を+1し(点灯データの読み出しアドレスを次のデータに更新)(ステップA15)、ステップA03にジャンプし、ステップA03以下の処理後、メインルーチンのステップS07に戻る。
ステップA14による回転体61への点灯データの出力は、図8の点灯データの送信タイミングを示すタイムチャートに示すとおりである。SCK信号(シリアルクロック信号)は約35KHZとし、各R,G,Bの点灯データはSCK信号に同期し、LED0からLED7への順番で回転体61にシリアル送信される。シリアル送信された各R,G,Bの点灯データは、回転体61の内部に配備された点灯ドライバ用ICによってパラレル変換され、LATCH信号に同期して各LED0〜LED7を点灯させる。
以上のように、モータフラグが「1(駆動)」で、表示フラグが「1(表示)」であることを条件に、0.5ms毎に行われるタイマ割込ルーチンにおいて、回転体61が1ステップずつ回転駆動されると共に、画像を表示するための点灯データがROM117からシーケンシャルに読み出され、偶数番目の点灯データのLED7の点灯データについてオフとするマスキングが行われ、点灯出力される。従って、回転中心部に配置されたLEDを点灯するための駆動出力がソフト的に間引かれることになり、表示される画像の明るさが均一に見えるようになる。
そして、周辺制御基板111から画像表示終了のコマンドが送信されると、ステップS15をNOと判定することになり、モータフラグを0クリアし(駆動停止)(ステップS19)、表示フラグを0クリアする結果(表示終了)(ステップS20)、タイマ割込ルーチンでは、ステップA01をNOと判定することになり、モータの駆動データの出力とLEDの点灯データの出力とが行われなくなり、実質的に回転体61の回転が停止し、8個のLED62が消灯し、画像表示が終了する。