JP4720228B2 - 情報処理システムおよび情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ペーパー等の表示媒体とその表示媒体に関わる処理を連携させる技術に関する。
近年、紙の扱いやすさと電子表示の便利さを併せ持った表示媒体として、電子ペーパーと呼ばれる画像表示機能を持った表示媒体が注目されている。この電子ペーパーは、バッテリを内蔵していない表示媒体であって、表示内容を消去して何回でも書き換えることができ、表示された内容を長時間にわたり維持できるという特徴を有する。例えば特許文献1に記載されている光書き込み型の電子ペーパーでは、例えば表示装置などで画像等を表示する際の表示光を用いて情報を繰り返し書き込むことができ、一旦書き込んだ情報は消去または新たな情報が書き込まれない限り半永久的に維持される。
特開2002−90716号公報
一方で、バッテリなどを保持せずに非接触で周囲の環境状態(例えば温度や湿度等)や外部からの応力等を検出することによって、人体の接触等を検出できるワイヤレスセンサに関する技術がある。
ところで、電子ペーパー等の表示媒体に表示されている内容を印刷出力したり、その内容をFAX送信したりしたい場合がある。このような場合、ユーザは、所望する処理を装置に実行させるために、様々な情報を入力する必要があり、ユーザにとって手間がかかる処理を行わなければならない。具体的には、まず、ユーザは、その表示媒体の表示内容を特定するための所定の情報(例えばファイル名やパス名、またはデータそのもの)をその装置に入力(または送信)する。装置は、入力された情報に基づいてその表示内容を特定し、所定のデータベースから読み出す。次に、ユーザは、その表示内容に対して行いたい処理を示す処理指示(例えば、印刷出力、FAX送信等)を入力する。装置は、入力された処理指示に基づいて、その表示内容に対して各種の処理を行う。このように、表示内容を特定するための情報や処理指示等の各種の情報をユーザが入力する必要があり、ユーザにとって手間のかかる作業となる。また、ユーザは、表示内容を特定するための情報を把握しておく必要があるが、表示内容を特定するための情報をいちいち把握しておくことは、ユーザにとっては煩わしい作業となる。
また、複写機やプリンタ、スキャナおよびこれらの機能を兼ね備えた複合機等の画像形成装置や、パーソナルコンピュータ等の装置は、複数人数で共用して用いられることが多い。このように複数のユーザによって共用される装置を用いる場合は、他のユーザの操作が終了するのを待たなければ自身の作業を行うことができない状況が多く発生し、ユーザの作業効率が悪いという問題がある。例えば複数のユーザが1台の画像形成装置を用いて複写を行うような場合には、それぞれのユーザがその画像形成装置の操作部を用いて個別に操作を行う必要があり、他のユーザの操作が終了するのを待たなければ自身の作業を行うことができない。
上述したような、電子ペーパー等の表示媒体に表示されている内容を用いて処理を行いたい場合であっても、複数のユーザによって共用されている装置を用いて行う場合は、それぞれのユーザがその画像形成装置の操作部を用いて個別に操作を行う必要があり、他のユーザの操作が終了するのを待たなければ自身の作業を行うことができず、ユーザの作業効率が悪くなるという問題が発生する。
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子ペーパー等の表示媒体と、例えば印刷出力処理やFAX送信処理等のその表示媒体に関わる処理を連携させることによって、ユーザの作業効率を向上させることのできる技術を提供することである。
請求項1に係る発明は、表示情報を目視可能な状態にして表示する媒体を有する表示媒体と情報処理装置を備える情報処理システムであって、前記表示媒体は、所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として周囲の圧力を検出し、検出した圧力を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を備え、前記情報処理装置は、前記表示媒体を識別する表示媒体識別情報および前記表示媒体識別情報に対応した情報を記憶する記憶手段と、前記表示媒体に備えられたワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された電波信号に基づいて、前記表示媒体識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された表示媒体識別情報と対応する情報を、前記記憶手段から読み出す読出手段と、前記受信手段によって受信された電波信号が有する属性に基づいて、前記情報に対して実行する処理を認識する認識手段と、前記読出手段によって読み出された情報に対して、前記認識手段によって認識された処理を行う処理実行手段とを備えることを特徴とする情報処理システムである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置は、前記処理実行手段に代えて、前記読出手段によって読み出された情報と前記認識手段によって認識された処理を示す処理情報とを、所定の装置に送信する処理情報送信手段を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記処理は、前記表示情報に対する印刷出力処理、画面表示出力処理、FAX処理、メール処理、移動処理の少なくともいずれか一つの処理であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記表示媒体は、互いに異なる属性を有した電波信号を生成する複数の前記ワイヤレス測定手段を備え、各ワイヤレス測定手段が、前記処理のいずれかと対応付けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、前記表示媒体は、電子ペーパーであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として周囲の圧力を検出し、検出した圧力を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を備えた表示媒体を識別する表示媒体識別情報および前記表示媒体識別情報に対応した情報を記憶する記憶手段と、前記表示媒体に備えられたワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された電波信号に基づいて、前記表示媒体識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された表示媒体識別情報と対応する情報を、前記記憶手段から読み出す読出手段と、前記受信手段によって受信された電波信号が有する属性に基づいて、前記情報に対して実行する処理を認識する認識手段と、前記読出手段によって読み出された情報に対して、前記認識手段によって認識された処理を行う処理実行手段とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の情報処理装置において、前記処理実行手段に代えて、前記読出手段によって読み出された情報と前記認識手段によって認識された処理を示す処理情報とを、所定の装置に送信する処理情報送信手段を備えることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載の情報処理装置において、前記処理は、前記表示情報に対する印刷出力処理、画面表示出力処理、FAX処理、メール処理、移動処理の少なくともいずれか一つの処理であることを特徴とする。
(1)構成
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(1−1)電子ペーパーの構成
まず、本発明の実施形態に係る電子ペーパーの構成について、図1を参照しながら説明する。図1において、100は、画像等を無電源(バッテリレス)で保持することができる電子ペーパーである。110は、表示部であり、この表示部110に画像等が表示される。この表示部110は、複写機に使用されている有機光導電材料からなる図示せぬ光導電層と、液晶表示材料からなる図示せぬ液晶層とが積層されて構成されており、表裏一対の透明電極に電圧を印加しながら光を照射すると、光の強弱が瞬間的に反射濃度に変換されて画像が記録され表示される。
120a,120b,120cは、圧力を検知するためのワイヤレスセンサである。ワイヤレスセンサ120a,120b,120cは、所定の電波信号を受信すると、受信した電波信号の応答信号として検知した圧力を示す電波信号を送信する。電子ペーパー100に設けられたワイヤレスセンサ120a,120b,120cは、それぞれでその周波数が異なっており、周波数を識別することによってそれぞれのワイヤレスセンサ120a,120b,120cを一意に識別できるようになっている。
なお、以下の説明では、ワイヤレスセンサ102a,120b,120cを各々区別する必要がない場合には、説明の便宜上、ワイヤレスセンサ120a,120b,120cをまとめて「ワイヤレスセンサ120」と総称することとする。
(1−2)ワイヤレスセンサ120の構成と基本動作
次に、本実施形態で用いるワイヤレスセンサ120について、その構成と基本動作を以下に説明する。
(1−2−1)ワイヤレスセンサ120の構成
まず、本実施形態で用いるワイヤレスセンサ120の構成について、図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るワイヤレスセンサ120の構成を示す図である。このワイヤレスセンサ120は、基台となるSiを材料とする基板1と、該基板1上に酸化膜1Aを介して形成され、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)が伝播する誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する変換部としての一対の櫛型電極(IDT:Inter-digital Transducer)3A,3Bと、この一対の櫛型電極3A,3Bの一方にインピーダンスマッチング部5A,5Bを介して接続され、外部の送・受信機との間で電波信号の授受を行う送受信部としてのアンテナ4A,4Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの他方に接続されたグランド6A,6Bと、基板1の裏面に形成され、グランド6A,6Bにスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極7と、受圧部8とを具備している。この受圧部8は、起端が前記誘電体薄膜2に当接し先端がワイヤレスセンサ120から若干突出するように設けられる。この受圧部8の先端に外部から圧力が加わることによって誘電体薄膜2が歪んで弾性表面波の周波数が変化する。
また、基板1の裏面側には異方性エッチングにより54.75度のテーパ面をなして凹部が形成されており、この底の部分が脆弱部となって外部からの圧力に反応するダイヤフラム1Bとなる。図面では、酸化膜1Aは便宜上厚く描写しているが、実際には基板1と誘電体薄膜2との間での絶縁を確保できる厚さであればよい。
このワイヤレスセンサ120における弾性表面波の周波数は、櫛型電極3A,3Bおよびインピーダンスマッチング部5A,5Bの形状で設定される。
なお、櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bは、導電パターンにより一体的に形成される。この導電パターンの材料としては、Ti,Cr,Cu,W,Ni,Ta,Ga,In,Al,Pb,Pt,Au,Ag等の金属、またはTi−Al,Al−Cu,Ti−N,Ni−Cr等の合金を、単層もしくは2層以上の多層構造に積層することが好ましく、特に金属としてはAu,Ti,W,Al,Cuが好ましい。また、この金属層の膜厚は、1nm以上10μm未満とすることが好ましい。
このワイヤレスセンサ120の場合は、図2に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaO3を使用する。このLiTaO3の結晶は、弾性表面波の伝搬速度が圧力変化に対して敏感に変化する材質である。また、その温度係数は約18.0×10-6/℃であり、LiNbO3の結晶に対して温度係数は約1/4と小さく10℃の温度変化に対して弾性表面波の変化率は0.005%程度にしかならないため、周囲の温度変化にはあまり影響されずに、圧力変化をセンシングすることができる。
ダイヤフラム1B上には酸化膜1Aを介して誘電体薄膜2が配置されるため、このダイヤフラム1Bに外部から例えば2barの圧力が加わると、ダイヤフラム1Bが変形し、櫛型電極3A,3Bの電極間の幅を変えると共に、弾性表面波の速度が変化して中心周波数f0に対して周波数を0.2%程度変化させる。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、このワイヤレスセンサ120は、中心周波数f0に対して約0.2%程度周波数が変化することが検知されている。
また、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさは、外部の発信機から送信される電波の中心周波数f0の機械振動を発生させるため、受信機により受信した電波の強度は、周波数の変化によりシフトされることになる。このワイヤレスセンサでは、圧力変化に応じて受信機における受信信号の強度が線形的に変化するワイヤレスセンサを実現する。
なお、このワイヤレスセンサ120では、基板1に凹部を形成して底部をダイヤフラム1Bとしているが、酸化膜1Aのみでダイヤフラムとしてもよく、外部から加わる圧力が誘電体薄膜2に直接的或いは間接的に作用する形状であればよい。
また、この誘電体薄膜2は、櫛型電極3における電気機械結合係数/圧電係数、或いはアンテナ4の誘電損失等の観点から、エピタキシャルまたは単一配向性を有することが好ましい。また、誘電体薄膜2上にGaAS等のIII−V族半導体或いはダイヤモンド等の炭素を含有する薄膜を形成してもよい。これにより、弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等が向上できる。
(1−2−2)ワイヤレスセンサ120の基本動作
次に、ワイヤレスセンサ120の基本的な動作について、図2を参照しながら説明する。なお、図2(a)に示すワイヤレスセンサ120の平面図において、便宜上、信号が図面向かって左側から右側に移動するものとするが、実際には信号の流れには方向性がある訳ではない。
このワイヤレスセンサ120は、外部の発信機との間、受信機との間で電波信号の授受を行う。発信機から送信される電波信号はアンテナ4Aで受信され、この信号により櫛型電極3Aが誘電体薄膜2を励振して機械振動を発生させる。この機械振動は、誘電体薄膜2表面に弾性表面波を発生させる。この弾性表面波は、櫛型電極3Aから櫛型電極3Bに向けて移動し、櫛型電極3Bに到達した弾性表面波は、櫛型電極3Bで電気信号に変換されてアンテナ4Bを経由して送信される。受信機は、ワイヤレスセンサ120からの電波信号を受信する。
誘電体薄膜2の表面に発生する弾性表面波は、この誘電体薄膜2に加わった圧力の変化によって、振幅、位相差、周波数等の属性が変化する。この弾性表面波の変化を電気信号として受信機で受信し、この受信機において、電気信号における属性の変化を解析する。これにより、受信機側では、ワイヤレスセンサ120に加わる圧力を計測することが可能となる。
(1−2−3)複数のワイヤレスセンサ120への対応
以上が、1つの周波数に対応したワイヤレスセンサの説明であったが、次に複数の周波数に対応できるワイヤレスセンサについて説明する。
図3に示すように、形状の異なる櫛型電極3A−1,3B−1…3A−4,3B−4が形成されたワイヤレスセンサ120´においては、外部から送信される電波の周波数により複数の周波数に対応した弾性表面波が誘電体薄膜2上に発生する。
例えば、櫛型電極3A−1,3B−1およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf1、櫛型電極3A−2,3B−2およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf2、櫛型電極3A−3,3B−3およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf3、櫛型電極3A−4,3B−4およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf4とする。
なお、図3では、グランドおよびグランド電極の図示は省略して描いている。
ここで、外部の発信機から周波数f1の電波信号が送信されると、櫛型電極3Aでは、この周波数f1に対応した電極3A−1が機械振動を発生し、この機械振動によって誘電体薄膜2上に弾性表面波が発生する。この弾性表面波が電極3B−1に伝達される。電極3B−1に伝達される弾性表面波は、圧力の影響を受けてその属性が変化する。一方、他の櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4においては、周波数f1に同調していないので、弾性表面波の発生やこれに基づく電波信号の送信は行われない。即ち、これらの櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4は、各々周波数f2,f3,f4に同調するように設定されており、このため、周波数f2の電波をワイヤレスセンサ120´に送信した場合には、櫛型電極3A−2→3B−2という経路で弾性表面波が伝達され、この弾性表面波に対応した電波信号がアンテナ4Bを経由して出力される。
同様に、周波数f3の電波信号をワイヤレスセンサ120´に送信した場合には、櫛型電極3A−3→3B−3という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力され、周波数f4の電波信号をワイヤレスセンサ120´に送信した場合には、櫛型電極3A−4→3B−4という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力される。
従って、周波数f1,f2,f3,f4の順でワイヤレスセンサ120´に電波を送信すれば、これらに対応する応答信号を得ることができる。またこの場合、櫛型電極3B−1,3B−2,3B−3,3B−4(出力側)から出力される信号の変化帯域(圧力による変化の幅)を重複しないように設定しておけば、周波数f1〜f4を同時にワイヤレスセンサ120´に出力しても、その応答信号として出力される4つの信号を分離して解析することができる。
ここで、4枚の電子ペーパー100の個々に設けられたワイヤレスセンサ120を、ワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3,120−4とする。具体的には、ワイヤレスセンサ120は、弾性表面波の周波数が、櫛型電極3A,3Bの形状で設定されるため、ワイヤレスセンサ120−1には、図3に示したワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−1,3B−1が形成され、ワイヤレスセンサ120−2にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−2,3B−2が形成され、ワイヤレスセンサ120−3にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−3,3B−3が形成され、ワイヤレスセンサ120−4にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−4,3B−4が形成されるものとする。これにより、ワイヤレスセンサ120−1〜120−4の誘電体薄膜に発生する弾性表面波の周波数が、ワイヤレスセンサ120−1がf1、ワイヤレスセンサ120−2がf2、ワイヤレスセンサ120−3がf3、ワイヤレスセンサ120−4がf4となる。即ち、受信する電波信号の周波数f1〜f4によってワイヤレスセンサ120−1〜120−4が特定されることになる。
そして、周波数f1の電波信号ではワイヤレスセンサ120−1による測定が、周波数f2の電波信号ではワイヤレスセンサ120−2による測定が、周波数f3の電波信号ではワイヤレスセンサ120−3による測定が、周波数f4の電波信号ではワイヤレスセンサ120−4による測定が可能となる。
(1−3)画像形成装置200の構成
次に、本実施形態に係る画像形成装置200の構成について、図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置200の全体構成の一例を示した図である。この画像形成装置200は、例えばプリンタや複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複合機等である。図において、210は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの各種メモリを備えた制御部である。220は、例えばハードディスクなどの大容量記憶装置で構成された不揮発性の記憶部であり、画像形成装置200の各部を動作させるためのプログラムを記憶している。制御部210の演算装置は、記憶部220に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置200の各部を制御する。また、記憶部220には、ワイヤレスセンサ120が検出した結果に基づいて圧力を示す値を算出するためのテーブル(または算出式)等が記憶されている。制御部210は、このテーブルに基づいて、ワイヤレスセンサ120から受信する電波信号の周波数の変化分から圧力を示す値を算出する。
また、記憶部220には、多数の文書ファイルで構成された文書ファイル群DBが記憶されている。この文書ファイル群DBは、電子ペーパー100に書き込まれた文書データとファイル名とがファイル単位で記憶されている。以下の説明では、この文書データとファイル名とをあわせて「文書ファイル」と称することとする。それぞれの文書ファイルには、各々を識別するための「文書ID」が割り当てられている。制御部210は、文書IDをキーとしてこの文書ファイル群DBを検索することによって、その文書IDと対応する文書ファイルを特定することができるようになっている。
230は、ユーザが各種の操作を行うためのユーザインタフェース部である。このユーザインタフェース部230は、タッチパネルとして機能する液晶ディスプレイやテンキーを備えており、ユーザは液晶ディスプレイに触れたりテンキーを押下したりすることで各種操作を行うことができる。280は、FAX送信やメール送信を行うための通信部である。この通信部は、例えばインターネットや公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)等のネットワークと接続されており、画像形成装置200は、この通信部280を介してデータのFAX送信やメール送信を行うことができるようになっている。
次に、240は、CCD(Charge Coupled Device)等により構成される光学系部材(図示略)を備えた画像読取部である。画像読取部240は、載置された原稿の画像を光学系部材によって読み取り、読み取った画像を表す画像データを生成する。250は、画像読取部240で生成された画像データまたは記憶部220に記憶された文書データに基づいて画像を形成することによって印刷出力を行う画像形成部である。画像形成部250は、図示せぬ感光体ドラム上に像光を照射して表面に静電電位の差による潜像を形成し、この潜像をトナーの選択的な付着によって可視化してトナー像とし、このトナー像を図示せぬ中間転写ベルトに転写する。そして、中間転写ベルト上のトナー像を用紙へと転写(二次転写)させ、用紙に定着させることによって用紙に画像を形成する。260は、画像形成用の用紙を積み重ねて収容する用紙収容部である。用紙収容部260に収容された用紙は、1枚ずつ画像形成部250に搬送され、画像形成部250は、搬送された用紙に画像を形成する。
次に、270は、ワイヤレスセンサ120に電波信号を発信するとともに、ワイヤレスセンサ120(図4ではワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3,120−4)から発信される電波信号を受信するアンテナ等を備えた無線通信部である。電子ペーパー100のそれぞれに設けられたワイヤレスセンサ120は、ワイヤレスセンサ毎にその周波数が異なっているため、画像形成装置200の制御部210は、無線通信部270を介して受信した電波信号の周波数を識別することによって、ワイヤレスセンサ120を一意に識別できるようになっている。
また、画像形成装置200の制御部210は、ワイヤレスセンサ120からの電波信号の周波数を識別することによって、電子ペーパー100毎に一意に対応する電子ペーパーIDを特定し、この電子ペーパーIDによって電子ペーパー100の識別を行うようになっている。
なお、図4では4つのワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3,120−4を例示しているが、ワイヤレスセンサ120の数はこれに限定されるものではなく、実際には4以上の多数のワイヤレスセンサ120が用いられる。
なお、本実施形態においては、電子ペーパー100に3つのワイヤレスセンサ120a,120b,120cが設けられているが、それぞれのワイヤレスセンサ120a,120b,120cには各々処理指示(「印刷出力」,「FAX送信」,「メール送信」等の指示)が割り当てられている。画像形成装置200の制御部210は、無線通信部270を介して電波信号を受信すると、ワイヤレスセンサ120a,120b,120cのうちのどのワイヤレスセンサから電波信号を受信したのかを判断し、これによって、受信した電波信号がどの処理指示であるかを特定する。
具体的には、ワイヤレスセンサ120aには文書データの「印刷出力」処理指示が割り当てられており、ワイヤレスセンサ120bには文書データの「FAX送信」処理指示が割り当てられており、ワイヤレスセンサ120cには文書データの「メール送信」処理指示が割り当てられている。ユーザは、電子ペーパー100に設けられたこれらのワイヤレスセンサ120a〜120cのいずれかに触れるかまたは押下することによって、そのワイヤレスセンサ120a〜120cに割り当てられた処理指示を、画像形成装置200に対して発行することができるようになっている。
画像形成装置200の制御部210は、ワイヤレスセンサ120から受信した電波信号を解析し、そのワイヤレスセンサ120によって圧力が検知されたと判断された場合は、そのワイヤレスセンサ120に割り当てられた処理指示を受信したと判断する。
例えば、ワイヤレスセンサ120aによって圧力が検知されたと判断された場合は、“その電子ペーパー100に表示されている文書データを印刷出力する”という旨の処理指示を受信したと判断する。同様にして、ワイヤレスセンサ120bによって圧力が検知されたと判断された場合は、“その電子ペーパー100に表示されている文書データをFAX送信する”という旨の処理指示を受信したと判断し、ワイヤレスセンサ120cによって圧力が検知されたと判断された場合は、“その電子ペーパー100に表示されている文書データをメール送信する”という旨の処理指示を受信したものと判断する。そして、制御部210は、その処理指示に基づいて、印刷出力処理やFAX送信処理、メール送信処理を実行する。
なお、以下では、説明の便宜上、上述した印刷出力処理やFAX送信処理、メール送信処理をまとめて「データ出力処理」と称して説明する。また、ユーザがワイヤレスセンサ120に接触するか押下する動作をまとめて「押下する」と称して説明する。
ここで、記憶部220に記憶されているテーブルについて説明する。記憶部220には、文書管理テーブルTBL1と、距離管理テーブルTBL2とが記憶されている。これらのテーブルは、ワイヤレスセンサ120からの電波信号に基づいて、後述するファイル名表示(案内提示)処理またはデータ出力処理を行う際に参照されるテーブルである。なお、これらの処理の内容については、後に詳細に説明するためここではその詳細な説明を省略する。
図5は、文書管理テーブルTBL1のデータ構成を示す図である。このテーブルは、電子ペーパー100と、その電子ペーパー100に書き込まれている文書データとを管理するためのテーブルである。図示のように、文書管理テーブルTBL1には、「電子ペーパーID」と「文書ID」との各項目が互いに関連づけられている。文書管理テーブルTBL1の各項目のうち、「電子ペーパーID」は、電子ペーパーを一意に識別するための識別情報であり、ワイヤレスセンサ120から受信する電波信号を制御部210が解析することによって特定される情報である。次に、「文書ID」は、文書ファイルを識別するための識別情報であり、上述した文書ファイル群DBに記憶された文書ファイルと一意に対応する情報である。画像形成装置200の制御部210は、無線通信部270を介してワイヤレスセンサ120から電波信号を受信すると、その電波信号を解析することによって電子ペーパーIDを特定し、特定された電子ペーパーIDをキーとしてこの文書管理テーブルTBL1を検索することによって、そのワイヤレスセンサ120が設けられている電子ペーパー100に書き込まれている文書ファイルを特定することができるようになっている。
なお、この文書管理テーブルTBL1においては、電子ペーパーIDと文書IDとが一対一で関連付けられるとは限らず、複数の電子ペーパーIDに同一の文書IDが関連付けられる場合もあり、また、複数の文書IDに同一の電子ペーパーIDが関連付けられる場合もある。例えば、3枚の電子ペーパー100a,100b,100cに、同一の文書データが書き込まれている場合は、電子ペーパー100a,100b,100cのすべての電子ペーパーIDに、同一の文書IDが関連付けて記憶される。また、1枚の電子ペーパー100に複数の文書データが書き込まれている場合には、複数の文書IDに同一の電子ペーパーIDが関連付けて記憶される。
次に、距離管理テーブルTBL2のデータ構成について、図6を参照しながら説明する。この距離管理テーブルTBL2は、画像形成装置200と電子ペーパー100との距離情報を管理するためのテーブルである。図示のように、距離管理テーブルTBL2には、「電子ペーパーID」と「距離」との項目が互いに関連づけられている。距離管理テーブルTBL2の各項目のうち、「電子ペーパーID」は、文書管理テーブルTBL1に記憶される電子ペーパーIDと同様であり、電子ペーパーを一意に識別するための識別情報である。次に、「距離」は、画像形成装置200と電子ペーパー100との距離を示す情報である。画像形成装置200の制御部210は、電子ペーパー100に設けられたワイヤレスセンサ120から受信する電波信号の強度に基づいて、画像形成装置200と電子ペーパー100との距離を算出し、算出した距離が所定値以下である場合に、算出した距離とその電子ペーパー100と対応する電子ペーパーIDとを、この距離管理テーブルTBL2に記憶させる。
また、画像形成装置200の制御部210は、算出した距離が所定値より大きい場合には、その電子ペーパー100を示す電子ペーパーIDと距離との対(以下、レコードとする)を、距離管理テーブルTBL2から削除する。また、レコード毎にタイマを発行しておき、そのワイヤレスセンサ120から電波信号をある一定期間以上受信しなった場合にも、そのレコードを距離管理テーブルTBL2から削除する。これは、電子ペーパー100を手に持ったユーザが、あるタイミングで画像形成装置200に近づいたものの、その後画像形成装置200から遠ざかったような場合には、制御部210は、その電子ペーパー100に設けられたワイヤレスセンサ120から電波信号を受信することができないためである。これにより、画像形成装置200からの距離が所定値以下である電子ペーパー100のみがこの距離管理テーブルTBL2に記憶され、距離が所定値より大きい電子ペーパー100は、この距離管理テーブルTBL2に記憶されないことになる。つまり、この距離管理テーブルTBL2を参照することによって、制御部210は、画像形成装置200からの距離が所定値以下である電子ペーパー100を認識することができる。
(2)動作
次に、画像形成装置200の制御部210が行う処理について説明する。まず、ワイヤレスセンサ120から受信する電波信号の信号処理について説明し、続けて、本実施形態の特徴であるファイル名表示処理・データ出力処理について説明する。
(2−1)ワイヤレスセンサ120の信号処理動作
まず、ワイヤレスセンサ120の信号処理動作について、図7を参照しながら説明する。なお、以下では、説明の便宜上、4つのワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3,120−4を用いて説明するが、ワイヤレスセンサ120の数はこれに限定されるものではなく、実際には4以上の多数のワイヤレスセンサ120が用いられる。
ワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3および120−4(以下、総称としてワイヤレスセンサ120を用いる)は、画像形成装置200の無線通信部270からの電波信号を受けて個々の櫛型電極で設定された周波数の弾性表面波を誘電体薄膜2上に発生させ、圧力に応じて弾性表面波の周波数を変化させて無線通信部270に向けて圧力の変化に対応した周波数の信号を送信する。そして、画像形成装置200の制御部210は、無線通信部270を介して受信した電波信号を解析して個々のセンサが設置された位置の周囲の圧力を得る。
前述した如く、ワイヤレスセンサ120は、弾性表面波の周波数が櫛型電極3A,3Bの形状で設定される。この動作例に用いられるワイヤレスセンサ120−1には、図3に示したワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−1,3B−1が形成され、ワイヤレスセンサ120−2にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−2,3B−2が形成され、ワイヤレスセンサ120−3にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−3,3B−3が形成され、ワイヤレスセンサ120−4にはワイヤレスセンサ120´の櫛型電極3A−4,3B−4が形成されている。これにより、ワイヤレスセンサ120の誘電体薄膜に発生する弾性表面波の周波数が、ワイヤレスセンサ120−1がf1、ワイヤレスセンサ120−2がf2、ワイヤレスセンサ120−3がf3、ワイヤレスセンサ120−4がf4となる。即ち、ワイヤレスセンサ120が受信する電波の周波数f1〜f4によってワイヤレスセンサ120−1〜120−4が特定されることになる。
制御部210は、無線通信部270を介して周波数f1,f2,f3,f4の矩形状波を合わせた電波信号を発信する。また、制御部210は、ワイヤレスセンサ120から電波信号を受信すると、受信した電波信号をデジタル化し、デジタル化された情報に基づいて解析・演算を行う。
前述した如くに、ワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3および120−4では、無線通信部270からの電波信号を受けて個々の櫛型電極で設定された周波数の弾性表面波を誘電体薄膜2上に発生させる。即ち、誘電体薄膜2上に発生する弾性表面波の周波数は、ワイヤレスセンサ120−1がf1、ワイヤレスセンサ120−2がf2、ワイヤレスセンサ120−3がf3、ワイヤレスセンサ120−4がf4となる。そして、ワイヤレスセンサ120−1,120−2,120−3および120−4は、各部位の圧力に応じた周波数変化の生じた電波を画像形成装置200の無線通信部270に送信する。
続けて、制御部210が行う信号処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御部210は、無線通信部270を介してワイヤレスセンサ120−1〜120−4からの電波信号を受信する(ステップS1)。受信される電波信号は、ワイヤレスセンサ120−1〜120−4から送信された異なる周波数の電波信号である。制御部210は図示しないカウンタを「n=0」に設定する(ステップS2)。
制御部210は、周波数f1近傍を抽出するBPF(バンドパスフィルタ)処理を行い(ステップS3)、周波数に基づいて電子ペーパーIDを特定するとともに(ステップS4)、予め記憶部220に記憶されたテーブルからワイヤレスセンサ120−1によって計測された圧力を算出する(ステップS5)。さらに、これらの結果をRAMに記憶する(ステップS6)。
続けて、制御部210はRAMに記憶されたワイヤレスセンサ120−1〜120−4の測定結果に基づき、後述するファイル名表示処理またはデータ出力処理を行う(ステップS7)。
ステップS7の処理が終了すると、制御部210はカウンタを歩進して「n=n+1」とし(ステップS8)、このnが4以上になったか否かを判定する(ステップS9)。この判定で、カウンタ値「4」未満の場合には各センサからの換算が終了していないために、ステップS3以降の処理を続行し、カウンタ値「4」に達した場合には、4個のセンサに対しての測定結果が算出されたものとして処理を終了する。
この使用例においては、周波数に応じてセンサを識別することにより、個々のセンサからの測定結果を得ることができる。
(2−2)ファイル名表示(案内提示)・データ出力処理
続けて、画像形成装置200の制御部210が行うファイル名表示・データ出力処理(図7のステップS7で示した処理)について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、画像形成装置200の制御部210は、図7のステップS5において算出された圧力の値をRAMから読み出し、読み出した値に基づいて圧力が検知されたか否かを判定する(ステップS11)。算出された圧力がゼロより大きい場合は、圧力が検知されたと判断され、電子ペーパー100のユーザによって、ワイヤレスセンサ120が押下されたと判断される。それ以外の場合は、圧力が検知されていないと判断され、ワイヤレスセンサ120は押下されていないと判断される。押下されていないと判断された場合は(ステップS11;No)、制御部210は、画像形成装置200付近に電子ペーパー100があると判断し、ステップS12以降のファイル名表示処理を実行する。押下されたと判断された場合は(ステップS11;Yes)、ステップS22以降のデータ出力処理を実行する。
まず、ステップS12以降のファイル名表示処理について説明する。ステップS11において、圧力が検知されなかったと判断された場合は(ステップS11;No)、制御部210は、受信した電波信号の強度に基づいて、画像形成装置200と電子ペーパー100との距離を算出する(ステップS12)。そして、算出された距離が所定値以下であるか否かを判定する(ステップS13)。算出された距離が所定値以下である場合は(ステップS13;Yes)、続けて、図7のステップS4で特定された電子ペーパーIDをRAMから読み出し、読み出した電子ペーパーIDを有するレコードが距離管理テーブルTBL2に記憶されているか否かを判定する(ステップS14)。記憶されていない場合は(ステップS14;No)、その電子ペーパーIDとステップS12で算出された距離とを対応付けて距離管理テーブルTBL2に記憶させる(ステップS15)。続けて、その電子ペーパーIDをキーとして、文書管理テーブルTBL1を検索し、検索されたレコードが有する文書IDと対応する文書ファイルのファイル名を読み出し(ステップS16)、読み出したファイル名を案内情報として液晶ディスプレイに表示させる(ステップS17)。
画像形成装置200からの距離が所定値以内である電子ペーパー100のそれぞれについて、図8のステップS14からステップS17の処理が行われることによって、それらの電子ペーパー100に書き込まれている文書データのファイル名の一覧が画像形成装置200の液晶ディスプレイに表示されることになる。
図9は、液晶ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。この画面には、“ファイルを選択してください”というメッセージとともに、画像形成装置200からの距離が所定値以内である電子ペーパー100に書き込まれている文書データのファイル名が表示されている。図9に例示した画面は、画像形成装置200の所定距離以内にある電子ペーパーが4枚であって、その4枚の電子ペーパーに書き込まれたそれぞれの文書ファイル名が、「文書A」、「文書B」、「文書C」および「文書D」である場合の画面例を示している。ユーザは、この液晶ディスプレイからファイル名を選択することによって、その文書ファイルに対する各種操作を行うことができるようになっている。
これにより、電子ペーパー100を持ってユーザが画像形成装置200に近づくだけで、画像形成装置200は電子ペーパー100を認識して液晶表示ディスプレイにそのファイル名を表示するため、ユーザは、電子ペーパー100に書き込まれた文書ファイルを特定するためのファイル名やパス名等の情報を把握していなくても、その文書ファイルに対して各種の操作を行うことが可能となり、文書ファイルを特定するための情報を入力するといったユーザの負担を軽減することが可能となる。
続けて、図10は、図9の画面において、ユーザが「文書A」を選択した場合に、液晶ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。この画面には、“文書Aについて行う操作を選択してください”というメッセージとともに、「印刷出力」、「FAX送信」、「メール送信」の処理を示す4つの情報が表示されている。ユーザは、液晶ディスプレイに触れて所望する処理を示す情報を選択することによって、所望の処理を画像形成装置200に実行させることが可能となる。例えば、図10に示す画面において、ユーザによって「印刷出力」が選択された場合は、画像形成装置200は文書Aの文書データを用紙に印刷出力する。一方、「FAX送信」が選択された場合は、図11に示すようなFAXの送信先の入力を促す画面を液晶ディスプレイに表示する。
図11は、FAXの送信先の入力を促す画面の一例を示す図である。図示のように、この画面には、“FAXの送信先を入力してください”というメッセージとともに、FAXの送信先が表示されるボックスが表示される。ユーザは、ユーザインタフェース部230のテンキーを用いてFAXの送信先を入力し、画像形成装置200の制御部210は、入力された送信先に対して、文書Aの文書データを通信部280を介してFAX送信する。
これにより、電子ペーパー100を持ってユーザが画像形成装置200に近づくだけで、文書ファイルを特定するための情報や文書ファイルそのもののデータを入力(または送信)しなくても、ユーザは、電子ペーパー100に表示されている文書ファイルの文書データをFAX送信することが可能となる。
図8の説明に戻る。図8のステップS14において、図7のステップS4で特定された電子ペーパーIDが距離管理テーブルTBL2に記憶されていると判断された場合は(ステップS14;Yes)、その電子ペーパーIDと対応する距離の値を更新し(ステップS18)、そのまま処理を終了する。その電子ペーパーIDが距離管理テーブルTBL2に記憶されていた場合は、その電子ペーパーに書き込まれている文書ファイルのファイル名は前回の処理において既に液晶ディスプレイに表示されているため、新たにファイル名を表示させる必要はない。
次に、ステップS13において、距離が所定値より大きいと判断された場合について説明する。この場合は(ステップS13;No)、制御部210は、その電子ペーパーIDをキーとして距離管理テーブルTBL2を検索し、その電子ペーパーIDが距離管理テーブルTBL2に記憶されているか否かを判定する(ステップS19)。記憶されていないと判断された場合は(ステップS19;No)、そのまま処理を終了し、記憶されていると判断された場合は(ステップS19;Yes)、その電子ペーパーIDを有するレコードを距離管理テーブルTBL2から削除し(ステップS20)、液晶ディスプレイの表示を更新する(ステップS21)。
これにより、画像形成装置200からの距離が所定距離よりも遠い電子ペーパー100については、液晶ディスプレイにファイル名が表示されないことになる。所定距離よりも離れた位置にある電子ペーパー100の文書ファイル名を液晶ディスプレイに表示しないようにすることによって、画像形成装置200を複数のユーザが使用する場合であっても、必要のない文書ファイル名を液晶ディスプレイに表示しないようにすることができ、ユーザの作業効率を向上させることが可能となる。
以上、画像形成装置200の制御部210が行うファイル名表示処理について説明したが、続けて、制御部210が行うデータ出力処理について説明する。
図のステップS11において、圧力が検知されたと判断された場合は(ステップS11;Yes)、受信した電波信号の周波数に基づいて、そのワイヤレスセンサ120に割り当てられた処理指示を特定し(ステップS22)、特定された処理指示を判定する(ステップS23)。特定された処理指示が「印刷出力処理」を示す場合は、図7のS4で特定された電子ペーパーIDと対応する文書IDを文書管理テーブルTBL1から読み出し、読み出した文書IDと対応する文書データを記憶部220の文書ファイル群DBから読み出す。そして、読み出した文書データを、画像形成部250を用いて用紙に画像形成させることによって印刷出力処理を行う(ステップS24)。ステップS23において、特定された処理指示が「FAX送信」を示す場合は、制御部210は、例えば図11に示すような、FAXの送信先の入力を促す画面を液晶ディスプレイに表示する(ステップS25)。「メール送信」を示す場合も同様に、メールの送信先の入力を促す画面を液晶ディスプレイに表示する(ステップS25)。
そして、制御部210は、FAXまたはメールの送信先が入力されたことを検知すると(ステップS26)、入力された送信先に対して、読み出した文書データを通信部280を介して送信する(ステップS27)。
以上のような処理によって、ユーザは、画像形成装置200の操作部を用いて、文書データの入力や選択を行ったりする必要がなく、また、処理指示をいちいち入力しなくても、電源を内蔵していない簡易で軽量な電子ペーパー100に付与されたワイヤレスセンサ120を押下するという簡単な操作を行うだけで、その電子ペーパー100に書き込まれている文書データに対して、所定の処理を行うことが可能となり、ユーザの作業効率を向上させることができる。例えばその文書データを印刷出力する場合は、ワイヤレスセンサ120を押下するだけでよく、FAX送信を行う場合は、ワイヤレスセンサ120を押下した後にFAX送信先を入力するだけで、画像形成装置200に処理を実行させることが可能となる。特に複数のユーザが1台の画像形成装置200を用いて処理を実行させる場合であっても、それぞれのユーザが画像形成装置200のユーザインタフェース部230を用いて個別に操作を行う必要はなく、ユーザは他のユーザの操作終了を待たなくても処理指示を行うことが可能となる。
(4)動作例
次に、本実施形態の動作例について説明する。
以下の説明では、あるユーザAが、電子ペーパー100Aを持って画像形成装置200に近づき、その後、電子ペーパー100Aのワイヤレスセンサ120aを押下した場合の動作について説明する。
なお、電子ペーパー100Aの電子ペーパーIDを「000A」とし、電子ペーパー100Aに書き込まれた文書データのデータIDを「100A」とし、文書データのファイル名を「文書A」として説明する。また、画像形成装置200の所定距離以内に3枚の電子ペーパー100B,100C,100Dが存在し、それぞれに書き込まれた文書データのファイル名が「文書B」、「文書C」、「文書D」であると仮定する。
ユーザAが、電子ペーパー100Aを持って画像形成装置200に近づくと、画像形成装置200の制御部210は、図7に示したステップS1〜ステップS6の処理を経て、ワイヤレスセンサ120a,120b,120cからの電波信号によって特定された電子ペーパーID「000A」と、それぞれのワイヤレスセンサ120a,120b,120cによって測定された圧力とをRAMに記憶させる。
続けて、図8に示したステップS11→S12→S13→S14→S15→S16→S17の処理を経て、「文書A」を液晶ディスプレイに表示する。本動作例においては、文書A以外にも、文書B、文書C、文書Dのそれぞれが書き込まれた3枚の電子ペーパー100B,100C,100Dが所定距離内にあるため、それぞれの電子ペーパー100B,100C,100Dに対して同様の処理が事前になされている。そのため、画像形成装置200の液晶ディスプレイには、図9に示すような画面が表示される。
続けて、ユーザAは、電子ペーパー100Aのワイヤレスセンサ120aを押下する。このとき、画像形成装置の制御部210は、図7に示したステップS1〜ステップS6の処理を経て、ワイヤレスセンサ120a,120b,120cからの電波信号によって特定された電子ペーパーID「000A」と、それぞれのワイヤレスセンサ120a,120b,120cによって測定された圧力とをRAMに記憶させる。
続けて、制御部210は、図8に示したステップS11の処理を実行する。ワイヤレスセンサ120aは押下されたために、圧力が検知され、ステップS11の判定は、“Yes”となり、ステップS12以降の処理に進む。制御部210は、S22→S23→S24の処理を実行する。ワイヤレスセンサ120aに割り当てられた処理内容は「印刷出力処理」であるため、制御部210は、文書管理テーブルTBL1から電子ペーパーID「000A」と対応する文書ID「000B」を読み出し、読み出した文書ID「100A」と対応する文書データを印刷出力する。
これにより、電子ペーパー100を持ってユーザが画像形成装置200に近づくだけで、画像形成装置200は電子ペーパー100を認識して液晶表示ディスプレイにそのファイル名を表示するため、ユーザは、電子ペーパー100に書き込まれた文書ファイルを特定するためのファイル名やパス名等の情報を把握していなくても、その文書ファイルに対して各種の操作を行うことが可能となり、文書ファイルを特定するための情報を入力するといったユーザの負担を軽減することが可能となる。
また、ユーザが画像形成装置200の操作部等を用いて文書データの入力や選択を行ったりする必要がなく、また、処理指示をいちいち入力しなくても、電源を内蔵していない簡易で軽量な電子ペーパー100に付与されたワイヤレスセンサ120を押下するという簡単な操作を行うだけで、その電子ペーパー100に書き込まれている文書データに対して、各種の処理を行うことが可能となり、ユーザの負担を軽減することができる。例えばその文書データを印刷出力する場合は、ワイヤレスセンサ120を押下するだけでよく、FAX送信を行う場合はFAX送信先を入力するだけで、画像形成装置200に処理を実行させることが可能となる。
また、画像形成装置200の制御部210はワイヤレスセンサ120の電波信号に基づいて電子ペーパー100を識別することができるため、複数の電子ペーパー100に対して各種の処理を行うことができる。これにより、複数のユーザが同時に操作することができることになり、画像形成装置200の使用効率を向上させることが可能となる。特に多人数で使用する場合に効果的である。
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(5−1)
上述した実施形態では、ワイヤレスセンサ120からの電波信号を受信して各種の処理を実行する情報処理装置として画像形成装置200を用いたが、情報処理装置を画像形成装置に限定するものではなく、例えばパーソナルコンピュータや大型ディスプレイ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等であってもよい。
また、上記実施形態では、電子ペーパー100に書き込まれた文書データに対して情報処理装置が実行する処理として、印刷出力処理、FAX送信処理、メール送信処理について説明したが、情報処理装置が実行する処理はどのようなものであってもよい。例えばファイルサーバ装置へのファイルのコピー処理や移動処理、転送処理、表示出力処理等、電子データに関する様々な操作が可能である。例えば情報処理装置としてパーソナルコンピュータや大型ディスプレイを用いる場合は、ディスプレイへの表示出力処理等を好適に行うことが可能である。
(5−2)
また、上述した実施形態では、処理の内容を促す案内情報を、画像形成装置200の液晶ディスプレイに表示させることによってユーザに案内を提示するようにしたが、ユーザに案内を提示する方法は、表示出力に限らず、音声メッセージや警告音の出力等によって提示するようにしてもよく、または表示出力と音声メッセージ出力とを併用して提示するようにしてもよい。好適にユーザに案内を提示できる方法であればどのようなものであってもよい。
(5−3)
また、上述した実施形態では、光を照射することによって画像を記録する電子ペーパーを用いたが、電子ペーパーをこれに限定するものではなく、電気的な手段でデータの表示や消去が可能なものであればどのようなものであってもよい。例えば、複写機で利用されるトナー等の着色粒子を帯電させて封入し、電圧を印加することによって着色粒子を移動させて画像を形成する電子ペーパーや、絶縁性液体中を帯電した着色粒子を電気泳動させることで画像を形成する電子ペーパーなどを用いるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では表示媒体として電子ペーパーを用いたが、表示媒体は電子ペーパーに限らず、好適に実施可能なものであれば、例えば用紙など、どのような表示媒体であってもよい。
(5−4)
上述した実施形態では、電子ペーパーに書き込まれている文書データに対して、各種の処理(印刷出力、FAX送信等)を画像形成装置が実行するようにした。電子ペーパーに書き込まれている文書データを処理対象とすることによって、ユーザは、電子ペーパーに表示されている文書データのデータ格納先等を意識することなく各種の処理を実行させることが可能である。
なお、処理の対象となる情報は、電子ペーパーに書き込まれている文書データに限定されるものではなく、その電子ペーパーと対応する情報であればどのような情報であってもよい。例えば、電子ペーパーIDとその電子ペーパーの所有者のメールアドレス等を対応付けて情報処理装置に記憶させておき、情報処理装置は、その電子ペーパーと対応するメールアドレスに対して所定の内容のメールを送信するようにしてもよい。この場合、例えば情報処理装置の設置位置等を含む内容のメールを送信するようにすれば、ユーザが情報処理装置の付近に電子ペーパーを置き忘れた場合であっても、第3者がその電子ペーパーを用いて情報処理装置にメール送信処理を実行させることによって、その電子ペーパーの所有者は、メールの内容を確認することによって、電子ペーパーを置き忘れていることや電子ペーパーの場所等を把握することができる。
(5−5)
なお、上述した実施形態では、電子ペーパー100に3つのワイヤレスセンサ120を設けるようにしたが、ワイヤレスセンサ120の数はこれに限定されるものではなく、1つのみであってもよく、複数であってもよい。
また、上述した実施形態では、圧力を検知するワイヤレスセンサ120によって電子ペーパーIDを識別するようにしたが、圧力を検知するためのワイヤレスセンサと、電子ペーパーIDを識別するためのワイヤレスセンサとを別々に設けるようにしてもよい。この場合は、電子ペーパーID識別用のワイヤレスセンサは、圧力センサに限らずどのようなワイヤレスセンサであってもよい。圧力や温度、湿度等の周囲の環境状態を検知するワイヤレスセンサである必要はなく、電子ペーパーIDが好適に識別できるワイヤレスセンサであればどのようなものであってもよい。また、圧力を検知するワイヤレスセンサを電子ペーパーに設けるようにせず、電子ペーパーを識別するためのワイヤレスセンサのみを設けるようにしてもよい。
(5−6)
また、上述した実施形態では、ワイヤレスセンサ120からの電波信号の強度に基づいて、画像形成装置200と電子ペーパー100との距離を算出するようにしたが、距離算出処理を行わないようにしてもよい。この場合は、画像形成装置の制御部は、電波信号を受信すると、その電波信号の送信元の任意のワイヤレスセンサに対して、そのワイヤレスセンサと対応する文書ファイルのファイル名を液晶ディスプレイに表示出力するようにすればよい。
(5−7)
なお、上述した実施形態では、電子ペーパーに書き込まれる電子データとして文書データを用いたが、表示媒体に書き込まれる電子データは、文書データに限らず、画像データやHTML形式のデータ等、どのような形式のデータであってもよい。
(5−8)
また、上述した実施形態では、画像形成装置に文書ファイル群や文書管理テーブル、距離管理テーブルを設け、画像形成装置でファイル名表示処理およびデータ出力処理を行うようにしたが、これらのテーブルや処理機能等を、複数の装置に分割して設けるようにしてもよい。例えば、文書ファイル群DB等を管理するようの管理サーバを別途設け、管理サーバで文書ファイル等を管理するようにしてもよい。
また、ワイヤレスセンサからの電波信号に基づいて、各種の処理指示を示す指示情報を送信する制御装置を設けるようにしてもよい。図12は、この制御装置を用いたシステム構成の一例を示す図である。図において、制御装置300と、パーソナルコンピュータ400a,400bと画像形成装置500a,500bとは、ネットワーク600に接続されており、相互のデータ通信が可能になっている。制御装置300は、ワイヤレスセンサ120から受信した電波信号を解析し、その解析結果に基づいて、各種の処理指示を示す指示情報をパーソナルコンピュータ400a,400bや画像形成装置500a,500bに送信する。
制御装置300を設けることによって、ユーザが従来使用している画像形成装置500a,500bやパーソナルコンピュータ400a,400bに対して処理指示を示す指示情報を送信することができ、これにより、ユーザは、電子ペーパー100に触れるだけで、従来使用している画像形成装置やパーソナルコンピュータに各種の処理を実行させることが可能となる。
なお、この制御装置300が指示情報を送信する装置は、画像形成装置やパーソナルコンピュータに限定されるものではなく、大型ディスプレイやテレビ、携帯電話、PDA等、さまざまな装置を用いることが可能である。
(5−9)
また、上記実施形態では、ワイヤレスセンサの周波数を各々異ならせ、その周波数を判別することによって複数のワイヤレスセンサを一意に識別するようにしたが、ワイヤレスセンサの識別方法はこれに限定されるものではなく、ワイヤレスセンサの応答信号を識別できる方法であればどのような方法であってもよい。
また、ワイヤレスセンサに送信する波形は矩形状波に限らず、測定が行えるのであれば、三弦波や三角波等、任意の波形を用いてもよい。
なお、電子ペーパーに設けるワイヤレスセンサの構成は、上記実施形態で説明した構成に限定されるものではなく、好適に表示媒体を識別できたり、表示媒体への接触を検知できたりするものであればどのような構成であってもよい。
(5−10)
上記実施形態におけるワイヤレスセンサの各部の材質は、例えば以下の材質であってもよい。
基板1の材料としては、Siに限らず、Ge,ダイヤモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AIP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII-V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性或いは半導電性の単結晶基板としてはNb,La等をドープしたSrTiO3,AlをドープしたZnO,In23,RuO2,BaPbO3,SrRuO3,YBa2Cu27-X,SrVO3,LaNiO3,La0.5Sr0.5CoO3,ZnGa24,CdGa24,MgTiO4.MgTi24等の酸化物、またはPb,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられる。特に、既存の半導体プロセスとの適合性やコスト面から、Si,GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
誘電体薄膜2の材料としては、LiTaO3に限らず、SiO2,SrTiO3,BaTiO3,BaZrO2,LaAlO3,ZrO2,Y238%−ZrO2,MGO,MgAl24,LiNbO3,AlVO3,ZnO等の酸化物、ABO3型のペロブスカイト型としてBaTiO3,PbTiO3,Pb1-XLaX(ZryTi1-y1-X/43(x,yの値によりPZT,PLT,PLZT),Pb(Mg0-3Nb2/3)O3,KNbO3等の正方系、斜方系或いは疑立方晶系材料、疑イルメナイト構造体としてLiNbo3等に代表される強誘電体等、またはタングステンブロンズ型として、SrXBa1-XNb26,PbXBaXNb26等が挙げられる。この他に、Bi4Ti312,Pb2KNb515,K3Li2Nb515、さらに以上列挙した強誘電体の置換誘電体等から選択される。さらに、鉛を含むABO3型のペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。特に、これらの材料のうちLiNbO3,LiTaO3,ZnO等の材料は、弾性表面波の表面速度、圧電定数等の変化が顕著でより好ましい。誘電体薄膜2の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.1μmから10μmの間に設定される。
(5−11)
上述した実施形態では、電子ペーパーに設けるワイヤレスセンサとして、ワイヤレスの圧力センサを用いたが、電子ペーパー等の表示媒体に対する接触を検知するセンサは圧力センサに限定されるものではなく、例えば光センサや加速度センサ、温度センサなど、表示媒体に対する接触を好適に検知できるワイヤレスセンサであればどのようなものであってもよい。その一例として、加速度センサと光センサについて、その構成の一例を以下に説明する。
(5−11−1)加速度センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを加速度センサとして用いた場合について説明する。
図13は加速度センサ30の構成を示している。図13に示す加速度センサ30の構成が、図2に示したワイヤレスセンサ120の構成と異なる点は、受圧部8とダイヤフラム1Bとが設けられていない点と、矩形状の基板1の一方に、他方を浮かせる台座31が設けられている点である。そのため、図2に示したワイヤレスセンサ120と同様の構成要素については、同じ符号を付与してその説明を省略する。
基板1の一方に台座31が設けられることにより、加速度センサ30は片持ち支持の構造となり、図13(b)に示すように力F(F=m×α(m:質量、α:加速度))が基板1の他方に加わると、この加速度に対応して基板1に撓みが発生し、この撓みを誘電体薄膜2で測定するようになる、所謂歪みゲージとして構成される。
加速度センサとして使用するためには、図13に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaO3を使用する。
加速度(例えば、980m/s2)が基板1の他方に加わると、この加速度に対応して基板1に撓みが生じ、この撓みが誘電体薄膜2に伝わり、櫛型電極3A,3Bの電極間の幅を変えると共に、SAWの速度が変化して中心周波数を対して周波数を0.1%程度変化させる。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、加速度センサ30は、中心周波数f0に対して約0.1%程度周波数が変化することが検知されている。
(5−11−2)光センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを光センサとして用いた場合について説明する。
図14は光センサ40の構成を示している。図14に示す光センサ40の構成が、図13に示した加速度センサ30の構成と異なる点は、台座31が設けられていない点と、受光素子(例えば、フォトダイオード等)48とインピーダンス変換器49とが設けられている点である。光センサ40には、櫛型電極3Bの一方に、インピーダンス変換器49及び受光素子48が設けられている。この光センサ40は、誘電体薄膜2の材料にLiTaO3を使用する。
ある照度(例えば、1000lx)を持った光が受光素子48に加わると、この光量に対応して受光素子48のインピーダンスが変化し、このインピーダンスの変化は櫛型電極3Bのインピーダンスとマッチングさせるインピーダンス変換器49を通して櫛型電極3Bに伝わる。ここで、櫛型電極3Bにおけるインピーダンス変化は、入力側の櫛型電極3Aから伝搬してきた弾性表面波を櫛型電極3Bで反射させる際の反射強度を変化させる。櫛型電極3Aは、この反射弾性表面波を再び受信し電磁波として外部に送信する。このように構成された光センサ40においては、標準電界強度に対して約0.1%程度変化する。
本発明の実施形態に係る電子ペーパーの構成を示す図である。 同実施形態で用いるワイヤレスセンサの構造を示す図である。 同実施形態で用いる複数の周波数に対応したワイヤレスセンサの構造を示す図である。 同実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態の文書管理テーブルのデータ構成を示す図である。 同実施形態の距離管理テーブルのデータ構成を示す図である。 同実施形態の制御部が行う電波信号処理を示すフローチャートである。 同実施形態の制御部が行うファイル名表示・データ出力処理を示すフローチャートである。 同実施形態の液晶ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。 同実施形態の液晶ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。 同実施形態の液晶ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。 本発明の変形例に係るシステムの全体構成を示す図である。 ワイヤレス加速度センサの構造を示す図である。 ワイヤレス光センサの構造を示す図である。
符号の説明
100…電子ペーパー、110…表示部、120…ワイヤレスセンサ、200…画像形成装置、210…制御部、220…記憶部、230…ユーザインタフェース部、240…画像読取部、250…画像形成部、260…用紙供給部、270…無線通信部、280…通信部、1…基板、2…誘電体薄膜、3A,3B…櫛型電極、5A,5B…インピーダンスマッチング部、4A,4B…アンテナ、6A,6B…グランド、7…グランド電極、8…受圧部。

Claims (8)

  1. 表示情報を目視可能な状態にして表示する媒体を有する表示媒体と情報処理装置を備える情報処理システムであって、
    前記表示媒体は、
    所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として周囲の圧力を検出し、検出した圧力を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を備え、
    前記情報処理装置は、
    前記表示媒体を識別する表示媒体識別情報および前記表示媒体識別情報に対応した情報を記憶する記憶手段と、
    前記表示媒体に備えられたワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
    前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された電波信号に基づいて、前記表示媒体識別情報を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された表示媒体識別情報と対応する情報を、前記記憶手段から読み出す読出手段と、
    前記受信手段によって受信された電波信号が有する属性に基づいて、前記情報に対して実行する処理を認識する認識手段と、
    前記読出手段によって読み出された情報に対して、前記認識手段によって認識された処理を行う処理実行手段とを備える
    ことを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記情報処理装置は、前記処理実行手段に代えて、前記読出手段によって読み出された情報と前記認識手段によって認識された処理を示す処理情報とを、所定の装置に送信する処理情報送信手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  3. 前記処理は、前記表示情報に対する印刷出力処理、画面表示出力処理、FAX処理、メール処理、移動処理の少なくともいずれか一つの処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
  4. 前記表示媒体は、
    互いに異なる属性を有した電波信号を生成する複数の前記ワイヤレス測定手段を備え、
    各ワイヤレス測定手段が、前記処理のいずれかと対応付けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
  5. 前記表示媒体は、電子ペーパーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システム。
  6. 所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として周囲の圧力を検出し、検出した圧力を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を備えた表示媒体を識別する表示媒体識別情報および前記表示媒体識別情報に対応した情報を記憶する記憶手段と、
    前記表示媒体に備えられたワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
    前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された電波信号に基づいて、前記表示媒体識別情報を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された表示媒体識別情報と対応する情報を、前記記憶手段から読み出す読出手段と、
    前記受信手段によって受信された電波信号が有する属性に基づいて、前記情報に対して実行する処理を認識する認識手段と、
    前記読出手段によって読み出された情報に対して、前記認識手段によって認識された処理を行う処理実行手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  7. 前記処理実行手段に代えて、前記読出手段によって読み出された情報と前記認識手段によって認識された処理を示す処理情報とを、所定の装置に送信する処理情報送信手段を備える
    ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
  8. 前記処理は、前記表示情報に対する印刷出力処理、画面表示出力処理、FAX処理、メール処理、移動処理の少なくともいずれか一つの処理であることを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理装置。
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