JP4714811B2 - 光アイソレータ及び光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信機器、光情報処理機器等の光ファイバ間に挿入(インライン化)され、光の偏波面に関わり無く動作する偏波無依存型の光アイソレータと、その光アイソレータを備える光学装置に関するものである。
光ファイバで光を長距離伝搬する場合や、光ファイバで伝搬した光を分岐する場合等で、光の光量が減衰した時には、エルビウムドープ光ファイバ増幅器(以下、増幅器と記す)などによる光増幅が行われている。この様な増幅は、光を電気信号に変換すること無く、光を直接的に増幅するもので、前記増幅器はレンズやミラー、フィルタなど多くの光学素子から構成されている。そのため、これらの光学素子の反射に伴う戻り光や、光ファイバの光入出射端部からの戻り光が増幅器内部で発生すると、光の共振が発生して増幅特性の劣化を誘発してしまう。そこで、戻り光を遮断するために、光アイソレータが使用されている。
更に、光ファイバ内を伝搬する光は、光ファイバに加わる外部応力や光ファイバの曲げの影響により、偏光状態が一定しない。従って、光ファイバ間に挿入する光アイソレータは、光ファイバ内の伝搬光の偏光状態に依存しない偏波無依存型の光アイソレータであることが好ましい。
このような偏波無依存型の光アイソレータとしては、第1、第2、及び第3の複屈折素子と、第1及び第2の45度ファラデー回転子の各光学素子を有し、この各光学素子を光路上に直列に配列する様に、第1及び第2の複屈折素子の間に第1の45度ファラデー回転子を挿入し、第2及び第3の複屈折素子の間に第2の45度ファラデー回転子を挿入したものが考案されている。
しかし、この様な構成では各光学素子が直列に配列されているために光アイソレータの光路方向における寸法が長くなり、小型化の要求に対応出来なかった。又、この光アイソレータと光ファイバとを光結合させようとすると、光ファイバを光アイソレータの両端に配置させなければならない。従って、この様な光アイソレータを増幅器に実装すると、光ファイバが有する曲げ損失の関係から一定の曲げ半径以下に光ファイバを曲げることが出来ないので、増幅器内部における光ファイバの引き回し面積が大きくなり、増幅器の小型化が困難になるという課題があった。更に、前記光アイソレータと光ファイバ間には光結合のために入射側と出射側にそれぞれレンズが必要となる。よって、1つの光アイソレータ当たりに最低2個のレンズを必要とするので、構成部品が多くなるという課題もあった。
この様な、直列配列構成の光アイソレータの課題を考慮して、構成部品点数の削減と小型化が図られたインライン型の光アイソレータが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平06−067118号公報(第3−4頁、第1図)
図13及び図14はこの様な光アイソレータ100の動作を説明するための側面図であって、図13は順方向に光が透過した場合の偏光状態及び光路の変化を説明した側面図、図14は逆方向に光が透過した場合の偏光状態及び光路の変化を説明した図である。
図13及び図14の光アイソレータ100において、101、102は光ファイバ、103は光ファイバアレイ、104は複屈折素子、105は1/2波長板、106はGRINレンズ、107はファラデー回転子、108は反射部材、109はガラス板、110はマグネット、111〜118及び121〜128は伝搬光である。
光ファイバ101及び102は、ガラス板上に平行に整列されて光ファイバアレイ3を構成する。ルチル結晶である複屈折素子104の片面半分には1/2波長板105を、残りの片面半分には、1/2波長板105と同じ板厚のガラス板109を貼り付ける。光ファイバ101と102の間に1/2波長板105とガラス板109の境界が来るように位置合わせを行い、光ファイバ102に入出射する光だけが1/2波長板105を透過するようにしている。GRINレンズ106の端面にファラデー回転子107を貼り付け、更にファラデー回転子107に反射部材108を貼り付けている。ファラデー回転子107の外側にはマグネット110を設けている。
次に、光アイソレータ100の動作を説明する。光ファイバ101から入射した無偏光の光は複屈折素子104で常光線111と異常光線112に分離され、異常光線112の光路が変化する。常光線111と異常光線112はGRINレンズ106の複屈折素子104側端面で平行光線に変換される。GRINレンズ106を透過した光113及び光114はファラデー回転子107を透過したときに左回りに22.5度、更に反射部材108で反射され再びファラデー回転子107を透過したときに22.5度と合わせて45度左に回転する。反射部材108で反射されることで、光113は光115の光路を、光114は光116の光路を進む。ファラデー回転子107を透過した光115及び光116はGRINレンズ106で集光されながら1/2波長板105に入射する。1/2波長板105はその光学軸と角度θをなして入射した直線偏光の光を1/2波長板105の光学軸と−θの角度をなす直線偏光として出射する機能を持つ。1/2波長板105の光学軸方向は異常光112に対して22.5度の角度をなして設けているため、光115及び光116の偏光状態は、1/2波長板105を透過すると偏波面は更に45度左に回転する。1/2波長板105を透過した光は複屈折素子104に入射するので、異常光線である光117と常光線である光118は複屈折素子104を透過したときにはその光路が一致する。また、光117及び118はGRINレンズ106で集光されているので、光ファイバ102に損失が0.5dB程度と効率良く結合される。
一方、図14において光ファイバ102から無偏光の光が入射されると、複屈折素子104で常光線121と異常光線122に分離され異なった光路を進む。1/2波長板105を透過するときにその偏波面が右回りに回転したのち、GRINレンズ106で平行光に変換される。GRINレンズ106内を伝搬する光123と光124は反射部材108で反射される前後でファラデー回転子107を2回透過するので、この時に偏波面が左回りに合計45度回転する。反射部材108で反射することにより光123は光125の光路を、光124は光126の光路を進む。又、光125及び126はGRINレンズ106で集光されながら進む。ガラス板109を透過した光は複屈折素子104内を透過するとき、光127は常光線として伝搬するので直進し、光ファイバ101に入射しない。光128は異常光線として複屈折素子104を伝搬するので光路がずれ、やはり光ファイバ101に入射しない。
この様に、光ファイバ101から入射した光は光ファイバ102に結合するが、光ファイバ102から入射した光は光ファイバ101には結合しないという、光アイソレータ機能を得ることが出来る。
以上のように反射部材を設けることにより光路を往復路型に形成したので、使用レンズ個数が1個で済み、その分、光アイソレ−タを少ない部品点数で実現出来る。更に、前記直列配列構成の光アイソレータに比べ、光路方向の寸法が短くなるので、小型化の要求に対応することも可能となる。又、光ファイバ101、102を光アイソレータ100の一方だけに配置可能な構成なので、増幅器に実装するときに光ファイバの引き回し面積が減少し、増幅器の小型化に寄与するという効果も得られる。
しかしながら、図13及び図14の構成では、光114のみが複屈折素子104でシフトされた上で光113と光11と4がGRINレンズ106に入射されるので、そのシフト分だけ光113と光114との間に光路長差が発生する。従ってGRINレンズ106に入射される前に光113と光114との間の光路長差が所望の数値レベルまで低減化されていないため、反射部材108上の焦点位置にずれが生じてしまい、反射後の伝搬光路が光113と光114とで異なってしまう。よって反射後、複屈折板104で常光線118と異常光線117との光路を一致させた時、偏波依存損失(PDL:Polarization Dependent Loss)が発生して、出射側の光ファイバ102への光結合効率が低下してしまう。
この様なPDLを考慮して、レンズ前段に複数の複屈折素子を配置する光アイソレータ機能を有する光学素子複合モジュールが考案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平08−136859号公報(第11頁、第8図)
図15はこの様な光学素子複合モジュールの動作を説明するための側面図である。光学素子複合モジュール130において、GRINレンズ136の第1の端部136aの近傍には、端部136aに近い方から順に、波長選択フィルタ137、ファラデー回転子138及び反射部材140が配列され、ファラデー回転子138の外周部にはマグネット139が設けられている。一方、GRINレンズ136の第2の端部136bの近傍には、端部136bに近い方から順に、1/2波長板135、複屈折素子134及び複数のシングルモード光ファイバ131、132、133が配列されている。複屈折素子134は第1及び第2の複屈折部134a、134bを有し、第1及び第2の複屈折部134a、134bは、それらの結晶軸が互いに180度向きを変えた状態で、GRINレンズ136の光軸に対し所定の方向、例えば光軸に対し略直交する方向又は光軸に対し所定角度傾斜させた方向に配列されている。また、1/2波長板135は光ファイバ133の前方にのみ位置し、光ファイバ131及び132から出射された光は1/2波長板135を透過しないように配置されている。
光ファイバ131から出射される任意の偏光成分をもった波長λ1の光は、第1の複屈折部134aにより二つの直交偏光の光に分離される。分離されたそれぞれの光は、GRINレンズ136により平行光に変換され、波長選択フィルタ137に入射する。この光は波長選択フィルタ137で反射され、GRINレンズ136内を逆進し、GRINレンズ136の光軸に対し入射位置と対称な位置から出射し、第2の複屈折部134bに入射する。第2の複屈折部134bでは、異常光線の伝搬方向が第1の複屈折部134aにおける光の伝搬方向と逆になり、常光線と異常光線の光路が一致されて、光ファイバ132に入射される。
また、光ファイバ132より出射される波長λ2の光は、第2の複屈折部134bで二つの直交偏光に分離される。分離された光はGRINレンズ136で平行光に変換され、波長選択フィルタ137及びファラデー回転子138を透過して反射部材140に入射する。ファラデー回転子138を透過する際、入射光の偏波面が22.5度回転される。反射部材140で反射された光は、再度ファラデー回転子138を透過する際、更に偏波面が22.5度回転される。更に、波長選択フィルタ137及びGRINレンズ136を透過し、1/2波長板135に入射した光は、偏波面が45度回転され、第2の複屈折部134bに入射する。このとき、光の偏光状態は、最初に第2の複屈折部134bにより常光線と異常光線とに分離された状態から90度回転されているため、再度第2の複屈折部134bに入射した際、常光線は異常光線として第2の複屈折部134b内を伝搬し、また異常光線は常光線として第2の複屈折部134b内を伝搬する。そのため、第2の複屈折部134bの出力端でそれぞれの光の光路が一致され、光ファイバ133に入射する。
一方、逆方向の波長λ2の光は、第2の複屈折部134bにより常光線と異常光線とに分離され、1/2波長板135に入射する。1/2波長板135では、入射した光の偏波面が45度回転され、GRINレンズ136に入射する。次に、GRINレンズ136により平行光に変換された光は、ファラデー回転子138により偏波面が22.5度回転され、反射部材140に入射する。反射部材140により反射された光は、再度ファラデー回転子138を透過し、その際、偏波面が更に22.5度回転される。その結果、再度第2の複屈折部134bに入射した際、常光線は常光線として、異常光線は異常光線として第2の複屈折部134b内を進むため、これらの光の光路は一致されることなく光ファイバ132に入射しない。
以上のように、光合波機能と光アイソレ−タ機能とを一体化した光学素子複合モジュ−ル130を実現すると共に、第1及び第2の複屈折部134a、134bに対し、それぞれ結晶軸方向が実質上直交するように第3及び第4の複屈折部134c、134dを貼り合わせ、光ファイバ1と2の常光線と異常光線の光路長長が等しくなるようにしている。このような構成により、常光線と異常光線の光路長差による損失劣化を低減できるとしている。
しかしながら、図13及び図14の光アイソレータ100では、ファラデー回転子107の回転角が22.5度(2回透過で計45度)に設定されているため、光が反射されて再び複屈折素子104に入射する際、1/2波長板105が無いとファラデー回転子107による45度回転された偏光状態のまま再度、複屈折素子104に入射される事になる。従って、光115の偏波面が複屈折素子104の結晶軸と一致しないためシフトせず、複屈折素子104を透過したときに光115と光116の光路は一致しないまま、一方の光116のみ光ファイバ102に光結合される。よって、伝搬光と光ファイバ102との結合効率の低下を招く。
又、逆方向の光が光ファイバ102から入射された場合、再度その光が複屈折素子104に入射されるとき、光126の偏波面は複屈折素子104の結晶軸と一致しないためシフトせず、そのまま光126は光ファイバ101に戻り光として入射される。よって、光アイソレータ100の消光比の低下を招く。以上の事は、図15の光学素子複合モジュール130において光アイソレータ機能を示す光路にも云えることである。
以上のように反射による往復路型の光路を示す光アイソレータの構成では、往路の光路において再度、複屈折素子に光を入射させるときに異常光線の偏波面を結晶軸方向に合わせなければ、所望の光アイソレーション特性を得ることが出来ないので、1/2波長板は必須の光学素子であった。しかしながら、ファラデー回転子とは別に偏波面を回転させる光学素子(1/2波長板)を用意しなければならないので、使用する光学素子の種類の数が前記直列配列構成の光アイソレータよりも多くなり(直列配列構成の光アイソレータは、複屈折素子とファラデー回転子の2種類)、製造工程削減や製造コストの削減として有効な構成とは云えなかった。
更に光路上、1/2波長板を透過する箇所があるため、往路と復路との光路長差を合わせるためにガラス板という新たな別部品も必要となるため、構成部品の絶対数の削減としても有効な構造とは云えなかった。
又、図15の構成は、光合波機能と光アイソレ−タ機能とを1つの光学装置で一体化させようというものなので光路設計が複雑化してしまう。更に、複屈折素子4c、4dをPDL解消のために設けているが、第3及び第4の複屈折部134c、134dが無くとも光アイソレータ機能を実現することは可能である。即ち、図15は光アイソレータ機能の実現という観点では必須ではない第3及び第4の複屈折部134c、134dを付設する観点で光路設計がなされた光学装置である。従って、増幅器に実装する光アイソレータの、構造の簡略化や小型化及び低価格化という点では充分な参考とはならなかった。
本発明は上記各課題に鑑みてなされたものであり、その目的は増幅器に実装される光アイソレータの、構造の簡略化や小型化、及び低価格化を実現すると共に、偏波分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)及びPDLを所望の数値レベルまで低減化して特性向上を図ることが可能な光アイソレータの提供と、その光アイソレータを備えた光学素子を提供することである。
本発明の請求項1記載の発明は、無偏光の光が入射される第1の複屈折素子と、常光線及び異常光線とに分離された光が入射される第2の複屈折素子と、2つの前記複屈折素子の間に配置され、磁気飽和時に45度の回転角を有するファラデー回転子と、前記ファラデー回転子を磁気飽和させるマグネットと、前記第2の複屈折素子からの常光線及び異常光線を収束させるレンズと、前記レンズの収束により常光線及び異常光線を点対称に全反射させる全反射部材から構成され、前記第1の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに90度結晶軸方向が異なる第1複屈折板と第2複屈折板とから成り、順方向における光の入射側から見たときの前記第1複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として45度若しくは135度に設定されると共に、前記ファラデー回転子を透過して前記第2の複屈折素子へと伝搬する光の入射側から見たときの前記ファラデー回転子の回転方向が、第1複屈折板の結晶軸方向が45度の場合は右回り、135度の場合は左回りに設定され、光の入射側から見たときの前記第2の複屈折素子の結晶軸方向が、前記第1複屈折板の結晶軸方向に対して45度異なるように設定され、前記第1複屈折板に入射された無偏光の光が、常光線と異常光線とに分離され、更に、常光線と異常光線とが前記ファラデー回転子に入射されて45度偏波面が回転され、前記第2の複屈折素子を前記分離された光が透過するときに、前記第1複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第1複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、次に、常光線と異常光線が前記レンズに入射されて前記全反射部材の一点で点対称に全反射され、前記全反射部材で全反射された常光線と異常光線とが再度、前記第2の複屈折素子と前記ファラデー回転子とに、この順に入射され、最後に前記第2複屈折板を透過するときに、全反射後に前記第2の複屈折素子を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、全反射後に前記第2の複屈折素子を異常光線で透過した光は常光線で透過され、更に、前記第2複屈折板を透過することで常光線と異常光線の光路が一致されるという往路及び復路の光路を有し、前記第2の複屈折素子から前記レンズに入射された、前記常光線と前記異常光線の各偏波面の中心と前記全反射部材の一点までの光路長が等距離に設定され、且つ、前記第2の複屈折素子が、前記第1の複屈折素子で生じた常光線と異常光線間の分離幅差を0.5μm未満、及び偏波分散差を0.05ps未満に設定するために必要な、素子表面法線方向に対する結晶軸方向と素子表面法線方向厚とを有することを特徴とする光アイソレータである。
更に、本発明の請求項2記載の発明は、前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が47.8度に設定されると共に、前記第2の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が59度に設定されることを特徴とする光アイソレータである。
又、本発明の請求項3記載の発明は、無偏光の光が入射される第1の複屈折素子と、常光線及び異常光線とに分離された光が入射される第2の複屈折素子と、2つの前記複屈折素子の間に配置され、磁気飽和時に45度の回転角を有するファラデー回転子と、前記ファラデー回転子を磁気飽和させるマグネットと、前記第2の複屈折素子からの常光線及び異常光線を収束させるレンズと、前記レンズの収束により常光線及び異常光線を点対称に全反射させる全反射部材から構成され、前記第1の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに180度結晶軸方向が異なる第1複屈折板と第2複屈折板とから成り、且つ、順方向における光の入射側から見たときの前記第1複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として90度に設定されると共に、前記ファラデー回転子を透過して前記第2の複屈折素子へと伝搬する光の入射側から見たときの前記ファラデー回転子の回転方向が右回りに設定され、前記第2の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに90度結晶軸方向が異なる第3複屈折板と第4複屈折板とから成り、且つ、順方向における光の入射側から見たときの前記第3複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として135度に設定されると共に、光の入射側から見たときの前記第2の複屈折素子の結晶軸方向が、前記第1の複屈折素子の結晶軸方向に対して45度異なるように設定され、前記第1複屈折板に入射された無偏光の光が、常光線と異常光線とに分離され、更に、常光線と異常光線とが前記ファラデー回転子に入射されて45度偏波面が回転された後に、前記第3複屈折板を前記分離された光が透過するときに、前記第1複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第1複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、次に、常光線と異常光線が前記レンズに入射されて前記全反射部材の一点で点対称に全反射され、前記全反射部材で全反射された常光線と異常光線とは、前記第4複屈折板に入射された後に、再度前記ファラデー回転子に入射され、最後に前記第2複屈折板を透過するときに、前記第4複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第4複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、更に、前記前記第2複屈折板を透過することで常光線と異常光線の光路が一致されるという往路及び復路の光路を有し、前記第3複屈折板から前記レンズに入射された、前記常光線と前記異常光線の各偏波面の中心と前記全反射部材の一点までの光路長が等距離に設定され、且つ、前記第1の複屈折素子が、前記第2の複屈折素子で生じた常光線と異常光線間の分離幅差を0.5μm未満、及び偏波分散差を0.05ps未満に設定するために必要な、素子表面法線方向に対する結晶軸方向と素子表面法線方向厚とを有することを特徴とする光アイソレータである。
更に、本発明の請求項4記載の発明は、前記第2の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が47.8度に設定されると共に、前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が59度に設定されることを特徴とする光アイソレータである。
更に、本発明の請求項5記載の発明は、前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向厚が105μmを超過する値に設定されることを特徴とする光アイソレータである。
更に、本発明の請求項6記載の発明は、前記レンズがGRINレンズであると共に、レンズ端面に前記全反射部材として全反射膜が一体形成されていることを特徴とする光アイソレータである。
又、本発明の請求項7記載の発明は、前記光アイソレータと、その光アイソレータと光結合される複数の光ファイバとを備えることを特徴とする光学装置である。
更に、本発明の請求項8記載の発明は、前記光ファイバの光入出射端部が斜めに形成されることを特徴とする光学装置である。
更に、本発明の請求項9記載の発明は、前記光ファイバの許容曲げ半径 が15mm以下に設定されることを特徴とする光学装置である。
更に、本発明の請求項10記載の発明は、前記光ファイバがコア拡大光ファイバであることを特徴とする光学装置である。
本発明に係る光アイソレータに依れば、光アイソレータを構成する光学素子の種類を、複屈折素子とファラデー回転子、及びレンズと全反射部材のみに抑えることが可能となる。従って、従来の往復路型光路を有する光アイソレータにおいて必要だった1/2波長板やガラス板といった光学素子を省略することが可能である。よって、光アイソレータを構成するために用いる光学素子の種類及び絶対数を削減して、光アイソレータの製造工程の削減と製造コストの削減を図れる、往路型光路を有する光アイソレータ構造を実現することが出来る。
更に、本発明に係る光アイソレータは、その光アイソレ−タ機能を実現するために必須となる光学素子のみで構成されているので、光路設計が単純化されると共に、光アイソレータの構造の簡略化、小型化、及び低価格化を実現することが可能となる。又、光アイソレ−タ機能を実現する上で必須の光学素子である、第1又は第2の複屈折素子のどちらか一方に、PDL及びPMDの低減化機能を持たせているため、光アイソレータの特性を向上させることも可能となる。
反射による往復路型光路を有する光アイソレータでは、同じ光学素子を2回、光が透過するため、前記光アイソレータから出射する光に、1つの光学素子で発生するPMDやPDLが2倍になって作用を及ぼす。しかしながら本発明に係る光アイソレータでは、往路の光路で発生したPMDやPDLは、全反射部材で全反射される前に低減化されるため、そのPMDやPDLが復路の光路に深刻な作用を及ぼすことを防止できる。更に、復路の光路で発生するPMDやPDLも、結晶軸方向補正と素子法線方向厚補正の施された第1の複屈折素子又は第2の複屈折素子に光を透過させることによって低減化される。従って、入射側の光ファイバに伝搬光が入射される段階までに、その伝搬光のPMDやPDLを所望の数値レベルまで低減化することが可能となる。
更に、第1又は第2の複屈折素子のどちらか一方にPDLとPMDの低減化機能を持たせる際に、PDLとPMDのどちらを優先した補正とするかは、第1又は第2の複屈折素子のどちらか一方の結晶軸角度と素子表面法線方向厚を変更するだけで対応可能である。従って、光アイソレータ個々の用途や要求される特性に応じて容易に変更可能であるため、光アイソレータの用途拡大を図ることも容易である。
光アイソレータのPDL特性に直接影響を与える分離幅差を最小値に抑えるように優先的に補正を行った場合は、二光路の光を全反射部材のほぼ一点で全反射させることが可能となる。従って、全反射に伴う、レンズ内部での二光路の光の光路長差をほぼ皆無にすることが可能となる。従って、レンズ内部での往復路型光路における二光路の光の間で発生するPDLを所望の数値レベルまで低減化することが出来る。
更に、順方向の光路において、第1の複屈折素子と第2の複屈折素子を透過後の常光線と異常光線との各偏波面の中心位置が、全反射部材の一点から等距離になるように、第1の複屈折素子の結晶軸方向と第2の複屈折素子の結晶軸方向、及び第1の複屈折素子の素子表面法線方向厚と第2の複屈折素子の素子表面法線方向とを設定するので、レンズ内部における前記一点までの常光線と異常光線の各光路長を等距離とすることが可能となる。従って、全反射部材での全反射に伴う、レンズ内部における常光線と異常光線との光路長差をほぼ皆無とすることが可能なので、PDLの低減化により一層の効果がある。
無論、光が往復路型となることに伴い、光アイソレータの光路方向の寸法が短小化されるので、光アイソレータの小型化の要求に対応することも可能となる。又、光ファイバを光アイソレータの一方だけに配置可能な構成となるので、増幅器に光アイソレータを実装するときに光ファイバの引き回し面積を減少させて、増幅器の小型化を図ることも可能となる。
更に、往復路型の光路とすることによりレンズ個数を1個に削減可能であると共に、レンズ個数の削減に伴い、光ファイバとレンズとの位置調整(調芯組立工程)の工程も削減することが可能となる。
そのレンズをGRINレンズにすると共に、レンズ端面に前記全反射部材として全反射膜を一体形成することにより、点対称の反射による往復路型光路の設計が容易に行えると共に、光アイソレータの光路方向の寸法をより短小化することが可能となる。
更に、前記光アイソレータとその光アイソレータと光結合される複数の光ファイバとを備えた光学装置において、光ファイバの光入出射端部を斜めに形成することにより、光アイソレータの光学素子を伝搬光光路に対して斜めに配置、もしくは前記光学素子を楔形状に加工しなくとも、光学素子の光入出射面から光ファイバへの反射戻り光を防止することが可能となる。
又、光ファイバに、許容曲げ半径 が15mm以下に設定された光ファイバを使用することにより、光ファイバの曲げ損失を低減することが可能となる。従って、光ファイバをコンパクトに巻いて増幅器内部における光ファイバの引き回し面積を減少させ、増幅器の小型化に寄与することが可能となる。
更に、前記光ファイバにコア拡大光ファイバを用いることにより、複数の光ファイバ間の軸ずれに伴う損失を抑制出来るため、光アイソレータに対して光ファイバを配置させる際に、水平方向(X軸方向)と垂直方向(Y軸方向)のトレランスを緩和させることが可能となる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の光アイソレータの第1の実施形態を示す概略斜視図であり、図2は図1の光アイソレータと複数の光ファイバとを光結合させた光学装置に、順方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図であり、図3は図1の光アイソレータの構成部品である第1の複屈折素子を前記光ファイバ側から見たときの平面図であり、図4は前記光学装置に逆方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図である。
図1〜図4に示す通り、光アイソレータ1は、第1の複屈折素子4及び第2の複屈折素子5(共にルチル結晶)、ファラデー回転子6、ファラデー回転子6を磁気飽和させるための図示しないマグネット、レンズ7、及び全反射部材8とから構成される。前記第1の複屈折素子4、第2の複屈折素子5、及びファラデー回転子6は共に平板状に形成されている。更に、その光アイソレータ1と二本の光ファイバ2及び3とが、互いに光結合するように配置されることで、光学装置が形成されている。
更に詳述すると、図2及び図4において、複数の光ファイバ2、3は図中Y軸方向に250μmの間隔を開けて平行に配列されており、その光入出射端部は研磨加工により斜めに形成されている。第1の複屈折素子4は図3に示すように二枚の複屈折板(第1複屈折板4a、第2複屈折板4b)から構成されており、順方向における光の入射側(光ファイバ2からの光の出射方向)から見たときのそれぞれの結晶軸X11、X21方向が、互いに90度異なるように配置されている。前記光の入射側から見たときの、第1複屈折板4aの結晶軸X11方向は、図3のX軸に平行である水平方向を0度として、その0度から135度傾くように設定されている。従って、第2複屈折板4bの結晶軸X21方向は前記135度から90度異なるように、前記0度から45度傾くように設定される。第1及び第2の複屈折素子4、5の光入出射面には反射防止膜を設けている。
第1複屈折板4aと第2複屈折板4bとを互いに接着固定するときは、その境界が光ファイバ2、3の間に来るように配置する。更に、光ファイバ2からの出射光は第1複屈折板4aのみを透過し、光ファイバ3に入出射される光は第2複屈折板4bのみを透過する様に、光ファイバ2、3によって入出射される光の拡がりを考慮して前記境界の位置決めを行うものとする。
ファラデー回転子6はガーネット単結晶などのファラデー効果を有する磁気光学結晶から成り、その厚さは磁気飽和時に45度の回転角を有するように設定される。このファラデー回転子6は2つの前記複屈折素子4及び5の間に配置され、更に、入射光偏波面の回転方向は、ファラデー回転子6を透過して第2の複屈折素子5へと伝搬される光の入射側、即ち光ファイバ2側からZ軸に沿って見たときに左回り(反時計回り)となるように設定されている。
図1において、ファラデー回転子6を挟んで、第1複屈折板4aと面対向に配置されている第2の複屈折素子5の、光の入射側(Z軸方向)から見たときの結晶軸X31方向は、前記結晶軸X11方向に対して45度異なるように設定する。結晶軸X31方向の一例としては、前記135度に対して45度異なる方向である、Y軸方向即ち前記水平方向を0度としてその0度から90度傾くように設定されるものとする。
レンズ7は、その屈折率が中央部(レンズ7の光軸)に近づくにつれて高くなるように連続的に異なる、円筒形状のラジアル屈折率分布型(GRIN:GRadient INdex)レンズである。更に、レンズ6の片端面には全反射部材8として全反射膜が一体形成されている(以後、全反射膜8と記す)。
以上のように構成された光アイソレータ1及び光学装置の動作を以下に説明する。図5は光アイソレータ1における順方向の光の偏光状態を示す図であり、図6は光アイソレータ1における逆方向の光の偏光状態を示す図である。図5中の(A)〜(H)は、それぞれ図2における破線A〜Hで示した各断面における光の偏波面を表わし、図6中の(A)〜(H)は、それぞれ図4における破線A〜Hで示した各断面における光の偏波面を表わす。なお光の偏光状態は、光ファイバ2及び3側からZ軸に沿って見た伝搬光の偏波面を示すものとする。又、偏波面の回転は時計回りを右回り、反時計回りを左回りと記述する。レンズ7内での光の振る舞いは、伝搬光の中心の振る舞いを模式的に描写したものである。
なお、光ファイバ2又は3から出射され全反射膜8で全反射されるまでの光路を「往路」、一方、全反射膜8で全反射され光ファイバ3又は2に入射されるまでの光路を「復路」と定義し、これら光路を総称して「往復路型の光路」と記す。又、光ファイバ2から出射されて光ファイバ3へ入射される一連の光路を「順方向の光路」、一方、光ファイバ3から出射されて光ファイバ2へ入射される一連の光路を「逆方向の光路」と定義する。
まず順方向の光路から説明する。最初に、光ファイバ2から第1複屈折板4aに無偏光状態の光(図5(A))が入射される。その光の偏波面のうち、結晶軸X11に平行な偏波面である光12は異常光線となり、光12の光路は図2に示すように斜め下側方向にシフトされる(図5(B))。一方、光11の偏波面は結晶軸X11に対し非平行なのでシフトされず常光線として直進する。従って、前記無偏光状態の光は、第1複屈折板4aで光11と光12とに分離され異なる光路を伝搬する。ファラデー回転子6の回転方向は、結晶軸X11方向が前記の通り135度の場合は、左回りに設定される。従って、ファラデー回転子6に入射された光11と光12の各偏波面は、左回りに約45度回転される(図5(C))。
その後、光11と光12は第2の複屈折素子5に入射される。前述の通り結晶軸X31方向は、結晶軸X11方向に対して45度異なるように設定されており、この45度の相対角度差はファラデー回転子6の回転角と同一値でもある。従って、ファラデー回転子6で左回りに回転された光11の偏波面と結晶軸X31方向とは平行になる。よって、図5(C)で示す偏波面の光11、光12が第2の複屈折素子5に入射すると、第1複屈折板4aを常光線で透過した光11が今度は異常光線となるので、図2に示すように斜め下側方向へとシフトする(図5(D))。一方、第1複屈折板4aを異常光線で透過した光12の偏波面は、結晶軸X31に対し非平行なのでシフトされず、常光線として直進する。
以上のように、光11と光12とが、第1複屈折板4aと第2の複屈折素子5とを透過するときに、必ず常光線と異常光線の両方の偏光状態をとるように結晶軸X11方向と結晶軸X31方向、及び第1の複屈折素子4の素子表面法線方向厚t1と第2の複屈折素子5の素子表面法線方向厚t2とを設定する。且つ、順方向において、異常光線を図2に示すように共に斜め下側方向にシフトさせることも考慮して結晶軸X11方向と結晶軸X31方向とを設定することにより、第1複屈折板4aと第2の複屈折素子5を透過後の光11と光12の各偏波面の中心11c、12cの位置を、全反射膜8上の一点f1から等距離(中心11cと一点f1間の距離と、中心12cと一点f1間の距離とが等しい状態)に設定することが可能となる。第2の複屈折素子5を透過した光11、光12は、次にレンズ7に入射される。
レンズ7内部に入射した光11と光12は、徐々に全反射膜8の面上の一点f1へと収束されていき、一点f1で一致されて点対称に全反射される。前記のように中心11cと一点f1間の距離と、中心12cと一点f1間の距離とが等しくなるように結晶軸X11方向と結晶軸X31方向、及び第1の複屈折素子4の素子表面法線方向厚t1と第2の複屈折素子5の素子表面法線方向厚t2とを設定しているので、全反射後の中心11cと一点f1間の距離と、中心12cと一点f1間の距離とも等しくなる。全反射されてレンズ7から出射した光11、光12(図5(E))は、再度第2の複屈折素子5に入射される。往路の光路と同様に、第2の複屈折素子5内部では、光11の偏波面が結晶軸X31方向と平行になるので光11が異常光線となり、図2に示すように斜め上側方向へとシフトされる(図5(F))。一方の光12の偏波面は結晶軸X31方向に対して非平行なので、シフトされず常光線として直進して行く。
次に、再度ファラデー回転子6に入射された光11と光12の各偏波面は、左回りに約45度回転される(図5(G))。光11と光12は往復路型光路で計2回ファラデー回転子6を透過するので、各偏波面は、第1複屈折板4aからの出射時の偏光状態(図5(B))と比べて合計90度左に回転される事となる。この偏光状態で光11と光12は第1の複屈折素子4の第2複屈折板4bに入射される。
前述のように、第2複屈折板4bの結晶軸X21方向は、第1複屈折板4aの結晶軸X11方向に対して90度異なるように配置されており、又、復路の光路においてファラデー回転子6を透過後の光11と光12の各偏波面は、第1複屈折板4aからの出射時の偏光状態(図5(B))と比べて、合計90度左に回転されている。従って、往路の光路において第1複屈折板4a透過時に異常光線であった光12が、復路の光路においても異常光線となるので、図2に示すように第2複屈折板4bに入射した光12は斜め上側方向へとシフトされる(図5(H))。一方、光11は第2複屈折板4b内部では常光線なので、第2複屈折板4b内部を直進する。即ち、全反射膜8で全反射された後に第2の複屈折素子5を常光線で透過した光12は異常光線で透過されると共に、全反射膜8で全反射された後に第2の複屈折素子5を異常光線で透過した光11は常光線で透過されることになる。シフトされることによって光11と光12は第2複屈折板4bを透過したときにその光路が一致する。従って、常光線と異常光線とが一致された元の入射光の状態で、光ファイバ3に光が光結合される。光11及び光12は、レンズ7で集光されているので、光ファイバ3に挿入損失0.5dB程度と効率よく光結合される。
次に、逆方向の光路を説明する。光ファイバ3から無偏光の光が入射されると(図6(H))、入射光は第2複屈折板4bで、常光線である光13と異常光線である光14とに分離されて、光14が図4に示すように斜め下側方向へとシフトされ(図6(G))、光13と光14は異なった光路を伝搬する。更に、ファラデー回転子6を透過するときに各偏波面は左回りに約45度回転され(図6(F))、その後第2の複屈折素子5に入射される。第2の複屈折素子5内部では光14の偏波面が結晶軸X31方向と平行になるので異常光線となり、更に図4に示すように斜め下側方向へとシフトされていく(図6(E))。
次に、光13と光14はレンズ7に入射され、徐々に全反射膜8の面上の一点f1へと収束されていき、一点f1で一致されて点対称に全反射され、レンズ7から再度、第2の複屈折素子5に入射される(図6(D))。第2の複屈折素子5に入射した光14は異常光線として伝搬するので、図4に示すように斜め上側方向へとシフトされ(図6(C))、再度ファラデー回転子6に入射される。
ファラデー回転子6に入射された光13と光14の各偏波面は、左回りに更に約45度回転される(図6(B))。従って、ファラデー回転子6から2度目に出射されたときの光13と光14の各偏波面(図6(B))は、第2複屈折板4b出射時の各偏波面(図6(G))と比べて左回りに90度回転される偏光状態となる。この偏光状態で光13と光14は第1の複屈折素子4の第1複屈折板4aに入射される。
前述のように、第1複屈折板4aの結晶軸X11方向は、第2複屈折板4bの結晶軸X21方向に対して90度異なるように配置されており、又、復路の光路においてファラデー回転子6透過後の光13と光14の各偏波面は、第2複屈折板4bからの出射時の偏光状態(図6(G))と比べて合計90度左に回転されている。従って、往路の光路において第2複屈折板4b透過時に異常光線であった光14が、復路の光路においても異常光線となり、図4に示すように斜め上側方向へと更にシフトされる(図6(A))。一方、光13は第1複屈折板4a内部では常光線なので、第1複屈折板4a内部を直進する。従って、光13と光14の光路は互いにずれて一致せず、光ファイバ2にはどちらも入射しない。
以上のように、光ファイバ2から入射した光は光ファイバ3に光結合するが、光ファイバ3から入射した光は光ファイバ2には光結合しないという光アイソレータ機能を光アイソレータ1は得ることが出来る。この光アイソレータ機能を実現するために、第1及び第2の複屈折素子4と5とは相反素子である必要がある。更に、ファラデー回転子6は非相反素子である必要がある。
本実施形態では、光アイソレータ1を構成する光学素子の種類を、複屈折素子とファラデー回転子、及びレンズと全反射部材のみに抑えることが出来た。従って、従来の往復路型光路を有する光アイソレータで必要とされていた、1/2波長板やガラス板を省略することが可能となる。よって、光アイソレータを構成するために用いる光学素子の種類及び絶対数を削減して、光アイソレータの製造工程の削減と製造コストの削減を図れる、往路型光路を有する光アイソレータ構造が実現可能となった。
勿論、従来の往復路型光路を有する光アイソレータと同様に、光路方向の寸法が短小化されるので小型化の要求に対応することも可能となる。又、光ファイバ2、3を光アイソレータ1の一方だけに配置可能な構成なので、増幅器に実装するときに光ファイバの引き回し面積を減少させて、増幅器の小型化を図ることも可能である。
更に、往復路型の光路とすることによりレンズ個数を1個に削減可能になると共に、レンズ個数の削減に伴い、光ファイバとレンズとの位置調整(調芯組立工程)の工程も削減することが可能となる。
次に、第1及び第2の複屈折素子4、5の各屈折率の違いに基づく、光11と光12のPMDとPDLの低減化手段について説明する。まず、第1の複屈折素子4における異常光線の実効屈折率nne1は、数1で表される。
Figure 0004714811
但し、noは常光線屈折率、neは異常光線屈折率をそれぞれ表し、no:2.453、ne:2.709とする。又、数1からも分かるようにnne1は、第1又は第2複屈折板4a、4bの結晶軸と異常光線波面法線方向とのなす角度θrに依存する。第1の複屈折素子4の素子表面法線厚t1を200μmとすると、t1分の厚みを有する第1の複屈折素子4を常光線が透過したときの、第1の複屈折板素子4の素子表面法線からの常光線の分離幅So1は、数2で表される。
Figure 0004714811
ここで、θoは常光線の実効光線角度(常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度)であり、
Figure 0004714811
と表される。ここで、αは前記素子表面法線に対する光の入射角度であり、光ファイバ2、3の光入出射端部のコア軸に対する傾斜角度が12度と設定される場合、αは5.5度と設定する。
又、t1分の厚みを有する第1の複屈折素子4を異常光線が透過したときの、前記素子表面法線からの異常光線の分離幅Se1は、
Figure 0004714811
と表される。ここで、θe1は異常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度であり、
Figure 0004714811
で表される。なお、θecは異常光線と、その異常光線が入射する第1複屈折板4a又は第2複屈折板4bの結晶軸とのなす角度であり、
Figure 0004714811

と表される。前記θrは、
Figure 0004714811

と表される。なお、数7中の係数a、b、cは、
Figure 0004714811
Figure 0004714811
Figure 0004714811
と表される。θ1は第1複屈折板4a又は第2複屈折板4bの、各々の素子表面法線と結晶軸との角度を表し(図1、図2、図4の結晶軸X12、X22方向に該当)、47.8度が素子表面法線方向厚t1を最小厚に抑えつつ、後述の分離幅Soe1を最大にすることが可能となるので最適である。従って、第1の複屈折素子4の、入射光光線方向に対する常光線と異常光線の分離幅の合計Soe1は、
Figure 0004714811
と表され、上記各パラメータ数値を代入して計算すると、Soe1:20.119μmと導き出される。
更に、異常光線波面法線方向と前記素子表面法線方向とのなす角度θed1は、
Figure 0004714811
と表される。従って、第1の複屈折素子4によって発生する常光線と異常光線の光路長差d1は、
Figure 0004714811
と表される。数13に上記各パラメータ数値を代入して計算すると、d1:28.031μmと導き出される。更に、この光路長差d1によって生ずる偏波分散PMD1は、
Figure 0004714811

と表され、PMD1:0.094psが導き出される。vは光速で、v:299792458m/sとする。
本発明における、第1の複屈折素子4で発生する光11と光12間のPMD及びPDLを、所望の数値レベルまで低減化させる手段は、第2の複屈折素子5の素子表面法線方向厚t2と、素子表面法線方向に対する結晶軸X32方向とを、前記PMDとPDLの値に応じて設定することである。これにより、第1の複屈折素子4で発生する光11と光12間のPMD及びPDLを、第2の複屈折素子5に光11と光12を透過させるときに所望の数値レベルまで低減化させるものである。
次に、第2の複屈折素子5にPMD及びPDLを所望の数値レベルまで低減化させるための結晶軸方向補正と素子表面法線方向厚補正が施されない場合における、分離幅Soe2と偏波分散値PMD2を求める。第2の複屈折素子5における異常光線の実効屈折率nne1は、前記数1で表される。
結晶軸X11方向と結晶軸X31方向に伴う、第1複屈折板4aと第2の複屈折素子5における異常光線の分離方向の相違から、第2の複屈折素子5の素子表面法線厚t2は前記t1の1/(√2)倍である約141μmに設定する。このt2分の厚みを有する第2の複屈折素子5を常光線が透過したときの、第2の複屈折板素子5の素子表面法線からの常光線のシフト量So2は、数15で表される。
Figure 0004714811
なお、常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度は前記数3で表されるθoと同一である。更に、前記素子表面法線に対する光の入射角度は前記αと同一の5.5度に設定する。
又、t2分の厚みを有する第2の複屈折素子5を異常光線が透過したときの、前記素子表面法線からの異常光線の分離幅Se2は、
Figure 0004714811
と表される。なお、異常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度は前記数5で表されるθe1と同一である。更に、異常光線と、その異常光線が入射する第2の複屈折素子5の結晶軸とのなす角度は前記数6で表されるθecと同一である。第2の複屈折素子5の結晶軸と、異常光線波面法線方向とのなす角度は前記数7で表されるθrと同一であり、係数a、b、cもそれぞれ前記数8、数9、数10と同一に表されるため、記載は省略する。
まず第2の複屈折素子5を、第1の複屈折素子4と同一の結晶軸方向で配置した場合を考慮するために、第2の複屈折素子の素子表面法線と結晶軸との角度(結晶軸X32方向)を前記θ1と同一の47.8度に設定する。従って、第2の複屈折素子5の、入射光光線方向に対する常光線と異常光線の分離幅の合計Soe2は、
Figure 0004714811
と表され、上記各パラメータ数値を代入して計算すると、Soe2:14.184μmと導き出される。
更に、異常光線波面法線方向と前記素子表面法線方向とのなす角度は、前記数12で表されるθed1と同一である。従って、第2の複屈折素子5によって発生する常光線と異常光線の光路長差d2は、
Figure 0004714811
と表される。数18に上記各パラメータ数値を代入して計算すると、d2:19.762μmと導き出される。更に、この光路長差d2によって生ずる偏波分散PMD2は、
Figure 0004714811
と表され、PMD2:0.066psが導き出される。
前記のように、第2の複屈折素子5の素子表面法線厚t2は、前記t1の1/(√2)倍に設定するので、第2の複屈折素子5の目標分離幅Soe2Tは、
Figure 0004714811
と表され、Soe1:20.119μmより、Soe2T:14.226μmと導き出される。従って、目標分離幅Soe2Tと前記Soe2との差分(第1の複屈折素子4との分離幅差)S1は0.042μmと導き出される。
更に、第1の複屈折素子4で発生する偏波分散PMD1と、第2の複屈折素子5で発生する偏波分散PMD2との、偏波分散差PMD0は、
Figure 0004714811
と表され、PMD0:0.028psと導き出される。
以上から、第2の複屈折素子5の結晶軸方向補正及び素子表面法線方向厚補正を行わない場合には、分離幅差0.042μm、偏波分散差0.028psが発生する。よって、第2の複屈折素子5のPMD2を0.028ps遅らせて0.094ps付近とし、且つ、分離幅が14.23μmとなるように、複屈折素子5の素子表面法線方向に対する結晶軸方向と素子表面法線方向厚を求めれば良いことが分かる。
次に、第2の複屈折素子5の結晶軸方向補正と素子表面法線方向厚補正により、第1の複屈折素子4で発生する光11と光12間のPMDとPDLを所望の数値レベルまで低減化する課程を記述する。結晶軸方向補正と素子表面法線方向厚補正とが施された第2の複屈折素子5における異常光線の実効屈折率nne1nは、数22で表される。
Figure 0004714811
但し、noは常光線屈折率、neは異常光線屈折率をそれぞれ表し、数1からも分かるようにnne1nは、第2の複屈折素子5の結晶軸と異常光線波面法線方向とのなす角度θrnに依存する。前記第2の複屈折素子5の素子表面法線厚t2を可変させるので、新たに変数tmで表し、tmは初期値145μmから終了値165μmまで整数単位で可変可能とする。この様なtm分の厚みを有する第2の複屈折素子5を常光線が透過したときの、第2の複屈折板素子5の素子表面法線からの常光線の分離幅So1mは、数23で表される。
Figure 0004714811
なお、常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度は前記数3で表されるθoと同一である。更に、前記素子表面法線に対する光の入射角度は前記αと同一の5.5度に設定する。
又、tm分の厚みを有する第2の複屈折素子5を異常光線が透過したときの、前記素子表面法線からの異常光線の分離幅Se1(m, n)は、
Figure 0004714811
と表される。ここで、θe2nは異常光線の光線方向と前記素子表面法線とのなす角度であり、
Figure 0004714811
で表される。なお、θecnは異常光線と、第2の複屈折素子5の結晶軸とのなす角度であり、
Figure 0004714811

と表される。θrnは、
Figure 0004714811

と表される。なお、数27中の係数an、bn、cnは、
Figure 0004714811
Figure 0004714811
Figure 0004714811
と表される。θnは第2の複屈折素子5の素子表面法線と結晶軸との角度変数であり(図1、図2、図4の結晶軸X32方向に該当)、θnは初期値58.5度から終了値60.5度まで0.1度単位で可変可能とする。従って、第2の複屈折素子5の、入射光光線方向に対する常光線と異常光線の分離幅の合計Soe2(m, n)は、
Figure 0004714811
と表される。従って、第2の複屈折素子5び目標分離幅Soe2TとSoe2(m, n)との差分(第1の複屈折素子4との分離幅差)ST(m, n)は、
Figure 0004714811
と表される。
更に、異常光線波面法線方向と前記素子表面法線方向とのなす角度θed1nは、
Figure 0004714811
と表される。従って、第2の複屈折素子5によって発生する常光線と異常光線の光路長差d2(m, n)は、
Figure 0004714811
と表される。更に、この光路長差d2(m, n)によって生ずる偏波分散PMD2(m, n)は、
Figure 0004714811

と表される。よって、第1の複屈折素子4で発生する偏波分散PMD1と、第2の複屈折素子5で発生する偏波分散PMD2(m, n)との、偏波分散差PMD0(m, n)は、
Figure 0004714811
と表される。
数32と数36を用いて、第2の複屈折素子5の素子表面法線方向厚tmを可変させた場合の分離幅差ST(m, n)と偏波分散差PMD0(m, n)を求め、その結果の一部を表1に表す。但し、第2の複屈折素子5の素子表面法線方向に対する結晶軸角度θnは59度に統一した。
Figure 0004714811
各複屈折素子4、5の各結晶軸X12、X22、X32方向や各素子表面法線方向厚t1、tm、及びそれらの組み合わせは多様に考えられるため、1パターンには限定されない。しかしながら、分離幅差ST(m, n)の低減化を優先させる場合には、結晶軸X12、X22方向を前記47.8度に設定すると共に、表1より、θn(結晶軸X32方向)を59度、素子表面法線方向厚tmを157μmに設定するのが望ましいことが分かる。θn:59度、素子表面法線方向厚tm:157μmの組み合わせとすることにより、分離幅差ST(m, n)を最小値の約0.004μm、偏波分散差PMD0(m, n)を約0.006psまで低減化することが出来る。なお、分離幅差ST(m, n)及び偏波分散差PMD0(m, n)の値の大小判断は絶対値で行う。
往復路型の光路を有する光アイソレータ1の場合は、第1及び第2の複屈折素子4、5に光が往路・復路の2回透過するので、最悪でも分離幅差ST(m, n)は約0.008μm、偏波分散差PMD0(m, n)は約0.012psとなる。しかしながら、前記θnを59度、素子表面法線方向厚tmを157μmに設定することにより、第1の複屈折素子4で生じた常光線と異常光線との間の分離幅差Soe1と偏波分散PMD1を、実用上所望される数値レベル(分離幅差ST(m, n)<0.5μm、偏波分散差PMD0(m, n)<0.05ps)の範囲内まで低減可能な第2の複屈折素子5を形成することが可能となる。従って、第1複屈折板4aで発生した光11と光12間のPMDとPDLは、レンズ7に入射される前に第2の複屈折素子5を透過することによって所望の数値レベルまで低減化される。
同様に、全反射膜8で全反射された光は、第2の複屈折素子5と第2複屈折板4bとを透過することによって、光11と光12間のPMDとPDLは、光ファイバ3に入射される前までに、所望の数値レベルまで低減化される。これは、往路の光路で発生したPMDとPDLは往路の光路において低減化され、復路の光路で発生したPMDとPDLは復路の光路において低減化されることを示す。反射による往復路型光路を有する光アイソレータでは、同じ光学素子を2回、光が透過するため、前記光アイソレータから出射する光に、1つの光学素子で発生するPMDやPDLは2倍になって作用を及ぼす。しかしながら光アイソレータ1では、往路の光路で発生したPMDやPDLは、全反射膜8で全反射される前に低減化されるため、そのPMDやPDLが復路の光路に深刻な作用を及ぼすことが防止できる。更に、復路の光路で発生するPMDやPDLも、結晶軸方向補正と素子法線方向厚補正の施された第2の複屈折素子5と、第2復屈折板4bとに光を透過させることによって低減化される。従って、光ファイバ2から出射された光が、光ファイバ3に入射される段階では、その入射光のPMDやPDLは所望の数値レベルまで低減化されている。
本実施形態に係る光アイソレータ1は、その光アイソレ−タ機能を実現するために必須である光学素子のみで構成されているので、光路設計が単純化されると共に、光アイソレータ1の構造の簡略化、小型化、及び低価格化を実現することが可能となる。又、光アイソレ−タ機能を実現する上で必須の光学素子である、第2の複屈折素子5に、PDL及びPMDの低減化機能を持たせているため、同時に光アイソレータ1の特性を向上させることも可能となる。
上記で、光アイソレータ1の分離幅差ST(m, n)が最小となるように優先して、第2の複屈折素子5のθnと素子表面法線方向厚tmを求めたが、第1及び第2の複屈折素子4と5を透過後のPMD0(m, n)が最小となるように優先した場合はまた別の解がある。分離幅差ST(m, n)は光アイソレータ1のPDL特性に直接影響を与えるが、伝搬光のビーム径を大きくすることにより軽減することが可能である。将来、光通信環境が40Gbps以上の高速通信になった場合、PMDが問題となるので、その場合はPMD0(m, n)が最小となるように優先した解で対応することが出来る。具体的には、第1の複屈折素子4の素子表面法線方向に対する結晶軸角度θ1(結晶軸X12、X22方向)を前記47.8度に設定すると共に、第2の複屈折素子5の結晶軸角度θn(結晶軸X32方向)を素子表面法線方向に対して59度、及び分離幅差ST(m, n)が0.5μm未満でPMD0(m, n)が最小となる、素子表面法線方向厚tm:152μmに設定することが望ましい。
以上のように、第2の複屈折素子5にPDLとPMDの低減化機能を持たせる際に、PDLとPMDのどちらを優先した補正とするかは、第2の複屈折素子5の結晶軸角度θnと素子表面法線方向厚tmの数値を変更するだけで対応可能である。従って、光アイソレータ個々の用途や要求される特性に応じて、容易に変更可能であるため、光アイソレータの用途拡大を図ることが出来る。
順方向においては2つの光路の光11、光12はレンズ7に入射する前に、2枚の複屈折素子4及び5を透過する。更に、第2の複屈折素子5の素子表面法線方向厚tmが157μmと設定されていれば、光11及び光12の分離幅差ST(m, n)は第2の複屈折素子5から出射した時点(図2Dの時点)で最小値に抑えられる。光アイソレータ1のPDL特性に直接影響を与える分離幅差ST(m, n)が最小値に抑えられているので、光11及び光12を全反射膜8上のほぼ同一点で全反射させることが可能となる。
更に前記の通り、第1複屈折板4aと第2の複屈折素子5を透過後の光11と光12の各偏波面の中心11c、12cの各位置が、全反射膜8上の一点f1から等距離(中心11cと一点f1間の距離と、中心12cと一点f1間の距離が等しい状態)になるように、結晶軸X11方向と結晶軸X31方向、及び素子表面法線方向厚t1とtm(=t2)とを設定する。よって、レンズ7内部における一点f1までの光11と光12の光路長が等距離となる。従って、全反射膜8での全反射に伴う、レンズ7内部での光11と光12との光路長差をほぼ皆無にすることが可能となる。
以上、第2の複屈折素子5の結晶軸角度θnと素子表面法線方向厚tmの数値変更による分離幅差ST(m, n)の最小値化と、結晶軸X11方向と結晶軸X31方向及び素子表面法線方向厚t1とtm(=t2)の設定による、各偏波面の中心11c、12cの位置と一点f1までの距離の均等化によって、レンズ7内部での往復路型光路における光11と光12間に発生するPDLを所望の数値レベルまで低減化することが出来る。又、レンズ7にGRINレンズを使用すると共に、そのレンズ端面に全反射部材として全反射膜8を一体形成しているので、点対称の反射による往復路型光路の設計が容易に行えると共に、光アイソレータ1の光路方向(Z軸方向)の寸法をより短小化することが可能となる。
更に、前記の通り、光ファイバ2、3の光入出射端部を斜めに形成することにより、光学素子を伝搬光光路に対して斜めに配置、もしくは前記光学素子を楔形状に加工しなくとも、光学素子の光入出射面から光ファイバ2、3への反射戻り光を防止することが可能となる。
なお、第1の複屈折素子4の素子表面法線方向厚t1は、少なくとも105μmを超過する値に設定されなければならない。その理由は、光ファイバ2から入射された光が、第1複屈折板4aで常光線と異常光線とに分離される際、その分離幅Soe1は第1複屈折板4aの素子表面法線方向厚t1の約10分の1であり、更に、第1複屈折板4aに入射される光を完全に常光線と異常光線とに分離するためには、光ファイバ2のモードフィールド径(MFD)も考慮しなければならない。シングルモード光ファイバの場合コア径の値はおよそ10.5μmであり、更にこの10.5μmという数値は、種々の光ファイバの中でも最小値の部類なので、あらゆる種類の光ファイバからの入射光を完全に常光線と異常光線とに分離させることを考慮すると、素子表面法線方向厚t1の値は105μmを超過させる必要がある。
なお、光アイソレータ1及び光アイソレータ1を備えた光学装置はその技術思想に基づいて種々変更可能であり、例えば第1及び第2の複屈折素子4、5の各結晶軸X11、X12、X21、X22、X31、X32方向や、素子表面法線方向厚t1、t2(=tm)などは要求される特性に応じて種々変更可能であることは云うまでもなく、図1〜図4に示した1パターンに限定されるものではない。例えば、結晶軸X11方向及び結晶軸X21方向の変更に関しては、図7に示すように水平方向を0度として、結晶軸X11方向を0度から45度傾くように設定すると共に、結晶軸X21方向を結晶軸X11方向に対して90度異ならせるというパターンに変更しても良い。図7の場合、光アイソレータ機能を得るために、ファラデー回転子6の回転方向も第1の複屈折素子4の結晶軸X11、X21方向の変更に合わせて、右回りに変更する必要がある。
又、光ファイバ2、3をコア拡大光ファイバに変更しても良い。コア拡大光ファイバを用いることにより、光ファイバ2と3との間の軸ずれに伴う損失を抑制出来るため、光アイソレータ1に対する光ファイバ2、3配置の際の、水平方向(X軸方向)と垂直方向(Y軸方向)のトレランスを緩和させることが可能となる。
又、光ファイバ2、3に、許容曲げ半径 が15mm以下に設定された光ファイバを使用することにより、光ファイバの曲げ損失を低減することが可能となる。従って、光ファイバ2、3をコンパクトに巻いて増幅器内部における光ファイバの引き回し面積を減少させ、増幅器の小型化に寄与することが可能となる。更に、レンズ7はGRINレンズを例に取り説明したが、非球面レンズを代わりに用いても良い。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について図8〜図10を参照しながら説明する。図8は本発明の光アイソレータの第2の実施形態を示す概略斜視図であり、図9は図8の光アイソレータと複数の光ファイバとを光結合させた光学装置に、順方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図であり、図10は前記光学装置に逆方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図である。なお、第1の実施形態で説明した光アイソレータ1及び光学装置と同一箇所には同一番号を付し、重複する箇所の説明は省略もしくは簡略化して記述する。
図8〜図10に示す通り、光アイソレータ1'は、第1の複屈折素子4及び第2の複屈折素子5'(共にルチル結晶)、ファラデー回転子6、ファラデー回転子6を磁気飽和させるための図示しないマグネット、レンズ7、及び全反射膜8とから構成される。
第1の複屈折素子4は図8に示すように二枚の複屈折板(第1複屈折板4a、第2複屈折板4b)から構成されており、順方向における光の入射側(光ファイバ2からの光の出射方向)から見たときのそれぞれの結晶軸X11'、X21'方向が、互いに180度異なるように配置されている。前記光の入射側から見たときの、第1複屈折板4aの結晶軸X11'方向は、X軸に平行である水平方向を0度として、その0度から90度傾くように設定されている。従って、第2複屈折板4bの結晶軸X21'方向は前記90度から180度異なるように、やはり前記0度から90度傾くように設定される。
ファラデー回転子6の入射光偏波面の回転方向は、ファラデー回転子6を透過して第2の複屈折素子5'へと伝搬される光の入射側、即ち光ファイバ2側からZ軸に沿って見たときに右回り(時計回り)となるように設定されている。
図1において、ファラデー回転子6を挟んで、第1複屈折板4aと面対向に配置されている第2の複屈折素子5'も、図8に示すように二枚の複屈折板(第3複屈折板5a、第4複屈折板5b)から構成されており、順方向における光の入射側(光ファイバ2からの光の出射方向)から見たときのそれぞれの結晶軸X31'、X41方向が、互いに90度異なるように配置されている。前記光の入射側(光ファイバ2からの光の出射方向)から見たときの、第3複屈折板5aの結晶軸X31'方向は、X軸に平行である水平方向を0度として、その0度から135度傾くように設定されている。従って、第4複屈折板5bの結晶軸X41方向は前記135度から90度異なるように、前記0度から45度傾くように設定される。
更に、光の入射側から見たときの前記結晶軸X31'、X41方向は、前記結晶軸X11'、X21'方向に対して45度異なるように設定されている。
第1複屈折板4aと第2複屈折板4b、及び第3複屈折板5aと第4複屈折板5bとを互いに接着固定するときは、その境界が光ファイバ2、3の間に来るように配置する。更に、順方向の往路光路において、光ファイバ2から出射される光が、第1及び第3複屈折板4a、5aのみを透過し、光ファイバ3に入出射される光は第2及び第4複屈折板4b、5bのみを透過する様に、光ファイバ2、3によって入出射される光の拡がりを考慮して前記境界の位置決めを行うものとする。
次に、光アイソレータ1'及び光学装置の動作を以下に説明する。図11は光アイソレータ1'における順方向の光の偏光状態を示す図であり、図12は光アイソレータ1'における逆方向の光の偏光状態を示す図である。図11中の(A)〜(H)は、それぞれ図9における破線A〜Hで示した各断面における光の偏波面を表わし、図12中の(A)〜(H)は、それぞれ図10における破線A〜Hで示した各断面における光の偏波面を表わす。なお光の偏光状態は、光ファイバ2及び3側からZ軸に沿って見た伝搬光の偏波面を示すものとする。又、偏波面の回転は時計回りを右回り、反時計回りを左回りと記述する。レンズ7内での光の振る舞いは、伝搬光の中心の振る舞いを模式的に描写したものである。
なお本実施形態でも、光ファイバ2又は3から出射され全反射膜8で全反射されるまでの光路を「往路」、一方、全反射膜8で全反射され光ファイバ3又は2に入射されるまでの光路を「復路」と定義し、これら光路を総称して「往復路型の光路」と記す。又、光ファイバ2から出射されて光ファイバ3へ入射される一連の光路を「順方向の光路」、一方、光ファイバ3から出射されて光ファイバ2へ入射される一連の光路を「逆方向の光路」と定義する。
まず、順方向の光路から説明する。最初に、光ファイバ2から第1複屈折板4aに無偏光状態の光(図11(A))が入射される。その光の偏波面のうち、結晶軸X11'に平行な偏波面である光16は異常光線となり、光16の光路は図9に示すように斜め下側方向にシフトされる(図11(B))。一方、光15の偏波面は結晶軸X11'に対し非平行なのでシフトされず常光線として直進する。従って、前記無偏光状態の光は、第1複屈折板4aで光15と光16とに分離され異なる光路を伝搬する。ファラデー回転子6の回転方向は、前記の通り右回りに設定されているので、ファラデー回転子6に入射された光15と光16の各偏波面は、右回りに約45度回転される(図11(C))。
その後、光15と光16は第3複屈折板5aに入射される。前述の通り結晶軸X31'方向は、結晶軸X11'方向に対して45度異なるように設定されており、この45度の相対角度差はファラデー回転子6の回転角と同一値でもある。従って、ファラデー回転子6で右回りに回転された光15の偏波面と結晶軸X31'方向とが平行になる。よって、図11(C)で示す偏波面の光15、光16が第3複屈折板5aに入射すると、第1複屈折板4aを常光線で透過した光15が今度は異常光線となるので、図9に示すように斜め下側方向へとシフトする(図11(D))。一方、第1複屈折板4aを異常光線で透過した光16の偏波面は、結晶軸X31'に対し非平行なのでシフトされず、常光線として直進する。
以上のように、光15と光16とが、第1複屈折板4aと第3複屈折板5aとを透過するときに、必ず常光線と異常光線の両方の偏光状態をとるように結晶軸X11'方向と結晶軸X31'方向、及び第1の複屈折素子4の素子表面法線方向厚t1と第2の複屈折素子5'の素子表面法線方向厚t2とを設定する。且つ、順方向において、異常光線を図9に示すように共に斜め下側方向にシフトさせることも考慮して結晶軸X11'方向と結晶軸X31'方向とを設定することにより、第1複屈折板4aと第3複屈折板5aを透過後の光15と光16の各偏波面の中心15c、16cの位置を、全反射膜8上の一点f1から等距離(中心15cと一点f1間の距離と、中心16cと一点f1間の距離とが等しい状態)に設定することが可能となる。第3複屈折板5aを透過した光15、光16は、次にレンズ7に入射される。
レンズ7内部に入射した光15と光16は、徐々に全反射膜8の面上の一点f1へと収束されていき、一点f1で一致されて点対称に全反射される。前記のように中心15cと一点f1間の距離と、中心16cと一点f1間の距離とが等しくなるように結晶軸X11'方向と結晶軸X31'方向、及び第1の複屈折素子4の素子表面法線方向厚t1と第2の複屈折素子5'の素子表面法線方向厚t2とを設定しているので、全反射後の中心15cと一点f1間の距離と、中心16cと一点f1間の距離とも等しくなる。全反射されてレンズ7から出射した光15、光16(図11(E))は、第4複屈折板5bに入射される。往路の光路と異なり、第4複屈折板5b内部では、光16の偏波面が結晶軸X41方向と平行になるので光16が異常光線となり、図2に示すように斜め下側方向へとシフトされる(図11(F))。一方の光15の偏波面は結晶軸X41方向に対して非平行なので、シフトされず常光線として直進して行く。
次に、再度ファラデー回転子6に入射された光15と光16の各偏波面は、右回りに約45度回転される(図11(G))。光15と光16は往復路型光路で計2回ファラデー回転子6を透過するので、各偏波面は、第1複屈折板4aからの出射時の偏光状態(図11(B))と比べて合計90度右に回転される事となる。この偏光状態で光15と光16は第1の複屈折素子4の第2複屈折板4bに入射される。
前述のように、第2複屈折板4bの結晶軸X21'方向は、第1複屈折板4aの結晶軸X11'方向に対して180度異なるように配置されており、又、復路の光路においてファラデー回転子6を透過後の光15と光16の各偏波面は、第1複屈折板4aからの出射時の偏光状態(図11(B))と比べて、合計90度右に回転されている。従って、往路の光路において第1複屈折板4a透過時に常光線であった光15が、復路の光路では異常光線となるので、図9に示すように第2複屈折板4bに入射して斜め下側方向へとシフトされる(図11(H))。一方、光16は第2複屈折板4b内部では常光線なので、第2複屈折板4b内部を直進する。
即ち、全反射膜8で全反射された後に第4複屈折板5bを常光線で透過した光15は異常光線で透過されると共に、全反射膜8で全反射された後に第4複屈折板5bを異常光線で透過した光16は常光線で透過されることになる。シフトされることによって光15と光16は第2複屈折板4bを透過したときにその光路が一致する。従って、常光線と異常光線とが一致された元の入射光の状態で、光ファイバ3に光が光結合される。
次に、逆方向の光路を説明する。光ファイバ3から無偏光の光が入射されると(図12(H))、入射光は第2複屈折板4bで、常光線である光18と異常光線である光17とに分離されて、光17が図10に示すように斜め上側方向へとシフトされ(図12(G))、光17と光18は異なった光路を伝搬する。更に、ファラデー回転子6を透過するときに各偏波面は右回りに約45度回転され(図12(F))、その後第4複屈折板5bに入射される。第4複屈折板5b内部では光17の偏波面が結晶軸X41方向と平行になるので異常光線となり、更に図10に示すように斜め上側方向へとシフトされていく(図12(E))。
次に、光17と光18はレンズ7に入射され、徐々に全反射膜8の面上の一点f1へと収束されていき、一点f1で一致されて点対称に全反射され、レンズ7から第3複屈折板5aに入射される(図12(D))。第3複屈折板5aに入射した光18は異常光線として伝搬するので、図10に示すように斜め上側方向へとシフトされ(図12(C))、再度ファラデー回転子6に入射される。
ファラデー回転子6に入射された光17と光18の各偏波面は、右回りに更に約45度回転される(図12(B))。従って、ファラデー回転子6から2度目に出射されたときの光17と光18の各偏波面(図12(B))は、第2複屈折板4b出射時の各偏波面(図12(G))と比べて右回りに90度回転される偏光状態となる。この偏光状態で光17と光18は第1の複屈折素子4の第1複屈折板4aに入射される。
前述のように、第1複屈折板4aの結晶軸X11'方向は、第2複屈折板4bの結晶軸X21'方向に対して180度異なるように配置されており、又、復路の光路においてファラデー回転子6透過後の光17と光18の各偏波面は、第2複屈折板4bからの出射時の偏光状態(図12(G))と比べて合計90度左右に回転されている。従って、往路の光路において第2複屈折板4b透過時に常光線であった光18が、復路の光路では異常光線となり、図10に示すように斜め上側方向へと更にシフトされる(図12(A))。一方、光17は第1複屈折板4a内部では常光線なので、第1複屈折板4a内部を直進する。従って、光17と光18の光路は互いにずれて一致せず、光ファイバ2にはどちらも入射しない。
以上のように、光ファイバ2から入射した光は光ファイバ3に光結合するが、光ファイバ3から入射した光は光ファイバ2には光結合しないという光アイソレータ機能を光アイソレータ1'は得ることが出来る。この光アイソレータ機能を実現するためには、第1及び第2の複屈折素子4と5'とは相反素子である必要がある。更に、ファラデー回転子6は非相反素子である必要がある。
第1、第3複屈折板4a、5a、及び、第2、第4複屈折板4b、5bの、各屈折率の違いに基づく、光15と光16のPMDとPDLの低減化には、前記数32と数36を用いて前記分離幅差ST(m, n)及び前記PMD0(m, n)のどちらかが最小となるように優先した解を求めれば良いが、解の決定に際しては実用上所望される数値レベル(分離幅差ST(m, n)<0.5μm、偏波分散差PMD0(m, n)<0.05ps)を満たすこととする。
なお、前記結晶軸X11'、X21'方向が前記結晶軸X11、X21方向から変更になったことと、前記結晶軸X31方向が前記結晶軸X31'、X41方向に変更になったことに伴い、第2の複屈折素子5'には前記数1〜数14とその技術思想を適用し、第1の複屈折素子4には前記数15〜数36とその技術思想を適用することとする。まず第3、第4複屈折板5a、5bの素子表面法線方向厚t2(200μm)と各結晶軸X32'、X42方向(47.8度)を定めてから、補正により結晶軸X12、X22'方向と前記素子表面法線方向厚t1との最適解を求めれば良い。
更に前記の通り、第1複屈折板4aと第3複屈折板5aを透過後の光15と光16の各偏波面の中心15c、16cの各位置が、全反射膜8上の一点f1から等距離(中心15cと一点f1間の距離と、中心16cと一点f1間の距離が等しい状態)になるように、結晶軸X11'方向と結晶軸X31'方向、及び素子表面法線方向厚t1とtm(=t2)とを設定している。よって、レンズ7内部における一点f1までの光15と光16の光路長が等距離となる。従って、全反射膜8での全反射に伴う、レンズ7内部での光15と光16との光路長差をほぼ皆無にすることが可能となる。
以上、第1の複屈折素子4の結晶軸X12、X22'方向と素子表面法線方向厚t1の数値変更による分離幅差ST(m, n)の最小値化と、結晶軸X11'方向と結晶軸X31'方向、及び素子表面法線方向厚t1とtm(=t2)の設定による、各偏波面の中心15c、16cの位置と一点f1までの距離の均等化によって、レンズ7内部での往復路型光路における光15と光16間に発生するPDLを所望の数値レベルまで低減化することが出来る。
なお、光アイソレータ1'及びその光アイソレータ1'を備えた光学装置が、光アイソレータ1及びその光アイソレータ1を備えた光学装置と同様の、機能的作用と効果を有することは云うまでもないので、記載は省略する。更に、第1の実施形態で考慮されていた技術的思想に基づく変更が、光アイソレータ1'及びその光アイソレータ1'を備えた光学装置にも適用可能であることも当然である。
本発明の光アイソレータを増幅器に利用することにより、半導体レーザ光源への反射戻り光を防止することが出来る。
本発明の光アイソレータの第1の実施形態を示す概略斜視図。 図1の光アイソレータと複数の光ファイバとを光結合させた光学装置に、順方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図。 図1の光アイソレータの構成部品である第1の複屈折素子を光ファイバ側から見たときの平面図。 光学装置に逆方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図。 図1の光アイソレータにおける順方向の光の偏光状態を示す図。 図1の光アイソレータにおける逆方向の光の偏光状態を示す図。 図1の光アイソレータの変更例を示す概略斜視図。 本発明の光アイソレータの第2の実施形態を示す概略斜視図。 図8の光アイソレータと複数の光ファイバとを光結合させた光学装置に、順方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図。 光学装置に逆方向に光が伝搬するときの光路を示した側面図。 図8の光アイソレータにおける順方向の光の偏光状態を示す図。 図8の光アイソレータにおける逆方向の光の偏光状態を示す図。 従来のインライン型の光アイソレータに順方向の光が透過した場合の偏光状態及び光路の変化を説明した側面図。 図13の光アイソレータに逆方向の光が透過した場合の偏光状態及び光路の変化を説明した図。 レンズ前段に複数の複屈折素子を配置する光アイソレータ機能を有する従来の光学素子複合モジュールの動作を説明するための側面図。
符号の説明
1、1' 光アイソレータ
2、3 光ファイバ
4 第1の複屈折素子
4a 第1複屈折板
4b 第2複屈折板
5、5' 第2の複屈折素子
5a 第3複屈折板
5b 第4複屈折板
6 ファラデー回転子
7 レンズ
8 全反射膜
11〜18 光

Claims (10)

  1. 無偏光の光が入射される第1の複屈折素子と、常光線及び異常光線とに分離された光が入射される第2の複屈折素子と、
    2つの前記複屈折素子の間に配置され、磁気飽和時に45度の回転角を有するファラデー回転子と、
    前記ファラデー回転子を磁気飽和させるマグネットと、
    前記第2の複屈折素子からの常光線及び異常光線を収束させるレンズと、
    前記レンズの収束により常光線及び異常光線を点対称に全反射させる全反射部材から構成され、
    前記第1の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに90度結晶軸方向が異なる第1複屈折板と第2複屈折板とから成り、
    順方向における光の入射側から見たときの前記第1複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として45度若しくは135度に設定されると共に、
    前記ファラデー回転子を透過して前記第2の複屈折素子へと伝搬する光の入射側から見たときの前記ファラデー回転子の回転方向が、第1複屈折板の結晶軸方向が45度の場合は右回り、135度の場合は左回りに設定され、
    光の入射側から見たときの前記第2の複屈折素子の結晶軸方向が、前記第1複屈折板の結晶軸方向に対して45度異なるように設定され、
    前記第1複屈折板に入射された無偏光の光が、常光線と異常光線とに分離され、更に、常光線と異常光線とが前記ファラデー回転子に入射されて45度偏波面が回転され、前記第2の複屈折素子を前記分離された光が透過するときに、前記第1複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第1複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、次に、常光線と異常光線が前記レンズに入射されて前記全反射部材の一点で点対称に全反射され、
    前記全反射部材で全反射された常光線と異常光線とが再度、前記第2の複屈折素子と前記ファラデー回転子とに、この順に入射され、最後に前記第2複屈折板を透過するときに、全反射後に前記第2の複屈折素子を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、全反射後に前記第2の複屈折素子を異常光線で透過した光は常光線で透過され、更に、前記第2複屈折板を透過することで常光線と異常光線の光路が一致されるという往路及び復路の光路を有し、
    前記第2の複屈折素子から前記レンズに入射された、前記常光線と前記異常光線の各偏波面の中心と前記全反射部材の一点までの光路長が等距離に設定され、
    且つ、
    前記第2の複屈折素子が、前記第1の複屈折素子で生じた常光線と異常光線間の分離幅差を0.5μm未満、及び偏波分散差を0.05ps未満に設定するために必要な、素子表面法線方向に対する結晶軸方向と素子表面法線方向厚とを有する
    ことを特徴とする光アイソレータ。
  2. 前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が47.8度に設定されると共に、前記第2の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が59度に設定されることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 無偏光の光が入射される第1の複屈折素子と、常光線及び異常光線とに分離された光が入射される第2の複屈折素子と、
    2つの前記複屈折素子の間に配置され、磁気飽和時に45度の回転角を有するファラデー回転子と、
    前記ファラデー回転子を磁気飽和させるマグネットと、
    前記第2の複屈折素子からの常光線及び異常光線を収束させるレンズと、
    前記レンズの収束により常光線及び異常光線を点対称に全反射させる全反射部材から構成され、
    前記第1の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに180度結晶軸方向が異なる第1複屈折板と第2複屈折板とから成り、
    且つ、
    順方向における光の入射側から見たときの前記第1複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として90度に設定されると共に、
    前記ファラデー回転子を透過して前記第2の複屈折素子へと伝搬する光の入射側から見たときの前記ファラデー回転子の回転方向が右回りに設定され、
    前記第2の複屈折素子が、光の入射側から見たときに互いに90度結晶軸方向が異なる第3複屈折板と第4複屈折板とから成り、
    且つ、
    順方向における光の入射側から見たときの前記第3複屈折板の結晶軸方向が、水平方向を0度として135度に設定されると共に、光の入射側から見たときの前記第2の複屈折素子の結晶軸方向が、前記第1の複屈折素子の結晶軸方向に対して45度異なるように設定され、
    前記第1複屈折板に入射された無偏光の光が、常光線と異常光線とに分離され、更に、常光線と異常光線とが前記ファラデー回転子に入射されて45度偏波面が回転された後に、前記第3複屈折板を前記分離された光が透過するときに、前記第1複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第1複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、次に、常光線と異常光線が前記レンズに入射されて前記全反射部材の一点で点対称に全反射され、
    前記全反射部材で全反射された常光線と異常光線とは、前記第4複屈折板に入射された後に、再度前記ファラデー回転子に入射され、最後に前記第2複屈折板を透過するときに、前記第4複屈折板を常光線で透過した光は異常光線で透過されると共に、前記第4複屈折板を異常光線で透過した光は常光線で透過され、更に、前記前記第2複屈折板を透過することで常光線と異常光線の光路が一致されるという往路及び復路の光路を有し、
    前記第3複屈折板から前記レンズに入射された、前記常光線と前記異常光線の各偏波面の中心と前記全反射部材の一点までの光路長が等距離に設定され、
    且つ、
    前記第1の複屈折素子が、前記第2の複屈折素子で生じた常光線と異常光線間の分離幅差を0.5μm未満、及び偏波分散差を0.05ps未満に設定するために必要な、素子表面法線方向に対する結晶軸方向と素子表面法線方向厚とを有する
    ことを特徴とする光アイソレータ。
  4. 前記第2の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が47.8度に設定されると共に、前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向に対する結晶軸角度が59度に設定されることを特徴とする請求項3に記載の光アイソレータ。
  5. 前記第1の複屈折素子の素子表面法線方向厚が105μmを超過する値に設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光アイソレータ。
  6. 前記レンズがGRINレンズであると共に、レンズ端面に前記全反射部材として全反射膜が一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光アイソレータ。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光アイソレータと、その光アイソレータと光結合される複数の光ファイバとを備えることを特徴とする光学装置。
  8. 前記光ファイバの光入出射端部が斜めに形成されることを特徴とする請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記光ファイバの許容曲げ半径 が15mm以下に設定されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記光ファイバがコア拡大光ファイバであることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れかに記載の光学装置。
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