JP2005317450A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な高温耐久性を有する有機EL素子を提供すること。
【解決手段】 互いに対向して配置されたホール注入電極2及び電子注入電極6と、ホール注入電極2及び電子注入電極6の間に配置された1層以上の有機層と、ホール注入電極2及び電子注入電極6の間に配置された1層以上の無機層3,5と、を備え、
上記有機層のうちの少なくとも1層は発光層4であり、発光層4は下記一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴とする有機EL素子。なお、式(I)中、Lは2〜4価の連結基を示し、Aは置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基を示しそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を示す。
L−(A) ・・・(I)
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子に関するものである。
有機ELディスプレイ等に用いられる有機EL素子は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、電子注入電極(陰極)とホール注入電極(陽極)で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に電界を印加することにより励起・発光する素子である。このような有機EL素子は、無機EL素子と比較して、輝度や発光効率(量子収率)等の素子特性に優れており、現在実用化の段階を迎えつつある。
この有機EL素子の発光原理は、おおむね以下の通りと考えられている。すなわち、先ず、ホール注入電極から発光層に注入されたホール(正孔)と、電子注入電極から発光層に注入された電子とが、その発光層において再結合することにより、蛍光性有機化合物等の励起子が生成する。次いで、その励起子が失活する際に、エネルギーが光(蛍光、燐光)成分として放出されることにより発光すると考えられている。
このような有機EL素子では、発光効率及び駆動寿命を向上させる手段の1つとして、ホール注入電極と発光層との間、及び/又は電子注入電極と発光層との間に無機化合物を含有する無機層を設けることが知られている(例えば、特許文献1及び2)。このように無機層を設けることで有機EL素子の発光効率及び駆動寿命が向上する要因の1つとしては、無機層が存在することで、ホール注入電極及び電子注入電極から発光層に円滑に電子及びホールを注入する(キャリア注入性の向上)ことができるからであると考えられている。
特開2000−91079号公報 特開2000−294376号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1及び2に記載のものをはじめとする従来の有機EL素子について詳細に検討したところ、このような従来の有機EL素子は、25℃程度の常温では比較的安定であるものの、105℃程度の比較的高温で所定時間保存した場合にはその耐久性が不十分であること、すなわち作製後初期(高温保存前)の輝度と比較して、105℃程度の比較的高温で所定時間保存した場合には、その輝度の低下が十分に抑制されていないことを見出した。有機EL素子が実用化を迎えつつある中、このような比較的高温で保存された後であっても、作製後初期の水準に対して輝度の低下が抑制された、十分な耐久性を有する有機EL素子、すなわち十分な高温耐久性を有する有機EL素子が求められている。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な高温耐久性を有する有機EL素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されたホール注入電極及び電子注入電極と、上記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の有機層と、上記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の無機層とを備え、上記有機層のうちの少なくとも1層は発光層であり、当該発光層は下記一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴とする。
L−(A) ・・・(I)
ここで、上記式中、Lは2〜4価の連結基を示し、Aは置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基を示しそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を示す。但し、単結合は除く。
また、「有機層」とは有機化合物を含有する層をいい、「無機層」とは無機化合物を含有する層をいう。さらに、本明細書において、高温耐久性とは、比較的高温(105℃程度)で保存された場合における有機EL素子の耐久性を意味し、有機EL素子を105℃で所定時間保存した後の輝度が、作製後初期の輝度に対して50%となった時点の時間により評価される。
本発明者らは、上記特定の位置に無機層を備える有機EL素子の発光層に上記特定の化合物を含有させることで、本発明の目的を達成できる要因の1つを以下のように考えている。ただし、要因はこれに限らない。
有機EL素子、特に有機層が発光層のみである単層型有機EL素子が劣化する要因の一つとして、発光層のホール注入電極(陽極)側及び電子注入電極(陰極)側の両界面(両キャリア注入界面)におけるキャリア注入性の低下が挙げられる。このキャリア注入性の低下は、注入障壁の増大による有機EL素子の駆動電圧の上昇を招き、また、電子とホールのキャリアバランスが崩れるため、結果として有機EL素子の発光効率が低下すると考えられる。また、キャリアバランスが崩れることにより、発光層から陽極側の界面への電子の突き抜けが起こり、更に有機EL素子の劣化が促進されると考えられる。
このキャリア注入性の低下は、ホール注入電極と発光層との間、及び/又は電子注入電極と発光層との間に無機層を設けることである程度は抑制できると考えられている。しかしながら、特に有機EL素子を比較的高温で保存した場合には、上記のように無機層を設けただけでは、キャリア注入性の低下を十分に抑制することは困難である。
ここで、発光層にキャリアを注入するということは、言い換えれば両キャリア注入界面で有機化合物の酸化還元、すなわちキャリアの授受が起こるということを意味する。π電子共役結合を有する有機化合物、特に芳香族化合物の場合、このような電子の授受にかかわる軌道は、共役系を形成しているπ電子軌道である。
本発明において、上記特定の化合物は、複数のπ電子共役結合を有する環式化合物基を有しており、それらが特定の連結基により結合していることから略平面的な分子構造を有していると考えられる。そのため、上記特定の化合物では、複数の環式化合物基上のπ電子軌道が化合物上に略平面に存在していると考えられる。したがって、発光層に上記特定の化合物が含有される場合には、発光層に隣接する上記無機層の界面における上記特定の化合物のπ電子軌道の重なりを大きくすることができ、キャリア注入性を向上させることができると考えられる。
また、有機EL素子を比較的高温で保存した場合に、キャリア注入性が低下する原因の一つとして発光層に含有される化合物の3次元構造の影響が考えられる。上記特定の化合物は、略平面的な分子構造を有している状態が安定であり、比較的高温であっても、その略平面的な分子構造を維持できると考えられる。
他方、上記特定の化合物における連結基Lが単結合である場合には、連結されるユニット同士の立体障害があるため、その化合物は複数の環式化合物基が同一平面上にない、歪んだ分子構造を有すると安定である。特に、その化合物が比較的高温に晒された場合にはそれぞれの環式化合物基の配置を安定化させるように分子構造が変化するため、発光層に隣接する上記無機層の界面におけるπ電子軌道の重なりが小さくなり、キャリア注入性が低下すると考えられる。さらに、このような化合物では、室温程度の低温環境下においては単結合の回転によって仮に略平面的な分子構造になったとしても、105℃付近の比較的高温では、安定な分子構造に戻ろうとするため、無機層とのπ電子軌道の重なりが小さくなるように、分子構造が変化すると考えられる。
以上説明したように、本発明では、有機EL素子の特定の位置に無機層を設けると共に、発光層に上記特定の化合物を含有させることにより、キャリア注入性を安定化させ、特に比較的高温においても発光層のキャリア注入界面での安定性を維持できると考えられる。したがって、本発明では、十分な高温耐久性を有する有機EL素子を得ることができる。特に、上記1層以上の有機層が全て発光層である場合には、発光層が上記特定の化合物を含有していることで、より確実にキャリア注入性を安定化させることができるので好ましい。
本発明において、上記一般式(I)中、Lはπ電子共役結合を有する2〜4価の連結基(官能基)であることが好ましく、かかる連結基としては、環式化合物基であることが好ましく、芳香族基(炭化水素系でも、複素環系でもよい)であることがより好ましい。このような連結基を選択することで、有機EL素子の高温耐久性がさらに向上する。このように高温耐久性が向上するのは、キャリア注入性をさらに向上させることができるからであると考えられる。すなわち、連結基Lがπ電子共役結合を有する場合には、複数の環式化合物基のπ電子軌道が、連結基L上にも広がり、分子全体に共役系が形成される。これにより、発光層が隣接する無機層とのπ電子軌道の重なりをさらに広い範囲にすることができる。
また、上記一般式(I)中、LにおいてはAに結合している原子がそれぞれ隣接していないことが好ましい。このような構造をとることにより、A同士の立体障害も小さくなるためより平面構造をとりやすくなり、界面でのキャリアの注入性が安定化する。また、同様の理由から、Lにおいて、Aに結合している原子に隣接する原子が無置換であることが好ましい。
また、(i)Lが単環式化合物基であり、単環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、単環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは単環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合していること、又は、(ii)Lが縮合環を有する環式化合物基であり、環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合しており、且つ、縮合部位の原子でないことが好ましい。このような構造では、LにおけるAと干渉する位置に体積の大きな嵩高い原子や原子団が存在せず、LとAは同一平面状に位置することができるため界面でのキャリアの注入性がさらに安定化する。ここでAに結合している原子に隣接する原子が水素と結合している場合は水素の原子半径が比較的小さいためAとLが干渉することがなく、この場合も好ましい。
ここで縮合部位の原子とは、複数の環状構造が共有している原子を示す。すなわち、Lがナフチレン基である場合、Aが2位、3位、6位又は7位に結合している場合がL中のAに結合している原子に隣接する原子が縮合部位の原子でない場合の例であり、このような構造がより好ましい。
また、一般式(I)中、Lが2〜4価の芳香族基である場合には、L中のπ電子が非局在化し、より高い平面性を維持できるため、分子全体により安定な共役系が形成される。
本発明において、上記一般式(I)中、キャリア注入性をさらに向上させる観点から、Aのうちの少なくとも1つは置換又は無置換の縮合多環芳香族基であることが好ましい。縮合多環芳香族はπ電子共役系が大きく広がっており、比較的平面構造をとるためキャリア注入界面での軌道の重なりを大きく確保することができる。また、縮合多環芳香族基はアントラセン骨格を有することが特に好ましい。縮合多環芳香族基がアントラセン骨格を有する場合には、歪が少なく、分子構造の平面性をより高めることができると考えられる。
本発明において、上記無機層のうちの少なくとも1層は上記ホール注入電極及び上記発光層の間に配置されており、上記ホール注入電極及び上記発光層の間に配置された無機層は金属の酸化物及び/又は酸化窒化物を含有することが好ましい。ここで、上記金属は、半金属元素(Si、Ge等)を含む。このように、上記特定の位置に特定の金属化合物を含む無機層が配置されることで、発光層へのホール注入性を向上させ、高温耐久性をさらに向上させることができる。
上記金属の酸化物及び/又は酸化窒化物は、Ge、Si、In、Ru、V、Al及びGaのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることがより好ましく、Ge及びInのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることがさらに好ましい。無機層がこのような材料で構成されることで、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させることが可能となり、また発光効率及び駆動寿命を向上させることも可能となる。上記の中でも、同様の観点から、Ge及びInの酸化物及び/又は酸化窒化物が特に好ましく、上記Ge及びInの含有比が原子基準で下記式(1)を満たすことが最も好ましい。
2.2≦(Ge/In)≦2.7 …(1)
本発明において、上記ホール注入電極及び上記発光層の間に配置された無機層は、窒素を1体積%以上70体積%以下含み且つ酸素を10体積%以上含む雰囲気中で形成されることが好ましい。上記無機層が、上記特定の条件を満たす雰囲気中で形成されることで、有機EL素子の高温耐久性がさらに向上する。
本発明において、ホール注入電極及び上記発光層の間に配置された無機層は、酸素と窒素との含有量の合計が55体積%以上(より好ましくは70体積%以上)である雰囲気中で形成されることが好ましく、酸素と窒素とからなる雰囲気中で形成されることが特に好ましい。かかる条件を満たす雰囲気中で無機層を形成することで、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させることが可能となる。
また、上記雰囲気中、窒素の含有量が少なすぎる場合には無機層中に取り込まれる窒素の量が不足するため、窒素の含有量が1体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましい。なお、上記雰囲気中、窒素の含有量が比較的多い場合には無機層の安定性が低下するので、上記雰囲気における窒素の含有量は70体積%以下(より好ましくは50体積%以下)とすることが好ましい。また、上記雰囲気中、酸素の含有量が少なすぎる場合には無機層中に取り込まれる酸素の量が不足するため、酸素の含有量が50体積%以上であることが好ましい。特に好ましい雰囲気としては、窒素の含有量は50体積%以下であり、且つ酸素の含有量が50体積%以上である。
本発明において、ホール注入電極及び上記発光層の間に配置された無機層は、金属の酸化窒化物を含有し、窒素を0.5原子%以上17原子%以下含むことが好ましい。かかる無機層は、上記特定の雰囲気で形成することにより得ることができ、十分な高温耐久性を有する。上記無機層は、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させるために、窒素を2原子%以上7原子%以下含むことが好ましい。
本発明によれば、十分な高温耐久性を有する有機EL素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、必要に応じて図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されたホール注入電極(陽極)及び電子注入電極(陰極)と、上記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の有機層と、上記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の無機層と、を備え、上記有機層のうちの少なくとも1層は発光層である。
図1は、本発明の有機EL素子の一実施形態を示した概略断面図である。図1に示される有機EL素子10は、基板1上に、ホール注入電極(陽極)2、無機ホール注入層3、発光層4、無機電子注入層5、及び電子注入電極(陰極)6がこの順で積層した構成を有するものである。なお、ホール注入電極2及び発光層4の間に配置される無機ホール注入層3、並びに電子注入電極6及び発光層4の間に配置される無機電子注入層5は無機層であり、発光層4は有機発光層である。
(基板1)
基板1としては、従来の有機EL素子の基板として用いられているものであれば、特に限定されることなく用いることができる。そのような基板1としては、例えば、ガラス若しくは石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、又はこれらの結晶基板に結晶質、非晶質若しくは金属のバッファ層を形成した基板が挙げられる。また、Mo、Al、Pt、Ir、Au、又はPd等を構成材料とする金属基板を用いることもできる。これらのなかで、好ましくはガラス基板が用いられる。
また、有機EL素子10において、基板1の側を光取り出し側とする場合、後述するホール注入電極2と同様の光透過性を有するものを用いることが好ましい。その場合、基板1に色フィルター膜若しくは蛍光性物質を含む色変換膜(蛍光変換フィルター膜)、又は誘電体反射膜を用いて、有機EL素子10の発光色を調整することができる。
色フィルター膜としては、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを使用でき、有機EL素子10の発光色に合わせてカラーフィルターの特性を調整して、取り出し効率若しくは色純度を最適化できる。
また、有機EL素子の構成材料が吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いることにより、有機EL素子の耐光性や表示のコントラストを向上させることも可能である。さらに、誘電体多層膜のような光学薄膜をカラーフィルターの代わりに用いてもよい。
蛍光性物質を含む色変換膜(蛍光変換フィルター膜)は、発光層4からの発光を吸収し、その膜中に含まれる蛍光材料から光を放出させることにより、発光色の色変換を行うものである。その構成材料としては、蛍光材料及びバインダー、さらには必要に応じて光吸収材料が挙げられる。
上記蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いればよいが、有機EL素子10の発光波長域に吸収が強いものが好ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、例えば、ローダミン系化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)、ナフタロイミド系化合物、縮合環炭化水素系化合物、縮合複素環系化合物、スチリル系化合物、クマリン系化合物を用いることができる。
上記バインダーは、基本的に蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されず、フォトリソグラフィー、印刷等で微細なパターニングができるようなものが好ましい。また、ホール注入電極2の成膜時に損傷を受けないような材料がより好ましい。
上記光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いられることが好ましい。この光吸収材料としては、蛍光材料の蛍光を消光しないような材料であれば特に限定されず、一般的に使用されているものが用いられる。
(ホール注入電極2)
ホール注入電極2は、そのホール注入電極2に隣接する無機ホール注入層3に効率よく且つ均一に電界を印加できる材料を含んで構成される。
また、基板1の側を光取り出し側とする場合、有機EL素子10の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長におけるホール注入電極2の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。ホール注入電極2の透過率が50%未満であると、発光層4からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる傾向がある。
光透過率の比較的高いホール注入電極2は、各種酸化物を用い透明導電膜として構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは面内の比抵抗が均一な薄膜を容易に得ることができる点で特に好ましい。
ホール注入電極2は、基板1上に上述した材料を用いてスパッタ法、蒸着法等の方法により形成される。
ホール注入電極2の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば、上述した酸化物を用いる場合、その膜厚は、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。ホール注入電極2の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板1からホール注入電極2が剥離するおそれがある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が10nm未満の場合、抵抗率が大きくなり有機EL素子10の駆動電圧が上昇する傾向にある。
(無機ホール注入層3)
無機ホール注入層3は、金属の酸化物及び/又は酸化窒化物を含んで構成される。ここで、「金属の酸化窒化物」とは、金属、酸素及び窒素により構成される固体材料をいう。但し、それらは、イオン、原子の状態を問わない。
無機ホール注入層3の構成材料である金属の酸化物及び/又は酸化窒化物は、Ge、Si、In、Ru、V、Al及びGaのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることが好ましく、Ge及びInのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることがより好ましい。このような材料を用いることで、有機EL素子の高温耐久性をより向上させ、また発光効率及び駆動寿命も向上させることが可能となる。上記の中でも、同様の観点から、Ge及びInの酸化物及び/又は酸化窒化物であることが更に好ましく、上記Ge及びInの含有比が原子基準で下記式(1)を満たすことが特に好ましい。
2.2≦(Ge/In)≦2.7 …(1)
なお、無機ホール注入層3に含有される各構成材料は、無機ホール注入層3中に均一に分散していてもよく、又は膜厚方向に濃度勾配を有していてもよい。
また、本実施形態において、無機ホール注入層3を形成する際、その層における窒素の含有量は0.5原子%以上17原子%以下となるように調整されることが好ましく、2原子%以上となるように調整されることがより好ましい。この窒素の含有量は、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させるために、7原子%以下であることが好ましい。この場合には、後述する特定の雰囲気由来の窒素と酸素が程よく取り込まれことで、無機ホール注入層3の安定性が更に向上すると考えられる。窒素の含有量が17原子%を超えると、上記無機層中に窒素が過剰に存在し、そのことに起因して無機層の安定性が低下する傾向にある。また、0.5原子%未満の場合には、無機ホール注入層3中に窒素の取り込まれる量が少ないと考えられ、高温耐久性の向上が不十分となる傾向がある。
上記無機ホール注入層3中の窒素の含有量は、例えば、走査型蛍光X線分析装置、エネルギー分散型元素分析装置、波長分散型元素分析装置を用いて測定することができる。また、それらの装置を用いて得られた複数のデータを用いて、それらを相互に校正することで正確なデータを得ることが好ましい。
本実施形態において、無機ホール注入層3は、窒素を1体積%以上70体積%以下含み且つ酸素を10体積%以上含む雰囲気中で形成されることが好ましい。すなわち、無機ホール注入層3は、上記特定の雰囲気中で、各気相成長法によりホール注入電極2を備える基板1上に形成される。より具体的には、先ず、無機ホール注入層3の構成材料が上記条件を満たすように調整すべく、原料の金属の酸化物及び/又は酸化窒化物を選択する。次に、薄膜形成装置内の所定の場所に、その原料、ホール注入電極2を備える基板1、及びその他必要なものをセットする。そして、その装置内が上記の好適な雰囲気、すなわち窒素を1体積%以上70体積%以下含み且つ酸素を10体積%以上含む雰囲気となるように調整し、無機ホール注入層3を形成する。なお、上記雰囲気において、窒素が70体積%を超えると、高温耐久性が不十分となる傾向がある。また、酸素が10体積%未満であっても、高温耐久性が不十分となる傾向がある。
無機ホール注入層3が上記条件で形成されることで、得られる有機EL素子の高温耐久性がさらに向上する傾向がある。このように有機EL素子の高温耐久性が向上する点について、本発明者らは、以下のように推察する。
すなわち、通常、無機層には、比較的小さな原子が入ることが可能な欠陥(サイト)が存在すると考えられる。このような欠陥が存在すると、特に有機EL素子を高温で保存している場合に、無機層の構成元素、中でも酸素などの陰イオン成分がこの欠陥を介して拡散し、この結果、無機層中の欠陥はさらに増大し、無機層の絶縁性の低下、及び密度の低下を招き、有機EL素子の劣化が促進されると考えられる。
本実施形態では、上記のように無機ホール注入層3を、窒素と酸素とを特定の範囲で含む雰囲気中で形成することで、無機ホール注入層3の形成過程において生じる欠陥に酸素及び窒素が入ると考えられる。さらに、窒素又は酸素のいずれかが存在しない雰囲気中でその無機層を形成すると有機EL素子の高温耐久性が十分に向上しないことが実験的に確認されていることから、無機層中の欠陥には、体積的又は電荷的な要因により、酸素が入ることによって安定する欠陥(Oサイト)と、窒素が入ることによって安定する欠陥(Nサイト)があると考えられる。上記条件を満たす雰囲気中では窒素及び酸素がそのOサイト及びNサイトにそれぞれ安定に入ることが可能となり、欠陥の少ない安定な無機層が形成され、得られる有機EL素子は高温耐久性が向上する傾向があると本発明者らは推察する。
また、無機層を形成する際に、窒素が結晶格子内の酸素と置換することによりアクセプター準位が形成されp型キャリアが発生していることも考えられる。このアクセプター準位を介してホールの注入が円滑に行われるために無機層が安定化し、有機EL素子は高温耐久性が向上する傾向があるとも考えられる。
また、無機ホール注入層3を、窒素を70体積%以下含み且つ酸素を10体積%以上含む雰囲気中で形成することで、無機ホール注入層3のアクセプター準位と上記一般式(I)で示される化合物のπ電子軌道とが相互作用し、ホール注入性が安定化するため有機EL素子の高温耐久性がさらに向上するとも考えられる。
なお、無機ホール注入層3を形成する際の基板1の温度(基板温度)は特に制限されないが、20〜350℃に設定することが、有機EL素子10が十分に長い駆動寿命を有することができる点で好ましい。このような観点から、基板温度を50〜250℃に設定することがより好ましい。また、上記雰囲気の圧力は、0.01〜10.0Paであることが好ましく、0.1〜1.0Paであることがより好ましい。
装置内の雰囲気は、窒素を70体積%以下含み且つ酸素を30体積%を超える範囲で含むことがより好ましく、窒素を50体積%以下含み且つ酸素を50体積%以上含むことがさらに好ましい。上記雰囲気中、窒素の含有量が比較的多い場合には、上述したOサイトにも窒素が入るために無機ホール注入層3の安定性が低下すると考えられる。したがって、上記雰囲気における窒素の含有量をより少なくすること、すなわち上記特定の条件を満たす範囲で窒素が含まれるように雰囲気を調整することが、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させる観点から好ましい。
なお、上記雰囲気中、窒素の含有量が少なすぎる場合には無機ホール注入層3中に取り込まれる窒素の量が不足する傾向にあるため、窒素の含有量が1体積%以上であることが好ましく、同様の観点から10体積%以上であることがより好ましい。
薄膜形成装置内の雰囲気は、水素、Ne、Ar、Kr、Xe等の、窒素及び酸素以外のガスを含有してもよい。この場合、無機ホール注入層3は、上述した構成材料の他に、不純物として、水素、Ne、Ar、Kr、Xe等を含有することもある。なお、装置内の雰囲気は、酸素と窒素との含有量の合計が55体積%以上(より好ましくは70体積%以上)であることが好ましい。また、装置内の雰囲気は、上述したガスの中でも、希ガス(特にアルゴンガス)を含まないことが好ましく、酸素と窒素とからなる雰囲気であることが特に好ましい。かかる条件を満たす雰囲気中で無機ホール注入層3を形成することで、上記Oサイト及びNサイトにより十分な量の酸素及び窒素が入ると考えられ、有機EL素子の高温耐久性をさらに向上させることが可能となる。
気相成長法としては、RF電源を用いた高周波スパッタ法(RFスパッタ法)若しくはDCスパッタ法などのスパッタ法、又は真空蒸着法や電子ビーム蒸着法などの蒸着法等を採用することができる。それらのなかで、発光輝度の経時変化がより少ない有機EL素子が得られる傾向にあるスパッタ法を用いると好ましく、RFスパッタ法を用いるとより好ましい。
無機ホール注入層3の膜厚は、ホール注入層としての機能を一層発揮する観点から、0.1〜20nmであると好ましく、0.5〜5nmであるとより好ましい。この膜厚が0.5nm未満であると、ホール注入層として機能し難くなる傾向にあるので、有機EL素子10のキャリアバランスが崩れ、発光効率が低下する傾向にある。また、この膜厚が20nmを超えると、同様にホール注入層として機能し難くなる傾向にあるだけでなく、ホールの輸送を妨げる傾向にあるため、駆動電圧を高くする必要があり、場合によっては、全く発光しなくなる傾向にある。
(有機発光層4)
有機発光層4は、下記一般式(I)で示される化合物を含んで構成される。
L-(A) ・・・(I)
上記式中、Lは2〜4価の連結基を示し、Aは置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基を示しそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を示す。但し、単結合は除く。なお、環式化合物基としては、例えば、環式化合物からその主骨格を構成しない原子が抜けた基があり、後述する縮合多環芳香族基がある。
上記一般式(I)で示される化合物が有機発光層4中に含まれている場合には、得られる有機EL素子の高温耐久性が向上する。これは、上記一般式(I)で示される化合物により、有機発光層3へのキャリア注入性を安定化させることができ、特に比較的高温においても有機発光層3のキャリア注入界面での安定性を維持できるからであると考えられる。
上記式(I)で示される化合物において、連結基Lとしては、炭素数1〜30の2〜4価の連結基(官能基)が好ましく、炭素数6〜20の2〜4価の連結基(官能基)がより好ましい。なお、それらの官能基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。このような炭素数が、30を超えると、連結基Lの構造に歪が生じ、立体障害が大きくなってしまうため、上記式(I)の分子全体が平面的な分子構造をとることが困難となる。他方、単結合の場合にも、A同士の立体障害が大きくなるため上記式(I)の分子全体が平面的な分子構造をとることが困難となる。
上記の中でも、連結基Lとしては、π電子共役結合を有する2〜4価の官能基が好ましく、2〜4価の環式化合物基(より好ましくは2〜4価の芳香族基或いは2価又は3価の環状アリル基)、又は2価又は3価のアリル基がより好ましい。ここで、π電子共役結合とは、分子の中の結合が局在化せず、互いに相互作用してその結合の電子が非局在化している結合を意味する。
また、上記連結基Lとしては、Aに結合している原子がそれぞれ隣接していないことが好ましい。このような構造をとることにより、A同士の立体障害も小さくなるため、より平面構造をとりやすくなり、界面でのキャリアの注入性が安定化する。また、同様の理由から、Lにおいて、Aに結合している原子に隣接する原子が無置換であることが好ましい。
また、(i)Lが単環式化合物基であり、単環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、単環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは単環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合していること、又は、(ii)Lが縮合環を有する環式化合物基であり、環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合しており、且つ、縮合部位の原子でないことが好ましい。このような構造では、LにおけるAと干渉する位置に体積の大きな嵩高い原子や原子団が存在せず、LとAは同一平面状に位置することができるため界面でのキャリアの注入性がさらに安定化する。ここでAに結合している原子に隣接する原子が水素と結合している場合は水素の原子半径が比較的小さいためAとLが干渉することがなく、この場合も好ましい。
ここで縮合部位の原子とは、複数の環状構造が共有している原子を示す。すなわち、Lがナフチレン基である場合、Aが2位、3位、6位又は7位に結合している場合がL中のAに結合している原子に隣接する原子が縮合部位の原子でない場合の例であり、このような構造がより好ましい。
また、一般式(I)中、Lが2〜4価の芳香族基である場合には、L中のπ電子が非局在化し、より高い平面性を維持できるため、分子全体により安定な共役系が形成される。
かかる芳香族基としては、芳香族炭化水素基(アリール基)でも、芳香族複素環基でもよい。また、Aに結合している原子がそれぞれ隣接していないことが好ましいことから、例えば、Lがナフチレン基の場合は、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基以外のものが好ましい。さらに、上述したように、かかるナフチレン基でも、Aに結合している原子に隣接する原子が無置換であることが好ましく、下記式(L−3)に示される無置換のものが特に好ましい。
特に好適な連結基Lとしては、下記式(L−1)〜(L−22)で示されるものが挙げられる。
Figure 2005317450
Figure 2005317450
また、Aとしては、炭素数10〜50の置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基が好ましく、炭素数10〜40の置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基がより好ましい。このような無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基としては、縮合多環芳香族基が好ましく、炭素数10〜30の縮合多環芳香族基が好ましく、炭素数10〜20の縮合多環芳香族基がより好ましい。中でも、アントラセン骨格を有する芳香族基が特に好ましい。縮合多環芳香族基がアントラセン骨格を有する場合には、分子構造の平面性をより高めることができると考えられる。また、縮合多環芳香族基の置換基としては、アリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましい。特に好適なAとしては、下記式(A−1)〜(A−20)で示されるものが挙げられる。
Figure 2005317450
Figure 2005317450
Figure 2005317450
上記式(I)で示される化合物は、上述した連結基Lと環式化合物基Aとが組み合わされたものであると好ましく、より具体的には、下記表6〜15に示される組み合わせの化合物が挙げられる。なお、下記表6〜7及び9〜14は、上記式(I)におけるnが2の場合について示したものであるが、その場合、連結基Lは2価の基でありその連結基LにはAが2つ結合するので、下記表6〜7及び9〜14では、2つのAをそれぞれA、Aとして記載した。同様に、下記表8では、上記式(I)におけるnが3の場合について示したものであり、連結基Lは3価の基であり、その連結基LにはAが3つ結合するので、下記表8では、3つのAをそれぞれA、A、Aとして記載した。また、同様に、下記表15では、上記式(I)におけるnが4の場合について示したものであり、連結基Lは4価の基であり、その連結基LにはAが4つ結合するので、下記表15では、4つのAをそれぞれA、A、A、Aとして記載した。なお、各環式化合物基Aが連結基Lと結合する位置は、本発明の効果が及ぶ範囲で特に限定されない。
Figure 2005317450
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また、有機発光層4は、上記一般式(I)で示される化合物以外の有機化合物を含んでいてもよい。その有機化合物としては、電子とホールとの再結合により励起子が生成し、その励起子がエネルギーを放出して基底状態に戻る際に発光するような有機化合物であれば、特に限定されない。それらのなかで、真空蒸着が可能である観点から、低分子化合物が好ましい。なお、有機発光層4は(溶媒を用いた)塗布法により形成することもできる。
低分子化合物を用いて真空蒸着により有機発光層4を形成する場合、無機ホール注入層3を成膜した後、真空を保持したままで有機発光層4を形成することができるため、無機ホール注入層3と有機発光層4との間の界面の汚染による劣化を防ぎやすい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン誘導体、フェナンスレン誘導体、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、コロネン誘導体、インデン誘導体、フルオレン誘導体、フルオランテン誘導体、スチルベン誘導体、ペンタジエン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、インドール誘導体、トリアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジアミノビフェニル誘導体、スチリルアミン誘導体、ピラン誘導体、クマリン、キナクドリン誘導体、又は、Al、Zn、Be、Ir、Pt若しくは希土類金属等を中心金属とした有機金属錯体化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(I)で示される化合物以外の有機化合物としては、低分子化合物が好ましいが、高分子化合物を用いることも可能である。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体若しくはポリチオフェン誘導体等のπ共役系ポリマー、又は、ポリビニル化合物、ポリスチレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアクリレート誘導体若しくはポリメタクリレート誘導体等の非π共役系の側鎖型ポリマー若しくは主鎖型ポリマー等に色素を含有させたものなどの高分子有機化合物などを挙げることができる。
有機発光層4は、主成分であるホスト(ホスト化合物)に蛍光物質(蛍光化合物)がドーパント(ドーパント化合物)としてドーピングされて構成された構成であると好ましい。これにより、発光効率を一層向上させることができ、発光色を自在に制御することができる傾向にある。なお、上記一般式(I)で示される化合物は、ホスト化合物として使用されることが好ましい。この場合、有機EL素子は十分な高温耐久性を安定的に得ることができる。
さらに、有機発光層4に含有されるホスト化合物の濃度が、有機発光層4の厚さ方向の全体にわたってほぼ一定であると好ましい。このような有機発光層4は、その層内に界面が存在し難いため、発光領域が広がる傾向にあり、それにより発光効率及び耐久性を一層向上させることができる傾向にある。
ホスト又はドーパントとして用いる材料は上記の有機発光層材料から選択すればよく、その組み合わせは特に限定されない。それらのなかでも、ホスト材料としては、酸化還元の両方に対して安定な化合物であると好ましい。有機発光層4において、かかるホスト材料を用いることにより、特にその厚さ方向の全体にわたって主成分の濃度が一定である場合は、ホールと電子とを両方とも受け入れやすい傾向にある。このような化合物としては上記式(I)で示される化合物以外では、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリノラート)アルミニウムのような金属錯体化合物、あるいはアリールアミン等の電子供与性物質と上記炭化水素化合物若しくは金属錯体化合物との混合物であると好ましいが、これらに限定されない。
また、ドーパント材料としては、発光効率の向上等の観点から、ホスト材料のエネルギーギャップに対してドーパント材料のエネルギーギャップが小さくなるような化合物が好ましい。
さらには、赤色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ジインデノペリレン又はその誘導体を用いると好ましい。また、青色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上述した赤色の発光を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルベンゾフルオランテン又はその誘導体を用いると好ましい。さらに、黄色又は橙色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、ルブレン又はその誘導体を用いると好ましい。そして、緑色の色純度が比較的高く、発光効率も比較的高い発光を得るためには、上記各色を得るための好ましい化合物を除いたジフェニルナフタセン又はその誘導体を用いると好ましい。
有機発光層4は、ホスト材料及びドーパント材料の組み合わせが異なる、2層以上の構成としてもよい。そのような場合、ホール注入電極2側又は電子注入電極6側の配置に合わせて、それぞれの層の特性を構成材料により調整し、有機EL素子の特性をさらに向上させることができる。
有機発光層4は、無機ホール注入層3上に形成される。この有機発光層4の形成方法は、上述した構成材料を用いて、従来の方法を適宜選択して採用することができ、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法又は塗布法等を採用することができる。
有機発光層4の膜厚はキャリアの再結合確率を向上させ、電流リークを防止し、更に低電圧で駆動できるという観点から、10〜1000nmであると好ましく、50〜300nmであるとより好ましい。
(無機電子注入層5)
無機電子注入層5としては、無機化合物を含んで構成される。無機電子注入層5の構成材料を無機化合物とする場合、かかる材料は比較的安価であり入手が容易であること及び電子注入層の形成が容易であることから、製造コストをより削減できるので好ましい。また、有機発光層4が上述した構成を有していることから、電子注入層が無機化合物を含んで構成されている場合であっても、有機発光層4へ安定的に電子を注入することができる。
無機化合物としては、4eV以下の仕事関数を有する無機化合物が好ましく、1〜4eVの仕事関数を有する無機化合物であるとより好ましい(第1成分)。具体的には、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs及びFrから選択される1種以上のアルカリ金属元素、Mg、Ca及びSrから選択される1種以上のアルカリ土類金属元素、又は、La及びCeから選択される1種以上のランタノイド系元素のいずれかが好ましい。
この無機電子注入層5は、有機発光層4へより効率的に電子を注入する観点から、さらにZn、Sn、V、Ru、Sm及びInから選択される1種以上の元素を含有すると好ましい(第2成分)。
上記第1成分の酸化物は通常化学量論組成であるが、これから多少偏倚して非化学量論的組成となっていてもよい。また、第2成分も、通常、酸化物として存在するが、この酸化物も同様である。
なお、無機電子注入層5全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
無機電子注入層5は、有機発光層4上に、上述した構成材料を用いて形成される。形成方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタ法若しくは電子ビーム法(EB法)などが挙げられる。
無機電子注入層5の膜厚は、0.3〜30nmであると好ましく、1〜20nmであるとより好ましい。電子注入層が0.3〜30nmの範囲より薄くても厚くても、電子注入層5としての機能を十分に発揮でき難くなる傾向にある。
(電子注入電極6)
電子注入電極6は、金属材料、有機金属錯体又は金属化合物等を含んで構成される。電子注入電極6の構成材料としては、有機発光層4へ効率的且つ確実に電子を注入できるように、仕事関数が比較的低い材料を用いると好ましく、また透明であってもよい。
電子注入電極6を構成する金属材料の具体例としては、Li、Na、K若しくはCs等のアルカリ金属、又は、Mg、Ca、Sr若しくはBa等のアルカリ土類金属が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn若しくはZr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることもできる。さらには、上記金属材料の酸化物又はハロゲン化物を用いることもできる。さらに、上記材料を含む混合物又は合金であってもよく、これらを複数積層してもよい。
電子注入電極6の膜厚は、電子を均一に注入できる程度であればよく、0.1nm以上とすればよい。
なお、電子注入電極6上には補助電極を設けてもよい。これにより、陰極の抵抗を低下できる傾向にあり、また、有機発光層4への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる傾向にある。補助電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。
補助電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd又はNi等が挙げられる。それらのなかでもAl又はAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる傾向にあるので、より好ましい。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。また、2種類以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような補助電極は、例えば、真空蒸着法若しくはスパッタ法等によって形成可能である。
以上説明したように、有機EL素子10は、基板1上に、ホール注入電極(陽極)2、無機ホール注入層3、発光層4、無機電子注入層5、及び電子注入電極(陰極)6を順次形成することで製造される。
以上、本実施形態の有機EL素子について説明したが、本発明の有機EL素子はこれに限定されるものではない。
例えば、別の実施形態の有機EL素子において、無機ホール注入層3、又は無機電子注入層5のいずれかが存在しないものでもよく、無機電子注入層5の代わりに有機化合物を構成材料とする有機電子注入層を設けたものでもよい。
さらに別の実施形態の有機EL素子において、上記電子注入電極及び/又は無機電子注入層に代えて、無機電子注入輸送層を設けてもよい。この無機電子注入輸送層は、電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能及びホールを妨げる機能を併せ持つものである。この層を用いることにより有機発光層における再結合を効率よく行わせることができる傾向にあるので、発光効率を改善することが可能となる。
このような無機電子注入輸送層は、主成分として酸化リチウム(LiO)、酸化ルビジウム(RbO)、酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化セシウム(CsO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化カルシウム(CaO)からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらのなかでは酸化ストロンチウムが最も好ましく、次いで酸化マグネシウム、酸化カルシウム、さらに酸化リチウムの順で好ましく、次いで酸化ルビジウム、次いで酸化カリウム及び酸化ナトリウムが好ましい。これらを組み合わせて用いる場合には、これらのなかで酸化ストロンチウムが40モル%以上、又は酸化リチウムと酸化ルビジウムの総計が40モル%以上、特に50モル%以上含有されていることが好ましい。
この無機電子注入輸送層は、安定剤としてMo、Si、Ge、In、W若しくはRuを含有するとより好ましい。これらはいずれか一種を用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、別の実施形態の有機EL素子は、上述した有機EL素子10の基板上に積層された各層の順番が逆になっていてもよい。すなわち、基板上に電子注入電極、無機電子注入層、発光層、無機ホール注入層及びホール注入電極の順で積層されていてもよい。逆に積層することにより、基板とは反対側からの光取り出しが容易になる傾向にある。
さらに、別の実施形態の有機EL素子は、基板上に、電極と無機ホール注入層及び発光層とを順番に繰り返して積層してもよく、複数の発光層を繰り返し積層してもよい。このような構成にすることにより、その有機EL素子は、発光色の色調調整若しくは多色化を実現できる傾向にある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、用意したガラス基板上に、ホール注入電極としてITOを100nmの膜厚に成膜し、パターニングした。
次いで、酸化ゲルマニウム(GeO)に酸化物換算で15mol%の酸化インジウム(In)を含有するGeIn複合酸化物をターゲットとしてRFスパッタ法により、ホール注入電極上に無機ホール注入層を成膜した。この時のスパッタガスとしては、酸素のみを導入し、その全圧を0.15Paに調整した。また、この時の基板温度は25℃に保った。なお、得られた無機ホール注入層は、金属の酸化窒化物を含有し、その膜厚は2nmであった。
無機ホール注入層を成膜後、系内を減圧状態に維持したままで、無機ホール注入層上に、上記式(I−1−1)で示される化合物と下記式(II−1)で示される化合物を体積比97:3の割合で真空蒸着により共蒸着し第1有機発光層とした。なお、第1有機発光層の膜厚は40nmであった。さらに、系内を減圧状態に維持したままで、第1有機発光層上に、下記式(I−1−1)で示される化合物と、下記式(II−2)で示される化合物とを体積比97:3の割合で真空蒸着により共蒸着し第2有機発光層とした。なお、第2有機発光層の膜厚は60nmであった。さらに系内を減圧状態に維持したままで、第2有機発光層上にLiFを成膜し、無機電子注入層とした。なお、無機電子注入層の膜厚は0.5nmであった。更に無機電子注入層上に、陰極としてマグネシウムと銀とを重量比にして9:1の割合で成膜し、実施例1の有機EL素子を得た。
Figure 2005317450
Figure 2005317450
得られた実施例1の有機EL素子の高温耐久性を、以下のようにして評価した。先ず、得られた有機EL素子の初期状態での輝度を、常温下、10mA/cmの電流密度で駆動することにより測定した。次に、その有機EL素子を、105℃の恒温槽中に50〜100時間放置した後、恒温槽から取り出し、常温で30分以上冷却した。冷却後、その有機EL素子の輝度を測定し、初期状態の輝度の50%の値となった時点の時間を輝度半減寿命とした。得られた結果を表16に示す。なお、輝度半減寿命が長いほど、その有機EL素子の高温耐久性は優れることとなる。また、表16には、無機ホール注入層の成膜条件(基板温度、スパッタガスの体積比(%))も併せて示す。
Figure 2005317450
(実施例2)
無機ホール注入層の成膜条件を表16に示す条件に代えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の有機EL素子を製造した。そして、得られた実施例2の有機EL素子の高温耐久性を実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表16に示す。
(比較例1〜2)
無機ホール注入層の成膜条件を表16に示す条件に代え、第1有機発光層及び第2有機発光層を形成する際に用いた上記式(I−1−1)で示される化合物を下記式(II−3)で示される化合物に代えたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1〜2の有機EL素子を製造した。
Figure 2005317450
そして、得られた比較例1〜2の有機EL素子の高温耐久性を実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表16に示す。
表16に示した結果からわかるように、有機発光層の形成において上記式(I−1−1)で示される化合物を用いた実施例1〜2の有機EL素子は、上記式(II−3)で示される化合物を用いた比較例1〜2の有機EL素子に比べて高温耐久性が優れていることが確認された。
(実施例3〜5及び比較例3〜8)
無機ホール注入層の成膜条件を表17に示す条件に代え、且つ、第1有機発光層及び第2有機発光層を成膜する際に実施例3〜5では上記式(I−1−1)で示される化合物を用い、比較例3〜8では上記式(II−3)で示される化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3〜5及び比較例3〜8の有機EL素子を製造した。
そして、得られた実施例3〜5及び比較例3〜8の有機EL素子の高温耐久性を実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表17に示す。
Figure 2005317450
表17に示した結果からわかるように、有機発光層の形成において上記式(I−1−1)で示される化合物を用いた実施例3〜5の有機EL素子では、有機発光層の形成において上記式(II−3)で示される化合物を用いた比較例3〜8の有機EL素子に比べて高温耐久性が優れていることが確認された。なお、実施例3〜5の有機EL素子と、実施例1及び2とを比較すると、無機ホール注入層が窒素と酸素とを含む雰囲気で形成された実施例3〜5の有機EL素子の方が高温耐久性に優れている。このことから、窒素と酸素とを含む雰囲気中で無機ホール注入層を形成する方が、酸素のみの雰囲気の場合よりも、高温耐久性に優れる有機EL素子を得ることができると示唆される。
本発明の有機EL素子の一実施形態を示した概略断面図である。
符号の説明
1…基板、2…ホール注入電極(陽極)、3…無機ホール注入層、4…有機発光層、5…無機電子注入層、6…電子注入電極(陰極)、10…有機EL素子、P…駆動電源。

Claims (12)

  1. 互いに対向して配置されたホール注入電極及び電子注入電極と、
    前記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の有機層と、
    前記ホール注入電極及び電子注入電極の間に配置された1層以上の無機層と、を備え、
    前記有機層のうちの少なくとも1層は発光層であり、当該発光層は下記一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴とする有機EL素子。
    L−(A) ・・・(I)
    [上記式中、Lは2〜4価の連結基を示し、Aは置換又は無置換のπ電子共役結合を有する環式化合物基を示しそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を示す。]
  2. 前記一般式(I)中、Lはπ電子共役結合を有する2〜4価の連結基であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記一般式(I)中、
    Lが単環式化合物基であり、前記単環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、前記単環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは前記単環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合していること、又は、
    Lが縮合環を有する環式化合物基であり、前記環式化合物基におけるAに結合している原子に隣接する原子が、前記環式化合物基の環を構成している原子のみ若しくは前記環式化合物基の環を構成している原子及び水素原子のみと結合しており、且つ、縮合部位の原子でないこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記一般式(I)中、Lは2〜4価の芳香族基であることを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  5. 前記一般式(I)中、Aのうちの少なくとも1つは置換又は無置換の縮合多環芳香族基であることを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記一般式(I)中、Aのうちの少なくとも1つはアントラセン骨格を有する縮合多環芳香族基であることを特徴とする請求項1〜5のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  7. 前記1層以上の有機層は、全て発光層であることを特徴とする請求項1〜6のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記無機層のうちの少なくとも1層は前記ホール注入電極及び前記発光層の間に配置されており、前記ホール注入電極及び前記発光層の間に配置された無機層は金属の酸化物及び/又は酸化窒化物を含有することを特徴とする請求項1〜7のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  9. 前記金属の酸化物及び/又は酸化窒化物が、Ge、Si、In、Ru、V、Al及びGaのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることを特徴とする請求項1〜8のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  10. 前記金属の酸化物及び/又は酸化窒化物が、Ge及びInのうちの少なくとも1種の酸化物及び/又は酸化窒化物であることを特徴とする請求項1〜9のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
  11. 前記金属の酸化物及び/又は酸化窒化物が、Ge及びInの酸化物及び/又は酸化窒化物であり、前記Ge及びInの含有比が原子基準で下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜10のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。
    2.2≦(Ge/In)≦2.7 …(1)
  12. 前記ホール注入電極及び前記発光層の間に配置された無機層が、窒素を1体積%以上70体積%以下含み且つ酸素を10体積%以上含む雰囲気中で形成されることを特徴とする請求項1〜11のうちの何れか一項に記載の有機EL素子。

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