JP4716940B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱炊飯器等の誘導加熱調理器に関するものである。
誘導加熱式炊飯器等の誘導加熱調理器においては、誘導コイルの下方に、磁気回路を構成し、誘導コイルから発振する磁束の漏れを抑制するため、及び磁束の分布を調整するために、フェライトが配置されている。
このフェライトは、誘導コイルが固着されたコイル台に固定されるのが一般的である。
このフェライトの固定は、シリコン等の接着剤によりコイル台に直接固定する、フェライトを保持するための保持部品を介してコイル台に固定する、フェライトを樹脂材からなる保持部品にインサート成型をして固定コイル台にする、或いは、コイル台に直接インサート成型をして固定する、等の方法によりなされている。
例えば、従来の誘導加熱炊飯器におけるフェライト固定に関する技術として、『保護枠11の外側に設けられた誘導コイル13を支持するフェライト台15を、フェライト棒14を樹脂でインサ−ト成形して構成する。』(特許文献1)といったものや、『フェライトコア31はフェライトカバー32とコイルカバー12との間に狭持される。よって、フェライトコア31のがたつきが防止され、加熱コイル11の外側にフェライトコア31を確実に配置できる。フェライトコア31の外面には電気絶縁物のフェライトカバー32が配置される。よって、フェライトコア31が万一割れても、加熱基板15上の充電部への波及を防止できる。また、本体1を上下逆さまにし、底板3を外枠2から取り外してフェライトカバー32を外すだけで、フェライトコア31を簡単に取り外しでき、製品廃棄時の分解性がよい。』(特許文献2)といったものが提案されている。
特開平8−280533号公報(要約) 特開2000−210192号公報(要約)
先述した固定方法のうち、シリコン等の接着剤による固定にあっては、接着剤の乾燥時間が必要で、少なくとも半日は本体の生産に先行して接着しておく必要があり、乾燥させるための仮置きの場所も必要であった。さらにコイル台の材質によっては、特殊なグレードのシリコン接着剤を使用する必要があり、直材費も負担が大きい場合があった。
保持部品により保持する方法にあっては、フェライトの寸法バラツキが大きいため、フェライトと保持部品との間にそのバラツキ量を許容するためのクリアランスが必要で、そのクリアランスがフェライトと保持部品との遊びとなり、運転中に誘導コイルからの磁束の発振に伴う振動により、異音(びびり音)が発生するという課題があった。
フェライトを樹脂材からなる保持部品にインサート成型をして固定コイル台にする、あるいは、コイル台に直接インサート成型をして固定する方法にあっては、誘導コイルの発熱による膨張収縮の繰り返しにより、樹脂やせ等が発生し、応力集中により、樹脂割れの発生、あるいは、フェライト自身にひびが入り磁気回路が狂い、調理性能が低下する、等の課題があった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、フェライトをゼロクリアランスで保持することができる誘導加熱調理器を得ることを目的とするものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、
誘導コイルと、該誘導コイルを支持するコイル台と、
フェライトと、該フェライトを保持する保持部品とを備えた誘導加熱調理器であって、
前記保持部品の端部に、弾性を有する壁部を設け、
該壁部が前記フェライトの長手方向の一端を当接支持するように形成し
前記フェライトの長手方向の他端を当接支持するように形成された他端側支持部を設け、
前記壁部と前記他端側支持部により、前記フェライトの長手方向両端を当接支持するように形成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、シリコン等の接着剤を使用しないため、接着剤の乾燥時間が必要なく、従って製品本体の生産に先行して接着しておく必要がなく、乾燥させるための仮置きの場所も必要なくなる。
さらにコイル台の材質に関わらずシリコン接着剤を使用する必要がないので、直材費の負担も減る。
また、フェライトの寸法バラツキ及び、誘導コイルの発熱によっておこる、膨張収縮をそれ自体の弾性によって吸収する構造を採っているので、フェライトの寸法バラツキ量を許容するためのクリアランスが必要なく、ゼロクリアランスの設計ができる。
従って、運転中に誘導コイルからの磁束の発振に伴う振動により、異音(びびり音)が発生するという課題もなくなる。
同様に、インサート成型とはちがい、保持部品自体の弾性を利用しているので、熱による膨張収縮、或いは、樹脂やせによる寸法変化を吸収できる寸法範囲が大きい。
従って、応力集中により、樹脂割れが発生することもなく、フェライト自身にひびが入り磁気回路が狂い、調理性能が低下することもない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。
図1の(A)は断面図、(B)はその底面図、(C)は側面図である。
図1の電気炊飯器は、コイル台1、誘導コイル2、棒状フェライト3、保持部品4を有する。
コイル台1は、誘導コイル2を支持する。誘導コイル2は、誘導電流を発生させて被加熱物を加熱するためのものである。
棒状フェライト3は、コイル台1及び誘導コイル2の下方に配置され、誘導コイルから発振する磁束の漏れを抑制し、磁束の分布を調整する役割を持つ。
保持部品4は、棒状フェライト3を保持するための部品であり、ネジ7によりコイル台1に固定されている。なお、保持部品4のコイル台1への固定方法は、ネジ止めに限られるものではない。
保持部品4の構成について、図1を基に説明する。
(1)保持部品4の全体構成
保持部品4は、棒状フェライト3をコイル台1及び誘導コイル2の下方に配置して支持するため、同じくコイル台1及び誘導コイル2の下方に、電気炊飯器の中央部から外方に向かって放射状に配置されている。
保持部品4の形状は、棒状フェライト3の形状に合わせて、全体として棒状に形成され、棒状フェライト3を内部に格納して保持できるように、中空状態になっている。
(2)中央部側の端部
保持部品4の中央部側の端部には、棒状フェライト3の中央部側の端部を当接支持するための係り止め部5が設けられている。
係り止め部5は、保持部品4の中央部側の端部の天面を鉤状に屈曲させて形成されており、棒状フェライト3がその位置以上に中央部側に移動しないように保持する役割りを果たす。
また、棒状フェライト3を保持部品4の中に挿入しやすくするため、長手方向の中央部側の端部の底面を屈曲ないし湾曲させることにより、長手方向で比較すると、底面は対向する天面よりもやや短くなるように形成されており、もって棒状フェライト3の挿入口を形成している。
(3)外方側の端部
保持部品4の外方側の端部には、片持ち梁状に形成された壁6を設けている。
壁6は、保持部品4の天面側を片持ち支持点として構成し、保持部品4の素材の弾性限度の範囲内で一定の弾性を有する。
また、壁6の片持ち支持点近傍は、湾曲ないし屈曲して逃げ部10を形成している。
即ち、保持部品4の外方側の端部よりもやや中央部寄りの位置から、保持部品4の天面を上方に湾曲ないし屈曲させ、保持部品4の端部に相当する位置で下方に折り曲げて壁6を形成することにより、壁6の片持ち支持点近傍に逃げ部10を形成する。
なお、壁6は必ずしも保持部品4の外方側の端部全体を覆うように構成しなくともよく、図1(C)に示すように中抜き状に構成することもできる。
(4)底面
保持部品4は、底面側からコイル台1の底面に向かってネジ7を螺合させて、コイル台1に固定する。例えば図1(B)のように、保持部品4の側方にネジ7を螺合させるためのネジ孔を穿設した突出部を設け、ネジ7をもってコイル台1に固定すればよい。
保持部品4の底面は、必ずしも底面全体を面状に構成しなくともよく、例えば図1(B)に示すように、粗い格子状に構成して棒状フェライト3の底面を支持するようにしてもよい。
図1(B)においては、底面の中央長手方向に太目の格子線を1本、これと直交するように、やや細めの格子線を外方寄りに1本設けるとともに、中央部側の屈曲ないし湾曲させた部分は面状に形成し、これら中央の格子線、直交する格子線、及び中央部側の面状に形成した部分により、棒状フェライト3の底面を支持するようにしている。
壁6は、逃げ部10を有することにより、その上下方向の長さを棒状フェライト3の厚み寸法9よりも長く確保できるように構成される。
この構成により、壁6はその素材の弾性限度内でのたわみ量を大きくすることができるので、そのたわみ量の限度内で、棒状フェライトの長手方向の寸法バラツキ、及び樹脂やせ等の寸法変化を吸収することができ、壁6の弾性により係り止め部5と壁6の間で棒状フェライト3を当接支持し、クリアランスなく保持することができる。
また、たわみ構造は壁6のみのたわみだけでなく、逃げ部10の湾曲ないし屈曲に係る部分の側壁をなくすこと等により、これもたわみやすい形状として、壁6と逃げ部10との複合でたわみ量を確保してもよい。
なお、係り止め部5と壁6の間の寸法は、棒状フェライト3をクリアランスなく保持するためにも、棒状フェライト3の長手方向寸法のバラツキによる最短寸法より短く設定するのが望ましい。
以上のように、本実施の形態1によれば、
誘導コイルを支持するコイル台1と、
棒状フェライト3と、該棒状フェライト3を保持する保持部品4とを備えた誘導加熱調理器であって、
保持部品4の端部に、弾性を有する壁6を設け、
該壁6が棒状フェライト3の長手方向の一端を当接支持するように形成したので、
シリコン等の接着剤を使用せずにフェライトを固定するため、接着剤の乾燥時間が必要なく、従って製品本体の生産に先行して接着しておく必要がなく、乾燥させるための仮置きの場所も必要なくなる。
さらにコイル台の材質に関わらずシリコン接着剤を使用する必要がないので、直材費の負担も減る。
また、フェライトの寸法バラツキ及び、誘導コイルの発熱によっておこる、膨張収縮をそれ自体の弾性によって吸収する構造を採っているので、フェライトの寸法バラツキ量を許容するためのクリアランスが必要なく、ゼロクリアランスの設計ができる。
従って、運転中に誘導コイルからの磁束の発振に伴う振動により、異音(びびり音)が発生するという課題もなくなる。
同様に、インサート成型とはちがい、保持部品自体の弾性を利用しているので、熱による膨張収縮、或いは、樹脂やせによる寸法変化を吸収できる寸法範囲が大きい。
従って、応力集中により、樹脂割れが発生することもなく、フェライト自身にひびが入り磁気回路が狂い、調理性能が低下することもない。
また、壁6は、片持ち梁状に形成されたので、
壁6自体がたわみやすく構成されていることにより、棒状フェライト3の長手方向の寸法バラツキを吸収しやすい。
また、壁6の片持ち支持点近傍を湾曲ないし屈曲させて逃げ部10を形成し、壁6の長さを棒状フェライト3の厚み寸法よりも長くするように形成したので、
保持部品4のたわみ量を大きくすることができ、そのたわみ量の限度内で、棒状フェライト3の長手方向の寸法バラツキ、及び樹脂やせ等の寸法変化を吸収することができる。
また、保持部品4に、棒状フェライト3の長手方向の一端を支持する係り止め部5を設け、
壁6と係り止め部5により、棒状フェライト3の長手方向両端を当接支持するように形成したので、
棒状フェライト3の寸法バラツキ量を許容するためのクリアランスが必要なく、ゼロクリアランスの設計ができる。
また、壁6と係り止め部5の間の寸法は、棒状フェライト3の長手方向の最短寸法より短くなるように形成したので、
棒状フェライト3を確実に長手方向に当接支持できる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。
図2の電気炊飯器の構成は、実施の形態1における図1とほぼ同様であるが、図1における係り止め部5の代わりに、コイル台1に押え部11を設けた点が異なっている。
なお、その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
押え部11は、コイル台1の下方に、保持部品4の中央部側の端部と対向するように設けられ、棒状フェライト3の中央部側の端部を当接支持する。
押え部11は、保持部品4の中央部側の端部において、保持部品4の天面から端部にかけて、棒状フェライト3の中央部側の端部を覆いこむように形成されており、棒状フェライト3がその位置以上に中央部側に移動しないように保持する役割りを果たす。
なお、押え部11と壁6の間の寸法は、実施の形態1と同様に、棒状フェライト3をクリアランスなく保持するためにも、棒状フェライト3の長手方向寸法のバラツキによる最短寸法より短く設定するのが望ましい。
以上のように、本実施の形態2によれば、
コイル台1に、棒状フェライト3の長手方向の一端を支持する押え部11を設け、
壁6と押え部11により、棒状フェライト3の長手方向両端を当接支持するように形成したので、
棒状フェライト3の寸法バラツキ量を許容するためのクリアランスが必要なく、ゼロクリアランスの設計ができる。
また、壁6と押え部11の間の寸法は、棒状フェライト3の長手方向の最短寸法より短くなるように形成したので、
棒状フェライト3を確実に長手方向に当接支持できる。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。
図3の(A)は断面図、(B)はその底面図、(C)は側面図である。
図3の電気炊飯器は、壁6を両支持梁状に形成した点が、実施の形態1における図1と異なっている。以下、差異点を中心に具体的に説明する。
保持部品4の外方側の端部には、両支持梁状に形成された壁6を設けている。
壁6は、保持部品4の天面側及び底面側を両支持点として構成し、保持部品4の素材の弾性限度の範囲内で一定の弾性を有する。
また、壁6の両支持点近傍は、それぞれ湾曲ないし屈曲して、天面側に逃げ部10a、底面側に逃げ部10bを形成している。
即ち、保持部品4の外方側の端部よりもやや中央部よりの位置から、保持部品4の天面及び底面を上方に湾曲ないし屈曲させ、保持部品4の端部に相当する位置で折り曲げて壁6を形成することにより、壁6の両支持点近傍に逃げ部10a及び逃げ部10bを形成する。
また、逃げ部10a及び10bに係る湾曲ないし屈曲部分においては、保持部品4の側壁が除去されている。これは、壁6及び逃げ部10a、10bがたわみやすくなるようにするためであり、この構成によって保持部品4の弾性限度内でたわみ量を確保し、もって棒状フェライト3の長手方向の寸法バラツキ、及び樹脂やせ等の寸法変化を吸収することができる。
なお、本実施の形態3においては、実施の形態1と同様に、保持部品4の中央部側の端部は係り止め部5を有し、もって棒状フェライト3の中央部側端部を当接支持するものとしたが、実施の形態2に記載した押え部11を設けて、当該端部を当接支持するものとしてもよい。
以上のように、本実施の形態3によれば、
壁6を両支持梁状に形成し、
その両支持点近傍をそれぞれ湾曲ないし屈曲させて逃げ部10aと10bを形成し、壁6の長さを棒状フェライト3の厚み寸法よりも長くするように形成したので、
保持部品4のたわみ量を、片持ち梁形状の場合よりも大きくすることができ、そのたわみ量の限度内で、棒状フェライト3の長手方向の寸法バラツキ、及び樹脂やせ等の寸法変化を吸収することができる。
また、保持部品4は、逃げ部10a、10bの湾曲ないし屈曲に係る部分の側壁を除去して形成したので、
逃げ部10a、10bがたわみやすくなり、壁6とこれら2つの逃げ部との複合でより大きなたわみ量を確保し、棒状フェライト3の長手方向の寸法バラツキを吸収しやすくなる。
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。
図4の(A)は断面図、(B)はその底面図、(C)は側面図、(D)は保持部品単品の底面図、(E)は保持部品単品の側面図である。
図4の電気炊飯器は、コイル台1、誘導コイル2、保持部品4、J形フェライト14を有する。
コイル台1、及び誘導コイル2については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
J型フェライト14は、全体としては棒状であるが、コイル台1及び誘導コイル2の外形の形状にほぼ沿うように湾曲して略J字状に配置され、誘導コイル2から発振する磁束の漏れを抑制し、磁束の分布を調整する役割を持つ。なお、J形フェライト14は必ずしもコイル台1の全面に沿って配置されている必要はなく、例えば図4(A)においては、コイル台1の底面〜円周部の下半分程度までを覆うように配置されている。
保持部品4は、J型フェライト14を保持するための部品であり、ネジ7によりコイル台1に固定されている。なお、保持部品4のコイル台1への固定方法は、ネジ止めに限られるものではない。
保持部品4の構成について、図4を基に説明する。
(1)保持部品4の全体構成
保持部品4は、J形フェライト14をコイル台1及び誘導コイル2の下方に配置して支持するため、同じくコイル台1及び誘導コイル2の下方に、電気炊飯器の中央部から外方に向かって放射状に配置されている。
また、J形フェライト14の形状に合わせて、コイル台1及び誘導コイル2の外形の形状にほぼ沿うように湾曲して略J字状に配置され、J形フェライト14を内部に格納して保持するように、中空状態になっている。
(2)天面
保持部品4の天面は、保持部品4の全体形状と同様に、コイル台1及び誘導コイル2の外形の形状にほぼ沿うように湾曲して略J字状に形成されている。
なお、天面の外方側の端部は、下記(3)に示すように湾曲ないし屈曲して逃げ部13を形成している。
(3)外方側の端部
保持部品4の外方側の端部には、係り止め部12が設けられており、J形フェライト14の外方側の端部を略水平方向に当接支持する。これにより、J形フェライト14は、係り止め部12にもたれかかるような姿勢で当接支持される。
また、保持部品4の天面の外方側の端部近傍は、湾曲ないし屈曲して逃げ部13を形成している。
(4)底面
保持部品4の底面は、J形フェライト14の中央側の端部〜J字湾曲の開始点近傍までを支持するように形成され、J形フェライト14のJ字湾曲の開始点〜外方側の端部までは、底面が設けられていない。この部分の支持は、係り止め部12でもって、これに替えている。
また、保持部品4は、図1と同様に底面側からコイル台1の底面に向かってネジ7を螺合させて、コイル台1に固定する。例えば図4(B)のように、保持部品4の側方にネジ7を螺合させるためのネジ孔を穿設した突出部を設け、ネジ7をもってコイル台1に固定すればよい。
保持部品4の底面は、図1と同様に必ずしも底面全体を面状に構成しなくともよく、例えば図4(B)に示すように、粗い格子状に形成してJ形フェライト14の底面を支持するようにしてもよい。
なお、底面の中央部側の端部は、下記(5)に示すように湾曲ないし屈曲して逃げ部10を形成している。
(5)中央部側の端部
保持部品4の中央側の端部には、片持ち梁状に形成された壁6を設けている。
壁6は、保持部品4の底面側を片持ち支持点として構成し、保持部品4の素材の弾性限度の範囲内で一定の弾性を有する。
また、壁6の片持ち支持点近傍は、湾曲ないし屈曲して逃げ部10を形成している。
即ち、保持部品4の中央部側の端部よりもやや外方寄りの位置から、保持部品4の底面を下方に湾曲ないし屈曲させ、保持部品4の端部に相当する位置で上方に折り曲げて壁6を形成することにより、壁6の片持ち支持点近傍に逃げ部10を形成する。
なお、壁6は必ずしも保持部品4の外方側の端部全体を覆うように構成しなくともよく、図1(C)と同様に中抜き状に構成することもできる。
以上の構成を採ることで、棒状のフェライトと比較しても寸法バラツキが大きいJ形のフェライトについても、その長手方向の両端を弾性限度内でのたわみを利用して保持することができるため、ゼロクリアランスで設計ができる。
壁6と係り止め部12の間の寸法は、実施の形態1〜3と同様に、J形フェライトの長手方向寸法のバラツキによる最短寸法より短く設定するのが望ましい。
また、このJ形のフェライトにあっても、将来的には比較的寸法の小さいもの、あるいは選別等によりバラツキの範囲を規制したもの、あるいはフェライト製造技術の進歩等によりバラツキ量の少ないものができることも考えられる。
こうした場合においては、保持部品4の中央側端部ないしは外方側端部のいずれか一方のみを、たわみを利用して保持するように構成することもできる。
なお、以上の実施の形態1〜4においては、電気炊飯器を例に説明したが、本発明の対象はこれに限られるものではなく、誘導加熱調理器全般に適用できるものである。
即ち、フェライトを保持する保持部品を、実施の形態1〜4のように構成する誘導加熱調理器であればよく、適用対象は電気炊飯器に限られるものでない。
以上のように、本実施の形態4によれば、
保持部品4の、係り止め部12を設けた側の端部を湾曲ないし屈曲させて逃げ部13を設けたので、
保持部品4の両端でたわみを確保したことにより、棒状フェライトよりも寸法バラツキの大きいJ形フェライトを用いた場合であっても、バラツキに対する許容たわみ量を大きく確保することができ、バラツキが吸収しやすくなる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を図示するものである。
符号の説明
1 コイル台、2 誘導コイル、3 棒状フェライト、4 保持部品、5 係り止め部、6 壁、7 ネジ、9 フェライトの厚み寸法、10 逃げ部、10a 逃げ部、10b 逃げ部、11 押え部、12 係り止め部、13 逃げ部、14 J型フェライト。

Claims (10)

  1. 誘導コイルを支持するコイル台と、
    フェライトと、該フェライトを保持する保持部品とを備えた誘導加熱調理器であって、
    前記保持部品の端部に設けられ、弾性を有し、前記フェライトの長手方向の一端を当接支持するように形成された壁部と、
    前記フェライトの長手方向の他端を当接支持するように形成された他端側支持部とを備え、
    前記壁部と前記他端側支持部により、前記フェライトの長手方向両端を当接支持するように形成したことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記壁部は、片持ち梁状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記壁部の片持ち支持点近傍を湾曲ないし屈曲させて逃げ部を形成し、前記壁部の長さを前記フェライトの厚み寸法よりも長くするように形成したことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記壁部を両支持梁状に形成し、
    その両支持点近傍をそれぞれ湾曲ないし屈曲させて逃げ部を形成し、前記壁部の長さを前記フェライトの厚み寸法よりも長くするように形成したことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記保持部品は、前記逃げ部の湾曲ないし屈曲に係る部分の側壁を除去して形成したことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記他端側支持部は、前記保持部品に設けられ、前記フェライトの長手方向の一端を支持する係り止め部であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記他端側支持部は、前記コイル台に設けられ、前記フェライトの長手方向の一端を支持する押え部であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記係り止め部を、片持ち梁状に形成し、
    前記係り止め部の片持ち支持点近傍を湾曲ないし屈曲させて逃げ部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記壁部と前記係り止め部の間の寸法は、前記フェライトの長手方向寸法のバラツキによる最短寸法より短くなるように形成したことを特徴とする請求項6又は請求項8に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記壁部と前記押え部の間の寸法は、前記フェライトの長手方向寸法のバラツキによる最短寸法より短くなるように形成したことを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱調理器。
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