JP4719347B2 - 大腸菌におけるnhei制限エンドヌクレアーゼのクローニングおよび発現のための方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、NheI制限エンドヌクレアーゼおよびNheIメチルトランスフェラーゼをコードする組換えDNA、該組換えDNAを含有する大腸菌(E. coli)細胞からのNheI制限エンドヌクレアーゼの発現に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
NheI制限エンドヌクレアーゼは、ナイセリア・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(Neisseria mucosa heidelbergensis)(ATCC 25999)の株において見出される。それは二本鎖DNAのG/CTAGCを切断して、4塩基の5'突出末端を与える。
【0003】
II型制限エンドヌクレアーゼは、細菌及びある種のウイルス中に天然に存在する酵素のクラスである。それらが他の細菌タンパク質から精製されている場合には、分子クローニングおよび遺伝子の特徴づけのために小さな断片にDNA分子を切断するために、これらの制限エンドヌクレアーゼを実験室内で使用することができる。
【0004】
制限エンドヌクレアーゼは、DNA分子に沿ったヌクレオチドの特定の配列(「認識配列」)を認識しそれに結合することにより作用する。それらは、一旦結合すると、該認識配列の内部、片側または両側で該分子を切断する。異なる制限エンドヌクレアーゼは、異なる認識配列に対する親和性を有する。現在までに調べられている数百の細菌種において、特有の特異性を有する211個を超える制限エンドヌクレアーゼが同定されている(RobertsおよびMacelis, Nucl. Acids Res. 27:312-313 (1999))。
【0005】
制限エンドヌクレアーゼは、典型的には、それが由来する細菌に基づき命名される。したがって、例えば、デイノコッカス・ラジオフィルス(Deinococcus radiophilus)種は、Dral、DraIIおよびDraIIIと称される3つの異なる制限エンドヌクレアーゼを産生する。これらの酵素は、それぞれ配列5'TTT/AAA3'、5'PuG/GNCCPy3'および5'CACNNN/GTG3'を認識し切断する。一方、大腸菌(Escherichia coli)は唯一の酵素EcoRIを産生し、これは配列5'G/AATTC3'を認識する。
【0006】
細菌の制限-修飾(R-M)系のもう1つの成分はメチルトランスフェラーゼ(メチラーゼ)である。この酵素は制限エンドヌクレアーゼを補完するものであり、それは、細菌がそれ自身のDNAを保護しそれを外来感染性DNAから識別するのを可能にする手段を提供する。修飾メチラーゼは、対応する制限エンドヌクレアーゼと同じ認識配列を認識しそれに結合するが、該DNAを切断することなく、メチル基の付加により該配列内の或る特定のヌクレオチドを化学修飾する(C5メチルシトシン、N4メチルシトシンまたはN6メチルアデニン)。メチル化後にはもはや、該認識配列は同族制限エンドヌクレアーゼに切断されない。細菌細胞のDNAは、その修飾メチラーゼの活性により常に完全に修飾される。したがって、それは、内在性制限エンドヌクレアーゼの存在に対して完全に不感受性である。制限エンドヌクレアーゼの認識および切断に対して感受性なのは、未修飾であり従って識別されうる外来DNAだけである。
【0007】
組換えDNA技術の出現に伴い、現在では、遺伝子をクローニングし酵素を大量に過剰産生させることが可能となっている。制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローンを単離する際に鍵となるのは、複雑なゲノムDNAライブラリー(すなわち、「ショットガン」法により誘導されるクローンの集団)内の該クローンを、それが10-3〜10-4の頻度でしか存在しない場合に同定するための簡便かつ信頼しうる方法を開発することである。好ましくは、望ましくない大部分のクローンが破壊され、望ましい希少クローンが生存するように、そのような方法は選択的であるべきである。
【0008】
多数のII型制限-修飾系がクローニングされている。クローニングされた最初の系では、制限エンドヌクレアーゼクローンを同定または選択するための手段としてバクテリオファージの感染が用いられた(EcoRII: Kosykhら, Mol. Gen. Genet. 178:717-719 (1980); HhaII: Mannら, Gene 3:97-112 (1978); PstI: Walderら, Proc. Nat. Acad. Sci. 78:1503-1507 (1981))。細菌内の制限-修飾系の存在により該細菌はバクテリオファージによる感染に抵抗することができるため、クローン化制限-修飾遺伝子を保持する細胞は、原則として、ファージにさらされたゲノムDNAライブラリーから生存体として選択的に単離されうる。しかしながら、この方法は、限られた価値しか有していないことが判明している。特に、クローン化制限-修飾遺伝子は、選択的な生存性を付与するのに十分なファージ抵抗性を常に現すわけではないことが判明している。
【0009】
もう1つのクローニングアプローチは、プラスミドを保持することが初めに確認された系を大腸菌(E. coli)クローニングプラスミド中に導入することを含む(EcoRV: Bougueleretら, Nucl. Acids. Res. 12:3659-3676 (1984); PaeR7: GingerasおよびBrooks, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:402-406 (1983); TheriaultおよびRoy, Gene 19:355-359 (1982); PvuII: Blumenthalら, J. Bacteriol. 164:501-509 (1985); Tsp45I: Wayneら, Gene 202: 83-88 (1997))。
【0010】
もう1つのアプローチは、メチラーゼ遺伝子の活性な発現に関する選択(メチラーゼ選択)である(1998年9月1日付け出願のPCT/US98/18124, 1999年6月11日付け出願のPCT/US99/13295, 1993年4月6日付け発行の米国特許第5,200,333号およびBsuRI: Kissら, Nucl. Acids. Res. 13:6403-6421 (1985))。R-M遺伝子は密接に連関していることが多いため、両遺伝子は、しばしば、同時にクローニングされうる。しかしながら、この選択は、完全な制限系を常に与えるわけではなく、むしろメチラーゼ遺伝子しか与えないことがある(BspRI: Szomolanyiら, Gene 10:219-225 (1980); BcnI: Janulaitisら, Gene 20:197-204 (1982); BsuRI: KissおよびBaldauf, Gene 21:111-119 (1983);およびMspI: Walderら, J. Biol. Chem. 258:1235-1241 (1983))。
【0011】
より最近の方法(「エンドブルー(endo-blue)」法)が、dinD::lacZ融合体を含有する大腸菌(E. coli)の指示株に基づく大腸菌(E. coli)における制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の直接クローニングに関して記載されている(Fomenkovら, 米国特許第5,498,535号 (1996); Fomenkovら, Nucl. Acids Res. 22:2399-2403 (1994))。この方法は、制限エンドヌクレアーゼまたは非特異的ヌクレアーゼが引き起こすDNA損傷の後の大腸菌(E. coli)のSOS応答を利用するものである。多数の耐熱性ヌクレアーゼ遺伝子(TagI、Tth111I、BsoBI、Tfヌクレアーゼ)が、この方法によりクローニングされている(米国特許第5,498,535号 (1996))。
【0012】
精製された制限エンドヌクレアーゼ、およびそれより低度ではあるが修飾メチラーゼは、実験室内で組換え分子を作製するための有用な手段であるため、制限酵素を大量に産生する細菌株を組換えDNA技術により得ることが商業的に強く要請されている。また、そのような過剰発現株は酵素精製の労力を軽減するはずである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ナイセリア・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(Neisseria mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAをApoIで部分消化し、2〜10kbの範囲のゲノムDNA断片を低融点アガロースゲルで精製した。該ApoI部分DNA断片を、EcoRIで消化されCIPで処理されたpRRS/ベクター(Skoglund, Gene 88:1-5 (1990))に連結した。該連結DNAをエレクトロポレーションにより大腸菌(E. coli)RR1コンピテント細胞内に導入した。形質転換体をプールし、増幅した。プラスミドDNAを該細胞から調製し、BfaIで攻撃した。BfaI認識配列C/TAGはNheI認識配列G/CTAGCの内部の4bpである。NheIメチラーゼのクローニングおよび発現はBfaI消化に対する抵抗性を付与しうると推測された。BfaIで攻撃された該DNAをRR1細胞内に形質転換した。NheI消化に対する抵抗性に関して、生存体をスクリーニングした。しかしながら、NheI抵抗性クローンは検出されなかった。
【0014】
NheIメチラーゼ遺伝子(nheIM)をクローニングするために、1つのNheIリンカーをpRRS中のそれぞれSspIおよびHincII部位内に挿入した。2つのNheI部位を有する修飾プラスミドをpRRS10と命名した。ベクターpRRS10をEcoRIで消化し、CIPで処理し、ゲル精製した。該ApoI部分DNA断片を、適合しうる末端を有するpRRS10に連結した。該メチラーゼ選択法を用いてnheIM遺伝子をクローニングした。該ApoI部分ライブラリーから10個の抵抗性クローンを単離した。1個の抵抗性クローン#22は約2.8〜3kbのインサートを含有する。その全インサートをプライマー歩行により配列決定した。nheIM遺伝子は、33,268ダルトンの推定分子量を有する293アミノ酸のタンパク質をコードする882bpである。
【0015】
nheIM遺伝子の下流には、大腸菌(E. coli)の20kDaの仮想的タンパク質(O47152)に対して43%の同一性を有する1つの遺伝子が存在する。nheIM遺伝子の上流には、GenBank中の公知遺伝子に対する相同性を示さない1つの部分的オープンリーディングフレーム(orf)が存在する。制限エンドヌクレアーゼは、通常、互いに相同でないため(いくつかのアイソシゾマー間の場合は例外である)、該上流orfは、十中八九、nheIR遺伝子であると結論した。逆PCR増幅により該上流DNAコード配列を得るように努めた。エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAを、それぞれAluI、HaeII、HhaI、NheI、NlaIII、NspI、SphI、SspI、StyI、TaqIおよびTfiIで消化した。消化された該DNAを低いDNA濃度で自己連結させ、ついでnheIR遺伝子の逆PCR増幅に使用した。逆PCR産物はAluI、NlaIII、NspI、StyIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出された。該逆PCR産物をゲル精製し、配列決定したところ、339bpの新規DNA配列が得られた。該上流配列を更に増幅するために、第2ラウンドの逆PCRを行った。逆PCR産物はApoI、AseI、RsaI、SspIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出された。PCRプライマーを使用して該PCR産物を直接的に配列決定した。追加的な329bpの新規配列が誘導された。987bpの1つのオープンリーディングフレームがnheIM遺伝子の上流に見出された。このorfをnheIR遺伝子と命名した。これは、38,197ダルトンの推定分子量を有する328アミノ酸のタンパク質をコードしている。
【0016】
PCRにおいてnheIM遺伝子を増幅するために、2つのプライマーを合成した。該PCR産物を、BamHIおよびSphIでの消化の後、適合しうる末端を有するpACYC184内に連結した。nheIM遺伝子インサートを有するプラスミドを、NheI消化に対する抵抗性に関して選択した。18個中11個のクローンがNheI消化に対して抵抗性であった。このことは、大腸菌(E. coli)細胞内での効率的なM.NheIの発現および該発現プラスミド上のNheI部位の修飾を示している。宿主細胞ER2683 [pACYC-NheIM]をnheIR遺伝子の発現に使用した。
【0017】
該nheIR遺伝子をPCRにおいて増幅し、BamHIで消化し、pUC19lacIqまたはpAII17内に連結した。pUC19lacIq-NheIRからの発現レベルは湿潤細胞1グラム当たりNheI約10,000単位であった。天然のNheI産生エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)は湿潤細胞1グラム当たり約100,000単位のNheIを産生する。したがって、該第1組換え株におけるNheI収量は天然株より約10倍低いことになる。pAII17-NheIR1を保持する第2発現株は約100,000単位のNheIを産生し、これは、天然のエヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)株において産生されるレベルとほぼ同じである。NheI発現レベルを更に向上させるために、nheIR遺伝子内の内部NdeI部位をサイレント突然変異の導入により突然変異誘発した。フォワードプライマーにおいて該遺伝子の開始部位に新たなNdeI部位を作製した。BamHI部位をリバースプライマー内に導入した。nheIR遺伝子をPCRにおいて増幅し、NdeIおよびBamHIで消化し、T7発現ベクターpAII17内にクローニングした。該発現ベクター内のNdeI部位に対するnheIR遺伝子のATG開始コドンの融合は、NheI発現レベルを湿潤大腸菌(E. coli)細胞1グラム当たりNheI 1000万単位にまで増加させた。大腸菌(E. coli)過剰発現株における組換えNheI発現レベルは天然起源より100倍高いことになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下の工程を用いる本明細書に記載の方法により、NheIメチラーゼ遺伝子およびNheI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子が好ましくクローニングされ大腸菌(E. coli)内で発現される。
【0019】
1.ゲノムDNAの調製およびApoIでの部分消化
標準的な方法によりナイセリア・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(Neisseria mucosa heidelbergensis)(ATCC 25999)からゲノムDNAを調製する。該ゲノムDNAをApoI(ApoI認識配列R/AATTY)で部分消化した。2〜10kbの範囲のゲノムDNA断片を低融点アガロースゲルにより精製する。
【0020】
2.ApoI部分ゲノムDNAライブラリーの構築およびBfaIでのライブラリーの攻撃該ApoI部分DNA断片を、EcoRIで消化されCIPで処理されたpRRSベクターに連結する。該連結DNAをエレクトロポレーションにより大腸菌(E. coli)RR1コンピテント細胞内に導入する。形質転換体をプールし増幅する。プラスミドDNAを該細胞から調製し、BfaIで攻撃する。BfaI認識配列C/TAGはNheI認識配列G/CTAGCの内部の4bpである。NheIメチラーゼのクローニングおよび発現はBfaI消化に対する抵抗性を付与しうると推測される。BfaIで攻撃された該DNAをRR1細胞内に形質転換する。NheI消化に対する抵抗性に関して、生存体をスクリーニングする。該ライブラリーにおいては、NheI抵抗性クローンは見出されない。
【0021】
3.2つのNheI部位を有する新規クローニングベクターの構築
クローニングベクターpRRS内にNheI部位を作製する。NheIメチラーゼ遺伝子(nheIM)をクローニングするために、NheIリンカーをSspIおよびHincII部位内に挿入する。得られたプラスミドをpRRS10と命名する。プラスミドpRRS10をEcoRIで消化し、CIPで処理する。
【0022】
4.pRRS10を使用するApoI部分ライブラリーの構築
ゲル精製したApoI部分DNA断片を、EcoRIで消化されCIPで処理されたpRRS10内に連結する。該連結DNAをエレクトロポレーションにより大腸菌(E. coli)RR1コンピテント細胞内に導入する。形質転換体をプールし、1リットルの培養内で増幅する。プラスミドDNAライブラリーを該細胞から調製し、NheIで攻撃する。攻撃されたDNAをRR1細胞内への形質転換に使用する。形質転換体を一晩培養し、プラスミドDNAを調製する。該プラスミドDNAをNheIで消化して抵抗性を調べる。10個の単離体がNheI消化に対して抵抗性であることが判明する。NheI消化に対する抵抗性は、ベクター内のNheI部位の喪失またはNheIメチラーゼによるNheI部位の修飾によるものであろう。
【0023】
5.抵抗性クローンのDNA配列決定
1つの抵抗性クローン#22は約2.8〜3kbのインサートを含有する。pUC19のフォワードおよびリバースプライマーを使用して該インサートを配列決定する。NheI部位が前記HincII部位内に挿入されていることが判明する。このことは、該抵抗性がメチラーゼ修飾により引き起こされ、NheI部位の喪失によるものではないことを示している。また、N4シトシンメチラーゼモチーフが、該DNA配列から推定されたアミノ酸配列内に見出される。その全インサートをプライマー歩行により配列決定する。nheIM遺伝子は、33,268ダルトンの推定分子量を有する293アミノ酸のタンパク質をコードする882bpである。
【0024】
6.NheI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子(nheIR)のクローニング
nheIM遺伝子の下流には、大腸菌(E. coli)の23kDaの仮想的タンパク質(O47152)に対して43%の同一性を有する1つの遺伝子が存在する。nheI遺伝子の上流には、GenBank中の公知遺伝子に対する相同性を示さない1つの部分的オープンリーディングフレーム(orf)が存在する。制限エンドヌクレアーゼは、通常、互いに相同でないため(いくつかのアイソシゾマー間の場合は例外である)、該上流orfは、十中八九、nheIR遺伝子であると結論される。逆PCR増幅により該上流DNAコード配列を得るように努める。エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAを、それぞれAluI、HaeII、HhaI、NheI、NlaIII、NspI、SphI、SspI、StyI、TaqIおよびTfiIで消化する。消化された該DNAを低いDNA濃度で連結させ、ついでnheIR遺伝子の逆PCR増幅に使用する。逆PCR産物はAluI、NlaIII、NspI、StyIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出される。該逆PCR産物をゲル精製し配列決定して、339bpの新規DNA配列を得る。該上流配列を更に増幅するために、第2ラウンドの逆PCRを行う。逆PCR産物はApoI、AseI、RsaI、SspIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出される。PCRプライマーを使用して該PCR産物を直接的に配列決定する。追加的な329bpの新規配列が誘導される。987bpの1つのオープンリーディングフレームがnheIM遺伝子の上流に見出される。このorfをnheIR遺伝子と命名する。これは、38,197ダルトンの推定分子量を有する328アミノ酸のタンパク質をコードしている。
【0025】
7.大腸菌内でのnheIM遺伝子の発現
PCRにおいてnheIM遺伝子を増幅するために、2つのプライマーを合成する。BamHIおよびSphIでの消化の後、該PCR産物を、適合しうる末端を有するpACYC184内に連結する。該連結DNAをER2683コンピテント細胞内に形質転換する。nheIM遺伝子インサートを有するプラスミドを、NheI消化に対する抵抗性に関して選択する。18個中11個のクローンがNheI消化に対して抵抗性となる。このことは、大腸菌(E. coli)細胞内での効率的なM.NheIの発現および該発現プラスミド上のNheI部位の修飾を示している。宿主細胞ER2683 [pACYC-NheIM]をnheIR遺伝子の発現に使用する。
【0026】
8.高コピー数プラスミドpUC19lacIqを使用する大腸菌内でのnheIR遺伝子の発現
該nheIR遺伝子をPCRにおいて増幅し、BamHIで消化し、pUC19lacIq(BamHIで消化されCIPで処理されたもの)内に連結する。ER2683 [pACYC-NheIM]内に該連結DNAを形質転換した後、該エンドヌクレアーゼ遺伝子インサートに関して形質転換体をスクリーニングする。36個中4個のクローンがnheIR遺伝子インサートを含有する。全4個のクローン(#2、#11、#12および#30)をIPTGで誘導し、細胞抽出物を調製し、NheIエンドヌクレアーゼ活性に関してアッセイする。クローン#12は、湿潤細胞1グラム当たり約10,000単位のNheIを産生する。天然のNheI産生エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)は湿潤細胞1グラム当たり約100,000単位のNheIを産生する。したがって、該組換え株におけるNheI収量は天然株より約10倍低いことになる。
【0027】
9.T7発現ベクターpAII17内のnheIR遺伝子の発現
T7発現ベクターpAII17は、該ベクター内への標的遺伝子の挿入のためにNdeIおよびBamHI部位を用いる。該NdeI部位の上流にリボソーム結合部位が存在する。発現される遺伝子の開始コドン(ATG)をNdeI部位(CATATG)に融合させる。しかしながら、nheIR遺伝子内には1つのNdeI部位が存在するため、NdeI部位をpAII17内へのクローニングに使用することができない。この問題を解決するために、フォワードおよびリバースプライマー内にBamHI部位を作製した。リボソーム結合部位も該フォワードプライマー内に含有させた。nheIR遺伝子をPCRにおいて増幅し、BamHIで消化し、BamHIで消化されCIPで処理されたpAII17ベクターに連結する。該連結DNAをER2683 [pACYC-NheIM]内に形質転換する。36個中3個のクローンが該nheIR遺伝子インサートを含有する。細胞ER2683 [pACYC-NheIM、pAII17-NheIR1]をIPTGで誘導し、細胞抽出物を調製し、NheI活性に関してアッセイする。該T7発現株は、約100,000単位のNheIを産生し、これは、天然のエヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)株において産生されるレベルとほぼ同じである。NheI収量を向上させるためには、さらなる過剰発現操作が必要である。
【0028】
10.NdeI部位を除去するためのnheIR遺伝子内へのサイレント突然変異の導入ならびにNdeIおよびBamHI断片の挿入によるpAII17内へのnheIR遺伝子のクローニング
nheIR遺伝子内のNdeI部位を除去するために、PCRプライマー内にサイレント突然変異を導入する。図4に示すとおり、PCR反応1、2および3においてPCR突然変異誘発を行う。反応3のPCR産物をNdeIおよびBamHIで消化する。該NdeI消化は、内部NdeI部位を有する生存する野生型配列を破壊し、該サイレント突然変異を有するPCR産物を富化する。nheIR遺伝子を含有するNdeI-BamHI断片を、適合しうる末端を有するT7発現ベクターpAII17に連結し、予め修飾された宿主ER2566 [pACYC-NheIM]内に形質転換する。nheIR遺伝子インサートに関して、形質転換体をスクリーニングする。大腸菌(E. coli)ER2566 [pACYC-NheIM、pAII17-NheIR2]をIPTGで37℃で3時間誘導する。細胞抽出物を調製し、NheI活性に関してアッセイする。それは湿潤細胞1グラム当たり107単位の組換えNheIを産生し、これは天然起源より100倍高い。2つの細胞抽出物における組換えNheI活性アッセイを図5に示す。
【0029】
以下の実施例により本発明を更に詳しく説明する。これらの実施例は、本発明の理解を助けるために記載されているものであり、本発明を限定すると解釈されるものではない。
【0030】
前記および後記に引用する参照文献を参照により本明細書に組み入れることとする。
【0031】
実施例1
大腸菌におけるNheI制限-修飾系のクローニング
1.ゲノムDNAの調製
以下の工程を用いる標準的な方法によりナイセリア・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(Neisseria mucosa heidelbergensis)(ATCC 25999)からゲノムDNAを調製した:1.リゾチーム、Triton X-100およびSDSでの細胞溶解;2.フェノール-CHCl3およびCHCl3抽出;3.エタノール沈殿;4.TEバッファー中での透析(バッファーを4回交換する);5.RNアーゼA処理;6.TEバッファー中のゲノムDNAのエタノール沈殿および再懸濁。
【0032】
2.pRRSベクターを使用するApoI部分ゲノムDNAライブラリーの構築
5μgのエヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAを1および0.5単位のApoIで50℃で30分間消化した。ApoIで部分消化されたゲノムDNA(2〜10kb)をゲル精製した。該ApoI部分消化ゲノムDNAを、EcoRIで切断されCIPで処理されたベクターpRRS内に16℃で一晩連結した。該連結反応後、該リガーゼを65℃で30分間不活性化した。該連結DNAを2リットルのsdH2O上の膜による滴下(drop)透析により透析した。該DNAをエレクトロポレーションによりRR1(TonA-、Dnase-)コンピテント細胞内に導入した。形質転換体をLB寒天+Amp(100μg/ml)上にプレーティングした。該エレクトロポレーションにおいて約10,000個のコロニーを得た。それらの全形質転換体をプールし、1リットルのLBブロス+Amp内に接種し、37℃で一晩インキュベートした。その一晩インキュベートした細胞から、Qiagen Mega-prepカラムによりプラスミドDNAを調製した。
【0033】
3.BfaI消化によるApoI部分ライブラリーDNAの攻撃およびNheI抵抗性クローンのスクリーニング
BfaI認識配列C/TAGは、NheI認識配列G/CTAGCの内部の4bpである。NheIメチラーゼのクローニングおよび発現はBfaI消化に対する抵抗性を付与しうるとみなされた。非同系メチラーゼ修飾は、時には、重複した制限部位を遮断しうる。1〜5μgの該ライブラリーDNAをBfaIで一晩消化した。そのBfaIで攻撃されたDNAを使用して、RR1コンピテント細胞を形質転換した。ApR生存体をNheI消化に対する抵抗性に関してスクリーニングした。8個のDNAサンプルのスクリーニングおよび消化の後、NheI抵抗性クローンは見出されなかった。
【0034】
4.2つのNheI部位を有する新規クローニングベクターの構築
プラスミドベクターpRRSはNheI部位を含有しない。メチラーゼ選択法によりNheIメチラーゼ遺伝子をクローニングするために、2つのNheIリンカーをpRRS内のSspIおよびHincII部位内に挿入した。得られたプラスミドをpRRS10と命名した。プラスミドpRRS10をQiagenスピンカラムにより調製し、EcoRIで消化し、CIPで処理した。EcoRIで消化されたDNAを低融点アガロースゲルにより精製した。βアガラーゼ処理の後、該DNAをエタノールおよび塩により沈殿させた。該DNAペレットをTEバッファーに再懸濁した。
【0035】
5.pRRS10を使用するApoI部分DNAライブラリーの構築
ゲル精製されたApoI部分DNA断片を、EcoRIで消化されCIPで処理されたpRRS10内に連結した。該連結DNAをエレクトロポレーションにより大腸菌(E. coli)RR1コンピテント細胞内に導入した。10,000個を超えるApR形質転換体をプールし、1リットルの一晩細胞培養内で増幅した。一次プラスミドDNAライブラリーを該細胞から調製し、37℃で3時間、NheIで攻撃した。その攻撃されたDNAを、RR1細胞内への形質転換に使用した。約110個のApR生存体が見出された。該形質転換体を個々に一晩培養し、QiagenスピンカラムによりプラスミドDNAを調製した。該プラスミドDNAをNheIで消化して抵抗性を調べた。スクリーニングした36個中の10個のプラスミド単離体がNheI消化に対して抵抗性であった。NheI消化に対する抵抗性は、ベクターpRRS10内のNheI部位の喪失またはNheIメチラーゼによるNheIの修飾によるものであろう。
【0036】
6.抵抗性クローンのDNA配列決定
制限マッピングは、1個の抵抗性クローン#22が約2.8〜3kbのインサートを含有することを示した。pUC19の汎用フォワードおよびリバースプライマーを使用して該インサートを配列決定した。NheI部位はマルチクローニング部位内の前記HincII部位内に挿入されていることが判明した。このことは、該抵抗性がメチラーゼ修飾により引き起こされ、NheI部位の喪失によるものではないことを示している。N4メチラーゼモチーフは、該DNA配列から推定されるアミノ酸配列内で見出された。3個のApoI断片を抵抗性クローン#22からゲル精製し、pUC19内にサブクローニングした。該全インサートをプライマー歩行およびサブクローニングにより配列決定した。nheIM遺伝子は、33,268ダルトンの推定分子量を有する293アミノ酸のタンパク質をコードする882bpである。
【0037】
7.NheI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子(nheIR)のクローニング
nheIM遺伝子の下流には、大腸菌(E. coli)の20kDaの仮想的タンパク質(O47152)に対して43%の同一性を有する1つの遺伝子が存在する。nheIM遺伝子の上流には、GenBank中の公知遺伝子に対する相同性を示さない1つの部分的オープンリーディングフレーム(orf)が存在する。制限エンドヌクレアーゼは、通常、互いに相同でないため(いくつかのアイソシゾマー間の場合は例外である)、該上流orfは、十中八九、nheIR遺伝子であると結論した。逆PCR増幅により該上流DNAコード配列を得るように努めた。エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAを、それぞれAluI、HaeII、HhaI、NheI、NlaIII、NspI、SphI、SspI、StyI、TaqIおよびTfiIで消化した。消化された該DNAを低いDNA濃度で16℃で一晩自己連結させた。連結後、65℃で30分間の加熱により該リガーゼを不活性化し、該DNAをエタノールにより沈殿させた。ついでnheIR遺伝子の逆PCR増幅に、該環状DNAを使用した。以下の配列を有する2個のプライマーを合成した:
5' gaaaaatagaacatatgatgttgt 3'(214-141)(配列番号5)
5' acctttaatggtttatcgtgaatt 3'(214-142)(配列番号6)。
【0038】
プライマー214-141、214-142、自己連結DNA鋳型、dNTPおよびTaq DNAポリメラーゼ+Vent DNAポリメラーゼ(50:1の比)を使用して、逆PCRを行った。逆PCR条件は、95℃で1分間、55℃で1分間および72℃で2分間の30〜35サイクルであった。逆PCR産物はAluI、NlaIII、NspI、StyIおよびTaqI消化/自己連結DNAサンプルにおいて見出された。該逆PCR産物をゲル精製し、プライマー214-141および214-142を使用して配列決定した。逆PCRの第1ラウンドの後、339bpの新たなDNA配列を得た。該上流配列を更に増幅するために、第2ラウンドの逆PCRを行う。エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)ゲノムDNAを、それぞれApoI、AseI、BssSI、BstUI、HaeIII、HinfI、MseI、NdeI、RsaI、SphI、SspI、TaqI、TfiI、TspRIおよびXbaIで消化した。以下のプライマーを合成した:
5' tacacaaagattagatcctctaat 3'(216-100)(配列番号7)
5' gcagcatctctaacaagccatgca 3'(216-101)(配列番号8)
【0039】
プライマー216-100、216-101、自己連結DNA鋳型、dNTPおよびTaq DNAポリメラーゼ+Vent DNAポリメラーゼ(50:1の比)を使用して、逆PCRを行った。逆PCR条件は、95℃で1分間、55℃で1分間および72℃で2分間の35サイクルであった。逆PCR産物はApoI、AseI、RsaI、SspIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出された。逆PCR産物はAluI、NlaIII、NspI、StyIおよびTaqI消化/自己連結DNAにおいて見出された。該逆PCR産物を低融点アガロースゲルにより精製し、プライマー216-100および216-101を使用して直接的に配列決定した。追加的な329bpの新たな配列を誘導した。987bpの1つのオープンリーディングフレームがnheIM遺伝子の上流に見出された。このorfをnheIR遺伝子と命名する。これは、38,197ダルトンの推定分子量を有する328アミノ酸のタンパク質をコードしている。
【0040】
8.大腸菌内でのnheIM遺伝子の発現
PCRにおいてnheIM遺伝子を増幅するために、2つのプライマーを合成した。BamHIおよびSphI部位をフォワードおよびリバースプライマー内に設けた。該プライマー配列は以下のとおりであった:
5' gttggatccggaggtaaataaatgaaattatggaatattattaatgatgat 3'(217-138)(配列番号9)
5' aacggcgcatgctcaatcaagcaaccgcgtgcgtgc 3'(217-123)(配列番号10)
【0041】
217-138および217-123、dNTPおよびTaq DNAポリメラーゼ+Vent DNAポリメラーゼ(50:1の比)を使用するPCRにおいて、nheIM遺伝子を増幅した。逆PCR条件は、95℃で1分間、60℃で1分間および72℃で1.5分間の25サイクルであった。
【0042】
BamHIおよびSphIでの消化の後、該PCR産物を、適合しうる末端を有するpACYC184内に連結した。該連結DNAをER2683コンピテント細胞内に形質転換した。nheIM遺伝子インサートを有するプラスミドを、NheI消化に対する抵抗性に関してスクリーニングした。18個中11個のクローンがNheI消化に対して抵抗性であった。このことは、大腸菌(E. coli)細胞内での効率的なM.NheIの発現および該発現プラスミド上のNheI部位の修飾を示している。宿主細胞ER2683 [pACYC-NheIM]をnheIR遺伝子の発現に使用した(第9節を参照されたい)。
【0043】
9.高コピー数プラスミドpUC19lacIqを使用する大腸菌内でのnheIR遺伝子の発現
lacIq遺伝子を含有するEcoRI断片をゲル精製し、pUC19のEcoRI部位内に連結して発現プラスミドpUC19lacIqを得た。該lacIq遺伝子は、lacプロモーターからのNheIの発現を調節しうるLacレプレッサーをコードしている。
【0044】
以下の配列を有する2つのプライマーを合成した:
5' cgcggatccggaggttaaaaaatgagttcttatcatgatgatttaaatata 3'(217-139)(11)5' tccggatcctcataataaaatcctttctaccaacct 3'(217-124)(配列番号11)
【0045】
プライマー217-139および217-124、dNTPおよびTaq DNAポリメラーゼ+Vent DNAポリメラーゼ(50:1の比)を使用して、PCRにおいてnheIR遺伝子を増幅した。
逆PCR条件は、95℃で1分間、60℃で1分間および72℃で1.5分間の20サイクルであった。該PCR産物をBamHIで消化し、Qiagenスピンカラムで精製した。該PCR DNAをpUC19lacIq(BamHIで消化されCIPで処理されたもの)内に連結した。該連結DNAをER2683 [pACYC-NheIM]内に形質転換した後、該エンドヌクレアーゼ遺伝子インサートに関して形質転換体をスクリーニングした。36個中4個のクローンがnheIR遺伝子インサートを含有していた。これらの4個のクローン(#2、#11、#12および#30)をIPTGで誘導し、細胞抽出物を調製し、NheIエンドヌクレアーゼ活性に関してアッセイした。#12クローンは、湿潤細胞1グラム当たり約10,000単位のNheIを産生する。残りの3個のクローンは、より低いNheI活性を与えた。天然のNheI産生エヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)(ATCC 25999)は湿潤細胞1グラム当たり約100,000単位のNheIを産生する。したがって、該第1組換え株におけるNheI収量は天然株より約10倍低いことになる。NheIの発現レベルを増加させるために、nheIR遺伝子をT7発現ベクター内にクローニングした(第10節を参照されたい)。
【0046】
10.T7発現ベクターpAII17内のnheIR遺伝子の発現
T7発現ベクターpAII17は、該ベクター内への標的遺伝子の挿入のためにNdeIおよびBamHI部位を用いる。該NdeI部位の上流にはリボソーム結合部位が存在する。発現される遺伝子の開始コドン(ATG)をNdeI部位(CAT ATG)に融合させる。nheIR遺伝子内には1つのNdeI部位が存在するため、NdeI消化は該エンドヌクレアーゼ遺伝子を破壊するであろう。したがって、NdeI部位をpAII17内へのクローニングに使用することはできない。この問題を解決するために、フォワードおよびリバースプライマー内にBamHI部位を作製した。リボソーム結合部位GGAGGTも該フォワードプライマー内に含有させた(プライマー217-139を参照されたい)。nheIR遺伝子をPCRにおいて増幅し、BamHIで消化し、BamHIで消化されCIPで処理されたpAII17ベクターに連結した。該連結DNAをコンピテント細胞ER2683 [pACYC-NheIM]内に形質転換した。36個中3個のクローン(#9、#19および#30)が該nheIR遺伝子インサートを含有していた。細胞ER2683 [pACYC-NheIM、pAII17-NheIR1]をIPTGで誘導し、細胞抽出物を調製して、NheI活性に関してアッセイした。T7発現株#9および#19は、約100,000単位のNheIを産生し、これは、天然のエヌ・ムコーサ・ハイデルベルゲンシス(N. mucosa heidelbergensis)株において産生されるレベルとほぼ同じである。NheI収量を向上させるためには、さらなる過剰発現操作が必要であった。
【0047】
11.NdeI部位を除去するためのnheIR遺伝子内へのサイレント突然変異の導入ならびにNdeIおよびBamHI断片の挿入によるpAII17内へのnheIR遺伝子のクローニング
nheIR遺伝子内のNdeI部位を除去するために、PCRプライマー内にサイレント突然変異を導入した。図4に示すとおり、PCR突然変異誘発を行った。
【0048】
内部NdeI部位を除去するために、3つのPCR反応において以下のプライマーを使用した。
PCR反応1
フォワードプライマー:5' tatgaggttcatatgagttcttatcatgatgatttaaat 3'(225-80)(配列番号13)(NdeI site=cat atg、該遺伝子の開始部に新たなNdeI部位を作製した)。
リバース突然変異誘発プライマー:5' ttcagctacaacatcgtatgttctatt 3'(225-82)(配列番号14)(内部野生型配列catatgはcgtatgに変化しており、これにより内部NdeI部位が除去される)。
【0049】
PCR反応2
フォワード突然変異誘発プライマー:5' aatagaacatacgatgttgtagctgaa 3'(225-81)(配列番号15)(内部配列catatgはcatacgに変化しており、これにより内部NdeI部位が除去される)。
リバースプライマー:5' tccggatcctcataataaaatcctttctaccaa cct 3'(217-124)(配列番号16)(gga tcc= BamHI部位)
【0050】
PCR反応3
鋳型=反応1および2からのPCR産物。
フォワードプライマー=225-80。
リバースプライマー=217-124。
【0051】
反応3のPCR産物をNdeIおよびBamHIで消化した。該NdeI消化は、内部NdeI部位を有する生存する野生型配列を破壊し、該サイレント突然変異を有するPCR産物を富化した。nheIR遺伝子を含有するNdeI-BamHI断片を、適合しうる末端を有するT7発現ベクターpAII17に連結し、予め修飾された宿主ER2566 [pACYC-NheIM]内に形質転換した。nheIR遺伝子インサートに関して、形質転換体をスクリーニングした。大腸菌(E. coli)株ER2566 [pACYC-NheIM、pAII17-NheIR2]をIPTGで37℃で3時間誘導した。2つのクローン#1および#9からの細胞抽出物を調製し、NheI活性に関してアッセイした。それは、湿潤細胞1グラム当たり107単位の組換えNheIを産生し、これは天然起源より100倍高い。細胞抽出物における組換えNheI活性アッセイを図5に示す。3個のプライマーを使用して全nheIR遺伝子を配列決定し、該遺伝子内のCからTへのサイレント突然変異を配列決定により確認した。他のPCR突然変異は全く検出されなかった。
【0052】
大腸菌(E. coli)株ER2566 [pACYC-NheIM、pAII17-NheIR2]は、ブダペスト条約の条項および条件に従いAmerican Type Culture Collectionに1999年10月28日に寄託されており、ATCC特許受託番号PTA-887が付与されている。
【0053】
【配列表】
【0054】
【化1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 NheI制限-修飾系の遺伝子構成。遺伝子nheIRおよびnheIMは、それぞれNheIエンドヌクレアーゼおよびNheIメチラーゼ(M.NheI)をコードしている。O47152は、大腸菌(E. coli)における仮定的な20kDaのタンパク質をコードしている。
【図2】 NheIメチラーゼ遺伝子のDNA配列(配列番号1)(nheIM)およびそのコード化されているアミノ酸配列(配列番号2)。
【図3】 NheIエンドヌクレアーゼ遺伝子のDNA配列(配列番号3)(nheIR)およびそのコード化アミノ酸配列(配列番号4)。
【図4】内部NdeI部位を除去するためにサイレント突然変異を導入するためのPCR突然変異誘発の概要図。
【図5】組換えNheI制限エンドヌクレアーゼを含有する大腸菌(E. coli)細胞抽出物を使用する制限消化。AvaIで線状化されたpBR322を、NheI活性アッセイ用の基質として使用した。レーン1〜5、クローン#1細胞抽出物の系列希釈;レーン6〜10、クローン#9細胞抽出物の系列希釈;レーン11、AvaIで線状化されたpBR322;レーン12、AvaIおよびNheIでのpBR322の二重消化。該pBR322を、それぞれ1196bpおよび3165bpのサイズを有する2つの断片に切断した。レーン1および6、細胞抽出物の10倍希釈;レーン2および7、100倍希釈;レーン3および8、103倍希釈;レーン4および9、104倍希釈;レーン5および10、105倍希釈。
Claims (6)
- 配列番号4のアミノ酸配列からなるNheI制限エンドヌクレアーゼをコードする単離されたDNA。
- 配列番号4のアミノ酸配列からなるNheI制限エンドヌクレアーゼをコードするDNAセグメントを含んでなる組換えDNAベクター。
- 配列番号4のアミノ酸配列からなるNheI制限エンドヌクレアーゼおよび配列番号2のアミノ酸配列からなるNheIメチラーゼをコードする単離されたDNA。
- 請求項3に記載の単離されたDNAを含んでなるクローニングベクター。
- 請求項2または4に記載のクローニングベクターで形質転換された宿主細胞。
- 組換えNheI制限エンドヌクレアーゼの製造方法であって、請求項2または4に記載のベクターで形質転換された宿主細胞を該エンドヌクレアーゼの発現に適した条件下で培養することを含んでなる製造方法。
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