JP4713791B2 - 乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被処理物に対して気体を噴出して乾燥の処理をする乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の乾燥装置として、次のものがある。
図6に示すように、その装置は、気体加熱室130,処理室140,チャンバ120を有している。
気体加熱室130は、ほぼ閉じた空間を形成し、バーナ132を有している。気体加熱室130内の空気(気体)は、バーナ132によって高温とされる。処理室140は、ほぼ閉じた空間を形成し、その内部においてワークW(被処理物)がコンベア141(その往動部141a)によって移動される。
チャンバ120は、気体加熱室130と処理室140との間に位置しており、ほぼ閉じた内部空間を形成している。チャンバ120は、気体流入部122及びノズル123を有している。チャンバ120の側部には、処理室140と気体加熱室130とを連通させる隙間部121が存在している。
【0003】
そして、気体加熱室130内の高温の空気がダクト134を経てチャンバ120内に流入し、チャンバ120内の高温の空気がノズル123から処理室140内に噴出する。
こうして、処理室140内においてワークWがコンベア141によって移動されつつ、ノズル123から噴出する高温の気体によって乾燥される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、ノズル123から噴出されてワークWに対して接触した後の空気は、ワークW及びコンベア141(その往動部141a)に沿って流れ、隙間部121を経て気体加熱室130に戻る。
しかしながら、このようにしてワークW及びコンベア141に沿って流れる空気によって、ノズル123から噴出される空気がワークWに対して直接的に接触することが妨げられる。このことは、ワークWに対する乾燥(処理)の効率を向上させる上でネックとなっている。
【0005】
そこで、本発明は、被処理物に対する処理の効率を向上させることができる乾燥装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ほぼ閉じた空間を形成するハウジングと、前記ハウジング内において、被処理物の進行方向に沿って設けられた複数のチャンバと、前記ハウジング内において前記複数のチャンバよりも上側の空間である気体加熱室と、前記ハウジング内において前記複数のチャンバよりも下側の空間であり、その内部において前記コンベアによって被処理物が移動される処理室と、前記気体加熱室に配設された排気ダクトとを有し、前記各チャンバは、ほぼ閉じた内部空間を形成し、当該チャンバの上部に形成され、前記気体加熱室内の空気が前記内部空間内に流入する気体流入部と、当該チャンバの下面に設けられ、前記処理室内に突出する管状をなし、前記内部空間内の空気を前記処理室内に噴出するノズルと、前記内部空間とは隔絶された状態で当該チャンバを縦方向に貫通して形成され、前記処理室内の空気が前記気体加熱室内に戻る複数の気体復流路とを有するものであり、前記排気ダクトは、前記複数のチャンバの上方において、前記被処理物の進行方向に沿って延び、当該排気ダクトには、前記各チャンバに対応してエア入口部が形成されており、当該排気ダクトの下流部は前記気体加熱室の外部に位置しており、ファンによって当該排気ダクトの上流側から下流側へと空気が流れるようにされている、乾燥装置である
【0007】
この発明の乾燥装置においては、気体加熱室内の空気がチャンバに流入し、チャンバから処理室内に噴出される。すなわち、その空気は、気体流入部からチャンバの内部空間内に流入し、ノズルから噴出される。一方、処理室内においては被処理物がコンベアによって移動される。そして、チャンバ(ノズル)から噴出される空気によって被処理物が処理される。
被処理物に接触し反射された空気は、チャンバの気体復流路を通って、気体加熱室内に戻る。
【0008】
ここで、気体復流路は、チャンバの内部空間とは隔絶された状態で当該チャンバを貫通して形成されている。このため、空気がチャンバの内部空間内に戻ることが防止されるとともに、被処理物及びコンベアに沿って流れる空気の流れの発生が低減化される。
このため、この発明の気体噴出処理装置では、チャンバのノズルから噴出される空気が直接的に被処理物に対して接触しやすくなり、被処理物に対する処理の効率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、この乾燥装置はハウジング10を有している。
ハウジング10は、ほぼ閉じた空間を形成している。ハウジング10内には複数のチャンバ20が配設され、気体加熱室30及び処理室40が形成されている。
【0010】
チャンバ20は、ハウジング10の内部において、ハウジング10のほぼ中央高さ位置に、ハウジング10の長さ方向(ワークWの進行方向)に沿って複数個設けられている。
チャンバ20の左右両側部分にはシール部21aが設けられている。また、隣接するチャンバ20の間にシール部21bが設けられている。また、最も上流のチャンバ20とハウジング10(その内壁面)との間、及び、最も下流のチャンバ20とハウジング10(その内壁面)との間にもシール部21bが設けられている。
こうして、ともにほぼ閉じた空間を形成する気体加熱室30及び処理室40が形成されている。すなわち、ハウジング10のうち、チャンバ20及びシール部21a,21bよりも上側部分が気体加熱室30であり、同じくチャンバ20及びシール部21a,21bよりも下側部分が処理室40である。
【0011】
気体加熱室30には、各チャンバ20に対応して、バーナ32が設けられている。バーナ32によって気体加熱室30内の空気が加熱されて高温とされる。
気体加熱室30内には、ダクト34が設けられている。ダクト34の上流端の開口部34aは、バーナ32の前方において、バーナ32からの熱風の噴射方向と直角方向に向かって開口している。ダクト34の下流端は、チャンバ20(その気体流入部22)に接続されている。ダクト34の内部にはファン36が配設されており、バーナ32によって高温とされた空気がダクト34を通ってチャンバ20に向かって流れるようにされている。
【0012】
図4に示すように、チャンバ20は、ほぼ直方体状をしており、ほぼ閉じた内部空間28が形成されている。チャンバ20の上部には気体流入部22が形成され、チャンバ20の下面には多数のノズル23が設けられている。気体加熱室30においてバーナ32によって高温とされた空気は、ダクト34を通って気体流入部22からチャンバ20(内部空間28)に流入し、ノズル23から下方へ向かって(コンベア41に向かって)噴出される。
【0013】
また、チャンバ20には、チャンバ20を縦方向に貫通する複数の気体復流路24が形成されている。すなわち、気体復流路24は、チャンバ20の内部空間28とは隔絶されるように管状に形成され、処理室40と気体加熱室30とを連通状態とするものである。これによって、処理室40内の空気が気体加熱室30内に流出する。
【0014】
図2に示すように、処理室40は、入口部44a及び出口部44bを有している。入口部44a,出口部44bの下方には、各々、復路用出口部45b,復路用入口部45aが形成されている。
処理室40にはコンベア41が配設されている。コンベア41は、当該コンベア41の幅方向に延びる多数のパイプが当該コンベア41の長さ方向に連ねられて形成されており、エンドレス状をしている。すなわち、コンベア41は、上側部分の往動部41a及び下側部分の復動部41bを有し、往動部41aが入口部44aから出口部44bへと至り、復動部41bが復路用入口部45aから復路用出口部45bへと至っている。
【0015】
図1〜図3に示すように、気体加熱室30には、排気ダクト50が配設されている。排気ダクト50は、チャンバ20の上方において、ハウジング10の長さ方向(ワークの進行方向)に沿って延びている。排気ダクト50には、各チャンバ20に対応して、エア入口部51が形成されている。排気ダクト50の下流部は、気体加熱室30(ハウジング10)の外部に位置している。そして、排気ダクト50の下流部にはファン52が設けられており、排気ダクト50の上流側から下流側へと空気が流れるようにされている。
【0016】
図5に示すように、ハウジング10の側壁部11は、次のような外壁部12と内壁部13との2重構造となっている。
外壁部12は鉄板によって形成されている。内壁部13は、断熱材13aと鉄板13bによって形成されている。外壁部12と内壁部13との間には、空洞状の空気層形成部14が形成されている。外壁部12のうちの下端部近傍(処理室40に対応する)には、外側空気流入口16が形成されている。
一方、内壁部13のうちの気体加熱室30に対応する部分には、内側空気流入口17が形成されている。すなわち、外側空気流入口16と内側空気流入口部17とは、相互に対応しない位置に設けられている。また、気体加熱室30の内部(そのうちの少なくとも内側気体流入口17の近傍)は、ファン36(図1参照)及びファン52(図2参照)の作動により、外壁部12の外側よりも低圧とされている。
このため、外壁部12よりも外側の空気が、外側空気流入口16から空気層形成部14内に流入し、空気層形成部14内を側壁部11に沿って流れ、内側空気流入口17から気体加熱室30内に流入する。
【0017】
次に、この乾燥装置の作用効果について説明する。
図1及び図2に示すように、コンベア41の往動部41aにワークW(被処理物)が載置された状態でコンベア41が循環することによって、コンベア41(その往動部41a)によってワークWが移動される。すなわち、ワークWは、入口部44aから処理室40内に入り、処理室40内を移動し、出口部44bから処理室40外へ出る。
それとともに、気体加熱室30内の空気がバーナ32によって加熱され、それによって高温となった空気が、ファン36によってダクト34を経てチャンバ20に流入し、ノズル23からワークWに対して噴出され、その空気がワークWと接触する。これによって、ワークWが高温とされて乾燥される。それとともに、その空気が冷却され高湿度とされる(「冷却」「高湿度」とは、ワークWとの接触前の状態との比較による表現である)。
【0018】
図1及び図4に示すように、ワークWに噴出されて反射された空気は、気体復流路24を通って気体加熱室30内に戻る。なお、その空気の流れは、排気ダクト50のファン52(図2参照)及びファン36の作動によって促進される。
【0019】
以上のようにして、気体加熱室30→ダクト34→チャンバ20→ノズル23→ワークWと流れた高温の空気は、気体復流路24を通って気体加熱室30内に戻るため、コンベア41(その往動部41a)に沿って流れる空気の流れの発生が制限される。
このため、ノズル23からワークWに対して噴出された高温の空気が、直接的にワークWに対して接触しやすくなる。
このため、ワークWに対する処理(乾燥)が効率良く行われる。
【0020】
気体復流路24を通って気体加熱室30内に戻った空気の一部は、図3等に示すように、ファン52によって、排気ダクト50からハウジング10の外部へ排出される。このようにして、ワークWに接触して高湿度となった空気(その一部)は、排気ダクト50から外部へ流出する。このため、気体加熱室30内の空気が高湿度になることが防止され、低湿度かつ高温の空気がワークWに対して噴出され、能率的にワークWを乾燥させることができる。
【0021】
また、ファン36及び排気ダクト50のファン52の作動によって、気体加熱室30の内部(内側空気流入口17の近傍)がハウジング10の外側よりも低圧となる。そして、図5に示すように、ハウジング10外の空気が外側空気流入口16から空気層形成部14内に流入し、その空気が空気層形成部14を流れ、内側空気流入口17からハウジング10(気体加熱室30)内に流入する。
【0022】
このように、空気層形成部14には空気の流れが存在するため、その空気によって、ハウジング10の内部と外部との間が有効に断熱される。これによって、外壁部12が低温に維持される。
また、空気層形成部14を空気が流れる際に、その空気が徐々に高温になる。このため、空気層形成部14から気体加熱室30内に流入する空気によって気体加熱室30内の温度が急激に下がることが防止される。すなわち、空気層形成部14を通らず直接的に気体加熱室30(ハウジング10)の外部の空気が気体加熱室30内に流入する場合よりも、気体加熱室30内の温度の低下が小さくて済む。このため、高い熱効率が維持される。
【0023】
なお、上記のものはあくまで本発明の一実施形態にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の乾燥装置の縦断面図である。被処理物の進行方向と直角の方向の仮想線で切断した際の縦断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態の乾燥装置の縦断面図である。被処理物の進行方向の仮想線で切断した際の縦断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態の乾燥装置の横断面図である。
【図4】 本発明の一実施形態の乾燥装置のうちのチャンバを取り出して示す図である。(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図である。
【図5】 図1の一部拡大図である。
【図6】 従来の乾燥装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
20 チャンバ
22 気体流入部
23 ノズル
24 気体復流路
28 内部空間
30 気体加熱室
40 処理室

Claims (1)

  1. ほぼ閉じた空間を形成するハウジングと、
    前記ハウジング内において、被処理物の進行方向に沿って設けられた複数のチャンバと、
    前記ハウジング内において前記複数のチャンバよりも上側の空間である気体加熱室と、
    前記ハウジング内において前記複数のチャンバよりも下側の空間であり、その内部において前記コンベアによって被処理物が移動される処理室と、
    前記気体加熱室に配設された排気ダクトと
    を有し、
    前記各チャンバは、ほぼ閉じた内部空間を形成し、
    当該チャンバの上部に形成され、前記気体加熱室内の空気が前記内部空間内に流入する気体流入部と、
    当該チャンバの下面に設けられ、前記処理室内に突出する管状をなし、前記内部空間内の空気を前記処理室内に噴出するノズルと、
    前記内部空間とは隔絶された状態で当該チャンバを縦方向に貫通して形成され、前記処理室内の空気が前記気体加熱室内に戻る複数の気体復流路とを有するものであり、
    前記排気ダクトは、前記複数のチャンバの上方において、前記被処理物の進行方向に沿って延び、
    当該排気ダクトには、前記各チャンバに対応してエア入口部が形成されており、
    当該排気ダクトの下流部は前記気体加熱室の外部に位置しており、ファンによって当該排気ダクトの上流側から下流側へと空気が流れるようにされている、
    乾燥装置
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