JP3636920B2 - 多周波数帯用アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる複数の周波数帯の電波を受信可能な多周波数帯用アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両等に搭載されるアンテナ、例えば車両等に搭載されるテレビジョン放送受信用のアンテナには、無指向性のアンテナを使用することがある。この無指向性アンテナとしては、例えばアルホードループアンテナや、クローバリーフアンテナ等がある。このようなアンテナを利用して、例えばVHF帯とUHF帯それぞれの電波を受信する場合、各周波数帯用にこれらのアンテナをそれぞれ準備する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アルホードループアンテナやクローバーリーフアンテナは、いずれも大型であり、VHF帯用及びUHF帯用にこれらアンテナをそれぞれ準備した場合、部品数が多くなり、製造が面倒である上に、大型になる。さらに、無指向性のアンテナは、不要な電波を受信しやすく、テレビジョン放送の受信用に使用した場合、ゴーストを起こしやすかった。
【0004】
本発明は、小型な多周波数帯用のアンテナを提供することを目的とする。また、不要電波を受けにくく無指向性に近い範囲で電波を受信可能なアンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明による多周波数帯用アンテナの1態様は、ほぼ直線状に配置された1対の棒状エレメントを有する第1の周波数帯用のダイポールアンテナと、前記棒状エレメントの少なくとも一方にこれと直交して放射器が設けられた、第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯用の八木型アンテナとを、具備している。第1の周波数帯として、例えばVHF帯があり、第2の周波数帯として、例えばUHF帯がある。第2の周波数帯用の八木型アンテナは、放射器の他に、導波器または反射器または導波器と反射器の双方を備えたものとすることができる。前記放射器は、折り返しダイポールアンテナとすることができる。この折り返しダイポールアンテナは、その長さ方向の中央部が、棒状エレメント上に位置するように配置することが望ましい。第2の周波数帯用の放射器は、平板型とすることもできる。
【0006】
この態様では、第1の周波数帯用のダイポールアンテナに、第2の周波数帯用の八木型アンテナの放射器が設けられているので、第1及び第2の周波数帯用に個別にアンテナを製造する必要がなく、小型な多周波数帯用アンテナとすることができる。しかも、第1の周波数帯用のダイポールアンテナに、第2の周波数帯用の八木型アンテナの放射器を設けているので、この放射器が、第1の周波数帯用のダイポールアンテナに対して容量素子として機能する。従って、第1の周波数帯用のダイポールアンテナの長さを、本来必要な長さよりも短くすることができ、更に小型な多周波数帯用アンテナとすることができる。また、第2の周波数帯用の八木型アンテナの放射器として、折り返しダイポールアンテナを使用した場合、この折り返しダイポールアンテナは、その中央部に導電性の棒状部材、例えば棒状エレメントを通しても、第2の周波数帯用のアンテナの特性には影響が余りない。
【0007】
第1の周波数帯用のダイポールアンテナを複数設けることができる。この場合、異なる第1の周波数帯用のダイポールアンテナの棒状エレメントが同一の中心から放射状に配置される。第2の周波数帯用の八木型アンテナも複数設けられ、これらの八木型アンテナの各放射器が、複数の第1の周波数帯用のダイポールアンテナの棒状エレメントに形成されている。この放射器は、少なくとも1つの第1の周波数帯用ダイポールアンテナの棒状エレメントそれぞれに設けられる場合もあるし、異なる第1の周波数帯用の八木型アンテナそれぞれに設けられる場合もある。第1の周波数帯用のダイポールアンテナの出力を選択すると共に、第2の周波数帯用のアンテナの出力を選択する選択手段が、設けられている。この選択は、1つのアンテナ出力を選択する場合も、あるいは複数のアンテナ出力を同時に選択する場合もある。
【0008】
このように構成すると、各第1の周波数帯用のアンテナはそれぞれ異なる指向性を有しているので、選択手段によって第1の周波数帯用のアンテナを選択することによって、いずれの方向から到来する第1の周波数帯の電波でも受信することができ、テレビジョン放送の受信に用いた場合でも、無指向性アンテナを用いた場合よりもゴーストを少なくすることができる。同様に、第2の周波数帯用のアンテナも、それぞれ異なる指向性を有しているので、選択手段によって第2の周波数帯用のアンテナを選択することによって、いずれの方向から到来する第2の周波数帯の電波でも受信することができ、テレビジョン放送の受信に用いた場合でも、無指向性アンテナを用いた場合よりもゴーストを少なくすることができる。従って、小型である上に、2つの周波数帯においていずれの方向から到来する電波をも受信することができ、テレビジョン放送の受信に用いた場合、ゴーストが生じにくい多周波数帯用アンテナを実現できる。
【0009】
本発明による多周波数帯切換アンテナの他の態様は、少なくとも1つの導波器を有する第1の周波数帯用の八木型アンテナを備えている。さらに、第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯用の複数の八木型アンテナを、具備している。これら八木型アンテナは、導波器に、これと直交して複数の放射器を設けている。第1の周波数帯用の八木型アンテナは、導波器を複数設けることもできる。第2の周波数帯用の複数の放射器は、1つの導波器に設けることもできるし、異なる導波器にそれぞれ設けることもできる。第1の周波数帯用の八木型アンテナは、放射器を備えている。さらに、このアンテナは、反射器を備えることもできる。
【0010】
この態様でも、第1の周波数帯用の八木型アンテナの導波器に、第2の周波数帯用の複数の八木型アンテナの放射器を設けているので、小型の多周波数帯用アンテナを実現できる。しかも、第2の周波数帯用の八木型アンテナの放射器が、第1の周波数帯用の八木型アンテナの導波器に対して容量素子として機能するので、第1の周波数帯用の八木型アンテナの導波器を短くすることができ、さらに、小型化を図ることができる。また、複数の第2の周波数帯用の八木型アンテナを備えているので、これらを利用して、ダイバーシティ受信を行うことも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の態様の多周波数帯用アンテナは、図1及び図2に示すように、第1の周波数帯受信用、例えばVHF帯受信用のアンテナ2を有している。このアンテナ2は、ほぼ同一直線上に配置された1対の棒状エレメント2a、2bからなるダイポールアンテナである。棒状エレメント2a、2bは、導電性材料からなり、例えば金属製である。これら棒状エレメント2a、2bそれぞれの長さは、VHF帯の受信周波数帯の中心波長λの1/4よりも短く選択されている。このVHF帯受信用アンテナ2は、棒状エレメント2a、2bの長さ方向に対して垂直な方向からの電波を主に受信する指向性を有している。これら棒状エレメント2a、2bの内方端部が給電部とされ、この給電部は、バラン4を介して同軸ケーブル6に接続されている。
【0014】
棒状エレメント2a、2bの上面には、第2の周波数帯受信用、例えばUHF帯受信用の八木型受信アンテナ8、10が取り付けられている。これら八木型受信アンテナ8、10は、放射器8a、10aを有し、これらは、棒状エレメント2a、2bの上面の外方端部側に偏った位置に取り付けられている。これら放射器8a、10aは、平板状の折り返しダイポールアンテナによって構成されている。この放射器8a、10aは、長さ寸法がL(このLはUHF帯の受信周波数帯の中心波長λの1/2の長さに形成されている。)であり、棒状エレメント2a、2bに対して直交するように配置されている。この配置において、放射器8a、10aの中央部が、棒状エレメント2a、2bに接している。
【0015】
また、各棒状エレメント2a、2bの外方端部の上面には、UHF帯用の導波器8b、10bが取り付けられている。導波器8b、10bは、受信周波数との関係で定まる長さを有している。
【0016】
これら放射器8aと導波器8bとによって1つの八木型アンテナ8が形成され、放射器10aと導波器10bとによって、もう一つの八木型アンテナ10が形成されている。なお、これらUHF帯用の導波器8b、10bと放射器8a、10aとの間隔は、通常の八木型アンテナと同様にして決定されている。八木型アンテナ8は、導波器8bよりも外方、すなわち、図1及び図2における左方からの電波を主に受信し、八木型アンテナ10は、導波器10bの外方、すなわち、図1及び図2における右方からの電波を主に受信する指向性をそれぞれ有している。
【0017】
放射器8aは、その折り返し側の内方端部が給電部とされ、これはバラン16を介して同軸ケーブル18に接続されている。放射器10aにおいても、同様に折り返し側の内方端部が給電部とされ、図には示していないが、バランを介して同軸ケーブルに接続されている。なお、放射器8a、10aを挟んで、導波器8b、10bと反対側に反射器を設けることもできるし、導波器の数を増加させることもできる。
【0018】
このように構成された多周波数帯用アンテナでは、VHF帯受信用アンテナ2の棒状エレメント2a、2bを、UHF帯受信用アンテナ8、10のアームの代わりに使用している。このとき、UHF帯受信用アンテナ8、10が、VHF帯受信用アンテナ2の影響を余り受けないようにするために、UHF帯受信用アンテナ8、10の放射器8a、10aに折り返しダイポールアンテナを使用している。これは、折り返しダイポールアンテナであると、その中央部にVHF帯受信用アンテナ2の棒状エレメント2a、2bである金属棒が通っていてもUHF帯受信用アンテナ8、10には影響が余り及ばないことと、給電部が棒状エレメント2a、2bの両側に位置し、容易に給電可能であるからである。
【0019】
また、UHF帯受信用アンテナ8、10の放射器8a、10a、導波器8b、10bが、VHF帯受信用アンテナ2の棒状エレメント2a、2bの先端側に直接に接触して設けられているので、これらが容量素子として機能する。そのため、棒状エレメント2a、2bの長さを本来必要な長さよりも短くすることができ、VHF帯受信用アンテナ2を小型にすることができる。これに加えて、上述したように、UHF帯受信用アンテナ8、10の放射器8a、10a、導波器8b、10bがVHF帯受信用アンテナ2の棒状エレメント2a、2bの上に配置されているので、放射器8a、10a、導波器8b、10bを支持するアームが不要で、UHF帯受信用アンテナを小型化することができる。その上、放射器8a、10aが平板状に形成されているので、更にUHF帯受信用アンテナ8、10の小型化を図ることができる。このようにUHF帯受信用アンテナ8、10、VHF帯受信用アンテナ2それぞれが小型化されているので、全体に小型の多周波数帯用アンテナを得ることができる。
【0020】
本発明の第2の実施の形態の多周波数帯用アンテナを図3乃至図5に示す。図3に示すように、この多周波数帯用アンテナは、複数、例えば2本のVHF帯受信用アンテナ20、22を有している。VHF帯受信用アンテナ20は、ほぼ一直線上に配置された導電性の棒状エレメント20a、20bを有している。同様に、VHF帯受信用アンテナ22では、VHF帯受信用アンテナ20の棒状エレメント20a、20bと交差、例えば直交するように、ほぼ一直線状に棒状エレメント22a、22bが配置されている。すなわち、各棒状エレメント20a、20b、22a、22bは、それぞれの内方端部から所定の角度、例えば90度間隔で放射状に外方に向かって配置されている。この2本のダイポールアンテナ20、22は、いわゆるクロスダイポールアンテナを構成している。なお、図示していないが、これら各ダイポールアンテナ20、22は、内方端部にバランを介してそれぞれ個別に同軸ケーブルによって給電されている。
【0021】
各棒状エレメント20a、20b、22a、22bに、合計4つのUHF帯受信用アンテナ24、26、28、30が取り付けられている。これらUHF帯受信用アンテナ24、26、28、30は、各棒状エレメント20a、20b、22a、22bの外方端部に、導波器24a、26a、28a、30aを有している。
【0022】
これら導波器24a、26a、28a、30aよりも若干内側に、放射器24b、26b、28b、30bが棒状エレメント20a、20b、22a、22bに接触した状態で取り付けられている。これら放射器24b、26b、28b、30bは、第1の実施の形態の放射器と同様な理由により折り返しダイポールが使用されており、かつ平板状のものである。
【0023】
また、各放射器24b、26b、28b、30bよりも内側の位置に、それぞれ反射器24c、26c、28c、30cが取り付けられている。これら反射器24c、26c、28c、30cそれぞれの端部は、隣接する反射器24c、26c、28c、30cと接触している。これらが互いに接触しているので、これらは棒状エレメント20a、20b、22a、22bと絶縁体23によって絶縁されている。反射器24c、26c、28c、30cが互いに接触していない場合、絶縁体23は不要である。なお、反射器24c、26c、28c、30cは、場合によっては除去できる。
【0024】
図示していないが、各UHF帯受信用アンテナ24、26、28、30の放射器24b、26b、28b、30bは、第1の実施の形態の放射器と同様に、バランを介してそれぞれ同軸ケーブルに接続され、給電されている。このように各UHF帯受信用アンテナ24、26,28、30が、VHF帯受信用アンテナ20、22の棒状エレメントの上に設けられているので、小型化することができる上に、UHF帯受信用アンテナ24、26,28、30が容量素子として機能するので、棒状エレメントの長さを本来必要な長さよりも短くすることができ、更に小型化を図ることができる。
【0025】
図4(a)に矢印a、bで示す方向からの電波をVHF帯受信用アンテナ20は主に受信する。同様に、矢印c、dで示す方向からの電波をVHF帯受信用アンテナ22は主に受信する。また、これら両VHF帯受信用アンテナ20、22の出力信号を合成し、位相を調整することによって、矢印e、f、g、hで示す方向からの電波を主に受信することができる。
【0026】
図4(b)に矢印Aで示す方向からの電波をUHF帯受信用アンテナ24は主に受信する。同様に、矢印Bで示す方向からの電波をUHF帯受信用アンテナ26は主に受信する。またUHF帯受信用アンテナ28は、矢印C方向からの電波を主に受信する。UHF帯受信用アンテナ30は矢印D方向からの電波を主に受信する。
【0027】
UHF帯受信用アンテナ24と28との出力を合成し、位相調整することによって、矢印Eの方向からの電波を主に受信することができ、UHF帯受信用アンテナ26と30との出力を合成し、位相調整することによって、矢印F方向からの電波を主に受信することができ、UHF帯受信用アンテナ24と30との出力を合成し、位相調整することによって、矢印H方向からの電波を主に受信することができ、UHF帯受信用アンテナ26、28の出力を合成し、位相調整することによって、主に矢印G方向からの電波を主に受信することができる。
【0028】
このように、VHF帯であれ、UHF帯であれ、各アンテナの出力を適切に合成し、位相調整することによって、いずれの方向からの電波であっても受信することができ、指向性アンテナを使用しているにも拘わらず、無指向性に近い指向性とすることができ、テレビジョン放送の受信用に使用した場合でも、無指向性アンテナを用いた場合と比較してゴーストの影響を受けることが少なくなる。
【0029】
そのため、図5に示すように、VHF帯受信用アンテナ20、22の受信出力は、増幅器32、34によって増幅され、合成器36によって合成される。同様に、各UHF帯受信用アンテナ24、26、28、30の受信出力は、増幅器38、40、42、44によって増幅され、合成器46によって合成される。合成器36,46の各合成出力は、混合器48によって混合された後、増幅器50によって増幅され、直流阻止コンデンサ52、出力端子54を介して屋内または移動体内に設けられた入力端子56に供給され、これから直流阻止コンデンサ58を介して図示していないテレビジョン受像機に供給される。
【0030】
屋内または移動体内には、屋外に設けられている前記の増幅器32、34、38、40、42、44、50等への動作電圧を供給するための直流電源60が設けられている。この直流電源60からの直流電圧は、高周波阻止コイル62、入力端子56を介して出力端子54に供給され、図示していない高周波阻止コイルを介して各増幅器32,34、38、40、42、44、50に供給される。
【0031】
また、屋内または移動体内には、選択手段、例えば指向性制御用パルス発生器64も設けられており、これが発生する指向性制御用パルスは、高周波阻止コイル62、入力端子56、出力端子54及び高周波阻止コイル66を介してスイッチングコントロール回路68に供給される。
【0032】
指向性制御用パルス発生器64は、図示していないがVHF帯の指向性切換スイッチとUHF帯の指向性切換スイッチとを有している。UHF帯の指向性切換スイッチは、図4(b)に示したA乃至Hの各方向に対応する切換接点と、これら接点のうち1つに任意に接触可能な接触子を有し、接触子が接触した切換接点位置に対応するパルス信号を生成する。
【0033】
このパルス信号がスイッチングコントロール回路68に供給されると、スイッチングコントロール回路68は、供給されたパルス信号が指示する方向からの電波が受信されるように、増幅器38、40、42、44の出力のうち1つまたは2つのもののを選択し、合成器46に供給する。また、VHF帯の指向性切換スイッチも同様に構成されている。
【0034】
図6及び図7に、この多周波数帯用アンテナにおける約47MHzから68MHzにおけるVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す。ただし、図6は、1つのVHF帯受信用アンテナのもので、図7は、2つのVHF帯アンテナの出力を合成したものである。図8及び図9は、約47MHzから68MHzの任意の周波数におけるVHF帯受信用アンテナの指向特性図で、図8は1つのアンテナのもの、図9は、2つのアンテナの出力を合成したものである。この合成によって指向特性が変化していることが明からである。
【0035】
図10及び図11に約75MHzから108MHzにおけるVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す。ただし、図10は、1つのVHF帯受信用アンテナのもので、図11は、2つのVHF帯アンテナの出力を合成したものである。図12、図13は、約75MHzから108MHzの任意の周波数におけるVHF帯受信用アンテナの指向特性図で、図12は1つのアンテナのもの、図13は、2つのアンテナの出力を合成したものである。この合成によって指向特性が変化していることが明からである。
【0036】
図14及び図15に、約170MHzから230MHzにおけるVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す。ただし、図14は、1つのVHF帯受信用アンテナのもので、図15は、2つのVHF帯アンテナの出力を合成したものである。図16及び図17は、約170MHzから230MHzの任意の周波数におけるVHF帯受信用アンテナの指向特性図で、図16は1つのアンテナのもの、図17は、2つのアンテナの出力を合成したものである。この合成によって指向特性が変化していることが明からである。
【0037】
図18に約470MHzから890MHzにおけるUHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す。ただし、1つのUHF帯受信用アンテナのものである。図19は、約470MHzから890MHzの任意の周波数におけるUHF帯受信用アンテナの指向特性図である。ただし、1つのUHF帯受信用アンテナのものである。
【0038】
本発明の第3の実施の形態の多周波数帯用アンテナを図20に示す。第2の実施の形態では、VHF帯用受信アンテナに直交させた2本のダイポールアンテナを使用したので、これらの棒状エレメントに設けることができるUHF帯受信用アンテナも4本に制限されていた。そのため、各UHF帯受信用アンテナは、比較的指向性が広いものを使用しなければならず、利得の向上が望めない可能性があった。
【0039】
そこで、第3の実施の形態の多周波数帯用アンテナでは、複数のVHF帯受信用のダイポールアンテナ70を、それぞれの棒状エレメント70a、70a・・・が隣接するVHF帯受信用のダイポールアンテナの棒状エレメントと90度よりも小さい角度をなすように、放射状に配置してある。これら各棒状エレメント70a、70a・・・・の外方端部側に、UHF帯受信用の八木型アンテナ72、72・・・がそれぞれ形成されている。これらUHF帯受信用の八木型アンテナ72、72・・・は、上述した第2の実施の形態と同様に導波器72a、放射器72b、反射器72cをそれぞれ備えている。むろん、放射器72bは、平板状の折り返しダイポールアンテナである。
【0040】
なお、複数の導波器72aを設けることにより、指向性が狭く、かつ利得が高くなるように構成されている。図示していないが、第2の実施の形態と同様に、スイッチングコントロール回路と、指向性制御用パルス発生器とが設けられ、指向性の切換が行われている。反射器72cは、場合によっては除去することができる。この場合も、第2の実施の形態の多周波数帯用アンテナと同様に、小型化を図ることができる。
【0041】
本発明の第4の実施の形態の多周波数帯用アンテナを図21に示す。この多周波数帯用アンテナでは、VHF帯受信用の八木型アンテナ80が設けられている。この八木型アンテナ80は、アーム82上に、複数、例えば3本の導波器84と、1本の放射器86と、1本の反射器88とを設けた通常のものである。なお、アーム82は、支柱90によって支持されている。
【0042】
これら3本の導波器84それぞれの上に、2本の合計6本のUHF帯受信用の八木型アンテナ92が配置されている。これら八木型アンテナ92は、いずれも外方側に導波器92aを有し、これの内側に平板状の折り返しダイポールからなる放射器92bを有し、さらに、これの内側に反射器92cを有するものである。放射器92bは、電気的に導波器84と絶縁されている。
【0043】
この多周波数帯用アンテナでは、UHF帯受信用の八木型アンテナ92が、アーム82に沿って一定の間隔に配置され、かつアーム82の両側にそれぞれ矢印で示すように指向性を有しているので、ダイバーシティ受信用のアンテナとして、UHF帯受信用の八木型アンテナ92を使用できる。VHF帯受信用のアンテナ80は、アーム82に沿った方向で導波器84側から到来する電波を受信するのに使用される。むろん、この多周波数帯用アンテナも、第1乃至第3の実施の形態の多周波数帯用アンテナと同様に、小型化を図ることができる。
【0044】
本発明の参考例の多周波数帯用アンテナを図22に示す。第4の実施の形態では、UHF帯受信用アンテナを、VHF帯受信用アンテナの導波器に設けていたので、指向性は、VHF帯受信用アンテナとほぼ直角な方向となっていた。この参考例の多周波数帯用アンテナは、VHF帯とUHF帯とで指向性をほぼ同一方向としたものである。
【0045】
この多周波数帯用アンテナは、VHF帯受信用アンテナ100を有している。このアンテナ100は、アーム102上に放射器104を取り付けたものである。放射器104は、ほぼ同一直線上に位置するように配置された棒状エレメントからなる。このアーム102の先端側にUHF帯受信用アンテナ106が取り付けられている。このUHF帯受信用アンテナ106の導波器108がアーム102の先端部にVHF帯受信用アンテナ100の放射器104と平行に取り付けられている。これよりも内側の位置に放射器110が取り付けられている。この放射器110も、他の実施の形態の多周波数帯用アンテナと同様に、平板状の折り返しダイポールであり、VHF帯の放射器104とほぼ平行に、かつその中央部がアーム102に接触するように、配置されている。この放射器110よりも内側であって、VHF帯の放射器104よりも外側の位置に、UHF帯用の反射器112が、VHF帯の放射器104と平行に設けられている。これらUHF帯用の導波器108、放射器110、反射器112は、VHF帯のアンテナ100の導波器として使用することが可能なように、寸法及び配置位置が決定されている。
【0046】
これによって、UHF帯とVHF帯の電波が同一方向から到来する場合、いずれの電波も良好に受信できる上に、UHF帯のアンテナが、VHF帯のアンテナの導波器として機能するので、VHF帯の利得を向上させることができる。なお、導波器108、反射器112は場合によっては除去することができる。逆に、導波器108の数を増加させることもできる。この場合も、アーム102がVHF帯とUHF帯のアンテナに共通に使用できるので、小型化を図ることができる。
【0047】
上記の第1乃至第4の実施の形態では、UHF帯の放射器をVHF帯の棒状エレメントに直接に接触させて取り付けている。これは、棒状エレメントの長さを短かくするためであるが、棒状エレメントの長さを本来必要な長さとする場合には、UHF帯の放射器を絶縁体を介して棒状エレメントに接触させればよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小型な多周波数帯用アンテナを実現することができる。さらに、複数のアンテナを切り換えることによって無指向性に近い指向特性を与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の多周波数帯用アンテナの平面図である。
【図2】 図1の多周波数帯用アンテナの側面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の多周波数帯用アンテナの平面図である。
【図4】 図3の多周波数帯用アンテナの各VHF帯及びUHF帯におけるアンテナの指向性を示す図である。
【図5】 図3の多周波数帯用アンテナのブロック図である。
【図6】 図3の多周波数帯用アンテナの約47MHzから68MHzにおける1つのVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図7】 図3の多周波数帯用アンテナの約47MHzから68MHzにおける2つのVHF帯アンテナの合成周波数対利得特性を示す図である。
【図8】 図3の多周波数帯用アンテナの約47MHzから68MHzの任意の周波数における1つのVHF帯受信用アンテナの指向特性図である。
【図9】 図3の多周波数帯用アンテナの約47MHzから68MHzの任意の周波数における2つのVHF帯受信用アンテナの合成指向特性図である。
【図10】 図3の多周波数帯用アンテナの約75MHzから108MHzにおける1つのVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図11】 図3の多周波数帯用アンテナの約75MHzから108MHzにおける2つのVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図12】 図3の多周波数帯用アンテナの約75MHzから108MHzの任意の周波数における1つのVHF帯受信用アンテナの指向特性図である。
【図13】 図3の多周波数帯用アンテナの約75MHzから108MHzの任意の周波数における2つのVHF帯受信用アンテナの指向特性図である。
【図14】 図3の多周波数帯用アンテナの約170MHzから230MHzにおける1つのVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図15】 図3の多周波数帯用アンテナの約170MHzから230MHzにおける2つのVHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図16】 図3の多周波数帯用アンテナの約170MHzから230MHzの任意の周波数における1つのVHF帯受信用アンテナの指向特性を示す図である。
【図17】 図3の多周波数帯用アンテナの約170MHzから230MHzの任意の周波数における2つのVHF帯受信用アンテナの指向特性を示す図である。
【図18】 図3の多周波数帯用アンテナの約470MHzから890MHzにおける1つのUHF帯アンテナの周波数対利得特性を示す図である。
【図19】 図3の多周波数帯用アンテナの約470MHzから890MHzの任意の周波数における1つのUHF帯受信用アンテナの指向特性図である。
【図20】 本発明の第3の実施の形態の多周波数帯用アンテナの平面図である。
【図21】 本発明の第4の実施の形態の多周波数帯用アンテナの平面図である。
【図22】 本発明の参考例の多周波数帯用アンテナの平面図である。
【符号の説明】
2 VHF帯用アンテナ(第1の周波数帯用アンテナ)
2a 2b 棒状エレメント
8 10 UHF帯用アンテナ(第2の周波数帯用アンテナ)
8a 10a 放射器
Claims (4)
- ほぼ直線状に配置された1対の棒状エレメントを有する第1の周波数帯用のダイポールアンテナと、
前記棒状エレメントの少なくとも一方に、これに直交して放射器が設けられた、第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯用の八木型アンテナとを、
具備する多周波数帯用アンテナ。 - 請求項1記載の多周波数帯用アンテナにおいて、前記放射器が、折り返しダイポールアンテナである多周波数帯用アンテナ。
- 請求項1記載の多周波数帯用アンテナにおいて、複数の第1の周波数帯用のダイポールアンテナは、それらの各棒状エレメントが同一の中心から放射状に配置され、複数の第2の周波数帯用の八木型アンテナの各放射器が、複数の第1の周波数帯用のダイポールアンテナの棒状エレメントに形成され、
第1の周波数帯用のダイポールアンテナの出力を選択すると共に、第2の周波数帯用のアンテナの出力を選択する選択手段が、設けられている
多周波数帯用アンテナ。 - 少なくとも1つの導波器を有する第1の周波数帯用の八木型アンテナと、
前記導波器に、これに直交して放射器を設けた、第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯用の複数の八木型アンテナとを、
具備する多周波数帯用アンテナ。
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