JP4710714B2 - プリントシステム、プリント方法、プログラムおよび印刷装置 - Google Patents

プリントシステム、プリント方法、プログラムおよび印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばネットワーク環境等において端末装置にプリンタが接続されたプリントシステム等に関する。
近年、一般のオフィス等においては、端末装置としての複数のクライアントPC(Personal Computer)と1または複数のプリンタとをネットワーク環境下で接続して、複数のクライアントPCから1または複数のプリンタが共有して使用できるように構成されたプリントシステムが構築されている。
このようなプリントシステムでは、ユーザが例えば自分のデスクに設置されたクライアントPCから印刷を行なおうとした際に、プリンタが他のクライアントPCからの印刷ジョブを実行していることが頻繁に発生する。一方、通常は、クライアントPCとプリンタとは相互に離れた場所に設置されている。そのため、ユーザは自分のデスクからプリンタでの動作状況が把握できないために、プリンタが設置された場所まで取りにいっても、プリントがまだ行なわれていないか、または完了していないケースが起こり得る。その場合には、プリンタの設置場所で印刷されるまで待つか、または一旦自分のデスクまで戻ってある程度の時間を見計らい、印刷されたプリントを再度取りに行く必要が生じる。このような行為は、ユーザにとって面倒であり、また時間を無駄にするものである。
そのため、このような事態に対応するための方法として、ユーザから離れた場所に設置されたプリンタで印刷を行なう場合に、ユーザに対して印刷処理時間の予測結果を知らせたり、印刷終了時にユーザに対して印刷終了通知を行なうといった技術が存在している(例えば、特許文献1参照)。
また、かかるプリントシステムにおいて、ユーザから離れた場所に設置されたプリンタで印刷を行なうとした場合に、ユーザが出力されたプリントを取りに行く間に、他人がそれを持ち去ったり、その内容が見られてしまうという事態が生じることがある。その場合に、出力されたプリントが機密性の高い文書等であった場合には、大きな問題となる。
そこで、このような問題を解消する方法として、次のような技術が存在する。すなわち、プリンタに対して印刷データに付随してパスワードを送信し、パスワードとともに印刷データをプリンタ内の記憶手段に一時的に記憶する。そして、ユーザがパスワードを入力した時点で、記憶したパスワードに対応する印刷データを印刷する(例えば、特許文献2参照)。このような技術は、一般にセキュリティプリントと呼ばれている。
特開平10−305639号公報(第8−9頁) 特開平8−39898号公報(第2−3頁)
しかしながら、上記したプリントシステムにおいて、離れた場所に設置されたプリンタでの印刷処理時間の予測通知や印刷終了通知をユーザが受けたとしても、ユーザが仕事の手が離せない状態等であった場合には、印刷処理が完了する時間に出力されたプリントを取りに行くことができないことがある。その場合には、他人が誤ってそれを持ち去ったり、機密性の高い文書等の内容を見られてしまう等の可能性がある。また、そのような事態を回避しようとして、仕事中にそれを中断してプリントを取りに行くことは、ユーザにとって利便性の高い方法とはいえない。
また、セキュリティプリントでは、例えば、プリンタが他の印刷ジョブを実行しておらず所謂「空き」の状態である場合に、いちいちパスワードの入力等の操作を行なうことは、ユーザにとって面倒な行為である。さらには、ユーザがセキュリティプリントモードを選択したつもりが、セキュリティプリントモードを選択しておらず、誤って通常の直接印刷モードで出力指示を行なう場合もある。その場合には、そのまま直ちに印刷処理が実行されるため、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタに放置され、他人がそれを持ち去ったり、その内容が見られてしまうという事態も発生する。
そのため、ネットワーク環境等にて構築されたプリントシステムにおいては、ユーザの利便性を向上するとともに、セキュリティの確保を図ることが求められている。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ネットワーク環境等にて構築されたプリントシステムにおいて、ユーザの利便性を向上するとともに、セキュリティの確保を図ることにある。
かかる目的のもと、本発明のプリントシステムは、文書データを作成または保存する端末装置とかかる端末装置に接続された印刷装置とを具備するプリントシステムであって、端末装置にてユーザにより印刷装置での印刷対象に指定された文書データの機密性に関する情報、および/またはユーザが文書データを印刷装置にて印刷する際に印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を生成する情報生成手段と、情報生成手段にて生成された情報に基づいて、印刷装置での印刷モードを、直ちに文書データの印刷処理を実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定するモード設定手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、情報生成手段は、文書データの機密性に関する情報として、文書データが保存されたフォルダに付された名称を表す情報、および/または文書データにアクセス権が設定されているか否かの情報を生成することを特徴とすることができる。また、モード設定手段は、情報生成手段にて生成された情報と印刷モードとを対応付けたテーブルを有し、かかるテーブルを用いて印刷モードの設定を行なうことを特徴とすることができる。
さらには、モード設定手段は、待ち時間情報に基づいて印刷モードを設定する場合に、印刷装置から現在実行されている印刷処理が終了するまでの予測時間に関する情報を取得し、予測時間が待ち時間情報に設定された時間以上の場合には第1モードに設定し、予測時間が待ち時間情報に設定された時間よりも短い場合には第2モードに設定することを特徴とすることができる。
また、モード設定手段により設定された印刷モードに関する情報を端末装置に出力するモード情報出力手段をさらに備え、端末装置は、印刷モードに関する情報を表示することを特徴とすることもできる。特に、端末装置は、モード情報出力手段から印刷モードに関する情報を受けた場合に、印刷モードの変更を指示する印刷モード変更指示手段を備えたことを特徴とすることもできる。
加えて、モード設定手段により第2モードが設定された場合に、ユーザが文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう認証手段をさらに備え、印刷装置は、認証手段によりユーザの正当性が認証されたことを条件として、文書データの印刷処理を実行することを特徴とすることができる。
さらに、端末装置と印刷装置とは、ネットワーク環境下にてサーバを介して接続されたことを特徴とすることができる。
また、本発明をプリント方法として捉え、本発明のプリント方法は、端末装置からの文書データを端末装置に接続された印刷装置にて印刷する際のプリント方法であって、端末装置にてユーザにより印刷装置での印刷対象に指定された文書データの機密性に関する情報、および/またはユーザが文書データを印刷装置にて印刷する際に印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を生成する情報生成ステップと、情報生成ステップにて生成された情報に基づいて、印刷装置での印刷モードを、直ちに文書データの印刷処理を実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定するモード設定ステップとを含むことを特徴としている。
ここで、モード設定ステップにより第2モードが設定された場合に、ユーザが文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう認証ステップをさらに含むことを特徴とすることができる。
また、モード設定ステップにより設定された印刷モードに関する情報を端末装置に出力するモード情報出力ステップをさらに含むことを特徴とすることもできる。
また、本発明をプログラムとして捉え、本発明のプログラムは、コンピュータに印刷装置での印刷動作を制御させる際に用いられるプログラムであって、印刷装置での印刷処理の対象となる文書データを取得する機能と、文書データの機密性に関する情報、および/またはユーザが文書データの印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する情報を取得する機能と、取得された情報に基づいて、印刷装置での動作モードを、直ちに文書データの印刷処理を実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定する機能とをコンピュータに実現させることを特徴としている。
ここで、かかるプログラムは、ユーザが文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう機能をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
なお、このプログラムは、例えば、ハードディスク等の予約領域に格納されたプログラムを、RAMにロードして実行される場合がある。また、予めROMに格納された状態にて、CPUで実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROMを備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてROMにインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介してデータ記録装置を備えたコンピュータにプログラムが伝送され、データ記録装置の有するROMにインストールされる形態も考えられる。
また、本発明を印刷装置として捉え、本発明の印刷装置は、文書データを取得するデータ取得部と、文書データの機密性に関する情報、および/またはユーザが文書データの印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部にて取得された情報に基づいて、データ取得部にて取得した文書データの印刷処理を直ちに実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定する印刷モード設定部とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、ユーザは自分の都合の良い時にプリンタでの印刷処理を行なうことが可能となるので、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタに放置されるという事態の発生を回避することが可能となる。また、ユーザが意図しないのにも拘わらず、機密性の高い文書等が通常の直接印刷モードで印刷出力されるという事態の発生を回避することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態が適用されるプリントシステムの全体構成を示す図である。図1に示したプリントシステム1は、例えばユーザの作業スペース(例えば、デスク)等に設置された端末装置の一例としてのクライアントPC(Personal Computer)2(2A〜2C)と、プリントサーバ3と、クライアントPC2からの文書データを印刷処理する画像形成装置としてのプリンタ4(4A〜4C)とが、通信回線やケーブルを利用したインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワーク5を介して双方向に通信可能に接続されて構成されている。通信回線としては、電話回線や衛星通信回線(例えば、デジタル衛星放送における空間伝送路)を含んでもよい。ここで、本実施の形態のプリントシステム1では、ネットワーク5に複数のクライアントPCと複数のプリンタとが接続されることとなるが、図1に示した構成では、一例としてそれぞれ3台のクライアントPC2A〜2Cとプリンタ4A〜4Cとが接続されている場合を示している。
クライアントPC2は、文書や図形、写真等からなる文書データを作成・保存する機能を有しており、プリントサーバ3を介して指定するプリンタ4での文書データの印刷指示を行なう。ここで、図2は、クライアントPC2の機能構成を説明するブロック図である。図2に示したように、クライアントPC2は、所定の処理プログラムに従ってデータ処理を実行する制御部21、制御部21の作業用メモリ等として用いられるメモリ部22、文書データや処理プログラム等が格納される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される2次記憶部23、ユーザからの操作入力を受け付ける例えばマウスやキーボード等にて実現される操作部24、ユーザに対して各種情報を表示する表示部25、ネットワーク5との通信を制御するLANカードやモデム等にて実現される通信部26を備えている。
図3は、プリントサーバ3の機能構成を説明するブロック図である。図3に示したように、プリントサーバ3は、通信部31、データ受信部32、データ解析部33、文書データ蓄積部34、印刷モード判定部35、プリンタ特定部36、データ送信部37を含んで構成されている。
通信部31は、ネットワーク5との通信を制御する。
データ受信部32は、ネットワーク5を介してクライアントPC2から送信されたデータ等を受信して、データ解析部33に出力する。
データ解析部33は、データ受信部32にて受信されたデータを受け取り、受け取ったデータの中の文書データやクライアントPC2にて付加された付加情報を解析する。そして、解析されたデータの中から文書データを文書データ蓄積部34に、解析されたデータの中から付加情報を印刷モード判定部35に、解析されたデータの中から付加情報をプリンタ特定部36にそれぞれ出力する。
文書データ蓄積部34は、データ解析部33から文書データを受け取り、受け取った文書データを一時的に蓄積する。
印刷モード判定部35は、モード設定手段の一例であって、データ解析部33から付加情報を受け取り、受け取った付加情報から後段で説明する印刷モードを判定し、判定された印刷モードの実行を指示する印刷モード指示信号を生成する。そして、生成された印刷モード指示信号をデータ送信部37に出力する。
プリンタ特定部36は、データ解析部33から付加情報を受け取り、受け取った付加情報からクライアントPC2により指定されたプリンタ4を特定し、特定されたプリンタ4に対する印刷指示信号を生成する。そして、生成された特定されたプリンタ4に対する印刷指示信号をデータ送信部37に出力する。
データ送信部37は、文書データ蓄積部34に蓄積された文書データと、印刷モード判定部35にて生成された印刷モード指示信号と、プリンタ特定部36にて生成された印刷指示信号とをプリンタ特定部36にて特定されたプリンタ4に出力する。
図4は、プリンタ4の機能構成を説明するブロック図である。図4に示したように、プリンタ4は、通信部41、データ受信部42、データ解析部43、描画処理実行部44、ページメモリ45、記憶部46、出力制御部47、操作部48、プリンタエンジン70を含んで構成されている。
通信部41は、ネットワーク5との通信を制御する。
データ受信部42は、ネットワーク5を介してプリントサーバ3から送信されたデータを受信して、データ解析部43に出力する。
データ解析部43は、データ受信部42にて受信されたデータを受け取り、受け取ったデータの中の文書データ、印刷モード指示信号、および印刷指示信号を解析する。そして、解析されたデータの中から文書データを描画処理実行部44に、解析されたデータの中から印刷モード指示信号および印刷指示信号を出力制御部47にそれぞれ出力する。
描画処理実行部44は、データ解析部43から文書データを受け取り、文書データにおける文字やイメージ等の各オブジェクトをページメモリ45に逐次展開するとともに、ページメモリ45に展開する際に、符号化されたイメージデータに対するデータ復号化処理を行なう。
記憶部46は、文書データをそれぞれ文書データ毎に格納する複数の格納領域を備えた例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて構成されており、ページメモリ45に展開された文書データを受け取って格納する。
出力制御部47は、データ解析部43から受け取った印刷モード指示信号と印刷指示信号とに基づいて、記憶部46からプリンタエンジン70への文書データの送信や印刷処理の開始等を制御する。
操作部48は、例えば操作パネルで構成され、例えばユーザによる印刷指示入力を受け付ける。
プリンタエンジン70は、例えば電子写真方式からなる画像形成部で構成され、文書データを記録紙等の媒体に印刷する。
続いて、本実施の形態のプリントシステム1にて行なわれる印刷処理について説明する。
まず、クライアントPC2での処理手順を述べる。図5は、クライアントPC2での処理の流れを示したフローチャートである。図5に示したように、クライアントPC2では、ユーザが操作部24から2次記憶部23に記憶されている所定の文書データを指定して、かかる文書データについての印刷指示を行なうと(S101)、制御部21は、指定された文書データの機密性に関する情報を生成し、これを文書データに付加情報として付加する。具体的には、文書データが記憶された2次記憶部23内の保存場所情報(フォルダ名情報)を付加情報として文書データに付加する(S102)。したがって、制御部21は、付加情報(文書データの機密性に関する情報や、後述する待ち時間情報)を生成する情報生成手段としての機能を有する。
さらに、制御部21は、指定された文書データを印刷するプリンタ4を指定するためのプリンタ指定信号を付加情報として付加する(S103)。
そして、文書データに上記したフォルダ名情報とプリンタ指定信号とが付加情報として付加されたデータをネットワーク5を介してプリントサーバ3に送信する(S104)。
ここで、ステップ102にて文書データに付加する付加情報としては、文書データの機密性に関する情報の他の例としての、印刷する文書データが保存されたフォルダはアクセス権が特定人に指定されたものであることを示すアクセス権情報とすることも可能である。また、他の付加情報として、文書データを印刷するプリンタ4が他の印刷ジョブを実行している場合に、その印刷ジョブが終了するまでの予測時間に対してユーザが待つことが可能な待ち時間情報を付加することも可能である。
次に、プリントサーバ3での処理手順を述べる。図6は、プリントサーバ3での処理の流れを示すフローチャートである。図6に示したように、プリントサーバ3では、ネットワーク5を介してクライアントPC2からデータを取得すると(S201)、データ解析部33が取得したデータを解析し(S202)、データから文書データと付加情報とを分離する。そして、データ解析部33は、文書データを文書データ蓄積部34に送り、文書蓄積部34に一時的に蓄積する(S203)。
さらに、データ解析部33は、付加情報を印刷モード判定部35に送り、印刷モード判定部35は、付加情報の中のフォルダ名情報、またはアクセス権情報や待ち時間情報に基づいて、印刷モードを判定する(S204)。そして、印刷モード判定部35は、プリンタ4にて実行される印刷モードを指示する印刷モード指示信号を生成する。
ここで、印刷モード判定部35にて判定される印刷モードとしては、第1モードとしての直接モードと、第2モードとしてのオンデマンドモードとが設定されている。直接モードとは、文書データがプリンタ4に送信されると同時に、プリンタエンジン70による印刷処理が行なわれるモードをいう。また、オンデマンドモードとは、文書データをプリンタ4の記憶部46に自動的に格納し、ユーザが操作部48から所定の操作入力を行なわなければ、プリンタエンジン70による印刷処理が行なわれないモードをいう。
ステップ204において印刷モード判定部35が実行する印刷モードの判定処理について説明する。印刷モード判定部35には、付加情報の中に含まれる文書データの機密性に関する情報としてのフォルダ名情報やアクセス権情報、さらには待ち時間情報に対応させて、上記した印刷モード(直接モードまたはオンデマンドモード)を設定するモード判定テーブルが格納されている。図7は、モード判定テーブルの一例を示した図であり、(a)はフォルダ名情報に対応した印刷モードを設定するモード判定テーブル、(b)はアクセス権情報に対応した印刷モードを設定するモード判定テーブル、(c)は待ち時間情報に対応した印刷モードを設定するモード判定テーブルである。
例えば、図7(a)に示したフォルダ名情報に関するモード判定テーブルでは、印刷する文書データが機密性の高い例えば会社の人事に関するデータが格納された人事フォルダ(My Document\人事)に保存されていたものである場合には、オンデマンドモードに自動的に設定されるように構成されている。一方、印刷する文書データが機密性の低いフォルダ(My Document\AAA)に保存されていたものである場合には、直接モードに自動的に設定されるように構成されている。
このようなフォルダ名情報と印刷モードとの対応関係は、ユーザぞれぞれ毎に設定されている。アクセス権情報や待ち時間情報と印刷モードとの対応関係も同様である。
また、図7(b)に示したアクセス権情報に関するモード判定テーブルでは、印刷する文書データを保存するフォルダがアクセス権の設定されたフォルダである場合、例えば特定人「A」にアクセス権の設定されたフォルダである場合には、オンデマンドモードに自動的に設定されるように構成されている。一方、印刷する文書データを保存するフォルダがアクセス権の設定されていないフォルダである場合、すなわち誰でもアクセスできるフォルダである場合には、直接モードに自動的に設定されるように構成されている。
さらに、図7(c)に示した待ち時間情報に関するモード判定テーブルでは、文書データを印刷するプリンタ4が他のクライアントPC2からの印刷ジョブを実行している場合であって、その印刷ジョブが終了するまでユーザが待つことが可能な待ち時間が待ち時間情報として「1分」に設定された場合に、そのプリンタ4での印刷ジョブが終了するまでの予測時間(終了予測時間)が1分以上であるときには、オンデマンドモードに自動的に設定されるように構成されている。一方、そのプリンタ4での印刷ジョブが終了するまでの予測時間が1分以内であるときには、直接モードに自動的に設定されるように構成されている。
ここで、印刷モード判定部35での印刷モードの判定処理に、待ち時間情報を用いる場合には、プリントサーバ3は、データ送信部37からプリンタ4に対して印刷ジョブの終了予測時間を問い合わせる。そして、プリンタ4からの受け取った印刷ジョブの終了予測時間情報をデータ解析部33で解析して、印刷モード判定部35に送る処理が併せて実行されることとなる。
このように、本実施の形態のプリントシステム1では、印刷する文書データが機密性の高いデータが格納されたフォルダに保存されていたものである場合や、印刷する文書データを保存したフォルダへのアクセス権が設定されている場合には、プリンタ4に対して指定する印刷モードを自動的にオンデマンドモードに設定することで、機密性の高いデータが誤って直接モードで出力されることを抑制することができる。そのため、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタ4に放置されることで、他人がそれを持ち去ったり、またはその内容が見られてしまうという事態を回避することが可能となる。
また、文書データを印刷するプリンタ4が他のクライアントPC2からの印刷ジョブを実行している場合に、その印刷ジョブが終了するまでユーザが待つことが可能な待ち時間がそのプリンタ4での印刷ジョブが終了するまでの予測時間よりも短いときには、オンデマンドモードに自動的に設定される。したがって、ユーザは、自分のクライアントPC2から印刷指示を行なった後に、直ちにプリンタ4の設置場所まで行ったが、プリンタ4が他の印刷ジョブを実行している場合には、そのままの状態にしておいても、オンデマンドモードに自動的に設定される。そのため、その後の都合の良い時間に取りに行くことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、他の印刷ジョブが終了した後に、直ちに自分の印刷ジョブが実行されることがないので、印刷された文書等を取りに行くのを忘れ、他人がそれを持ち去ったり、誤って廃棄される等のトラブルの発生を回避することもできる。
なお、上記したモード判定テーブルは、複数の条件を組み合わせて構成することも可能である。図8は、複数の条件を組み合わせて構成されたモード判定テーブルの一例を示した図である。図8では、保存場所情報(フォルダ名情報)と待ち時間情報と組み合わせて用いる場合を表している。
図8のように複数の条件を組み合わせることで、ユーザの利便性をさらに向上させることが可能となる。すなわち、例えばフォルダが機密性の高いデータが格納されたものである場合でも、プリンタ4での他の印刷ジョブが終了するまでの予測時間がユーザが待つことが可能な待ち時間よりも短い例えば1分以内であるときには、直接モードに自動的に設定されるように構成することも可能である。それにより、ユーザが急いでいる場合等に、機密性の高い文書を直ちに印刷することができる。
また、印刷する文書データが機密性の高いものであるか低いものであるかによって、待ち時間設定を異なる時間に設定することも可能である。
このように、複数の条件を組み合わせることにより、それぞれ印刷する文書データの特質やユーザの好みや性格等に合った設定を行なうことが可能となる。
また、ステップ204での印刷モードの判定処理にて、オンデマンドモードが設定された場合には、印刷モード判定部35は、データ送信部37からネットワーク5を介してクライアントPC2に対し、オンデマンドモードが設定された旨の通知を行なうように構成することもできる。ここでの印刷モード判定部35は、印刷モードに関する情報をクライアントPC2に出力するモード情報出力手段として機能する。そして、その場合には、クライアントPC2は、表示部25に例えばポップアップウインドウ等を用いてオンデマンドモードが設定された旨の表示を行なう。なお、印刷モード判定部35から、直接モードが設定された旨の通知を行なうように構成することもできる。
その際に、例えばポップアップウインドウを見たユーザが操作部24からオンデマンドモードの設定を解除し、直接モードに変更できるように構成することも可能である。ここでの操作部24は、印刷モードの変更を指示する印刷モード変更指示手段として機能する。
次に、データ解析部33は付加情報をプリンタ特定部36に送り、プリンタ特定部36は文書データを印刷するプリンタ4を指定するためのプリンタ指定信号に基づいて、クライアントPC2により指定されたプリンタ4を特定し、特定されたプリンタ4に対する印刷指示信号を生成する(S205)。
そして、プリントサーバ3は、データ送信部37からプリンタ特定部36にて特定されたプリンタ4に対して、文書データ蓄積部34に蓄積された文書データと、印刷モード判定部35にて生成された印刷モード指示信号と、プリンタ特定部36にて生成された印刷指示信号とを出力する(S206)。
ところで、本実施の形態のプリントシステム1では、プリントサーバ3に印刷モード判定部35を配設して、プリントサーバ3にて印刷モードの判定処理を行なうように構成している。本発明はかかる構成に限らず、例えばクライアントPC2やプリンタ4に印刷モード判定部35を配設した構成とすることもできる。
引き続いて、プリンタ4での処理手順を述べる。図9は、プリンタ4での処理の流れを示したフローチャートである。図9に示したように、プリンタ4では、ネットワーク5を介してプリントサーバ3から文書データと印刷モード指示信号と印刷指示信号とを取得すると(S301)、データ解析部43は、文書データを描画処理実行部44に送る。描画処理実行部44では、文書データにおける文字やイメージ等の各オブジェクトをページメモリ45に逐次展開するとともに、ページメモリ45に展開する際に符号化されたイメージデータに対するデータ復号化処理を行なう(S302)。そして、ページメモリ45に展開された文書データを記憶部46に格納する(S303)。
また、データ解析部43は、印刷モード指示信号と印刷指示信号とを出力制御部47に送る。出力制御部47は、印刷モード指示信号に基づいて、印刷モードが直接モードに指定されているか否かを判断する(S304)。
ステップ304にて、直接モードに指定されていると判断した場合には、出力制御部47は、直ちに記憶部46から文書データを取得する(S305)。そして、文書データをプリンタエンジン70に送り、印刷処理を実行する(S307)。
ステップ304にて、直接モードに指定されていない、すなわちオンデマンドモードに指定されていると判断した場合には、出力制御部47は、ユーザによる操作部48から所定の操作入力、例えばプリント指示入力が行なわれたか否かを判断する(S306)。ステップ306にて、操作部48から所定の操作入力が行なわれた場合に、出力制御部47は、記憶部46から文書データを取得する(S305)。そして、文書データをプリンタエンジン47に送り、印刷処理を実行する(S307)。
以上説明したように、本実施の形態のプリントシステム1では、印刷を行なう際に、クライアントPC2からプリントサーバ3に出力されるデータには、印刷対象となる文書データに、かかる文書データが記憶された2次記憶部23内の保存場所情報(フォルダ名情報)、印刷する文書データが保存されたフォルダがアクセス権の設定されたフォルダであることを示すアクセス権情報、文書データを印刷するプリンタ4が他の印刷ジョブを実行している場合に、その印刷ジョブが終了するまでの予測時間に対してユーザが待つことが可能な待ち時間情報を付加情報として付加する。そして、プリントサーバ3はかかる付加情報に基づいて、プリンタ4で実行される印刷モードを判定して、プリンタ4で実行される印刷モードの設定を行なう。プリンタ4は、プリントサーバ3にて設定された印刷モードでの印刷処理を実行する。
それにより、本実施の形態のプリントシステム1では、印刷する文書データが機密性の高いデータが格納されたフォルダに保存されていたものである場合や、印刷する文書データが保存されたフォルダがアクセス権の設定されたフォルダである場合には、プリンタ4での印刷モードを自動的にオンデマンドモードに設定することで、機密性の高いデータが誤って直接モードで出力されることを抑制することができる。そのため、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタ4に放置されることで、他人がそれを持ち去ったり、またはその内容が見られてしまうという事態を回避することが可能となる。
また、文書データを印刷するプリンタ4が他の印刷ジョブを実行している場合に、その印刷ジョブが終了するまでユーザが待つことが可能な待ち時間がそのプリンタ4での印刷ジョブが終了するまでの予測時間よりも短いときには、オンデマンドモードに自動的に設定される。したがって、ユーザは、クライアントPC2から印刷指示を行なった後に、直ちにプリンタ4の設置場所まで行ったが、プリンタ4が他の印刷ジョブを実行している場合には、そのままの状態にしておいても、オンデマンドモードに自動的に設定される。そのため、その後の都合の良い時間に取りに行くことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、他の印刷ジョブが終了した後に、直ちに自分の印刷ジョブが実行されることがないので、印刷された文書等を取りに行くのを忘れ、他人がそれを持ち去ったり、誤って廃棄される等のトラブルの発生を回避することもできる。
[実施の形態2]
実施の形態1のプリントシステム1では、クライアントPC2にて設定された付加情報に基づいて印刷モードを設定し、プリンタ4での印刷処理を行なう構成について説明した。本実施の形態のプリントシステム1では、プリンタ4での印刷処理を行なうに際して、所定の認証処理を必要とする所謂セキュリティプリントを用いた構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図10は、本実施の形態のプリントシステム1にて用いられるプリンタ4の機能構成を説明するブロック図である。図10に示したように、本実施の形態のプリンタ4では、実施の形態1での構成に加えて、各種情報を表示する表示部40と、操作部48から入力されたパスワードの照合を行なう認証手段の一例としてのパスワード照合部49とが備えられている。
また、本実施の形態のプリントシステム1にて用いられるクライアントPC2およびプリントサーバ3は、実施の形態1と同様の構成を有する(図2、3参照)。
引き続いて、本実施の形態のプリントシステム1において、クライアントPC2とプリントサーバ3とが行なう印刷処理を説明する。図11は、クライアントPC2とプリントサーバ3との間で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。図11に示したように、まず、図5にて示したのと同様の処理フローによって、クライアントPC2からプリントサーバ3に対してデータが送信される(S401)。
プリントサーバ3は、図6にて示したステップ201〜204と同様の処理フローによって、クライアントPC2から取得したデータに基づいて、印刷モードの判定を行なう(S402)。そして、ステップ402にて判定された印刷モードがオンデマンドモードか否かを判断する(S403)。
ステップ403にて印刷モードがオンデマンドモードであると判断された場合には、プリントサーバ3の印刷モード判定部35は、クライアントPC2に対してパスワードの入力を要求する(S404)。すなわち、印刷モード判定部35は、データ送信部37からクライアントPC2に対してパスワード入力要求信号を出力する。
パスワード入力要求信号を入力したクライアントPC2は、表示部25(図2参照)に例えばポップアップウインドウ等を用いてパスワードの入力を要求する旨の表示を行なう(S405)。
ユーザが操作部24(図2参照)からパスワードの入力を行なうと(S406)、クライアントPC2はプリントサーバ3に対して入力されたパスワードを送信する(S407)。
クライアントPC2からパスワードを取得したプリントサーバ3は、図6にて示したステップ205〜206と同様の処理フローによって、データ送信部37からプリンタ特定部36にて特定されたプリンタ4に対して、文書データ蓄積部34に蓄積された文書データと、印刷モード判定部35にて生成された印刷モード指示信号と、プリンタ特定部36にて生成された印刷指示信号と、取得したパスワードとを出力する(S408)。
一方、ステップ403にて印刷モードがオンデマンドモードでない、すなわち直接モードであると判断された場合には、直ちに、図6にて示したステップ205〜206と同様の処理フローによって、データ送信部37からプリンタ特定部36にて特定されたプリンタ4に対して、文書データ蓄積部34に蓄積された文書データと、印刷モード判定部35にて生成された印刷モード指示信号と、プリンタ特定部36にて生成された印刷指示信号とを出力する(S409)。
次に、プリントサーバ3にて判定された印刷モードがオンデマンドモードであり、クライアントPC2からパスワードの入力があった場合のプリンタ4でのデータ処理を述べる。図12は、プリンタ4での処理の流れを示したフローチャートである。図12に示したように、プリンタ4では、ネットワーク5を介してプリントサーバ3から文書データと印刷モード指示信号と印刷指示信号とパスワードとを取得すると(S501)、データ解析部43は、パスワードをパスワード照合部49に出力する(S502)。
また、データ解析部43は、文書データを描画処理実行部44に送る。描画処理実行部44では、文書データにおける文字やイメージ等の各オブジェクトをページメモリ45に逐次展開するとともに、ページメモリ45に展開する際に符号化されたイメージデータに対するデータ復号化処理を行なう(S503)。そして、ページメモリ45に展開された文書データを記憶部46に格納する(S504)。
また、データ解析部43は、印刷モード指示信号と印刷指示信号とを出力制御部47に送る。出力制御部47は、印刷モード指示信号に基づいて、印刷モードがオンデマンドモードに指定されていると判断する(S505)。
そして、出力制御部47は、ユーザによる操作部48から所定の操作入力、例えばプリント指示入力が行なわれたか否かを判断する(S506)。ステップ506にて、操作部48から所定の操作入力が行なわれた場合に、出力制御部47は、表示部40にパスワードの入力を要求する表示を行なう(S507)。
そして、出力制御部47は、操作部48からパスワードの入力が行なわれたか否かを判断する(S508)。ステップ508にて、操作部48からパスワードの入力が行なわれた場合に、パスワード照合部49は、ステップ502にてデータ解析部43から取得したパスワードとの照合を行なう(S509)。
ステップ509にて、操作部48から入力されたパスワードとデータ解析部43から取得したパスワードとが一致した場合には、出力制御部47は、記憶部46から文書データを取得する(S511)。そして、出力制御部47は、文書データをプリンタエンジン70に送り、印刷処理を実行する(S512)。
一方、ステップ509にて、操作部48から入力されたパスワードとデータ解析部43から取得したパスワードとが一致しない場合には、出力制御部47は、表示部40にパスワードが一致しない旨の警告表示と、パスワードの再入力を要求する表示を行なう(S513)。そして、再度ステップ508〜510の処理が行なわれ、正しいパスワードが入力された場合に、ステップ511〜512により印刷処理が実行される。
なお、図11でのステップ403にて印刷モードが直接モードであると判断された場合には、プリンタ4でのデータ処理は、図9に示した処理フローが実行されることとなる。
ところで、本実施の形態のプリントシステム1では、パスワードを用いて認証処理を行なったが、ユーザが携帯するユーザ識別情報(ユーザID)等が記憶されたカード状記憶媒体(セキュリティカード)を用いた認証処理、ユーザの指紋等の生体的特徴情報を読み取る認証処理等を用いることもできる。
このように、本実施の形態のプリントシステム1においては、パスワードを用いたセキュリティプリントを併用することにより、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタ4に放置されることを厳格に回避することが可能となる。そのため、他人がそれを持ち去ったり、またはその内容が見られてしまうという事態の発生を殆ど生じなくすることが可能となる。
また、ユーザの都合の良い時に出力プリントを取りに行くことができるので、ユーザの利便性の向上を図ることもできる。
[実施の形態3]
実施の形態1、2では、ネットワーク環境下で複数のクライアントPC2がプリントサーバ3を介して1または複数のプリンタ4に接続された構成にて、クライアントPC2からプリンタ4での印刷処理を行なう場合について説明した。本実施の形態では、クライアントPC2とプリント機能を備えた画像形成装置とが1対1に接続された構成にて、クライアントPC2から画像形成装置での印刷処理を行なう場合について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図13は、本実施の形態のプリントシステム10の全体構成を示す図である。図13に示したプリントシステム10は、例えばユーザの作業スペース(例えば、デスク)等に設置された端末装置としてのクライアントPC(Personal Computer)2と、クライアントPC2からの文書データを印刷処理するプリント機能と、これに併合して複写機能とファクシミリ機能とを備えた画像形成装置としての複合機6とが1対1に接続されている。
本実施の形態のクライアントPC2は、実施の形態1のクライアントPC2と同様の構成を有している(図2参照)。
また、本実施の形態の複合機6は、通信部61、データ受信部62、データ解析部63、印刷モード判定部64、描画処理実行部65、ページメモリ66、出力制御部67、記憶部68、操作部69、プリンタエンジン70、複写機能部71、ファクシミリ機能部72を含んで構成されている。
通信部61は、クライアントPC2との通信を制御する。
データ受信部62は、クライアントPC2から送信されたデータを受信して、データ解析部63に出力する。データ受信部62は、データ取得部および情報取得部として機能する。
データ解析部63は、データ受信部62にて受信されたデータを受け取り、受け取ったデータの中の文書データやクライアントPC2にて付加された付加情報を解析する。そして、解析されたデータの中から文書データを描画処理実行部65に、解析されたデータの中から付加情報を印刷モード判定部64にそれぞれ出力する。
印刷モード判定部64は、データ解析部63から付加情報を受け取り、受け取った付加情報から印刷モードを判定し、判定された印刷モードの実行を指示する印刷モード指示信号を生成する。ここで、印刷モードの判定は、実施の形態1のプリントサーバ3における印刷モード判定部35と同様に行なう。そして、生成された印刷モード指示信号を出力制御部67に出力する。ここで、印刷モード判定部64は、印刷モード設定部として機能する。
描画処理実行部65は、データ解析部63から文書データを受け取り、文書データにおける文字やイメージ等の各オブジェクトをページメモリ66に逐次展開するとともに、ページメモリ66に展開する際に、符号化されたイメージデータに対するデータ復号化処理を行なう。
記憶部68は、文書データをそれぞれ文書データ毎に格納する複数の格納領域を備えており、ページメモリ66に展開された文書データを受け取って格納する。
出力制御部67は、記憶部68からプリンタエンジン70への文書データの送信や印刷処理の開始等を制御する。
操作部69は、例えば操作パネルで構成され、例えばユーザによる印刷指示入力を受け付ける。
プリンタエンジン70は、例えば電子写真方式からなる画像形成部で構成され、文書データを紙等の記録媒体に印刷する。
複写機能部71は、スキャナ等の画像読取装置(不図示)から送信された画像データに対して所定の処理を行ない、プリンタエンジン70での画像形成処理に用いられる画像データを生成する。そして、生成された画像データを出力制御部67に出力する。
ファクシミリ機能部72は、画像データを公衆回線を通じて送受信し、受信した画像データに対して所定の処理を行ない、プリンタエンジン70での画像形成処理に用いられる画像データを生成する。そして、生成された画像データを出力制御部67に出力する。
続いて、本実施の形態のプリントシステム10にて行なわれる印刷処理について説明する。
まず、クライアントPC2での処理を述べる。図14は、クライアントPC2での処理の流れを示したフローチャートである。図14に示したように、クライアントPC2では、ユーザが操作部24から2次記憶部23に記憶されている所定の文書データを指定して、かかる文書データについての印刷指示を行なうと(S601)、制御部21は、指定された文書データが記憶された2次記憶部23内の保存場所情報(フォルダ名情報)を付加情報として、文書データに付加する(S602)。
そして、文書データにフォルダ名情報が付加情報として付加されたデータを複合機6に送信する(S603)。
ここで、ステップ602にて文書データに付加する付加情報としては、印刷する文書データが保存されたフォルダはアクセス権が特定人に指定されたものであることを示すアクセス権情報や、文書データを印刷する複合機6が他の印刷ジョブを実行している場合に、その印刷ジョブが終了するまでの予測時間に対してユーザが待つことが可能な待ち時間情報とすることも可能である。
引き続いて、複合機6での処理を述べる。図15は、複合機6での処理の流れを示したフローチャートである。図15に示したように、複合機6では、クライアントPC2から文書データと保存場所情報(フォルダ名情報)とを取得すると(S701)、データ解析部63は、文書データを描画処理実行部65に送る。描画処理実行部65では、文書データにおける文字やイメージ等の各オブジェクトをページメモリ66に逐次展開するとともに、ページメモリ66に展開する際に符号化されたイメージデータに対するデータ復号化処理を行なう(S702)。そして、ページメモリ66に展開された文書データを記憶部68に格納する(S703)。
また、データ解析部63は、保存場所情報(フォルダ名情報)を印刷モード判定部64に送り、印刷モード判定部64は、フォルダ名情報に基づいて、印刷モードを判定する(S704)。そして、印刷モード判定部64は、印刷モードを指示する印刷モード指示信号を生成する。さらに、印刷モード判定部64は、印刷モード指示信号を出力制御部67に送る。
出力制御部67は、印刷モード指示信号に基づいて、印刷モードが直接モードに指定されているか否かを判断する(S705)。
ステップ705にて、直接モードに指定されていると判断した場合には、出力制御部67は、直ちに記憶部68から文書データを取得する(S706)。そして、文書データをプリンタエンジン70に送り、印刷処理を実行する(S707)。
ステップ705にて、直接モードに指定されていない、すなわちオンデマンドモードに指定されていると判断した場合には、出力制御部67は、ユーザによる操作部69からの所定の操作入力、例えばプリント指示入力が行なわれたか否かを判断する(S708)。ステップ708にて、操作部69から所定の操作入力が行なわれた場合に、出力制御部67は、記憶部68から文書データを取得する(S706)。そして、文書データをプリンタエンジン70に送り、印刷処理を実行する(S707)。
このように、クライアントPC2と複合機6とが1対1に接続されて構成された、本実施の形態のプリントシステム10においても、印刷する文書データが機密性の高いデータが格納されたフォルダに保存されていたものである場合等には、複合機6に対して指定する印刷モードを自動的にオンデマンドモードに設定することで、機密性の高い文書データ等が誤って直接モードで出力されることを抑制することができる。そのため、例えば複合機6において、ユーザが印刷指示を行なった時点で、複写機能部71による複写動作が行なわれていたり、ファクシミリ機能部72からの画像データの印刷処理が行なわれていたとしても、実施の形態1の場合と同様に、機密性の高い文書等が長時間に亘ってプリンタ4に放置されることで、他人がそれを持ち去ったり、またはその内容が見られてしまうという事態を回避することが可能となる。
なお、本実施の形態のプリントシステム10においても、パスワード等を用いたセキュリティプリントを併用することも可能である。
本発明のプリントシステムの全体構成を示す図である。 クライアントPCの機能構成を説明するブロック図である。 プリントサーバの機能構成を説明するブロック図である。 プリンタの機能構成を説明するブロック図である。 クライアントPCでの処理の流れを示したフローチャートである。 プリントサーバでの処理の流れを示したフローチャートである。 モード判定テーブルの一例を示した図である。 モード判定テーブルの他の一例を示した図である。 プリンタでの処理の流れを示したフローチャートである。 プリンタの機能構成を説明するブロック図である。 クライアントPCとプリントサーバとの間で行なわれる処理の手順を示すフローチャートである。 プリンタでの処理の流れを示したフローチャートである。 本発明のプリントシステムの全体構成を示す図である。 クライアントPCでの処理の流れを示したフローチャートである。 プリンタでの処理の流れを示したフローチャートである。
符号の説明
1,10…プリントシステム、2(2A〜2C)…クライアントPC(Personal Computer)、3…プリントサーバ、4(4A〜4C)…プリンタ、5…ネットワーク、6…複合機、21…制御部、22…メモリ部、23…2次記憶部(HDD)、24,48,69…操作部、25,40…表示部、26,31,41,61…通信部、32,42,62…データ受信部、33,43,63…データ解析部、34…文書データ蓄積部、35,64…印刷モード判定部、36…プリンタ特定部、37…データ送信部、44,65…描画処理実行部、45,66…ページメモリ、46,68…記憶部(HDD)、47,67…出力制御部、49…パスワード照合部、70…プリンタエンジン

Claims (13)

  1. 文書データを作成または保存する端末装置と当該端末装置に接続された印刷装置とを具備するプリントシステムであって、
    文書データを印刷装置にて印刷する際に印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を生成する情報生成手段と、
    前記情報生成手段にて生成された前記待ち時間情報に基づいて、前記印刷装置での印刷モードを、直ちに前記文書データの印刷処理を実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として当該文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定するモード設定手段とを備え
    前記モード設定手段は、前記印刷装置から現在実行されている印刷処理が終了するまでの予測時間に関する情報を取得し、当該予測時間が前記待ち時間情報に設定された時間よりも短い場合には前記第1モードに設定し、当該予測時間が当該待ち時間情報に設定された時間以上の場合には前記第2モードに設定することを特徴とするプリントシステム。
  2. 前記モード設定手段は、前記情報生成手段にて生成された前記情報と前記印刷モードとを対応付けたテーブルを有し、当該テーブルを用いて当該印刷モードの設定を行なうことを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
  3. 前記モード設定手段により設定された前記印刷モードに関する情報を前記端末装置に出力するモード情報出力手段をさらに備え、
    前記端末装置は、当該印刷モードに関する情報を表示することを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載のプリントシステム。
  4. 前記端末装置は、前記モード情報出力手段から前記印刷モードに関する情報を受けた場合に、当該印刷モードの変更を指示する印刷モード変更指示手段を備えたことを特徴とする請求項記載のプリントシステム。
  5. 前記情報生成手段が、さらに、前記文書データが保存されたフォルダに付された名称を表す情報、および/または当該文書データにアクセス権が設定されているか否かの情報を当該文書データの機密性に関する情報として生成し、
    前記モード設定手段が、前記待ち時間情報および前記機密性に関する情報に基づいて、前記第1モードと、前記第2モードとのいずれかを設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリントシステム。
  6. 前記モード設定手段により前記第2モードが設定された場合に、前記ユーザが前記文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう認証手段をさらに備え、
    前記印刷装置は、前記認証手段により前記ユーザの正当性が認証されたことを条件として、前記文書データの印刷処理を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリントシステム。
  7. 前記端末装置と前記印刷装置とは、ネットワーク環境下にてサーバを介して接続されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプリントシステム。
  8. 端末装置からの文書データを当該端末装置に接続された印刷装置にて印刷する際のプリント方法であって、
    文書データを印刷装置にて印刷する際に印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を生成する情報生成ステップと、
    前記印刷装置から現在実行されている印刷処理が終了するまでの予測時間に関する情報を取得するステップと、
    前記印刷装置での印刷モードを、前記予測時間が前記待ち時間情報に設定された時間よりも短い場合には、直ちに前記文書データの印刷処理を実行する第1モードに設定し、当該予測時間が当該待ち時間情報に設定された時間以上の場合には、ユーザによる所定の入力を条件として当該文書データの印刷処理を実行する第2モードに設定するモード設定ステップと
    を含むことを特徴とするプリント方法。
  9. 前記モード設定ステップにより前記第2モードが設定された場合に、前記ユーザが前記文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう認証ステップをさらに含むことを特徴とする請求項記載のプリント方法。
  10. 前記モード設定ステップにより設定された前記印刷モードに関する情報を前記端末装置に出力するモード情報出力ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8または9のいずれか一項に記載のプリント方法。
  11. コンピュータに印刷装置での印刷動作を制御させる際に用いられるプログラムであって、
    前記印刷装置での印刷処理の対象となる文書データを取得する機能と、
    前記文書データの印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を取得する機能と、
    前記印刷装置から現在実行されている印刷処理が終了するまでの予測時間に関する情報を取得する機能と、
    前記印刷装置での印刷モードを、前記予測時間が前記待ち時間情報に設定された時間よりも短い場合には、直ちに前記文書データの印刷処理を実行する第1モードに設定し、当該予測時間が当該待ち時間情報に設定された時間以上の場合には、ユーザによる所定の入力を条件として当該文書データの印刷処理を実行する第2モードに設定する機能と
    をコンピュータに実現させるプログラム。
  12. 前記ユーザが前記文書データの印刷物を受け取る正当性を有するか否かの認証処理を行なう機能をさらに備えたことを特徴とする請求項11記載のプログラム。
  13. 文書データを取得するデータ取得部と、
    前記文書データの印刷処理の完了を待つことが可能な時間に関する待ち時間情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部にて取得された前記待ち時間情報に基づいて、前記データ取得部にて取得した前記文書データの印刷処理を直ちに実行する第1モードと、ユーザによる所定の入力を条件として当該文書データの印刷処理を実行する第2モードとのいずれかに設定する印刷モード設定部とを備え
    前記印刷モード設定部は、印刷装置から現在実行されている印刷処理が終了するまでの予測時間に関する情報を取得し、当該予測時間が前記待ち時間情報に設定された時間よりも短い場合には前記第1モードに設定し、当該予測時間が当該待ち時間情報に設定された時間以上の場合には前記第2モードに設定することを特徴とする印刷装置。
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