JP4419886B2 - フォトセンサ、被検出物検知装置およびこのフォトセンサが組み込まれた画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、反射型フォトセンサでは、発光素子からの光が被検出物で反射したことを受光素子で検出して物体の通過を検出する。
さらに、受光部の配置位置は、リード線によって拘束されてしまうことになり、例えばリード線の届かない狭い場所へは受光部が配置できず、フォトセンサを設置する位置が限定されてしまっていた。
このような構成の検出手段としては、例えば、公知のRFID(Radio Frequency Identification)等を備えたパッシブ型ワイヤレスセンサなどがある。また、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が温度によって変化する振動媒体部と、前記弾性表面波を電気信号に変換して電波信号として出力する送信部とを備えるようにすることが、さらに好ましい。
<実施形態>
(1)被検出物検知装置の構成
まず、被検出物検知装置の構成を、図1のブロック図に基づいて説明する。
被検出物検知装置は、フォトセンサ10と、フォトセンサ10の受光部0−1〜0−n(以下、特に区別の必要のない場合には「受光部0」として記載する)との間で電波信号の授受を行う送受信機20と、該送受信機20で受信された電波信号に基づき、この被検出物検知装置が組み込まれた全体装置の制御を行う制御部30とを具備している。
ここで、フォトセンサ10は、被検出物Dの搬送路Rに対して一側に設けられた発光部11と、搬送路Rに対して他側に設けられた複数個の受光部0−1,0−2〜0−nとを具備して構成される。この場合、搬送路Rのうち発光部11と受光部0−1〜0−nとが重なる位置が検出位置となる。この発光部11は板状のエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子という)からなる。EL素子はフレキシブルなものが市販されており曲面に配置できるため、当該フォトセンサ10の配置位置の自由度が広げられる。
また、発光部11には、制御部30からの信号を受けた給電部12が供給電圧を印加する。これにより、発光部11は、搬送路Rに向けて光を照射する。
なお、発光部11は、EL素子に限らず、光源を面発光させる拡散シートであってもよい。また必要な範囲を照射可能であれば点光源でもよい。
(2−1)受光部の基本構成
ここで、受光部0の構成および動作について説明する。
まず、本実施形態に用いられるワイヤレスの受光部0の基本構成について説明する。
ワイヤレスの受光部0は、図2に示すように、基台となる基板1と、該基板1上に形成され、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)が伝播される誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する櫛型(IDT:Inter-digital Transducer)の変換部3と、この変換部3の一方に接続され、外部の送受信機20との間で電波信号の授受を行う送受信部としてのアンテナ4と、変換部3の他方に接続されたグランド5と、基板1の裏面に形成され、グランド5にスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極6と、誘電体薄膜2上に形成され、前記弾性表面波を受けて変換部3に向けて反射させる櫛型の反射部7と、前記発光部10からの光を受けて電気信号を発生する受光素子8(例えば、光電セル)と、該受光素子8の電気信号を受けて前記反射部7のインピーダンスを変えることにより前記弾性表面波の反射率を変化させるインピーダンス変換器9と、を具備している。
次に、受光部を構成する部材の材質について述べる。
図2に示した誘電体薄膜2の材質にLiTaO3を使用する。
次に、基本的な検出動作について説明する。
この受光部0は、送受信機20の発信部21との間、受信部22との間で電波信号の授受を行う。発信部21から送信される電波信号はアンテナ4で受信され、この信号により変換部3が誘電体薄膜2を励振して機械振動を発生させる。この機械振動は、誘電体薄膜2の表面に弾性表面波を発生させる。この弾性表面波は、変換部3から反射部7に向けて移動し、反射部7に到達する。
一方、受光素子8では、受光した光量に応じてこの受光素子8のインピーダンスが変化するため、このインピーダンスの変化がインピーダンス変換器9を通して反射部7に伝わる。反射部7におけるインピーダンス変化は、変換部3から伝搬してきた弾性表面波を反射させる際の反射率を変化させる。
そして、変換部3から反射部7に向けて移動してきた弾性表面波は、受光素子8の受光量に応じて設定された反射率の反射部7で反射されて変換部3に戻る。反射弾性表面波は、変換部3およびアンテナ4を経由して送信される。受信部22は、受光部0からの電波信号を受信する。
以上が1つの周波数に対応した受光部0の説明であるが、次に複数の周波数に対応できるワイヤレスの受光部について説明する。
図3に示すように、受光部0´は、対をなす変換部3と反射部7とでそれぞれ形状の異なる変換部3−1と反射部7−1,変換部3−2と反射部7−2,変換部3−3と反射部7−3,変換部3−4と反射部7−4が形成されている。この受光部0´においては、外部から送信される電波信号の周波数により複数の周波数に対応した弾性表面波が誘電体薄膜2上に発生する。
なお、この図3では、グランドおよびグランド電極の図示は省略して描いている。
次に、図1、図4および図5に基づいて説明する。
制御部30のROM30Cには、図4の処理、図5の光読込処理等のフローチャートで示すプログラムと、この検出システムが組み込まれた装置の制御プログラム等が格納されている。
受信部22は、例えば4個の受光部0−1〜0−4から発信される電波信号を受信するものとするが、受光部の個数は4個に限定されるものではなく、5個以上であっても、3個以下であってもよく、各受光部0が周波数によって特定されるものであればよい。
まず、CPU30Bは、受信部22を介して受光部0−1〜0−4からの電波信号を受信する(ステップSa1)。受信される電波信号は4つの周波数が混合した信号として受信される。CPU30Bは図示しないカウンタを「n=0」に設定する(ステップSa2)。
このように、周波数に応じてセンサを識別することにより、個々の受光部0から光量に対する測定結果が得られ、この測定結果がRAM30Dに順次記憶される。
CPU30Bは、RAM30Dから前記光読込処理(サブルーチン)で記憶された個々のモジュール近傍の光量を読み出し、個々の受光部0が検出するから被検出物Dがこの検出位置に有るか否かを判定する。具体的には、受光部0で受光された光は、被検出部Dにより遮光されているため、その光量はほとんど「0」に近いものとなる。このフォトセンサ10では、測定された信号に基づき、搬送路Rを搬送する被検出物Dの通過を確認することができる。
このように、本実施形態による被検出物検知装置では、発光部11にEL素子を用いているため、この発光部11は湾曲させることが可能であり、曲面に配置できるために当該フォトセンサ10の配置位置の自由度を広げることができる。
次に、前述した被検出物検知装置の適用例を図6に示す。
(5−1)画像形成装置100の構成
図6は画像形成装置100の全体構成を示した図である。この画像形成装置100は、例えばカラープリンタやカラー複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複合機等である。この画像形成装置100は、画像読取部(IIT:Image Input Terminal)110、画像処理部(IPS:Image Processing System)120、画像出力部130、用紙供給部140および制御部30等が収容されている。
この画像出力部130においては、中間転写ベルト134上に多重に転写された各色のトナー像が、用紙供給部140の給紙トレイ141から搬送路142に沿って供給される記録シート200(記録媒体)上に一括して転写された後、定着機135によって記録シート200上に定着され、カラー画像が形成された記録シート200が外部の排出トレイ136に排出されるようになっている。
以上が画像形成装置100の構成および動作である。
(1)
搬送路142上を搬送するシートの通過を検知する検地装置に被検出物検知装置を用いた場合について述べる。
図7は図6中のa部を拡大して示している。搬送路142は対向するシートガイド部142A,142Bによって形成されており、一方のシートガイド部142Aには発光部11が配置され、他方のシートガイド部142Bには図8に示すような配置で9個の受光部0―1〜0−9が配置されている。発光部11は、受光部0−1〜0−9を覆う大きさの板体で形成されている。この被検出物検知装置では、前述した被検出物検知装置の動作で述べた如く、搬送路142を通過する記録シート200を検知する。
図9は図6中のb部を拡大して示している。湾曲する搬送路142は対向するシートガイド部142C,142Dによって形成されており、一方のシートガイド部142Cには発光部11が配置され、他方のシートガイド部142Dには受光部0―1〜0−3が配置されている。発光部11は、受光部0−1〜0−3を覆う大きさの板体で形成されている。発光部11はEL素子によって形成されているため、湾曲した部分であっても配置可能となる。この被検出物検知装置では、前述した被検出物検知装置の動作で述べた如く、搬送路142を通過する記録シート200を検知する。
(6−1)
前記実施形態におけるフォトセンサ10では、被検出物の検出位置の一側に発光部11を設け、他側にワイヤレスの受光部0を設ける透過型フォトセンサとして構成したが、本発明はこれに限らず、反射型フォトセンサとして構成してもよい。
具体的には、反射型のフォトセンサ10′は、図10に示すように、搬送路142の一側に設けられた発光部11と、この発光部11上(搬送路142側)に設けられたワイヤレスの受光部0−1〜0−3とを具備して構成される。
この反射型フォトセンサでは、発光部11からの照射される光は搬送される記録シート200で反射し、この反射光が受光部0からの光を受光し、この受光量に対応した電波信号を送信する。そして、送受信機20および制御部(図示せず)は、この電波信号に基づいて記録シート200の通過を確認する。
このよう構成した反射型のフォトセンサ10′であっても、前述した透過型フォトセンサ10と同様に、フォトセンサ10′の配置位置の自由度を広げることができる等の効果を奏する。
また、受光部0の配置は、図8のような配置に限らず、用紙の規格に合わせた場合には、図11に示すような配置であってもよい。なお、図8中の□内番号が受光部0の添え字を示している。この場合、制御部30の処理において、位置1〜9までの受光部0からの電波信号に基づき、図12に示すテーブルを参照することにより、シートの規格を認識することができる。
前記フォトセンサ10では、受光部0を複数個備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1個の受光部0を備えるセンサであってもよい。
さらに、受光部0の受光素子8は、光電セルに限らず、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の素子であってもよく、要は光を受けてインピーダンスが変化する素子であればよい。
前記実施形態における受光部0の各部の材質は、以下の材質であってもよい。
基板1の材質は、Si,Ge,ダイヤモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AIP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII-V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性或いは半導電性の単結晶基板としてはNb,La等をドープしたSrTiO3,AlをドープしたZnO,In2O3,RuO2,BaPbO3,SrRuO3,YBa2Cu2O7-X,SrVO3,LaNiO3,La0.5Sr0.5CoO3,ZnGa2O4,CdGa2O4,MgTiO4,MgTi2O4等の酸化物、またはPb,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられるが、既存の半導体プロセスとの適合性やコスト面から、Si,GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
前記実施形態では、複数の受光部0を識別する手段として、変換部3および反射部7の形状及び大きさを異ならせて、誘電体薄膜に発生する表面弾性波の周波数を個々に設定し、この周波数で識別させるようにしている。センサを識別する手段はこれに限らず、櫛型電極の形状及び大きさを同形状にして櫛型電極間の離間距離d(図2参照)を異ならせることによっても実現することができる。
具体的には、櫛型電極間の離間距離を異ならせることで、誘電体薄膜上に発生する表面弾性波の時間が異なる。この点に着目し、発信部21の電波信号発信から受信部22での電波信号受信までの時間を計測することによりセンサの識別化を図る。
Claims (7)
- 被検出物が通過する通路に対して光を照射する発光手段と、
前記発光手段が照射した光を前記通路を介して受光するか、または前記光が前記被検出物によって反射された際の反射光を受光する複数の受光手段と、を設け、
前記各受光手段は、
基板と、
前記基板上に形成され、外部の送受信手段との間で電波信号の授受を行う送受信部と、
前記送受信部で受信した電波信号から弾性表面波又は弾性表面波から電波信号に変換する変換部と、
前記変換部が発生した機械振動によって発生させられた弾性表面波を反射する反射部と、
前記発光手段から照射された光の光量に応じてインピーダンスを変化させる受光素子と、
前記受光素子のインピーダンスの変化を受けて前記反射部の弾性表面波の反射率を変えることにより、当該弾性表面波の属性を変化させるインピーダンス変換部と、をそれぞれ具備し、
前記変換部および前記反射部は、複数の対をなして対毎に異なった周波数の電波信号に対応した弾性表面波を発生する形状となる
ことを特徴とするフォトセンサ。 - 請求項1記載のフォトセンサにおいて、
前記受光手段は異なる位置に複数設けられ、
前記発光手段は前記各受光手段が受光できる領域に光を照射する
ことを特徴とするフォトセンサ。 - 請求項1または2記載のフォトセンサにおいて、
前記受光手段は、電波信号が供給されると、それをエネルギー源として光変動を反映した情報と識別情報をもった電波信号を生成して出力する
ことを特徴とするフォトセンサ。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載のフォトセンサにおいて、
前記発光手段は、エレクトロルミネッセンス素子または光源を面発光させる拡散シートとした
ことを特徴とするフォトセンサ。 - 請求項1〜4のいずれか1に記載のフォトセンサを有し、
前記送受信部は、前記外部の送受信手段との間で複数の異なる周波数の電波信号の授受を同時に行う
ことを特徴とするフォトセンサ。 - 請求項1〜5のいずれか1に記載のフォトセンサを有し、
前記フォトセンサの受光手段に向けて所定周波数の電波信号を送信すると共に、前記受光手段から送信される電波信号を受信する前記送受信手段と、
前記送受信手段で受信した電波信号に基づいて前記被検出物の有無を判定する判定手段と、を備えた
ことを特徴とする被検出物検知装置。 - 請求項1〜6のいずれか1に記載のフォトセンサが、少なくともシート搬送路に設けられる
ことを特徴とする画像形成装置。
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