以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示すものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答してランダムアクセスを行ない、書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配置されたMTJメモリセルMCを含むメモリアレイ10とを備える。
メモリアレイ10においては、MTJメモリセルの行にそれぞれ対応して、リードワード線RWLおよびディジット線DLが配置され、MTJメモリセルの列にそれぞれ対応して、ビット線BLが配置される。あるいは、折返し型ビット線構成とするために、各メモリセル列に対応して、ビット線BLおよび/BLから構成されるビット線対BLPを配置する構成としてもよい。図1においては、代表的に示される1個のMTJメモリセルMCと、これに対応するリードワード線RWL、ディジット線DL、およびビット線BL(またはビット線対BLP)の配置が示される。
MRAMデバイス1は、アドレス信号によって示されるロウアドレスRAをデコードして、メモリアレイ10における行選択を実行するための行デコーダ20と、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAをデコードして、メモリアレイ10における列選択を実行するための列デコーダ25と、読出/書込制御回路30および35とをさらに備える。
読出/書込制御回路30および35は、メモリアレイ10に対してデータ書込動作を行なうための回路群、およびメモリアレイ10からデータ読出を行なうための回路群(以下、「データ読出回路系」とも称する)を総称したものである。
ディジット線DLは、メモリアレイ10を挟んで行デコーダ20と反対側の領域において、所定電圧Vss(たとえば、接地電圧)と結合される。
図2は、メモリアレイに対してデータ読出を実行するためのデータ読出回路系の実施の形態1に従う構成を示す回路図である。
図2を参照して、メモリアレイ10は、行列状に配置された、各々が1ビットのデータ記憶を行なう複数の正規のMTJメモリセルMC(以下、単に「正規メモリセルMC」とも称する)を有する。各正規メモリセルMCは、図30に示したのと同様の構成を有し、直列に接続された、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタ(アクセス素子)ATRとを含む。アクセストランジスタATRのゲートは、対応するリードワード線RWLと接続される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、記憶データ(“1”もしくは“0”)に応じた方向に磁化されて、電気抵抗RmaxおよびRminのいずれかを有する。
各正規メモリセルの電気抵抗は、厳密には、トンネル磁気抵抗素子TMR、アクセストランジスタATRのオン抵抗、およびその他の寄生抵抗の和であるが、トンネル磁気抵抗素子TMR以外の抵抗分は記憶データによらず一定であるので、以下においては、記憶データに応じた2種類の正規メモリセルの電気抵抗についても、RmaxおよびRminで示し、両者の差をΔR(すなわち、ΔR=Rmax−Rmin)と示すものとする。
メモリアレイ10は、さらに、複数のダミーセルDMCを含む。各ダミーセルDMCは、アクセス対象に選択された正規メモリセル(以下、「選択メモリセル」とも称する)との間で通過電流を比較するために設けられる。各ダミーセルDMCは、正規メモリセルMCと同様の構成および形状を有し、ダミー磁気抵抗素子TMRdおよびダミーアクセス素子ATRdから構成される。
ダミー磁気抵抗素子TMRdは、正規メモリセルMC中のトンネル磁気抵抗素子TMRと同様に設計および作製されて、記憶データ“1”もしくは“0”を予め書込まれる。ダミーアクセス素子ATRdは、正規メモリセルMC中のアクセストランジスタATRと同様に作製および設計される。すなわち、ダミーアクセス素子ATRdとアクセストランジスタATRとのオン抵抗は同レベルであり、そのトランジスタサイズも同様に設計されている。したがって、ダミーセルDMCの電気抵抗は、正規メモリセルの2種類の電気抵抗RmaxおよびRminの所定の一方と同様である。
ダミーセルDMCは、正規メモリセルMCと同様の構成および形状を有するので、メモリアレイ10内において正規メモリセルMCと連続的に行列配置することができる。実施の形態1に従う構成においては、ダミーセルDMCは、ダミーセル列を構成して、正規メモリセルMCとの間でメモリセル行を共有するように配置される。
正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCによって共有されたメモリセル行ごとに、リードワード線RWLおよびディジット線DLが配置される。一方、正規メモリセルMCの列(「正規メモリセル列」とも称する)およびダミーセル列はそれぞれ独立であり、正規メモリセル列ごとにビット線BLが配置され、ダミーセル列に対してダミービット線BLdが設けられる。
図2においては、第i番目(i:自然数)のメモリセル行および先頭、第j番目(j:自然数)および最終のメモリセル列に対応する、リードワード線RWLi、ディジット線DLi、ビット線BL0,BLj,BLnおよびダミービット線BLd、ならびに、対応する正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCが代表的に示される。
また、以下においては、信号、信号線およびデータ等の2値的な高電圧状態(たとえば、電源電圧Vcc)および低電圧状態(たとえば、所定電圧Vss)を、それぞれ「Hレベル」および「Lレベル」とも称する。
さらに、メモリアレイ10に隣接して、データ線LIOおよびLIOrが配置される。各メモリセル列において、各ビット線BLとデータ線LIOとの間にコラム選択ゲートCSGが設けられ、ダミービット線BLdとデータ線LIOrとの間にダミーコラム選択ゲートCSGdが設けられる。コラム選択ゲートCSGは、対応するコラム選択線CSLの活性化(Hレベル)に応答してオンする。また、ダミーコラム選択ゲートCSGdは、ダミーコラム選択線CSLdの活性化(Hレベル)に応答してオンする。
図2には、ビット線BL0,BLj、BLnおよびダミービット線BLdに対応して設けられる、コラム選択線CSL0,CSLj,CSLn、ダミーコラム選択線CSLd、コラム選択ゲートCSG0,CSGj,CSGn、およびダミーコラム選択ゲートCSGdが代表的に示される。
行デコーダ20は、ロウアドレスRAに応じて、データ読出時にリードワード線RWLを選択的に活性化(Hレベル)し、データ書込時にディジット線DLを選択的に活性化(Hレベル)する。活性化されたディジット線DLiは、その一端を行デコーダ20によって電源電圧Vccと接続され、他端を図1に示したように所定電圧Vssと接続されるので、選択行のディジット線にデータ書込電流Ipを流すことができる。データ書込動作についての詳細な説明は省略するが、さらに、選択列のビット線に書込データレベルに応じた方向のデータ書込電流を流すことにより、対応するディジット線およびビット線の両方にデータ書込電流が供給されたメモリセルに対してデータ書込を実行できる。
列デコーダ25は、データ読出時において、列選択結果に応じて、コラム選択線CSLおよびダミーコラム選択線CSLdを選択的に活性化(Hレベル)する。
さらに、データ線LIO,LIOrをプリチャージ・イコライズするためのデータ線イコライズ回路50と、選択メモリセルおよびダミーセル間の電気抵抗差に基づいてデータ読出を実行するための差動増幅器60とが設けられる。
データ線イコライズ回路50は、データ線LIOおよびLIOrの間に接続されるトランジスタスイッチ51と、データ線LIOrおよび所定電圧Vssの間に接続されるトランジスタスイッチ52と、データ線LIOおよび所定電圧Vssの間に接続されるトランジスタスイッチ53とを有する。トランジスタスイッチ51、52および53の各々は、たとえばN型MOSトランジスタで構成される。
トランジスタスイッチ51〜53の各々のゲートには、行デコーダ20によって生成されるデータ線イコライズ信号LIOEQが入力される。データ線イコライズ信号LIOEQは、少なくともデータ読出動作前の所定期間において、Hレベルへ活性化される。これに応答したプリチャージ・イコライズ動作によって、データ線LIOおよびLIOrの各々は、所定電圧Vssへ設定される。
差動増幅器60は、センスノードNsおよびデータ線LIOの間に接続されたN型MOSトランジスタ61と、センスノード/Nsとデータ線LIOrとの間に接続されたN型MOSトランジスタ62と、ノードNspおよびセンスノードNsの間に接続されるP型MOSトランジスタ63と、ノードNspおよびセンスノード/Nsの間に接続されるP型MOSトランジスタ64と、動作電圧として供給される電源電圧VccおよびノードNspの間に接続されるP型MOSトランジスタ65とを有する。
トランジスタ63および64の各々のゲートは、センスノードNsおよび/Nsの一方と接続される。図2には、一例として、トランジスタ63および64の各々のゲートがセンスノード/Nsと接続される構成が示される。トランジスタ63および64は、カレントミラー回路を構成し、センスノードNsおよび/Nsの各々に対して、同一電流を供給しようとする。
トランジスタ61および62のゲートには、オフセット調整回路を構成する電圧発生回路55および56によってそれぞれ生成されるオフセット制御電圧VofdおよびVofrがそれぞれ入力される。トランジスタ61および62は、データ線LIOおよびLIOrをオフセット制御電圧VofdおよびVofr以下にそれぞれ維持するとともに、データ線LIOおよびLIOrの通過電流差を増幅して、センスノードNsおよび/Ns間の電圧差に変換する。
トランジスタ65のゲートへは、行デコーダ20によってデータ読出動作時にLレベルに活性化されるセンスイネーブル信号/SEが入力される。たとえば、図2に示されるデータ読出回路系が複数配置される構成において、行デコーダ20は、これらの複数のデータ読出回路系の選択結果を反映して、センスイネーブル信号/SEを選択的に活性化する。トランジスタ65は、センスイネーブル信号/SEの活性化(Lレベル)に応答して動作電流を供給して、差動増幅器60を動作させる。
次に、図3を用いて、実施の形態1に従うMRAMデバイスにおけるデータ読出動作を説明する。図3においては、第i行・第j列がデータ読出対象に選択された場合の動作について代表的に説明する。
図3を参照して、データ読出実行前の時刻t1以前において、データ線イコライズ信号LIOEQは、Hレベルに活性化されている。これにより、データ線LIO,LIOrは、所定電圧Vssにプリチャージされる。
時刻t1においてデータ読出動作が開始されると、まず、データ線イコライズ信号LIOEQがLレベルへ非活性化されて、データ線LIO,LIOrは、所定電圧Vssから切離される。これにより、データ読出を開始する準備が整う。
さらに、時刻t2において、センスイネーブル信号/SEがLレベルに活性化されて、差動増幅器60の動作が開始される。これにより、データ線LIOおよびLIOrの各々に対する電流供給が開始される。また、同様のタイミングで、選択行のリードワード線RWLiおよび選択列のコラム選択線CSLjが各々Hレベルに活性化される。
選択行のワード線WLiおよび選択列のコラム選択線CSLjの活性化に応答して、データ線LIOは、ビット線BLjおよび選択メモリセルを介して所定電圧Vssと電気的に結合され、データ線LIOrは、ダミービット線BLdおよびダミーセルDMCを介して所定電圧Vssと電気的に結合される。実施の形態1に従う構成においては、データ線LIO,LIOrと選択メモリセルおよびダミーセルとの間の接続対応関係は固定されている。すなわち、データ読出時に、アドレス選択結果にかかわらず、データ線LIOおよびLIOrは、選択メモリセルおよびダミーセルとそれぞれ電気的に結合される。
既に説明したように、選択メモリセルの電気抵抗は、記憶データに応じて電気抵抗がRmaxおよびRminのいずれかであるので、選択メモリセルと電気的に結合されたデータ線LIOの通過電流Idatは、記憶データに応じて、Idat(Rmax)およびIdat(Rmin)のいずれかとなる。以下においては、選択メモリセルと電気的に結合されたデータ線の通過電流Idatを、データ読出電流Idatとも称し、2種類のデータ読出電流Idat(Rmax)およびIdat(Rmin)の差をΔIと表記する。すなわち、ΔI=Idat(Rmin)−Idat(Rmax)で示される。
一方、データ線LIOrの通過電流Irefは、Idat(Rmax)およびIdat(Rmin)の中間レベルに、好ましくは、下記(1)式を満たす様に設定される。以下においては、ダミーセルと電気的に結合されたデータ線の通過電流Irefを基準電流Irefとも称する。言換えれば、差動増幅器60は、データ線LIOおよびLIOrの通過電流に対して、下記(1)式を満足するようなオフセットを与える必要がある。
Idat(Rmax)+ΔI/2=Iref=Idat(Rmin)−ΔI/2 …(1)
たとえば、このようなオフセットを与えるために、電圧発生回路55および56によって生成されるオフセット制御電圧VofdおよびVofrが、それぞれ異なるレベルへ設定される。
より具体的には、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されているときには、データ線LIOrの通過電流である基準電流IrefをΔI/2だけ減少させるオフセットを与えるために、オフセット制御電圧Vofr=Vofd−Vαに設定する。これにより、ダミーセルと電気的に結合されるトランジスタ62のゲート電圧が選択メモリセルと電気的に結合されるトランジスタ61のゲート電圧よりも低くなるので、上述したオフセットを与えることができる。オフセット制御電圧VofrおよびVofdの差Vαは、上記ΔI/2に対応して調整される。
反対に、ダミーセルの電気抵抗がRmaxに予め設定されているときには、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔI/2だけ増加させるオフセットを与えるために、オフセット制御電圧Vofr=Vofd+Vαに設定する。これにより、ダミーセルと電気的に結合されるトランジスタ62のゲート電圧が選択メモリセルと電気的に結合されるトランジスタ61のゲート電圧よりも高くなるので、上述したオフセットを与えることができる。同様に、オフセット制御電圧VofrおよびVofdの差Vαは、上記ΔI/2に対応して調整される。
あるいは、差動増幅器60における上述したオフセットを与えるための他の構成として、カレントミラーを成すトランジスタ63および64がそれぞれ異なる電流駆動能力(トランジスタサイズ)を有する構成としてもよい。このような構成とする場合には、オフセット制御電圧VofdおよびVofrは、共通レベルに設定される。
具体的には、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されているときには、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔI/2だけ減少させるオフセットを与えるために、トランジスタ64の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、トランジスタ63の電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも小さく設計される。反対に、ダミーセルの電気抵抗がRmaxに予め設定されているときには、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔI/2だけ増加させるオフセットを与えるために、トランジスタ64の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、トランジスタ63の電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも大きく設計される。
時刻t3からt4の間において、差動増幅器60は、選択メモリセルおよびダミーセルの電気抵抗に基づいて上述したオフセットによって生じたデータ読出電流Idatおよび基準電流Irefの電流差ΔI/2を増幅して、センスノードNsおよび/Nsの電圧差ΔV/2に変換する。この電圧差ΔV/2は、選択メモリセルの記憶データに応じた極性を有するので、センスノードNsおよび/Nsの電圧から選択メモリセルの記憶データを検知することができる。
データ読出終了時には、時刻t4において、センスイネーブル信号/SE、選択行のリードワード線RWLiおよび選択列のコラム選択線CSLjが非活性化される。さらに、時刻t5において、データ線イコライズ信号LIOEQがHレベルへ活性化されて、データ線LIO,LIOrが再びプリシャージされて、データ読出前の回路状態が再現される。
以上説明したように、実施の形態1に従う構成においては、基準電流を発生させるためのダミーセルを、正規メモリセルと同様の構成および形状とすることができるので、同一のメモリアレイ内に連続的に作製されたMTJメモリセルの一部を用いて、ダミーセルを構成できる。すなわち、ダミーセルを作製するために特別の設計や製造工程を必要としないため、構造の複雑化によるチップ面積の増大およびメモリアレイの加工マージンの低下等といった問題を招くことなく、正規メモリセルおよびダミーセルを同一メモリアレイ内に設けてデータ読出マージンを確保することができる。
さらに、差動増幅器60の動作電流を選択メモリセルおよびダミーセルの通過電流として用いているのでデータ読出回路系の回路素子数を削減できる。また、同様の特性を有する選択メモリセルおよびダミーセルの間に、記憶データレベルに応じた極性の通過電流差を生じさせるためのオフセットを、回路構成の複雑化を招くことなく与えることができる。
[実施の形態1の変形例1]
図4は、実施の形態1の変形例1に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図4を参照して、実施の形態1の変形例1に従う構成においては、メモリアレイ10が、いわゆる「折返し型ビット線構成」を有する点と、新たに接続切換回路70が配置される点とが、図2に示した実施の形態1に従う構成と異なる。
メモリアレイ10において、各メモリセル列に対応して、相補のビット線BLおよび/BLから構成されるビット線対BLPが配置される。正規メモリセルMCは、奇数行においてビット線BLと接続され、偶数行においてビット線/BLと接続されるように、1行おきに交互配置される。
ダミーセルDMCは、メモリアレイ10内において正規メモリセルMCと連続的に行列配置され、奇数行および偶数行にそれぞれ対応する2個のダミーセル行を構成して、正規メモリセルMCとの間でメモリセル列を共有するように配置される。
したがって、各メモリセル列に配置された相補のビット線BLおよび/BLは、正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCによって共有される。一方、正規メモリセルMCの行(「正規メモリセル行」とも称する)およびダミーセル行はそれぞれ独立であり、正規メモリセル行ごとにリードワード線RWLおよびディジット線DLが配置される。また、2個のダミーセル行にそれぞれ対応して、ダミーリードワード線DRWLe,DRWLoと、ダミーディジット線DDLe,DDLoが配置される。
図4においては、代表的に示される正規メモリセルの1個ずつの偶数行および奇数行と、2個のダミーセル行と、先頭および最終のメモリセル列に対応する、リードワード線RWLe,RWLo、ディジット線DLe,DLo、ダミーリードワード線DRWLe,DRWLo、ダミーディジット線DDLe,DDLo、ビット線対BLP0,BLPnならびに、対応する正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCが代表的に示される。
ダミーリードワード線DRWLeに対するダミーセル群は、ビット線BLと所定電圧Vssとの間にそれぞれ接続される。一方、ダミーリードワード線DRWLoに対応するダミーセル群は、ビット線/BLと所定電圧Vssとの間にそれぞれ接続される。
メモリアレイ10に隣接してデータ線対LIOPを構成する相補のデータ線LIOおよび/LIOが配置される。各メモリセル列にそれぞれ対応して配置されるコラム選択ゲートCSG0〜CSGnは、データ線対LIOPおよびビット線対BLP0〜BLPnの間にそれぞれ設けられる。したがって、データ読出時において、選択列に対応する相補のビット線BLおよび/BLが、データ線LIOおよび/LIOとそれぞれ電気的に結合される。すなわち、折返し型ビット線構成のメモリアレイを有する場合には、データ線LIOおよび/LIOと、選択メモリセルおよびダミーセルとの間の結合関係は固定されず、奇数行および偶数行のいずれが選択されるかに応じて、データ線LIO,/LIOと、ダミーセルDMCおよび選択メモリセルとの間の接続対応関係が入替わる。具体的には、奇数行の選択時には、データ線LIOおよび/LIOが、ビット線BLおよび/BLを介して、選択メモリセルおよびダミーセルとそれぞれ電気的に結合される。これに対して、偶数行の選択時には、データ線LIOおよび/LIOが、ビット線BLおよび/BLを介して、ダミーセルおよび選択メモリセルとそれぞれ電気的に結合される。
これに対応して、接続切換回路70は、差動増幅器60とデータ線LIO,/LIOとの間の接続対応関係を、アドレス選択結果、すなわち偶数行および奇数行のいずれが選択されるかに応じて切換える。接続切換回路70は、データ読出電流Idatが供給されるノードNd(トランジスタ61のソース側)および基準電流Irefが供給されるノードNr(トランジスタ62のソース側)とデータ線LIOおよび/LIOの間に設けられる。
図5は、接続切換回路70の構成を説明する回路図である。
図5を参照して、接続切換回路70は、ノードNdおよびデータ線LIOの間に電気的に結合されるN型MOSトランジスタ71と、ノードNdおよびデータ線/LIOの間に電気的に結合されるN型MOSトランジスタ72と、ノードNrおよびデータ線/LIOの間に電気的に結合されるN型MOSトランジスタ73と、ノードNrとデータ線LIOとの間に電気的に結合されるN型MOSトランジスタ74とを有する。トランジスタ71および73のゲートには、奇数行の選択時にHレベル(“1”)に設定され、偶数行の選択時にLレベル(“0”)に設定されるアドレス信号RA0が入力され、トランジスタ72および74の各ゲートには、その反転信号であるアドレス信号/RA0が入力される。
このような構成とすることにより、奇数行および偶数行のいずれの選択時においても、選択メモリセルおよびダミーセルを、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefをそれぞれ供給するノードNdおよびNrと電気的にそれぞれ結合することができる。
図6は、実施の形態1の変形例1に従うデータ読出回路系によるデータ読出動作を説明する動作波形図である。
図6を参照して、奇数行が選択される時刻t1からt2の間のデータ読出動作においては、アドレス信号RA0および/RA0は、HレベルおよびLレベルにそれぞれ設定され、さらに、選択行のリードワード線RWLoおよびダミーリードワード線DRWLoと、選択列に対応するコラム選択線CSL0とがHレベルに活性化される。
電圧発生回路55,56および差動増幅器60は、実施の形態1と同様に、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefの間に所望のオフセットを与えるように設計されている。
この結果、奇数行の選択時においては、選択メモリセルと結合されたデータ線LIOをデータ読出電流Idatが通過し、ダミーセルDMCと結合されたデータ線/LIOを基準電流Irefが通過する。したがって、実施の形態1に従うデータ読出動作と同様に、差動増幅器60によって、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefの差を増幅して、センスノードNsおよび/Nsの電圧差に変換し、センスノードNsおよび/Nsの電圧から選択メモリセルの記憶データを検知することができる。
一方、偶数行が選択される時刻t3からt4の間のデータ読出動作においては、アドレス信号RA0および/RA0は、LレベルおよびHレベルにそれぞれ設定され、さらに、選択行のリードワード線RWLeおよびダミーリードワード線DRWLeと、選択列に対応するコラム選択線CSL0とがHレベルに活性化される。
この結果、偶数行の選択時においても、選択メモリセルと結合されたデータ線(/LIO)をデータ読出電流Idatが通過し、ダミーセルDMCと結合されたデータ線(LIO)を基準電流Irefが通過する。
したがって、奇数行および偶数行のいずれの選択時においても、実施の形態1に従うデータ読出動作と同様に、差動増幅器60によって、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefの電流差ΔI/2を増幅して、センスノードNsおよび/Nsの電圧差ΔV/2に変換できるので、センスノードNsおよび/Nsの電圧から選択メモリセルの記憶データを検知することができる。
すなわち、実施の形態1の変形例1に従う構成によれば、相補のデータ線と選択メモリセルおよびダミーセルの間の接続対応関係がアドレス選択結果に応じて入替わる折返しビット線構成のメモリアレイに対しても、実施の形態1と同様の効果を享受することができる。このような、折返しビット線構成のメモリアレイでは、隣接するビット線、データ線間での比較動作に基づいてデータ読出動作により、よりノイズ耐性の高い正確なデータ読出を実行できる。
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1の変形例2においては、実施の形態1の変形例1で示したデータ線LIO,/LIOと選択メモリセルおよびダミーセルとの間の接続対応関係がアドレス選択結果に応じて入替わる構成に対応可能な差動増幅器の構成について説明する。
図7は、実施の形態1の変形例2に従う差動増幅器の構成を示す回路図である。
図7を参照して、実施の形態1の変形例2に従う差動増幅器60♯は、図2に示した差動増幅器60と比較して、トランジスタ61および62に代えて、トランジスタ61A,61B,62A,62Bを有する点で異なる。トランジスタ61Aおよび61Bは、センスノードNsおよびデータ線LIOの間に並列に接続される。同様に、トランジスタ62Aおよび62Bは、センスノード/Nsおよびデータ線/LIOの間に並列に接続される。
さらに、オフセット調整回路を構成する電圧発生回路55および56に代えて、電圧発生回路55′および56′がそれぞれ設けられる。トランジスタ61Aおよび62Bの各ゲートには、電圧発生回路55′からのオフセット制御電圧Vof1が入力され、トランジスタ61Bおよび62Aの各ゲートには、電圧発生回路56′からのオフセット制御電圧Vof2が入力される。電圧発生回路55′は、奇数行の選択時にHレベルに設定されるアドレス信号RA0に応じて動作し、電圧発生回路56′は、偶数行の選択時にHレベルに設定されるアドレス信号/RA0に応じて動作する。
詳細は後程説明するが、アドレス選択結果、具体的には奇数行および偶数行のいずれが選択されるかに応じて、オフセット制御電圧Vof1およびVof2のいずれか一方は、トランジスタ61A,62Bの組およびトランジスタ61B,62Aの組の一方の組をターンオフさせるように設定される。さらに、トランジスタ61Aおよび62Aの各々の電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、トランジスタ61Bおよび62Bの各々の電流駆動能力(トランジスタサイズ)とは異なるレベルに設定される。なお、差動増幅器60♯のその他の部分の構成は、図2に示した差動増幅器60と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図8は、差動増幅器60♯の動作を説明するための動作波形図である。
図8を参照して、奇数行が選択される時刻t1からt2の間のデータ読出動作においては、アドレス信号RA0および/RA0は、HレベルおよびLレベルにそれぞれ設定され、さらに、選択行のリードワード線RWLoおよび対応するダミーリードワード線DRWLoと、選択列に対応するコラム選択線CSL0とがHレベルに活性化される。
電圧発生回路55′からのオフセット制御電圧Vof1は、トランジスタ61Aおよび62Bをターンオン可能なレベルVofに設定され、電圧発生回路56′からのオフセット制御電圧Vof2は、トランジスタ61Bおよび62Aをターンオフさせるために、たとえば接地電圧レベルに設定される。
これに対して、偶数行が選択される時刻t3からt4の間のデータ読出動作においては、アドレス信号RA0および/RA0は、LレベルおよびHレベルにそれぞれ設定され、さらに、選択行のリードワード線RWLeおよび対応するダミーリードワード線DRWLeと、選択列に対応するコラム選択線CSL0とがHレベルに活性化される。
電圧発生回路55′からのオフセット制御電圧Vof1は、トランジスタ61Aおよび62Bをターンオフさせるレベル(たとえば接地電圧)に設定され、電圧発生回路56′からのオフセット制御電圧Vof2は、トランジスタ61Bおよび62Aをターンオン可能なレベルVofに設定される。
したがって、奇数行および偶数行のいずれが選択された場合においても、データ線LIOおよび/LIOのうちの、選択メモリセルと電気的に結合された一方に対してトランジスタ61Aまたは62Aが直列に接続され、ダミーセルと電気的に結合された他方に対してトランジスタ61Bまたは62Bが直列に接続される。
これらのトランジスタ61A,62Aの各々と、トランジスタ61B,62Bの各々との、ターンオン時の電流駆動能力の大小関係は、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefの間に、実施の形態1と同様のオフセットを与えるように、図2で説明した、オフセットを与えるためのトランジスタ63および64の電流駆動能力(トランジスタサイズ)の大小関係と同様に設定される。
具体的には、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されているときには、基準電流IrefをΔI/2だけ減少させるオフセットを与えるように、トランジスタ61B,62Bの電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、トランジスタ61A,62Aの電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも小さく設計される。反対に、ダミーセルの電気抵抗がRmaxに予め設定されているときには、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔI/2だけ増加させるオフセットを与えるように、トランジスタ61B,62Bの電流駆動能力(トランジスタサイズ)は、トランジスタ61A,61Aの電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも大きく設計される。
この結果、奇数行および偶数行のいずれの選択時においても、選択メモリセルと結合されたデータ線を流れるデータ読出電流Idatと、ダミーセルDMCと結合されたデータ線を流れる基準電流Irefとの間に、上記(1)式と同様の関係を成立させることができる。
したがって、奇数行および偶数行のいずれの選択時においても、実施の形態1に従うデータ読出動作と同様に、差動増幅器60によって、データ読出電流Idatおよび基準電流Irefの差を増幅して、センスノードNsおよび/Nsの電圧差に変換し、センスノードNsおよび/Nsの電圧から選択メモリセルの記憶データを検知することができる。
以上説明したように、実施の形態1の変形例2に従う構成によれば、図2に示された差動増幅器60へ2個のトランジスタを追加して構成された差動増幅器60#を用いて、図4および図5に示された接続切換回路70の配置を省略して、実施の形態1の変形例1と同様のデータ読出を実行できる。したがって、実施の形態1の変形例1に従う構成による効果に加えて、さらに、回路面積を削減することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、差動増幅器を2段階に設けた場合において、実施の形態1と同様のオフセットを与えるための構成について説明する。
図9は、実施の形態2に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図9を参照して、実施の形態2に従う構成においては、差動増幅器60の後段にグローバル差動増幅器80がさらに備えられる。グローバル差動増幅器80は、センスノードNsおよび/Nsの電圧差を相補のグローバルデータ線GIOおよび/GIOの通過電流差に変換し、この電流差を増幅してグローバルセンスノードNgsおよび/Ngsの間に電圧差を生じさせる。
差動増幅器60は、図2に示した構成のメモリアレイ10に対して設けられている。したがって、図示しないが、データ読出時において、センスノードNsと電気的に結合されるデータ線LIOは、選択メモリセルと直列に接続され、センスノード/Nsと電気的に結合されるデータ線LIOrはダミーセルDMCと直列に接続されている。
グローバル差動増幅器80は、センスノードNsと接続されたゲートを有するN型MOSトランジスタ81と、センスノード/Nsと接続されたゲートを有するN型MOSトランジスタ82と、電圧発生回路90からのオフセット制御電圧Vofdをゲートに受けるN型MOSトランジスタ83と、電圧発生回路91からのオフセット制御電圧Vofrをゲートに受けるN型MOSトランジスタ84とを含む。トランジスタ81は、グローバルデータ線GIOおよび所定電圧Vssの間に電気的に結合され、トランジスタ82は、グローバルデータ線/GIOおよび所定電圧Vssの間に電気的に結合される。トランジスタ83はグローバルデータ線GIOに直列に接続され、トランジスタ84はグローバルデータ線/GIOに直列に接続される。
グローバル差動増幅器80は、さらに、電源電圧VccとノードNspgの間に電気的に結合されるP型MOSトランジスタ85と、ノードNspgとグローバルセンスノードNgsおよび/Ngsの間にそれぞれ電気的に結合されるP型MOSトランジスタ86および87とを含む。トランジスタ85のゲートへは、グローバル差動増幅器80のイネーブル信号に相当する制御信号/ASEが行デコーダ20から入力される。トランジスタ85は、制御信号/ASEの活性化(Lレベル)に応答して動作電流を供給して、グローバル差動増幅器80を動作させる。トランジスタ86および87の各ゲートは、グローバルセンスノードNgsおよび/Ngsの所定の一方、たとえばグローバルセンスノード/Ngsと接続される。
電圧発生回路90および91がそれぞれ生成するオフセット制御電圧VofdおよびVofrは、後程詳細に説明するように、相補のグローバルデータ線GIOおよび/GIOの通過電流間に所望のオフセットを与えるために、それぞれ異なるレベルへ設定される。このように、グローバル差動増幅器80は、トランジスタ81、82、86および87で構成される、センスノードNsおよび/Nsの電圧差を増幅する差動アンプに加えて、トランジスタ83および84のゲートへそれぞれ入力されるオフセット制御電圧VofdおよびVofrによって、グローバルデータ線GIOおよび/GIOの通過電流間に、所望のオフセットを与えることが可能な構成となっている。
一方、差動増幅器60内のトランジスタ61および62の各ゲートには、共通のオフセット制御電圧Vofが入力される。すなわち、前段の差動増幅器60においては、データ線LIOおよびLIOrの通過電流間に意図的なオフセットは与えられない。この結果、データ線LIOおよびLIOrの通過電流は、選択メモリセルおよびダミーセルの電気抵抗に依存する。
次に、図10を用いて、実施の形態2に従うデータ読出動作を説明する。図10においては、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されている場合について、第i行・第j列がデータ読出対象に選択されたときの動作を代表的に説明する。
時刻t1においてデータ読出動作が開始されると、まず、データ線イコライズ信号LIOEQがLレベルへ非活性化されて、データ線LIO,LIOrは、所定電圧Vssから切離される。これにより、データ読出を開始する準備が整う。
さらに、時刻t2において、センスイネーブル信号/SEおよび制御信号/ASEがLレベルに活性化されて、差動増幅器60およびグローバル差動増幅器80の動作が開始される。これにより、データ線LIO、LIOrおよびグローバルデータ線GIO,/GIOの各々に対する電流供給が開始される。また、同様のタイミングで、選択行のリードワード線RWLiおよび選択列のコラム選択線CSLjが各々Hレベルに活性化される。
選択行のリードワード線RWLiおよび選択列のコラム選択線CSLjの活性化に応答して、データ線LIOおよびLIOrは、選択メモリセルおよびダミーセルとそれぞれ電気的に結合される。これにより、時刻t3よりデータ線LIOおよびLIOrへ電流が流れ始める。また、データ線LIOおよびLIOrの通過電流によってそれぞれ決まるセンスノードNsおよび/Nsの電圧に応じて、時刻t4よりグローバルデータ線GIOおよび/GIOへ電流が流れ始める。
選択メモリセルと電気的に結合されたデータ線LIOの通過電流Ildは、記憶データに応じて、Idat(Rmax)およびIdat(Rmin)のいずれかとなる。電流Idat(Rmin)およびIdat(Rmax)の差をΔI´と表記する。
一方、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されているので、データ線LIOrの通過電流Ilrは、Idat(Rmin)と同レベルである。したがって、選択メモリセルの記憶データが電気抵抗Rminに相当する場合には、センスノードNsおよび/Nsの間に電圧差は生じない。この結果、トランジスタ83および84のゲートへそれぞれ入力されるオフセット制御電圧VofdおよびVofrが同レベルであるときには、グローバルデータ線GIOおよび/GIOの通過電流IgdおよびIgrの間にもオフセットが生じない。
これに対して、選択メモリセルの記憶データが電気抵抗Rmaxに相当する場合には、データ線LIOの通過電流Idat(Rmax)は、データ線LIOrの通過電流Ilrよりも小さくなるので、センスノードNsの電圧がセンスノード/Nsの電圧よりΔV´高くなる。したがって、トランジスタ81のゲート電圧がトランジスタ82のゲート電圧よりも高いので、オフセット制御電圧VofdおよびVofrが同レベルであるときにも、グローバルデータ線GIOの通過電流Igdは、グローバルデータ線/GIOのデータ通過電流Igrよりも大きくなる。
このように、ダミーセルDMCの電気抵抗がRminに相当する場合には、選択メモリセルに対応するグローバルデータ線GIOの通過電流Igdは、ダミーセルに対応するグローバルデータ線/GIOの通過電流Igrと同等であるか、あるいはそれよりも大きいかのいずれかとなる。
したがって、グローバル差動増幅器80は、グローバルデータ線/GIOの通過電流Igrが、グローバルデータ線GIOの選択メモリセルの記憶データに応じた2種類の通過電流Igd(Rmin)およびIgd(Rmax)の中間レベルとなるように、上記(2)を満足するようなオフセットを与える必要がある。
Igd(Rmax)+ΔIof=Igr=Igd(Rmin)−ΔIof …(2)
すなわち、ダミーセルの電気抵抗がRminに予め設定されているときには、グローバルデータ線/GIOの通過電流である基準電流IgrをΔIofだけ減少させるオフセットを与えるために、オフセット制御電圧Vofr=Vofd−Vαに設定する。オフセット制御電圧VofrおよびVofdの差Vαは、上記ΔIofに対応して調整される。
あるいは、オフセット制御電圧VofrおよびVofdを共通レベルに設定して、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔIofだけ減少させるオフセットを与えるように、グローバルデータ線/GIOと接続されるトランジスタ87の電流駆動能力(トランジスタサイズ)を、グローバルデータ線GIOと接続されるトランジスタ86の電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも小さく設計してもよい。
また、ダミーセルDMCの電気抵抗Rmaxに設定されているケースには、グローバルデータ線/GIOの通過電流である基準電流IgrをΔIofだけ増加させるオフセットを与えるために、オフセット制御電圧Vofr=Vofd+Vαに設定すればよい。
あるいは、オフセット制御電圧VofrおよびVofdを共通レベルに設定して、データ線LIOrの通過電流(基準電流Iref)をΔIofだけ増加させるオフセットを与えるように、グローバルデータ線GIOrと接続されるトランジスタ87の電流駆動能力(トランジスタサイズ)を、グローバルデータ線GIOと接続されるトランジスタ86の電流駆動能力(トランジスタサイズ)よりも大きく設計してもよい。
時刻t4からt5の間において、このように与えられたオフセットによって、選択メモリセルおよびダミーセルの電気抵抗に基づいて生じたグローバルデータ線GIOおよび/GIOの通過電流差ΔIofは、グローバル差動増幅器80によって、グローバルセンスノードNgsおよび/Ngsの電圧差ΔVofに変換される。この電圧差ΔVofは、選択メモリセルの記憶データに応じた極性を有するので、グローバルセンスノードNgsおよび/Ngsの電圧から選択メモリセルの記憶データを検知することができる。
時刻t5以降のデータ読出終了時における動作は、図3における時刻t4以降の動作と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態2に従う構成においては、実施の形態1と同様のデータ読出動作を、差動増幅器を2段構成とした場合にも実行することができる。2段階の差動増幅動作によってデータ読出を実行することにより、それほど大型なMOSトランジスタを設けることなく、十分な増幅率を得てデータ読出を実行することが可能となるので、データ読出回路系の回路面積を小型化できる。
[実施の形態2の変形例1]
実施の形態2の変形例1に従う構成においては、図4に示したデータ線LIO,/LIOと選択メモリセルおよびダミーセルとの間の接続対応関係がアドレス選択結果に応じて入替わる構成において、2段階の差動増幅を実行するための構成について説明する。
図11は、実施の形態2の変形例1に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図11を参照して、実施の形態2の変形例1に従う構成においては、図9に示した実施の形態2に従う構成に加えて、差動増幅器60とデータ線LIOおよび/LIOの間に接続切換回路70が配置される点で異なる。差動増幅器60は、図4に示した構成のメモリアレイ10に対して設けられている。したがって、図示しないが、データ読出時において、センスノードNsおよび/Nsとそれぞれ電気的に結合されるデータ線LIOおよび/LIOは,アドレス選択結果に応じて、選択メモリセルおよびダミーセルDMCの一方ずつと直列に接続されている。
接続切換回路70の構成は、図5に示したのと同様であり、アドレス選択結果に応じて、データ線LIOおよび/LIOのうちの、選択メモリセルと接続された一方を固定的にノードNd(トランジスタ61側)と接続し、ダミーセルと接続された他方をノードNr(トランジスタ62側)と固定的に接続する。
これにより、差動増幅器60、グローバル差動増幅器80および電圧発生回路90,91を、実施の形態2で説明したのと同様に動作させて、相補のデータ線と選択メモリセルおよびダミーセルの間の接続対応関係がアドレス選択結果に応じて入替わる折返しビット線構成のメモリアレイに対しても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。さらに、メモリアレイを折返し型ビット線構成とすることにより、よりノイズ耐性の高い正確なデータ読出を実行できる。
[実施の形態2の変形例2]
図12は、実施の形態2の変形例2に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図12を参照して、実施の形態2の変形例2に従う構成においては、接続切換回路70が、グローバル差動増幅器80の内部に対応して設けられる。すなわち、接続切換回路70は、グローバルデータ線GIOおよび/GIOを分割するように設けられ、トランジスタ81および82と、トランジスタ83および84との間の接続対応関係をアドレス選択結果に応じて制御する。
すなわち、奇数行が選択されて、アドレス信号RA0がHレベルに設定されると、接続切換回路70は、データ線LIOを介して選択メモリセルと電気的に結合されたセンスノードNsの電圧に応じて通過電流が制御されるトランジスタ81と、オフセット制御電圧Vofdをゲートに受けるトランジスタ83と直列に接続し、データ線/LIOを介してダミーセルと電気的に結合されたセンスノード/Nsの電圧に応じて通過電流が制御されるトランジスタ82を、オフセット制御電圧Vofrをゲートに受けるトランジスタ84と直列に接続する。
これに対して、アドレス信号/RA0がHレベルに設定される偶数行の選択時には、データ線LIOを介してダミーセルと電気的に結合されたセンスノードNsの電圧に応じて通過電流が制御されるトランジスタ81と、オフセット制御電圧Vofrをゲートに受けるトランジスタ84と直列に接続し、データ線/LIOを介して選択メモリセルと電気的に結合されたセンスノード/Nsの電圧に応じて通過電流が制御されるトランジスタ82を、オフセット制御電圧Vofdをゲートに受けるトランジスタ83と直列に接続する。
このように、接続切換回路70を、差動増幅器60の後段、すなわちグローバル差動増幅器80に対応して設けても、差動増幅器60、グローバル差動増幅器80および電圧発生回路90,91を、実施の形態2で説明したのと同様に動作させて、相補のデータ線と選択メモリセルおよびダミーセルの間の接続対応関係がアドレス選択結果に応じて入替わる折返しビット線構成のメモリアレイに対しても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。さらに、メモリアレイを折返し型ビット線構成とすることにより、よりノイズ耐性の高い正確なデータ読出を実行できる。
このような構成とすれば、たとえば複数のメモリブロックに分割されたメモリアレイ構成において、各メモリブロックごとに差動増幅器60に相当する初段の増幅回路を設置し、かつこれらの複数のブロックに共通にグローバル差動増幅器80を設ける構成とした場合に、接続切換回路70の配置個数を削減して、回路面積の縮小を図ることができる。
なお、実施の形態1および2に示した差動増幅器60,60#およびグローバル差動増幅器80においては、トランジスタ61,61A,61B,62,62A,62B、81〜84をN型MOSトランジスタで構成し、トランジスタ63〜65,85〜87をP型MOSトランジスタで構成しているが、それぞれの差動増幅器の動作電圧、あるいはそれぞれのトランジスタのゲート電圧(たとえばオフセット制御電圧の設定)の極性を考慮すれば、これらのトランジスタの極性(N型/P型)は適宜変更可能である。
[実施の形態3]
実施の形態3においては、ダミーセルを正規メモリセルと同様の構成としてデータ読出を実行するための、他の構成例について説明する。
図13は、実施の形態3に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。 図13を参照して、メモリアレイ10は、図4に示した構成と同様の構成を有するので詳細な説明は繰り返さない。図13においては、代表的に示される1つの偶数行における先頭メモリセル列に対応する、リードワード線RWLe、ディジット線DLe、ビット線BL0,/BL0と正規メモリセル、ならびに、対応するダミーセルDMC、ダミーリードワード線DRWLeおよびダミーディジット線DDLeが代表的に示されている。
データ線LIOおよび/LIOから構成されるデータ線対LIOPと、メモリアレイ10の間の接続関係は、図4と同様であるので詳細な説明は繰返さない。また、図4の構成と比較して、接続切換回路70の配置が省略され、差動増幅器60に代えてデータ読出回路160が配置される。データ読出回路160は、差動増幅器60のようにデータ線LIOおよび/LIOの通過電流間にオフセットを与える機能を備えておらず、選択メモリセルおよびダミーセルの通過電流差がそのまま反映されたデータ線LIOおよび/LIOの通過電流差を、センスノードNsおよび/Ns間の電圧差に変換することにより、選択メモリセルからのデータ読出を実行する。
たとえば、差動増幅器60において、トランジスタ61および62の間、ならびにトランジスタ63および64の間のそれぞれにおいて、電流駆動能力(トランジスタサイズ)を均衡させ、さらに、トランジスタ61および62のゲートに共通の制御電圧Vrefを与えることにより、このようなデータ読出回路160を実現できる。
実施の形態3に従う構成においては、正規メモリセルMCにおいて、アクセストランジスタATRのソース電圧が、所定電圧Vssに設定される一方で、ダミーセルDMCにおいては、ダミーアクセストランジスタATRdのソース電圧は、ダミーソース電圧線DSLによって供給されるソース電圧Vsl(Vsl≠Vss)に設定される。
データ読出時には、データ線LIOおよび/LIOの各々は、制御電圧Vrefに応じた共通の電圧に設定される。これにより、アクセストランジスタATRおよびダミーアクセストランジスタATRdがそれぞれオンした選択メモリセルおよびダミーセルにおいて、その両端印加電圧に差が生じる。この結果、選択メモリセル中のトンネル磁気抵抗素子TMRおよび対応するダミーセル中のダミー磁気抵抗素子TMRdの両端印加電圧は、それぞれ異なってくる。
たとえば、ダミーセルDMCが電気抵抗Rminに予め設定されるときには、ソース電圧Vslが所定電圧Vssよりも高くなるように(Vsl>Vss)設定して、ダミー磁気抵抗素子TMRdの両端印加電圧がトンネル磁気抵抗素子TMRの両端印加電圧よりも小さくなるようにすれば、ダミーセルを通過する基準電流Irefを、選択メモリセルを通過する2種類のデータ読出電流Idatの中間レベルにできる。なお、ダミー磁気抵抗素子TMRdの両端印加電圧の抑制によって、アクセス頻度が正規メモリセルよりも高いダミーセルDMCの動作信頼性を向上させることができる。
反対に、ダミーセルDMCの電気抵抗がRmaxに予め設定されるときには、ソース電圧Vslを所定電圧Vssよりも低く設定して(Vsl<Vss)、ダミー磁気抵抗素子TMRdの両端印加電圧をトンネル磁気抵抗素子TMRの両端印加電圧よりも大きくすることによって、基準電流Irefを、選択メモリセルの2種類の通過電流の中間レベルとすることができる。
このように、実施の形態3に従う構成によれば、差動増幅器60側、すなわちデータ線LIOおよび/LIOの通過電流にオフセットを与えるための特別な構成が設けることなく、ダミーセルDMCに供給されるソース電圧を調整することによって、すなわち、より簡易なデータ読出回路系によって、正規メモリセルと同様の構成のダミーセルDMCを用いてデータ読出を実行することが可能である。
[実施の形態3の変形例1]
図14は、実施の形態3の変形例1に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図14を参照して、実施の形態3の変形例に従う構成においては、図13に示した実施の形態3に従う構成と比較して、データ読出時において、ビット線BLまたは/BLとダミーソース電圧線DSLの間に、複数のダミーセルDMCが並列に接続される点が異なる。
すなわち、実施の形態3に従う構成と比較して、N倍(N:2以上の整数)のダミーセル行がメモリアレイ10内に配置される。一例として、図14には、N=2である場合、すなわち、データ読出時にビット線BLまたは/BLとダミーソース電圧線DSLの間に、2個のダミーセルDMCが並列に接続される構成が示される。図14には、偶数行に対応して配置された2行のダミーセル行にそれぞれ対応するダミーリードワード線DRWLe0およびDRWLe1と、これに対応する先頭メモリセル列の2個のダミーセルが代表的に示される。
ダミーリードワード線DRWLe0およびDRWLe1は、共通に活性化および非活性化される。したがって、偶数行が選択されたデータ読出時には、各ビット線BLおよびダミーソース電圧線DSLの間に、2個ずつのダミーセルDMCが並列に接続される。図示しないが、奇数行に対応してするダミーセルも、同様に2行に渡って配置される。
このような構成とすることにより、複数のダミー磁気抵抗素子の通過電流によって基準電流Irefを生成するため、ダミーセル1個あたりの通過電流を抑制できる。たとえば、各ダミーセルDMCの電気抵抗がRminに設定されている場合には、ダミーソース電圧線DSLによって供給されるソース電圧Vslを図13に示した構成の場合よりもさらに上昇させて、各ダミー磁気抵抗素子TMRdの両端印加電圧を低減しても、所望の基準電流Irefを生成することができる。
これにより、アクセス頻度が正規メモリセルよりも高いダミーセルDMCの動作信頼性を確保して、実施の形態3と同様のデータ読出を実行できる。
[実施の形態3の変形例2]
図15は、実施の形態3の変形例2に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図15を参照して、実施の形態3の変形例2に従う構成においては、図13に示した実施の形態3に従う構成と比較して、ダミーソース電圧線DSLの電圧を制御するための電流伝達回路100がさらに設けられる点が異なる。
電流伝達回路100は、所定電圧Vssを供給するノード103およびダミーソース電圧線DSLの間に電気的に結合されたトランジスタ101と、ダミーソース電圧線DSLの電圧およびその基準値に相当するソース電圧Vslの電圧差を増幅してトランジスタ101のゲートに増幅するセンスアンプ102とを含む。これにより、トランジスタ101の通過電流は、ダミーソース電圧線DSLがソース電圧Vslに維持されるように制御される。
このような構成とすることにより、実施の形態3に従う構成において、ダミーソース電圧線DSLを安定的にソース電圧Vslに設定できるので、安定的なデータ読出を実行できる。
[実施の形態3の変形例3]
図16は、実施の形態3の変形例3に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図16を参照して、実施の形態3の変形例3に従う構成においては、図15に示した実施の形態3の変形例2に従う構成と比較して、正規メモリセルに対して所定電圧Vssを供給するためのソース電圧線SLに対して、電流伝達回路105がさらに設けられる点が異なる。
電流伝達回路105は、ソース電圧線SLおよび接地ノード104の間に電気的に結合されるトランジスタ106と、ソース電圧線SLの電圧およびその基準値に相当する所定電圧Vssの電圧差を増幅してトランジスタ106のゲートに出力するセンスアンプ107とを含む。これにより、トランジスタ106の通過電流は、ソース電圧線SLが所定電圧Vssに維持されるように制御される。さらに、電流伝達回路100においても、トランジスタ101は、ダミーソース電圧線および接地ノード104の間に設けられる。
このように、実施の形態3の変形例3に従う構成においては、正規メモリセルのアクセストランジスタATRのソース電圧として与えられる所定電圧Vssが、接地電圧GNDとは異なる電圧に設定される。
図17に示すように、同一の分圧経路を用いて、ダミーセル用のソース電圧Vslおよび正規メモリセル用のソース電圧(Vss)の一方を他方に基づいて発生させる。一般に、基準電圧として生成されるこれらのソース電圧VslおよびVssのそれぞれの絶対レベルを厳密に維持することは困難であるが、上述した構成とすることにより、ソース電圧VslおよびVssの間の相対的なレベル差は安定的に維持できる。
実施の形態3に従うデータ読出動作においては、選択メモリセルの両端印加電圧と、ダミーセルの両端印加電圧との間に所望の差を生じさせることによって基準電流Irefを生成するので、実施の形態3の変形例3に従う構成によれば、基準電流Irefについてその変動を抑制して、より正確に設定することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4においては、MTJメモリセルが複数のメモリブロックに分割配置された構成において、データ読出回路系を複数のメモリブロック間で共有するための構成について説明する。
図18は、実施の形態4に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図18を参照して、複数のMTJメモリセルは、選択的にデータ読出対象に選択されるメモリブロックMBaおよびMBbに分割配置される。
メモリブロックMBaおよびMBbの間では、メモリセル列が共有される。したがって、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられるコラム選択線CSL0〜CSLnは、メモリブロックMBaおよびMBbの間で共有される。列デコーダ25は、コラム選択線CSL0〜CSLnをコラムアドレスCAに応じて選択的に活性化する。
一方、メモリセル行にそれぞれ対応するリードワード線RWLは、メモリブロックごとに独立に配置される。さらに、ダミーセルDMCは、メモリブロックMBaおよびMBbにおいて、ダミーセル行110aおよび110bをそれぞれ形成するように配置される。たとえば、メモリブロックMBaには、(m+1)個(m:自然数)の正規メモリセル行にそれぞれ対応して、リードワード線RWL0a〜RWLmaが配置され、ダミーセル行110aに対応してダミーリードワード線DRWLaが配置される。同様に、メモリブロックMBbにおいては、(m+1)個の正規メモリセル行にそれぞれ対応して、リードワード線RWL0b〜RWLmbが配置され、ダミーセル行110bに対応してダミーリードワード線DRWLbが配置される。
メモリブロックMBaおよびMBbにそれぞれ対応して、行デコーダ20aおよび20bがそれぞれ設けられる。行デコーダ20aおよび20bは、メモリブロックMBaおよびMBbの選択結果をそれぞれ示すブロック選択信号BSaおよびBSbを受けて、ロウアドレスRAに応じた行選択を実行する。
具体的には、メモリブロックMBaがデータ読出対象に選択されてブロック選択信号BSaが活性化(Hレベル)されたときには、行デコーダ20aは、ロウアドレスRAに基づいて、リードワード線RWL0a〜RWLmaのうちの1個を選択的に活性化する。一方、行デコーダ20bは、ダミーセル行110bを選択すべく、ダミーリードワード線DRWLbを活性化する。
これに対して、メモリブロックMBbがデータ読出対象に選択されてブロック選択信号BSbが活性化(Hレベル)されたときには、行デコーダ20bは、ロウアドレスRAに基づいて、リードワード線RWL0b〜RWLmbのうちの1個を選択的に活性化する。一方、行デコーダ20aは、ダミーセル行110aを選択すべく、ダミーリードワード線DRWLaを活性化する。
(n+1)個(n:自然数)のメモリセル列にそれぞれ対応して、ビット線BL0a〜BLnaおよびBL0b〜BLnbが、メモリブロックMBaおよびMBbのそれぞれに独立に配置される。相補のデータ線LIOおよび/LIOは、リードワード線RWL方向に沿って配置され、メモリブロックMBaおよびMBbの間で共有される。さらに、メモリセル列にそれぞれ対応してコラム選択ゲートCSG0〜CSGnが配置される。コラム選択ゲートCSG0〜CSGnの各々は、コラム選択線CSL0〜SCLnのうちの対応する1つの活性化(Hレベル)に応答して、ビット線BL0a〜BLnaのうちの対応する1つをデータ線LIOと接続し、ビット線BL0b〜BLnbのうちの対応する1つをデータ線/LIOと接続する。
データ読出回路161は、図7に示された差動増幅器60#と同様の構成および機能を有する。データ読出回路161は、図7におけるアドレス信号RA0,/RA0に代えて、ブロック選択信号BSa,BSbに応じて動作する。論理ゲート69は、ブロック選択信号BSaおよびBSbのNOR論理演算結果をセンスイネーブル信号/SEとしてデータ読出回路161に入力する。このように生成されたセンスイネーブル信号/SEは、図2に示されたトランジスタ65のゲートに入力されるので、メモリブロックMBaおよびMBbの一方がデータ読出対象に選択されて、ブロック選択信号BSaおよびBSbのいずれか一方がHレベルに活性化されたときに、データ読出回路161における差動増幅動作を実行するための動作電流の供給が開始される。
メモリブロックMBaがデータ読出対象に選択された場合には、データ線LIOに対してメモリブロックMBa中の選択メモリセルが接続され、データ線/LIOに対してメモリブロックMBb中のダミーセルが接続される。反対に、メモリブロックMBbがデータ読出対象に選択された場合には、メモリブロックMBb中の選択メモリセルがデータ線/LIOと接続され、データ線LIOがメモリブロックMBa内のダミーセルと接続される。
このように、選択メモリセルおよびダミーセルの1個ずつがそれぞれ接続されたデータ線LIOおよび/LIOの間の通過電流差に応じて、実施の形態1の変形例2に従うデータ読出を実行して、選択メモリセルからの記憶データを読出すことができる。
このような構成とすることにより、2つのメモリブロック間で、相補のデータ線LIO,/LIOおよび差動増幅器に相当するデータ読出回路を共有することができるので、データ読出系回路の回路規模を小さくできる。
[実施の形態4の変形例]
図19は、実施の形態4の変形例に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図19を参照して、実施の形態4の変形例に従う構成においては、図18に示した実施の形態4に従う構成と比較して、メモリブロックMBaおよびMBbのそれぞれにおいて、ダミーセルはダミーセル列115aおよび115bをそれぞれ形成するように配置される点が異なる。
したがって、メモリブロックMBaおよびMBbにそれぞれ配置されるリードワード線RWL0a〜RWLma,RWL0b〜RWLmbの各々は、正規メモリセルMCとダミーセルDMCとの間で共有される。一方、ビット線BL0a〜BLnaは、メモリブロックMBaにおいて、正規メモリセル列にそれぞれ対応して配置され、メモリブロックMBbにおいては、ビット線BL0b〜BLnbが、正規メモリセル列にそれぞれ対応して配置される。さらに、メモリブロックMBaおよびMBbのそれぞれにおいて、ダミーセル列115aおよび115bにそれぞれ対応して、ダミービット線BLdaおよびBLdbがそれぞれ配置される。
コラム選択ゲートCSG0〜CSGnは、(n+1)個の正規メモリセル列にそれぞれ対応して設けられ、ダミーコラム選択ゲートCSGdは、ダミーセル列115aおよび115bに対応して設けられる。コラム選択ゲートCSG0〜CSGnの各々は、コラム選択線CSL0〜CSLnのうちの対応する1つの活性化(Hレベル)に応答して、ビット線BL0a〜BLnaのうちの対応する1つをデータ線LIOと接続するとともに、ビット線BL0b〜BLndのうちの対応する1つをデータ線/LIOと接続する。これに対してダミーコラム選択ゲートCSGdは、ダミーコラム選択線CSLdの活性化に応答して、ダミービット線BLdaをデータ線/LIOと接続し、ビット線BLdbをデータ線LIOと接続する。
列デコーダ25は、データ読出時において、コラム選択線CSL0〜CSLnのうちの1つをコラムアドレスCAに応じて選択的に活性化し、その一方でアドレス選択結果にかかわらずダミーコラム選択線CSLdをHレベルに活性化する。一方、行デコーダ20aは、メモリブロックMBaが選択メモリセルを含む場合に、ロウアドレスRAに応じて、リードワード線RWL0a〜RWLmaのうちの1つを選択的に活性化する。行デコーダ20bは、メモリブロックMBbが選択メモリセルを含む場合に、ロウアドレスRAに応じて、リードワード線RWL0b〜RWLmbのうちの1つを選択的に活性化する。その他の部分の構成および動作については、図18に示した実施の形態4に従う構成と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
このような構成とすることにより、選択メモリセルがメモリブロックMBaに含まれるデータ読出時においては、選択メモリセルがデータ線LIOに接続されるとともに、メモリブロックMBa中の選択メモリセルと同一のメモリセル行に属するダミーセルがデータ線/LIOに接続される。一方、選択メモリセルがメモリブロックMBbに含まれるデータ読出時においては、選択メモリセルがデータ線/LIOに接続されるとともに、メモリブロックMBb中の選択メモリセルと同一のメモリセル行に属するダミーセルがデータ線LIOに接続される。
したがって、各メモリブロックにおいてダミーセルのメモリセル列を構成するように配置する場合においても、実施の形態4と同様に、2つのメモリブロック間で相補のデータ線LIO,/LIOおよびデータ読出回路161を共有して、回路規模を縮小したデータ読出構成を実現することができる。
なお、実施の形態4およびその変形例において、実施の形態1の変形例1と同様に、差動増幅器60および接続切換回路70の組合せによって、2つのメモリブロック間で共有されるデータ読出回路161を構成してもよい。この場合には、接続切換回路70は、ブロック選択信号BSa,BSbに応じて、データ線LIO,/LIOと図2に示されたトランジスタ61,62との間の接続対応関係を切換える必要がある。
あるいは、メモリブロックMBaおよびMBbにおいて、実施の形態3と同様に、正規メモリセルおよびダミーセルに供給されるソース電圧をそれぞれ独立化させることもできる。この場合には、データ読出回路161に代えて図13に示したデータ読出回路160が配置される。このように、実施の形態3に従う構成を、実施の形態4およびその変形例と組合せた構成としても、データ読出回路160、データ線LIO,/LIOおよび、正規メモリセルおよびダミーセルにそれぞれ対応するソース電圧線は、2個のメモリブロック間で共有することができる。
[実施の形態5]
実施の形態5においては、自身が中間的な電気抵抗を有し、かつ、正規メモリセルのピッチに合わせて効率的に配置可能なダミーセルの構成について説明する。
図20は、実施の形態5に従うダミーセルの構成および配置を説明する回路図である。
図20を参照して、実施の形態5に従う構成では、メモリアレイ10において、正規メモリセルMCおよび実施の形態5に従うダミーセル200は、図4に示した構成と同様に、折返し型ビット線構成に基づいて1行ごとに交互配置される。すなわち、ダミーセル200は、図4に示されたダミーセルDMCと同様に、正規メモリセルの奇数行および偶数行にそれぞれ対応する2個のダミーセル行を形成するように配置される。すなわち、奇数行に対応するダミーセル行に対応してダミーリードワード線DRWLoおよびダミーディジット線DDLoが配置され、偶数行に対応するダミーセル行に対応してダミーリードワード線DRWLeおよびダミーディジット線DDLeが配置される。
図20においては、代表的に、先頭のメモリセル行およびその次のメモリセル行と、第j番目のメモリセル列とに対応する、リードワード線RWL0,RWL1、ディジット線DL0,DL1,ビット線対BLPおよびに対応する正規メモリセルと、これらの正規メモリセルに対応するダミーセルが代表的に示される。ビット線対BLPjは、相補のビット線BLj,/BLjから構成される。
各メモリセル列において、相補のビット線BLおよび/BLは、対応するコラム選択ゲートCSGを介して、データバス対DBPを構成するデータバスDBおよび/DBとそれぞれ接続される。たとえば、第j番目のメモリセル列に対応するビット線BLjおよび/BLjは、対応するコラム選択線CSLjの活性化に応答して、データバスDBおよび/DBとそれぞれ接続される。
データ読出回路160は、実施の形態3で説明したのと同様に構成され、選択メモリセルおよびダミーセルの通過電流差がそのまま反映されたデータバスDBおよび/DBの通過電流差を検知・増幅して、選択メモリセルからのデータ読出を実行する。
ダミーセル200は、所定電圧Vssおよび対応するビット線BLもしくは/BLの間に直列に接続された、ダミーアクセス素子ATRd、ダミー磁気抵抗素子TMRdおよびダミー抵抗付加部205とを含む。ダミー磁気抵抗素子TMRdは、各ダミーセルDMCの電気抵抗がRminとなるように予め磁化される。ダミーアクセス素子ATRdのゲートは、それぞれのダミーセル行において、ダミーリードワード線DRWLoおよびDRWLeの一方と接続される。
ダミー抵抗付加部205の電気抵抗Rdは、少なくともΔRよりも小さく設定する必要があり、好ましくはΔR/2に設定される。これにより、ダミーセル200の電気抵抗は、Rmin+ΔR/2となり、選択メモリセルの2種類の電気抵抗RmaxおよびRminの中間レベルとなる。
ダミー抵抗付加部205は、並列に接続された少なくとも1個のトランジスタを有する。図20には、2個の電界効果型トランジスタ206および207でダミー抵抗付加部205が構成される例が示される。ダミー抵抗付加部205を構成するこれらの電界効果型トランジスタ206,207は、正規メモリセルMC中のアクセストランジスタATRと同様に作製および設計され、同一のサイズを有する。
したがって、ダミーセル200を半導体基板上に作製する場合に、ダミーアクセス素子ATRdおよび電界効果型トランジスタ206および207を、並列に配置するレイアウトとすれば、行方向における正規メモリセルの配置ピッチ(すなわち、ビット線ピッチ)に合致させて、各ダミーセル200を効率的に配置できる。
さらに、電界効果型トランジスタ206および207の各ゲートは、それぞれのダミーセル行において、調整可能な制御電圧Vrdを伝達する制御電圧線DCLoおよびDCLeの一方と接続される。これにより、制御電圧Vrdの調整によって、ダミー抵抗付加部205のダミー抵抗Rdをチューニングすることができる。言換えれば、好ましいダミー抵抗値(ΔR/2)となるように、制御電圧Vrdが調整される。
このような構成とすることにより、データ読出回路160にデータバスDBおよび/DBの通過電流間にオフセットを与えるための特別な構成を必要とすることなく、正規メモリセルと同一のピッチ内に配置可能な、中間的な電気抵抗を有するダミーセルを形成することができる。
なお、実施の形態5に従うダミーセル200は、図21に示すように、ダミーセル列を形成するようにメモリアレイ10内に配置することもできる。
図21を参照して、ダミーセル列を構成するように配置されたダミーセル200に対して、ビット線BLdおよび制御電圧線DCLが設けられる。これらのダミーセル200は、正規メモリセルMCと、メモリセル行を共有するように配置される。すなわち、行選択結果に応じて、選択行のリードワード線RWLがHレベルに活性化されると、対応するダミーセル内のダミーアクセス素子ATRdがターンオンする。
ダミーセル列に対応してダミーコラム選択ゲートCSGdが配置され、データバス/DBと、ビット線BLdの間を、ダミーコラム選択線CSLdの活性化に応答して制御する。データ読出時においては、ダミーコラム選択線CSLdはアドレス選択結果にかかわらずHレベルに活性化され、データバス/DBはダミーセルと接続されたビット線BLdと接続される。一方、選択メモリセルに対応するビット線(たとえばビット線BLj)は、データバスDBと接続される。すなわち、データ読出時においては、列選択結果に応じて、正規メモリセルに対応する複数のビット線BLのうちの選択列に対応する1本が、データバスDBと接続される。
したがって、データ読出回路160によって、選択メモリセルおよびダミーセルとそれぞれ直列に接続されたデータバスDBおよび/DB間の通過電流差を検知・増幅して、選択メモリセルからのデータ読出を実行することが可能である。
なお、図21に従う構成においては、それぞれが同一サイズを有する、ダミーアクセストランジスタATRd、電界効果型トランジスタ206および207を行方向に連続的に配置することにより、ダミーセル200は、列方向における正規メモリセルの配置ピッチ(すなわち、リードワード線ピッチ)に合わせて配置できる。これにより、メモリアレイ10の面積増大を防止して、ダミーセル200を効率的に配置することが可能となる。
[実施の形態6]
実施の形態6においては、正規メモリセルと同様の構成および形状を有するダミーセルを用いてデータ読出を実行するための、さらに他の構成例について説明する。
図22は、実施の形態6に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。 図22を参照して、実施の形態6に従う構成においては、メモリアレイ10において、正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCは、図4に示した構成と同様に、折返し型ビット線構成に基づいて1行ごとに交互配置される。既に説明した様に、ダミーセルDMCは、正規メモリセルMCと同様の構成および形状を有するので、メモリアレイ10内において正規メモリセルMCと連続的に行列配置することができる。各ダミーセルDMC中のダミー磁気抵抗素子TMRdは、電気抵抗がRminとなるような方向に予め磁化される。
正規メモリセル行に対応して設けられるリードワード線RWL,ディジット線DL、ダミーセル行に対応して設けられるダミーリードワード線DRWLe,DRWLo,ダミーディジット線DDLe,DDLo、および正規メモリセルとダミーセルとで共有されるメモリセル列に対応して設けられる相補ビット線BL,/BLについても、図4と同様に配置されるので、詳細な説明は繰り返さない。
さらに、正規メモリセル行にそれぞれ対応して、アクセストランジスタATRのソースを所定電圧Vssに設定するためのソース電圧線SL0,SL1,…が配置される。これに対して、ダミーセルDMCに対しては、2つのダミーセル行にそれぞれ対応して配置されるダミーソース電圧線DSLe,DSLoをそれぞれ介して、所定電圧VssがダミーアクセストランジスタATRdのソースに供給される。
メモリアレイ10の外部において、ダミー抵抗付加部205は、ダミーソース電圧線DSLe,DSLoの各々と、所定電圧Vssとの間に接続される。このような構成とすることにより、対応するダミーリードワード線DRWLe,DRWLoが活性化されたダミーセル行に属するダミーセルDMCの各々に対して、ダミー抵抗付加部205の電気抵抗Rdを直列に付加できる。すなわち、同一のダミーセル行に属するダミーセルDMC間でダミー抵抗付加部205を共有できる。
このような構成とすることにより、実施の形態1と同様に、同一のメモリアイ内に連続的に作製されたMTJメモリセルの一部を用いて、ダミーセルを構成できる。すなわち、ダミーセルを作製するために特別の設計や製造工程を必要としないため、構造の複雑化によるチップ面積の増大およびメモリアレイの加工マージンの低下等といった問題を招くことなく、正規メモリセルおよびダミーセルを同一メモリアレイ内に設けてデータ読出マージンを確保することができる。
さらに、実施の形態3と同様に、データ読出回路160にデータバスDB,/DBの通過電流にオフセットを与えるための特別な構成が設けることなく、すなわち、より簡易なデータ読出回路系によって、データ読出を実行することが可能である。
[実施の形態6の変形例1]
図23は、実施の形態6の変形例1に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図23を参照して、実施の形態6の変形例1に従う構成においては、図22に示した実施の形態6に従う構成と比較して、ダミー抵抗付加部205に加えてダミー抵抗付加部208がさらに設けられる点が異なる。ダミー抵抗付加部205および208は、メモリアレイ10の外部において、データバスDB,/DBとデータ読出回路160との間に配置される。ダミー抵抗付加部205は、一方のセンス入力ノードNsiと直列に接続され、ダミー抵抗付加部208は、他方のセンス入力ノード/Nsiと直列に接続される。
メモリアレイ10の構成は、図22と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。すなわち、メモリアレイ10においては、折返し型ビット線構成に基づいて、正規メモリセルおよびダミーセルDMCが配置されているので、データバスDBおよび/DBと、選択メモリセルおよびダミーセルとの間の接続対応関係が、アドレス選択結果、すなわち奇数および偶数行のいずれが選択されるかによって入れ換わる。
これに対応して、実施の形態6の変形例1に従う構成においては、データバスDB,/DBと、ダミー抵抗付加部205,208との間の接続対応関係を、アドレス選択結果に応じて切換えるための接続切換回路210がさらに設けられる。
接続切換回路210は、データバス/DBとダミー抵抗付加部205および208との間に電気的にそれぞれ結合されるトランジスタスイッチ211および212と、データバスDBとダミー抵抗付加部205および208との間に電気的にそれぞれ結合されるトランジスタスイッチ213および214とを有する。トランジスタスイッチ212および213の各ゲートには、奇数行の選択時にHレベルに設定されるアドレス信号RA0が入力され、トランジスタスイッチ211および214の各ゲートには、偶数行の選択時にHレベルに設定されるアドレス信号/RA0が入力される。
この結果、奇数行の選択時には、選択メモリセルと電気的に結合されるデータバスDBはダミー抵抗付加部205と直列に接続され、ダミーセルと電気的に結合されるデータバス/DBはダミー抵抗付加部208と直列に接続される。これに対して、偶数行の選択時には、ダミーセルと電気的に結合されるデータバスDBはダミー抵抗付加部208と直列に接続され、選択メモリセルと電気的に結合されるデータバスDBはダミー抵抗付加部205と直列に接続される。
すなわち、接続切換回路210によって、アドレス選択結果にかかわらず、ダミー抵抗付加部205は選択メモリセルと直列に接続され、ダミー抵抗付加部208はダミーセルと直列に接続される。
ダミー抵抗付加部205,208の電気抵抗は、ダミーセルの電気抵抗とダミー抵抗付加部208との和で示される電気抵抗が、選択メモリセルの2種類の電気抵抗(Rmax,Rmin)とダミー抵抗付加部205との和で示される2つの電気抵抗の中間レベルとなるように設定される。たとえば、ダミーセルの電気抵抗がRminに設定されているときには、ダミー抵抗付加部205の電気抵抗をΔR/2とし、ダミー抵抗付加部208の電気抵抗をΔRとすれば、下記(3)式のようにして、上記の条件を満足できる。
Rmin+ΔR/2<Rmin+ΔR<Rmax+ΔR/2 …(3)
図23には、このように設計されたダミー抵抗付加部205および208の構成例が示される。ダミー抵抗付加部205は、並列接続された電界効果型トランジスタ206,207を有し、ダミー抵抗付加部208は、ダミー抵抗付加部205の半分の個数、すなわち1個の電界効果型トランジスタによって構成される。トランジスタ206〜208の各ゲートには、共通の制御電圧Vrdが入力される。これにより、ダミー抵抗付加部205の電気抵抗をダミー抵抗付加部205の電気抵抗の1/2に設定される。すなわち、ダミー抵抗付加部208の電気抵抗がΔRとなるように制御電圧Vrdを調整すれば、これに追随して、ダミー抵抗付加部205の電気抵抗をΔR/2に設定できる。
このような構成とすることにより、データ読出回路160のセンス入力ノードNsiおよび/Nsiの間に、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の通過電流差を生じさせることができる。したがって、当該通過電流差の検知・増幅によって、選択メモリセルからのデータ読出を実行できる。
このように、実施の形態6の変形例1に従う構成によっても、同一のメモリアレイ10内に連続的に作製されたMTJメモリセルの一部を用いて、ダミーセルを構成できるので、実施の形態6と同様の効果を享受することができる。
また、図24に示されるように、メモリアレイ10内において、ダミーセルDMCを、図21と同様に、ダミービット線BLdと対応付けられるダミーセル列として配置することもできる。
この場合には、図21でも説明したように、データバスDBおよび/DBと、選択メモリセルおよびダミーセルとの間の接続対応関係は、アドレス選択結果にかかわらず固定される。すなわち、データ読出時において、データバスDBおよび/DBは、選択メモリセルおよびダミーセルDMCとそれぞれ電気的に結合される、図23に示すような接続切換回路210を配置することなく、データバスDBおよび/DBと、センス入力ノードNsiおよび/Nsiとの間に、ダミー抵抗付加部205および208をそれぞれ配置することができる。
[実施の形態6の変形例2]
図24に示す構成においては、データバスDBおよび/DBの負荷容量がアンバランスになるので、実施の形態6の変形例2では、この点を解消するための構成を示す。
図25は、実施の形態6の変形例2に従うデータ読出回路系の第2の構成を示す回路図である。
図25を参照して、実施の形態6の変形例2に従う構成においては、図24に示した構成と比較して、メモリアレイ10が、2つの領域10aおよび10bに分割される点で異なる。たとえば、領域10aおよび10bの間の選択は、アドレス信号RAnに応じて実行されるものとする。たとえば、アドレス信号RAnがHレベルのときには、選択メモリセルが領域10aに含まれ、アドレス信号RAn=Lレベルのときには、選択メモリセルが領域10bに含まれるものとする。
領域10aにおいては、各ビット線は、コラム選択ゲートを介してデータバス/DBと接続される。一方、領域10bにおいては、各ビット線は、コラム選択ゲートを介してデータバスDBと接続される。図25には、領域10aおよび10bのそれぞれにおいて、第j番目のメモリセル列に対応するビット線BLAjおよびBLBjが代表的に示される。
ダミーセルDMCによって形成されるダミーセル列は、領域10aおよび10bの各々に設けられる。領域10a内のダミーセル列に対応して設けられるダミービット線BLAdは、ダミーコラム選択ゲートCSGAdを介してデータバスDBと接続され、領域10b内のダミーセル列に対応するダミービット線BLBdbは、ダミーコラム選択ゲートCSGBdを介してデータバス/DBと接続される。さらに、データバスDBおよび/DBは、領域10aおよび10bの中間点に相当する領域220において、その配置関係が入換えられる。このような構成とすることにより、データバスDBおよび/DBの間における負荷容量をバランスさせることができる。
データバスDBおよび/DBと、データ読出回路160との間には、図23に説明したのと同様に、接続切換回路210およびダミー抵抗付加部205,208が配置される。
接続切換回路210は、アドレス信号RAnおよび/RAnに応じて動作し、データバスDBおよび/DBのうちの、選択メモリセルと電気的に結合された一方をダミー抵抗付加部205と接続するとともに、ダミーセルと電気的に結合された一方をダミー抵抗付加部208と接続する。
したがって、実施の形態6の変形例2に従う構成においては、実施の形態6の変形例1に従うのと同様の効果を、データバスDBおよび/DBの負荷容量を均衡化させた上で実行することができる。これにより、データ読出の高速化を図ることが可能となる。
[実施の形態6の変形例3]
図26は、実施の形態6の変形例3に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図26を参照して、実施の形態6の変形例3に従う構成においては、実施の形態6の変形例1および2と同様に、ダミーセルDMCに対してダミー抵抗付加部208(電気抵抗ΔR)を直列接続し、選択メモリセルに対してダミー抵抗付加部205(電気抵抗ΔR/2)を直列接続する点は同様であるが、これらのダミー抵抗付加部205および208が、データ読出回路160およびデータバスDB,/DB間ではなく、図22と同様に設けられたソース電圧線SL0,SL1,…およびダミーソース電圧線DSLo,DSLeにそれぞれ対応して配置される点が異なる。
具体的には、正規メモリセルにソース電圧線SL0,SL1,…の各々と所定電圧Vssとの間に、ダミー抵抗付加部205(電気抵抗ΔR/2)が設けられ、ダミーソース電圧線DSLoおよびDSLeの各々と所定電圧Vssとの間に、ダミー抵抗付加部208が設けられる。
このような構成としても、実施の形態6の変形例1および変形例2と同様のデータ読出を実行することができる。また、このような構成とすることにより、折返し型ビット線構成を用いたメモリアレイ10に対しても、図25等に示した接続切換回路210を設けることなくデータ読出を実行することができる。すなわちデータ読出系の回路構成を簡素化することが可能となる。
[実施の形態6の変形例4]
図27は、実施の形態6の変形例4に従うデータ読出回路系の構成を示す回路図である。
図27を参照して、実施の形態6の変形例4に従う構成においては、図23に示した構成と比較して、ダミー抵抗付加部208のみがセンス入力ノードNsiに対して並列に接続される点が異なる。既に説明したように、センス入力ノードNsiは、接続切換回路210によって、アドレス選択結果(奇数行/偶数行の選択)にかかわらず選択メモリセル(電気抵抗RmaxまたはRmin)と電気的に結合される。一方、センス入力ノード/Nsiは、ダミーセル(電気抵抗Rmin)と直列に接続される。
したがって、ダミー抵抗付加部208の電気抵抗Rddは、ダミーセルの電気抵抗が、選択メモリセルの2種類の電気抵抗Rmax,Rminと電気抵抗Rddとの並列接続による合成抵抗である、(Rmin//Rdd)および(Rmax//Rdd)の中間レベルとなるように設定される。ダミー抵抗付加部208の電気抵抗Rddは、制御電圧Vrdによって調整可能である。
このような構成とすることにより、実施の形態6の変形例1と同様の効果を享受したデータ読出を実行することができる。
このように実施の形態6およびその変形例1〜4(図20〜図27)においては、ダミーセル中のダミー磁気抵抗素子TMRdの電気抵抗がRminに予め設定される場合について説明してきた。これは、MRAMデバイスの製造工程において、メモリアレイ10の作製後に実行される、図31に示した固定磁化層FLの磁化工程を終了時において、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの磁化方向が揃っており、ダミーセルの電気抵抗がRminになるからである。したがって、ダミーセルDMC中の電気抵抗をRmaxに設定するためには、ダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化工程が新たに必要となってしまう。言換えれば、ダミー磁気抵抗素子TMRdの電気抵抗をRminとすることによって、ダミーセルのための新たな磁化工程が不要となる。
しかしながら、ダミーセルDMCの電気抵抗をRmaxに予め設定する場合においても、図23から図27に示した実施の形態6の変形例1〜4に示す構成を適用することが可能である。このような場合には、実施の形態6の変形例1〜3に従う構成(図23〜図26)においては、ダミー抵抗付加部205および208を配置を入替えればよく、実施の形態6の変形例4に従う構成(図27)においては、ダミー抵抗付加部208を、ダミーセルと常に接続されるセンス入力ノード/Nsiに対して並列に接続する構成とすれば、同様のデータ読出を実行することが可能である。
[実施の形態7]
実施の形態7においては、実施の形態6およびその変形例で示した、ダミー抵抗付加部を新たに設けることなく、同様に作製された選択メモリセルおよびダミーセルの間の通過電流差に基づいてデータ読出が実行可能な構成について説明する。
図28は、実施の形態7に従うデータ読出構成を示す回路図である。
図28を参照して、実施の形態7に従う構成においては、実施の形態6およびその変形例で示された、ダミーセルおよび選択メモリセルの少なくとも一方に対して直列あるいは並列に接続されるダミー抵抗付加部は配置されない。すなわち、メモリアレイ10において、正規メモリセルMCおよびダミーセルDMCは、図4に示した構成と同様に、メモリセル列を共有するように連続的に配置される。
また、ビット線BLおよび/BLは、その通過電流によって、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化容易軸に沿った磁界が発生する方向に設けられる。一方、ディジット線DLおよびダミーディジット線DDLe,DDLoは、その通過電流によって、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化困難軸に沿った磁界が発生する方向に設けられる。一般的には、ビット線BL,/BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化困難軸に沿って配置され、ディジット線DLおよびダミーディジット線DDLe,DDLoは、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化容易軸に沿って配置される。
すでに説明したように、データ書込対象に選択された正規メモリセルに対して、対応するビット線BLおよびディジット線DLの双方にデータ書込電流が流される。これにより、選択されたメモリセルのトンネル磁気抵抗素子TMRを、ビット線BLを流れるデータ書込電流の方向に応じて、磁化容易軸に沿って磁化することによりデータ書込が実行される。
ダミーセルDMCの電気抵抗、すなわちダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化方向は、一定に維持される必要がある。したがって、データ書込選択を実行するためのダミーディジット線DDLeおよびDDLoの配置は必ずしも必要ではない。しかしながら、実施の形態7に従う構成においては、データ読出時においても、ダミー磁気抵抗素子TMRdに対して、磁化困難軸方向に沿ったバイアス磁界を印加するためのバイアス電流Ibが、ダミーディジット線DDLeまたはDDLoに流される。
図29は、ダミーディジット線を流れる電流とダミー磁気抵抗素子の電気抵抗との関係を説明する概念図である。
図29(a)には、ダミーディジット線DDLe(DDLo)に電流が流されていない場合、すなわちI(DL)=0の場合のダミー磁気抵抗素子TMRdの磁化方向が示される。すなわち、ダミー磁気抵抗素子TMRdの電気抵抗がRminであるときには、磁化容易軸方向(EA)に沿って、自由磁化層の磁化方向235は、固定磁化層の磁化方向230と同一である。
この状態から、図29(b)に示すように、ダミーディジット線DDLe(DDLo)にバイアス電流Ibを流すと、すなわちI(DL)=Ibとすると、自由磁化層の磁化方向235は、バイアス電流Ibによって生じた磁化困難軸方向のバイアス磁界によって回転される。
これにより、固定磁化層の磁化方向230および自由磁化層の磁化方向235が一致しなくなるので、ダミー磁気抵抗素子TMRdの電気抵抗は、RminおよびRmaxの中間レベルに変化する。この中間レベルの電気抵抗は、バイアス電流Ibの電流量によってチューニングすることができる。
また、図29(a),(b)中に点線で示すように、ダミー磁気抵抗素子TMRdにおいて、固定磁化層および自由磁化層のそれぞれの磁化方向230および235が反平行方向に設定されて、その電気抵抗がRmaxに予め設定された場合においても同様に、バイアス電流Ibによって生じるバイアス磁界の影響によって、ダミー磁気抵抗素子TMRdの電気抵抗を、電気抵抗RminおよびRmaxの中間レベルに設定することができる。
再び図28を参照して、選択列に対応するダミーセルDMCに対しては、対応するビット線BLまたは/BLについてデータ読出電流が流れるが、通常このデータ読出電流は、データ書込時に磁化容易軸方向の磁化方向を反転するのに必要なデータ書込電流に比較すると非常に小さいレベルに留まる。したがって、上述したように、データ読出時にダミーディジット線DDLe,DDLoへバイアス電流Ibを流しても、ダミーセルに対するデータ誤書込が実行されることはない。
以上説明したように、ダミーセルを含む電流経路および選択メモリセルを含む電流経路に対して、ダミー抵抗を直列あるいは並列に接続したり、あるいはデータバスDB,/DBに対する接続関係をアドレス選択結果に応じて切換えるような接続切換回路を用いることなく、さらに、ダミーセルおよび選択メモリセルの通過電流間にオフセットを与えるための構成を備えることなく、正規メモリセルと同様に作製および設計されたダミーセルと、選択メモリセルとの通過電流差に応じて、データ読出を実行することが可能である。
このため、データ読出回路系の複雑化を招くことなく、すなわち回路面積の大型化を招くことなく、さらにはメモリアレイ10の加工が複雑化して製造工程を困難化することなく、データ読出回路系を構成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 MRAMデバイス、10 メモリアレイ、10a,10b 領域、20,20a,20b 行デコーダ、55,56,57,90,91 電圧発生回路、60,60# 差動増幅器、61〜65,61A,61B,62A,62B,81〜87 トランジス、70,210 接続切換回路、80 グローバル差動増幅器、100,105 電流伝達回路、160,161 データ読出回路、200,DMC ダミーセル、205,208 ダミー抵抗付加部、230,235 磁化方向、ATR アクセストランジスタ、ATRd ダミーアクセストランジスタ、BL,/BL ビット線、BLd ダミービット線、BSa,BSb ブロック選択信号、DB,/DB データバス、DDLe,DDLo ダミーディジット線、DL,DLe,DLo ディジット線、DLi ディジット線、DRWLa,DRWLb,DRWLe,DRWLo ダミーリードワード線、DSL,DSLe,DSLo ダミーソース電圧線、GIO,/GIO グローバルデータ線、GND 接地電圧、Ib バイアス電流、Idat データ読出電流、Iref 基準電流、LIO,LIOr,/LIO データ線、MBa,MBb メモリブロック、MC 正規メモリセル、Ngs,/Ngs グローバルセンスノード、Ns,/Ns センスノード、Nsi,/Nsi センス入力ノード、RA0,/RA0,RAn,/RAn アドレス信号、RWL,RWLi,RWLo,RWLe リードワード線、SL ソース電圧線、TMR トンネル磁気抵抗素子、TMRd ダミー磁気抵抗素子、Vcc 電源電圧、Vof,Vof1,Vof2 オフセット制御電圧、Vsl ソース電圧(ダミーセル)、Vss 固定電圧。