JP4715202B2 - 有機el素子及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子及び有機el素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(電界発光:Electro Luminescence)素子及び有機EL素子の製造方法に関する。
コダック社による低分子化合物を用いた真空蒸着法により有機層を形成した積層型有機EL素子の発表以来、有機ELディスプレイの開発が盛んに行われ現在実用化されつつある。
その一方で、有機EL素子の素子特性の更なる向上が求められている。従来の有機EL素子は、発光層、電子移動層及び電子注入層などにアルミキノリノール錯体等の電子輸送能を有する材料を用いるものが一般に知られている。しかしながら、このような有機EL素子は高い発光輝度が得られるものの、発光効率の点で必ずしも十分とはいえないものであった。発光効率が不十分であると、発光させるための駆動電圧を高める必要があり、その結果、有機EL素子の寿命が低減する問題を生じる。
そこで、高効率で均一に発光させる有機EL素子の提供を意図して、例えば、発光層と陰極との間に、エネルギーギャップが4.0eV以上の絶縁性の金属酸化物を挿入してなる有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高効率化及び寿命の向上を意図して、例えば、発光層と陽極及び陰極との間に絶縁層を設けた有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−3080号公報 米国特許第5853905号明細書
しかしながら、最近では有機EL素子に要求される素子特性の水準が高まっており、上記従来の有機EL素子であっても、輝度、発光効率及び寿命の全てを高水準で満足するためには未だ改善の余地がある。特に、従来の有機EL素子の場合、その寿命は十分とは言えず、発光輝度、発光効率などの素子特性が比較的短時間で低下してしまう。
本発明は、従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、発光輝度及び発光効率に十分優れ、これらの素子特性を長期間にわたって高水準に維持することが可能な長寿命の有機EL素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、有機EL素子の発光層と電子注入電極層との間に特定の有機化合物を含む有機薄膜層を設けることによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の有機EL素子は、基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極層及び第2の電極層と、これらの電極層間に配置された発光層とを備える有機EL素子において、第1の電極層及び第2の電極層のいずれか一方がホール注入電極層であり、他方が電子注入電極層であり、且つ、発光層と電子注入電極層との間に、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な第1の有機化合物と、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物と、を含み、蒸着法により形成された有機薄膜層が設けられており、且つ、第1の有機化合物が極性化合物であるビニルピリジンの重合体であり、前記第2の有機化合物がアントラセン誘導体であることを特徴とする。
本発明の第一の有機EL素子によれば、上記構成を有することにより、発光輝度、発光効率などの素子特性を長期間にわたって高水準に維持することができるようになり、長寿命の有機EL素子が有効に実現可能となる。なお、本発明の有機EL素子によりこのような効果が得られる理由については必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、上記の条件を満たす有機薄膜層を設けることにより、有機薄膜層がホールに対するブロッキング層として機能するとともに十分な電子注入性を同時に発揮し、電子とホールとの注入バランスを取ることが可能になるものと考えられる。そして、発光層におけるホールと電子との再結合の確率が上昇し、十分に高い発光効率及び寿命を有する有機EL素子を得ることができると考えられる。
さらには、上記第1の有機化合物と上記第2の有機化合物とを組み合わせて有機薄膜層に含有させることによって、かかる有機薄膜層の層厚制御が容易となり、生産性及び素子設計自由度に優れた有機EL素子が実現可能となる。これは、上記第1の有機化合物と上記第2の有機化合物とを組み合わせることで、有機薄膜層の層厚を厚くする場合であっても高い電子注入性を維持することができ、有機薄膜層のホールに対するブロッキング効果と電子注入性とを広範囲の層厚においてバランスさせることが可能となり、有機薄膜層の膜厚を薄くしたときに生じるムラなどの不具合を十分に抑制できることに起因すると考えられる。
また、上記本発明の第一の有機EL素子によれば、上記有機薄膜層を蒸着法により形成することができるため、溶媒を用いる塗布製膜法のように下層発光層を侵食し無発光状態になってしまうことを防ぐことができ、より自由度の高い素子設計が可能となる。さらに、塗布時の残留溶媒による素子劣化を十分に抑制することも可能となる。
また、本発明の第一の有機EL素子は、上記第2の有機化合物が極性化合物であることを特徴としてもよい。すなわち、上記有機薄膜層は、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性有機化合物とエネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な極性有機化合物との混合物を含有するものであってもよい。この有機薄膜層に電子注入電極層が隣接して設けられた場合、有機薄膜層と電子注入電極層との付着性をより確実に確保することが可能となり、寿命特性により優れた有機EL素子が実現可能となる。
また、本発明の第一の有機EL素子は、上記第2の有機化合物が無極性化合物であることを特徴としてもよい。すなわち、上記有機薄膜層は、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性有機化合物とエネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な無極性有機化合物との混合物を含有するものであってもよい。
さらに、本発明の第一の有機EL素子において、上記有機薄膜層と電子注入電極層との間に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれら金属の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の金属又は化合物からなる層が更に設けられていることが好ましい。
このような層を設けることにより電子注入が促進され、発光輝度、発光効率、及び寿命をさらに向上させることが可能となる。
さらに、上記第1の有機化合物が、クラウンエーテル類、シクロファン類、トリアジン類、カリックスアーレン類、ポリエーテル類、又は複素環含有化合物を含むことが好ましい。このような有機薄膜層を設けることにより、有機EL素子の発光輝度、発光効率、及び寿命をより確実に向上させることが可能となる。
また、上記第1の有機化合物は、重量平均分子量が2000以下である下記(a)〜(c)の有機化合物の1又は2以上を含むことが好ましい。
(a)ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン及びN−ビニルピロリドンからなる群より選択される化合物の重合体若しくは共重合体又はその骨格単位を有する化合物。
(b)アルキル基の炭素数が2〜4であるオキシアルキレン重合体若しくは共重合体又はその骨格単位を有する化合物。
(c)ポリオキサゾリン、ポリビニルブチラール又はその骨格単位を有する化合物。
このような有機薄膜層を設けることにより、有機EL素子の発光輝度、発光効率、及び寿命をより確実に向上させることが可能となる。
さらに、上記第1の有機化合物のエネルギーギャップが3.8eV以上であることが好ましい。本発明の第一の有機EL素子においては、エネルギーギャップが3.8eV以上である蒸着可能な極性有機化合物と、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物とを含む有機薄膜層を備えることにより、発光輝度、発光効率などの素子特性をより長期間にわたってより高水準に維持できる有機EL素子が有効に実現可能となる。また、本発明の第二の有機EL素子においても、エネルギーギャップが3.8eV以上である蒸着可能な極性有機化合物と、電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物とを含む有機薄膜層を備えることにより、発光輝度、発光効率などの素子特性をより長期間にわたってより高水準に維持できる有機EL素子が有効に実現可能となる。
また、本発明の有機EL素子の製造方法は、基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極層及び第2の電極層と、これらの電極層間に配置された発光層とを備え、第1の電極層及び第2の電極層のいずれか一方がホール注入電極層であり、他方が電子注入電極層であり、発光層と電子注入電極層との間に有機薄膜層が設けられている有機EL素子の製造方法であって、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物でありビニルピリジンの重合体である第1の有機化合物と、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能なアントラセン誘導体又は上記式(i)若しくは(ii)で示される化合物であるである第2の有機化合物と、を含む有機薄膜層を形成することにより上記有機薄膜層を形成する有機薄膜層形成工程を備え、有機薄膜層形成工程において、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、を発光層上に共蒸着することにより有機薄膜層を形成することを特徴とする。
本発明の有機EL素子の製造方法によれば、上記本発明の第一の有機EL素子を容易に且つ確実に得ることができる。
さらに、上記有機薄膜層形成工程において、上記第1の有機化合物と、上記第2の有機化合物と、を発光層上に真空蒸着することにより有機薄膜層を形成することが好ましい。真空蒸着により有機薄膜層を形成する場合、膜厚の制御性に優れ且つ不純物質が含まれにくいので、膜厚が均一で高純度の有機薄膜層をより容易に且つより確実に形成することが可能となる。これにより、得られる本発明の第一の有機EL素子の発光輝度、発光効率、及び寿命をさらに向上させることが可能となる。また、有機薄膜層が発光層上に設けられることによって、より効果的なホールブロッキングが可能となり発光層への電子注入が促進され、得られる有機EL素子の駆動電圧の低減を図ることがより容易且つより確実となる。
本発明よれば、発光輝度及び発光効率に十分優れ、これらの素子特性を長期間にわたって高水準に維持することが可能な長寿命の有機EL素子及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、必要に応じて図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の有機EL素子の好適な実施形態について、図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。
本実施形態の有機EL素子1は、基板10と、基板10の一側に形成された第1の電極層12と、第1の電極層12上に形成された、発光層20と、発光層20上に形成された有機薄膜層16と、有機薄膜層16上に形成された第2の電極層18とを備え、第1の電極層12がホール注入電極層であり、第2の電極層18が電子注入電極層である。
さらに、有機薄膜層16は、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物である第1の有機化合物とエネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物とを含んで構成されている。
本実施形態にかかる有機EL素子1は、上記の構成を有していることにより、発光輝度及び発光効率に十分優れ、これらの素子特性を長期間にわたって高水準に維持することが可能となっている。有機EL素子1がこのような効果を有している理由については、本発明者らは以下のとおり推察する。すなわち、上記した第1の有機化合物及び第2の有機化合物を含んで構成される有機薄膜層16が、有機薄膜層がホールに対するブロッキング層として機能するとともに、十分な電子注入性を同時に発揮し、電子とホールとの注入バランスを取ることが可能になるものと考えられる。そして、発光層におけるホールと電子との再結合の確率が上昇し、十分に高い発光効率及び寿命を有する有機EL素子を得ることができると考えられる。
また、有機薄膜層16が発光層20上に設けられている有機EL素子1では、より効果的なホールブロッキングが可能となり、発光層20への電子注入が促進され、駆動電圧の低減を図ることがより容易且つより確実となっている。また、極性化合物である第1の有機化合物を含む有機薄膜層16は電子注入電極層との付着性に優れているので、電子注入電極層の有機EL素子に対する付着性を十分に確保するとともに、電子注入電極層の膜厚を薄くすることが可能となる。これにより、有機EL素子1は更なる高効率化及び長寿命化を図ることができる。
(基板)
基板10としては、非晶質基板(例えばガラス、石英など)、結晶基板(例えば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなど)が挙げられ、またこれらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いることができる。さらには、樹脂フィルム基板(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)も用いることができる。
基板10が光取り出し側となる場合、ガラスや石英などの透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜などを設けてもよい。
(ホール注入電極層)
第1の電極層であるホール注入電極(陽極)層12に用いる材料は、発光層へホールを効率よく注入することのできるものが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的には、透明導電膜である錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好ましい。
これらの酸化物は、その化学量論組成から多少偏倚していてもよい。ITOでのInに対するSnOの混合比は、1〜20質量%であると好ましく、5〜12質量%であるとより好ましい。また、IZOでのInに対するZnOの混合比は、通常、12〜32質量%程度である。ホール注入電極層12は、仕事関数を調整するため、シリカ(SiO)を含有していてもよい。SiOの含有量は、ITOに対して0.5〜10モル%程度が好ましい。SiOを含有することにより、ITOの仕事関数が増大する傾向にある。
光を取り出す側の電極層は、ホール注入電極層に限らず、有機EL素子の発光波長領域である400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における透過率は50%以上であると好ましく、80%以上であるとより好ましく、90%以上であるとさらに好ましい。光透過率が50%未満であると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度を得難くなる傾向にある。
ホール注入電極層12の膜厚は、光を取り出す側の電極層となるので、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物の透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、50〜500nmであると好ましく、50〜300nmであるとより好ましい。ホール注入電極層12の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不十分となると共に、基板10からのホール注入電極層12の剥離が発生する傾向にある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、発光層20へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう傾向にある。
(電子注入電極層)
第2の電極層である電子注入電極(陰極)層18に用いる材料は、後述する有機薄膜層16の効果により、比較的低い仕事関数を有している必要がないため、特に限定されることはない。したがって、比較的低い仕事関数を有するLi、Na、K若しくはCsなどのアルカリ金属、Mg、Ca、Sr若しくはBaなどのアルカリ土類金属、LiF若しくはCsIなどのアルカリハロゲン化物、LiOなどの酸化物、La、Ce、Sn、Zn若しくはZrなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができ、さらには、比較的高い仕事関数を有するAl,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,Pd若しくはNi、又は、これらの金属の合金、或いはこれらの金属と他の金属との合金をも用いることが可能である。また、これらのうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらのなかで、後述する有機薄膜層16の機能を有効に発揮する観点から、LiFを電子注入電極層18に用いると好ましい。電子注入電極層18にLiFを用いることにより、発光輝度、発光効率および寿命がさらに高水準で達成可能となる。
電子注入電極層18の膜厚は、発光層20への電子注入が可能であれば特に制限されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物もしくはLiOなどの酸化物を用いる場合の膜厚は、発光層20への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下であると好ましく、1nm以下であるとより好ましい。
さらに、本実施形態の有機EL素子においては、電子注入電極層18が複数の層構成を有していることが、発光輝度、発光効率、及び寿命をさらに向上させる観点から好ましい。例えば、電子注入電極層18を2層構成とする場合には、有機薄膜層16側の層を第1の電子注入電極層、有機薄膜層16側と反対側の層を第2の電子注入電極層(以下、第1の電子注入電極層を「電子注入電極層」、第2の電子注入電極層を「保護電極層」という場合もある)とすることができる。この場合、第1の電子注入電極層に用いる材料は、上記アルカリ金属、上記アルカリ土類金属、Yb,La,Er,Sm,Ceなどの希土類金属、及びこれら金属の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の金属又は化合物が好ましい。また、第2の電子注入電極層(保護電極層)に用いる材料は、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,Pd若しくはNi、又は、これらの金属の合金、或いはこれらの金属と他の金属との合金を用いることが好ましい。
上記の実施形態では、極性化合物である第1の有機化合物を含む有機薄膜層によって、無機化合物薄膜層である上記第1の電子注入電極層の付着性が改善され、より高い発光効率および寿命を有する有機EL素子を得ることができる。
第1の電子注入電極層の膜厚は、0.01〜10nmが好ましく、0.01〜5nmがより好ましい。また、第2の電子注入電極層の膜厚は、5〜1000nmが好ましく、50〜1000nmがより好ましい。
(発光層)
発光層20に用いられる発光材料としては、例えば、有機金属錯体若しくは蛍光色素などの低分子発光材料(発光性低分子化合物)、又は、π共役系高分子化合物若しくは分子分散型高分子化合物(非共役系高分子化合物中に蛍光色素を分散した構造を有する高分子化合物)などの高分子発光材料(発光性高分子化合物)が挙げられる。あるいは、比較的低い発光性を有する発光材料をホスト材料とし、比較的高い発光性を有する発光材料をドーパント材料(ゲスト材料)として混合して用いるなどの、二種以上の発光材料を組み合わせて用いてもよい。
発光層20を構成する好ましい低分子化合物としては、ナフタレン誘導体、フェナンスレン誘導体、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、コロネン誘導体、インデン誘導体、フルオレン誘導体、フルオランテン誘導体、スチルベン誘導体、ペンタジエン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、インドール誘導体、トリアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジアミノビフェニル誘導体、スチリルアミン誘導体、ピラン誘導体、クマリン、キナクドリン誘導体、又は、Al、Zn、Be、Ir、Pt若しくは希土類金属等を中心金属とした有機金属錯体化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子発光材料としては、例えば、発光材料を導入して高分子化したものが挙げられ、具体的には、カルバゾール、アントラセン、ナフタセン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン等の縮合多環化合物(さらに、置換基等を導入したこれらの誘導体であってもよい。)に直接あるいは連結基を介してビニル基を導入したモノマーを高分子化したポリビニル化合物などが挙げられる。
さらに、発光効率、耐熱性及び寿命をより向上させる観点から、高分子発光材料のなかで、分子分散型高分子化合物を発光層20の発光材料として用いるとより好ましく、下記一般式(1)〜(4)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーを含む重合性モノマーを重合して得られるビニル系高分子化合物、下記一般式(5)〜(10)で表される化合物を含む重合性モノマーを重合して得られるビニル系高分子化合物、及び、下記式(11)〜(13)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を用いると、キャリア輸送性、耐熱性及び発光効率の安定性の観点から、さらに好ましい。また、下記一般式(1)〜(4)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーが、上述と同様の観点から、それぞれ下記一般式(14)〜(16)および(18)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーであるとより好ましく、下記一般式(5)、(9)および(10)で表される化合物が、それぞれ下記一般式(21)〜(23)で表される化合物であるとより好ましい。
さらに、上述と同様の観点から、一般式(16)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーが、下記一般式(17)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーであるとさらに好ましく、一般式(17)中のX61〜X73のうち少なくとも一つが総炭素数3〜20のアルキル基を有する置換基であると特に好ましい。また、一般式(18)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーが、下記一般式(19)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーであるとさらに好ましく、下記一般式(20)で表される構造を有する化合物から誘導されたビニルモノマーであるとより好ましい。
また、上述と同様の観点から、一般式(23)で表される化合物が下記一般式(24)もしくは(25)で表される化合物であるとより好ましい。
Figure 0004715202
ここで、式(1)中、X〜X10は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。また、式(1)のピレン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(2)中、X11〜X20は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。また、式(2)のフェナントレン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(3)中、X21〜X24は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換基を表し、n1は1〜3の整数を表し、k1及びk4はそれぞれ0〜5の整数を表し、k2及びk3はそれぞれ0〜4の整数を表す。
Figure 0004715202
ここで、式(4)中、X25〜X29は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。k5〜k9は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k5及びk7は0〜5の整数を表し、k6及びk9は0〜4の整数を表し、k8は0〜2の整数を表す。また、式(4)のジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
ここで、式(5)及び(6)中、L及びLはそれぞれ2価の基を表し、X30〜X35は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、a及びbはそれぞれ0又は1を表し、k10、k13、k14及びk15はそれぞれ0〜3の整数を表し、k11は0〜2の整数を表し、k12は0〜4の整数を表す。また、フルオランテン環を構成する炭素原子に結合した置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
ここで、式(7)及び(8)中、L及びLはそれぞれ2価の基を示し、X36〜X38は同一であっても異なっていてよく、それぞれ水素原子又は置換基を表し、Y〜Yは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換基を表し、c及びdはそれぞれ0又は1を表し、p、r及びsはそれぞれ0〜4の整数を表し、qは0〜3の整数を表し、フルオレン環を構成する炭素原子に結合した置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
ここで、式(9)及び(10)中、L及びLはそれぞれ2価の基を示し、X39〜X58は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素原子または窒素原子を表し、e及びfはそれぞれ0又は1を表し、X39〜X48のうち一つはLで表される基又はビニル基が結合する炭素原子であり、それ以外の炭素原子には置換基が結合していてもよく、該置換基同士は互いに結合して環を形成してもよく、X49〜X58のうち一つはLで表される基又はビニル基が結合する炭素原子であり、それ以外の炭素原子には置換基が結合していてもよく、該置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
ここで、式(14)中、Lは、単結合またはアルキレン基もしくはアリーレン基などの2価の基を表し、無置換でも置換基を有していてもよく、X〜X10は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。また、式(14)のピレン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(15)中、Lは、単結合またはアルキル基もしくはアリール基などの2価の基であって、該2価の基は無置換でも置換基を有していてもよく、X11〜X20は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。また、式(15)のフェナントレン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(16)中、X21〜X23、X59及びX60は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基又はアミノ基を表す。n1は1〜3の整数を表し、n2は0又は1を表し、k1は0〜5の整数を表し、k2、k3、k16及びk17はそれぞれ0〜4の整数を表す。
Figure 0004715202
ここで、式(17)中、X61〜X73は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表す。n1は1〜3の整数を表し、n2は0又は1を表す。
Figure 0004715202
ここで、式(18)中、Lは、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表し、無置換でも置換基を有していてもよく、X25〜X29は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。k5〜k9は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k5、k6及びk9はそれぞれ0〜4の整数を表し、k7は0〜5の整数を表し、k8は0〜2の整数を表す。また、式(18)のジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(19)中、L10は、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表し、無置換でも置換基を有していてもよく、X25〜X29及びX74は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。k5〜k9及びk21は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k5及びk7はそれぞれ0〜5の整数を表し、k6、k9及びk21はそれぞれ0〜4の整数を表し、k8は0又は1を表す。また、式(19)のジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(20)中、L10は、単結合、アルキレン基又はアリーレン基を表し、無置換でも置換基を有していてもよく、X25〜X27、X29、X74及びX75は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。k5〜k7、k9、k21及びk22は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k5、k7及びk22はそれぞれ0〜5の整数を表し、k6、k9及びk21はそれぞれ0〜4の整数を表す。また、式(20)の、ジフェニルナフタセン環を構成する炭素原子に結合する置換基同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(21)中、Lは2価の基を表し、X30〜X32は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、aは0又は1を表し、k10は0〜3の整数を表し、k11は0〜2の整数を表し、k12は0〜4の整数を表す。また、式(21)のフルオランテン環を構成する炭素原子に結合した置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(22)中、Lは2価の基を表し、eは0又は1を表す。また、式(22)のフェナントロリン環を構成する炭素原子のうちLで表される基又はビニル基が結合する原子以外の炭素原子には置換基が結合していてもよく、該置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
ここで、式(23)中、Lは2価の基を表し、fは0又は1を表す。また、式(23)のフェナントロリン環を構成する炭素原子のうちLで表される基又はビニル基が結合する原子以外の炭素原子には置換基が結合していてもよく、該置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
ここで、式(24)及び(25)中、Lは2価の基を表し、fは0又は1を表し、フェナントロリン環を構成する炭素原子のうちLで表される基又はビニル基が結合する原子以外の炭素原子には置換基が結合していてもよく、該置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
また、π共役系高分子化合物を用いる場合は、下記一般式(26)〜(29)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物のいずれかであると、より好ましい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、それぞれの上記高分子化合物の有するL〜L10が、置換又は未置換のフェニレン基であって、a〜fが1であると、上述と同様の観点から、特に好ましい。
さらに、発光層20の発光材料として用いられる上記高分子化合物のうち、2種類以上の高分子化合物が有する繰り返し単位を共重合させた共重合体を該発光材料として用いることもでき、1種類以上の上記高分子化合物が有する繰り返し単位と、ここに例示していない高分子化合物が有する繰り返し単位との共重合体を該発光材料として用いることもできる。
発光層20には、発光材料の他、必要に応じて、従来知られているホール輸送性材料及び/又は電子輸送性材料などのキャリア輸送材料を含有してもよい。
ホール輸送性材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルペン誘導体若しくはトリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
電子輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレン若しくはその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体等の有機金属錯体等を用いることができる。
キャリア輸送材料の使用量は、使用する化合物の種類などにより異なるので、十分な成膜性と発光特性を阻害しない範囲で最適な添加量を決めればよい。通常、発光材料に対して1〜40質量%であり、より好ましくは2〜30質量%である。
発光層20の膜厚は、特に制限されず、また、形成方法によっても異なるが、発光効率をさらに向上させる観点から、20〜150nmであると好ましい。
(有機薄膜層)
有機薄膜層16は、上述したように、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物である第1の有機化合物とエネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物とを含んで構成されていることが必要である。
エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物である第1の有機化合物としては、下記(a)〜(e)に示す化合物が挙げられる。
(a)ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン及びN−ビニルピロリドンからなる群より選択される化合物の重合体若しくは共重合体又はその骨格単位をもつ化合物。
(b)アルキル基の炭素数が2〜4であるオキシアルキレン重合体若しくは共重合体又はその骨格単位をもつ化合物。
(c)ポリオキサゾリン、ポリビニルブチラール又はその骨格単位をもつ化合物。
(d)クラウンエーテル類、シクロファン類、トリアジン類又はカリックスアーレン類。
(e)ポリエーテル類又は複素環含有化合物。
但し、上記(a)〜(e)の化合物は、置換基を有していてもよい。
なお、上記(a)〜(e)の化合物は、エネルギーギャップが3.5eV以上であること、蒸着可能であること、極性を有することの条件を全て満たす必要があるため、例えば、上記(a)に示す重合体又は共重合体において、置換基を有していないスチレンの単独重合体は極性を有していないので除かれる。また、(d)の化合物のうちシクロファン類は、極性基又はヘテロ原子を分子内に含んで極性を有するものが選択される。
また、上記(a)〜(c)の化合物は、その重量平均分子量(Mw)が2000以下であることが好ましい。
さらに、上記(a)の化合物としては、下記一般式(a−1a)〜(a−1c)で示されるポリビニルピリジンを用いることがより好ましい。
Figure 0004715202
ここで、nは重合度を示し、nが4〜20であることが好ましい。
また、上記(b)に示す化合物としては、下記一般式(b−1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
ここで、式(b−1)中、R、R、R、R、Z及びWはそれぞれ独立に、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシアノ基、又はハロゲン原子を示す。また、R、R、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。また、式(b−1)中、k100及びk101はそれぞれ独立に、1〜4の整数を示し、n20は、2〜45の整数を示す。
また、上記(b−1)に示す化合物としては、例えば、下記一般式(b−1a)〜(b−1d)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
上記クラウンエーテル類としては、例えば、下記一般式(d−1)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
ここで、式(d−1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシアノ基、又はハロゲン原子を示す。また、R、R、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。また、式(d−1)中、k102及びk103はそれぞれ独立に、1〜4の整数を示し、n21は、2〜45の整数を示す。
上記一般式(d−1)で表される構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(d−1a)及び(d−1b)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
また、本実施形態において用いることができるクラウンエーテル類としては、下記一般式(d−1c)〜(d−1g)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
さらに、クラウンエーテル類として好ましいものとしては、例えば、下記一般式(d−2)及び(d−3)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
ここで、n22及びm22は、それぞれ独立に1〜50の整数を示す。X104及びX105は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基又はアミノ基を示す。k104及びk105は対応するベンゼン環への置換基の数を表し、k104及びk105はそれぞれ0〜4の整数を表す。
Figure 0004715202
ここで、n23は、2〜50の整数を示す。
また、上記一般式(d−2)で示されるクラウンエーテル類のうち、下記一般式(d−2a)〜(d−2c)で表される構造を有する化合物を用いることが、長寿命化及び高発光効率の観点からより好ましい。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、上記一般式(d−3)で示されるクラウンエーテル類のうち、下記一般式(d−3a)で表される構造を有する化合物を用いることが、長寿命化及び高発光効率の観点からより好ましい。
Figure 0004715202
シクロファン類としては、例えば、1,6,20,25−テトラアゾ[6,1,6,1]パラシクロファンが挙げられる。
トリアジン類としては、例えば、トリ(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
カリックスアーレン類としては、例えば、4−tert−ブチルカリックスアーレンが挙げられる。
ポリエーテル類としては、上記した(b)の化合物及びクラウンエーテル類以外に、OAr構造を複数有する化合物が挙げられる。ここで、Arは、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。また、本実施形態においては、OAr構造を2〜20有する化合物が好適に用いられる。
上記のOAr構造を複数有する化合物としては、例えば、下記一般式(e−1a)〜(e−1c)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
上記複素環含有化合物としては、例えば、下記一般式(e−2)〜(e−220)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物は、極性を有する化合物であってもよく、無極性の化合物であってもよい。
エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物としては、例えば、芳香族3級アミン等の3級アミン化合物;ヒソラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、キノリノール金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、有機金属錯体;アントラセン、クリセン、コロネン、トリフェニレン、ナフタセン、ナフタレン、フェナントレン、ピセン、ピレン、フルオレン、ペリレン、ジインデノペリレン、ベンゾピレン、フルオランテン、ベンゾ[K]フルオランテン等の縮合多環式芳香族炭化水素およびそれらの誘導体;キナクリドン、スチリル系色素、ルブレン等の芳香族炭化水素;ジフェニルイソベンゾフラン等が挙げられる。
第2の有機化合物として用いる有機金属化合物としては、長寿命化の観点から、下記一般式で示されるAlq3又はBAlqがより好ましい。
Figure 0004715202
また、第2の有機化合物として用いる縮合多環式芳香族炭化水素としては、長寿命化の観点から、下記一般式(C)で示される化合物が好ましい。
Figure 0004715202
さらに、上記第2の有機化合物としては、表1に示す(I−1)〜(I−20)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(I)で示される化合物のR11〜R15、R21〜R25を表1に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、上記第2の有機化合物としては、表2に示す(II−1)〜(II−18)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(II)で示される化合物のR11〜R15、R21〜R25を表2に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
さらに、上記第2の有機化合物としては、表3に示す(III−1)〜(III−22)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(III)で示される化合物のR11〜R15、R21〜R25を表3に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、上記第2の有機化合物としては、表4に示す(IV−1)〜(IV−20)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(IV)で示される化合物のR11〜R15、R21〜R25を表4に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
さらに、上記第2の有機化合物としては、表5に示す(V−1)〜(V−23)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(V)で示される化合物のR31〜R35、R41〜R45を表5に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、上記第2の有機化合物としては、表6に示す(VI−1)〜(VI−24)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(VI)で示される化合物のR31〜R35、R41〜R45を表6に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
さらに、上記第2の有機化合物としては、表7及び8に示す(VII−1)〜(VII−27)の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は下記一般式(VII)で示される化合物のR31〜R35、R41〜R45を表7及び8に示されるように組み合わせたものである。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
また、上記第2の有機化合物としては、下記一般式(VIII−1)〜(VIII−7)で示される化合物、下記一般式(IX−1)〜(IX−6)で示される化合物、および下記一般式(X−1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのアントラセン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのピレン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのペリレン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのフルオランテン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのベンゾ[K]フルオランテン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
第2の有機化合物としてのジインデノペリレン誘導体は、より具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0004715202
また、第2の有機化合物としての縮合多環式芳香族炭化水素は、上記以外に下記の化合物も挙げられる。
Figure 0004715202
有機薄膜層6における、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物である第1の有機化合物、及び、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物の含有割合は、質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]で100/1〜1/100とすることが好ましく、10/1〜1/10とすることがより好ましい。かかる質量比が、1/100未満であると、すなわち第1の有機化合物の含有割合が少なすぎると、有機EL素子の発光輝度、発光効率及び寿命が低下する傾向にあり、一方、100/1を超えると、有機薄膜層6の層厚を増加させた場合に有機EL素子の発光輝度、発光効率及び寿命が低下する傾向にあり、膜厚の制御が必要となる傾向にある。
また、質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]が1/1未満である場合には、第2の有機化合物のエネルギーギャップが2.9eV以上3.5eV未満であることが好ましく、この場合、発光効率をより向上させることが可能となる。これは、かかる第2の有機化合物と第1の有機化合物との組み合わせにより、有機薄膜層のホールに対するブロッキング効果と電子注入性とがさらに向上し、発光層におけるホールと電子との再結合の確率がより上昇した結果と考えられる。
有機薄膜層6の層厚は、0.1〜100nmが好ましい。さらに、有機薄膜層6の層厚は、質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]によって適宜設定することが好ましい。例えば、質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]が10/1を超え100/1以下である場合は0.1nm〜5nmが好ましく、1/1を超え10/1以下であるときは0.1nm〜20nmが好ましく、1/100を超え1/1以下であるときは0.1nm〜100nmが好ましい。
本発明の有機EL素子の好適な別の実施形態は、上述の本発明の有機EL素子の第1実施形態において、有機薄膜層16が、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物である第1の有機化合物と、電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物とを含んで構成されているものである。
電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物としては、例えば、2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾール、及び、1,3,4,−オキサジアゾール2,2’−(1,3−フェニレン)ビス[5−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]]等が挙げられる。
以上、本発明の有機EL素子の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明の有機EL素子の別の実施形態において、第1の電極層が電子注入電極(陰極)層であって、第2の電極層がホール注入電極層であってもよい。基板上に電子注入電極(陰極)層を配置した場合、電子注入電極層側を光取り出し側とすることができる。この場合には、電子注入電極層が、上述したホール注入電極層を光取り出し側とした場合の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
また、さらに別の実施形態において、従来知られているように、有機層として発光層を複数積層してもよく、発光層の他にホール注入層、ホール輸送層、及び/又は電子輸送層を積層してもよい。この場合、ホール注入層はホール注入電極層の発光層側に隣接して積層され、ホール輸送層は上記ホール注入層と発光層との間に積層され、電子輸送層は電子注入電極層と有機薄膜層との間に積層されうる。
以下、これらの別の態様について図を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図2は、本発明の有機EL素子の第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示される有機EL素子2は、ホール注入電極層12と発光層20との間にホール注入電極層側からホール注入層24とホール輸送層26とを備え、有機薄膜層16と電子注入電極層18との間に電子輸送層22を備えている点で有機EL素子1と異なる。
図2に示す有機EL素子2は、上記の構成を有することにより、発光輝度、発光効率及び寿命の全てを高い水準で満足することがより容易且つより確実にできる。
ホール輸送層26に用いられるホール輸送性材料及び電子輸送層22に用いられる電子輸送性材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレン若しくはその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体等の有機金属錯体等が挙げられる。
ホール注入層24に用いられるホール注入材料は、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体若しくはトリフェニルジアミン誘導体や、ポリチオフェン若しくはポリアニリンなどの公知の導電性高分子化合物を挙げることができる。
図3は、本発明の有機EL素子の第3実施形態を示す模式断面図である。図3に示される有機EL素子3は、基板10上に、ホール注入層24、ホール輸送層26、第1の発光層20a、第2の発光層20b、有機薄膜層16、第1の電子注入電極層28、第2の電子注入電極層30(保護電極層)がこの順に積層された構成を有しており、発光層20が第1の発光層20aと第2の発光層20bとからなる2層構成であること、電子注入電極層18が第1の電子注入電極層28と第2の電子注入電極層30とからなる2層構成であること、並びにホール注入層24及びホール輸送層26が設けられている点で有機EL素子1と異なる。
有機EL素子3によれば、発光層を2層構成とすることにより、発光色の調整をより容易に行うことが可能となる。また、発光層/有機薄膜層/第1の電子注入電極層/第2の電子注入電極層の構成とすることにより、上述したように各層の付着性が向上し、駆動電圧を大幅に低下できるとともに、発光輝度、発光効率、及び寿命をさらに向上させることが可能となる。
次に、本発明の有機EL素子の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。ここでは図1に示したような構成を有する有機EL素子の製造方法について説明する。
まず、用意した基板10上に、例えば、ITOなどのホール注入電極層12を形成する。その形成方法は、スパッタ法若しくは蒸着法などの従来用いられている方法を採用できる。
次に、ホール注入電極層12上に発光層20を形成する。その形成方法としては、発光層が高分子発光材料(発光性高分子化合物)を含有する場合、その発光材料が溶液から形成可能であるものならば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法若しくは印刷法などの塗布法を用いることができる。これらのうち、スピンコート法を用いることが好ましく、基板10の全面に塗布することにより、発光層20を形成する工程が非常に簡易になり、製造装置も簡単で安価なものとすることができる。
また、発光層が低分子発光材料である場合、上述した塗布法の他、スパッタ法若しくは蒸着法などを用いてもよい。
次に、発光層20上に有機薄膜層16を形成する。その形成方法としては、有機薄膜層16が第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含む場合には、上述した第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含む有機薄膜層を形成できる方法であればよく、スパッタ法若しくは真空蒸着などの蒸着法、或いは、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法若しくは印刷法などの塗布法を用いることができる。また、有機薄膜層16が第1の有機化合物と電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物とを含む場合も同様に、上記の方法により有機薄膜層16を形成できる。
上記の方法のうち、真空蒸着により有機薄膜層16を形成することが好ましい。真空蒸着法は膜厚の制御性に優れ且つ不純物質が含まれにくいので、膜厚が均一で高純度の有機薄膜層をより容易に且つより確実に形成することが可能となる。これにより、得られる本発明の有機EL素子の発光輝度、発光効率、及び寿命をさらに向上させることが可能となる。真空蒸着により有機薄膜層16を形成する場合、有機薄膜層16における質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]が上記した好ましい範囲となるように、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを共蒸着させてもよく、第1の有機化合物と第2の有機化合物との混合物を蒸着させてもよい。有機薄膜層16が第1の有機化合物と電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物とを含んで構成される場合も同様に、第1の有機化合物と電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物とを共蒸着させてもよく、第1の有機化合物と電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物との混合物を蒸着させてもよい。この場合の有機薄膜層16における質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[電子注入輸送可能で蒸着可能な有機化合物の合計質量]は、上述した質量比[第1の有機化合物の合計質量]/[第2の有機化合物の合計質量]の範囲と同様のものとすることが好ましい。
そして、有機薄膜層16上に電子注入電極層18を形成して、有機EL素子1が完成する。その形成方法は、蒸着法若しくはスパッタ法等の従来用いられている方法を採用することができる。
以上、本発明の有機EL素子の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、有機EL素子1において、第1の電極層が電子注入電極(陰極)層であって、第2の電極層がホール注入電極層である場合には、基板上に電子注入電極(陰極)層が配置される。このような有機EL素子を製造する場合には、上述とは逆の順序で各層の形成を行えばよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、厚さ100nmのITO透明電極(陽極)層が形成されているガラス基板を用意し、これを中性洗剤及び純水を用いて超音波洗浄し、乾燥した。続いて、ITO透明電極層の表面をUV/Oにより洗浄した後、このガラス基板を真空蒸着装置「VPC−410」(真空機工株式会社、商品名)の基板ホルダに固定し、装置内を1×10−4Pa以下まで減圧した。そして、減圧状態を維持したまま、下記一般式(A)で表される化合物を、蒸着速度0.1nm/秒でITO透明電極層上に蒸着し、厚さ80nmのホール注入層を形成した。
Figure 0004715202
次いで、上記で形成したホール注入層上に、下記一般式(B)で表される化合物を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ15nmのホール輸送層を形成した。
Figure 0004715202
次いで、上記で形成したホール輸送層上に、下記一般式(C)で表される化合物、上記一般式(B)で表される化合物及び下記一般式(D)で表される化合物を質量比80:20:3の割合で混合したものを、全体の蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ40nmの第1の発光層を形成した。
Figure 0004715202
Figure 0004715202
次いで、上記で形成した第1の発光層上に、上記一般式(C)で表される化合物、上記一般式(B)で表される化合物及び下記一般式(E)で表される化合物を質量比80:20:3の割合で混合したものを、全体の蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ40nmの第2の発光層を形成した。
Figure 0004715202
次いで、上記で形成した発光層上に、下記一般式(F)で表されるポリ(2−ビニルピリジン)(重量平均分子量:1000、エネルギーギャップ:4.4eV)と、上記一般式(C)(エネルギーギャップ:3.0eV)で表される化合物とを、蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、厚さ2nmの有機薄膜層を形成した。なお、形成された有機薄膜層におけるポリ(2−ビニルピリジン)及び上記一般式(C)で表される化合物の質量比が、[ポリ(2−ビニルピリジン)]/[上記一般式(C)の化合物]=1/1となるようにそれぞれの化合物の蒸着速度を制御した。
Figure 0004715202
式中、nは重合度を示す。
次いで、上記で形成した有機薄膜層上に、LiFを蒸着速度0.01nm/秒で蒸着し、厚さ0.2nmの電子注入陰極層を形成した。続いて、この電子注入陰極層上に、アルミニウムを蒸着速度2nm/秒で蒸着し、厚さ150nmの保護電極層を形成し、図3に示すものと同様の構成を有する実施例1の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧4.3Vにおいて輝度700cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が3500cd/cmで、この初期輝度に対して輝度が半減するまでの時間(「輝度半減時間」、以下同じ)が2800時間であった。これらの結果を表9に示す。
Figure 0004715202
(実施例2)
有機薄膜層におけるポリ(2−ビニルピリジン)及び上記一般式(C)の化合物の質量比を、[ポリ(2−ビニルピリジン)]/[上記一般式(C)の化合物]=1/2としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧5.7Vにおいて輝度700cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が3000cd/cmで、輝度半減時間が3000時間であった。これらの結果を表9に示す。
(実施例3)
有機薄膜層の膜厚を20nmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧5.8Vにおいて輝度800cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が4000cd/cmで、輝度半減時間が3100時間であった。これらの結果を表9に示す。
(実施例4)
有機薄膜層の膜厚を20nmとしたこと以外は実施例2と同様にして、実施例4の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧6.0Vにおいて輝度700cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が3800cd/cmで、輝度半減時間が2500時間であった。これらの結果を表9に示す。
(実施例5)
有機薄膜層の形成において、上記一般式(C)で表される化合物の代わりにAlq3(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III))(エネルギーギャップ:2.6eV)を用い、有機薄膜層におけるポリ(2−ビニルピリジン)及びAlq3の質量比を、[ポリ(2−ビニルピリジン)]/[Alq3]=1/1としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例5の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧6.5Vにおいて輝度800cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が3800cd/cmで、輝度半減時間が3000時間であった。これらの結果を表9に示す。
(実施例6)
有機薄膜層におけるポリ(2−ビニルピリジン)及びAlq3の質量比を、[ポリ(2−ビニルピリジン)]/[Alq3]=1/2としたこと以外は実施例5と同様にして、実施例6の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧6.5Vにおいて輝度500cd/cmの発光が測定され、ダークスポット及び輝点が見られない均一な発光面が確認された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が2000cd/cmで、輝度半減時間が3000時間であった。これらの結果を表9に示す。
(比較例1)
上記一般式(F)で表されるポリ(2−ビニルピリジン)及び上記一般式(C)で表される化合物からなる有機薄膜層に代えて、上記一般式(C)で表される化合物のみを発光層上に蒸着速度0.1nm/秒で蒸着して厚さ2nmの有機薄膜層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧5.8Vにおいて輝度100cd/cmの発光が測定された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が500cd/cm、輝度半減時間が10時間であり、寿命も不十分であった。これらの結果を表9に示す。
(比較例2)
上記一般式(F)で表されるポリ(2−ビニルピリジン)及び上記一般式(C)で表される化合物からなる有機薄膜層に代えて、Alq3(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III))(エネルギーギャップ:2.6eV)のみを発光層上に蒸着速度1nm/秒で蒸着して厚さ20nmのAlq3層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧7.0Vにおいて輝度300cd/cmの発光が測定された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、初期輝度が1500cd/cm、輝度半減時間が2000時間であった。これらの結果を表9に示す。
(比較例3)
上記一般式(F)で表されるポリ(2−ビニルピリジン)及び上記一般式(C)で表される化合物からなる有機薄膜層に代えて、上記一般式(F)で表されるポリ(2−ビニルピリジン)のみを発光層上に蒸着速度0.5nm/秒で蒸着して厚さ20nmの有機薄膜層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加して電流密度10mA/cmの定電流駆動を行ったところ、駆動電圧25Vにおいて輝度2cd/cmの発光が測定された。また、この有機EL素子を電流密度50mA/cmで定電流駆動させて寿命特性を評価したところ、発光が測定されなかった。これらの結果を表9に示す。
表1に示すように、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性有機化合物とエネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な極性又は無極性の有機化合物との混合物からなる有機薄膜層が設けられている実施例1〜6の有機EL素子は、発光輝度及び発光効率に十分優れ、これらの素子特性を長期間にわたって高水準に維持することが可能な長寿命の有機EL素子であることが確認された。特に、実施例1、3及び5の有機EL素子は、より低い駆動電圧で十分な発光輝度が得られることが確認された。
図1は、本発明の有機EL素子の第1実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本発明の有機EL素子の第2実施形態を示す模式断面図である。 図3は、本発明の有機EL素子の第3実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1,2,3…有機EL素子、10…基板、12…第1の電極層、16…有機薄膜層、18…第2の電極層、20…発光層、20a…第1の発光層、20b…第2の発光層、22…電子輸送層、24…ホール注入層、26…ホール輸送層、28…第1の電子注入電極層、30…第2の電子注入電極層。

Claims (7)

  1. 基板と、該基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極層及び第2の電極層と、これらの電極層間に配置された発光層と、を備える有機EL素子において、
    前記第1の電極層及び前記第2の電極層のいずれか一方がホール注入電極層であり、他方が電子注入電極層であり、且つ、
    前記発光層と前記電子注入電極層との間に、エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な第1の有機化合物と、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能な第2の有機化合物と、を含み、蒸着法により形成された有機薄膜層が設けられており、且つ、
    前記第1の有機化合物が極性化合物であるビニルピリジンの重合体であり、前記第2の有機化合物がアントラセン誘導体又は下記式(i)若しくは(ii)で示される化合物である、有機EL素子。
    Figure 0004715202
  2. 前記ビニルピリジンの重合体が、ポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記第2の有機化合物が、下記式(C)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の有機EL素子。
    Figure 0004715202
  4. 前記ビニルピリジンの重合体が、ポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記ビニルピリジンの重合体の重量平均分子量が2000以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記有機薄膜層と前記電子注入電極層との間に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれら金属の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の金属又は化合物からなる層が更に設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  7. 基板と、該基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極層及び第2の電極層と、これらの電極層間に配置された発光層と、を備え、
    前記第1の電極層及び前記第2の電極層のいずれか一方がホール注入電極層であり、他方が電子注入電極層であり、前記発光層と前記電子注入電極層との間に有機薄膜層が設けられている、有機EL素子の製造方法であって、
    エネルギーギャップが3.5eV以上の蒸着可能な極性化合物でありビニルピリジンの重合体である第1の有機化合物と、エネルギーギャップが3.5eV未満の蒸着可能なアントラセン誘導体又は下記式(i)若しくは(ii)で示される化合物であるである第2の有機化合物と、を含む有機薄膜層を形成することにより前記有機薄膜層を形成する有機薄膜層形成工程を備え、
    前記有機薄膜層形成工程において、前記第1の有機化合物と、前記第2の有機化合物と、を前記発光層上に共蒸着することにより前記有機薄膜層を形成する、有機EL素子の製造方法。
    Figure 0004715202
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