JP2006267184A - 用紙トレーおよび画像形成装置 - Google Patents

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慎一 田井
Hiroyuki Funo
浩之 不野
Yasushi Iida
靖 飯田
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雅夫 渡部
Ryota Mizutani
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Abstract

【課題】 ハーネス引き回しや中継コネクタなどによる障害を発生させることなく画像形成を行う際の画質の低下を緩和させる技術を提供する。
【解決手段】 用紙トレー131の底板311に、温度及び湿度を検知するワイヤレスセンサ314を設置し、ワイヤレスセンサ314の検知した温度または湿度に基づいて、定着器126が行う定着処理の定着温度、定着速度及びニップ幅を調節する。また、湿度が基準値以上の場合には、紙詰まりの発生を警告する旨をユーザに報知する。また、検知した温度または湿度を記憶部160に記憶することによって、不具合発生時の原因特定を容易に行うことができるようになる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成を行う際の画質の低下を緩和させるための技術に関する。
カラープリンタやカラー複写機等の電子写真方式の画像形成装置は、露光、現像、転写、定着、という幾つかの工程を経ることによって用紙(記録材)にトナー像を形成する。これら各工程のうち定着を行う定着装置は、用紙の搬送路を挟んで対向するように配置された一対のロール部材を備えており、これらのロール部材が互いに接触する領域(ニップ領域)を用紙が通過する際に、その用紙に熱と圧力を加えることによってトナーを用紙に定着させる。
ところで、画像形成装置が設置されている環境の温度や湿度等の環境条件によって、用紙の温度や湿度等も変動するため、環境状態によっては上述した定着処理において用紙走行不良や画質不良等が発生する場合がある。例えば用紙の温度が低すぎる場合は定着不良やコールドオフセットが発生しやすく、用紙の温度が高すぎる場合は過剰定着になりやすくホットオフセットが発生しやすい。また、湿度が高すぎる場合には紙詰まりが発生することがある。
環境温度の変動に関わらずに最適な定着が行われることを目的として、コピー機やプリンタ等の画像形成装置において、用紙トレーに温度センサを設け、該温度センサによって所定時間ごとに用紙温度を検出し、検出された用紙温度に応じて定着温度を制御する技術が開示されている(特許文献1)。
特開平05−333740号公報
一般的に、用紙トレーは画像形成装置本体から脱着可能な構成となっているため、特許文献1に記載の技術を用いる場合は、用紙トレーに電気部品を設置する為にリード線を引き回す必要があり、さらには脱着可能な中継コネクタを介した電気的接続を行う必要がある。そのため、温度検知センサのようなアナログ出力部品に対しては、コネクタ間の接触不良やリード線の経時劣化等によって出力電圧の変動を生じるなどの問題が発生する。
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線の引き回しや中継コネクタ等による障害を発生させることなく画像形成を行う際の画質の低下を緩和させる技術を提供することである。
上記課題を達成するために、本発明は、用紙収容部と、用紙収容部と、前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段とを備えることを特徴とする用紙トレーを提供する。
本発明の好ましい態様においては、前記測定手段は、前記用紙収容部に前記用紙が束となって収容された状態において、前記束の上面または下面に接するように設けられていてもよい。
また、本発明は、用紙収容部と、前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を認識する受信手段と、前記受信手段で認識された温度または湿度に基づいて、前記画像形成手段の制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、本発明は、用紙収容部と、前記用紙収容部から搬送された用紙にトナーを定着させることによって画像を形成する画像形成手段と、前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度を認識する受信手段と、前記受信手段で認識された温度に基づいて、前記画像形成手段が前記紙に前記トナーを定着させる際の定着温度または定着速度またはニップ幅の少なくともいずれか一つを制御するトナー定着制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、本発明は、用紙収容部と、前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の湿度を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の湿度を認識する受信手段と、前記受信手段で認識された湿度が所定の値よりも高い場合に、音声または表示の少なくともいずれか一方で報知する報知手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、本発明は、用紙収容部と、前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記用紙収容部または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を認識する受信手段と、前記受信手段によって認識された温度または湿度を記憶する記憶手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
なお、上述の用紙トレーや画像形成装置において、前記測定手段は、電波信号が供給されると、それをエネルギー源として前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した属性を持った電波信号を生成して出力するものがよい。例えば、このような構成の測定手段としては、INFRATAB.inc社のINFRATAB FreshAlert(商標登録)など、公知のRFID(Radio Frequency Identification)等を用いたパッシブ型ワイヤレスセンサなどがある。
また、上述の用紙トレーや画像形成装置において、前記測定手段は、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が温度または湿度によって変化する振動媒体部と、前記弾性表面波を電気信号に変換して電波として送信する送信部とを備えるようにしてもよい。
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置100の全体構成を示した図である。この画像形成装置100は、例えばカラープリンタやカラー複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複合機等である。図1に示すように、画像形成装置100の構成は、画像読取部110と、画像形成部120と、用紙供給部130とに大別される。さらに、画像形成装置100は、ユーザが各種の操作を行うためのユーザインタフェース部140を備えている。このユーザインタフェース部140は、タッチパネルとして機能する液晶ディスプレイを備えており、ユーザはこの液晶ディスプレイに触れることで各種操作を行うことができる。
画像読取部110は、CCD(Charge Coupled Device)等により構成される光学系部材(図示略)を備えており、載置された原稿の画像を光学系部材によって読み取り、読み取った画像を表す画像データを生成するものである。
用紙供給部130は、画像形成用の用紙Paを積み重ねて収容する用紙トレー131a,131bと、この用紙トレー131a,131bから搬送路132を経由して画像形成部120へ用紙Paを1枚ずつ搬送するための搬送ロール134a〜134cとを備えている。また、用紙トレー131a,131bは、画像形成装置100本体から引き出し可能となっており、ユーザは、画像形成装置100本体から用紙トレー131a,131bを引き出して用紙Paを補充する。
ここで、図2を参照しながら、用紙トレー131a,131bについてさらに詳しく説明する。なお、以下では、用紙トレー131a,131bの各々を区別する必要がない場合には、単に「用紙トレー131」として説明する。
図2(a)は用紙トレー131の縦断面図であり、図2(b)は用紙トレー131の横断面図である。図において、311は、用紙トレー131の下部に設けられ、用紙Paの下面を支える底板であり、312は、底板311を上方に押し上げるためのバネである。バネ312が底板311を上方に押し上げることにより、用紙トレー131に収容されている用紙Paの最上位面がほぼ一定の高さに位置するようになっている。313は、用紙トレー131に収容された用紙Paを1枚ずつ搬送路132に送り出すためのピックアップローラである。バネ312が底板311を上方に押し上げることによって、用紙Paがピックアップローラ313に当接するようになっている。
314aは、用紙Paの温度を検知するためのワイヤレスセンサであり、314bは、用紙Paの湿度を検知するためのワイヤレスセンサである。このワイヤレスセンサ314a,314bは、所定の電波を受信すると、受信した電波の応答信号として、検知した温度を示す電波を送信する。このワイヤレスセンサ314a,314bの構成については、後に詳細に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。このワイヤレスセンサ314a,314bは、用紙トレー131の底板311の上面であって、用紙トレー131に収容される各サイズの用紙Paが共通して底板311を覆う部分に設置されている。つまり、用紙トレー131に用紙Paが収容されている状態では、ワイヤレスセンサ314a,314bは常に最下部の用紙Paと接するようになっている。このため、このワイヤレスセンサ314a,314bは用紙Paの温度または湿度を正確に測定することができるようになっている。なお、以下では、ワイヤレスセンサ314a,314bを各々区別する必要がない場合には、単に「ワイヤレスセンサ314」として説明する。
ワイヤレスセンサ314は、受信した電波によって応答信号を生成するため、画像形成装置100本体と用紙トレー131との間の配線を必要とせず、例えばユーザが用紙Paを補充するために用紙トレー131を抜き差ししても配線に対する引っ張りや屈曲等による断線などの障害が発生することはない。
ここで再び図1を参照し、画像形成装置100の他の各部の説明を続ける。
図1において、画像形成部120は、画像読取部110で生成された画像データに基づいて、トナー像を生成し、生成したトナー像を用紙Paに転写及び定着させて画像を形成するものである。図1に示すように、画像形成部120は、YMCK各色の画像形成ユニット121Y,121M,121C,121Kと、駆動ロール122と、中間転写ベルト123と、二次転写ロール124と、バックアップロール125と、定着器126とを備える。画像形成ユニット121Y,121M,121C,121Kは、感光体ドラム上に像光を照射して表面に静電電位の差による潜像を形成し、この潜像をトナーの選択的な付着によって可視化してトナー像とし、このトナー像を中間転写ベルト123に転写する。中間転写ベルト123は駆動ロール122によって図中c方向に回転されることで転写されたトナー像を移動させる。
上述のトナー像の形成及び移動に平行して、用紙供給部130は用紙Paを供給する。用紙トレー131a,131bから供給された用紙Paは搬送ロール134a〜134cによって搬送され、二次転写ロール124と中間転写ベルト123により形成されるニップ領域へと移動される。
二次転写ロール124は、対向するバックアップロール125によって適当な圧力を付与され、上記ニップ領域において中間転写ベルト123上のトナー像を用紙Paへと転写(二次転写)する。二次転写ロール124に転写された用紙Pa上のトナー像は未定着状態である。定着器126は、この未定着トナーを加熱及び加圧し、融合および固着することで用紙Paに定着させる。
次に、ワイヤレスセンサ314に関わる画像形成装置100の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、ワイヤレスセンサ314に関わる画像形成装置100のハードウェア構成を概略的に示したブロック図である。図において、150は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えた制御部である。160は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶装置を備える記憶部であり、画像形成装置100の各部を動作させるためのプログラムを記憶している。制御部150は、記憶部160に記憶されたプログラムを実行することによって画像形成装置100各部の動作を制御する。
また、記憶部160の不揮発性記憶領域には、定着制御情報テーブルTBLと、用紙温度情報INF1と、用紙湿度情報INF2と、湿度基準値情報INF3とが記憶されている。定着制御情報テーブルTBLには、制御部150が定着器126の制御を行う際に利用される情報が記述されている。ここで、図4は、定着制御情報テーブルTBLのデータ構成を示す図である。図4に示すように、定着制御情報テーブルTBLには、「用紙温度」、「定着温度」、「定着速度」及び「ニップ幅」の各項目が互いに関連づけられている。これらの項目のうち、「用紙温度」は用紙トレー131に収容された用紙Paの温度情報を意味している。また「定着温度」は定着器126がトナーを用紙Paに定着させる際の温度情報を意味している。「定着速度」は定着器126がトナーを用紙Paに定着させる際の速度情報を意味している。「ニップ幅」は二次転写ロール124と中間転写ベルト123により形成されるニップ領域の幅(ニップ幅)情報を意味している。
画像形成装置100の制御部150は、ワイヤレスセンサ314によって検知された用紙Paの温度が、前回検知した温度から変化していた場合には、新しく検知された温度情報をキーとしてこの定着制御テーブルTBLを参照し、検索された温度情報と対応づけて記憶されている定着温度、定着速度及びニップ幅を読み出し、読み出した情報に基づいて、定着器126の定着温度、定着速度及びニップ幅を調節する。このようにすることによって、用紙Paの温度が変動した場合であっても、定着器126は最適な定着処理を行うことができるようになる。
次に、記憶部160に記憶されている用紙温度情報INF1は、ワイヤレスセンサ314aで検知した用紙Paの温度情報を意味している。また、用紙湿度情報INF2は、ワイヤレスセンサ314bで検知した用紙Paの湿度情報を意味している。制御部150は、所定の時間間隔で、定期的にワイヤレスセンサ314aを用いて温度情報を検知させ、記憶部160に記憶されている用紙温度情報INF1を更新する。また同様にして、用紙湿度情報INF2についても更新する。湿度基準値情報INF3は、定着器126が用紙Paにトナーを適切に定着できる湿度の上限値を意味する。制御部150は、用紙Paの湿度がこの値より高い場合に、紙詰まりが発生しやすいと判断し、ユーザインタフェース部140の液晶表示パネルに警告メッセージを表示する。
170は、ワイヤレスセンサ314と無線による通信を行うための無線通信部である。無線通信部170は、アンテナ部171と、増幅器AMPと、A/D変換器172とを備えている。アンテナ部171は、ワイヤレスセンサ314に電波を送信するとともに、ワイヤレスセンサ314から出力される電波を受信する。増幅器AMPは、アンテナ部171で受信した電波を増幅する。A/D変換器172は、ワイヤレスセンサ314と送受信する信号のアナログ−デジタル変換を行う。
制御部150は、所定のタイミングで、アンテナ部171を介してワイヤレスセンサ314に、検知信号を要求するための電波を送信する。ワイヤレスセンサ314は、アンテナ部171から電波を受信すると、用紙Paの温度を示す情報を、応答信号としてアンテナ部171に送信する。この応答信号を制御部150が解析することによって、制御部150は、用紙Paの温度を得ることができる。
なお、ワイヤレスセンサ314aとワイヤレスセンサ314bとが発信する応答信号は、その周波数がそれぞれ異なっており、制御部150は、アンテナ部171を介して受信した応答信号の周波数を判断することによって、ワイヤレスセンサ314aまたはワイヤレスセンサ314bのどちらのセンサから応答信号を受信したのかを判断できるようになっている。
続いて、本実施形態である画像形成装置100の動作について説明する。
(2)用紙Paの温度を検知する動作
まず、ワイヤレスセンサ314aを用いて用紙Paの温度を検知し、検知した温度に基づいて画像形成部120の制御を行う動作について説明する。
図5は、この実施例において画像形成装置100の制御部150が行う処理を示したフローチャートである。図5において、画像形成装置100の制御部150は、所定のタイミングにおいて、ワイヤレスセンサ314aに対して、所定の周波数の電波をアンテナ部171を介して送信する(ステップS11)。
ワイヤレスセンサ314aは、無線通信部170から電波を受信すると、検知している温度に対応した応答信号を無線通信部170に対して送信する。
画像形成装置100の制御部150は、無線通信部170を介してワイヤレスセンサ314aから応答信号を受信したことを検知すると(ステップS12;Yes)、受信した応答信号を解析して用紙Paの温度を算出する(ステップS13)。そして、算出した温度と記憶部160に記憶されている用紙温度情報INF1とを比較し、用紙Paの温度が前回計測した温度から変化しているか否かを判定する(ステップS14)。画像形成装置100の設置されているオフィスの環境条件は朝、昼、夕では異なり、それに伴って用紙トレー131内の環境条件も同じように変化する。その為に、以前に設定された定着温度は環境温度の変化によって最適な定着条件ではなくなる可能性がある。この対応策として、本発明では画像形成装置100の電源投入時から所定時間毎に、用紙Paの温度を検出して、その検知信号に応じて定着温度等を再設定する。用紙Paの温度が変化したと判断された場合は(ステップS14;YES)、現在の用紙Paの温度情報をキーとして定着制御情報テーブルTBLを検索し、検索された温度情報と対応づけて記憶されている定着温度、定着速度及びニップ幅を読み出し、読み出した情報に基づいて、定着温度、定着速度及びニップ幅をそれぞれ再調節する(ステップS15)。そして、現在の用紙Paの温度情報を、記憶部160に記憶されている用紙温度情報INF1が記憶されている領域に記憶することによって、用紙温度情報INF1を更新する(ステップS16)。
本実施形態のように、中間転写ベルト23等の中間転写体を用いた画像形成装置100では、用紙Paが用紙トレー131から供給が開始される前後のタイミングで作像が開始されるために、用紙Paの温度や湿度等の測定結果を定着処理にフィードバックするためには、用紙Paの温度や湿度等は作像が開始される前、即ち用紙トレー131の位置で計測する必要がある。上述したように、用紙トレー131の位置で用紙Paの温度を計測することにより、測定結果を適切に定着処理にフィードバックすることが可能となる。
また、ワイヤレスセンサ314aは、受信した電波によって応答信号を生成するため、画像形成装置100本体と用紙トレー131との間の配線を必要とせず、例えばユーザが用紙Paを補充するために用紙トレー131を抜き差ししても配線に対する引っ張りや屈曲等による断線などの障害が発生することはない。
また、従来技術では、オフセットが発生した場合でも、温度が低いために発生したコールドオフセットなのか、それとも温度が高いために発生したホットオフセットなのか、どちらの原因でオフセットが発生したのかを特定することが難しかったが、用紙Paの温度を記憶し、定期的に更新することにより、画像形成装置の管理者は、温度の履歴を参照することができ、原因を容易に分離することが可能となる。
(3)用紙Paの湿度を検知する動作
次に、ワイヤレスセンサ314bを用いて用紙Paの湿度を検知し、検知した湿度に基づいて画像形成部120の制御を行う動作について説明する。
図6は、この実施例において画像形成装置100の制御部150が行う処理を示したフローチャートである。図6において、画像形成装置100の制御部150は、所定のタイミングにおいて、ワイヤレスセンサ314bに対して、所定の周波数の電波をアンテナ71を介して送信する(ステップS21)。
ワイヤレスセンサ314bは、無線通信部170から電波を受信すると、湿度を検知し、検知した湿度を示す応答信号を、無線通信部170に対して送信する。
画像形成装置の制御部150は、無線通信部170を介してワイヤレスセンサ314bから応答信号を受信したことを検知すると(ステップS22;Yes)、受信した応答信号を解析して用紙Paの湿度を算出する(ステップS23)。そして、算出した湿度と、湿度基準値情報INF3とを比較し、算出した湿度が湿度基準値情報よりも高いか否かを判断する(ステップS24)。湿度が基準値以上であると判断された場合は(ステップS24;YES)、制御部150は、ユーザインタフェース部140の液晶ディスプレイに、例えば「湿度が高いので、紙詰まりの発生確率が高くなります。」や、「用紙Paを乾燥させて使ってください。直ぐコピーする場合は新しい紙をご使用ください」、といったメッセージを表示する(ステップS25)。そして、現在の用紙Paの湿度情報を、記憶部160に記憶されている用紙湿度情報INF2が記憶されている領域に記憶することによって、用紙湿度情報INF2を更新する(ステップS26)。
これにより、湿度が高く紙詰まりが発生しやすい状態の場合にその旨をユーザに報知することができ、紙詰まりを事前に防ぐことが可能となる。また、ワイヤレスセンサ314bは、受信した電波によって応答信号を生成するため、画像形成装置100本体と用紙トレー131との間の配線を必要とせず、例えばユーザが用紙Paを補充するために用紙トレー131を抜き差ししても配線に対する引っ張りや屈曲等による断線などの障害が発生することはない。
(4)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(4−1)
上記実施形態では、温度及び湿度情報は、用紙温度情報INF1と用紙湿度情報INF2として、各々1つずつしか記憶しないようにしたが、定期的に計測した温度情報または湿度情報を時系列的に複数記憶するようにしてもよい。これにより、不具合の原因の分離をより好適に行うことができる。
(4−2)
上記実施形態では、湿度情報が基準値以上の場合に液晶ディスプレイに警告メッセージを表示することによってユーザに報知するようにしたが、ユーザに報知する方法をこれに限定するものではなく、例えば、警告音または音声メッセージ等を出力することによって報知するようにしてもよく、表示出力と音声出力を併用して報知するようにしてもよい。つまり、ユーザに適切に報知できる方法であればどのような報知手段を用いてもよい。
(4−3)
上記実施形態では、一定の間隔で、用紙Paの湿度及び温度を検出するようにしたが、用紙Paの湿度及び温度を検出するタイミングをこれに限定するものではなく、例えば画像形成処理が行われる度に湿度及び温度を計測し直すようにしてもよい。また、紙詰まりなどの不具合が発生した際にも計測し直すようにしてもよい。
(4−4)
上記実施形態では、2つのワイヤレスセンサ314a,314bを用いて用紙Paの温度と湿度を検知するようにしたが、ワイヤレスセンサ314の数を2に限定するものではなく、いずれか一方のセンサのみを用いるようにしてもよく、3個以上のワイヤレスセンサ314を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、用紙トレー131の底板311の上面にワイヤレスセンサ314を設置し、用紙トレー131に収容された最も下の用紙の下面がワイヤレスセンサ314と接するようにしたが、ワイヤレスセンサ314の設置位置をこれに限定するものではなく、用紙トレー131に収容された用紙の温度または湿度が好適に検出できる位置であればどのような位置であってもよい。例えば、最も上の用紙の上面と接する位置にワイヤレスセンサ314を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、用紙トレー131に収容された用紙Paの温度と湿度を検知するようにしたが、用紙ではなく用紙トレー131そのものの温度または湿度を検知するワイヤレスセンサを設けるようにしてもよい。
(4−5)
また、上記実施形態では、温度検知用のワイヤレスセンサ314aと湿度検知用のワイヤレスセンサ314bとを、周波数を違えることによって区別するようにしたが、両センサの区別方法をこれに限定するものではなく、ふたつのセンサの応答信号を区別できるものであればどのような方法を用いてもよい。
(4−6)
上記実施形態では、定着器126が用紙Paにトナーを定着させる際の定着温度、定着速度、ニップ幅を、用紙Paの温度に応じて調節するようにしたが、いずれか一つのみを調節するようにしてもよく、または他のパラメータを調節するようにしてもよい。つまり、定着処理または画像形成処理を適切に行うことができるようなものであればどのようなものであってもよい。
(4−7)
また、上記実施形態で用いた湿度基準値情報は、ユーザが設定できるようにしてもよく、画像形成装置の制御部がそれまでの履歴から最適な基準値を算出するようにしてもよい。例えば紙詰まり発生時の湿度値を随時記憶しておき、これらの平均値を湿度基準値情報として設定するようにしてもよい。
(4−8)
また、用紙トレーに設けたワイヤレスセンサの電波強度に基づいて、用紙トレーと画像形成装置本体との距離を測定し、測定された距離が所定値以上の場合にユーザに報知するようにしてもよい。これにより、例えば用紙トレーが画像形成装置が引き出された状態であったり、用紙トレーが画像形成装置に適切にセットされていない場合であっても、それを検知してユーザに報知することができ、ユーザの作業効率を向上させることができる。
(5)ワイヤレスセンサ314の構成と動作
次に、上述した実施形態におけるワイヤレスセンサ314について、その構成と動作の一例を以下に説明する。なお、ワイヤレスセンサ314の構成をこれに限定するものではなく、用紙Paの温度または湿度が好適に検出できるものであればどのような構成であってもよい。なお、以下の説明では、上述の実施形態における無線通信部170を発信機11および受信機12として説明する。
<センサの基本構造>
図7は、本発明の実施の形態に係るワイヤレスセンサ314を示す。このワイヤレスセンサ314は、基台となる基板1と、該基板1上に形成され、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)が伝播する誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する変換部としての一対の櫛型電極(IDT:Inter-digital Transducer)3A,3Bと、この一対の櫛型電極3A,3Bの一方にインピーダンスマッチング部5A,5Bを介して接続され、外部の送受信機との間で電波の授受を行う送受信部としてのアンテナ4A,4Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの他方に接続されたグランド6A,6Bと、基板1の裏面に形成され、グランド6A,6Bにスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極7とを具備して構成されている。
このワイヤレスセンサ314における弾性表面波の周波数は、櫛型電極3A,3Bおよびインピーダンスマッチング部5A,5Bの形状で設定される。
基板1の材料としては、Si,Ge,ダイヤモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AIP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII-V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性或いは半導電性の単結晶基板としてはNb,La等をドープしたSrTiO,AlをドープしたZnO,In,RuO,BaPbO,SrRuO,YBaCu7−X,SrVO,LaNiO,La0.5Sr0.5CoO,ZnGa,CdGa,MgTiO.MgTi等の酸化物、またはPb,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられるが、既存の半導体プロセスとの適合性やコスト面から、Si,GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
誘電体薄膜2の材料としては、SiO,SrTiO,BaTiO,BaZrO,LaAlO,ZrO,Y8%−ZrO,MGO,MgAl,LiNbO,LiTaO,AlVO,ZnO等の酸化物、ABO型のペロブスカイト型としてBaTiO,PbTiO,Pb1−XLa(ZrTi1−y1−X/4(x,yの値によりPZT,PLT,PLZT),Pb(Mg0-3Nb2/3)O,KNbO等の正方系、斜方系或いは疑立方晶系材料、疑イルメナイト構造体としてLiNbO,LiTaO等に代表される強誘電体等、またはタングステンブロンズ型として、SrBa1−XNb,PbBaNb等が挙げられる。この他に、BiTi12,PbKNb15,KLiNb15、さらに以上列挙した強誘電体の置換誘電体等から選択される。さらに、鉛を含むABO型のペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。特に、これらの材料のうちLiNbO,LiTaO,ZnO等の材料は、弾性表面波の表面速度、圧電定数等の変化が顕著でより好ましい。誘電体薄膜2の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.1μmから10μmの間に設定される。
また、この誘電体薄膜2は、櫛型電極3における電気機械結合係数/圧電係数、或いはアンテナ4の誘電損失等の観点から、エピタキシャルまたは単一配向性を有することが好ましい。また、誘電体薄膜2上にGaAS等のIII−V族半導体或いはダイヤモンド等の炭素を含有する薄膜を形成してもよい。これにより、弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等が向上できる。
櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bは、導電パターンにより一体的に形成される。この導電パターンの材料としては、Ti,Cr,Cu,W,Ni,Ta,Ga,In,Al,Pb,Pt,Au,Ag等の金属、またはTi−Al,Al−Cu,Ti−N,Ni−Cr等の合金を、単層もしくは2層以上の多層構造に積層することが好ましく、特に金属としてはAu,Ti,W,Al,Cuが好ましい。また、この金属層の膜厚は、1nm以上10μm未満とすることが好ましい。
次に、基本的な動作について説明する。なお、図7に示すワイヤレスセンサ314の平面図において、便宜上、信号が図面向かって左側から右側に移動するものとするが、実際には信号の流れには方向性がある訳ではない。
外部の発信機から送信される電波は、アンテナ4Aで電気信号に変えて受信され、アンテナ4Aで受信された電気信号は櫛型電極3Aで誘電体薄膜2表面の弾性表面波に変換される。この弾性表面波は、櫛型電極3Aから櫛型電極3Bに向けて移動し、櫛型電極3Bに到達した弾性表面波は、櫛型電極3Bで電気信号に変換されてアンテナ4Bを経由して外部の受信機に向けて送信される。
誘電体薄膜2の表面に発生する弾性表面波は、この誘電体薄膜2に加わった物理量(例えば、温度・湿度・圧力・加速度等)の変化によって、振幅、位相差、周波数等が変化する。この弾性表面波の変化を電気信号として受信機で受信し、この受信機において、電気信号における変化を解析する。これにより、受信機側では、ワイヤレスセンサ314に加わる物理量をワイヤレス状態で計測することが可能となる。
以上が、1つの周波数に対応したワイヤレスセンサの説明であったが、次に複数の周波数に対応できるワイヤレスセンサについて説明する。
図8に示すように、形状の異なる櫛型電極3A-1,3B-1…3A-4,3B-4が形成されたワイヤレスセンサ314´においては、外部から送信される電波の周波数により複数の周波数に対応した弾性表面波が誘電体薄膜2上に発生する。
例えば、櫛型電極3A-1,3B-1およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf1、櫛型電極3A-2,3B-2およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf2、櫛型電極3A-3,3B-3およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf3、櫛型電極3A-4,3B-4およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf4とする。
なお、図8では、グランドおよびグランド電極の図示は省略して描いている。
ここで、外部の発信機から周波数f1の電波が送信されると、櫛型電極3A,3Bでは、この周波数f1に対応した電極3A-1が周波数f1の弾性表面波を発生し、電極3B-1が弾性表面波の受信に関与することになり、他の櫛型電極3A-2,3B-2〜3A-4,3B-4は周波数f1の弾性表面波の発生には関与しないようになる。換言すれば、この複数の櫛型電極3A-1,3B-1…3A-4,3B-4は、誘電体薄膜2に発生する弾性表面波の周波数を設定するBPF(バンドパスフィルタ)として機能することになる。
図8に示したワイヤレスセンサ314´を、4カ所の測定対象1〜4に個々に配置し、それぞれのワイヤレスセンサを314´-1,314´-2,314´-3,314´-4とする。この場合には、外部から送信される電波の周波数を個々の周波数f1〜f4に設定して発信することにより、対象となるワイヤレスセンサ314´から必要な物理量を測定することが可能となる。
例えば、周波数f1の電波では測定対象1に配置されたワイヤレスセンサ314´-1による測定が、周波数f2の電波では測定対象2に配置されたワイヤレスセンサ314´-2による測定が、周波数f3の電波では測定対象3に配置されたワイヤレスセンサ314´-3による測定が、周波数f4の電波では測定対象4に配置されたワイヤレスセンサ314´-4による測定が可能となる。
<温度センサ>
次に、前述したワイヤレスセンサ314を温度センサとして利用する場合について説明する。
温度センサとして使用するためには、図7に示した誘電体薄膜2の材料にLiNbOを使用する。このLiNbOの結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して敏感に変化する材質でその温度係数は約75×10−6/℃となる。この温度における伝搬速度の変化は、弾性表面波の周波数を変化させることになる。例えば、実験においては、温度が約100℃変化することにより、弾性表面波の中心周波数f0に対して約0.2〜0.3%程度周波数が変化する結果を得ている。
ここで、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよび櫛型電極3A,3Bは、外部の発信機から送信される電波の中心周波数f0に合わしたBPFとして機能させるため、受信機により受信した電波の強度は、周波数の変化によりシフトされることになる。このワイヤレスセンサ314は、温度変化に応じて受信機における受信信号の強度が線形に変化するワイヤレスの温度センサとなる。
次に、温度測定対象の複数の部位に設置された複数個のワイヤレスセンサ314-1〜314-4の信号処理動作について、図9を参照しつつ説明する。この使用例では、ワイヤレスセンサを4個とした場合を例示したがこれに限定されるものではない。
この使用例では、ワイヤレスセンサ314-1,314-2,314-3および314-4(以下、総称としてワイヤレスセンサ314を用いる)は、発信機11からの電波を受けて個々の櫛型電極で設定された周波数の弾性表面波を誘電体薄膜2上に発生させ、温度に応じて弾性表面波の周波数を変化させて受信機12に向けて温度変化に対応した周波数の信号を送信する。そして、受信機12では、受信した信号を解析して個々のセンサが設置された位置の温度を得る。
前述した如く、ワイヤレスセンサ314は、弾性表面波の周波数が、櫛型電極3A,3Bの形状で設定される。この使用例に用いられるワイヤレスセンサ314-1には、図8に示したワイヤレスセンサ314´の櫛型電極3A-1,3B-1が形成され、ワイヤレスセンサ314-2にはワイヤレスセンサ314´の櫛型電極3A-2,3B-2が形成され、ワイヤレスセンサ314-3にはワイヤレスセンサ314´の櫛型電極3A-3,3B-3が形成され、ワイヤレスセンサ314-4にはワイヤレスセンサ314´の櫛型電極3A-4,3B-4が形成されている。これにより、ワイヤレスセンサ314の誘電体薄膜に発生する弾性表面波の周波数が、ワイヤレスセンサ314-1がf1、ワイヤレスセンサ314-2がf2、ワイヤレスセンサ314-3がf3、ワイヤレスセンサ314-4がf4となる。即ち、ワイヤレスセンサ314が受信する電波の周波数f1〜f4によってワイヤレスセンサ314-1〜314-4が特定されることになる。
次に、発信機11および受信機12の構成および動作について説明する。
発信機11は、周波数f1,f2,f3,f4の矩形状波を合わせた電波を発信する。
受信機12は、ワイヤレスセンサ314から発信される信号を受信するアンテナ13と、受信した信号をデジタル化するRF部及びデジタル化を行う信号変換部とそれらに基づき、解析・演算を行う制御部14とを備えている。ここで、制御部14はマイクロコンピュータからなり、CPU14A、ROM14B、RAM14C等を具備して構成されている。ROM14Bには、ワイヤレスセンサ314の設定周波数f1〜f4近傍を抽出するBPF機能、周波数変化から温度に換算する演算機能等のプログラムが格納されている。RAM14Cは、前記プログラムを実行する際のワークエリアとして利用される。また、記憶エリア14Dには周波数の変化分から温度を算出するためのテーブル(または換算式)が記憶されている。
前述した如くに、ワイヤレスセンサ314-1,314-2,314-3および314-4では、発信機11からの電波を受けて個々の櫛型電極で設定された周波数の弾性表面波を誘電体薄膜2上に発生させる。即ち、誘電体薄膜2上に発生する弾性表面波の周波数は、ワイヤレスセンサ314-1がf1、ワイヤレスセンサ314-2がf2、ワイヤレスセンサ314-3がf3、ワイヤレスセンサ314-4がf4となる。そして、ワイヤレスセンサ314-1,314-2,314-3および314-4は、各部位の温度に応じた周波数変化の生じた電波を受信機12に送信する。
次に、受信機12における受信電波の処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。
この受信機12は、4個のワイヤレスセンサ314-1〜314-4から発信される電波を受信する。
まず、CPU14Aは、アンテナ13を介してワイヤレスセンサ314-1〜314-4からの電波を受信する(ステップS1)。受信される電波は、4つの周波数が合わさった信号として受信される。CPU14Aは図示しないカウンタを「n=0」に設定する(ステップS2)。
CPU14Aは、周波数f1近傍を抽出するBPF処理を行い(ステップS3)、予め記憶エリア14Dに記憶されたテーブルからワイヤレスセンサ314-1によって計測された温度を算出する(ステップS4)。さらに、この結果をRAM14Cに記憶する(ステップS5)。
CPU14Aはカウンタを歩進して「n=n+1」とし(ステップS6)、このnが4以上になったか否かを判定する(ステップS7)。この判定で、カウンタ値「4」未満の場合には各センサからの換算が終了していないために、ステップS3以降の処理を続行し、カウンタ値「4」に達した場合には、4個のセンサに対しての測定結果が算出されたものとして、次のステップS8に移る。
ステップS8では、CPU14Aはワイヤレスセンサ314-1〜314-4の結果をRAM14Cに記憶された測定結果を図示しないモニタ等に表示する。或いは、各センサからの温度に対する測定結果に基づき、各センサが設置された温度測定対象に対応した各種処理を行う。
この使用例においては、周波数に応じてセンサを識別することにより、個々のセンサからの測定結果を得ることができる。
<湿度センサ>
次に、前述したワイヤレスセンサ314を湿度センサとして利用する場合について説明する。
湿度センサとして使用するためには、図7に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaOを使用する。このLiTaOの結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して変化が少ない材質でその温度係数は約18.0×10−6/℃となる。LiNbOの結晶に対して温度係数は約1/4と小さく10℃の温度変化に対して弾性表面波の変化率は0.005%程度となる。
また、LiTaOの表面に酢酸セルロースの薄膜を約10μmでスピンコートにより形成する。この酢酸セルロースは吸水性を持ち、湿度10%〜70%RH(相対湿度パーセント)の間に比誘電率が約50%変化する性質を有する。このように誘電率の変化する膜をLiTaO上に形成することにより、例えば、実験においては、湿度が10%〜70%変化することにより、弾性表面波の速度に約0.06%の変化が得られている。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、湿度センサとしてワイヤレスセンサ314を用いた場合には、実験結果から中心周波数f0に対して約0.06%程度周波数が変化することが検知されている。
また、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさは、外部の発信機から送信される電波の中心周波数f0に合わせたBPFとして機能させるため、受信機により受信した電波の強度は、周波数の減衰によりシフトされることになる。このワイヤレスセンサ314では、湿度変化に応じて受信機における受信信号の強度が線形的に変化する湿度センサを実現する。
なお、前記実施形態では、各センサを識別する手段として、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさ異ならせて、誘電体薄膜に発生する表面弾性波の周波数を個々に設定し、この周波数で識別させるようにしている。センサを識別する手段はこれに限らず、櫛型電極の形状及び大きさを同形状にして櫛型電極間の離間距離d(図7参照)を異ならせることによっても実現することができる。
具体的には、櫛型電極間の離間距離を異ならせることで、誘電体薄膜上に発生する表面弾性波の時間が異なる。この点に着目して発信機の信号発信から受信機での信号受信までの時間を計測することによりセンサの識別化をはかっても良い。
本発明の実施形態である画像形成装置の構成を示す図である。 同実施形態の用紙トレーの構成を示す図である。 同実施形態の構成を示すブロック図である。 同実施形態の定着制御情報テーブルのデータ構成を示す図である。 同実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。 同実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。 ワイヤレスセンサの基本構造を示す図である。 ワイヤレスセンサの基本構造を示す図である。 ワイヤレスセンサを用いた温度検知システムの全体構成を示すブロック図である。 受信機の処理を示すフローチャートである。
符号の説明
100…画像形成装置、110…画像読取部、120…画像形成部、130…用紙供給部、140…ユーザインタフェース部、150…制御部、160…記憶部、170…無線通信部、31…用紙トレー、314…ワイヤレスセンサ、1…基板、2…誘電体薄膜、3A,3B…櫛型電極、5A,5B…インピーダンスマッチング部、4A,4B…アンテナ、6A,6B…グランド、7…グランド電極、11…発信機、12…受信機。

Claims (10)

  1. 用紙収容部と、
    前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と
    を備えることを特徴とする用紙トレー。
  2. 前記測定手段は、前記用紙収容部に前記用紙が束となって収容された状態において、前記束の上面または下面に接するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の用紙トレー。
  3. 用紙収容部と、
    前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、
    前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を認識する受信手段と、
    前記受信手段で認識された温度または湿度に基づいて、前記画像形成手段の制御を行う制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 用紙収容部と、
    前記用紙収容部から搬送された用紙にトナーを定着させることによって画像を形成する画像形成手段と、
    前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、
    前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度を認識する受信手段と、
    前記受信手段で認識された温度に基づいて、前記画像形成手段が前記紙に前記トナーを定着させる際の定着温度または定着速度またはニップ幅の少なくともいずれか一つを制御するトナー定着制御手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 用紙収容部と、
    前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の湿度を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、
    前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の湿度を認識する受信手段と、
    前記受信手段で認識された湿度が所定の値よりも高い場合に、音声または表示の少なくともいずれか一方で報知する報知手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 用紙収容部と、
    前記用紙収容部から搬送された用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    前記用紙収容部または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した電波を出力するワイヤレスの測定手段と、
    前記測定手段から出力される電波を受信し、この受信した電波に基づいて前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を認識する受信手段と、
    前記受信手段によって認識された温度または湿度を記憶する記憶手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記測定手段は、電波信号が供給されると、それをエネルギー源として前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した属性を持った電波信号を生成して出力することを特徴とする請求項1または2に記載の用紙トレー。
  8. 前記測定手段は、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、
    前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が温度または湿度によって変化する振動媒体部と、
    前記弾性表面波を電気信号に変換して電波として送信する送信部と
    を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の用紙トレー。
  9. 前記測定手段は、電波信号が供給されると、それをエネルギー源として前記用紙収容部本体または前記用紙収容部に収容された用紙の温度または湿度の少なくともいずれか一方を反映した属性を持った電波信号を生成して出力することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記測定手段は、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、
    前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が温度または湿度によって変化する振動媒体部と、
    前記弾性表面波を電気信号に変換して電波として送信する送信部と
    を備えることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
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