JP4720344B2 - 鋼管、該鋼管を用いたパイプライン - Google Patents
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Description
このような新しいパイプラインでは、高強度鋼管を適用して大口径でも薄い管厚で高い内圧に耐えられることが要求されるようになってきている。管厚を薄くすることによって、現地における溶接費やパイプの輸送費が低減されパイプラインの建設および操業のトータルコストの低減が図られるからである。
すなわち、試験片長手方向を鋼管の軸方向に一致させて採取した引張試験片を用いて引張試験を行い、得られた公称応力−公称歪曲線において、降伏点からオンロード歪量が5%までのいずれの歪量においても、公称応力/公称歪の勾配が正となる鋼管は、勾配が0または負となる鋼管に比較して局部座屈を起こす限界の外径/管厚比が著しく大きく、座屈歪を起こしにくいとの知見から、軸方向の引張試験により得られる公称応力−公称歪曲線において、降伏点からオンロード歪が5%までのいずれの歪においても公称応力/公称歪の勾配が正となるような鋼管とする(特許文献1参照)。
近年においては、このような考え方がパイプライン業界では一般的であり、逆に連続硬化型でない降伏棚のあるものでは大きな局部座屈歪が得られないとして、そのような材料はパイプライン用の鋼管には不向きであると認識されていた。
また、降伏棚型応力歪曲線とは、材料の引っ張り試験によって得られる応力歪曲線において線形域の後に降伏棚を生ずるものをいう(図1参照)。なお、降伏棚型応力歪曲線における直線で示される弾性域を線形域、応力が増加することなく歪が増加する領域を降伏棚域、降伏棚終点後の滑らかな曲線領域を歪硬化域、歪硬化域が開始する歪を歪硬化開始歪という(図2参照)。
なお、図2から分かるように、歪硬化開始歪は降伏棚終点歪に一致する。したがって、本明細書において降伏棚に着目したときには降伏棚終点歪と言い、歪硬化域に着目したときには歪硬化開始歪と言うことがあるが、これらは同一の値である。
なお、連続硬化モデルの鋼管は、鋼管の化学成分や造管前の鋼板の圧延条件を制御し、あるいは造管中や造管後の鋼管に熱処理や加工処理を施すことによって得られる。
このような場合には、降伏棚モデルとなってしまい、従来の考えであれば、このような鋼管は局部座屈性能が低いとして例えばパイプライン用の鋼管としては不向きであるとされることになる。
しかしながら、このようなものを一律排除するのは現実的でない。かといって、従来では降伏棚モデルを一律に排除する考え方しかなかったために、降伏棚モデルのうちのどのようなものであればパイプライン用に使用できるかが不明であった。
また、上記鋼管を用いたパイプラインを得ることを目的としている。
パイプラインにおいて最も考慮すべき点は曲げ変形に対する変形性能である。しかし、曲げ変形に対する変形性能を示す曲げ座屈歪に関する理論式は存在しない。そこで、発明者は圧縮力を受ける鋼管の圧縮力に対する変形性能を示す圧縮局部座屈歪を表す基礎式である下記(1)式に着目した。
(1)式において、塑性変形する場合のポアソン比νとして0.5を代入して整理すると下記(2)式となる。
図4から分かるように、鋼管のD/tが小さい(厚肉鋼管)場合には圧縮局部座屈歪εcrは大きく、鋼管のD/tの増加、すなわち鋼管の薄肉化と共に圧縮局部座屈歪εcrが減少する。そして、圧縮局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪εHと一致したところで圧縮局部座屈歪εcrは急激に減少し、以降の圧縮局部座屈歪εcrは降伏歪εyとほぼ同じ歪となる。
これは、降伏棚領域では、応力が増加しない状態で変形が進行するため、降伏棚領域で座屈する鋼管は降伏歪の直後に座屈波形が成長し、圧縮局部座屈歪は近似的には降伏歪となってしまうからである。
この圧縮局部座屈歪εcrが歪硬化開始歪εHと一致したときのD/tを(D/t)crと表記すると、鋼管の管径管厚比D/tは(D/t)cr よりも大きくできない、すなわち薄肉にできないことになる。
このような事情から、パイプライン用鋼管のように高変形性能が期待される場合に降伏棚モデルの材料が敬遠されるのである。
そして、発明者は(2)式によれば、ETcr/Escrが大きくなることで圧縮局部座屈歪εcrが大きくなることに着目した。図3からわかるように、ETcrは応力歪曲線における傾きであることから、降伏棚終点近傍において応力歪曲線の傾きを大きくすることが圧縮局部座屈歪εcrを大きくすることになることの知見を得た。
以下、この点につき詳細に説明する。
また、(11)式に着目すると、mを大きくするとεcrが大きくなることが分かる。このことは、応力歪曲線の歪硬化開始歪近傍における応力歪曲線の傾きを大きくすれば鋼管の変形性能が向上することを意味しており、この点でも前述の結論と一致している。
以上のように、応力歪曲線の形状を制御すること、すなわち降伏棚を短くすることと、歪硬化域の初期接線勾配を大きくすることによって鋼管の変形性能が向上することが数式においても裏付けられている。
さらに、これら圧縮力に関する理論が鋼管に曲げ力が作用する場合にも成立するのではないかとの推定のもと、前記実鋼管サンプルについてコンピュータによるFEM解析を行った。これによって、降伏棚モデルの鋼管が曲げ力を受ける場合において優れた変形性能を発揮するための条件を見出し、本発明を完成したものであり、具体的には以下のような構成を備えたものである。
σ2.0/σ1.0が1.04以上となるようにするとは、概念的には応力歪曲線の傾きを所定値よりも大きくすることと同じ意味である。そして、応力歪曲線の傾きを大きくすることが鋼管の変形性能を向上させることについては、前述の圧縮力が作用する場合の基礎式を用いた理論に裏付けられている。もっとも、この請求項は曲げ変形についてのものであるが、圧縮の理論が曲げ変形についても同じ傾向にあるのではないかとの着想から、実管に基づく実験に基づいて得られたものでありその詳細は実施の形態1において説明する。
つまり、本発明の鋼管は、降伏棚型の応力歪曲線を有する鋼管であって、管径・管厚比がD/t=45〜75であり、降伏棚の終点歪が1%未満であると共に歪が1.0%、2.0%のときの応力をそれぞれσ1.0、σ2.0としたときにσ2.0/σ1.0が1.04以上となることを特徴とするものを含む。
コーティング処理とは、鋼管が腐食しないように管の外表面にエポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等からなる防食保護層を施すことである。防食保護層で鋼管を被覆するため、あらかじめ誘導加熱装置等で鋼管を所定の温度に加熱したのち、樹脂を吹きつけ、焼き付け塗装が行われる。
コーティング温度に関し、一般的に高温コーティングと言われる230℃以上の加熱を伴うコーティングを行うことによって連続硬化モデルが降伏棚モデルに変化する場合があるが、本発明はこのような場合であっても連続硬化モデルと同等の変形性能を発揮するものであり、本発明はこのような230℃以上の加熱を伴うコーティングを行ったものを含む。つまり、連続硬化モデルの鋼管に対して230℃以上の加熱を伴う高温コーティングを行うことによって降伏棚モデルに変化したものであって、降伏棚の終点歪が1%未満であり、かつ歪が1.0%、2.0%のときの応力をそれぞれσ1.0、σ2.0としたときにσ2.0/σ1.0が1.04以上となる鋼管を含む。
すなわち本発明は、解析的検討から得られたものであり、どのような製造方法で製造したものであっても同様に高変形性能を発揮し、本質的に製造方法や鋼の組織・化学成分などには限定されない。
本実施形態においては、発明者等が収集した未公開の実鋼管サンプルを解析し、検討した結果を説明する。なお、サンプルには、製造条件等が把握しきれていないものも含まれるが、本発明を十分に説明するためあえて本実施形態を設けた。したがって、本実施形態では鋼の化学成分や製造方法の記載は省略し、実際に本発明を製造できる条件例(組成、製造)については、実施の形態2で説明する。
以下、詳細に説明する。
表1には各パイプについて、表の最上欄に示すように「パイプの分類」、「SSカーブ(応力歪線図)の形状」、「降伏棚の終点歪(%)」、「σ0.5(MPa)」、「σ1.0(MPa)」、「σ1.5(MPa)」、「σ2.0(MPa)」、「σ2.0/σ0.5」、「σ2.0/σ1.0」、「σ0.5/σ2.0」、「σ1.0/σ2.0」の項目が記載されている。
なお、「パイプの分類」における「製造まま」(NO.1)とは、鋼管を製造したままでコーティングや溶接入熱を加えていないものである。
また、「232℃加熱」(NO.2、NO.3)とは、コーティング処理を行ったパイプであってその処理温度が232℃であることを意味する。
また、「240℃加熱」(NO.4、NO.5、NO.9、NO.10、NO.11、NO.12)、「250℃加熱」(NO.13)
も同様にコーティング処理を行ったパイプであるが、その処理温度がそれぞれ240℃、250℃であることを意味する。
また、「溶接入熱」(NO.6、NO.7、NO.8)とは、製造ままでコーティング処理を行っていないが、溶接による熱影響によって230℃〜240℃に温度上昇したことを意味し、このような熱影響を受けた部分をサンプルとしている。
また、「降伏歪」とは降伏棚の終点歪が降伏歪に等しいことを意味しており、「SSカーブの形状」としては図7に示すように降伏点のあとすぐに歪硬化域となるものであり、降伏棚の長さが0であると観念できることから「LE」(降伏棚型)に属する。もっとも、通常の降伏棚型とは異なり降伏棚の長さが0の場合である。
また、「0.7」等の具体的な数字が記載されているものはその数字の値が降伏棚の終点歪であることを意味している。
なお、表2、表3には各パイプの圧縮座屈歪または曲げ座屈歪をNO.1の「製造まま」の計算値で除算することで無次元化した圧縮座屈歪比または曲げ座屈歪比を示している。つまり、圧縮座屈歪比=(各パイプの圧縮座屈歪)/(No.1パイプの圧縮座屈歪)または曲げ座屈歪比=(各パイプの曲げ座屈歪)/(No.1パイプの曲げ座屈歪)であり、連続硬化型であるNo.1パイプ(「製造まま」)を他のパイプの座屈性能の評価の基準にしている。
これは、降伏棚モデルの鋼管が連続硬化モデルの鋼管に対してどの程度の変形性能を有しているかを明らかにするためである。
なお、表3における曲げ座屈歪の計算値は、管軸方向にL=2D(L:ゲージ長さ、D:パイプ外径)の平均値である。
また、内圧をかけた場合を示したのは、パイプラインの操業時、パイプには内圧が負荷されているため、パイプの変形特性を実際の使用条件下で評価することは合理的な方法であり、パイプの変形特性を、内圧を考慮して評価する必要があるからである。
また、表3に示したデータについて、縦軸を曲げ座屈歪比、横軸をσ2.0/σ1.0としてグラフ表示したものを図10、図11に示す。図10が内圧が作用していない場合であり、図11が内圧作用時(12Mpa)である。
まず、表2及び表2における圧縮座屈歪比をグラフ化した図8、図9について見る。内圧P=0の場合のグラフである図8をみると、圧縮座屈歪比とσ2.0/σ1.0との関係において特徴点は特に見当たらない。しかしながら、内圧P=12MPaの場合のグラフである図9を見るとσ2.0/σ1.0の値が1.04近傍を境界として圧縮座屈歪比の値が大きく変化している。すなわち、σ2.0/σ1.0の値が1.04近傍よりも大きい場合には圧縮座屈歪比が1.0近傍にあるのに対してσ2.0/σ1.0の値が1.04近傍よりも小さい場合には0.5よりも小さくなっており、σ2.0/σ1.0=1.04近傍で連続硬化モデルど同様の変形性能を有するかどうかの境界があると思われる。
他方、NO.9以下のものでは曲げ座屈歪比が急激に減少しており、最大はNO.9,NO.10の0.71であり、最小はNO.13の0.37である。
このように、パイプの変形性能について降伏棚モデルのものを連続硬化モデル相当の変形性能を有するNO.4〜NO.8のグループと変形性能の劣るNO.9〜NO.13のグループに大きく分けることができることがわかる。
このことから、降伏棚終点歪値が大きくなると変形性能が劣ることが分かり、その境界点としては、NO.8の降伏棚終点歪値の1.0%以下が望ましいことがわかる。しかしながら、変形性能の劣るNO.9、NO.10の降伏棚終点歪値が1.0%であることから降伏棚終点歪値が1.0%以下であることのみをもって変形性能に優れる応力歪曲線の特徴とすることはできない。
パイプの外径を914.4mm、管厚を15.2mmに設定したときの圧縮座屈歪をFEMによって計算した結果を表4に、同じパイプについての曲げ座屈歪のFEMによる計算結果を表5に、それぞれ示す。
また、表5に示したデータについて、縦軸を曲げ座屈歪比、横軸をσ2.0/σ1.0としてグラフ表示したものを図14、図15に示す。図14が内圧が作用していない場合であり、図15が内圧作用時(12Mpa)である。
換言すれば、降伏棚型の応力歪曲線を有する鋼管であっても、降伏棚の終点歪が1.0%以下でかつσ2.0/σ1.0の値が1.04以上であれば、連続硬化型の応力歪曲線を有する鋼管と同等あるいはそれ以上の変形性能を有することがわかる。
地震地帯に敷設されるパイプラインには、地震動によって発生する圧縮と引張の繰り返し変形である地盤の動的変位、液状化側方流動、断層変位、地盤が液状化することによって発生する側方流動や断層によって発生する地盤の変位である地盤の永久変位などによって様々な変形が発生する。
これらのうち、動的変位によってパイプラインに発生する繰り返し軸変形は比較的小さく、軸変形に対する鋼管の座屈性能はこれを検討する必要がない範囲である。
他方、液状化側方流動がパイプラインの軸と直角方向に発生する場合、パイプラインには曲げ変形が発生する。この場合、曲げ座屈性能に優れている本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
また、断層は様々な地盤変位モードを呈するが、パイプラインには曲げ変形が卓越して発生する。このような場合、曲げ座屈性能に優れた本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
地盤が不等沈下した場合、パイプラインには曲げ変形が発生する。この曲げ変形は、速報流動によって発生する曲げ変形の場合もあり、断層変位によって発生する曲げ変形の場合もある。このような曲げ変形が発生する場合についても、曲げ座屈性能に優れた本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
寒冷地においては、地盤が凍結と融解を繰り返すことがあるため、パイプラインには曲げ変形が発生する。この曲げ変形によって、パイプは鉛直上向きおよび下向きに曲げられる。パイプラインに発生する下向きの曲げ変形は、不等沈下による曲げ変形と同様であるが、上向きの曲げ変形は地盤の凍結によって発生する変形の特徴である。このような曲げ変形が発生する場合についても、曲げ座屈性能に優れた本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
また、氷海域に敷設されるパイプラインは、流氷によって変形が発生する。この変形は曲げ変形であり、側方流動によって発生する曲げ変形と同様である。このような曲げ変形が発生する場合についても、曲げ座屈性能に優れた本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
パイプレイバージ(敷設船)で敷設されるパイプには、敷設船近傍と着底部よりも少し上で大きな曲げ変形が発生する。このような曲げ変形が発生する場合についても、曲げ座屈性能に優れた本発明の鋼管であれば、より高い安全性を確保することができる。
上記の実施の形態1においては解析結果を実管サンプルについて具体的な数値として具体化した。
この実施の形態2は本発明の鋼管が実際に製造できる実現可能なものであることを示すために製造方法の一例を示すものである。
鋼管の製造設備は、上流側から加熱炉1、熱間圧延機2、加速冷却装置3、再加熱装
置4、ホットレベラー5、造管装置7、コーティング処理装置9が配置されている。
加熱炉1では所定の寸法に鋳造された鋼片に熱間圧延を施すのに適切な温度に加熱する。
熱間圧延機2では、鋼片を鋼板形状に熱間圧延し、所定の板厚、板幅とする。
加速冷却装置3と再加熱装置4では、熱間圧延した鋼板を所定の材質に仕上げることを目的とした熱処理が施される。加速冷却装置3は例えばシャワー水冷等の方法が利用される。一方、再加熱装置4は加速冷却後、迅速に処理を行うという観点から加速冷却装置3と同一ライン上に設置し、かつ加熱時間の短縮のために誘導加熱装置を利用するのが好ましい。
造管装置7では、鋼板6を鋼管形状に冷間加工することが行われ、鋼管8が製造される。造管方法は、UOE方法、ロールベンディング方法等いくつかの種類があるが、特に限定はしない。そして、いずれの方法においても、最終的に板端部が突き合う部分を溶接するが、溶接方法についても特に限定はしない。
コーティング装置9では、鋼管が腐食しないように管の外表面にエポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等からなる防食保護層を施すことが行われる。防食保護層で鋼管を被覆するため、あらかじめ誘導加熱装置等で鋼管を所定の温度に加熱したのち、樹脂を吹きつけ、焼き付け塗装が行われる。コーティングする際の加熱温度はコーティング方法によって異なり、低温コーティングと高温コーティングに分類される。
パイプの材質変化に影響を及ぼすには高温コーティングであり、一般的には230℃以上の温度がパイプの材質変化に影響を及ぼすものである。また、200℃以下の低温コーティングによる材質変化への影響は小さい。
上記のように形成した鋼管について、コーティング処理をする前の素材鋼管の特性を表8に示し、コーティング処理した後の鋼管の特性を表9に示す。
また、表9から分かるように240℃のコーティング処理後においては実施例1、2のものの降伏棚終点歪がそれぞれ0.6、0.5であることから本発明で規定した1.0の範囲内にある。他方、比較例1については降伏棚終点歪が1.1となっており、本発明の範囲外になっている。
表8
実施例1:σ2.0/σ1.0=1.08
実施例2:σ2.0/σ1.0=1.04
比較例1:σ2.0/σ1.0=1.02
表9
実施例1:σ2.0/σ1.0=1.05
実施例2:σ2.0/σ1.0=1.05
比較例1:σ2.0/σ1.0=1.01
以上から、降伏棚終点歪を1.0%以下とし、かつσ2.0/σ1.0が1.04以上となる鋼管を実際に製造できることが実証された。
また、表11には各パイプの素材鋼管および加熱処理後の曲げ座屈歪(表中上側3段)と、各パイプの曲げ座屈歪を素材鋼管の曲げ座屈歪で除算することで無次元化した曲げ座屈歪比(表中下側3段)を記載している。
各表の見方は実施の形態1と同様である。
表8、表9に示した実施例1、2の材料を用いて実施形態1と同様の外形(762.0mm)、管厚(15.6mm)のパイプを製造した場合のパイプの圧縮座屈歪、圧縮座屈歪比を表12に示し、曲げ座屈歪と曲げ座屈歪比を表13に示す。
このように、本実施例の材質の材料を用いれば、管径、管厚にかかわらず、同じ管径、管厚の連続硬化モデル相当の変形性能を有することが実証された。
Claims (3)
- 材料の引っ張り試験によって得られる応力歪曲線が、線形域を表す直線と降伏棚を表す直線と歪硬化域を表す曲線で表される、または線形域を表す直線と歪硬化域を表す曲線で表される(降伏棚の長さが0の場合)鋼管であって、降伏棚の終点歪が降伏歪以上1%未満であり、かつ歪が1.0%、2.0%のときの応力をそれぞれσ1.0、σ2.0としたときにσ2.0/σ1.0が1.04以上となることを特徴とする鋼管。
- 鋼管表面の防食保護層を形成するためのコーティング処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管。
- 請求項1又は2に記載の鋼管を接続して形成されたことを特徴とするパイプライン。
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