以下、図面を参照しながら、本発明の携帯端末及びオブジェクト装飾方法の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、本発明の一例として携帯電話端末を挙げており、また、本発明にかかるオブジェクトの一例として文字を挙げている。勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
〔携帯電話端末の概略構成〕
図1には、本実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観構成例を示す。
本実施形態の携帯電話端末1は、例えば液晶デバイスにより構成されたディスプレイ2、受話用のスピーカ3、電話番号や文字等を入力するためのキーボタンであるテンキー(12キー)4、発話キー、クリアキー、終話/電源キーなどの各キー、メニュー操作等の際に押下される決定ボタン7(本発明にかかる所定の操作指示決定操作を行うための操作子)と、上下左右の方向指示(本発明にかかる第1,第2の操作子による方向指示)を行うための方向指示デバイス8、送話用のマイクロホン5等を備えている。また、図示は省略しているが、本実施形態の携帯電話端末1の筐体背面側(液晶ディスプレイ2側に対して背面側)には、カメラ部、当該カメラ部にて撮影する際の撮影補助光を発光する撮影補助ライト等が備えられている。
本実施形態の携帯電話端末が通常備えている回路構成やその他の構成の図示及びその説明については省略する。
〔携帯電話端末の概略的な内部構成〕
図2には、本実施形態の携帯電話端末1の概略的な内部回路構成を示す。
アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。なお、パケット通信により送受信されるデータは、画像データや電子メール、プログラムデータ、その他の各種データである。
受信された通話音声のデータは、データラインを介して制御部10へ送られる。制御部10は、CPU(中央処理装置)からなり、通話音声データを復号化し、その復号化後の音声データをデータラインを介してスピーカ16へ送る。
スピーカ16は、携帯電話端末本体に設けられている受話用のスピーカ3やリンガ(着信音)、音楽再生、アラーム音出力用のスピーカであり、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音のデータをディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。これにより、通話音声やリンガ音が得られることになる。
マイクロホン17は、送話用のマイクロホン5に相当し、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン17を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して制御部10へ送られて符号化された後、通信回路11へ送られ、そこで変調、周波数変換等の各種処理を受けた後、通信アンテナ12から送信される。
表示部13は、前記ディスプレイ2とその表示駆動回路とを含み、上記ディスプレイ2上に、画像や、文字,記号等のオブジェクト、操作メニュー項目等を表示する。
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末1の筐体上に設けられているテンキー4や発話キー、クリアキー、終話/電源キー、マナーキー、メモキーなどの各キー、決定ボタン7や方向指示デバイス8などの各種操作子と、それら各操作子をユーザが操作したときの当該操作に応じた操作信号を発生する操作信号発生部とを有している。
音声処理部18は、音楽等の再生処理の他、制御部10により設定される各種音質調整値(例えば音量、イコライジングなど)に基づいて音声や音楽信号等を補正してスピーカ16へ出力する処理等を行う。
画像処理部19は、映像信号の再生処理や、内蔵メモリに圧縮符号化されて記録されている映像データの伸長復号化等の再生処理の他、制御部10により設定される各種画質調整値(例えばホワイトバランス、ブライトネス、コントラスト、ガンマ補正など)に基づいて映像信号を補正して表示部13へ出力する。
メモリ15は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部10が各部を制御するための制御プログラムや各種の初期設定値、フォントデータ、辞書データ、着信音やキー操作音,アラーム音用の報知音データ、電子メールの作成や編集等を行うためのアプリケーション用のプログラムコード、画像や音声に対して様々な処理を行うためのアプリケーション用プログラムコード、文字や記号等のオブジェクトに装飾を施す際の本発明にかかるオブジェクト装飾方法を実現するためのオブジェクト装飾プログラム、その他、携帯電話端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラムコード、当該携帯電話端末の識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、いわゆるNAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、ユーザにより設定される電話帳や電子メールアドレス、写真画像データ、ダウンロードされた写真データや音楽データ、ダウンロードされた着信音,報知音データ、文字データや予測変換の候補単語の登録データ、予測変換の学習データ、オブジェクト装飾に使用されるデータ、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部10が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
制御部10は、上述した通話音声データの符号化や復号化、発着信の制御、着信時の報知制御、音声処理部18や画像処理部19の制御、本発明にかかるオブジェクト装飾処理時の各種制御、例えば、後述する装飾選択のためのアイコンの表示制御や、操作部13の操作とアイコンの選択(装飾情報の選択)とを対応付ける選択制御、選択されたアイコン(装飾情報)を確定する確定制御、確定された装飾情報に応じてオブジェクトの装飾を施す装飾制御等、その他、制御ラインを介して当該携帯電話端末の各構成要素の制御、各種の演算処理を行う。
その他、図1には図示を省略しているが、本実施形態の携帯電話端末は、時計機能、GPS測位機能、ブラウザ機能、外部メモリインターフェース、外部ケーブル用コネクタ、赤外線通信機能、カメラ機能を実現するための回路構成などをも備えている。
〔オブジェクト装飾時におけるユーザインターフェース及び動作の概要〕
ここで、本実施形態の携帯電話端末は、例えば電子メールの作成や電話帳の編集などの際に、文字や記号等のオブジェクトに対して、例えば色、サイズ、点滅の有無、動きなど、ユーザ所望の装飾を施すことが可能となっている。なお、本実施形態におけるオブジェクトへの装飾付加機能は、上記制御部10がメモリ15内のオブジェクト装飾プログラムに基づいて実行する処理であり、以下、制御部10の動作を中心に説明することとする。
先ず、本実施形態の携帯電話端末の制御部10における上記オブジェクトへの装飾付加機能は、例えばディスプレイ2上に表示される複数のメニュー項目の中でオブジェクト装飾用に予め用意されているメニュー項目を、ユーザが上記方向指示デバイス8の操作により選択した時に実行可能となる。なお、本実施形態では、オブジェクトへの装飾付加機能に関連するメニューとして、装飾を施す一つのオブジェクト又は複数のオブジェクト群を指定するための「範囲指定装飾」のメニュー項目と、実際の装飾内容を指定するための「デコレーション」のメニュー項目とが少なくとも用意されており、上記「デコレーション」のメニュー項目が選択された時に、オブジェクト装飾付加機能が実行可能となる。
また、本実施形態において、上記「デコレーション」のメニュー項目の下位には、図3に示すような複数のサブメニュー項目が用意されており、上記「デコレーション」のメニュー項目が選択されると、上記制御部10は、当該図3に示すようなサブメニュー項目を上記ディスプレイ2上に表示させる。
この図3の例では、上記サブメニュー項目として、「色/サイズ」のメニュー項目、「動き/位置/点滅」のメニュー項目、「画像挿入」のメニュー項目、「ライン挿入」のメニュー項目、「背景色」のメニュー項目、「装飾変更」のメニュー項目、「全解除」のメニュー項目等が用意されている。なお、「色/サイズ」のメニュー項目ではオブジェクトの色とオブジェクトのサイズが指定可能となされており、「動き/位置/点滅」のメニュー項目ではディスプレイ2上でオブジェクトの動きと表示位置と点滅の有無が指定可能となされ、「画像挿入」のメニュー項目では別途用意されている画像データフォルダの中から所望の画像を読み出してオブジェクト上に挿入表示させるための指定が可能となされ、「ライン挿入」のメニュー項目ではオブジェクト近傍にラインを挿入するための指定が可能となされ、「背景色」のメニュー項目ではオブジェクトの背景色が指定可能となされ、「装飾変更」のメニュー項目では装飾を変更するオブジェクトを指定するための範囲選択が可能となされ、「全解除」のメニュー項目ではオブジェクトの装飾の解除が可能となされている。この図3に示したサブメニュー項目は一例である。
本実施形態において、上述したように、オブジェクトの装飾付加機能が実行された場合、又は、必要に応じて「デコレーション」のサブメニュー項目の中から所望のメニュー項目がユーザにより選択された場合、制御部10は、ディスプレイ2の所定の位置に、装飾指定用のユーザインターフェースウィンドウを表示させる。すなわち、本実施形態の制御部10は、例えば、「色/サイズ」に関する装飾指定用ウィンドウとして、図4〜図6に示すようなウィンドウ22をディスプレイ2の所定位置に表示させ、また例えば、「動き/位置/点滅」に関する装飾指定用ウィンドウとして図7〜図9に示すようなウィンドウ22を、さらに例えば、「背景色」に関する装飾指定用ウィンドウとして図10,図11に示すようなウィンドウ22をディスプレイ2の所定位置に表示させる。また、本実施形態において、制御部10は、ウィンドウ22の例えば上側に、上記ウィンドウ22にて選択中若しくは確定後の装飾が施されたオブジェクトのサンプルを表示(いわゆるプレビュー)するウィンドウ21をディスプレイ2に表示させることも行う。なお、図4〜図11では、サンプル用ウインドウ21内に、「サンプル」の文字がオブジェクトの装飾サンプルとして表示されている例を示している。
ここで、上記図4〜図6に示す「色/サイズ」の装飾指定用ウィンドウ22内には、オブジェクトに対して指定可能な複数種類の装飾のうち、色に関する装飾情報を指定するためのパレット(本発明にかかる第2の装飾アイコン群に相当するパレット、以下、カラーパレット23と表記する)と、大きさ(サイズ)に関する装飾情報を指定するためのパレット(本発明にかかる第1の装飾アイコン群に相当するパレット、以下、サイズパレット24と表記する)とが配される。上記カラーパレット23は、オブジェクトに対して付加可能な例えば「赤」,「青」,「緑」・・・等の複数の各色を個々に表す装飾アイコン(以下、各色毎の装飾アイコンを特に色アイコンと表記する)が図中の横方向に配列されたものであり、サイズパレット24は、オブジェクトに対して指定可能な例えば「L」(大),「M」(中),「S」(小)の複数のサイズを個々に表す装飾アイコン(以下、各サイズ毎の装飾アイコンを特にサイズアイコンと表記する)が図中の縦方向に配列されたものである。そして、上記複数の色アイコンが図中の横方向に配列されたカラーパレット23と上記複数のサイズアイコンが図中の縦方向に配列されたサイズパレット24は、方向指示デバイス8における指示可能な方向と対応するように表示されると共に、横方向のカラーパレット23と縦方向のサイズパレット24の交差位置における一組の色アイコンとサイズアイコンが重なる形で配置されて表示されており、また、カラーパレット23とサイズパレット24の交差位置の一組の色アイコンとサイズアイコンは、決定ボタン7に対応付けられている。なお、カラーパレット23とサイズパレット24の交差位置のアイコンは、他のアイコンと区別可能な表示状態(例えばフォーカスが当てられた表示状態)となされている。以下、上記フォーカスが当てられている表示状態の上記交差位置のアイコンを、特にフォーカスアイコン29と表記することにする。
上記図4〜図6に示すカラーパレット23の図中横方向の各色アイコンは、ユーザによる方向指示デバイス8の左右何れかの方向指示操作に応じて選択可能となされており、また、上記サイズパレット24の図中縦方向の各サイズアイコンは、ユーザによる方向指示デバイス8の上下何れかの方向指示操作に応じて選択可能となされている。すなわち、本実施形態によれば、ユーザによる方向指示デバイス8の上下左右の方向指示操作に応じて、カラーパレット23及びサイズパレット24上のフォーカスアイコン29の位置(交差位置)移動すると同時に、当該フォーカスアイコン29に対応している色及びサイズにより、オブジェクトの色とサイズが同時に選択され、さらに、それら色とサイズは、決定ボタン7の押下操作により確定するようになされている。
ここで、図4の例は、フォーカスアイコン29が初期位置(初期交差位置)となされている時の「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22を示しており、この図4の初期状態の後、ユーザから方向指示デバイス8を例えば左方向へ2回押下する操作が行われると、制御部10は、「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図5のように変更し、この図5におけるフォーカスアイコン29に対応した色及びサイズが選択されている状態、つまり、カラーパレット23の左から三つ目の色アイコンに対応した色の装飾情報が選択されると共にサイズパレット24では「M」のサイズアイコンに対応したサイズの装飾情報が選択されている状態へ遷移する。また、この図5の状態の後、ユーザから方向指示デバイス8を例えば上方向へ1回押下する操作が行われると、制御部10は、「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図6のように変更し、この図6におけるフォーカスアイコン29に対応した色及びサイズが選択されている状態、つまり、サイズパレット24では「L」サイズの装飾情報が選択されると共にカラーパレット23では左から三つ目のアイコンに対応した色の装飾情報が選択されている状態に遷移する。
そして、例えばこの図6の状態で、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、上記サイズパレット24での「L」サイズの装飾情報の選択状態とカラーパレット23での左から三つ目のアイコンに対応した色の装飾情報の選択状態を確定する。
また、上記図7〜図9に示す「動き/位置/点滅」の装飾指定用ウィンドウ22内には、オブジェクトに対して指定可能な複数種類の装飾のうち、オブジェクトの動きと位置についての装飾情報を指定するためのパレット(本発明にかかる第2の装飾アイコン群に相当するパレット、以下、動き/位置パレット25と表記する)と、オブジェクトの点滅についての装飾情報を指定するためのパレット(以下、点滅パレット26と表記する)とが配される。上記動き/位置パレット24は、オブジェクトの位置を例えば左端、中央、右端に揃えるような複数の位置を個々に表す装飾アイコン(本発明にかかる第1の装飾アイコン群に相当するパレット、以下、各位置毎の装飾アイコンを特に位置アイコンと表記する)とオブジェクトを例えば左右何れか一方向に移動させたり左右方向に反復移動させたりするような複数の動きを個々に表す装飾アイコン(以下、各動き毎の装飾アイコンを特に動きアイコンと表記する)とが、図中の横方向に配列されたものであり、点滅パレット26は、オブジェクトの点滅の有無等を個々に表す装飾アイコン(以下、各点滅の有無の装飾アイコンを特に点滅アイコンと表記する)が図中の縦方向に配列されたものである。そして、上記複数の位置アイコン及び動きアイコンが図中の横方向に配列された動き/位置パレット25と、上記複数の点滅アイコンが図中の縦方向に配列された点滅パレット26とは、方向指示デバイス8における指示可能な方向と対応するように表示されると共に、横方向の動き/位置パレット25と縦方向の点滅パレット26の交差位置における一組の動き又は位置アイコンと点滅アイコンとが重なる形で配置されて表示されており、また、動き/位置パレット25と点滅パレット26の交差位置の一組のアイコンは、決定ボタン7に対応付けられている。なお、動き/位置パレット25の内、左端から3個のアイコンは位置アイコンであり、最も左の位置アイコンはオブジェクトを左端位置に揃える装飾を表しており、左から2番目の位置アイコンはオブジェクトを中央位置に揃える装飾を、左から3番目の位置アイコンはオブジェクトを右端位置に揃える装飾を表している。また、動き/位置パレット25の内、右端から2個のアイコンは動きアイコンであり、最も右の動きアイコンはオブジェクトを左右方向に往復移動させる装飾を表しており、右から2番目の動きアイコンはオブジェクトを左右何れか一方向に移動させる装飾を表している。また、点滅パレット26の内、縦方向で上の点滅アイコンはオブジェクトを点滅させる装飾を表しており、下の点滅アイコンはオブジェクトを点滅させない装飾を表している。
上記図7〜図9に示す動き/位置パレット25の横方向に並んだ各位置アイコンと動きアイコンは、ユーザによる方向指示デバイス8の左右何れかの方向指示操作に応じて選択可能となされており、また、上記点滅パレット26の縦方向の各点滅アイコンは、ユーザによる方向指示デバイス8の上下何れかの方向指示操作に応じて選択可能となされている。すなわち、本実施形態によれば、ユーザによる方向指示デバイス8の上下左右の方向指示操作に応じて、動き/位置パレット25及び点滅パレット26上でのフォーカスアイコン29の位置(交差位置)が移動すると同時に、当該フォーカスアイコン29に対応した動き又は位置の装飾情報と点滅の装飾情報により、オブジェクトの動きと位置と点滅が同時に選択され、さらに、それら動き又は位置の装飾情報と点滅の装飾情報の選択は、決定ボタン7の押下操作により確定するようになされている。
ここで、図7の例は、フォーカスアイコン29が初期位置(初期交差位置)となされている時の「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22を示しており、この図7の初期状態の後、ユーザから方向指示デバイス8を例えば左方向へ1回押下する操作が行われると、制御部10は、「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図8のように変更し、この図7におけるフォーカスアイコン29に対応した動き又は位置と点滅が選択されている状態、つまり、動き/位置パレット25の左から三つ目の位置アイコン(右端揃え)に対応した位置の装飾情報が選択されると共に点滅パレット24では非点滅の装飾情報が選択されている状態へ遷移する。また、この図8の状態の後、ユーザから方向指示デバイス8を例えば上方向へ1回押下する操作が行われると、制御部10は、「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図9のように変更し、この図9におけるフォーカスアイコン29に対応した動き又は位置と点滅が選択されている状態、つまり、点滅パレット26では点滅の装飾情報が選択されると共に動き/位置パレット25では左から三つ目の位置アイコンに対応した位置(右端揃え)の装飾情報が選択されている状態に遷移する。
そして、例えばこの図9の状態で、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、上記点滅パレット26での点滅の装飾情報の選択状態と動き/位置パレット25での左から三つ目の位置アイコンに対応した位置(右端揃え)の装飾情報の選択状態を確定する。
また、上記図10,図11に示す「背景色」の装飾指定用ウィンドウ23内には、オブジェクトに対して指定可能な複数種類の装飾のうち、オブジェクトの背景色についての装飾情報を指定するためのカラーパレット23が配される。当該オブジェクトの背景色についてのカラーパレット23は、前述同様、方向指示デバイス8における指示可能な方向の内、例えば左右方向と対応するように、オブジェクトに対して付加可能な例えば「赤」,「青」,「緑」・・・等の複数の各色を個々に表す装飾アイコン(色アイコン)が図中の横方向に配列されている。また、この図10,図11のカラーパレット23において、決定ボタン7に対応付けられている色アイコンは、他の色アイコンと区別可能にフォーカス(フォーカスアイコン29)が当てられている。
上記図10,図11に示すカラーパレット23の図中横方向の各色アイコンは、ユーザによる方向指示デバイス8の左右何れかの方向指示操作に応じて選択可能となされている。すなわち、本実施形態によれば、ユーザによる方向指示デバイス8の左右の方向指示操作に応じて、カラーパレット25上でフォーカスアイコン29の位置が移動すると同時に、当該フォーカスアイコン29に対応した色によりオブジェクトの背景色が選択され、さらに、当該色は決定ボタン7の押下操作により確定するようになされている。
ここで、図10の例は、フォーカスアイコン29が初期位置となされている時の「背景色」装飾指定用のウィンドウ22を示しており、この図10の初期状態の後、ユーザから方向指示デバイス8を例えば左方向へ2回押下する操作が行われると、制御部10は、「背景色」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図11のように変更し、この図11におけるフォーカスアイコン29に対応した色が選択されている状態、つまり、カラーパレット23の左から三つ目のアイコンに対応した色の装飾情報が選択されている状態へ遷移する。
そして、例えばこの図11の状態で、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、上記カラーパレット23での左から三つ目のアイコンに対応した色の装飾情報の選択状態を確定する。
〔オブジェクト装飾の具体例〕
以下、図12〜図27を参照しながら、電子メールの作成時の文字(オブジェクト)に装飾を施す具体例を挙げ、本実施形態の携帯電話端末の動作を説明する。なお、以下の具体例は、上記制御部10がメモリ15内のオブジェクト装飾プログラムと電子メールプログラムに基づいて実行する処理であり、制御部10の動作を中心に説明することとする。
先ず、図12には、電子メールの作成途中のディスプレイ2の表示画面例を示している。なお、本実施形態において、当該電子メール作成中のディスプレイ2の画面は、メール本文が表示されるメール本文表示領域31と、操作部13の各キーと対応付けられたソフトキーに割り当てられている機能を表示する機能表示領域33と、現在の機能実行状態を表示する状態表示領域32とに分けられている。また、図12の例では、メール本文表示領域31内の文字のうち、或る文字にフォーカス34が当たっている状態を示している。
上記図12の状態において、例えば機能表示領域33の左上に表示されている「機能」のソフトキーに対応した操作部13上のキーが押下操作される(例えば方向指示デバイス8で左方向指示がなされる)と、制御部10は、図13に示すように、ディスプレイ2のメール作成画面上に、当該携帯電話端末が実行可能な複数の機能を示す複数のメニュー項目を列記したメニューウィンドウ35を表示させる。なお、図13の例はメニューウィンドウ35の初期状態を示しており、「範囲指定装飾」のメニュー項目にフォーカス36が当たっている状態を示している。
ここで、図13に示すように、メニューウィンドウ35の「範囲指定装飾」にフォーカス36が当たっている状態で、機能表示領域33の中央に表示されている「選択」のソフトキーに対応した操作部13上のキー(例えば決定ボタン7)が押下操作されると、制御部10は、図14に示すように、状態表示領域32に範囲指定装飾を施す始点位置(文字)を選択するようにユーザへ求めるメッセージを表示すると共に、メール本文表示領域31上で文字の装飾範囲を指定可能な状態に遷移する。
上記図14に示すように、メール本文表示領域31上の所望の文字にフォーカス34が当たっている状態で、例えば操作部13の方向指示デバイス8により右方向指示の押下操作が所望回数連続(例えば8回連続)して行われると、制御部10は、図15に示すように、メール本文表示領域31上の文字の装飾指定範囲を上記方向指示デバイス8の右方向指示の押下操作に応じて右方向に広げるように表示すると共に、状態表示領域32に範囲指定装飾の終点位置(文字)を選択するようにユーザへ求めるメッセージを表示する。そして、この図15の状態の時、例えばユーザにより操作部13の決定ボタン7が押下操作されると、装飾範囲の指定を完了する。
次に、上述のように装飾範囲の指定が完了すると、制御部10は、図16に示すように、ディスプレイ2上に前述の図4に示したような「色/サイズ」の装飾指定用の初期ウィンドウ22とサンプル表示用のウィンドウ21を表示させ、「色/サイズ」の装飾を指定可能な状態に遷移する。なおこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内には、メール本文表示領域31上でフォーカス34が当てられている装飾指定範囲内の各文字を表示させる。
ここで、この図16の表示状態において、ユーザから方向指示デバイス8を例えば上方向へ1回押下する操作が行われると、制御部10は、「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22内のカラーパレット23を図17のように上方向に移動させることで、サイズパレット24では「L」サイズが選択されると共にカラーパレット23では初期位置のアイコンに対応した色が選択されている状態にディスプレイ2上の表示を制御する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対しては、当該「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22での選択状態を反映させる。
次に、図17の表示状態において、ユーザから方向指示デバイス8を例えば左方向へ2回押下する操作が行われると、制御部10は、「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22の表示を図18のように上方向に移動させ、サイズパレット24では「L」サイズが選択されたままで、カラーパレット23では左から三つ目の色アイコンに対応した色が選択されている状態にディスプレイ2上の表示を制御する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対しては、当該「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22での選択状態を反映させる。
そして、この図18の状態で、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、上記サイズパレット24での「L」サイズの選択状態とカラーパレット23での左から三つ目の色アイコンに対応した色の選択状態を確定する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対して、当該「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22での確定状態を反映させると共に、メール本文表示領域31上でフォーカス34が当てられている文字列に対しても、上記「色/サイズ」装飾指定用のウィンドウ22での確定状態を反映させる。
次に、上述のように「色/サイズ」装飾範囲のウィンドウ22における装飾の指定が完了すると、制御部10は、図19に示すように、ディスプレイ2上に前述の図7に示したような「動き/位置/点滅」の装飾指定用の初期ウィンドウ22とサンプル表示用のウィンドウ21を表示させ、「動き/位置/点滅」の装飾を指定可能な状態に遷移する。
この図19の表示状態において、ユーザから方向指示デバイス8を例えば上方向へ1回押下する操作が行われると、制御部10は、「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22内の動き/位置パレット25を図20のように上方向に移動させることで、点滅パレット26では点滅が選択されると共に動き/位置パレット25では初期位置のアイコンが選択されている状態にディスプレイ2上の表示を制御する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対しては、既に色とサイズの装飾指定が反映されている状態に、さらに、当該「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22での選択状態を反映させる。
次に、図20の表示状態において、ユーザから方向指示デバイス8を例えば右方向へ2回押下する操作が行われると、制御部10は、「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22内の点滅パレット26を図21のように右方向に2アイコン分移動させることで、点滅パレット26では点滅アイコンが選択されたままで、動き/位置パレット25では左右方向の反復移動が選択されている状態にディスプレイ2上の表示を制御する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対しては、既に色とサイズの装飾指定が反映されている状態に、さらに、当該「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22での選択状態を反映させる。
そして、この図21の状態で、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、上記動き/位置パレット25での左右方向の反復移動の選択状態と点滅パレット26での点滅の選択状態を確定する。またこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内の文字に対して、先の色とサイズの装飾確定状態に、さらに、当該「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22での確定状態を反映させると共に、メール本文表示領域31上でフォーカス34が当てられている文字列に対しても、先の色とサイズの装飾確定状態に、さらに、上記「動き/位置/点滅」装飾指定用のウィンドウ22での確定状態を反映させる。
その後、その他の装飾指示がなされず、ユーザにより決定ボタン7が押下操作された場合、制御部10は、図22に示すように、メール本文表示領域31で装飾範囲が指定されている文字列(フォーカス34が当てられている文字列)を、上述したような「色/サイズ」「動き/位置/点滅」についての装飾が施された状態でディスプレイ2上の表示させる。
なお、上述した各装飾アイコン等の選択途中(決定ボタン7が押下操作される前)において、例えばクリアキーが押下操作された場合、制御部10は、一つ前の決定状態に処理を戻すように制御する。すなわち例えば、図13の状態の時にクリアキーが押下操作された場合には図12の状態に戻し、図15の状態の時にクリアキーが押下操作された場合には図14の状態に戻し、図16の状態の時にクリアキーが押下操作された場合には図15の状態に戻し、図19の状態の時にクリアキーが押下操作された場合には図18の状態に戻す。
また、本実施形態の携帯電話端末では、前述の図13の状態において、操作部13上のキーが押下操作され(例えば方向指示デバイス8で下方向指示がなされ)ることで、例えば「デコレーション」のメニュー項目がユーザにより選択された場合、制御部10は、図23に示すように、ディスプレイ2のメール作成画面上に、前述した図3のようなサブメニューウィンドウ37を表示させる。そして、操作部13上のキー(例えば方向指示デバイス8)が押下操作され、当該サブメニューウィンドウ37から所望のメニュー項目が選択された場合、制御部10は、その選択されたメニュー項目内での装飾を直接指定可能な状態に遷移する。
例えば、上記図23の状態において、ユーザが操作部13の方向指示デバイス8を操作し、上記サブメニューウィンドウ37から例えば「色/サイズ」のメニュー項目を選択すると、制御部10は、図24に示すように、ディスプレイ2上に前述の図4に示したような「色/サイズ」の装飾指定用の初期ウィンドウ22とサンプル表示用のウィンドウ21を表示させると共に、それら「色/サイズ」の装飾を指定可能な状態に遷移する。なおこの時、制御部10は、サンプル表示用のウィンドウ21内には、メール本文表示領域31上でフォーカス34が当てられている装飾指定範囲内の文字を表示させる。
また、上記図23の状態において、ユーザが操作部13の方向指示デバイス8を操作し、上記サブメニューウィンドウ37から例えば「動き/位置/点滅」のメニュー項目を選択すると、制御部10は、図25に示すように、ディスプレイ2上に前述の図7に示したような「動き/位置/点滅」の装飾指定用の初期ウィンドウ22とサンプル表示用のウィンドウ21を表示させると共に、それら「動き/位置/点滅」の装飾を指定可能な状態に遷移する。
また、上記図23の状態において、ユーザが操作部13の方向指示デバイス8を操作し、上記サブメニューウィンドウ37から例えば「背景色」のメニュー項目を選択すると、制御部10は、図26に示すように、ディスプレイ2上に前述の図10に示したような「背景色」の装飾指定用の初期ウィンドウ22とサンプル表示用のウィンドウ21を表示させると共に、当該「背景色」の装飾を指定可能な状態に遷移する。
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末によれば、前述の図4〜図11で説明したように、「色/サイズ」における各色とサイズや、「動き/位置/点滅」における動き/位置と点滅等のような複数の装飾を、方向指示デバイス8の指示方向に対応させて配列し、当該方向指示デバイス8による方向指示により複数の装飾を一度に選択し、それら選択された状態の複数の装飾を、決定キー7の押下操作により一括して決定(確定)することにより、従来よりも、オブジェクトの装飾に必要なユーザ操作数を削減でき、ユーザがオブジェクトに装飾を付加させる際の操作効率を高めることが可能となっている。
なお、上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
上述の実施形態では、事後装飾を例に挙げているが、本発明は事前装飾にも勿論適用可能である。
前述した装飾指定用のウィンドウ22内に配置される装飾のためのパレットは、例えば、図27〜図30に示すようなパレットであっても良い。図27は、操作部13の方向指示デバイスが8方向を指示可能なデバイスや回転等により8方向を指示可能なデバイスであるとき、当該方向指示デバイスの指示方向に対応して複数の装飾アイコンが円形状に配列されたパレット40と、操作部13上の例えばテンキー4のうち縦方向に並んだ所定の3個のキーに対応して複数の装飾アイコンが配列されたパレット41とが、装飾指定用のウィンドウ22内に配置された例を示している。この図27の例の場合、上記パレット40とパレット41上にそれぞれ一つのフォーカスアイコンが表示され、それらフォーカスアイコンが方向指示デバイスとテンキーの操作に連動して移動することになる。図28は、操作部13の方向指示デバイスが8方向を指示可能であるとき、その方向指示デバイスの指示方向に対応して複数の装飾アイコンが四角形状に配列されたパレット42と、操作部13上の例えばテンキー4のうちそれぞれ横方向に並んだ所定の3個のキーに対応して複数の装飾アイコンが配列されたパレット43及び44とが、装飾指定用のウィンドウ22内に配置された例を示している。この図28の例の場合、上記パレット42とパレット43及び44上にそれぞれ一つのフォーカスアイコンが表示され、それらフォーカスアイコンが方向指示デバイスとテンキーの操作に連動して移動することになる。図29は、操作部13の方向指示デバイスが前述の実施形態と同様に上下左右方向を指示可能であるとき、当該方向指示デバイスの指示方向に対応して、横方向に複数の装飾アイコンが配列されたパレット45と、縦方向に複数の装飾アイコンが配列されたパレット46とが、装飾指定用のウィンドウ22内に配置された例を示している。この図29の例の場合、上記パレット45とパレット46上にそれぞれ一つのフォーカスアイコンが表示され、それらフォーカスアイコンが方向指示デバイスの操作に連動して移動することになる。図30は、操作部13の方向指示デバイスが前述の実施形態と同様に上下左右方向を指示可能であるとき、当該方向指示デバイスの指示方向に対応して、それぞれ横方向に複数の装飾アイコンが配列されたパレット48及び49と、それぞれ縦方向に複数の装飾アイコンが配列されたパレット47及び50とが、装飾指定用のウィンドウ22内に配置された例を示している。この図30の例の場合、上記パレット47〜50上にそれぞれ一つのフォーカスアイコンが表示される、それらフォーカスアイコンが方向指示デバイスの操作に連動して移動することになる。
また、上述の実施形態では、携帯電話端末を例に挙げているが、本発明は、PDA等の各種の携帯端末にも適用可能である。
1 携帯電話端末、2 ディスプレイ、3,16 スピーカ、4 テンキー、5,17 マイクロホン、7 決定ボタン、8 方向指示デバイス、10 制御部、11 通信回路、12 通信アンテナ、13 表示部、14 操作部、15 メモリ、18 音声処理部、19 画像処理部、21 サンプル表示用のウィンドウ、22 装飾指定用のウィンドウ、23 カラーパレット、24 サイズパレット、25 動き/位置パレット、26 点滅パレット、29 フォーカスアイコン、31 メール本文表示領域、32 状態表示領域、33 機能表示領域、34 装飾範囲指定用のフォーカス、35 メニューウィンドウ、36 「範囲指定装飾」メニュー項目のフォーカス、37 サブメニューウィンドウ、40〜50 他の例のパレット