JP4823153B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
従来の誘導加熱式炊飯器等の誘導加熱調理器においては、例えば図8に示すように、誘導コイル1の下方に、磁気回路を構成し、誘導コイル1から発振する磁束の漏れを抑制するため、及び磁束の分布を調整するために、フェライト3が配置されている。
このような構成を有する誘導加熱炊飯器として、例えば『炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に配設される鍋と、前記鍋の底部に配設した第1の誘導加熱コイルと、第1の誘導加熱コイルより外周で、かつ前記鍋底外周コーナー部にほぼ沿って配設した第2の誘導加熱コイルと、前記第1と第2の誘導加熱コイルの下方でかつ両誘導加熱コイルにかけて連続して配設したフェライトとを備え、前記フェライトは前記炊飯器本体の中心より前記炊飯器本体の周面に向かってほぼ等間隔で放射状に配置される誘導加熱炊飯器。』というものがある(特許文献1)。
このような構成を有する炊飯器として、例えば『鍋と、前記鍋を収容する鍋収容部と、前記鍋収容部の外面に配置した加熱手段と、前記鍋の温度を検出する鍋温度検出手段と、前記加熱手段の外面に配置した電気絶縁物からなる加熱手段カバーと、前記加熱手段カバーの外面に放射状に配置した複数のフェライトコアと、前記フェライトコアの外面に配置した電気絶縁物からなるフェライトカバーとを備え、前記加熱手段カバーと前記フェライトカバーとの間に前記フェライトコアを狭持するとともに、前記鍋収容部と前記フェライトカバーとの間に前記鍋温度検出手段を狭持したことを特徴とする炊飯器。』というものがある(特許文献2)。同文献の『鍋温度検出手段』の配置は、図2の『鍋温度検出センサ13』として示されている。
そのため、内釜の中心点8付近の磁束密度は小さく、加熱ムラが生じる原因となっていた。
さらにコイル台の材質によっては、特殊なグレードのシリコン接着剤を使用する必要があり、直材費も負担が大きい場合があった。
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を底面から見た様子を示すものである。
図1の電気炊飯器は、誘導コイル1、コイル台2、フェライト3、フェライト保持部品9、図示しない内釜を備える。
中心点8付近は、従来技術の説明で述べたとおり、温度センサーを配置するために空間7が設けられている。
また、フェライト3は、フェライト保持部品9と、後述の図4で説明するコイル受け部2a、2bとの間に挟持されて固定される。詳細は図4で説明する。
空間7は、中心点8を中心として、所定の半径の円状に設けられており、この部分には誘導コイル1が配置されていない。
(2)放射線4を、オフセット5だけ平行移動すると、直線6が得られる。4本の放射線をそれぞれ同様にオフセット5だけ平行移動すると、4本で卍状に形成された直線6が得られる。このオフセット5は、5〜20mm程度が効果的である。
(3)4本のフェライト3を、卍を形成する4本の直線6上に、それぞれ交差しないように配置する。
(4)フェライト3の中心点8側の端部を、やや内側寄りにずらす。ずらした後も、各フェライト3が交差しないようにする。
これによって、従来磁束密度が低かった空間7部分も、磁束密度を高めることができ、磁束密度の分布にムラがなくなるので、内釜をムラなく加熱することができ、おいしい調理を行うことができる。
フェライト保持部品9は、コイル台2との間でフェライト3を挟持するため、内部は中空状態になっており、コイル台2の形状に沿って長手方向に湾曲している。この形状により、フェライト3の形状がJ形である場合にも、フェライト3を収納可能となっている。
また、フェライト保持部品9に一体に設けられた誘導コイル保持部10は、フェライト保持部品9の側面から短手方向に張り出してなり、コイル保持面10aとコイル台2とで誘導コイル1を挟持する。
誘導コイル1を挟持する構成については、後述の図5で改めて説明する。
誘導コイル保持部10は、フェライト保持部品9の側面から短手方向に張り出してなるため、その張り出し幅を適切に設定することで、放射線4の上に誘導コイル保持部10が配置されるように調整することができる。
この点、誘導コイル保持部10を設けずに、直線6の上で誘導コイル1を挟持するように構成した場合と比較すると、放射線4上で固定した方が固定の安定性が高いため、より確実に誘導コイル1を固定することができる。
図4において、コイル台2には、台面から直立する係止片状に形成されたコイル受け部2a、2bが設けられている。フェライト3は、コイル受け部2a、2bの頂部に支持されて寝かせるように配置され、上方からフェライト保持部品9に挟まれるようにして固定される。
このようにフェライト3を固定することで、シリコン等の接着剤を用いずにフェライト3をコイル台2に固定することができるので、接着剤の乾燥時間が不要になる。
この空間は、誘導コイル1とフェライト3とを絶縁する役割を果たすため、別途絶縁部材を両者の間に配置する必要がなくなり、部品点数やコストの観点から有利である。
なお、この空間は、本実施の形態1における「絶縁空間部」に相当する。
同図に示すように、コイル受け部2a、2bは、コイル台2の底面から係止片状に直立してなる。コイル受け部2a、2bそれぞれの頂部で、フェライト3を2点支持することができる。
誘導コイル1は、コイル台2の支持面と、コイル保持面10aとの間で挟持される。
このように誘導コイル1を固定することで、シリコン等の接着剤を用いずに誘導コイル1をコイル台2に固定することができるので、接着剤の乾燥時間が不要になる。
同図に示すように、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器によれば、従来の技術においては磁束密度の小さかった中心点8付近の磁束密度を大きくすることができ、加熱ムラを解消することができるとともに、磁束の漏れの抑制に関しても性能の向上を図ることができる。
即ち、放射線4をオフセットしてなる直線状に、それぞれ交差しないように配置され、その中心点側の端部が、やや内側寄りの位置より開始するものであればよく、フェライト自体の形状は問わない。
そのため、従来のフェライト3を4本用いるものと同じ部品点数でも、上記と同様の効果を奏することができる。即ち、コストを高くすることなく、誘導加熱調理器としての調理性能を向上させることができる。
同様に、誘導コイル1を誘導コイル保持部10とコイル台2で挟持して固定しているので、誘導コイル1の固定に際しシリコン等の接着剤を使用する必要がない。
これにより、接着剤の乾燥時間を必要とせず、またコストの観点からも、従来の誘導加熱調理器と比較して有利である。
実施の形態1では、4本のフェライト3を卍状に配置したものについて説明したが、配置の形状はこれに限られるものではなく、例えば放射線4が3本であれば、これらをそれぞれオフセットしてなる直線上にフェライトを交差しないように配置し、中心点8付近を三角形で取り囲むように構成することもできる。
このような構成をとることにより、フェライトの個数(=放射線4及び直線6の本数)や底面から見た長さが、中心点8を取り囲むようにフェライトを配置できる程度に十分であれば、フェライトの個数がいずれであっても、中心点8付近の磁束密度を同様に高めることができるという効果を奏することができる。
即ち、フェライトを実施の形態1〜2で説明したような構成とする誘導加熱調理器であればよく、適用対象は電気炊飯器に限られるものでない。
Claims (3)
- 誘導コイルの下方に配設された複数のフェライトと、
前記誘導コイルを配置するコイル台と、
前記フェライトを保持するフェライト保持部品と、
を備えた誘導加熱調理器であって、
前記コイル台は、前記誘導コイルを支持する係止片状のコイル受け部を備え、
前記フェライト保持部品は、短手方向に張り出してなる誘導コイル保持部を備えており、
各前記フェライトは、
本体底面の中心点を起点とする放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点側の端部は、内側寄りの位置より開始し、
前記コイル台の前記コイル受け部の頂部と前記フェライト保持部品の前記誘導コイル保持部により挟持されて固定される
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記誘導コイル保持部を、
本体底面の中心点を起点とする放射線上に略一致するように配置し、
その位置で前記誘導コイルを挟持して固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 各前記フェライトは、
本体底面の中心点を起点とする十字状の放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように卍状に配置された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱調理器。
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