以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアや、色図柄表示エリア(図1の89参照)にて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄や色図柄(「第4図柄」ともいう)を可変表示する。この飾り図柄や色図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。また、この実施の形態では、第1特図の可変表示に同期して第1特図用の第4図柄の可変変動が行われる第1特図用の第4図柄表示領域9cと、第2特図の可変表示に同期して第2特図用の第4図柄の可変表示が行われる第2特図用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現されればよい。
この実施の形態では、第1特図と第2特図とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特図と第2特図とに対して共通の第4図柄表示領域を画像表示装置5の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特図と第2特図とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときと、第2特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の可変表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときと、第2特図の可変表示に同期して第4図柄の可変表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の可変表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特図の可変表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特図の可変表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を確定表示するようにしてもよい。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5には、遊技領域の右方(右遊技領域)を狙って遊技球を発射するよう遊技者に指示する表示を行う、いわゆる右打ち示唆表示や、遊技領域の左方(左遊技領域)を狙って遊技球を発射するよう遊技者に指示する表示を行う、いわゆる左打ち示唆表示といった、発射領域指示表示が行われる。図1に示す例では、左打ち表示が行われている例を示している(図1の78参照)。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアとは別に始動入賞記憶表示エリア5H(特に、インターフェース領域という)が配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の上方には、可動役物99が設けられている。可動役物99にはLEDが内蔵され、当該可動役物99は後述する陰影表示演出において発光する。また、可動役物99は、可動役物用モータの回転軸に取り付けられ、後述する陰影表示演出において可動役物用モータが回転すると左右に移動可能である。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。また、遊技盤2の内部には、電源供給にともなって発光可能な発光手段としてのLEDやその他のランプが設けられている。また、当該発光手段は、後述する陰影表示演出の実行にともない、発光および消灯する。遊技盤2は透光性を有する部材により構成されているため、後述する陰影表示演出により遊技盤2に内蔵されたLEDやその他のランプの発光を遊技者が視認可能となっている。なお、遊技機用枠3の内部にも、同様に、発光手段としてのLEDやその他のランプが設けられ、電源の供給状態や後述する陰影表示演出の実行にともなって発光および消灯する。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、詳しくは後述するが、この実施の形態では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった種類のスーパーリーチ演出が予め用意されている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。この実施の形態では、例えば、先読み予告演出として、保留予告が実行される。先読み予告との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、可変表示中予告ともいう。
保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様(特殊表示態様)に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性など(スーパーリーチとなることなる可能性なども含む)を予告する。この実施の形態では、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示態様を、通常時における所定の色とは異なる特定の色とし、その色に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを報知する。なお、この実施の形態における保留予告は、詳しくは後述するが、次の可変表示を開始するときの保留シフトのタイミング、または次の可変表示において後述する保留変化図柄演出を実行し保留変化図柄を確定表示するタイミングで実行される。なお、先読み予告演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、先読み予告演出として、複数変動にわたって連続してチャンス目図柄などの特殊表示結果を確定表示させる演出を実行したり、複数変動にわたって背景画面が変化するような態様の演出を実行したり、複数変動にわたってカウントダウンするような態様の演出を実行したりするなど、様々な態様が考えられる。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、可動役物99の内部LEDを発光させるとともに左右に動作させ、かつ、画像表示装置5内の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部を照明するエフェクト表示を行うとともに、始動入賞記憶表示エリア5H(インターフェース領域)の一部が視認困難となる陰影表示を行う陰影表示演出(図24参照)が行われることがある。なお、陰影表示演出は、始動入賞記憶表示エリア5H(インターフェース領域)の一部が視認困難となる陰影表示のみ行われるものであってもよいし、エフェクト表示と陰影表示とが行われるもの、可動役物99の発光および動作と陰影表示が行われるものであってもよい。この実施の形態における陰影表示演出は、可動役物99の動作に合わせてエフェクト表示が行われる領域と陰影表示が行われる領域とが変化(換言すると、エフェクト表示が行われる領域に合わせて陰影表示が行われる領域が変化)する(図24に絵示す例では、右から左)。なお、詳しくは後述するが、陰影表示演出には、エフェクト表示に合わせて(換言すると、陰影表示に合わせて)、図22や図23に示すように(図22および図23に示す例はそれぞれ、後述するパターン1とパターン2における陰影表示演出)、遊技盤2や遊技機用枠3の内部に設けられた発光手段としてのLEDやその他のランプの一部が発光するものも含まれる(具体的に、陰影表示演出にていずれの領域が発光し、いずれの領域が消灯するのかが予め定められていればよい)。なお、この実施の形態では、エフェクト表示領域の変化に合わせて(換言すると、陰影表示領域の変化に合わせて)、遊技盤2や遊技機用枠3の内部に設けられた発光手段としてのLEDやその他のランプの一部が順次発光する(すなわち、遊技盤2や遊技機用枠3の内部に設けられた発光手段としてのLEDやその他のランプの発光領域も変化する)ものも含まれる。また、陰影表示演出では、可動役物99の内部LEDの発光、エフェクト表示、遊技盤2の内部に設けられた発光手段としてのLEDやその他のランプ、および遊技機用枠3の内部に設けられた発光手段としてのLEDやその他のランプをそれぞれ同一の色もしくは同系色で発光および表示させる演出の他、例えば、エフェクト表示よりも遊技盤2の内部に設けられたLEDやその他のランプの方が、遊技盤2の内部に設けられたLEDやその他のランプよりも遊技機用枠3の内部に設けられたLEDやその他のランプの方が表示色および発光色の明度を強くして、奥行きのあるような演出(暗い色は遊技者にとって奥側に、明るい色は遊技者にとって手前に見える)を行うようにしてもよい。
この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、互いに演出態様が異なる再変動演出や複数の予告演出を、組み合わせて実行することができる。再変動演出や予告演出(先読み予告と可変表示中予告を含む)、さらには演出態様(ノーマル、スーパーリーチA〜Cなど)が異なるリーチ演出も含めて、大当り遊技状態となる可能性を示唆する示唆演出となる。複数の予告演出は、それぞれが実行される演出装置を異ならせてもよいし、同一の演出装置を用いて実行されるタイミングや動作態様の一部または全部を異ならせてもよい。例えば、複数のタイミングにて同一または別個の演出装置を用いて実行可能な可変表示中予告として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告などが、設けられていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、可動役物99、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、可動役物99の動作(発光も含む)や画像表示装置5における表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図3は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった態様のリーチ演出がある。図示するように、リーチの種類に応じて変動時間が異なっており、確変図柄によりリーチ状態となるか非確変図柄によりリーチ状態となるかに関わらず、共通の変動時間に設定されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、可動役物99を駆動させるための可動役物用モータに対して信号を伝送するための配線や、可動役物99に内蔵されたLEDを発光させるための配線、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば可動役物99や画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、始動入賞判定処理として、図4のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。なお、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンで(ステップS201;Yes)、かつ、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第1始動入賞口に入賞があったことを示すコマンドを演出制御基板12に送信するようにしてもよい。また、同様に、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンで(ステップS204;Yes)、かつ、ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値である場合にも、第2始動入賞口に入賞があったことを示すコマンドを演出制御基板12に送信するようにしてもよい。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS209)。 特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図6(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図6(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図5に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110、図8)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図7(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102に設けられた遊技制御フラグ設定部などにおける時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、後述する第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、後述する大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405、S407、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1、PA1−2のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1、PB2−1〜PB2−3のいずれかである場合には、リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA4−1、PB4−1〜PB4−3のいずれかである場合には、リーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPC1−1〜PC1−3のいずれかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、リーチハズレ、リーチ大当り、突確・小当り、のいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。例えば、リーチを伴う変動パターンである場合には、ノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかによって異なる変動カテゴリと判定するようにしてもよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図7(B)に示す変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図5に示す始動入賞判定処理や図7(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図5におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図7(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図7(A)におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図5におけるステップS213の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド、合計保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図4のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図9(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図9(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
図9(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。図9(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図8に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図10に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図8に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPB4−3、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図19(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB4−2の方が、変動パターンPB4−2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB4−3の方が多くの決定値が割り当てられている。
図11に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Cを選択してセットする(ステップS266)。例えばRAM102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS267)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB2−2の方が、変動パターンPB2ー2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB2−3の方が、少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチCの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図11に示すステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図13は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、保留予告決定処理を実行する(ステップS999)。
図14は、保留予告決定処理(ステップS999)の一例を示すフローチャートである。図14に示す保留予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンドのセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ(ステップS6001;No)、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば(ステップS6001;Yes)、演出制御用CPU120は、既に保留予告演出の決定済みであることを示す保留予告決定フラグ、または既に保留予告演出を実行中であることを示す保留予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。保留予告決定フラグまたは保留予告実行フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出が既に決定または実行されていれば)(ステップS6002;Yes)、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、ステップS6002の処理が実行されることによって、保留予告演出が既に決定または実行されているときに重ねて保留予告演出を決定する処理を行わないように構成しているが、保留予告演出を既に決定または実行している場合であっても、重ねて保留予告演出を決定可能に構成したり、複数の保留予告演出を並行して実行可能に構成したりしてもよい。
保留予告決定フラグおよび保留予告実行フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、まだ保留予告演出が決定も実行もされていなければ)(ステップS6002;No)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数が2以上であるか否かを確認する(ステップS6003)。ステップS6003の処理では、例えば、コマンド解析処理にて合算保留記憶数保存領域に格納された合算保留記憶数を確認するなどにより判定すればよい。なお、合算保留記憶数保存領域は、RAM122の所定領域に設けられていればよい。合算保留記憶数が2以上でなければ(すなわち、保留記憶が1つしかない場合)(ステップS6003;No)、そのまま処理を終了する。すなわち、この実施の形態では、始動入賞のタイミングで保留予告演出を決定すると、次の可変表示において(具体的には開始時の保留シフトのタイミングまたは保留変化図柄の確定表示のタイミングで)保留予告演出が開始されるのであるが、始動入賞のタイミングで保留表示が1つしかないということは、次の可変表示では既にその予告対象の保留表示が消去され保留予告演出を実行する余地がないのであるから、保留予告演出を決定することなく、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、保留変化図柄の確定表示のタイミングで予告対象の保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出を開始する場合には、後述するように、飾り図柄の停止図柄の確定表示のタイミングで保留変化図柄も確定表示されるので、始動入賞のタイミングで保留表示が2つあった場合であっても、保留予告演出の実行期間が極めて短い。そのため、例えば、保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留予告演出を開始する場合には、始動入賞のタイミングで保留表示が3以上あることを条件としてもよい。また、例えば、飾り図柄の停止図柄の確定表示のタイミングよりも少し早めに保留変化図柄を確定表示するとともに保留予告演出を開始するようにして、保留予告演出の実行期間を確保するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングで保留表示が1つしかない場合であっても、保留変化図柄の確定表示のタイミング以外のタイミング(例えば、本例では、保留シフトのタイミング)であれば、保留表示の表示態様を変化させて保留予告演出を実行するように構成してもよい。
ステップS6003の処理にて合算保留記憶数が2以上であれば(ステップS6003;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した最新の変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定する(ステップS6004)。なお、ステップS6004では、演出制御用CPU120は、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定するための保留予告演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、保留予告演出の有無および保留表示の変化タイミングを決定する。
図15は、保留予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、保留予告演出決定テーブルには、保留予告演出なし、保留予告演出A、および保留予告演出Bに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図15に示すように、この実施の形態では、保留予告演出の種類として、保留予告演出A、および保留予告演出Bの2種類がある。この実施の形態では、始動入賞の発生時に「保留予告演出A」の実行を決定した場合には、次の可変表示を開始するときの保留シフトのタイミングで保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出の実行を開始する。また、始動入賞の発生時に「保留予告演出B」の実行を決定した場合には、次の可変表示において保留変化図柄演出を実行し保留変化図柄を確定表示するタイミングで保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変更して保留予告演出の実行を開始する。
図15に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドで示される判定結果が非リーチはずれである場合や、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がリーチはずれである場合、変動カテゴリコマンドで示される判定結果がリーチ大当りである場合(図7(B)参照)に、保留予告演出の実行が決定される場合がある。
この実施の形態では、図15に示すように、リーチ(リーチはずれ、リーチ大当り)となる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して高い割合で保留予告演出を実行することに決定する。また、図15に示すように、リーチ大当りとなる場合には、リーチはずれとなる場合と比較して、保留予告演出Aよりも保留予告演出Bの実行を高い割合で決定する。従って、この実施の形態では、変動開始時の保留シフトのタイミングで保留表示が通常表示態様から特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される場合よりも、可変表示において保留変化図柄演出が実行され保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示が通常表示態様から特殊表示態様に変化して保留予告演出が実行される場合の方が、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなる。
なお、この実施の形態では、保留表示が変化する特殊表示態様が1種類(本例では、赤色の丸形表示)である場合を示しているが、保留表示の変化態様が複数種類あるように構成してもよい。例えば、特殊表示態様として赤色の丸形表示に加えて緑色の丸形表示を設けるようにし、赤色の丸形表示に変化する場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が高く、緑色の丸形表示に変化する場合がその次に大当りに対する期待度(信頼度)が高く、通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)のままの場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が低くなるように構成してもよい。そして、そのように構成した上で、変動開始時の保留シフトのタイミングよりも保留変化図柄の確定表示のタイミングの方が赤色の丸形表示に変化する割合が高くなるように判定値を割り振るようにしてもよい。
保留予告演出の実行を決定した場合には(ステップS6005;Yes)、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた保留予告演出記憶領域に、予告対象の保留表示を記憶するとともに、決定した保留表示の変化タイミングを記憶する(ステップS6006)。そして、演出制御用CPU120は、保留予告決定フラグをセットして(ステップS6007)、処理を終了する。一方、保留予告演出の実行を決定しなかった場合には(ステップS60005;No)、そのまま処理を終了する。
なお、この実施の形態では、始動入賞が発生した後の次の可変表示において保留シフトまたは保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示を変化させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、始動入賞が発生した後の次の可変表示よりもさらに後の可変表示において、保留シフトや保留変化図柄の確定表示のタイミングで保留表示を変化させることが可能に構成してもよい。また、この場合、例えば、いずれの可変表示で保留表示が変化したかに応じて、大当りやリーチに対する期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。例えば、遅いタイミングで保留表示が変化した方が、早いタイミングで保留表示が変化した場合と比較して、大当りやリーチに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、保留表示が変化するタイミングが保留シフト時と保留変化図柄の確定表示時の2つのタイミングのみである場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、可変表示中に作用演出(例えば、キャラクタなどが保留表示に作用するような態様の演出)を実行して保留表示を変化させる場合も設けるようにしてもよい。
図13に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS999の処理を実行したあと、例えばRAMなどに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理や、所定演出の実行設定を行う処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、陰影表示演出やステップアップ予告演出を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。このとき、保留予告を実行する場合には、保留変化図柄が停止表示され、予告対象の保留表示を特殊表示態様に変更する。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄(保留変化図柄も含む)を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。なお、大当り中演出処理では、遊技者に右遊技領域に向けて遊技球を発射するように促す右打ち示唆表示を実行する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。なお、エンディング演出処理では、遊技者に左遊技領域に向けて遊技球を発射するように促す左打ち示唆表示(図1の78参照)を実行する。なお、右打ち示唆表示や左打ち示唆表示は、遊技者の遊技状況に応じて任意のタイミングで表示されてもよい(例えば誤った領域に遊技球を発射している場合など)。
図16は、可変表示開始設定処理として、図13のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS523の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。一例として、ステップS526の処理では、まず、RAM122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS523、ステップS524、ステップS526、またはステップS527の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留予告決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS528)。保留予告決定フラグがセットされていれば(すなわち、保留予告演出が決定されていれば)(ステップS528;Yes)、保留表示の変化タイミングが保留シフト時であるか否かを確認する(ステップS529)。なお、留表示の変化タイミングが保留シフト時であるか否かは、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)に記憶されている変化タイミングを確認することにより判定できる。
保留表示の変化タイミングが保留シフト時であれば(ステップS529;Yes)、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている予告対象の保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更し、保留予告演出を開始する(ステップS530)。なお、予告対象の保留表示は、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)の記憶内容を確認することにより特定できる。次いで、演出制御用CPU120は、保留予告決定フラグをリセットするとともに、保留予告実行フラグをセットする(ステップS531)。
なお、ステップS530の処理が実行されて保留予告演出が開始されると、その後、可変表示を終了して次の可変表示を開始し保留シフトするごとに、保留表示が1つずつ消去され、予告対象の保留表示も1つずつシフトしていく。そして、予告対象の可変表示の1つ前の可変表示を終了し、予告対象の可変表示の開始時に予告対象の保留表示が消去されることによって、保留予告演出が終了する。そのため、ステップS531にてセットされた保留予告実行フラグは、予告対象の保留表示が消去されたタイミングでリセットされる。
また、この実施の形態では、保留シフト時に特に演出を伴うことなく、そのまま保留表示が変化する場合を示しているが、保留シフト時に何らかの作用演出(例えば、キャラクタが保留表示に作用するような態様の演出)を実行して、保留表示を変化させるようにしてもよい。この場合、例えば、保留表示が変化しない場合であっても、いわゆるガセの作用演出を実行するように構成し、保留表示が変化するか否かに応じて、作用演出に登場するキャラクタの種類や数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、保留表示の変化態様が複数態様ある場合に(例えば、赤色の丸形表示に変化する場合と、金色の丸形表示に変化する場合とがある)、保留表示がいずれの態様に変化するかに応じて、作用演出に登場するキャラクタの種類や数の選択割合を異ならせるようにしてもよい。
保留表示の変化タイミングが保留シフト時でなければ(すなわち、保留変化図柄の確定表示時であれば)(ステップS529;No)、演出制御用CPU120は、保留変化図柄演出を実行することを示す保留変化図柄演出フラグをセットする(ステップS532)。
ステップS528にて保留予告決定フラグがセットされていない場合、またはステップS531またはステップS532の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、陰影表示演出の実行設定を行う陰影表示演出設定処理を実行する(ステップS533)。
図17は陰影表示演出設定処理として、図16のステップS533にて行われる処理の一例を示すフローチャートでえある。図17に示す陰影表示演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、保留変化図柄演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS619)。保留変化図柄演出フラグがセットされていなければ(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合でなければ)(ステップS619;No)、ステップS621に移行する。
保留変化図柄演出フラグがセットされていれば(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合であれば)(ステップS619;Yes)、演出制御用CPU120は、今回実行する可変表示が短縮変動の可変表示であるか否かを確認する(ステップS620)。なお、短縮変動の可変表示であるか否かは、具体的には、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが短縮変動の変動パターン(図3に示すPA1−2の変動時間3500ミリ秒の変動パターン)であるか否かを確認することにより判定できる。短縮変動の可変表示であれば(ステップS620;Yes)、そのまま処理を終了する。
短縮変動の変動表示でない場合(ステップS620;No)、または保留変化図柄演出フラグがセットされていない場合(ステップS619;No)、演出制御用CPU120は、図18(A)に示す陰影表示演出実行決定テーブルを用いて乱数にもとづく抽選処理を行い、陰影表示演出を実行するか否かを決定する(ステップS621)。
図18(A)は、陰影表示演出実行決定テーブルの具体例を示す説明図である。図18(A)に示す陰影表示演出実行決定テーブルは、可変表示結果に応じて、陰影表示演出の実行有無を決定するために参照されるテーブルであり、ROM121に予め格納されている。陰影表示演出実行決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより陰影表示演出を実行すると決定される割合が異なっている(例えば「大当り」となる場合の方が「はずれ」よりも陰影表示演出を実行すると決定する割合が高く設定されている)。また、可変表示結果が「確変大当り」である場合の方が、「非確変大当り」である場合よりも陰影表示演出を実行すると決定する割合が高く設定されている。そのため、陰影表示演出が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高く、また、「確変大当り」の可能性も高くなるため、遊技者の陰影表示演出に対する注目度を高めることができる。なお、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより、セットする(選択する)陰影表示演出実行決定テーブルが異なるようにしてもよい。なお、図18(A)に示す陰影表示演出実行決定テーブルにおける可変表示結果の「はずれ」とは、スーパーリーチリーチ演出を伴ってはずれとなる変動パターンの場合であり、ノーマルリーチはずれやリーチ演出を伴わないはずれの場合には、陰影表示演出を実行しないと決定する。また、ノーマルリーチハズレやリーチ演出を伴わないはずれの場合にも陰影表示演出を実行すると決定するようにしてもよく、この場合には、スーパーリーチハズレの場合よりも低い割合で陰影表示演出を実行すると決定されるようにすればよい。
図17に戻り、ステップS621の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS621にて陰影表示演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS622)。陰影表示演出を実行すると決定した場合(ステップS622;Yes)、図18(B)に示す陰影表示演出パターン決定テーブルを参照して、スーパーリーチの種類に応じて、図示する決定割合にしたがって陰影表示演出の実行パターンを決定する(ステップS623)。
図18(B)に示す陰影表示演出パターン決定テーブルは、スーパーリーチの種類に応じて、陰影表示演出の実行パターンを決定するために参照されるテーブルであり、ROM121に予め格納されている。図示する例では、パターン1からパターン3の陰影表示演出パターンが予め用意されている。それぞれの陰影表示演出パターンは、例えば、可動役物99の動作速度が異なる(エフェクト表示が行われる領域の変化速度と陰影表示が行われる領域の変化速度が異なる)ものや、LEDの発光色やエフェクト表示の色、表示領域が異なるもの、図22および図23に示すように、遊技盤2と遊技機用枠3における発光させる領域が異なるもの、またはこれらの組み合わせであればよい。この実施の形態では、パターン1の陰影表示演出が図22に示すように、画像表示装置5の他、遊技盤2と遊技用枠3とが発光し、発光領域が可動役物99の動作に合わせて変化するパターン(図示する例では、最初右部分が発光領域で、時間経過とともに左部分に発光領域が移動するパターン)であり、パターン2の陰影表示演出が図22に示すように、画像表示装置5の他、遊技盤2の所定部分と遊技用枠3とが発光し(パターン1よりも発光領域の面積が小さい)、発光領域が可動役物99の動作に合わせて変化するパターン(図示する例では、最初右部分の一部が発光領域で、時間経過とともに左部分の一部に発光領域が移動するパターン)であり、パターン3の陰影表示演出が、画像表示装置5の他に発光領域がないパターンである。
図18(B)に示すように、この実施の形態における陰影表示演出パターン決定テーブルでは、期待度が高いスーパーリーチ(スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチCの方が、期待度が高い)ほど、パターン1の陰影表示演出パターンに決定される割合が高くなっている、といったように、パターン3よりもパターン2の方が、パターン2よりもパターン1の方が、期待度の高いスーパーリーチのリーチ演出が行われるように各パターンの決定割合が割り当てられている。したがって、実行される陰影表示演出のパターンに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図18(B)に示す例では、ノーマルリーチの場合に割り当てがない例を示しているが、ノーマルリーチの場合には陰影表示演出を実行しないようにすればよい。この場合には、図17のステップS621の処理において、ノーマルリーチであるか否かを、変動パターン指定コマンドを確認することにより判定し、ノーマルリーチである場合には、陰影表示演出を実行しないと決定すればよい。また、ノーマルリーチの場合においても、陰影表示演出を実行するようにしてもよい。この場合には、ノーマルリーチとなり、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ陰影表示演出を実行すればよく、その場合における陰影表示演出パターンは、パターン3の陰影表示演出パターンであればよい。これによれば、ノーマルリーチといった期待度の低いリーチであって陰影表示演出が実行されることがあるため、陰影表示演出が実行されることに対する期待感を向上させることができる。
また、図18(B)に示す陰影表示演出パターン決定テーブルでは、スーパーリーチの種類に応じてパターン1〜パターン3の陰影表示演出パターン毎に決定割合が割り当てられている例を示したが、スーパーリーチの種類ではなく、可変表示結果に応じてパターン1〜パターン3の陰影表示演出パターン毎に決定割合が割り当てられているようにしてもよい。また、可変表示結果とスーパーリーチ演出の種類の両方に応じて割り当てられていてもよい。また、パターン1〜パターン3の陰影表示演出パターン毎の決定割合が異なる複数の陰影表示演出パターン決定テーブルを用意しておき、可変表示結果に応じてセットするテーブルが異なるようにしてもよい(すなわち、確変大当り用の陰影表示演出パターン決定テーブル、非確変大当り用の陰影表示演出パターン決定テーブル、はずれ用の陰影表示演出パターン決定テーブルを用意しておき、可変表示結果に応じてテーブルを選択するようにしてもよい)。これによれば、可変表示結果およびスーパーリーチの種類に応じて陰影表示演出パターンを決定できるため、遊技の状況に応じた細かい設定を行うことができる。
図17におけるステップS623の処理ではまた、陰影表示演出を実行する期間である陰影表示演出実行期間(例えば図21に示すような可変表示の開始からステップアップ予告演出の終了までの期間)が設定される。陰影表示演出実行期間は、陰影表示演出パターン毎に異なる期間であってもよいし、陰影表示演出パターンに関わらず同じ期間であってもよい。なお、この実施の形態では、陰影表示演出の開始時に、一旦可動役物99を含む遊技盤2と遊技用枠3におけるすべてのLEDやその他のランプを消灯するよう制御される。
ステップS623の処理を実行した後、またはステップS622にて特定演出実行なしと判定した場合(ステップS622;No)、陰影表示演出設定処理を終了する。このように、この実施の形態では、ステップS620の処理が実行されることによって、変動時間3500ミリ秒の短縮変動の可変表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、陰影表示演出の実行をしないように制限している。
図24は、陰影表示演出が実行された場合の画像表示装置5と可動役物99における演出動作例を示している(説明を簡略化するため、ステップアップ予告演出の演出動作例については省略している)。まず、図24(A)に示すように飾り図柄の可変表示が実行され陰影表示演出実行期間となると、図24(B)に示すように、可動役物99の内部LEDが発光し(右方に移動することも含む)、これにともなって画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にエフェクト表示が行われ、かつ、始動入賞記憶表示エリア5H(インターフェース領域)の一部に陰影表示が行われる。また、この実施の形態における陰影表示演出では、図24(B)に示すように、あたかも可動役物99から照射されたことにより、インターフェース領域の中央部分に表示された台座の影が映っているよう遊技者に見せかける特殊影表示が行われる。なお、後述するように、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれの位置にエフェクト表示を行うのかということ、および始動入賞記憶表示エリア5Hのいずれの位置に陰影表示(特殊影表示も含む)を行うのかということは、演出制御パターンにより定められていればよい。そして図24(C)および図24(D)に示すように可動役物99が動作する(移動する)ことに合わせて、エフェクト表示、陰影表示、特殊影表示、といった各種の表示領域も移動する。なお、この実施の形態では、インターフェース領域の中央部分に表示された台座の影として特殊影表示を行うことを示したが、インターフェース領域に凹凸がある場合に、当該影が映っていることを遊技者に見せかけることができれば、台座でなくてもよい。なお、この実施の形態における陰影表示演出では、始動入賞記憶表示エリア5Hに陰影表示を行うため、飾り図柄や左打ち示唆表示、第4図柄の可変表示が遊技者に視認困難となることがない。また、図24(B)に示すように、陰影表示が行われても、保留表示が視認困難となることのないよう(保留表示が行われ得る部分以外に)、陰影表示が行われる領域が演出制御パターンにより定められている。また、具体的に、図24(B)に示すように、この実施の形態における陰影表示は、インターフェース領域におけるエフェクト表示と重ならない部分に行われるよう演出制御パターンにて予め定められている。また、飾り図柄や左打ち示唆表示、第4図柄の可変表示の他、例えば、「○」や「×」などの表示や「チャンス」などのメッセージ表示についても、陰影表示により遊技者に視認困難となることのないよう、陰影表示を行う領域が演出制御パターンにて定められていればよい。
図16に戻り、ステップS533の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5において特定演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する特定演出設定処理を実行する(ステップS534)。なお、この実施の形態では、特定演出設定処理において、特定演出として、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる特定演出を実行可能で、特定表示結果(大当り)とする場合は該特定表示結果としない場合よりも高い割合で所定段階目(例えば、最終段階目)の演出まで演出が行われるステップアップ予告演出の設定を行う。なお、ステップアップ予告演出にかぎらず、特定演出設定処理において、例えば、遊技者の操作を伴うボタン予告演出や、会話予告演出、可動物予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出など様々な特定演出を設定するように構成してもよい。
図19は、特定演出設定処理として、図16のステップS534にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、保留変化図柄演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6501)。保留変化図柄演出フラグがセットされていなければ(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合でなければ)(ステップS6501;No)、ステップS6503に移行する。
保留変化図柄演出フラグがセットされていれば(すなわち、保留変化図柄演出を実行する場合であれば)(ステップS6501;Yes)、演出制御用CPU120は、今回実行する可変表示が短縮変動の可変表示であるか否かを確認する(ステップS6502)。なお、短縮変動の可変表示であるか否かは、具体的には、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが短縮変動の変動パターン(図3に示すPA1−2の変動時間3500ミリ秒の変動パターン)であるか否かを確認することにより判定できる。短縮変動の可変表示であれば(ステップS6502;Yes)、そのまま処理を終了する。
短縮変動の変動表示でない場合(ステップS6502;No)、または保留変化図柄演出フラグがセットされていない場合(ステップS6501;No)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンコマンドにもとづいて、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定する(ステップS6503)。なお、ステップS6503において、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定するためのステップアップ予告演出決定テーブル(図20)を用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、ステップアップ予告演出の有無および種類を決定する。
図20は、ステップアップ予告演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出決定テーブルには、ステップアップ予告演出なし、ステップアップ予告演出A、ステップアップ予告演出B、ステップアップ予告演出C、ステップアップ予告演出D、およびステップアップ予告演出Eに対して、それぞれ判定値が割り振られている。また、図43に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出の種類として、ステップアップ予告演出A、ステップアップ予告演出B、ステップアップ予告演出C、ステップアップ予告演出D、およびステップアップ予告演出Eの5種類がある。
この実施の形態では、「ステップアップ予告演出A」の実行を決定した場合には、飾り図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出のみ実行さる。また、「ステップアップ予告演出B」の実行を決定した場合には、飾り図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して2段階目のステップ2の演出まで実行される。また、「ステップアップ予告演出C」の実行を決定した場合には、飾り図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して3段階目のステップ3の演出まで実行される。また、「ステップアップ予告演出D」の実行を決定した場合には、飾り図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して4段階目のステップ4の演出まで実行される。さらに、「ステップアップ予告演出E」の実行を決定した場合には、飾り図柄の変動表示中に1段階目のステップ1の演出から開始して5段階目(最終段階目)のステップ5の演出まで実行される。
この実施の形態では、図20に示すように、ステップアップ予告演出において多くのステップの演出まで実行されるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように判定値が割り振られている。また、図20に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出において、ステップ3の演出まで実行された場合には、少なくともリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となることが確定する。また、図20に示すように、この実施の形態では、最終段階のステップ5の演出まで実行された場合には、少なくとも、スーパーリーチとなるか大当りとなることが確定する。
なお、ステップアップ予告演出決定テーブルにおける判定値の割り振りの仕方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、非リーチはずれであっても、ステップ3〜ステップ5の演出を実行可能に割り振りを行ったり、ノーマルリーチはずれであっても、ステップ5の演出を実行可能に割り振りを行ったりしてもよい。また、例えば、最終段階のステップ5の演出まで実行されれば、大当りが確定するように割り振りを行ってもよい。
図19に戻り、ステップS6503の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS6504)。ステップアップ予告演出の実行を決定しなかった場合(ステップS6504;No)、そのまま処理を終了する。一方、ステップアップ予告演出の実行を決定した場合(ステップS6504;Yes)、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられたステップアップ予告演出記憶領域に、決定したステップアップ予告演出の種類を記憶して(ステップS6505)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、ステップS6502の処理が実行されることによって、変動時間3500ミリ秒の短縮変動の可変表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行をしないように制限している。
図21は、陰影表示演出、ステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。このうち、図21(A)は、一例として、非リーチはずれの変動時間7.5秒の通常変動の変動表示(図3に示すPA1−1参照)における陰影表示演出、ステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示している。また、図21(B)は、変動時間3.5秒の短縮変動の変動表示(図3に示すPA1−2参照)における陰影表示演出、ステップアップ予告演出および保留変化図柄演出の実行タイミングを示している。
ここで、図20に示すように、この実施の形態では、非リーチはずれとなる場合には、ステップアップ予告演出において2段階目のステップ2の演出まで実行される可能性があるが、図21(A)に示すように、変動時間7.5秒の通常変動の変動表示では、ステップ2の演出まで実行されるステップアップ予告演出と保留変化図柄演出とで演出期間が重ならない。一方、この実施の形態では、図21(B)に示すように、変動時間3.5秒の短縮変動の変動表示では、陰影表示演出およびステップ2の演出まで実行されるステップアップ予告演出の演出期間と、保留変化図柄演出の演出期間とが一部重複してしまう。そこで、この実施の形態では、ステップS620の処理が実行されることによって、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、陰影表示演出の実行をし、かつ、ステップS6502の処理が実行されることによって、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行をしないように制限することによって、演出期間が重複した演出が実行されることを防止している。
なお、この実施の形態では、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の実行を禁止する場合を示したが、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の制限の仕方は、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合に、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の実行割合を低下させることによって制限するようにしてもよい。また、ステップアップ予告演出を一律に禁止するのではなく、例えば、ステップアップ予告演出中の一部のステップの演出のみが重複する可能性があるのであれば、保留変化図柄演出と演出期間が重なるおそれがないステップの演出までしか発展しないステップアップ予告演出であれば実行可能に構成してもよい。例えば、ステップ1の演出については保留変化図柄演出を重複するおそれがなければ、ステップ1の演出のみ実行するステップアップ予告演出については実行可能に構成してもよい。同様に、陰影表示演出においても、保留変化図柄演出が実行される前に終了する(陰影表示演出実行期間を短縮させる)よう構成してもよい(演出期間が重複しないよう構成してもよい)。また、演出期間が重複しなければ、陰影表示演出とステップアップ演出の両方を実行しても、いずれか一方を実行してもよい。
このように、この実施の形態において、「ステップアップ予告演出の制限」には、ステップアップ予告演出を禁止することに加えて、ステップアップ予告演出の実行割合を低下させることや、一部の種類のステップアップ予告演出の実行を禁止するなどの概念が含まれる。同様に、「陰影表示演出の制限」には、陰影表示演出を禁止することに加えて、陰影表示演出の実行割合を低下させることや、陰影表示演出実行期間を短縮させるなどの概念が含まれる。
なお、この実施の形態では、短縮変動の可変表示において保留変化図柄演出が実行される場合にのみ、陰影表示演出およびステップアップ予告演出を制限する場合を示しているが、短縮変動の可変表示において保留シフト時に保留表示を変化させる場合であっても、陰影表示演出およびステップアップ予告演出を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の可変表示において保留変化図柄演出が実行される場合には陰影表示演出およびステップアップ予告演出が制限される一方で、短縮変動以外の可変表示では、保留変化図柄演出が実行される場合であっても、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の実行を制限されずに陰影表示演出およびステップアップ予告演出を実行可能である。なお、短縮変動以外の可変表示であっても、保留変化図柄演出が実行される場合には、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の実行が制限される場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出、陰影表示演出およびステップアップ予告演出の全ての演出が実行されることはないように制御されているのであるが、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出のみを単独で実行することは可能であるし、陰影表示演出のみを単独で実行することも可能であるし、ステップアップ予告演出のみを単独で実行することも可能である。また、陰影表示演出とステップアップ予告演出とを実行することも可能である。
なお、図21に示すように、この実施の形態では、可変表示の開始からステップアップ予告演出の終了までの期間が陰影表示演出実行期間となる。そのため、陰影表示演出とステップアップ予告演出とが同時に実行され得るが、陰影表示演出とステップアップ予告演出とは、異なる期間において実行されるようにしてもよい(すなわち、陰影表示演出の実行後にステップアップ予告演出を実行するなど、陰影表示演出とステップアップ予告演出とが同時に行われないようにしてもよい)。
図16に戻り、ステップS534の処理を実行した後は、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS535)。一例として、ステップS535の処理では、ステップS533やS534にて設定された演出とは異なる変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。変動中予告演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出などを実行できればよい。
ステップS535の処理を実行した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS536)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS533やS534で決定した内容などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。なお、演出制御パターンにより、陰影表示演出においていずれの部分を発光させ、いずれの部分を陰影表示させるのかが予め定められている。ステップS536の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS537)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS537)。このときには、例えばステップS536にて使用パターンとして選択された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS539)、可変表示開始設定処理を終了する。
図25は、可変表示中演出処理として、図13のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS552;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。
ステップS553の処理を実行した後、または、リーチ演出実行期間でない場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、陰影表示演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。陰影表示演出実行期間は、例えば、図17の陰影表示演出決定処理にて陰影表示演出を実行すると決定された場合における演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にて陰影表示演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、陰影表示演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。上述したように、演出制御パターンにより、陰影表示演出において画像表示装置5、遊技盤2、および遊技機用枠3のいずれの部分を発光させ、画像表示装置5、遊技盤2、および遊技機用枠3のいずれの部分を陰影表示させるのかが予め定められており、ステップS555の処理では、当該演出制御パターンにしたがって、画像表示装置5、遊技盤2、および遊技機用枠3の発光(発光表示)と陰影表示を行う。
ステップS555の処理を実行した後、または、陰影表示演出実行期間でない場合(ステップS554;No)、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。ステップアップ予告演出実行期間は、例えば、図19の予告演出設定処理にてステップアップ予告演出を実行すると決定された場合における演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS556にてステップアップ予告演出実行期間であると判定されたときには(ステップS556;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、ステップアップ予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS557)。
ステップS557の処理を実行した後、または、ステップS556にてステップアップ予告演出実行期間でないと判定した場合(ステップS556;No)、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS558)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、保留変化図柄演出フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS562)。保留変化図柄演出フラグがオフ状態であれば(ステップS562;No)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS563)。一方、保留変化図柄演出フラグがオン状態であれば(ステップS562;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において、保留変化図柄を含む最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS564)。なお、ステップS564の処理では、保留変化図柄と飾り図柄とが導出表示されても、保留変化図柄のみ導出表示されてもよい。飾り図柄の上に保留変化図柄を上書きで重ねて表示してもよい。
ステップS564の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている予告対象の保留表示を通常表示態様(本例では、青色の丸形表示)から特殊表示態様(本例では、赤色の丸形表示)に変更し、保留予告演出を開始する(ステップS565)。予告対象の保留表示は、具体的には、保留予告演出記憶領域(ステップS6006参照)の記憶内容を確認することにより特定できる。次いで、演出制御用CPU120は、保留予告決定フラグおよび保留変化図柄演出フラグをリセットするとともに、保留予告実行フラグをセットする(ステップS566)。なお、ステップS565の処理が実行されて保留予告演出が開始されると、その後、可変表示を終了して次の可変表示を開始し保留シフトするごとに、保留表示が1つずつ消去され、予告対象の保留表示も1つずつシフトしていく。そして、予告対象の変動表示の1つ前の変動表示を終了し、予告対象の変動表示の開始時に予告対象の保留表示が消去されることによって、保留予告演出が終了する。そのため、ステップS566にてセットされた保留予告実行フラグは、予告対象の保留表示が消去されたタイミングでリセットされる。
ステップS563またはステップS566の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS567)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS568)、可変表示中演出処理を終了する。
この実施の形態では、ステップS565の処理が実行されることによって、保留変化図柄を導出表示させたときのタイミングで保留表示を変化させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、保留変化図柄を確定表示させた後、実際に保留表示を変化させるのは次の可変表示を開始するときであってもよい。また、例えば、可変表示中(例えば、保留変化図柄を導出表示させる直前)に保留表示を変化させるようなものであってもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
この実施の形態における陰影表示演出はでは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれの位置にエフェクト表示を行うのかということ、および始動入賞記憶表示エリア5Hのいずれの位置に陰影表示(特殊影表示も含む)を行うのかということが、演出制御パターンにより定められており(始動入賞記憶表示エリア5Hに陰影表示を行うため)、飾り図柄が遊技者に視認困難となることがない。したがって、陰影表示が識別情報の視認を妨げてしまうことを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。また、左打ち示唆表示、第4図柄の可変表示が遊技者に視認困難となることもなく、必要な情報の視認を妨げてしまうことを防止することができる。また、図24(B)に示すように、陰影表示が行われても、保留表示が視認困難となることのないよう(保留表示が行われ得る部分以外に)、陰影表示が行われる領域が演出制御パターンにより定められている。したがって、必要な情報の視認が困難となることによる遊技興趣の低下を防止することができる。
この実施の形態によれば、保留表示の表示態様を通常態様(本例では、通常表示態様(青色の丸形表示))とは異なる態様(本例では、特殊表示態様(赤色の丸形表示))に変化させる変化演出(本例では、保留変化図柄演出を実行して、保留表示を通常表示態様から特殊表示態様に変化させる演出)を実行可能であるとともに、特定演出(本例では、ステップアップ予告演出)を実行可能である。また、所定条件の成立(本例では、確変状態や時短状態であること、合算保留記憶数が3以上であること)にもとづいて可変表示期間を短縮した識別情報の可変表示を実行し、可変表示期間を短縮した識別情報の可変表示において変化演出を実行するときに、特定演出(その他陰影表示演出)の実行を制限する。そのため、特定演出(その他陰影表示演出)によって変化演出の視認を妨げてしまうことを防止することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1の画像表示装置5の周囲に、14個の多色発光体(多色発光ダイオード)707(なお、以下、わかりやすくするため、14個の多色発光ダイオード707について、画像表示装置5の左側から右側に亘って1〜14の番号が付されているものとして説明する)が設けられているようにしてもよい。多色発光ダイオード707は、例えば、赤色、緑色、青色の三原色で発光する3つの発光素子が一つにパッケージ化されたものである。遊技者は、赤色の発光素子、緑色の発光素子、青色の発光素子といったそれぞれの発光素子の点灯状況に応じて、これらが合成された色を認識する。なお、多色発光ダイオード707の代わりに、赤色、緑色、青色のそれぞれで発光する3つの発光ダイオードを互いに近傍に配置するようにしてもよい。これにより、多色発光ダイオード707と同様の機能を奏することが可能となる。また、それぞれの発光ダイオードを一定の距離離して配置するようにしてもよい。これによれば、パチンコ機1の近傍にいる遊技者に対し多色発光ダイオード707とは異なる演出を提供できるとともに、パチンコ機1から離れた位置にいる遊技者に対して多色発光ダイオード707と同様の演出を提供することができる。なお、多色発光ダイオード707は、それぞれ、基板ケースを有する発光体ユニット毎に遊技盤に設置されており、発光体ユニット内に配置されていればよい。なお、多色発光ダイオード707は、ドライブIC(Integrated Circuit)706を介してランプ制御基板14に接続されていればよい。ドライブIC706は、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、各多色発光ダイオード707の輝度を調節する機能を有している。
そして、飾り図柄の可変表示の開始時やリーチ演出の開始時に、それぞれの多色発光ダイオード707の発光色を次々に異なる色へ点灯させていく、レインボー演出が実行されてもよい。一般的に、レインボー演出では、各多色発光ダイオード707に含まれる赤色の発光素子、緑色の発光素子、青色の発光素子のうち、発光させる発光素子の組合せを変更しながら、多色発光ダイオード707の発光色を遷移させていく演出である。具体的には、赤色、緑色、青色それぞれの発光素子(それぞれを(r,g,b)で示し、1が発光、0が消灯とする)のうち、赤色の発光素子のみ発光させて((r,g,b)=(1,0,0))赤色とした後、赤色と緑色の発光素子を発光させて((r,g,b)=(1,1,0))黄色とし、続いて緑色の発光素子のみ発光させて((r,g,b)=(0,1,0))緑色とした後、緑色と青色の発光素子を発光させて((r,g,b)=(0,1,1))は水色とし、その後、青色の発光素子のみ発光させて((r,g,b)=(0,0,1))緑色とした後、赤色と青色の発光素子を発光させて((r,g,b)=(1,0,1))赤紫色とする演出である。すなわち、一般的なレインボー演出では、発光させる発光素子と消灯させる発光素子との組合せを変更することにより発光色を遷移させる。しかしながら、赤色は人間の目に強く印象を与える色であるため、単に発光させる発光素子と消灯させる発光素子との組合せを変更することで発光色を遷移させるだけでは、赤色が他の色より目立ってしまい、赤色発光の変化が唐突にみえてしまう。また、青色発光についての変化が暗くなってしまう。そのため、この実施の形態におけるレインボー演出では、発光色の変化をより滑らかに、かつ明確に遊技者に視認可能とするため、発光させる発光素子の輝度を調整し、各多色発光ダイオード707を、赤、橙、黄、緑、青、青紫、赤紫、の順に発光色を変化させる(遷移させる)。赤紫の後には、再び赤に戻って上記発光色の変化を繰り返す。具体的にこの実施の形態におけるレインボー演出では、0〜15までの16段階の輝度(16進数において0〜Fで示し、1〜Fが発光、0が消灯)を設け、赤色の発光素子のみ最大輝度で発光させて((r,g,b)=(F,0,0))赤色とした後、赤色の発光素子を最大輝度で、緑色の発光素子を中間輝度で発光させて((r,g,b)=(F,7,0))橙色としてから、赤色と緑色の発光素子を最大輝度で発光させて((r,g,b)=(F,F,0))黄色とする。その後、緑色の発光素子のみ最大輝度で発光させて((r,g,b)=(0,F,0))緑色とした後、緑色の発光素子と青色の発光素子とを最大輝度で発光させる((r,g,b)=(0,F,F))水色とせずに、青色の発光素子のみ最大輝度で発光させて((r,g,b)=(0,0,F))青色とし、続いて赤色の発光素子を中間輝度で、青色の発光素子を最大輝度で発光させて((r,g,b)=(7,0,F))青紫色とした後に、赤色の発光素子と青色の発光素子とを最大輝度で発光させて((r,g,b)=(F,0,F))赤紫色とする。これによれば、多色発光ダイオード707を赤色に発光させた後、多色発光ダイオード707に含まれる発光素子の輝度を調節して橙色に発光させてから黄色の発光色に変化させるため、赤色発光の変化が唐突に見えることを防止でき、多色発光ダイオード707の発光色の切り替えを滑らかにすることができる。さらに、多色発光ダイオード707を緑色に発光させた後、水色に発光させてから青色に変化させるのではなく、青色に変化させるため、青色発光についての変化が暗くなってしまうことを防止でき、多色発光ダイオード707の発光色の切り替えを滑らかにすることができる。また、この実施の形態におけるレインボー演出では、詳しくは後述するが、レインボー演出の開始時の発光色をそれぞれの多色発光ダイオード707で異ならせておき(例えば、1〜14の多色発光ダイオード707の発光色をそれぞれ、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙としておき)、順次それぞれの発光色を変化させる(例えば、1〜14の多色発光ダイオード707の発光色をそれぞれ、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄に変化させ、その後、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑に変化させる)。これによれば、隣合う位置に配置された多色発光ダイオード707それぞれが、同じ発光色に遷移するタイミングが異なるため、遊技者側から見ると、発光色が動いているように見せることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、詳しくは後述するが、可変表示結果が「大当り」となる場合に、当該レインボー演出が実行され得る。なお、多色発光ダイオード707の発光色の変化の順番は、上記の順番と逆(赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、の順)であってもよい。また、中間輝度が0〜15までの16段階のうち「7」である例を示したが、例えば、橙色の場合には、緑色の発光素子の輝度を「3」にするなど((r,g,b)=(F,3,0))、発光色によって変更してもよい。
図26は、レインボー演出が実行された場合の主な演出動作例を示している。図17(a)は、それぞれの多色発光ダイオード707(1〜14の多色発光ダイオード707)を、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙の発光色で点灯させた場合を示している。そして、図17(b)に示すように、画像表示装置5における演出内容が変更された後(画像表示装置5において表示画像が更新された後)、演出制御用CPU120からランプ制御基板14に対して信号が伝送され、ドライブIC706がそれぞれの多色発光ダイオード707の発光色を調整して、図17(b)に示すように、1〜14の多色発光ダイオード707を、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄の発光色に遷移させる。続いて、再度画像表示装置5における演出内容が変更された後(画像表示装置5において表示画像が更新された後)、同様にして、図17(c)に示すように、1〜14の多色発光ダイオード707を、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑、黄、橙、赤、赤紫、青紫、青、緑の発光色に遷移させる。このようにして、それぞれの多色発光ダイオード707の発光色が順次遷移する。そして、赤色の発光色で点灯させた後、黄色の発光色に遷移させるのではなく、一旦橙色の発光色に遷移させてから黄色の発光色に遷移させるため、赤色発光の変化が唐突にみえることを防止して発光色の切り替えを滑らかにでき、遊技興趣を向上させることができる。また、緑色の発光色で点灯させた後、水色の発光色で点灯させることなく、青色の発光色で点灯させるため、青色発光についての変化が暗くなってしまうことを防止して発光色の切り替えを滑らかにでき、遊技興趣を向上させることができる。また、複数配置されている多色発光ダイオード707のうち、隣り合って配置されている多色発光ダイオード707で同じ発光色に遷移するタイミングが異なっており、より具体的には、隣り合う多色発光ダイオード707の遷移順序が1段階ずつずれているため、遊技者からすると、遷移毎に発光色が動いていくように見え、遊技興趣を向上させることができる。また、遷移され得る全ての発光色が1〜14の多色発光ダイオード707のいずれかとなるように、それぞれの多色発光ダイオード707を点灯させながら遷移させるため、複数の発光色を遊技者が視認することができ、演出の幅が広がり遊技興趣を向上させることができる。さらに、一旦多色発光ダイオード707が点灯されると、画像表示装置5における画像更新周期よりも長い期間点灯してから他の発光色に遷移するため、発光色の切り替わりを明確にすることができる。なお、画像更新周期は、例えば、一つの画像が更新されるまでの期間(1コマ目が表示されてから2コマ目が表示されるまでの期間)であっても、表示されている画像に動きがある場合に、動きが表れるまでの期間、すなわち、異なる画像が表示されるまでの期間であってもよい。また、多色発光ダイオード707を青色に発光させた後、赤紫色に変化させるのではなく、青色発光素子を最大輝度で発光させ、赤色発光素子を中間輝度で発光させる青紫色に変化させるため、青色発光についての変化が暗くなってしまうことを防止して発光色の切り替えを滑らかにでき、遊技興趣を向上させることができる。なお、図示する例では、スーパーリーチのリーチ演出の実行時にレインボー演出が実行される例を示しているが、ノーマルリーチの場合にもレインボー演出は実行され得る。また、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合にのみレインボー演出が実行されるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施の形態では、保留変化図柄演出が実行されると、必ず保留表示が変化する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、保留変化図柄演出が実行されても保留表示が変化しないいわゆるガセの保留変化図柄演出が設けられていてもよい。また、変化演出として保留変化図柄を表示する保留変化図柄演出を実行する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留表示が変化することを示唆できるものであれば、キャラクタなどが保留表示に作用するような態様で作用演出を実行したりしてもよい。また、作用演出も実行可能に構成する場合であっても、保留変化図柄演出が実行される場合にのみ陰影表示演出および特定演出が制限されるように構成してもよいし、作用演出が実行される場合であっても陰影表示演出および特定演出が制限されるように構成してもよい。さらに、保留シフト時に保留表示が変化する場合であっても陰影表示演出および特定演出が制限されるように構成してもよい。
(変形例3)
また、この実施の形態では、特定演出の一例としてステップアップ予告演出を実行する場合を示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、特定演出の他の例として、遊技者の操作を伴うボタン予告演出(例えば、操作が行われたことにもとづいてキャラクタがカットイン表示される演出)や、キャラクタ同士で会話を行うような態様の会話予告演出を実行するように構成し、これらボタン予告演出や会話予告演出の実行を制限するように構成してもよい。また、さらに、可動物予告演出や、ミニキャラ予告演出、群予告演出など様々な予告演出を実行可能に構成し、短縮変動の変動表示において保留変化図柄演出が実行される場合に、ステップアップ予告演出やボタン予告演出、会話予告演出など一部の特定演出については実行を制限する一方で、他の特定演出については実行を制限しないものがあるように構成してもよい。この場合、例えば、可変表示や保留変化図柄に優先して実行され保留変化図柄の視認を妨げるおそれがある特定演出については実行を制限するようにし、保留変化図柄の視認を妨げるおそれがないような態様で実行される特定演出については実行を制限しないように構成してもよい。また、複数種類の予告演出を実行可能に構成する場合、一般に予告演出によって演出期間が異なることから、予告演出の演出期間に応じて特定演出を制限したり制限しなかったりしてもよい。例えば、演出期間が長い予告演出については、一般に保留変化図柄演出の視認や遊技者の注目を妨げるおそれが大きいと思われることから、特定演出の実行を制限するようにし、演出期間が短い予告演出については、一般に保留変化図柄演出の視認や遊技者の注目を妨げるおそれが小さいと思われることから、特定演出の実行を制限しないようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施の形態では、インターフェース領域に陰影表示が行われる例を示したが、これは一例である。陰影表示は、例えば、画像表示装置5におけるその他の領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなど)にも行われるようにしてもよい。例えば、ステップアップ予告演出が実行されている場合に、当該ステップアップ予告演出が表示されている領域内に、陰影表示を行ってもよい。なお、この場合には、飾り図柄の可変表示が縮小表示されるなどして、陰影表示が飾り図柄の可変表示の視認を妨げることがなければよい。また、大当り期待度の低いステップ3までは陰影表示を行い、ステップ4およびステップ5では陰影表示を行わないようにしてもよい。
(変形例5)
また、上記実施の形態では、可変表示中の演出として陰影表示演出を実行する例を示したが、例えば、大当り遊技中の演出として(または可変表示中の演出と大当り遊技中の演出の両方として、または、大当り中の昇格演出として)実行されてもよい。この場合、例えば、大当り遊技中に画像表示装置5に表示される右打ち示唆表示が視認困難となることのないよう、陰影表示を行えばよい。その他、陰影表示演出は、先読み予告やデモ表示中の演出として実行されてもよい。
(変形例6)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例7)
また、可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものが当該図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい。例えば表示機器が7セグメントの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはないようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、例えば、保留予告演出や陰影表示演出、ステップアップ予告演出などの演出において、それぞれの演出の実行割合について言及しているが、例えば、高い割合には、70%の割合といったように、30%の割合で実行されないものの他、100%の割合といったように、確実に実行されるものも含まれる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
また、上記実施の形態では、大当りとなる可変表示結果が導出表示された後所定時間経過(例えば大当り開始時待ち時間経過)後に自動的に大当り遊技が開始される(大当り遊技状態に制御される)パチンコ遊技機1を例として示したが、これは一例である。本願発明の特徴は、可変表示結果が導出表示された後、遊技盤2の所定領域に設けられたゲート(役連作動ゲート)を遊技球が通過したことにより、大当り遊技状態に制御されるパチンコ遊技機にも適用可能である。また、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する特別領域に遊技球が入賞した場合に確変状態に制御されるパチンコ遊技機にも適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。