JP4711760B2 - ハンドオーバ制御装置および移動通信システム並びにハンドオーバ方法 - Google Patents

Description

本発明は、通信品質保証型と非保証型の異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムにおけるハンドオーバ制御装置および移動通信システム並びにハンドオーバ方法に関する。

ハンドオーバ技術として、ＰＤＣ、ＩＭＴ−２０００などのセルラーシステムで広く採用されているネットワーク主導型ハンドオーバ、および移動局主導型ハンドオーバがある。

ネットワーク主導型ハンドオーバは、移動局に周辺セルの受信レベルや受信品質を測定させ、切り替え先の候補となりうるセルに関する情報を制御信号でネットワークに報告させる方式、いわゆる移動局アシスト型ハントオーバを基本とする。

制御信号を受信したネットワーク側は、候補セルの無線リソース使用状況などネットワーク側で有する情報も加味し、切り替え先セルを決定する。また、ネットワーク側は、切り替え先セルを収容する基地局に対して切り替え準備指示を行った後に、移動局に切り替え先セルを通知しハンドオーバ処理を行う。本ハンドオーバは一般に通信品質の維持が求められる通信チャネルのセル切り替えで使われる。

このネットワーク主導型ハンドオーバ方法の特徴としては、移動局が切替先の候補を選択するが、最終的な切替先はネットワークが決定する点と、移動局側のセル切り替えとネットワーク側の転送経路切り替えとを同一タイミングで行うことが可能である点にある。これにより、最適なセルに対して確実かつ高速なハンドオーバを実現できる。

しかしながら、ネットワーク主導型ハンドオーバ方法は、制御手順や制御状態が多い。特に、移動局が指示された切り替え先セルに正常にハンドオーバできなかった場合の処理が複雑である。移動機側がハンドオーバ先の電波を捕捉できたかどうかにかかわらず、ネットワーク側はユーザデータの経路切り替え処理を行うため、ハンドオーバが失敗した場合は状態が不一致となり、これらの処理を取り消す処理が必要になる。

ここで、適切なエリア設計が行われていればハンドオーバが失敗する確率を小さくできる。しかし、エリア端やトンネルによる瞬時的な圏外など、回避することが困難な要因によるハンドオーバ失敗は一定の割合で生じるため考慮が必要である。

一方、移動局主導型ハンドオーバは、移動局が複数の周辺セルの受信レベルや受信品質から自律的に切り替え先セルを決定し、移動局の任意のタイミングでハンドオーバを実行する。

移動局主導型ハンドオーバでは、無線同期時間の短縮を目的として、事前にネットワーク側に切り替え先セルの候補を通知し、ネットワーク側から切り替え先セルのチャネルの情報に関して通知を受ける制御を組み合わせることが可能である。しかし、ネットワーク主導型ハンドオーバと異なり、ネットワーク側で切り替え先チャネルの無線リソースの確保や切り替えタイミングの設定などの制御状態は有さない。

移動局主導型ハンドオーバは、主に共通チャネルでの通信状態でのセル切り替えや、ネットワーク主導型ハンドオーバが失敗した場合の再接続動作で使われている。

移動局主導型ハンドオーバの特徴としては、移動局が自律的にセル切り替えを行い、ネットワーク側ではセル切り替え後に転送経路の変更を行うため、全般的に制御が簡素化できる点にある。仮に、移動局側が最初に決定したセルで正常に電波を捕捉できなかった場合も、ネットワーク側の動作には影響がなく、いずれかのセルでリトライが成功した段階でネットワーク側の制御を開始すればよい。

しかしながら、移動局で自律的に遷移するため、無線リソースの使用状況などネットワーク側の有する情報を考慮したハンドオーバは不可能である。特に、一定の通信品質の維持、無線リソースを要求される音声やＴＶ電話サービスには適していない。また、ユーザデータの経路切り替えは、制御信号でハンドオーバ完了を確認した後に行われるため、伝送遅延が一時的に大きくなる。

しかしながら、上述した背景技術には以下の問題がある。

通信チャネルに関して、ネットワーク主導型ハンドオーバを適用する場合、処理手順が多く、特に切り替え先セルで正常に電波が捕捉できなかった場合の処理が複雑となる問題がある。

一方、通信チャネルに対して一律に移動局主導型ハンドオーバを適用した場合、制御は簡易であるが、無線リソース不足により品質が満たせない事象が発生する問題がある。また、ハンドオーバ時の遅延もネットワーク主導型ハンドオーバより大きいという問題がある。

そこで、本発明の目的は、ハンドオーバにおいて、個々のサービスが要求する通信品質を維持しつつ、制御負荷を低減できるハンドオーバ制御装置および移動通信システム並びにハンドオーバ方法することにある。

本ハンドオーバ制御装置は、
通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムにおけるハンドオーバ制御装置であって、
移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定手段と、
前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うハンドオーバ処理手段と
を備える。

このように構成することにより、通信中のサービスに応じて、ネットワーク主導型ハンドオーバ、移動局主導型ハンドオーバを使い分けることができる。

本移動通信システムは、
移動局と無線基地局とを備え、通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムであって、
前記移動局は、
周辺セルの通信品質の測定を行う通信品質測定手段と、
前記通信品質測定手段により測定された通信品質に基づいて、ハンドオーバを行うかどうかを判断するハンドオーバ判断手段と、
前記ハンドオーバ判断手段によりハンドオーバを行うと判断した場合に、ハンドオーバ処理を行う移動局側ハンドオーバ処理手段と
を備え、
前記無線基地局は、
前記移動局によるハンドオーバを行うかどうかの判断結果に基づいて、該移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定手段と、
前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行う基地局側ハンドオーバ処理手段と
を備える。

このように構成することにより、個々のサービスが要求する通信品質を維持しつつ、制御負荷を低減することができる。

本ハンドオーバ方法は、
移動局と無線基地局とを備え、通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムにおけるハンドオーバ方法であって、
前記移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定ステップと、
前記サービス判定ステップにより通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うハンドオーバ処理ステップと
を有する。

このようにすることにより、通信中のサービスに応じて、ネットワーク主導型ハンドオーバ、移動局主導型ハンドオーバを使い分けることができる。

本発明の実施例によれば、ハンドオーバにおいて、個々のサービスが要求する通信品質を維持しつつ、制御負荷を低減できるハンドオーバ制御装置および移動通信システム並びにハンドオーバ方法を実現できる。

次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。

本発明の実施例にかかる移動通信システムについて、図１を参照して説明する。

本実施例にかかる移動通信システムは、通信品質保証型と非保証型の異なる複数のサービスを混在して提供する。移動通信システムは、コアネットワーク４００に接続された１または複数の交換機３００（３００_１、３００_２）と、交換機３００と接続された１または複数の無線基地局１００（１００_１、１００_２、１００_３、１００_４）と、無線基地局１００と無線により通信可能である１または複数の移動局２００とを備える。

例えば、図１に示すように、無線基地局１００_１および１００_２は交換機３００_１と接続され、無線基地局１００_３および１００_４は交換機３００_２と接続される。

無線基地局１００（１００_１、１００_２、１００_３、１００_４）は、各レイヤにおける有線・無線間のプロトコルの変換を行うプロトコル変換部と、無線制御を行う後述するハンドオーバ制御装置としての無線制御装置とを備える。無線制御装置は、移動局との無線リンク確立、維持やハンドオーバなどの制御を行う。

移動局２００は、物理レイヤからアプリケーションレイヤまで全てのレイヤを終端する。移動局２００は、無線制御部を備える。無線制御部は、無線基地局との無線リンク確立、維持やハンドオーバなどの制御を行う。

交換機３００は、転送経路の設定およびデータの転送を行う。交換機３００は、ハンドオーバにおいて、無線基地局１００の指示により転送経路の切り替えを行う。交換機３００は、データ交換の方法は問わず、例えば、ＡＴＭ交換機、ＩＰ交換機などにより構成することができる。

コアネットワーク４００は、他のネットワークと接続する交換機や加入者情報などを保持するホーム・ロケーション・レジスタ(HLR: home location register)などが含まれる。

本実施例では、ハンドオーバ制御装置としての無線制御装置が無線基地局に配置される場合について説明するが、無線制御局を別途定義し、無線制御装置を無線制御局に配置した場合でも実現でき、下記の説明は同等である。

次に、本実施例にかかる無線基地局１００が備える無線制御装置５００について、図２を参照して説明する。

無線制御装置５００は、移動局２００との通信を行うために必要な全ての無線制御機能を備える。

無線制御装置５００は、制御部５０２と、制御部５０２と接続されたサービス判定手段としてのサービス管理部５０４および基地局側ハンドオーバ処理手段およびハンドオーバ処理手段としてのハンドオーバ処理部５０６とを備える。

サービス管理部５０４は、ユーザ毎に、通信中のサービスを管理し、サービス毎に品質保証型か品質非保証型かを管理する。例えば、サービス管理部５０４は、移動局２００が周辺セルの品質測定に基づいて決定された切り替え先セルの候補を通知してきた場合に、その移動局２００が通信中のサービスを判定する。具体的には、サービス管理部５０４は、移動局２００が通信中のサービスに通信品質保証型サービスが含まれるか否かを判定する。通信品質保証型サービスには、音声、ＴＶ電話などが含まれる。

ハンドオーバ処理部５０６は、ハンドオーバ処理を行う。ハンドオーバ処理部５０６は、通信中のハンドオーバ機能としてネットワーク主導型および移動局主導型の２種類の手順を有する。例えば、ハンドオーバ処理部５０６は、サービス管理部５０４における判定結果に基づいて、移動局２００が通信中のサービスに通信品質保証型サービスが含まれると判断された場合には、ネットワーク主導型ハンドオーバを行い、含まれないと判断された場合には、移動局主導型ハンドオーバを行う。

ここで、ネットワーク主導型ハンドオーバとは、上述したように、ネットワーク側で、切り替え先セルおよび切り替えタイミングを決定し、事前に無線チャネルの設定や経路切り替えの設定が行われるハンドオーバである。また、移動局主導型ハンドオーバとは、上述したように、移動局側で切り替え先セルおよび切り替えタイミングを決定し、移動局が自律的にセルを切り替わった後に経路切り替えの設定が行われるハンドオーバである。

制御部５０２は、サービス管理部５０４およびハンドオーバ処理部５０６の制御を行う。

次に、本実施例にかかる移動局２００について、図３を参照して説明する。

本実施例にかかる移動局２００は、上述したように無線制御部を備え、無線制御部は、通信品質測定部２０２と、通信品質測定部２０２と接続されたハンドオーバ判断部２０４と、ハンドオーバ判断部２０４と接続された移動局側ハンドオーバ処理手段としてのハンドオーバ処理部２０６とを備える。

通信品質測定部２０２は、周辺セルの通信品質、例えば受信レベル、受信品質の測定を行い、測定結果をハンドオーバ判断部２０４に入力する。

ハンドオーバ判断部２０４は、測定結果に基づいて、ハンドオーバを行うか否かを判断する。例えば、ハンドオーバ判断部２０４は、予め設定されたハンドオーバ条件に基づいて、ハンドオーバを行うか否かを判断し、その結果をハンドオーバ処理部２０６に入力する。

ハンドオーバ処理部２０６は、ハンドオーバ処理を行う。例えば、ハンドオーバ処理部２０６は、セル切り替え、無線リンクの確立を行う。

次に、本実施例にかかる移動通信システムにおけるハンドオーバについて、図４および図５を参照して説明する。

最初に、本実施例にかかる移動通信システムにおけるネットワーク主導型ハンドオーバについて、図４を参照して説明する。本実施例においては、移動局２００が、無線基地局１００_１から１００_２にハンドオーバを行う場合について説明する。

移動局２００の通信品質測定部２０２は、予め定められた手順により周辺セルの受信レベルおよび受信品質のうちの少なくとも一方の測定を実施し、測定結果をハンドオーバ判断部２０４に入力する。ハンドオーバ判断部２０４は、測定結果がハンドオーバ条件を満たすか否かを判断し、その結果をハンドオーバ処理部２０６に入力する。

ハンドオーバ処理部２０６は、ハンドオーバ条件を満たすことを示す情報が入力された場合（１）、少なくとも１つのハンドオーバ先の候補となる候補セルを決定し、決定された候補セルを示す情報を、例えば制御信号によりネットワーク側に通知する（２）。

候補セルを示す情報の通知を受けた無線基地局１００_１は、サービス管理部５０４において、候補セルを示す情報を送信した移動局２００が通信中のサービスを判定する。例えば、無線基地局１００_１のサービス管理部５０４は、移動局２００が通信中のサービスに通信品質保証型サービスが含まれるか否かを判定する。その結果は、制御部５０２を介して、ハンドオーバ処理部５０６に入力される。

ハンドオーバ処理部５０６は、サービス管理部５０４における判定結果に基づいて、移動局２００が通信中のサービスに通信品質保証型サービスが含まれると判断された場合に、候補セルの混雑度などに基づいて、予め定められた手順で切り替え先セルを決定し（３）、切り替え先の無線基地局１００_２にチャネル設定指示を行う。また、ハンドオーバ処理部５０６は、交換機３００に転送経路切り替え指示を行う（４）。

次に、無線基地局１００_１のハンドオーバ処理部５０６は、ネットワーク側の準備を確認し、移動局２００に対して切り替え先セルの情報を通知し、切り替えタイミングを指示する（５）。

移動局２００のハンドオーバ処理部２０６はセル切り替えを行う（６）。移動局２００のハンドオーバ処理部２０６は、無線リンク確立を確認後、切り替え先の基地局１００_２にハンドオーバ通知を送信する（７）。

切り替え先の基地局１００_２のハンドオーバ処理部５０６は、切り替え元の基地局１００_１へチャネル開放指示を行い（８）、移動局２００にハンドオーバ完了を送信する(９)。

以上の手順により、全てのハンドオーバ手順が終了する。

このネットワーク主導型ハンドオーバの特徴について説明する。

移動局２００からの受信品質情報に加えて、混雑度などネットワーク側でのみ得られる情報に基づいて、切り替え先セルが決定される。これにより、混雑度が高い、いわゆる輻輳状態のセルを避けて割り当てることが可能であり、切り替え先のセルで確実にサービスを継続することが可能となる。

また、ネットワーク側で切り替えタイミングが設定でき、交換機側の転送切り替えと移動局のセル切り替えとをほぼ同時に行うことができ、信号損失や遅延の少ないハンドオーバが可能である。

次に、本実施例にかかる移動通信システムにおける移動局主導型ハンドオーバについて、図５を参照して説明する。

移動局２００の通信品質測定部２０２は、予め定められた手順により周辺セルの受信レベルおよび受信品質のうちの少なくとも一方の測定を実施し、測定結果をハンドオーバ判断部２０４に入力する。ハンドオーバ判断部２０４は、測定結果がハンドオーバ条件を満たすか否かを判断し、その結果をハンドオーバ処理部２０６に入力する。

ハンドオーバ処理部２０６は、ハンドオーバ条件を満たすことを示す情報が入力された場合（１）、少なくとも１つのハンドオーバ先の候補となる候補セルを決定し、決定された候補セルを示す情報を、例えば制御信号によりネットワーク側に通知する（２）。ここまでは、ネットワーク主導型ハンドオーバと基本的に同じである。

次に、無線基地局１００は切り替え先の候補セルに関するチャネル情報を、候補セルを示す情報を通知した移動局２００に通知する（３）。

この（１）〜（３）の手順により、移動局２００のハンドオーバ処理部２０６がセル切り替えを行う場合に、切り替え先セルの報知情報を受信する手順を削減し、セル切り替え時間を短縮することができる。

次に、移動局２００のハンドオーバ処理部２０６は、切り替え先の候補セルに関するチャネル情報に基づいて、自律的に切り替え先セルを決定し、任意のタイミングでセル切り替えを行う（４）。

ハンドオーバ処理部２０６は、無線リンク確立の確認後、切り替え先基地局１００_２にハンドオーバ通知を送信する（５）。

無線基地局１００_２のハンドオーバ処理部５０６は、交換機３００に転送経路の切り替え指示、および切り替え元基地局１００_１にチャネル開放指示を行い（６）、移動局２００にハンドオーバ完了を送信する（７）。

以上の手順により、ハンドオーバ手順が終了する。

ここで、移動局主導型ハンドオーバにおいて、（１）〜(３)の手順は必須ではなく省略するようにしてもよい。

この移動局主導型ハンドオーバの特徴について説明する。

移動局２００が、自律的に切り替えタイミングおよび切り替え先セルを決定し、セル切り替え後に転送経路の切り替えが行われる。

事前に切り替え先の候補セルが決定され、経路切り替え指示が行われるネットワーク主導型ハンドオーバと比較すると、制御状態が少なく、特に、移動局２００が切り替え先セルで電波を正常に補足できずハンドオーバが失敗した場合に、切り替えをキャンセルする切り戻し制御も不要となり、制御処理の負荷が軽いというメリットがある。

一方、ネットワーク側の有する情報を加味できないという課題や、ハンドオーバが行われる場合のデータ伝送遅延が大きくなるという課題があるが、通信中サービスが通信品質を保証する必要のないベストエフォートのパケットサービスの場合にはこのハンドオーバ方式で十分である。

次に、本実施例にかかる無線制御装置５００の動作について、図６を参照して説明する。

移動局２００から候補セル通知信号を受信する（ステップＳ６０２）。

次に、サービス管理部５０４は、候補セル通知信号を送信した該当移動局２００が通信を行っているサービスに、品質保証型が含まれるか否かを判断する（ステップＳ６０４）。

該当移動局が通信を行っているサービスに品質保証型サービスが含まれる場合（ステップＳ６０４：ＹＥＳ）、ネットワーク主導型ハンドオーバを実施すると判断し、遷移先セルの決定などネットワーク主導型ハンドオーバの手順を実行する（ステップＳ６０６）。例えば、ハンドオーバ処理部５０６は、ネットワーク側で決定された切り替え先セル、送信タイミングなどを示す情報を移動局２００に通知する。

一方、該当移動局２００が通信を行っているサービスに、品質保証型が含まれない場合（ステップＳ６０４：ＮＯ）移動局２００には切替先セル候補のチャネル情報の通知のみを行う（ステップＳ６０８）。

その後、移動局２００が自律的にハンドオーバを行った場合は、移動局主導型ハンドオーバの手順を実行する。

次に、本実施例にかかる移動局２００の動作について、図７を参照して説明する。ここでは、移動局主導型ハンドオーバにおける移動局２００の動作について説明する。

通信品質測定部２０２は、周辺セルの通信品質、例えば受信レベル、受信品質の測定を行う（ステップＳ７０２）。

次に、ハンドオーバ判断部２０２は、測定結果に基づいて、通信品質がハンドオーバ条件を満たすか否かを判断する（ステップＳ７０４）。

ハンドオーバ条件を満たすと判断された場合（ステップＳ７０４：ＹＥＳ）、ハンドオーバ処理部２０６は、ハンドオーバ先の候補セルを決定し、無線基地局に通知する（ステップＳ７０６）。一方、ハンドオーバ条件を満たさないと判断された場合（ステップＳ７０４：ＮＯ）、ステップＳ７０２に戻る。

次に、ハンドオーバ処理部２０６は、自律的に切り替え先セルを決定し、任意のタイミングでセル切り替えを行う（ステップＳ７０８）。この場合、ハンドオーバ処理部２０６は、無線基地局から通知された切り替え先の候補セルに関するチャネル情報に基づいて、自律的に切り替え先セルを決定するようにしてもよい。

次に、ハンドオーバ処理部２０６は、切り替え先基地局にハンドオーバ通知を送信する（ステップＳ７０８）。

ネットワーク主導型ハンドオーバの場合には、移動局２００は、ステップＳ７０２からステップＳ７０６の動作を行った後、通知された切り替え先セルの情報と、切り替えタイミングにしたがって、セル切り替えを行う。その後、移動局２００は、切り替え先の基地局にハンドオーバ通知を送信する。

本発明の実施例によれば、通信中のサービスの要求品質に応じて、ハンドオーバ手順の使い分けを行う。このようにすることにより、音声などの品質保証型が含まれる場合は、ネットワーク主導型にて最適な切り替え先を選択し、転送経路切り替えによるデータ損失および遅延を最小限に抑えることができる。また、ベストエフォートのパケットサービスなど品質非保証型に関しては、遅延変動はある程度許容できるため、移動局主導型ハンドオーバを行い、制御負荷の軽減を図ることが可能である。したがって、本実施例にかかるハンドオーバ方法により、品質面、制御負荷面の最適化を図ることができる。

本発明にかかるハンドオーバ制御装置および移動通信システム並びにハンドオーバ方法は、移動通信システムに適用できる。

本発明の一実施例にかかる移動通信システムを示す説明図である。 本発明の一実施例にかかるハンドオーバ制御装置を示すブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動局を示すブロック図である。 本発明の一実施例にかかるネットワーク主導型ハンドオーバを示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動局主導型ハンドオーバを示す説明図である。 本発明の一実施例にかかるハンドオーバ制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施例にかかる移動局の動作を示すフローチャートである。

符号の説明

１００、１００_１、１００_２、１００_３、１００_４ 無線通信装置
２００ 移動局
３００ ３００_１、３００_２ 交換機
４００ コアネットワーク
５００ ハンドオーバ制御装置

Claims (8)

1. 通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムにおけるハンドオーバ制御装置であって、
   移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定手段と、
   前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うハンドオーバ処理手段と
   を備えることを特徴とするハンドオーバ制御装置。
2. 請求項１に記載のハンドオーバ制御装置において、
   前記ハンドオーバ処理手段は、前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれないと判定された場合に、前記移動局に対して、移動局主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うことを特徴とするハンドオーバ制御装置。
3. 移動局と無線基地局とを備え、通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムであって、
   前記移動局は、
   周辺セルの通信品質の測定を行う通信品質測定手段と、
   前記通信品質測定手段により測定された通信品質に基づいて、ハンドオーバを行うかどうかを判断するハンドオーバ判断手段と、
   前記ハンドオーバ判断手段によりハンドオーバを行うと判断した場合に、ハンドオーバ処理を行う移動局側ハンドオーバ処理手段と
   を備え、
   前記無線基地局は、
   前記移動局によるハンドオーバを行うかどうかの判断結果に基づいて、該移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定手段と、
   前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行う基地局側ハンドオーバ処理手段と
   を備えることを特徴とする移動通信システム。
4. 請求項３に記載の移動通信システムにおいて、
   前記移動局と通信中の無線基地局の前記基地局側ハンドオーバ処理手段は、前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局の切り替え先のセルを決定し、ネットワーク側の準備を確認し、前記移動局に、切り替え先のセルの情報と、切り替えタイミングとを通知することを特徴とする移動通信システム。
5. 請求項３又は４に記載の移動通信システムにおいて、
   前記移動局と通信中の無線基地局の前記基地局側ハンドオーバ処理手段は、前記サービス判定手段により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれないと判定された場合に、前記移動局に対して、移動局主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うことを特徴とする移動通信システム。
6. 請求項５に記載の移動通信システムにおいて、
   前記移動局と通信中の無線基地局の前記基地局側ハンドオーバ処理手段は、前記移動局によるセル切り替え後に、転送経路の変更を行うことを特徴とする移動通信システム。
7. 移動局と無線基地局とを備え、通信品質保証型と通信品質非保証型とを含む異なる複数のサービスを混在して提供する移動通信システムにおけるハンドオーバ方法であって、
   前記移動局により通信中のサービスが通信品質保証型に含まれるかどうかを判定するサービス判定ステップと、
   前記サービス判定ステップにより通信中のサービスが通信品質保証型に含まれると判定された場合に、前記移動局に対して、ネットワーク主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うハンドオーバ処理ステップと
   を有することを特徴とするハンドオーバ方法。
8. 請求項７に記載のハンドオーバ方法において、
   前記ハンドオーバ処理ステップは、前記サービス判定ステップにより通信中のサービスが通信品質保証型に含まれないと判定された場合に、前記移動局に対して、移動局主導型のハンドオーバの手順によりハンドオーバを行うことを特徴とするハンドオーバ方法。

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