JP4715516B2 - (2r)−2−プロピルオクタン酸を有効成分とする輸液製剤 - Google Patents
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Description
脳機能改善剤として有用なペンタン酸誘導体は、注射剤として、少なくとも1種の不活性な水性の希釈剤(注射用蒸留水、生理食塩水等)や不活性な非水性の希釈剤(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)と混合して用いられることが開示されている(例えば、欧州特許第0632008号明細書、欧州特許公開第1174131号明細書参照)。これらの公報にはさらに、該注射剤は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような補助剤を含有していてもよいと記載されている。
しかしながら現在まで、(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を予め輸液中に溶解した状態で含有する静脈内持続投与用の輸液製剤について、具体的に開示するものは無い。
本発明者らは、鋭意検討した結果、脳卒中を含めて種々の脳神経疾患の治療または予防薬として有用な(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩は、単独でも、その各々の溶解度に応じて水性溶媒に溶解可能であり、静脈内持続投与用の輸液製剤として調製することが可能であることを見出した。しかしながら、このような方法で調製した(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有してなる輸液製剤は、pHの僅かな変動、例えば、酸性側へのシフトによって白濁することが判明した。このように、溶液のpHの変化に鋭敏に反応し、白濁等の変化をきたす輸液製剤は、実際に患者に使用するにあたって幾つかの問題点が懸念される。すなわち、実際に医療従事者の手によって、他剤と併用し、または患者の血管内に投与する行為中に白濁することが危惧される。本発明者らは、さらに検討を加えた結果、弱酸の金属塩、例えば、リン酸三ナトリウムや炭酸ナトリウム等を一定量以上添加し、塩基性金属イオンを共存させることで、静脈内投与に適したpHを有し、またpHの変動に耐え得る静脈内持続投与用の輸液製剤として提供可能であることを見出し、この知見に基づいてさらに詳細に研究を行い、本発明を完成した。
(1)(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩と塩基性金属イオンを含有する輸液製剤、
(2)塩基性金属イオンの供給源として、リン酸の金属塩、炭酸の金属塩、亜硫酸の金属塩、有機スルホン酸の金属塩、およびC2〜6有機カルボン酸の金属塩から選択される少なくとも一種を含有し、さらに金属水酸化物を含有していてもよい前記(1)記載の輸液製剤、
(3)さらに、(1)電解質類、(2)糖類、(3)ビタミン類、および(4)蛋白アミノ酸類から選択される一種または二種以上を含有する前記(1)記載の輸液製剤、
(4)(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩1当量に対し、約1〜約5当量の塩基性金属イオンを含有する前記(1)記載の輸液製剤、
(5)塩基性金属イオンの供給源として、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、亜硫酸カリウム、および亜硫酸水素カリウムから選択される少なくとも一種を含有し、さらに水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含有していてもよい前記(2)記載の輸液製剤、
(6)塩基性金属イオンの供給源として、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含有し、さらにリン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、炭酸水素カリウム、および亜硫酸水素カリウムから選択される少なくとも一種を含有する前記(2)記載の輸液製剤、
(7)pHが約5.0〜約9.0である前記(1)記載の輸液製剤、
(8)1mLあたり約0.1〜約20mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有する前記(1)記載の輸液製剤、
(9)前記(8)記載の輸液製剤を、1単位形態あたり、約50mL、約100mL、約200mL、約250mL、約500mLまたは約1000mL充填してなる輸液用容器、
(10)(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩1当量に対し、約1〜約5当量の塩基性ナトリウムイオンを含有する輸液製剤であって、該塩基性ナトリウムイオンの供給源として、リン酸のナトリウム塩、および炭酸のナトリウム塩から選択される少なくとも一種を含有し、さらに水酸化ナトリウムを含有していてもよく、かつpHが約5.0〜約9.0である前記(1)記載の輸液製剤、
(11)さらに0.9%(w/v)の塩化ナトリウムを含有する前記(10)記載の輸液製剤、
(12)(2R)−2−プロピルオクタン酸の塩がナトリウム塩または塩基性天然アミノ酸塩である前記(1)記載の輸液製剤、
(13)神経変性疾患、神経障害、または神経再生を要する疾患の予防および/または治療剤である前記(1)記載の輸液製剤、
(14)(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩と、リン酸の金属塩、炭酸の金属塩、亜硫酸の金属塩、有機スルホン酸の金属塩およびC2〜6有機酸の金属塩から選択される一種または二種以上と、所望によって金属水酸化物を水性溶媒に溶解し、約2.5〜約100mg/mLの(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有する、pHが約8.4〜約9.0の溶液を調製する工程;前記調製溶液の(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩の濃度が約0.1〜約20mg/mLとなるように、(1)電解質類、(2)糖類、(3)ビタミン類、および(4)蛋白アミノ酸類から選択される一種または二種以上を含有する溶液で希釈する工程;および前記希釈された溶液を輸液用容器に充填する工程を含むことを特徴とする(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩と塩基性金属イオンを含有する輸液製剤の製造方法、
(15)前記(1)記載の輸液製剤の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする神経変性疾患、神経障害、または神経再生を要する疾患の予防および/または治療方法、および
(16)神経変性疾患、神経障害、または神経再生を要する疾患の予防および/または治療剤を製造するための前記(1)記載の輸液製剤の使用等に関する。
本発明の輸液製剤は、血管、好ましくは静脈から持続的に注入するための液剤であれば全て包含する。このような輸液製剤は、例えば、媒体が実質的に水である水性輸液製剤であってもよく、また、高カロリー輸液法や完全静脈栄養法等の静脈栄養法において用いられる脂肪輸液のような水中油型乳濁輸液製剤であってもよい。本発明の輸液製剤として好ましいのは、末梢静脈からの点滴投与が可能な水性輸液製剤である。
本明細書中、塩基性金属イオンとは、水溶液中において金属化合物によって供給される金属イオン、好ましくは、水溶液中において塩基性を示す金属化合物によって供給される金属イオンを意味する。塩基性金属イオンの供給源となる金属化合物は特に限定されないが、例えば、弱酸の金属塩、金属水酸化物等が挙げられる。弱酸の金属塩を構成する弱酸は、有機酸、無機酸を問わず用いることができ、また、多価の酸であってもよい。このような弱酸としては、例えば、リン酸、炭酸、ホウ酸、亜硫酸、有機スルホン酸、C2〜6有機カルボン酸(例えば、1〜3価のC2〜6有機カルボン酸、すなわち、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸等)、またはその他の有機酸等が挙げられる。
本発明の輸液製剤における前記金属化合物(弱酸の金属塩、金属水酸化物等)の含有量は特に限定されないが、前記金属化合物によって供給される塩基性金属イオンが(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩1当量に対し、約1〜約5当量、より好ましくは、約1.2〜約3.5当量であることが好ましい。
本発明の輸液製剤において、有効成分である(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩以外に含有されていてもよい好ましい物質は、例えば、塩化ナトリウム、グルコース等である。
以下に、電解質類、糖類、ビタミン類、蛋白アミノ酸類についてさらに具体的に説明する。
糖類としては、従来より各種の輸液に使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、グルコース、フルクトース等の単糖類、マルトース等の二糖類、グリセロール等の多価アルコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール、デキストラン40、デキストラン80等のデキストラン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。糖類の含有量は特に限定されないが、本発明の輸液製剤1Lあたり、例えば、約50〜約500gが好ましい。
具体的には、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−アルギニン、L−ヒスチジン、グリシン、L−アラニン、L−プロリン、L−アスパラギン酸、 L−セリン、L−チロシン、L−グルタミン酸、L−システイン等が挙げられる。
これらの蛋白アミノ酸類の配合比率は特に限定されないが、通常、この技術分野で既知の指標(必須アミノ酸必要量に基づくVuj−N処方、FAO処方、FAO/WHO処方または血漿中アミノ酸組成のフィッシャー比による処方)に従って、種々の必須アミノ酸と非必須アミノ酸との比率(いわゆるE/N比)、あるいは全アミノ酸に対する必須アミノ酸の比率(いわゆるE/T比)を種々変化させ配合したもの、あるいは分岐鎖アミノ酸を、必須アミノ酸または非必須アミノ酸に対する比率を考慮しつつ、適宜含有させたもの等が好ましく用いられる。
微量元素としては、例えば、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、クロム、フッ素等が挙げられる。これらの微量元素は、患者の状態に対応して一種類、または二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
微量元素の含有量は特に限定されないが、本発明の輸液製剤1Lあたり、例えば、鉄:好ましくは、約0.9〜約224μmol、より好ましくは、約9〜約70μmol;銅:好ましくは、約0.9〜約55μmol、より好ましくは、約1〜約10μmol;亜鉛:好ましくは、約3.85〜約210μmol、より好ましくは、約38.5〜約61.5μmol;マンガン:好ましくは、0〜約51μmol、より好ましくは、約1〜約14.5μmol;セレン:好ましくは、約0.025〜約5.0μmol、より好ましくは、約0.25〜約2.5μmol;ヨウ素:好ましくは、0〜約11μmol、より好ましくは、約0.6〜約1.1μmol等が挙げられる。
また、複数の微量元素が配合された市販の製剤を用いることによっても前記の微量元素を本発明の輸液製剤に添加することができる。市販品の具体例としては、鉄、銅、亜鉛、マンガンおよびヨウ素を含む「ミネラリン注」(登録商標)(商品名、日本製薬株式会社/武田薬品工業株式会社製)および「エレメンミック注」(登録商標)(商品名、味の素ファルマ社製)や、鉄、銅、亜鉛およびヨウ素を含む「パルミリン注」(登録商標)(商品名、日本製薬株式会社/武田薬品工業株式会社製)および「エレメート注」(登録商標)(商品名、味の素ファルマ社製)が挙げられる。
特に好ましい脂肪乳剤としては、油脂として大豆油、乳化剤として卵黄リン脂質を用いた脂肪乳剤である。脂肪乳剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の輸液製剤1Lあたり、例えば、油脂が約10〜約100g、乳化剤が約0.5〜約12gの範囲が好ましい。
具体的には、前記の様に、プラスチック製輸液バッグ、プラスチック製輸液ボトル、またはガラス製輸液ボトル等が用いられる。これらの容器の形状および大きさに特に制限は無い。輸液用容器の容量は、例えば、50mL、100mL、200mL、250mL、500mL、1000mL等が挙げられるが、500mLまたは1000mLが好適である。輸液用容器の材質は、輸液製剤に使用可能なガラス材質、またはプラスチック材質であることが好ましい。
前記の輸液用容器等に充填されて供される本発明の輸液製剤は、全量またはその一部を、そのまま患者の静脈内に点滴投与することができる。また、必要に応じて、他の薬剤(例えば、抗生物質等)を混合して、または併用して用いることも可能である。
本発明の輸液製剤は、有効成分として(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有していることから、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物、例えば、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)において、例えば、神経変性疾患等の治療および/または予防に有用である。神経変性疾患としては、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、オリーブ橋小脳萎縮症、脳卒中(例えば、脳梗塞、脳出血等)や脳脊髄外傷後の神経機能障害(例えば、脱髄疾患(多発性硬化症等)、脳腫瘍(星状膠細胞腫等)、感染症に伴う脳脊髄疾患(髄膜炎、脳膿瘍、クロッツフェルド−ヤコブ病、エイズ痴呆等))等が挙げられる。また、該輸液製剤は、神経再生促進剤、S100β増加抑制剤、または神経障害改善剤としても有用である。本発明の輸液製剤は、前記の疾患の治療および/または予防等を目的として、静脈内に点滴投与される。
(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全であると判断できる。例えば、イヌを用いた単回静脈内投与では、(2R)−2−プロピルオクタン酸は100mg/kgで死亡例が見られなかった。
本発明によって、(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有し、かつ静脈内投与に適したpHを有する、用時に溶解、希釈等の調製操作を必要としない静脈内持続投与用の輸液製剤およびその製造方法を提供することができる。
注射用水に、リン酸三ナトリウム・12水和物(7.08kg)、塩化ナトリウム(18kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(4.0kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表1の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸三ナトリウム・12水和物(14.16kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(8.0kg)を加え、溶解させた。塩化ナトリウム(18kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表2の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(6.4kg)、水酸化ナトリウム(0.824kg)、塩化ナトリウム(18kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(4.0kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表3の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(12.8kg)、水酸化ナトリウム(1.648kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(8.0kg)を加え、溶解させた。塩化ナトリウム(18kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表4の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(12.8kg)、塩化ナトリウム(18kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸・ナトリウム塩(8.944kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表5の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(6.4kg)、塩化ナトリウム(18kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸・ナトリウム塩(4.472kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表6の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(6.4kg)、水酸化ナトリウム(0.824kg)、ブドウ糖(100kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(4.0kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表7の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
注射用水に、リン酸一水素二ナトリウム・12水和物(12.8kg)、水酸化ナトリウム(1.648kg)および(2R)−2−プロピルオクタン酸(8.0kg)を加え、溶解させた。ブドウ糖(100kg)を加え、注射用水を用いて2000Lとした。均一な溶液とした後、無菌フィルター(デュラポア製0.22μmメンブレン)でろ過し、得られた液(100mL、250mLおよび500mL)を輸液バッグに充填した。この充填した容器に栓を施し、高圧蒸気滅菌(123℃、15分間)することにより、以下の表8の輸液製剤を製造した。各製剤の溶状は、無色透明であり、pHは5.0〜9.0の値を示した。
Claims (3)
- (2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩と、塩基性金属イオンを含有するpHが5.0〜9.0の輸液製剤であって、
(1)1mLあたり0.1mg〜20mgの(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩、
(2)(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩1当量に対して1〜5当量の塩基性金属イオン、および
(3)塩化ナトリウムおよび/またはブドウ糖
を含有し、前記塩基性金属イオンの供給源が、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、およびリン酸二水素一ナトリウムから選択される少なくとも一種と、所望によって水酸化ナトリウムである輸液製剤。 - 請求項1記載の輸液製剤を、1単位形態あたり、50mL、100mL、200mL、250mL、500mLまたは1000mL充填してなる輸液用容器。
- (2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩と、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、およびリン酸二水素一ナトリウムから選択されるリン酸の金属塩と、所望によって水酸化ナトリウムを水性溶媒に溶解し、2.5〜100mg/mLの(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩を含有する、pHが8.4〜9.0の溶液を調製する工程;前記調製溶液の(2R)−2−プロピルオクタン酸またはその塩の濃度が0.1〜20mg/mLとなるように、(1)0.9%(w/v)の塩化ナトリウム、または(2)5%ブドウ糖を含有する溶液で希釈する工程;および前記希釈された溶液を輸液用容器に充填する工程を含むことを特徴とする輸液製剤の製造方法。
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