以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図23は、本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設され有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
先ず、遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機本体1とカードユニットbを示す正面図である。遊技機本体1は、遊技機の特別遊技状態を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422と、額縁状に形成され正面のガラスを固定するガラス枠11と、該ガラス枠11の後方にガラス枠11の開放を検出するためのガラス枠開放検出スイッチ132と、遊技者によって発射された球が移動しゲームを進行させるための部品が取り付けられている遊技盤2が着脱自在に取り付けられている。
ガラス枠11の下部表面には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技者が打球操作するためのハンドル5とが設けられている。また、ハンドル5には、球の発射を停止するための発射停止スイッチ652が設けられている。なお、下受け皿4の傍らには、喫煙者用の灰皿6も設けられている。
さらに、カードユニットbの操作を遊技者が行うための装置として、有価価値カードの残余度数を表示し確認するための度数表示部12と、球の貸出指示を行うための貸出ボタン9と、有価価値カードの返却指示を行うための返却ボタン10が上受け皿3の近傍に設けられ、それらの出力端子は遊技機背面の操作パネル基板aにそれぞれ接続されている。
図2は、遊技機本体1とカードユニットbを示す背面図である。遊技機本体1の背面には各種機能別の制御基板と部品等が配設されている。ここで制御基板として、遊技全体の動作を管理し制御する主基板100と、該主基板100からの指示情報をパラレル通信により受信し賞品球の払出動作、およびカードユニット接続基板900とカードユニット通信を行うことにより貸球動作の制御を行う払出制御基板200が設けられている。
さらに制御基板として、球の発射を制御する発射制御基板600と、該発射制御基板600によって制御される発射モータ653と各基板に所定の電力を供給する電源基板700と、主基板100からの賞球情報が入力され、払出制御基板200からの球貸情報が入力され、かつ外部機器と接続し枠用外部情報(賞球信号、球貸し信号、球切れ信号)を出力するための枠用外部端子板800と、カードユニットbと接続するためのカードユニット接続基板900も設けられている。
また、保護カバー93内には、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500等が遊技盤2の背面側に取り付けられるようにして設けられている。それぞれの制御基板は専用のケースに納められ、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるように設定されている。中でも主基板100のケースは、専用のネジを使用し所定の回数だけ開閉できる構造となっている。
次に、パチンコ球補給装置から受ける球の流路について説明する。
図2において、パチンコ球補給装置(図示せず)から補給された球は、遊技機上部のタンクユニット90に貯留され、賞品球の払出および貸球動作が行われる度に、球はシュートユニット91、払出ユニット92を通過し上受け皿3へ送出される。
タンクユニット90は、パチンコ球補給装置から補給される球を貯留するものであり、該タンクユニット90の底面には、賞球タンク球有無スイッチ801と球ならし94が設けられている。賞球タンク球有無スイッチ801は、タンクユニット90に貯留される球の有無を検出するスイッチであり、貯留する球の重みによってスイッチが入力され、その検出信号は枠用外部端子板800を経由し外部へ出力される。
球ならし94は、シュートユニット91のレーンを流れる球が球圧により隆起しないように球を均すためのものである。タンクユニット90の底面は傾斜しており、シュートユニット91と接合する部分に球が集合し落下する構造になっている。シュートユニット91は、前記タンクユニット90から流下してくる球を2つのレーンに分けて整列させる。球が払出ユニット92に向かう途中では、前記球ならし94によって球圧による隆起が押さえられるが、さらに球ならし95によってより効果的に球を均すようにして、払出ユニット92へ送り込むように設定されている。
また、シュートユニット91の球通路上には、シュート球切れスイッチ131が設けられている。シュート球切れスイッチ131は、払出ユニット92までの球の有無を検出するスイッチであり、その検出信号は主基板100に入力され球の有無が監視される。このスイッチ131は、前記賞球タンク球有無スイッチ801と用途は類似するが、主基板100との接続有無が大きな違いとなる。
払出ユニット92は、前記上受け皿3までの球通路を形成すると共に、球通路上に、球を送り出すための払出モータ222と、球の流れ(落下)を抑制する払出停止ソレノイド223と、貸出球と払出球の経路を切り換える経路切換ソレノイド224と、払出球を検出するための賞球検出スイッチ130と、貸出球を検出するための球貸し検出スイッチ220等が設けられている。
前記払出モータ222と払出停止ソレノイド223は、前記払出制御基板200と接続され制御される。主基板100から払出制御基板200に所定の球の払出要求があると、払出制御基板200は、前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を払出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
また、遊技者の操作により、カードユニットbからカードユニット接続基板900を介して、払出制御基板200に所定の球の貸出要求信号が入力されると、払出制御基板200は前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を貸出球側へ設定し、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
また、要求の内容によって球経路を可変としているのは、賞球検出スイッチ130と前記球貸し検出スイッチ220によって、それぞれ所定の球数のカウントを分けて確実に計数するためである。さらに、賞球検出スイッチ130は主基板100に接続され、払出制御基板200と同様に所定の球数のカウントを行い、より正確に払出が行われたことを確認できるようにしている。
前記上受け皿3からの溢れ球が下受け皿4へ流下するように形成された球通路上には、オーバーフロースイッチ133が設けられている。前記下受け皿4に貯留した球が一杯になり、該オーバーフロースイッチ133の設置位置まで球が達すると、その貯留した球の球圧によってスイッチが入力され、その検出信号は主基板100へ入力される。主基板100は前記オーバーフロースイッチ133の入力を検出すると、払出制御基板200に対して球の払い出しを停止するように指示情報を出力する。
図3は、遊技盤2を示す正面図である。遊技盤2の正面には、発射された球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための釘や風車(図示省略)と、各入賞口と、画像の可変表示による可変表示遊技を実行可能な可変表示装置310と、普通図柄ゲームを行う普通図柄表示装置140等が設けられている。なお、可変表示装置310に可変表示される識別情報は「特別図柄」、普通図柄表示装置140に可変表示される識別情報は「普通図柄」と称される場合もある。
また、遊技盤2の最下部には、遊技球が遊技領域17内の各入賞口の何れにも入らず落下した場合に、その落下球を遊技機外に排出するためのアウト口29が設けられている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞品球の払い出しも行われない。
さらに、装飾ランプとして、前記可変表示装置310における可変表示遊技が未だ実行されずに保留されている回数である保留数を遊技者に報知するための装飾表示装置430、普通図柄表示装置140における普通図柄ゲームが未だ実行されずに保留されている回数である保留数(最大数は4個)を遊技者に報知するための普通図柄保留LED421、サイドケースランプ423、遊技枠状態LED424、センターLED425、ゲートLED426、アタッカーLED427、サイドLED428等が設けられている。
前記入賞口には、始動口21、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24がある。遊技球が各入賞口に入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される毎に各入賞口に割り当てられた所定の賞品球が払い出される。
このうち始動口21は、可変表示装置310で実行される可変表示遊技の実行権を獲得するための入賞口であり、また、大入賞口24は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。なお、可変表示装置310や大入賞口24等の主要な構成要素について詳しくは後述する。
図4は、遊技盤2を示す背面図である。遊技盤2の背面には、既に図2で示したものと同様に、各種の制御基板やその関連部品等が組み付けられている。制御基板としては、可変表示装置310の制御を行う表示器制御基板300、前記装飾ランプの制御を行うランプ制御基板400、音声の制御を行う音声制御基板500、外部機器と接続し盤用外部情報(大当たり1信号、大当たり2信号、図柄確定回数信号)を出力するための盤用外部端子板850等が設けられている。
各入賞口の入賞球を検出するためのスイッチとして、始動口スイッチ121、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が各入賞口付近に設置されている。また、大入賞口24付近には、役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125が設けられている。各入賞口のスイッチは、それぞれの入賞口付近に設けられているが、入賞球が遊技機外に排出されるまでの通路上に配置することもできる。
各入賞口に球が入賞すると、各入賞口スイッチにより検知され、検知される度に、各入賞口毎に割り当てられた次の所定の賞品球の払出が行われる。始動口21には5発、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bには8発、大入賞口24(役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125による入賞球の検出に対して)には15発と割り当てられている。賞品球数の割り当ては入賞口毎に固定化しているが、遊技機本体1の機種の仕様に応じて任意に変更することもできる。
また、普通図柄表示装置140を作動させるための球を検出するスイッチとして、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aと左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが遊技盤2上の所定の位置に設けられており、それぞれ遊技領域17内を移動する球の通過を検出する。これら左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bは通過口として設けられている。
役物を可変動作させる関連装置には、大入賞口24の扉を開閉させるための大入賞口ソレノイド134、大入賞口24に入賞した球の流れを前記役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125の何れかの方向に切り換えるための方向切換ソレノイド135、普通電動役物である始動口21を拡縮動作するための普通電動役物ソレノイド136が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素についてさらに詳細に説明する。
前記始動口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、その入賞口の左右両端に一対の可動片から成る条件変更手段を備え、普通電動役物ソレノイド136(図4参照)から成る駆動源で各可動片を開閉させるようになっている。始動口21は、各可動片の開閉動作により、球が入賞し難い通常の閉状態と入賞し易い開状態に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
始動口21に球が入賞することが、次述する可変表示装置310で可変表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図5,図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は、入賞球を検知してONになると、その検知信号を主基板100に出力するものである。始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
前記可変表示装置310は、図13に示すように、画像を表示可能な複数に分割された表示領域311〜313を備え、この複数の表示領域311〜313の各々に画像として、可変表示遊技の表示結果に係る識別情報、および可変表示遊技の演出表示に係る演出画像が表示されることで、可変表示遊技が実行されるものである。複数の表示領域311〜313は互いに分離されており、隣り合う各表示領域同士の間は、画像が表示されない非表示領域314として形成される。このような可変表示装置310は、具体的には液晶ユニットにより構成されているが、有機ELやCRT表示器等を採用してもよい。
前記始動口21に球が入賞し、前記始動口スイッチ121により入賞球が検出されると、可変表示装置310における可変表示遊技の実行権が獲得され、かかる実行権に基づき可変表示遊技が実行される。また、可変表示遊技の実行中、あるいは後述する特別遊技状態の発生中に、始動口21に球が入賞した場合には、可変表示遊技の実行権を獲得するが保留とされて、現在進行中の可変表示遊技等が終了した後、保留されていた実行権が順次消化されて可変表示遊技が実行される。ここで保留されている実行権の数である保留数は、予め定められた上限値4個以内で後述する装飾表示装置430により表示される。
可変表示遊技における通常の表示態様では、図15に示すように、可変表示装置310の画面中で横3列に並ぶ各表示領域311〜313毎に、それぞれ可変表示遊技の表示結果に係る複数種類の識別情報がスクロールするように可変表示される。ここで識別情報には、例えば「0」〜「9」の数字が採用されているが、数字のような単純な図柄に限定されるものではなく、他にキャラクタを模したものや、様々な文字、図形、若しくは記号、またはこれらの組み合わせを採用してもよい。また、図15中では図示省略したが、可変表示遊技の演出表示に係る演出画像として、識別情報の背景画像や、識別情報とは別に後述する予告図柄等も併せて可変表示される。
可変表示遊技における通常の表示態様では、開始から所定時間が経過すると、任意の順番で各表示領域311〜313毎に1つずつ任意の識別情報が停止するように設定されている。各表示領域311〜313は、スロットマシンにおける1つのリールをそれぞれ模しており、全体としてスロットマシンにおける図柄合わせゲームに見立てた可変表示遊技が展開される。
可変表示遊技の表示結果として、各表示領域311〜313に停止確定した識別情報が、予め定めた所定の組み合わせ(例えば「7,7,7」等と3つとも全て同一に揃った状態等)となった状態が、大当たりに相当する「特定表示態様」と定められている(図15(4)参照)。かかる特定表示態様が確定する前に、最後の表示領域313を1つ除いた他の2つの表示領域311,312に停止した識別情報が一致した状態が、「リーチ態様」に該当する(図15(3)参照)。かかるリーチ態様は、可変表示遊技の表示結果が大当たりに相当する識別情報の所定の組み合わせの一部を構成するものである。
可変表示遊技の表示結果が、最終的に特定表示態様(以下「大当たり」とも称する)に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生し得るように設定されている。また、前記可変表示遊技の表示結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、外れ表示態様(以下「外れ」とも称する。)に該当する。
可変表示遊技の表示結果が、前記特定表示態様のうち所定の確変図柄(例えば「3」、「5」、「7」の何れか)で揃うと、確率変動を伴う大当たりとなる。このような確率変動を伴う大当たりが確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、大当たりが確定する確率が高くなる。このように、通常時に比べて特別遊技状態が発生する確率が高まった遊技状態を、確率変動状態(または「確変モード」)という。
また、可変表示遊技においては、図16〜図23に示すように、識別情報の可変表示中に、演出画像の少なくとも1つとして、通常その輪郭以外は識別不能な状態であるが、識別情報と重なると該識別情報の輪郭内にて重なる部分が識別可能な状態となる予告図柄320が表示される。予告図柄320は、通常その輪郭以外は識別不能であり内容が不明瞭な演出画像であるが、可変表示中の識別情報と重なることで、該識別情報の輪郭内で予告図柄320が重なった部分が識別可能な明瞭な状態となる。予告図柄320は、予め定められた所定の表示条件が成立した場合に表示されるようになっている。なお、所定の表示条件の成立や予告図柄320の表示の詳細に関しては後述する。
前記装飾表示装置430は、可変表示遊技の保留数を遊技者が認識できる態様で表示可能なものであり、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に、該球通過領域上の空間の一部を占める状態で配設されている。本実施の形態では、装飾表示装置430は、前記可変表示装置310のセンターケース右側に一体に組み付けられており、遊技領域17の右側略半分を殆ど覆う大きさおよび形状に成形されている。
装飾表示装置430は、図13に示すように、薔薇の花をモチーフにした複数の表示ユニットに分割されている。本実施の形態では、大きな薔薇の花を模した4個の大表示ユニット431a〜431dと、小さな薔薇の花を模した同じく4個の小表示ユニット432a〜432dとの合計8個の表示ユニットに分割されている。
このうち、最上部に並ぶ2つの大表示ユニット431a,431bは、一のブロックとしてまとめて配置され、その下方で縦方向に並ぶ2つの大表示ユニット431c,431d、および4つの小表示ユニット432a〜432dは、別のブロックとしてまとめて配置されている。ここで各ブロックをなす個々の表示ユニットは、それぞれ遊技領域17の表面より出っ張り、球通過領域上の空間の一部を占めることで球が通過できない状態に配設されているが、各ブロック同士の間は、遊技球の直径分より広く空けられており、遊技球が通過可能な球通路として構成されている。
各ブロック同士の間の球通路に沿って、薔薇の柄を模した装飾部材433が配され、この装飾部材433により、各ブロックの上側の大表示ユニット431a,431bと、下側の大表示ユニット431c,431dとは一体に連結されている。ここで装飾部材433は、薔薇の柄を模した平面的な薄板状に形成されており、遊技領域17の表面と略同一平面を成すように配設されているので、装飾部材433上に沿って遊技球が流下できるようになっている。
前記表示ユニットのうち、4個の大表示ユニット431a〜431dが、それぞれ前記保留数1つ分に相当して保留数を表示するように設定されている。このように本実施の形態では、分割された前記表示ユニットのうち、一部(小表示ユニット432a〜432dを除く、大表示ユニット431a〜431dのみ)で、前記保留数を表示するように設定したが、例えば、小表示ユニット432a〜432dも含めて、前記保留数を表示するように設定したり、あるいは、装飾表示装置430を、前記保留数を表示する大表示ユニット431a〜431dだけで構成するようにしてもよい。なお、装飾表示装置430で表示可能な前記保留数の上限値は、大表示ユニット431a〜431dの数と一致する4個となっている。
また、装飾表示装置430の分割された前記表示ユニットのうち、4個の小表示ユニット432a〜432dは、本実施の形態では保留球の表示に関するものではなく、保留に係る可変表示遊技の表示結果に大当たりがある場合に、これに基づき大当たりである旨、すなわち可変表示遊技で特定表示態様が導出される予告演出を表示するように設定されている。ここで前述したように、小表示ユニット432a〜432dでも保留数を表示するように構成した場合には、前記予告演出に関する表示は省いたり、あるいは可変表示装置310で表示するように構成すればよい。なお、4個の小表示ユニット432a〜432dにおける予告演出に関する表示状態の詳細は後述する。
前記表示ユニットは、具体的には装飾カバーと発光体とから構成されている。すなわち、アクリル樹脂等の透光性材質により大薔薇や小薔薇を模して成形した装飾カバーの内部に、電球やLED等の発光体を内装して構成されている。もちろん、装飾表示装置430は、前記装飾部材433のように、装飾カバーや発光体以外の部材も含み得るものである。なお、複数に分割されている各表示ユニットは、互いに物理的に分離されている必要はなく、例えば全体的に一体成形されたものであっても、外観上分割されていると認識できるものであればよい。
装飾表示装置430を、主として装飾カバーと発光体とから構成したことにより、その点灯ないし点滅、あるいは消灯によって、互いに異なる表示状態を演出することができる。さらに、例えば複数色の電球や多色発光可能なLED等の発光体を備えることで、1つの表示ユニットにおいても、装飾カバーを透過する発光色を適宜変化させることができるように構成してもよい。なお、装飾表示装置430における保留球の表示を含む各種の表示状態は、保留数および保留に係る表示結果のうち少なくとも一方に応じて制御されるが、その詳細については後述する。
前記大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)等の駆動源の作動によって、その入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化し得るように構成されている。大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に所定の回数(例えば15回)だけ大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。方向切換ソレノイド135は、大入賞口24の扉が開放された状態において、前記役物連続作動装置スイッチ124側に入賞球を導くように通路部具を作動させ、役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されると、次は前記カウントスイッチ125側に入賞球を導くように作動する。
すなわち、大入賞口24は、前記可変表示遊技の結果が特定表示態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、大入賞口24が開状態に所定時間維持された後、閉状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば15回)を限度に繰り返し実行される状態である。所定の球数(例えば10個)が大入賞口24に入賞するか、または、所定の時間(例えば30秒)が経過すると、大入賞口24の扉は閉状態となる。そして、前記所定の回数だけ一連の動作が終了すると、前記特別遊技状態は終了となる。
また、大入賞口24の内部には特定領域が設けられており、この特定領域に前記各ラウンド毎に少なくとも1つの球が入賞し、該特定領域にある前記役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されることが、次ラウンドに移行するための継続条件となっている。すなわち、前記各ラウンド毎に役物連続作動装置スイッチ124によって球が検出されないと、前記特別遊技状態は途中で終了となる。
前記普通図柄表示装置140は、左右に分けたLED2灯の点灯によって可変表示を行う。このLED2灯以外の方法では、7セグメント表示器を使用する場合もある。左右に分けたLEDには、それぞれ「当たり」と「外れ」が割り当てられ、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bにより球の通過を検出すると、普通図柄表示装置140による普通図柄ゲームの実行権を獲得し普通図柄ゲームを行う。
普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置140の左右のLEDの交互点滅による可変表示が開始され、所定の時間可変表示を行い停止すると左右どちらか一方の点灯表示となり、遊技者は判定の結果を目視し確認することができる。判定の結果「当たり」となると、前記始動口21の各可動片が、球が入賞し難い通常の閉状態から入賞し易い開状態に一時的に作動する。
普通図柄表示装置140が可変表示中に、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bによって通過球の検出があった場合は、普通図柄ゲームの実行権を獲得するが保留とされ現在進行中の普通図柄ゲームが消化された後、保留にされた実行権が順次消化される。普通図柄ゲームの保留数は最大4個とし、前記普通図柄保留LED421によって報知される。
次に、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5には、制御基板として、主基板100、払出制御基板200、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700等が示されている。
ここで主基板100は、遊技機の制御をつかさどる制御基板であり、表示器制御基板300と、ランプ制御基板400と、音声制御基板500と、主基板100を含み全体としての制御手段であり、具体的には、保留球記憶手段、表示結果記憶手段を含む各種機能を実現する。また、主基板100および表示器制御基板300は、可変表示装置310で可変表示遊技を行う表示制御手段をなしており、リーチ態様導出手段、予告図柄表示手段を含む各種機能を実現する。また、主基板100およびランプ制御基板400は、装飾表示装置430を含む各種装飾ランプの表示制御を行う装飾表示制御手段をなしている。
保留球記憶手段は、前記始動口20に球が入賞する始動条件が成立しても未だ可変表示遊技が実行されていない回数を示す保留球を記憶する機能である。前述したように、可変表示遊技の実行中あるいは特別遊技状態の発生中に、始動口21に球が入賞した場合、保留球記憶手段は、1つずつ実行権を後述する主基板100のRAM104(図6参照)に記憶させるように設定されている。
表示結果記憶手段は、前記始動条件の成立に基づいて可変表示遊技の表示結果を予め決定し、該決定した表示結果に関する情報を前記保留球の個々の実行権に対応させて記憶する機能である。ここで表示結果に関する情報とは、特定表示態様に相当する大当たりや特定表示態様に相当しない外れ等が該当する。なお、表示結果に関する情報は、前記実行権に対応させた状態でRAM104に記憶されるようになっている。
表示制御手段は、可変表示装置310における可変表示遊技の実行に関する制御を行う機能である。リーチ態様導出手段は、可変表示遊技において前記特定表示態様に移行する可能性があるリーチ態様を所定確率で導出する機能である。予告図柄表示手段は、識別情報の可変表示中に、演出画像の少なくとも1つとして、通常はその輪郭以外は識別不能な状態であるが、識別情報と重なると該識別情報の輪郭内にて重なる部分が識別可能な状態となる予告図柄320を表示する機能である。なお、可変表示遊技における表示態様の具体例に関しては後述する。
装飾表示制御手段は、前記保留数および保留に係る表示結果のうち少なくとも一方に応じて、装飾表示装置430における保留球の表示を含む表示状態の制御を実行する機能である。ここで「保留数」とは、前述したように、未実行で保留されている可変表示遊技の実行権の有無やその数であり、前記保留球記憶手段により、主基板100のRAM104に記憶管理されているものが参照される。また、「保留に係る表示結果」とは、保留されている可変表示遊技に関して予め決定された当たり外れ等の表示結果が該当し、前記表示結果記憶手段により、主基板100のRAM104に記憶管理されているものが参照される。
図6は、主基板100の詳細を示している。主基板100は、主基板100内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割込み信号をCPU102に入力することで、一定時間毎に当該CPU102でタイマー割込み処理を実行する。CPU102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の入賞を検知するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、ゲート回路110に供給される。
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路111に供給される。
ゲート回路110、111のアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号およびライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
このチップセレクト信号にてゲート回路110、111がセレクトされると、始動口スイッチ121等からの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割込み信号によって、次の割込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域に記憶される。
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板200に賞球データとして出力される。
賞球データを入力された払出制御基板200は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。詳しくは後述する。排出した賞球の検出を、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行い、ゲート回路111に入力されCPU102に取り込まれ、賞球数を管理する。またその検出信号は払出制御基板200にも出力されている。
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部出力端子板800を介して管理用コンピュータ等に出力される。
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域に乱数値が記憶されている場合は、各表示装置140、310の可変表示の開始直前に遊技演出の種類(制御パターン)が決定され、決定された制御パターンを演出に係わる各基板に送信するとともに、生成されたデータをRAM領域に記憶する。
また、表示器制御基板300へは、前記表示演出データに対応した各停止図柄に関するデータが時系列に出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示器制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に各停止図柄に関するデータや、変動停止データ等が表示演出データとして、表示器制御基板300に順次出力される。
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御基板400等に出力される。
遊技状態が特別遊技状態の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路111を介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、前述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値が取得される。この乱数値に基づいて、普通図柄表示装置140(普通図柄LED1、普通図柄LED2)の表示制御データが生成され、これがCPU102からデータバスを通じてラッチ回路112gに出力される。そしてアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力される毎に普通図柄LED表示が一定時間行われる。
乱数値の取得結果が当たりの場合には、前記始動口21の各可動片を作動させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU102からラッチ回路112gに出力されると共に、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、遊技盤2において球が始動口21に入賞し易い状態が発生する。
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技盤面の下受け皿4にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路111に入力され、データバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
次に、図7に示す払出制御基盤200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路およびデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
CPU203は、賞球経路切換信号を、データバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切換信号が経路切換ソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割込み信号をCPU203に対して生成し、この割込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出した時、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切換信号を経路切換ソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
球貸し動作において、一定数毎にラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、および遊技機本体1の下受け皿4に設置されたオーバーフロースイッチ133のオーバーフロー信号が送信されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また、賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
電源電圧が低下した場合や遮断された場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされた時、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート106のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
次に、図8に示す表示器制御基板300について説明する。
表示器制御基板300は、主に遊技盤2上に設置された可変表示装置310の制御を行う。表示器制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
また、表示器制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示器制御基板300内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
さらに表示器制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、前記表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験信号端子307等を有している。
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。表示器制御CPU301は、入力された指示情報の内容を、表示器制御ROM302に記憶されている画像処理手順に従って実行し、表示器制御RAM303に情報を整理して格納しながら、画像制御IC304へ具体的な指示を行う。
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵した画像制御IC304で構成している。この他、画像制御IC304の外部にVRAMを備えるようにしてもよい。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示器制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,421、それに装飾表示装置430の点灯ないし表示制御を行うものである。
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路等と入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405等で構成されている。
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声等の制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音等の制御を行う。
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェース506を介し制御指示情報を取得して、具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板700からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板500内の各制御回路の初期化を行う。
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、発射停止スイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、発射モータ653の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604等から構成されている。
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにする発射停止スイッチ652、球を発射させるための発射モータ653等で構成されている。電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態か触れていない状態かを検出し、検出した信号をモータ駆動信号制御回路603に出力し、モータ駆動信号制御回路603は、検出信号に基づいて発射制御を行う。遊技者がハンドル5に触れている状態の時は、球の発射が可能となり、触れていない時は、球の発射が不可能となるよう制御する。
発射停止スイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、発射停止スイッチ信号は、モータ駆動信号制御回路603に入力され、モータ駆動信号制御回路603は、発射停止スイッチ信号に基づいて発射制御を行う。遊技者が発射停止スイッチ652を操作した場合、発射不可能となり、操作がない場合は、発射可能となる。
また、発射停止スイッチ652は、遊技者から何ら発射停止スイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、発射停止スイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5の操作がない場合では、発射停止スイッチ652からの信号が入力されている状態となる。つまり、前述したタッチセンサ651が遊技者がハンドル5に触れていることを検出せず、かつハンドル5の操作がない場合は、遊技者がいないとみなし、発射停止制御を行っている。
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示器制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。このため、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動および電源停止は無視され、停電検出信号は電源基板700より外部に出力されない。
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。このため、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示器制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
電源立ち上げ時および停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号およびリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
次に、遊技機本体1の作用について説明する。
図1において、遊技者がハンドル5を回転操作すると、遊技球が1つずつ遊技盤2上の遊技領域17に打ち込まれる。この遊技球が始動口21に入賞すると、始動口スイッチ121によって球が検出され、始動口スイッチ121から出力された入力信号は、図6に示すゲート回路110から主基板100に入力される。始動口スイッチ121からの入力信号に基づき、主基板100および払出制御基板200の制御により、遊技者に5個の賞球が払い出されると共に、主基板100の保留球記憶手段により、現時点でRAM104に記憶されている保留数が、上限値である4個以下であるか否かが判断される。
ここで保留数が上限値未満であれば、主基板100からなる保留球記憶手段は、新たに可変表示遊技の実行権を保留データとしてRAM104に記憶し、保留数のインクリメントを行う。一方、保留数が既に上限値以上であれば、今回の始動条件の成立による実行権は、保留データとして記憶されずに放棄される。新たにインクリメントされた保留球に関するデータは、図6に示す主基板100からラッチ回路112cを介して、ランプ制御基板400に送信される。この保留球に関するデータに基づき、主基板100とランプ制御基板400からなる装飾表示制御手段の制御により、新たな保留数が装飾表示装置430によって表示される。この装飾表示装置430による保留数の具体的な表示態様については後述する。
また、前記保留データの取得に伴って、この保留データに基づく可変表示遊技の表示結果が、主基板100の表示結果記憶手段によって予め決定される。すなわち、表示結果記憶手段は、前記始動口スイッチ121からの入力信号に基づき、大当たり判定用乱数値や大当たり図柄乱数値を取得し、続いて大当たり判定用乱数値を所定の大当たり判定値と比較し、大当たりか否かを判断する。この時、確率変動作動中であれば、通常よりも大当たり確率が高く設定されたテーブルを用いて大当たりの判断を行い、確率変動作動中でなければ、通常の大当たり確率が低い別テーブルを用いて大当たりの判断を行う。
何れの場合の大当たりの判断にせよ、大当たり判定用乱数値が、各々のテーブル毎に予め設定されている前記大当たり判定値と一致するか否かによって、大当たりを判断する。ここで大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致する大当たりであれば、主基板100のRAM104にある表示結果記憶領域に大当たり図柄乱数値を記憶する。一方、大当たりでなければ、外れ図柄決定処理を行ってから、表示結果記憶領域に外れ図柄乱数値を記憶する。これらの乱数値は、可変表示遊技の表示結果に関する情報として、前記保留データに対応させてRAM104の表示結果記憶領域に記憶される。それにより、前記保留に係る表示結果が当たりであるか否かを、予め判断することができるようになっている。
また、主基板100と表示器制御基板300からなる表示制御手段により、現時点で保留数がある場合には、個々の保留データやこれに対応して記憶された可変表示遊技の表示結果に関する情報に基づき、可変表示遊技に関する演出パターンが決定される。そして、保留データ等が1つずつ読み出された際、この演出パターンに基づいて、表示制御手段の制御により、可変表示装置310において可変表示遊技が実行される。ここで演出パターンとは、可変表示遊技の開始から表示結果の確定に至る具体的な表示内容であり、例えば、途中でリーチ態様が出現するか否かや、大当たり外れの別、それに予告図柄を表示するか否かや、これらの具体的な表示内容等に相当するものである。
図15は、可変表示装置310で実行される可変表示遊技の具体的な表示内容の一例を示している。可変表示遊技が開始されると、図15(1)に示すように、可変表示装置310の画面中で横3列に並ぶ各表示領域311〜313毎に、それぞれ複数種類の識別情報が上方から下方へ等と所定方向にスクロールするように可変表示される。また、図15中では図示省略したが、識別情報の可変表示に連動するように、演出画像として背景画像や予告図柄320等も併せて適宜表示される。
ここで複数の表示領域311〜313は、それぞれ分割された上に互いに分離されて画面中に配置されており、隣り合う各表示領域同士の間は、画像が表示されない非表示領域314となっている。そのため、複数の表示領域311〜313の各々に識別情報等の画像が表示される可変表示遊技の実行中には、遊技者の注目は明確に区画された表示領域311〜313毎に自然と区別されることになり、各表示領域311〜313毎に表示される画像をそれぞれ明瞭に識別することができる。
可変表示遊技が開始された後、所定時間が経過すると、各表示領域311〜313毎に予め定められた所定の順番で何れか1つずつ識別情報が停止表示される。図15(2)では、3つのうちの左側の表示領域311に数字「7」の識別情報が停止表示された状態を示している。続いて図15(3)では、右側の表示領域312にも、前記左側の表示領域311と同様に数字「7」の識別情報が停止表示されて、リーチ態様が導出されている。かかるリーチ態様の導出に関する表示制御は、前記リーチ態様導出手段によって行われる。なお、左右2つの表示領域311,312に識別情報が停止した際に、それぞれの識別情報が互いに異なりリーチ態様が導出されなければ、その時点で外れ表示態様となる。
その後、中央の表示領域313に最後の識別情報が停止表示されるが、図15(4)に示すように、前記リーチ態様を構成する識別情報と同一の数字「7」が停止表示された場合には、可変表示遊技の表示結果が全て同一の識別情報が揃う組み合わせである特定表示態様となる。かかる特定表示態様が確定すると、大入賞口24の開閉動作が最大で15回繰り返される特別遊技状態が発生する。また、図15(4)に示した例では、確変図柄「7」が3つ揃った確変大当たりに相当するため、特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態となるまでの大当たり確率が高くなる確率変動状態となる。
以上のように、図15で説明した一般的な識別情報の可変表示に加えて、本遊技機本体1では、予告図柄表示手段の制御により、識別情報の可変表示中に、演出画像の少なくとも1つとして、通常その輪郭以外は識別不能な状態であるが、識別情報と重なると該識別情報の輪郭内にて重なる部分が識別可能な状態となる予告図柄320が表示される場合もある。以下、図16〜図23に基づき、予告図柄320に関する具体的な表示内容を説明する。
図16〜図23においては、可変表示装置310の画面中で非表示領域314を省略しているが、必要に応じて非表示領域314を実際に消失させて表示することもできる。また、予告図柄320が表示されるか否かは、予告図柄表示手段によって任意の確率で決定されるが、例えば、可変表示遊技の実行過程で予め定めた所定の表示条件が成立した場合に、これに基づき表示するようにしてもよい。所定の表示条件の成立を起因とすることで、予告図柄320が表示される機会を遊技者に対して明確化させることができる。なお、所定の表示条件が成立したとしても、予告図柄320を必ずしも100%表示する必要はない。
先ず、図16〜図19は、前記所定の表示条件の成立の例として可変表示遊技中にリーチ態様が導出された場合に、これに起因して予告図柄320が表示される具体例を示している。図16(1)に示すように、各表示領域311〜313での識別情報の可変表示を経て、図16(2)に示すように、リーチ態様が導出された場合には、画面の中央付近に大きく予告図柄320が表示される。ここで予告図柄320は、通常その輪郭以外は識別不能な状態の不明瞭な演出画像であるが、後述するように識別情報と重なると、該識別情報の輪郭内にて重なる部分が識別可能な明瞭な状態となる。本実施の形態の予告図柄320は、通常その輪郭内が「影絵」として表現されている。
また、図16(1)〜(2)に示すように、左右の表示領域311,312には、それぞれ識別情報の背景画像としてキャラクタC1,C2が表示されている。背景画像としてのキャラクタC1,C2も、前記予告図柄320と同様に演出画像に該当する。本実施の形態のキャラクタC1,C2は、池田理代子原作の「ベルサイユのばら」に登場するフェルゼンC1とマリー・アントワネットC2の2人に相当するキャラクタを用いているが、もちろん、演出画像の具体的内容は適宜定めればよい設計事項である。
次に、図16(3)に示すように、リーチ態様を構成する2つの識別情報「7」は縮小されて、それぞれ左右の表示領域311,312の片隅に移動し、中央の表示領域313で未だ確定していない識別情報315が、前記予告図柄320と同等の大きさまで拡大される。続いて、図17(4)〜(6)に示すように、不明瞭であった予告図柄320が可変表示中の識別情報315と重なると、該識別情報315の輪郭内にて重なる部分だけ影が段階的に取り除かれて識別可能な状態となる。
このように、輪郭以外は識別不能であり不明瞭な予告図柄320であるが、可変表示中の識別情報315と重なることで、該識別情報315の輪郭内で予告図柄320が重なった部分が識別可能な明瞭な状態となるため、遊技者は予告図柄320の内容を、識別情報315と重なる部分ごとに断片的に視認することができる。それにより、遊技者は、どのような予告図柄320が表示されるか関心を持って遊技を行うことができる。特に本実施の形態では、影絵状態の不鮮明な予告図柄320と、該予告図柄320が識別情報315と重なることで影が取り除かれた状態の鮮明な部分との視覚的な違いを、遊技者は容易に区別することができる。
図17(4)〜(6)に示すように、本実施の形態では、予告図柄320が識別情報315に重なった際、識別情報315に重なる範囲内にて予告図柄320の識別可能な部分が、図示したように上側から複数段階に亘り徐々に拡大するように表示される。このように、予告図柄320が識別情報315の輪郭内にて重なる部分を、段階的に識別可能な状態に変化させることにより、遊技者の期待感を徐々に盛り上げることができ、遊技者に予告図柄320をなおさら注目させて遊技を行わせることができる。
また、図18(7)〜(9)に示すように、本実施の形態では、識別情報315と予告図柄320とは、少なくとも何れか一方の可変表示による移動に伴って、互いに重なる部分が変化するように表示される。このような識別情報315と予告図柄320との相対的な移動により、予告図柄320が識別情報315と重なることで識別可能な状態となる明瞭な部分が、一カ所に固定されることなく刻々と移り変わるから、予告図柄320の全容を少しずつ見極めることが可能となる。これにより、表示上の興趣をよりいっそう高めることができる。なお、図18では、識別情報315のみを左右に移動させているが、予告図柄320も併せて移動させるようにしてもよい。
さらに、図19(10)〜(12)に示すように、識別情報315の可変表示や予告図柄320の部分的な識別可能な状態への変化を経て、可変表示遊技の表示結果が確定することになるが、前述したようにリーチ態様の導出に基づき予告図柄320が出現し、予告図柄320がリーチ態様の導出後に停止する識別情報315と重なり、該識別情報315の輪郭内にて重なる部分が識別可能な状態となった予告図柄320の内容が、この時の背景画像であるキャラクタC1,C2と関連性があることを条件に、大当たりに相当する識別情報の所定の組み合わせが導出される。
すなわち、図16〜図19に示した表示例では、予告図柄320の内容は、背景画像であるキャラクタC1,C2と同様に、「ベルサイユのばら」に登場するフェルゼンとマリー・アントワネットの2人に相当するキャラクタであることが結局識別できるため、予告図柄320の内容が、この時の背景画像であるキャラクタC1,C2と関連性があることになり、これに基づき図19(12)に示すように、可変表示遊技の表示結果が、大当たりに相当する識別情報の所定の組み合わせである特定表示態様に確定する。これにより、リーチ態様の導出後、遊技者に大当たりの確定を連想させる予告図柄320の表示を期待させると共に、この予告図柄320に関心を持たせつつ遊技を行わせることができる。
図20,図21は、可変表示遊技中に表示される予告図柄320が、リーチ態様の導出を連想させるものである場合の表示例を示している。すなわち、図20(1)に示すように、各表示領域311〜313で識別情報が可変表示されている最中に、図20(2)に示すように、中央の表示領域313に予告図柄320が表示される場合がある。ここで予告図柄320は、図16〜図19で説明したものと同様に、通常その輪郭内が「影絵」として表現されており、また、左右の表示領域311,312には、それぞれ識別情報の背景画像としてキャラクタC1,C2が表示されている。
図20(3)に示すように、中央の表示領域313では、予告図柄320の前面側で識別情報が縦方向にスクロール表示されるが、このとき、輪郭以外は不明瞭であった予告図柄320が可変表示中の識別情報に重なると、該識別情報の輪郭内にて重なる部分だけ影が取り除かれて識別可能な状態となる。続いて、図21(4)に示すように、識別情報が予告図柄320に重なる際に、識別情報のスクロール速度を遅くしたり、仮停止するように表示制御してもよい。
影絵状態の予告図柄320が、可変表示中の識別情報と重なることで、該識別情報の輪郭内で予告図柄320が重なった部分が識別可能な明瞭な状態に表示される。ここで、識別できるようになった予告図柄320の内容が、この時の背景画像であるキャラクタC1,C2と関連性(例えば同一キャラクタである等。)があることを条件に、図21(5)に示すようにリーチ態様が導出される。これにより、可変表示遊技中の早い段階から、遊技者にリーチ態様の導出を連想させる予告図柄320の表示を期待させると共に、この予告図柄320に関心を持たせつつ遊技を行わせることができる。
図22,図23は、前記所定の表示条件の成立の例として、可変表示遊技の表示結果が大当たりに相当する識別情報の所定の組み合わせに確定する前に、該所定の組み合わせで仮停止した場合に、これに起因して予告図柄320が表示される具体例を示している。すなわち、図22(1)に示すように、識別情報が大当たりの組み合わせで仮停止した場合、確率変動を伴う確変大当たりに確定するか否かの見かけ上の再抽選が行われる。
この再抽選に伴って、図22(2)に示すように、中央の表示領域313に予告図柄320が表示される。予告図柄320は、図16〜図21で説明したものと同様に、通常はその輪郭内が「影絵」として表現されており、また、左右の表示領域311,312には、それぞれ識別情報の背景画像としてキャラクタC1,C2が表示されている。また、予告図柄320が表示された後、図22(3)に示すように、各表示領域311〜313に表示された同一の識別情報は、それぞれ一斉に拡大するように表示される。
続いて、図23(4)に示すように、中央の表示領域313では、予告図柄320が識別情報と重なると、該識別情報の輪郭内にて重なる部分だけ影が取り除かれて識別可能な状態となる。すなわち、影絵状態であった予告図柄320が、識別情報と重なることで、該識別情報の輪郭内で予告図柄320が重なった部分が識別可能な明瞭な状態に表示される。また、左右の表示領域311,312では、それぞれ識別情報が、その背後のキャラクタC1,C2が識別可能となるように透過する。
ここで、識別できるようになった予告図柄320の内容が、この時の背景画像であるキャラクタC1,C2と関連性(例えば同一キャラクタである等。)があることを条件に、図23(5)に示すように、大当たりのうち確率変動を伴う大当たりに相当する識別情報の所定の組み合わせが確定する。これにより、再抽選に伴って、遊技者に確率変動を伴う大当たりの確定を連想させる予告図柄320の表示を期待させると共に、この予告図柄320に関心を持たせつつ遊技を行わせることができる。
ところで、保留球を表示する装飾表示装置430は、図3に示すように、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に、該球通過領域上の空間の一部を占める状態に配設されている。装飾表示装置430の形状、大きさ、それに配置位置は任意な設定事項であるが、図示したように、遊技領域17上の片側半分の大部分を覆うように配置することで、球通過領域上の空間の多くの部分を占有することになり、遊技領域17内においても特に目立たせることができる。ここで装飾表示装置430は、薔薇をモチーフにした美感を起こさせるデザインとしたので、遊技領域17の装飾効果を高めると共に華やかな雰囲気を演出することができる。
しかも、装飾表示装置430は、単に装飾のための構造だけではなく、前述したように保留数を遊技者が認識できる態様で表示することができる。このように保留数を表示するための手段を、遊技者が遊技中に視線を向ける遊技領域17内でも特に目立ち、遊技領域17の装飾効果を高めることができる装飾表示装置430とすることで、保留数を誰でも極めて容易に把握することができると共に、いっそう装飾表示装置430に対する遊技者の注目度を高めることができる。特に遊技の初心者であっても、保留数を間違えることなく確実に把握することが可能となる。
特に本実施の形態では、装飾表示装置430を、薔薇の花を模した複数の表示ユニットに分割して構成したことにより、斬新さに富むものとなり、見た目も面白い。また、装飾表示装置430を複数に分割した個々の表示ユニットのうち、大表示ユニット431a〜431dを、それぞれ保留数1つ分に相当させて保留数を表示することで、保留球1つ毎に明確に区分けされて表示されることになり、なおさら保留数を遊技者が分かりやすい状態で認識できるように表示することができる。
また、装飾表示装置430の各表示ユニットを、2つのブロックに区分けして、ブロック同士の間を遊技球が通過可能に構成したことにより、装飾表示装置430が球通過領域上の空間の多くの部分を占有するような場合でも、遊技球の進入を妨げるだけではなく、遊技球を様々な態様で流下させることができる。それにより、装飾表示装置430は、単なる装飾効果や保留数の表示にとどまることなく、遊技球が進入して流下可能な役物として活用することもできる。さらに、装飾表示装置430の各表示ユニットは、装飾カバーと発光体とから構成されており、発光体による発光と、この発光を透過させる装飾カバーにより、いっそう華やかな電飾効果を演出することが可能となる。
図13は、装飾表示装置430における保留数に関する表示状態の一例を示している。本実施の形態では、装飾表示装置430のうち4個の大表示ユニット431a〜431dで、保留数を表示するように設定されており、図13は、現時点で保留球が4個あり、これに応じて4個の大表示ユニット431a〜431dが全て点灯(図中では薄墨色で表示)している状態を示している。
4個の大表示ユニット431a〜431dは、上から順番に1つずつ点灯するように設定されており、保留球が0個の時は、大表示ユニット431a〜431dは全て消灯しており、保留球が1個の時は、大表示ユニット431aのみ点灯し、保留球が2個の時は、2つの大表示ユニット431a,431bが点灯し、保留球が3個の時は、3つの大表示ユニット431a〜431cが点灯し、保留球が4個の時は、4つの大表示ユニット431a〜431dが全て点灯するように表示制御される。
このように、前記装飾表示制御手段により、保留数に応じて装飾表示装置430の表示状態を制御することにより、装飾表示装置430の表示状態のバリエーションを豊富にすることができる。なお、可変表示装置310で新たに可変表示遊技が開始されると、前記保留球記憶手段によって、保留数のデクリメントが行われるが、これに伴い装飾表示装置430の大表示ユニット431a〜431dは、点灯しているもののうち、例えば前述した点灯する順番とは逆に、下の方から順番に1つずつ消灯するようになっている。
また、装飾表示装置430では、前述した保留球の表示の他、前記可変表示遊技に関する予告演出の表示を行うこともできる。ここで装飾表示装置430における予告演出は、前記保留に係る表示結果、すなわち、個々の保留データ毎に対応して記憶された可変表示遊技の表示結果に関する情報が、当たりであるか否かの判断結果に応じて、前記装飾表示制御手段により実行される。また、装飾表示装置430で実行される予告演出の表示は、前述した可変表示遊技における予告図柄320の表示制御と適宜組み合わされる。
図14は、装飾表示装置430における予告演出に関する表示の一例を示している。図中では、前述したように可変表示遊技の途中でリーチ態様が導出され、これに伴い装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dで予告演出が開始される状態を示している。また、現時点で保留球は2個あり、これに応じて2つの大表示ユニット431a,431bが点灯している状態を示している。
図14(1)では、可変表示装置310の表示領域で実行されている可変表示遊技の途中で、左右に確変図柄「7」が揃って停止したリーチ態様が導出され、これに伴い、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dのうち一番下の1つの小表示ユニット432aが点灯して、予告演出が開始される。すなわち、本実施の形態では、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dの点灯表示によって、予告演出の表示状態が形成されるようになっている。
図14(2)では、可変表示遊技において最後に停止する真ん中の識別情報が未だスクロールしている状態で、小表示ユニット432a〜432dのうち下から2番目の小表示ユニット432bも新たに点灯して、2つの小表示ユニット432a,423bが点灯表示されている。続いて図14(3)では、小表示ユニット432a〜432dのうち下から3番目の小表示ユニット432cも新たに点灯して、3つの小表示ユニット432a〜432cが点灯表示されている。
合計4個の小表示ユニット432a〜432dの点灯数が多いほど、可変表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定する可能性が高くなっている。図14(4)では、真ん中の識別情報もリーチ図柄と同様「7」が停止し、可変表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定すると共に、全て小表示ユニット432a〜432dが点灯表示されている。このような予告演出は、保留に係る表示結果が大当たりに相当する場合に、演出パターンとして選択されて実行される。
それにより、遊技者は、見やすい装飾表示装置430の表示状態を一見するだけで、現在保留に係る表示結果が当たりとなる予告を事前に明確に認識することが可能となり、遊技性を高めることができる。なお、遊技者が早期に失望することを防止するために、保留に係る表示結果に大当たりがあっても、前記予告演出を行う確率を100%に設定しなくてもよい。
このように、前記装飾表示制御手段により、保留に係る表示結果が当たりであるか否かを判断し、その判断結果に応じて、図14に示すような装飾表示装置430での予告演出に関する表示状態を制御したが、また別の装飾表示装置430の表示状態の制御として、保留球の表示状態を変化させるようにしてもよい。
具体的には例えば、保留に係る表示結果に大当たりがある場合とない場合とで、装飾表示装置430における保留球の表示状態(点滅速度・色・形状・位置等)を変化させたり、保留球の表示状態が変化しはじめるタイミングを異ならせたりすること等が考えられる。かかる場合には、保留球の表示そのものが予告演出の役割も果たすので、予告演出専用の表示手段を省くことが可能となり、本実施の形態では、装飾表示装置430の小表示ユニット432a〜432dも全て保留球の表示に用いることができる。
さらに、各保留データ毎に対応した保留球毎に、それぞれに対応する表示結果に応じて個別に保留球の表示状態を変化させるようにしてもよい。例えば、保留に係る表示結果が大当たりに相当するものだけ、その保留球を表示する大表示ユニット431a〜431dを点灯ではなく点滅させたり、多色発光の場合に異なる色に発光させたり、明るさを変化させること等が考えられる。また、可変表示遊技で特定表示態様が導出される予告演出を表示するようにしたが、もちろん、特定表示態様の前段階で導出されるリーチ態様に関する予告演出をも示すように設定してもよい。
このように本遊技機本体1では、保留数や保留に係る表示結果に応じて、装飾表示装置430における表示状態が変化することになり、遊技者は、いっそう保留数を視覚的に容易に把握することが可能になり、また、変化に富んだ興趣のある表示を十分に楽しむことができる。本実施の形態では、保留数と保留に係る表示結果の双方に応じて、図13、図14で説明したように、装飾表示装置430における表示状態が変化するが、もちろん、保留数だけに応じて、または保留に係る表示結果だけに応じて、装飾表示装置430における保留球の表示状態を変化させるように構成してもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。また、可変表示装置310はスロットマシンに適用することができる。
また、前記装飾表示装置430は、保留数を遊技者が認識できる態様で表示可能なものとして構成したが、例えば、保留球の表示を可変表示装置310の画面で行ったり、別に特別図柄保留LED等を設けた上で、装飾表示装置430から保留球の表示機能を省き、単に装飾ランプとして構成してもよい。また、前記装飾表示装置430は、遊技領域17のうち遊技球が通過可能な球通過領域に配設したが、装飾表示装置430を配設する場所は、遊技機前面側であればどこでもよく、また、装飾表示装置430を複数のランプで構成するのみならず、1つのランプによって構成してもよい。
また、前記可変表示装置310では、複数の表示領域311〜313を画面中における表示として、それぞれ分割した上に互いに分離させて画面中に配置させると共に、各表示領域同士の間を画像が表示されない非表示領域314として表現したが、別の構成として、可変表示装置310の画面を、その一部を覆う区画部材により複数の表示領域に分割するようにして、この区画部材で非表示領域を形成してもよい。
それにより、平面的な単なる表示上の非表示領域314による区画の演出に頼ることなく、立体的な隠蔽および区画の構造による斬新な表示領域および非表示領域を形成することができる。区画部材としては具体的には例えば、可変表示装置310の外装をなすセンターケースの一部等から構成するとよい。ここで隣り合う各表示領域同士の間隔、すなわち非表示領域の幅は、演出画像が複数の表示領域に亘って表示されることがあるので、演出画像の一まとまり(予告図柄320)としての視認性を妨げない程度の大きさに設定すればよい。
また、区画部材にチップLED等の発光素子を配置させたり、あるいは、可変表示装置310の画面の前面に有機ELや無機EL、薄型液晶等を配置して、これらのELや液晶等をそのまま区画部材として、画面を複数の表示領域に分割する非表示領域として構成するようにしてもよい。
このような区画部材からなる非表示領域によれば、可変表示遊技の制御とは別に点灯ないし点滅させたり色を変化させる制御が可能となり、前記装飾表示装置430と同様に、装飾ランプとしての新たな機能を付加することができる。ここで例えば、区画部材からなる非表示領域、あるいは装飾表示装置430は、前記可変表示遊技における予告図柄320の出現や、予告図柄320と識別情報との重なり合いに連動させて、ELや発光素子等の色を変化させたり、発光素子等を点灯(点滅)させるとよい。
また、前記実施の形態では、予告図柄320を、通常はその輪郭内を影絵として表して識別不能な状態で表示し、可変表示中の識別情報315と重なると、該識別情報315の輪郭内にて重なる部分だけ影を取り除いて識別可能な状態で表示するようにしたが、このような影絵状態に限らず他に例えば、予告図柄の輪郭内をモザイク表示により識別不能な状態として、可変表示中の識別情報と重なると、モザイクを取り除くように表示してもよい。また、予告図柄320が重なる識別情報は、未だ可変表示中であるものに限られず、可変表示中の識別情報が未だある状態、すなわち可変表示遊技中であれば、既に停止した識別情報や仮停止した識別情報であってもよい。
また、前記実施の形態では、予告図柄320が識別情報315に重なった際に、予告図柄320を段階的に識別可能な状態に変化させる方策として、識別情報315に重なる範囲内にて予告図柄320の識別可能な部分を、複数段階に亘り徐々に拡大するようにしたが、他に例えば、識別情報315に重なる範囲内にて予告図柄320の明度を、暗く不鮮明な状態から明るく鮮明な状態まで複数段階に亘り徐々に上げたり、あるいは、影が取り除かれる場合は、影が徐々に薄くなって表示されるようにしてもよい。もちろん、予告図柄320が識別情報315に重なった際、該識別情報315の輪郭内にて重なる部分を、段階的に識別可能な状態に変化させるのではなく、いっぺんに重なる部分の総てを識別可能な状態に変化させるようにしてもよい。
さらにまた、前記実施の形態では、主基板100に対して、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500を、それぞれ別々の基板として構成したが、各種制御基板の構成として他に例えば、表示器制御基板300と音声制御基板500の機能を同一基板上に設けて遊技演出制御基板として、これにランプ制御基板400を組み合わせてもよく、あるいは、ランプ制御基板400と音声制御基板500の機能を同一基板上に設けて音・ランプ制御基板として、これに表示器制御基板300を組み合わせてもよい。このように、前述した表示制御手段等を実現する具体的な構成は、図5および図6に具体的に示した各種制御基板に限定されるものではない。