JP4712553B2 - 合成アンテナ - Google Patents

合成アンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP4712553B2
JP4712553B2 JP2005372252A JP2005372252A JP4712553B2 JP 4712553 B2 JP4712553 B2 JP 4712553B2 JP 2005372252 A JP2005372252 A JP 2005372252A JP 2005372252 A JP2005372252 A JP 2005372252A JP 4712553 B2 JP4712553 B2 JP 4712553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
radiator
synthetic
radiators
synthetic antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005372252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007174505A (ja
Inventor
敏明 城阪
敏夫 藤田
Original Assignee
Dxアンテナ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dxアンテナ株式会社 filed Critical Dxアンテナ株式会社
Priority to JP2005372252A priority Critical patent/JP4712553B2/ja
Publication of JP2007174505A publication Critical patent/JP2007174505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4712553B2 publication Critical patent/JP4712553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

本発明は複数のアンテナを組み合わせた合成アンテナに関し、特に、広帯域において良好な指向特性を得ることが可能な合成アンテナに関する。
たとえば特開2000−269736号公報(特許文献1)には、指向性アンテナを複数組み合わせた合成アンテナが開示される。この合成アンテナは複数の指向性アンテナの各々からの出力を位相調整して合成する。これにより、この合成アンテナはいずれの方向からの電波も受信することが可能であり、いわば無指向性に近い指向性を有することができる。
特開2000−269736号公報
一般的に、合成アンテナは同一平面上の異なる位置に放射器が配置された構成を有することが多い。しかしながら、隣り合う2つの指向性アンテナの各々が、ある方向(これら2つのアンテナを結ぶ線分に対して垂直方向以外の方向)から到来した電波を受信する場合、これら2つの指向性アンテナが電波を受信する時刻が異なる。よって、これら2つのアンテナの各々から出力される信号に位相差が生じる。
2つの信号の位相差が大きい場合、たとえば、特定の方向の電波に対する合成アンテナからの出力が極端に小さくなることがある。従来の合成アンテナでは、複数の指向性アンテナの各々からの出力信号を合成する際には、出力信号間の位相差を調整することが必要になる。なお、このような現象を以下では「指向性に歪みが生じる」と呼ぶことにする。上記合成アンテナを送信用のアンテナとして使用する場合も同様である。たとえば送信用のアンテナとして上記合成アンテナを使用した場合、送信地域(サービスエリア)における電界強度分布の偏差が大きくなる。すなわち歪んだ指向特性となり、均一なサービスエリアを提供することができなくなる。
本発明の目的は、複数の指向性アンテナ間での位相調整を不要にしつつ歪みのない指向性を得ることが可能な合成アンテナを提供することである。
本発明は要約すれば、合成アンテナであって、第1の放射器と、第2の放射器とを備える。第2の放射器は、第1の放射器が電波を送信または受信する第1の方向に垂直な第2の方向に沿って、第1の放射器と所定の距離を隔てて配置される。第2の放射器は、第1の放射器と同相給電されて、第2の方向から見た場合に、第1の方向と異なる第3の方向に対して、電波の送信または受信を行なう。合成アンテナは、第1および第2の放射器に対応してそれぞれ設けられる第1および第2の反射器をさらに備える。
好ましくは、合成アンテナは、第1および第2の放射器に対応してそれぞれ設けられる第1および第2の導波器をさらに備える。
好ましくは、第1および第2の放射器の各々は、送信または受信する電波の進行方向に沿って配置される複数の放射素子を含む。
より好ましくは、複数の放射素子は、ループ状に形成される。
好ましくは、所定の距離は、電波の中心波長の1/2以上の距離である。
好ましくは、合成アンテナの指向性は、第1の方向に対して第3の方向がなす角度と、第1および第2の放射器の各々の指向性とに応じて定められる。
好ましくは、第2の方向は、合成アンテナを設置した状態において、鉛直線に沿った方向である。
好ましくは、第2の方向は、合成アンテナを設置した状態において、鉛直線の方向から傾いた方向である。
より好ましくは、上記の電波は、UHF(Ultrahigh frequency)帯の電波である。
本発明の合成アンテナによれば、複数の指向性アンテナ間での位相調整を不要にしつつ歪みのない指向性を得ることが可能となる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の合成アンテナの構成を概念的に示す図である。
図1を参照して、合成アンテナ100はUHF(Ultrahigh frequency)帯の電波WV1を送信するアンテナである。ただし、電波WV1はたとえばVHF(Very high frequency)帯の電波でもよい。また、合成アンテナ100は電波WV1を受ける受信アンテナであってもよい。
合成アンテナ100は、N個(Nは2以上の整数)のアンテナ1.1〜1.Nと、分配器50とを備える。アンテナ1.1〜1.Nの各々は指向性アンテナである。分配器50は送信回路60から送られる信号を分配して、アンテナ1.1〜1.Nの各々に同相給電を行なう。
なお合成アンテナ100を受信アンテナとして用いる場合には、分配器50に代えてアンテナ1.1〜1.Nからの出力信号を合成する合成器が用いられるとともに、送信回路60に代えて、合成器からの出力を受ける受信回路が用いられる。
従来の構成では、分配器がアンテナ1.1〜1.Nの各々に与える信号の位相差を調整することにより、合成アンテナの指向性に歪みが生じないように調整されていた。合成アンテナ100は、そのような調整を不要にしながら歪みのない指向性を得ることができる。
次に、図1の合成アンテナ100の具体的な構成例(N=2の場合)を示す。
図2は、実施の形態1の合成アンテナの上面図である。
図3は、図2の合成アンテナ100の側面図である。
図2および図3を参照して、合成アンテナ100は、アンテナ1.1およびアンテナ1.2を備える。なお、図が煩雑になるのを防ぐため、図2および図3では図1の分配器50を示していない。
アンテナ1.1およびアンテナ1.2はそれぞれ放射器2,2Aを含む。
放射器2は、合成アンテナ100の正面方向(図2において「0度方向」と示す)に対して左37.5度の方向(第1の方向)に電波WV11を送信する。放射器2Aは放射器2が電波WV1を送信する方向に垂直なZ軸の方向(第2の方向)に沿って、放射器2と所定の距離を隔てて配置される。放射器2Aは、放射器2と同相給電され、かつ放射器2が電波を送信する方向と異なる方向(右37.5度の方向)に電波WV12を送信する。なお、図1の電波WV1は電波WV11,WV12を合成した電波である。
放射器2,2Aの各々は放射素子21,22を含む。放射素子21,22はループ状に形成される。
アンテナ1.1は、さらに放射器2に対応して設けられる反射器3、導波器4を含む。アンテナ1.2は、さらに放射器2Aに対応して設けられる反射器3A、導波器4Aを含む。アンテナ1.1およびアンテナ1.2は放射器と反射器とを備えることで指向性アンテナとして機能する。また、アンテナ1.1およびアンテナ1.2の各々は導波器を備えることで、左37.5度ないし右37.5度の範囲における方向の指向性を強くすることができる。なお導波器の数はアンテナ1.1とアンテナ1.2とに求められる利得等の特性に応じて適切に定めることができる。
アンテナ1.1とアンテナ1.2とはマスト6,8にそれぞれ取り付けられる。放射器2,2Aの間隔(Z軸方向の間隔)は、送信する電波の中心波長の1/2以上になるように設定される。これにより、アンテナ1.1とアンテナ1.2とが相互に干渉することを防ぐことができるので、合成アンテナの指向性が乱れるのを防ぐことができる。放射器2,2Aの間隔が電波の中心波長の1波長よりも大きくなればより好ましい。図3に示すように実施の形態1では放射器2と放射器2Aとは、UHFローチャネル帯(470〜596MHz)の電波の中心波長の1波長(約560mm)よりも大きい約600mmの間隔で設置されている。
アンテナ1.1およびアンテナ1.2における電波の送信方向は互いに異なる。合成アンテナ100の指向性は、アンテナ1.1およびアンテナ1.2の各々の指向性および放射器2の送信方向に対する放射器2Aの送信方向がなす角度(図2では75度)に応じて定められる。つまり放射器2,2Aの各々の指向性の広がりによって、合成アンテナ100の指向性は0度を中心として左右37.5度よりも多少広くなる。このように放射器2,2Aの送信方向等を定めることにより合成アンテナ100の指向性を調整することができる。
放射器2,2AはZ軸上に配置され、かつ、同相給電される。よって、放射器2,2Aから送信される電波には位相差が生じない。合成アンテナ100が0度の方向から左右の方向に電波を送信する際に、アンテナ1.1,1.2の各々から送信される電波が互いに強めあうため、合成アンテナ100の出力が極端に低下する方向が生じなくなる。よって合成アンテナ100は、複数の指向性アンテナ間での位相調整を不要にしつつ歪みのない指向性を得ることが可能となる。
次にアンテナ1.1の構成について、特徴的な部分をより詳細に説明する。なお、アンテナ1.2の構成はアンテナ1.1の構成と同じであり、以下の図において放射器2を放射器2Aに、反射器3を反射器3Aに、導波器4を導波器4Aにそれぞれ置き換えたものである。よってアンテナ1.2の構成に関する説明は以後繰り返さない。
図4は、図2のアンテナ1.1をより詳細に示す上面図である。
図5は、図4のアンテナ1.1の背面図である。
図6は、図4のアンテナ1.1の側面図である。
なお、「背面方向」とはアンテナ1.1において反射器3から放射器2を見た方向である。
図4〜図6を参照して、アンテナ1.1は、上述の放射器2、反射器3、導波器4の他に、平行線路LNとT整合器10とをさらに備える。
放射器2において、放射素子22は送信(または受信)する電波WV11の進行方向に沿って、電波WV11の中心波長λの約4分の1(λ/4)の距離を隔てて放射素子21と並列配置される。放射素子21,22の周囲長は、たとえば中心波長λの1波長分の長さにほぼ等しくなるよう設定される。周囲長が1波長であるループ放射器は半波長ダイポールアンテナを2個並べた構造に近似できるため、1つの半波長ダイポールアンテナよりも利得等の特性において優れている。
平行線路LNは放射素子21,22に同相給電するために設けられる。平行線路LNは、導線11,12を備える。なお、導線11,12を交差させた状態で放射素子21と放射素子22とを接続した逆位相給電でもよいが、この場合には、給電点側にビームが出るので給電点を放射素子22側にしなければならない。
放射素子21,22は同一の周囲長を有しているため、各々のインピーダンスは同じである。また、その周囲長は約1波長であるためインピーダンスは一般的に約120Ω程度となる。実施の形態1では平行線路LNのインピーダンス(特性インピーダンス)を高くすることによって放射器2のインピーダンスを約200Ωまで高くする。このように放射素子21から見たインピーダンスをできるだけ高くすることで、アンテナ1.1は広帯域で良好な性能を有する。
T整合器10は放射器2に対応して設けられる。T整合器10は平行線路LNのインピーダンスに対する放射素子21の整合を行なう。これによりアンテナ1.1の損失を下げることができる。
アンテナ1.1は、さらに、絶縁部13A,13B、アーム14およびマスト取付金具24を備える。絶縁部13A,13Bは放射素子21,22のそれぞれとアーム14とを絶縁する。絶縁部13Aの内部にはバラン(たとえばUバラン)が設けられる。バランの変成比は4:1(=200:50)に設定される。これによりインピーダンスが200Ωの放射器2と、インピーダンスが50Ωの同軸ケーブルとをバランを介して接続する際に損失を防ぐことができる。
なお、図4〜図6に示すアンテナ1.1の大きさについて説明すると、放射素子21,22の各々の直径は約195mmである。反射器3の直径は約217mmである。導波器4の直径は約147mmである。放射素子21と反射器3との間隔は約145mmである。放射素子21とT整合器10との間隔は約30mmである。放射素子21と放射素子22との間隔は約135mmである。放射素子22と導波器4との間隔および導波器4同士の間隔は約140mmである。ただしこれらの寸法は一例を示すものであり、上述の値に限定されるものではない。
図7は、図1の分配器50の具体的な構成を示す図である。
図7を参照して分配器50はレセプタクル31〜33、分配部の中心導体34、および中心導体35を備える。レセプタクル33は送信回路60からの信号を入力する端子である。レセプタクル33に入力した信号は中心導体35を伝達し、分配部の中心導体34によって2分配される。レセプタクル31,32は、それぞれアンテナ1.1,1.2に対して信号を出力するための端子である。なお中心導体35は整合を行なうためのλ/4変成器として機能する。
λ/4変成器の外部導体の内径を10mmとしたとき、中心導体35の外径は5.54mmになる。市販されている丸棒の径は5mmあるいは6mmであり、これらの中間の外径を有する丸棒は、市販されていないため、たとえば外径が6mmの丸棒を旋盤で切削して用意しなければならない。このように機械加工を行なうとコストが高くなる。市販されている、対向する2面間の寸法が5mmの六角棒を用いることによって、外形が5.5mmの丸棒を用いたときの特性に近い特性が得られるとともに、丸棒を用いた場合とコストがほとんど変わらなくなる。よって本実施の形態では、このような六角棒を採用している。また、外部導体は六角棒に限定されず、四角形の棒や八角形の棒でもよい。
続いて、アンテナ1.1の特性について説明する。
図8は、アンテナ1.1の利得およびVSWR(電圧定在波比)を示す図である。なお利得が高いほど、あるいは、VSWRが低いほど、アンテナの性能としては優れている。図8を参照して、曲線G1,V1はアンテナ1.1の利得およびVSWRをそれぞれ示す。470〜596MHzの周波数範囲において利得は約8.0dB以上であり、VSWRは約1.5以下である。
図9は、アンテナ1.1の前後比および半値幅を示す図である。なお前後比とは基準点の方向(角度0度)の放射強度と、基準点の方向に対し180度±60度の範囲の方向の放射強度との比である。また、半値幅とは、放射強度(放射電力)が最大値の1/2になる角度幅である。前後比が高い、あるいは半値幅が狭いほど、アンテナの指向性が強いことを示す。図9を参照して、曲線F1,H1はアンテナ1.1の前後比および半値幅をそれぞれ示す。470〜596MHzの周波数範囲において前後比は約15.0dB以上であり、半値幅は約50〜約60度の範囲である。
図10は、アンテナ1.1の指向性パターンを示す図である。図10を参照して、470,500,530,560,590,596MHzの各周波数において、電波の送信方向に対するアンテナ1.1の利得を示すパターン(指向性パターン)が示される。指向性パターンは上記の周波数によらずほぼ同様の形状を有する。このように周波数の変化に対してアンテナ1.1の指向性パターンの変化は少ないことが分かる。
続いて、本実施の形態による効果の理解のため、従来の合成アンテナの構成例および性能を示す。
図11は、従来の合成アンテナの構成例を説明する図である。
図11を参照して、合成アンテナ100Aにおいて、アンテナ1.1,1.2は上方から見た場合に同一平面(紙面と平行な面)上に配置される。放射器2,2Aは、その平面上の異なる位置に配置される。
アンテナ1.1とアンテナ1.2とは互いに75度の角度をなすように設けられる。合成アンテナ100Aが右37.5度の方向に電波を送信する場合には、アンテナ1.1はアンテナ1.2に対して距離Lだけ送信距離が長くなる。つまりアンテナ1.1の出力とアンテナ1.2の出力との間には位相差が生じる。
図12は、図11の合成アンテナ100Aの利得およびVSWRを示す図である。
図12を参照して、曲線G2に示されるように470〜596MHzの範囲において利得は約4.0〜約6.0の間で変化する。また、この範囲では曲線V2に示されるようにVSWRは約1.7以下である。
図13は、図11の合成アンテナ100Aの前後比および半値幅を示す図である。
図13を参照して、曲線F2に示されるように前後比は470〜596MHzの範囲で約15dBから約23dBまで大きく変化する。また曲線H2に示されるように、半値幅は470〜596MHzの範囲で約80度から約136度まで大きく変化する。
図14は、図11の合成アンテナ100Aの指向性パターンを示す図である。
図14を参照して、前方0度から左右30度方向までの間で放射強度が低くなっていることが分かる。その理由は、アンテナ1.1とアンテナ1.2との間隔が広いため、0度方向以外の方向に電波の送信方向を変化させるとアンテナ1.1,1.2の間で出力の位相が同相から逆相まで変化するためである。また、周波数が異なると指向性パターンの形状が変化していることが分かる。その理由は、周波数に対する前後比や半値幅の変化が大きいためである。このように合成アンテナ100Aでは、指向性に歪みが生じるとともに、周波数が変化すると指向性パターンが変化することが分かる。つまり、合成アンテナ100Aの場合、ある特定のチャネル(周波数帯域)の指向性に歪みが生じないように、アンテナ1.1,1.2の間隔や角度を調整できたとしても、広帯域にわたり指向性に歪みが生じないように調整することはできない。
続いて、実施の形態1の合成アンテナの特性を説明する。
図15は、図2の合成アンテナ100の利得およびVSWRを示す図である。
図15を参照して曲線G3,V3はそれぞれ利得およびVSWRの変化を示す。利得は4.0〜6.0dB程度であり、VSWRは約1.6以下である。つまり、合成アンテナ100の利得およびVSWRは、合成アンテナ100Aの利得およびVSWRとそれぞれ同じ程度である。
図16は、図2の合成アンテナ100の前後比および半値幅を示す図である。
図16を参照して、曲線F3に示すように470〜596MHzの周波数範囲において前後比は約11〜約16dBである。また、曲線H3に示すように、この周波数範囲において半値幅は約120〜約126度となる。つまり、合成アンテナ100の前後比および半値幅をそれぞれ合成アンテナ100Aの前後比および半値幅と比較すると、いずれも周波数に対する変化の幅が小さいことが分かる。
図17は、図2の合成アンテナ100の指向性パターンを示す図である。
図17を参照して、470〜596MHzの周波数範囲における指向性パターンの変化は図14と比べると小さくなっている。また、合成アンテナ100では、特に0度から左右30度の範囲における利得の低下が改善されている。図17から合成アンテナ100は広帯域にわたり歪みのない指向性を有することが分かる。
なお、以上の説明において放射器2は放射素子を2つ含んで構成されるとしたが、放射器2が含む放射素子の数は3つ以上でもよいし、あるいは、放射器2は単一の放射素子により構成されてもよい。また、放射器2はループ状に形成されると限定されるものではなく、他の形状を有していてもよい。
図18は、実施の形態1の合成アンテナの変形例を示す図である。
図18を参照して、合成アンテナ100Bにおいて、アンテナ1.1は放射器2に代えて放射器2Bを含む。また、アンテナ1.2は放射器2Aに代えて放射器2Bを含む。これらの点で合成アンテナ100Bは図2の合成アンテナ100と異なるが、他の部分は合成アンテナ100と同様であるので以後の説明は繰り返さない。放射器2Bはいわゆる折り返しダイポールアンテナである。また、折り返しダイポールアンテナ以外にも線状ダイポールアンテナや扇型(ファン)ダイポールアンテナ、あるいはこれらの変形アンテナ等、様々な形状の放射器を実施の形態1の合成アンテナに適用することができる。
以上のように実施の形態1の合成アンテナは、同軸上に配置され、かつ、同相給電される2つの放射器を備えるので、合成アンテナが備える複数の指向性アンテナ間での位相調整を不要にしつつ歪みのない指向性を得ることができる。
[実施の形態2]
図19は、実施の形態2のアンテナの構成を示す図である。
図19を参照して、合成アンテナ100Cにおいて、放射器2,2Aは図3のZ軸に代えてZ1軸を通るように配置される点で図3の合成アンテナ100と異なる。合成アンテナ100Cの他の部分の構成は合成アンテナ100と同様であるので以後の説明は繰り返さない。Z1軸の方向は、合成アンテナを設置した状態において、鉛直線(すなわちZ軸)に対して傾いた方向である。Z1軸方向に沿ってアンテナ1.1,1.2を見た場合にはアンテナ1.1とアンテナ1.2とは図2の配置と同じように配置されている。なお合成アンテナ100CにおいてZ軸とZ1軸とのなす角度を調整できるようにしてもよい。
このように放射器2,2Aを設置することで、実施の形態2のアンテナは送信アンテナ(あるいは受信アンテナ)としての実用性に優れる。具体例を示すと、たとえば合成アンテナ100Cを放送電波の中継アンテナ(送信用アンテナ)として山頂に設置した場合には、山の下方の広い範囲に向けての電波の送信を行なうことができる。
なお、以上の説明における実施の形態1および形態2の合成アンテナの周波数帯域は470〜596MHzである。この周波数帯域は日本における地上デジタル放送の13チャネルから33チャネルに相当する。よって実施の形態1および形態2のアンテナは山間部におけるブースタ局(または小出力再送信局)の送信アンテナとして適用可能である。
また、実施の形態1および形態2の合成アンテナは、広帯域にわたり歪みのない指向性を有するのでブースタ局等の送信アンテナとして用いる場合には、多チャンネルの電波の送受信が可能になるとともに指向性アンテナの本数を少なくしながら広い地域にわたる電波の送受信が可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1の合成アンテナの構成を概念的に示す図である。 実施の形態1の合成アンテナの上面図である。 図2の合成アンテナ100の側面図である。 図2のアンテナ1.1をより詳細に示す上面図である。 図4のアンテナ1.1の背面図である。 図4のアンテナ1.1の側面図である。 図1の分配器50の具体的な構成を示す図である。 アンテナ1.1の利得およびVSWR(電圧定在波比)を示す図である。 アンテナ1.1の前後比および半値幅を示す図である。 アンテナ1.1の指向性パターンを示す図である。 従来の合成アンテナの構成例を説明する図である。 図11の合成アンテナ100Aの利得およびVSWRを示す図である。 図11の合成アンテナ100Aの前後比および半値幅を示す図である。 図11の合成アンテナ100Aの指向性パターンを示す図である。 図2の合成アンテナ100の利得およびVSWRを示す図である。 図2の合成アンテナ100の前後比および半値幅を示す図である。 図2の合成アンテナ100の指向性パターンを示す図である。 実施の形態1の合成アンテナの変形例を示す図である。 実施の形態2の合成アンテナの構成を示す図である。
符号の説明
1.1〜1.N アンテナ、2,2A,2B 放射器、3,3A 反射器、4,4A 導波器、6,8 マスト、10 T整合器、11,12 導線、13A,13B 絶縁部、14 アーム、21,22 放射素子、24 マスト取付金具、31〜33 レセプタクル、34,35 中心導体、50 分配器、60 送信回路、100,100A〜100C 合成アンテナ、F1〜F3,G1〜G3,H1〜H3,V1〜V3 曲線、LN 平行線路、WV1,WV11,WV12 電波。

Claims (8)

  1. 第1の放射器と、
    前記第1の放射器が電波を送信または受信する第1の方向に垂直な第2の方向に沿って、前記第1の放射器と、前記電波の中心波長の1/2倍以上かつ1.2倍以下となる所定の距離を隔てて配置される第2の放射器とを備え、
    前記第2の放射器は、前記第1の放射器と同相給電されて、前記第2の方向から見た場合に、前記第1の方向と異なる第3の方向に対して、前記電波の送信または受信を行ない、
    前記第1および第2の放射器に対応してそれぞれ設けられる第1および第2の反射器をさらに備え、
    前記第1および第2の放射器の各々は、ループ状に形成された少なくとも1つの放射素子を含み、
    前記第2の方向から見た場合に、前記第1の方向に沿った直線と前記第3の方向に沿った直線との交点が前記第1および第2の放射器の内部に位置するように、前記第1および第2の放射器が配置される、合成アンテナ。
  2. 第1および第2の放射器に対応してそれぞれ設けられる第1および第2の導波器をさらに備える、請求項1に記載の合成アンテナ。
  3. 前記合成アンテナの指向性は、前記第1の方向に対して前記第3の方向がなす角度と、前記第1および第2の放射器の各々の指向性とに応じて定められる、請求項1に記載の合成アンテナ。
  4. 前記第2の方向は、前記合成アンテナを設置した状態において、鉛直線に沿った方向である、請求項1に記載の合成アンテナ。
  5. 前記第2の方向は、前記合成アンテナを設置した状態において、鉛直線の方向から傾いた方向である、請求項1に記載の合成アンテナ。
  6. 前記少なくとも1つの放射素子は、各々が円形に形成された放射素子である、請求項1に記載の合成アンテナ。
  7. 前記少なくとも1つの放射素子は、折返しダイポールアンテナである、請求項1に記載の合成アンテナ。
  8. 前記電波は、UHF(Ultrahigh frequency)帯の電波である、請求項1からのいずれか1項に記載の合成アンテナ。
JP2005372252A 2005-12-26 2005-12-26 合成アンテナ Active JP4712553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372252A JP4712553B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 合成アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372252A JP4712553B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 合成アンテナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007174505A JP2007174505A (ja) 2007-07-05
JP4712553B2 true JP4712553B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=38300439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005372252A Active JP4712553B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 合成アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4712553B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5004184B2 (ja) * 2008-01-24 2012-08-22 Dxアンテナ株式会社 アンテナ装置
JP5339349B2 (ja) * 2009-01-06 2013-11-13 Kddi株式会社 アンテナ装置及びアレーアンテナ
JP5404292B2 (ja) * 2009-10-07 2014-01-29 株式会社フジテレビジョン アンテナ装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53113457A (en) * 1977-03-15 1978-10-03 Yagi Antenna Antenna unit
JPS54108555A (en) * 1978-02-14 1979-08-25 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Flutter preventive antenna
JPS62224102A (ja) * 1986-03-26 1987-10-02 Mitsubishi Electric Corp アレ−アンテナ
JP2005033357A (ja) * 2003-07-09 2005-02-03 Kiichiro Kiyono Uhf多素子アンテナの仰角設定取付け装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL40535A (en) * 1971-10-21 1976-03-31 Ciba Geigy Ag Triazolyl phosphoric acid esters,their manufacture and their use in pest control
JP3636920B2 (ja) * 1999-03-18 2005-04-06 Dxアンテナ株式会社 多周波数帯用アンテナ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53113457A (en) * 1977-03-15 1978-10-03 Yagi Antenna Antenna unit
JPS54108555A (en) * 1978-02-14 1979-08-25 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Flutter preventive antenna
JPS62224102A (ja) * 1986-03-26 1987-10-02 Mitsubishi Electric Corp アレ−アンテナ
JP2005033357A (ja) * 2003-07-09 2005-02-03 Kiichiro Kiyono Uhf多素子アンテナの仰角設定取付け装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007174505A (ja) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU769480B2 (en) Dual-polarized dipole array antenna
JP4519034B2 (ja) アンテナ
US5666126A (en) Multi-staged antenna optimized for reception within multiple frequency bands
US11677139B2 (en) Base station antennas having arrays of radiating elements with 4 ports without usage of diplexers
JPWO2008133033A1 (ja) 二偏波アンテナ
US20140118211A1 (en) Omnidirectional 3d antenna
US20170237174A1 (en) Broad Band Diversity Antenna System
US7969368B2 (en) Wideband structural antenna operating in the HF range, particularly for naval installations
US10749262B2 (en) Tapered slot antenna including power-combining feeds
JP4712553B2 (ja) 合成アンテナ
JP7233913B2 (ja) アンテナ装置および無線端末
JP2003110354A (ja) 中継局およびこれに用いられる送信アンテナ並びに受信アンテナ
JP4136178B2 (ja) 双ループアンテナ
JP2007006062A (ja) 無指向性アンテナ
JP2010057007A (ja) アンテナ
JP2005151230A (ja) 位相差給電アンテナ
JP4237683B2 (ja) 地上デジタル放送用リングループアンテナ装置
KR102158981B1 (ko) 안테나 패턴을 개선하기 위한 대칭 급전회로를 갖는 안테나
JP3619800B2 (ja) アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔
JP2593738B2 (ja) 円偏波用平面アンテナ
JP2007243661A (ja) アンテナ
KR950013610B1 (ko) 판형 다이폴 안테나
JP2005354139A (ja) 車両用ガラスアンテナ装置
JP4361855B2 (ja) 可変指向性アンテナ
JPH08181526A (ja) ダイバーシチアンテナ回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101206

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4712553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250