JP4719232B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機やスロットマシンなど、遊技動作に起因する抽選処理によって大当たり状態を発生させる遊技機に関し、特に、耐ノイズ性を高めた基板配線パターンを有する遊技機に関する。
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動口と、複数の表示図柄による一連の図柄変動態様を表示する図柄表示部と、開閉板が開閉される大入賞口などを備えて構成されている。そして、図柄始動口に設けられた検出スイッチが遊技球の通過を検出すると入賞状態となり、遊技球が賞球として払出された後、図柄表示部では表示図柄が所定時間変動される。その後、7−7−7などの所定の態様で図柄が停止すると大当り状態となり、大入賞口が繰返し開放されて、遊技者に有利な遊技状態を発生させている。
この種の遊技機は、一般に、大当り状態を発生させるか否かの抽選処理を実行して遊技動作を中心統括的に制御する主制御基板と、主制御基板から受ける制御コマンドに基づいて、個別的な遊技動作を実行するサブ制御基板とに区分されて構成されている。サブ制御基板としては、例えば、ランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板や、液晶ディスプレイでの映像演出を実行する液晶表示基板や、賞球を払い出す払出制御基板などが存在する。
また、主制御基板では、図柄始動口などに配置された多数の検出スイッチから検出信号を受けると共に、大入賞口や電動チューリップなどを開閉させるソレノイドを駆動している。また、遊技機の表面部の適所に配置された複数の発光部材(例えば7セグメントLEDやLEDランプなど)を使用して、大当り状態を発生させるか否かの抽選結果を、主制御基板において、適切なタイミングで確定的に報知したい要請もある。
このように、主制御基板には、多数の重要な信号が入力されると共に、制御コマンドを含む多数の重要な信号が出力されている。しかも、サブ制御基板や遊技部品との信号入出力ラインは、ある程度長くならざるを得ないので、信号ラインに重畳するノイズ成分が主制御基板に搭載されたコンピュータ回路を誤動作させるおそれがある。
ノイズとしては、例えば、遊技球に帯電した静電気の放電に伴う放電ノイズが考えられる。また、大入賞口や電動チューリップを開閉させるソレノイドには、比較的大電流が間欠的に供給されるので、この間欠動作に伴う高周波ノイズが、他の信号ラインに重畳してしまうことにもなる。
しかし、このようなノイズ環境下においても、主制御基板は、サブ制御基板の遊技動作を統括する非常に重要な役割を果たす以上、万が一にも、CPUが暴走するようなことがあってはならず、ノイズ対策は非常に重要である。ここで、耐ノイズ性を高めるには、主制御基板を多層基板(例えば四層基板)で構成し、その一層にグランドパターンを設け、他の一層に電源ラインパターンを設けることが考えられる。
しかし、サブ制御基板は別として、遊技動作を中心統括的に制御する主制御基板に多層基板を採用した場合には、違法改造が容易となり、しかも、その発見も外見上困難となるので、ノイズ対策としても妥当性に欠ける。
また、主制御基板において、複数のランプを間欠的に駆動する場合には、主制御基板でのノイズ対策が、より一層、重要となる。なお、特許文献1や特許文献2の提案もあるが、上記の各要請に応えるものではない。
特開2006−049376号公報 特開2004−305777号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、違法改造の可能性を高めることなく、主制御基板におけるノイズ対策を万全にした遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選処理を実行して、その抽選結果に基づいて遊技動作を中心統括的に制御するコンピュータ回路を搭載した主制御基板と、主制御基板から出力される制御コマンドに基づいて、個別的な制御動作を実現するコンピュータ回路を搭載したサブ制御基板と、各制御基板に、第1レベルの直流電圧を含む各種の直流電圧を供給する電源基板と、に区分されて構成された遊技機であって、主制御基板は、電子部品の配置スペースを除く実質的に全てのスペースがグランド面とされ、電源基板から第1レベルの直流電圧を受ける電源コネクタに隣接する電流出口部を除いて、グランド面を回路基板の内外に分離する隔離ラインが設けられ、前記電源コネクタから受けた第1レベルの直流電圧を降圧させて、主制御基板のコンピュータ回路の電源電圧となる第2レベルの直流電圧を生成する電圧降下回路が、隔離ラインの開放端となる前記電流出口部に近接して配置され、隔離ラインの外側には、前記電源コネクタの他に、遊技機の適所に配置された電磁部品に対して、第1レベルの直流電圧を電源電圧とする駆動信号を出力すると共に、遊技機の適所に配置された検出センサから第1レベルの直流電圧を電源電圧とする論理レベルのスイッチ信号を受ける遊技コネクタと、遊技機の適所に配置された発光部材に対して、第1レベルの直流電圧を電源電圧とする点灯制御信号を出力する点灯コネクタと、サブ制御基板に対して、第2レベルの直流電圧を電源電圧とする論理レベルの制御コマンドを出力する制御コネクタと、が配置されると共に、前記各コネクタのグランド端子は、全て隔離ラインの外側に形成されたグランド面に接続され、グランド面の電流経路で評価して、前記点灯コネクタが全てのコネクタの最上流位置に配置される一方、その下流側に前記制御コネクタが配置されるよう構成されている
上記した本発明によれば、違法改造の可能性を高めることなく、主制御基板における耐ノイズ性を高めることができる。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ機GMを示す正面図である。図示のパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8のほぼ中央には、ランプを内蔵する楕円形のプッシュボタン11が設けられている。プッシュボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくプッシュボタン11を操作できる。このプッシュボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態が例えば「ボタンチャンス状態」となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する残額表示部12aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ12bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ12cとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイDISPが配置され、その上部には、7セグメントLEDによる抽選結果表示部14と、2個のLEDランプ19が配置されている。
液晶ディスプレイDISPは、大当り状態に係わる特別図柄と直接関連する演出図柄(例えば、3桁の演出図柄「7・7・7」)を変動表示する演出図柄表示部として機能する部分であり、背景画像や各種のキャラクタなども併せてアニメーション的に表示する。一方、抽選結果表示部14は、特別図柄表示部として機能する部分であり、液晶ディスプレイDISPの変動表示動作に同期して点滅動作などをした後、液晶ディスプレイDISPの停止動作に合わせて抽選処理の当否結果を確定的に表示する。
この実施形態では大当り状態は、確変大当りと、ノーマル大当りとに区分されているが、液晶ディスプレイDISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかを、停止状態の演出図柄の配列によって報知するのに対して、抽選結果表示部14では、これを所定の停止模様によって報知している。具体的には、液晶ディスプレイDISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかに応じて、それぞれ「7・7・7」、「6・6・6」、「2・5・2」などの演出図柄を停止表示するのに合わせて、抽選結果表示部14では、例えば2個の7セグメントLEDを設けた場合には「77」、「66」、「−−」の停止図柄を表示する。なお、確変大当りとは、ノーマル大当りの場合と同様の特別遊技状態が終了した後、大当りの当選確率が増加した遊技(確変状態の遊技)が開始される大当り状態を意味する。
一方、2個のLEDランプ19は、普通図柄表示部として機能する部分であり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示内容が所定時間だけ変動し、その後、遊技球のゲート18の通過時点において抽選された抽選用乱数値に基づいて決定される当否状態を表示するようになっている。この実施例では、2つのLEDランプが共に点灯状態で停止すると当り状態となり、何れか一方、又は2つのLEDランプが消灯状態で停止するとハズレ状態となる。
図2に示すように、遊技盤5の遊技領域5aの適所には、図柄始動口15、大入賞口16、4つの普通入賞口17、左右の通過口であるゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜17及びゲート18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
本実施形態では、図柄始動口15は、一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで拡大縮小され、普通図柄表示部たるLEDランプ19の変動後の停止状態で当り表示をした場合には、開閉爪が所定時間だけ拡大されるようになっている。そして、この図柄始動口15に遊技球が入賞すると、演出図柄表示部たる液晶ディスプレイDISPと、特別図柄表示部たる抽選結果表示部14の表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。
大入賞口16は、前方に開放可能な開閉板16aで開閉されるが、演出図柄表示部DISPの変動停止後の図柄が「6・6・6」「7・7・7」などの整列した演出図柄のとき(抽選結果表示部14では、「6」又は「7」を表示)、「大当り」と称される特別遊技状態が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような開閉動作が、例えば最大16回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧やシステムリセット信号SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて液晶ディスプレイDISPを駆動する液晶制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
但し、この実施形態では、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、コマンド中継基板26と演出インタフェイス基板27を経由して、演出制御基板22に伝送される。また、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、演出インタフェイス基板27を経由して、液晶制御基板23に伝送され、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板28を経由して、払出制御基板24に伝送される。
これら主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、液晶制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。なお、演出制御部22、液晶制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
ところで、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板32とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23が、液晶ディスプレイDISPやその他の回路基板と共に固定されている。
そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタT1〜T4によって電気的に接続されている。接続コネクタT1〜T4は、この実施形態では、遊技盤5の背面視左下に集中配置されている。そして、ガラス扉6を開放した状態で、前枠3の表側から、遊技盤5の左端を前枠3に係止して回転支点を確保し、確保した回転支点を中心に遊技盤5を回転させることで、前枠3の内側に遊技盤5を嵌合させる。なお、遊技盤5を嵌合させると、全ての接続コネクタT1〜T4が接続状態となり、それだけで枠側部材GM1と盤側部材GM2の接続が完了し、パチンコ機GMが動作可能な状態となる。
図3に示す通り、電源基板20は、接続コネクタT2を通して、主基板中継基板28に接続され、接続コネクタT3を通して、電源中継基板30に接続されている。そして、主基板中継基板28は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BU、DC12V、DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。同様に、電源中継基板30も、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出インタフェイス基板27に出力している。なお、演出インタフェイス基板27は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま演出制御部22と液晶制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の、システムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BUを、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
ここで、電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す信号であり、この信号によって各制御部21〜24のワンチップマイコンその他のIC素子が電源リセットされるようになっている。主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受けるRAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受ける電圧降下信号ABNは、交流電源24Vが降下し始めたことを示す信号であり、この電圧降下信号ABNを受けることによって、各制御部21、24では、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源BUは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部25は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
一方、演出制御部22と液晶制御部23には、上記した電源バックアップ機能が設けられていない。しかし、先に説明した通り、演出制御部22と液晶制御部23には、電源中継基板30と演出インタフェイス基板27を経由して、システムリセット信号SYSが共通して供給されており、他の制御部21,24と、ほぼ同期したタイミングで電源リセット動作が実現される。
図示の通り、主制御部21は、主基板中継基板28を経由して、払出制御部25に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部25からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動チューリップなどのソレノイド類を駆動している。主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、図柄表示基板33にも接続されてLED群を点灯駆動している。
主制御部21において点灯駆動されるLED群は、具体的には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDと、普通図柄表示部19を構成する2個のLEDランプである。なお、抽選結果表示部14での表示態様を豊富化できる上に、図柄始動口を2個設けた遊技機にも対応できるので、この実施形態では、7セグメントLEDを2個配置している。
図4は、主制御基板21の回路構成を概略的に図示したものである。この主制御基板21は、プリント基板の表裏両面にしか配線パターンが存在しない両面基板で構成されている。そして、主制御基板21の表裏とも、電子部品の配置スペースを除く全てのスペースがベタアース面となっている。ここで、ベタアース面とは、回路基板上の信号パターンや電源パターンを除いた全ての部分を、グランド電位に設定したグランド面を意味する。この実施形態では、ベタアース面は、逆C字ループ状に形成された絶縁性の隔離ラインISOによって、内外に二分割されている。そして、二分割された内側ベタアースER1と外側ベタアースER2とは、回路基板の裏面において、逆C字の開放端である電流出口部EXTで接続されている。したがって、電子部品が配置される回路基板の表面側については、ベタアース面が隔離ラインISOによって、完全に内外に二分される。
隔離ラインISOの内側には、ワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40のシステムクロックを生成する発振部41と、ワンチップマイコン40による抽選処理に使用される乱数を生成する乱数生成部42と、ワンチップマイコン40の入出力データが通過するIOポート回路43と、演出制御部22への制御コマンドCMDをコネクタCN4に出力する出力ドライバ44と、コネクタCN3から検出スイッチSW1〜SWnのスイッチ信号を受ける入力バッファ45と、払出制御部24とのインタフェイス回路46とが配置されている。そして、これら各部のアース点は、全て内側ベタアースER1に接続されている。
出力ドライバ44としては、例えば、2バイト長の制御コマンドCMDについて、1バイト毎に1ビット長のストローブ信号と共に出力するシュミットトリガバッファが使用される。インタフェイス回路46にも、制御コマンドCMD”を出力する同様のシュミットトリガバッファが配置されている。また、入力バッファ45としては、主制御基板側が電源電圧5Vで機能し、遊技盤側が電源電圧12Vで機能する専用のインタフェイスIC(例えば、2STB155PP)が使用される。
一方、隔離ラインISOの外側には、払出制御基板24と各種信号を送受信する第一制御コネクタCN1と、電源基板20から直流電圧や制御信号SYS,CLR,ABNを受ける電源コネクタCN2と、遊技盤上の遊技部品とスイッチ信号や駆動信号を送受信する遊技コネクタCN3と、演出インタフェイス基板27に制御コマンドCMDを送信する第二制御コネクタCN4と、LEDランプ群に点灯制御信号を出力する点灯コネクタCN5とが、基板外周に沿って列状に配置されている。
但し、コネクタCN1,CN2は、実際には、図3に示す通り、主基板中継基板28を経由して、電源基板20や払出制御基板24に接続されている。同様に、コネクタCN3は、遊技盤中継基板29を経由して、また、コネクタCN5は、遊技盤中継基板29及び図柄表示基板33を経由して、遊技部品の電磁ソレノイドや検出スイッチ、或いは、LEDランプ群に接続されている。コネクタCN4は、コマンド中継基板26を経由して、演出インタフェイス基板27に接続されている。
上記の各コネクタCN1〜CN5のうち、電源コネクタCN2は、電流出口部EXTに近接して配置される。また、隔離ラインISOの外側であって、電流出口部EXTの近くには、電源コネクタCN2に接続された電源入力部INPが配置されている。図5は、電源コネクタCN2と電源入力部INPとの接続関係を示す回路図である。
図5に示す通り、電源入力部INPは、2つのコイルとコンデンサとがT型接続されてなるEMC(Electro-Magnetic Compatibility)フィルタFi1と、直流12Vを受ける平滑コンデンサCinと、抵抗とコンデンサが並列接続された平滑フィルタFi2と、制御信号SYS,CLR,ABNを受けるプルアップ回路Rupと、抵抗とコンデンサによるRCフィルタFi3とで構成され、各部のアース点は、外側ベタアースER2に接続されている。
電源基板20から受けるバックアップ電源BUは、EMCフィルタFi1を通してワンチップマイコン40に供給される。また、平滑コンデンサCinを経由した直流12Vは、トランジスタアレイTA1とバッファ45に供給されると共に、EMCフィルタFi1を通して三端子レギュレータRGに供給される。三端子レギュレータRGでは、電源基板20から受けた直流12Vが直流5Vに降圧されて、ワンチップマイコン40を含む各デジタルICの電源電圧となる。図示の通り、三端子レギュレータRGのアース点については、電流出口部EXTに近接して内側ベタアースER1に接続されている。
また、平滑フィルタFi2を経由した直流32Vは、遊技コネクタCN3に接続されている。一方、プルアップ回路Rup及びRCフィルタFi3を経由した制御信号SYS,CLR,ABNは、インバータ回路GTを通してワンチップマイコンに供給される。なお、インバータ回路GTのアース点は、内側ベタアースER1の電流出口部EXTに近接して接続されている。
このように、本実施形態では、電源基板20と接続される電源入力部INPのアース点は、外側ベタアースER2に接続される一方、三端子レギュレータRGの出力側であって、直流電圧5Vを電源電圧とするデジタルICのアース点は、内側ベタアースに接続されている。しかも、直流12Vの電源ラインと、直流5Vの電源ラインの間には、EMCフィルタFi1と三端子レギュレータRGとが配置されているので、隔離ラインISOの外側と内側の回路が、電源ラインやグランドラインによって結合されて干渉するトラブルが有効に防止される。
図6は、遊技コネクタCN3と、遊技盤中継基板29と、遊技部品の電磁ソレノイドL1,L2や検出スイッチSW1〜SWnとの関係を示す回路図である。図示の通り、電磁ソレノイドL1,L2には、電源基板20から受けた直流電圧32Vが、電源入力部INPの平滑フィルタFi2を経由して供給されている。一方、ドライバDRVは、ワンチップマイコン40から受けた駆動データDR1,DR2に基づいてON動作をすることで、電磁ソレノイドL1,L2を通電させている。
電磁ソレノイドL1,L2に流れる駆動電流は、比較的大電流である上に、それが断続的に流れるので、ワンチップマイコン40などに悪影響を与える可能性がある。しかし、本実施形態では、電磁ソレノイドL1,L2からドライバDRVへの帰還電流が、外側ベタアースER2から電源コネクタCN2のグランド端子GNDに流入するだけであり、内側ベタアースER1には全く流れ込まないので、ワンチップマイコン40などに対する耐ノイズ性が高まる。
検出スイッチSW1〜SWnは、高周波発振回路を内蔵して構成され、高周波発振回路を構成する検出コイルの中を遊技球が通過すると、ON動作して入力インピーダンスを降下させる機能を有している。図示の通り、このような機能を有する検出スイッチSW1〜SWnには、プルアップ抵抗Rを通して直流12Vが供給されているので、検出スイッチがON動作すると、バッファ45からLレベルの検出信号SG1〜SGnが得られる。
そして、バッファ45から検出スイッチSWiに対して、パルス状のON電流が流出するが、このON電流は、遊技コネクタCN3のグランド端子を経由して、外側ベタアースER2に流入する。このON動作において、検出スイッチSW1〜SWnのON電流がランダム且つパルス状に流れるので、ワンチップマイコン40などに悪影響を与える可能性も懸念される。しかし、本実施形態では、検出スイッチSW1〜SWnのON電流は、直流12Vに基づいており、しかも、外側ベタアースER2から電源コネクタCN2のグランド端子GNDに流入し、内側ベタアースER1には流れ込まないので問題が生じない。
図7は、点灯コネクタCN5に関連する回路を図示した回路図である。図7には、ワンチップマイコン40からコモンデータCOMiを受けて直流12Vを出力するトランジスタアレイTA1と、ワンチップマイコン40から点灯制御データDiを受けてON動作するトランジスタアレイTA2と、液晶ディスプレイDISPの上部に配置されたLEDランプ群と、各LEDランプの電流を制限する抵抗アレイRAとが示されている。
先に説明した通り、LEDランプ群は、この実施形態では、普通図柄表示部19を構成する2個のLEDランプと、抽選結果表示部14を構成する2個の7セグメントLEDである。そして、4ビットのコモンデータCOM0〜COM3と、8ビットの点灯制御データD0〜D7とで選択されたLEDランプが点灯状態となる。
トランジスタアレイTA1は、D型フリップフロップと、電流出力部とを内蔵して構成されている。そして、コモンデータCOMiは、トランジスタアレイTA1への書込み動作に対応して、D型フリップフロップにラッチされ、HレベルのコモンデータCOMiに対応する出力端子には+12Vが出力される。
一方、トランジスタアレイTA2は、オープントランジスタ型の電流入力部を内蔵して構成されている。したがって、Hレベルの点灯制御データDiを受けた電流入力部には、電源入力部INPの+12V→LEDランプ→電流制限抵抗を経た点灯電流が流れ込み、LEDランプが点灯状態となる。
したがって、例えば、全てのLEDランプが点灯したときには、トランジスタアレイTA2に流れ込む全点灯電流は、相当なレベルとなる。しかし、トランジスタアレイTA2のグランド端子は、外側ベタアースER2に接続されているので、点灯電流は、回路基板の外周を外側ベタアースER2に沿って流れた後、電源コネクタCN2のグランド端子GNDに流入することになり、内側ベタアースER1には全く影響を与えない。つまり、隔離ラインISOによって、内側のデジタルICは隔離されるので、仮にLEDランプへの配線に高周波ノイズなどが重畳しても、その影響はワンチップマイコン40などには及ばない。
以上の通り、本実施形態では、隔離ラインISOによって内外のベタアース面ER1,ER2を区分し、断続的に流れる大電流は、外側ベタアースER2にのみ流れるよう構成されているので、ワンチップマイコン40などのデジタルICがノイズなどの影響を受ける可能性が効果的に軽減される。
ところで、制御コマンドCMD,CMD”を出力するドライバ44やインタフェイス部46は、そのグランド点が内側ベタアースER1に接続されている。そのため、制御コネクタCN1,CN4における、Hレベルの出力端子から流出した電流のうち、サブ制御部から制御コネクタCN1,CN4のグランド端子に戻る電流は、外側ベタアースER2から内側ベタアースER1を経て、三端子レギュレータRGのアース点に戻ると思われる。また、制御コネクタCN1,CN4における、Lレベルの出力端子に流入した電流についても、内側ベタアースER1から外側ベタアースER2に至る電流経路が考えられる。しかし、本実施形態では、制御コネクタCN1,CN4が三端子レギュレータRGのアース点などに近接して配置されているので、外側ベタアースER2や内側ベタアースER1に十分な表面積を確保するだけで、トラブルを未然防止することができる。
実施態様に示すパチンコ機の斜視図である。 図1のパチンコ機の遊技盤を詳細に図示した正面図である。 図1のパチンコ機の全体構成を示すブロック図である。 主制御基板の各回路ブロックの配置関係を図示したものである。 主制御基板の電源コネクタに近接する部分の回路図である。 主制御基板の遊技コネクタに近接する部分の回路図である。 主制御基板の点灯コネクタに近接する部分の回路図である。
符号の説明
20 電源基板
21 主制御基板
24、27 サブ制御基板
CN1、CN4 制御コネクタ
CN2 電源コネクタ
CN3 遊技コネクタ
CN5 点灯コネクタ
EXT 電流出口部
ISO 隔離ライン

Claims (6)

  1. 遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選処理を実行して、その抽選結果に基づいて遊技動作を中心統括的に制御するコンピュータ回路を搭載した主制御基板と、主制御基板から出力される制御コマンドに基づいて、個別的な制御動作を実現するコンピュータ回路を搭載したサブ制御基板と、各制御基板に、第1レベルの直流電圧を含む各種の直流電圧を供給する電源基板と、に区分されて構成された遊技機であって、
    主制御基板は、電子部品の配置スペースを除く実質的に全てのスペースがグランド面とされ、電源基板から第1レベルの直流電圧を受ける電源コネクタに隣接する電流出口部を除いて、グランド面を回路基板の内外に分離する隔離ラインが設けられ、
    前記電源コネクタから受けた第1レベルの直流電圧を降圧させて、主制御基板のコンピュータ回路の電源電圧となる第2レベルの直流電圧を生成する電圧降下回路が、隔離ラインの開放端となる前記電流出口部に近接して配置され、
    隔離ラインの外側には、前記電源コネクタの他に、
    遊技機の適所に配置された電磁部品に対して、第1レベルの直流電圧を電源電圧とする駆動信号を出力すると共に、遊技機の適所に配置された検出センサから第1レベルの直流電圧を電源電圧とする論理レベルのスイッチ信号を受ける遊技コネクタと、
    遊技機の適所に配置された発光部材に対して、第1レベルの直流電圧を電源電圧とする点灯制御信号を出力する点灯コネクタと、
    サブ制御基板に対して、第2レベルの直流電圧を電源電圧とする論理レベルの制御コマンドを出力する制御コネクタと、が配置されると共に、
    前記各コネクタのグランド端子は、全て隔離ラインの外側に形成されたグランド面に接続され、
    グランド面の電流経路で評価して、前記点灯コネクタが全てのコネクタの最上流位置に配置される一方、その下流側に前記制御コネクタが配置されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 主制御基板のコンピュータ回路から受ける制御信号に基づいて、前記遊技コネクタに駆動電流を供給するドライバ回路は、そのグランド端子も含めて、隔離ラインの外側であって、前記電源コネクタに近接して配置される請求項1に記載の遊技機。
  3. 主制御基板のコンピュータ回路が出力する制御信号で選択される一群の発光部材に点灯電流を供給する電流出力部、及び、発光部材に供給された点灯電流の帰還電流を受ける電流入力部は、それらのグランド端子も含めて、隔離ラインの外側であって、前記点灯コネクタに近接して配置される請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 主制御基板のコンピュータ回路は、ワンチップマイコンと、制御コマンドを出力する出力部とを具備して構成され、このコンピュータ回路の全てのグランド端子は、隔離ラインの内側に配置される請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
  5. 電源コネクタに受けた第1レベルの直流電圧は、コイルとコンデンサとを含むフィルタ回路を経由して前記電圧降下回路の入力端子に供給され、前記電圧降下回路の電圧出力端子とグランド端子とは、隔離ラインの内側に出力される請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
  6. 主制御基板は、プリント基板の表裏両面にしか配線パターンが存在しない両面基板で構成されている請求項1〜5の何れかに記載の遊技機。
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