JP4708799B2 - 作業車両のフロントpto構造 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタ等の作業車両のフロントPTO構造に関し、より詳細には、ベルトテンション式のクラッチ機構を構成する部材の取付構造に関する。
従来、エンジン前方に突設されたエンジンの出力軸とPTO軸とがクラッチ機構を介して接続され、エンジン駆動をPTO軸に伝達させるフロントPTO構造が公知となっている。このクラッチ機構によって、エンジンからPTO軸に伝達されるエンジン駆動が切換操作され、機体下側若しくは後側に配設された作業機が駆動される。
フロントPTO構造として、一組のプーリに巻回されたベルトに当接するテンションローラを揺動させて、ベルトのテンションを切り換えるベルトテンション式のクラッチ機構を備えたものが公知となっている。一般的に、このベルトテンション式のクラッチ機構は、テンションローラを備えたテンションアームがリンク機構を介してワイヤによって揺動操作される。近年のフロントPTO構造は、フロントPTO構造をよりコンパクトにし、又はリンク効率を高めて作動効率を向上させる等の観点から、このクラッチ機構を改良した構成が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、図7及び図8を参照して、従来のフロントPTO構造116の詳細を説明する。従来のフロントPTO構造116は、エンジン103の前方から出力軸112が突出され、エンジン103の下方であって出力軸112と略平行に配設されたPTO軸113に、ベルトテンション式のクラッチ機構120を介してエンジン駆動が伝達されるように構成される。具体的には、出力軸112の端部に固定されたPTOプーリ117と、PTO軸113の端部に固定されたカウンタプーリ118と、PTOプーリ117及びカウンタプーリ118に巻回されたVベルト119と、及びクラッチ機構120等とで構成されている。クラッチ機構は、ベルト119に当接されるテンションローラ121を備えてなるテンションアーム122と、テンションアーム122をワイヤ123に接続するリンク機構124等とで構成されている。
リンク機構124は、図示せぬフロントアクスルの前面に配設された固定プレート126に形成され、ワイヤ123によって回動自在に操作される原動リンク130と、原動リンク130をテンションアーム122に接続する中間リンク132等とが備えられている。原動リンク130は、枢支ボルト134によって揺動自在に支持され、正面視において上縁部に中間リンク132が枢結され、下縁部にワイヤ123がテンションスプリング131を介して連結される。また、この原動リンク130には、中間リンク132の下方に戻しばね133が枢結され、原動リンク130を一定方向に付勢している。
特開平7−47861号公報 特開平8−226505号公報
しかしながら、従来のフロントPTO構造116は、ワイヤ123は、支持部123aが固定プレート126に別体として形成されたステー136に支持されていた。また、戻しばね133は、固定プレート126及び機体前方に取り付けられたクラッチ機構20等を囲繞するベルトカバー128の間に固設された支持ブラケット150に係合されていた。そのため、ワイヤ123若しくは戻しばね133を配設するために、クラッチ機構20にステー136や支持ブラケット150等の別部材を取り付ける必要があり、フロントPTO構造116を構成する部品点数が多く、そのため組立工程が煩雑であり、ひいては製造コストが増大していた。
そこで、本発明においては、作業車両のフロントPTO構造に関し、前記従来の課題を解決するもので、部品点数を少なくして、製造及び組み立ての簡易化を図ることを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジン(3)の出力軸(12)とPTO軸(13)とがベルト(19)を介して接続され、該エンジン(3)からの動力伝達を切り換えるベルトテンション式のクラッチ機構(20)が設けられた作業車両のフロントPTO構造(16)において、該クラッチ機構(20)は、フロントアクスル(14)の前面に配設された固定プレート(26)に支持して形成され、該ベルト(19)に当接して緊張するテンションローラ(21)が枢支されたテンションアーム(22)を、操作用ワイヤ(23)によって揺動操作するリンク機構(24)を構成し、該リンク機構(24)は、該操作用ワイヤ(23)と、前記操作用ワイヤ(23)によって揺動自在に操作される原動リンク(30)と、前記操作用ワイヤ(23)と原動リンク(30)との間に介設されるテンションスプリング(31)と、前記原動リンク(30)をテンションアーム(22)に接続する中間リンク(32)と、前記原動リンク(30)を元位置(A)に復帰するように付勢する戻しばね(33)により構成し、前記操作用ワイヤ(23)は、該テンションスプリング(31)との係止部近傍の端部に支持部(23a)を形成し、前記固定プレート(26)の一端を略垂直に屈曲させ、機体前方に突出して形成されたステー(36)に、該支持部(23a)を支持させ、前記リンク機構(24)を構成する原動リンク(30)は、枢支ボルト(34)を中心として揺動自在に枢支され、前記原動リンク(30)を一定方向に付勢する戻しばね(33)の一端部が、前記原動リンク(30)に枢結され、該戻しばね(33)の他端部は、前記ベルト(19)の前方を覆うようにして取り付けられるベルトカバー(28)の固定ボルト(39)に係合されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す如く、エンジン(3)の出力軸(12)とPTO軸(13)とがベルト(19)を介して接続され、該エンジン(3)からの動力伝達を切り換えるベルトテンション式のクラッチ機構(20)が設けられた作業車両のフロントPTO構造(16)において、該クラッチ機構(20)は、フロントアクスル(14)の前面に配設された固定プレート(26)に支持して形成され、該ベルト(19)に当接して緊張するテンションローラ(21)が枢支されたテンションアーム(22)を、操作用ワイヤ(23)によって揺動操作するリンク機構(24)を構成し、該リンク機構(24)は、該操作用ワイヤ(23)と、前記操作用ワイヤ(23)によって揺動自在に操作される原動リンク(30)と、前記操作用ワイヤ(23)と原動リンク(30)との間に介設されるテンションスプリング(31)と、前記原動リンク(30)をテンションアーム(22)に接続する中間リンク(32)と、前記原動リンク(30)を元位置(A)に復帰するように付勢する戻しばね(33)により構成し、前記操作用ワイヤ(23)は、該テンションスプリング(31)との係止部近傍の端部に支持部(23a)を形成し、前記固定プレート(26)の一端を略垂直に屈曲させ、機体前方に突出して形成されたステー(36)に、該支持部(23a)を支持させたので、ワイヤの支持部材(ステー)を固定プレートに別部材として取り付ける場合と比べて、フロントPTO構造を構成する部材の部品点数を少なくでき、製造工程や組立工程を簡略化して、製造コストを低減できる。
また、ステーは、固定プレートと一体として形成されるため、上下方向の曲げ強度が高く、取付位置がズレたり外れたりすることがないため、ワイヤを確実に支持でき、クラッチ機構の操作性を向上できる。
また、前記リンク機構(24)を構成する原動リンク(30)は、枢支ボルト(34)を中心として揺動自在に枢支され、前記原動リンク(30)を一定方向に付勢する戻しばね(33)の一端部が、前記原動リンク(30)に枢結され、該戻しばね(33)の他端部は、前記ベルト(19)の前方を覆うようにして取り付けられるベルトカバー(28)の固定ボルト(39)に係合されるので、戻しばねの支持ブラケット等を固定プレートに別部材として取り付ける場合と比べて、フロントPTO構造を構成する部材の部品点数を少なくでき、製造工程や組立工程を簡略化して、製造コストを低減できる。また、固定ボルトは、固定プレートに直接に植設されるため、戻しばねを確実に支持でき、クラッチ機構の操作性を向上できる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明に係るフロントPTO構造を備えてなるトラクタの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく図1の正面図、図3はフロントPTO構造の正面図、図4はフロントPTO構造の側面図、図5はクラッチ機構及びリンク機構の詳細を表す正面図、図6はクラッチ機構の操作状態を表す図5の状態図、図7は従来のフロントPTO構造の正面図、及び図8は同じく図7の側面図である。
まず、トラクタ1の全体構成について、以下に概説する。図1及び図2に示すように、本実施例に係るフロントPTO構造16を備えた作業車両としてのトラクタ1は、機体フレーム2の前方にエンジン3が配設され、このエンジン3はボンネット4によって上方が覆われている。トラクタ1の腹部であって機体フレーム2の前後略中央部には、モア5が上下昇降可能に配設され、機体フレーム2の後方には、集草容器6が配設され、モア5によって刈り取られた刈芝が集草容器6に搬送される。機体フレーム2の前下面には、フロントアクスル14が左右方向に横設され、フロントアクスル14の左右両端には、図示せぬフロントアクスルケースが配設されて前輪15・15が支持されている。
エンジン3の後部に操作部7が配設され、操作部7の前方にハンドル8が突設され、後方に運転席9が配設されている。ハンドル8の近傍に各種レバーが突設され、運転席9の側方には、PTOクラッチレバー10が機体前後方向に揺動可能に配設され、PTOクラッチレバー10を揺動操作することで、モア5の駆動が切換操作される。
エンジン3からの動力は、図示せぬ変速装置を介して後輪11・11に伝達され、後輪11・11が回転駆動されるとともに、エンジン3のフライホイール3aの前方から出力軸12が突出され、エンジン3の下方であって出力軸12と略平行に配設されたPTO軸13に、ベルトテンション式のクラッチ機構20を介して伝達される。PTO軸13の後端部は、図示せぬユニバーサルジョイント等を介してモア5のギアボックスに接続され、PTO軸13が駆動されることによって、モア5のロータリ刃5aが駆動されて芝草が刈り取られる。
次に、フロントPTO構造16について、以下に詳述する。図3乃至図5に示すように、エンジン3の前方にフロントPTO構造16が構成されている。フロントPTO構造16は、前記出力軸12の前端に固設されたPTOプーリ17と、PTO軸13の前端に固設されたカウンタプーリ18と、PTOプーリ17及びカウンタプーリ18に巻回されたVベルト19と、PTOプーリ17及びカウンタプーリ18の間に構成され、ベルト19のテンションを切り換えるベルトテンション式のクラッチ機構20等とで構成されている。
フロントPTO構造16は、機体前面であって、エンジン3(フライホイール3a)の前面及びフロントアクスル14の前面に配設された固定プレート26の前方に配設されるとともに、上方がボンネット4に覆われ、前方がロアカバー27及びベルトカバー28に覆われている。このように、フロントPTO構造16は、エンジン3の前方であってボンネット4等によって囲繞された空間内に構成されている。また、固定プレート26は、正面視略コ字状に形成され、フライホイール3aが障害とならないように開口部を上方に向けて、機体フレーム2及びフロントアクスル14の前面に固設されている。
エンジン3の出力軸は正面視において、機体左右中央でセンターピン25の略上方に配置されている。PTO軸13は、正面視において、エンジン3の出力軸12の下方であって機体の左右中心より右側に、固定プレート26を機体前後方向に貫通して配設される。PTOプーリ17及びカウンタプーリ18は、略同一平面上に位置するように固設され、ベルト19が、正面視において斜めに巻回される。出力軸12の直下方であってフロントアクスル14の左右方向の略中心には、センターピン25が配設されている。このように、PTO軸13を、出力軸12の直下方ではなく、出力軸12の下方であって機体の左右中心より右側に配設することによって、クラッチ機構20のフロントPTO構造16を上下方向にコンパクト化することができる。
クラッチ機構20は、ベルトテンション式に構成され、すなわち、前記PTOクラッチレバー10の操作に連動してベルト19のテンションが変更されて、エンジン3からPTO軸13への動力伝達が切り換えられるように構成されている。具体的には、ベルト19に当接されるテンションローラ21を備えたテンションアーム22と、テンションアーム22をワイヤ23によって揺動操作するリンク機構24等とで構成されている。テンションアーム22及びリンク機構24は、固定プレート26の前面に配設されている。
テンションアーム22は、PTO軸13(カウンタプーリ18)の上方であって、ベルト19よりも機体右側に配設される。このテンションアーム22は、略矩形の長板状に形成され、一端部にテンションローラ21が回動自在に取り付けられ、テンションローラ21がベルト19の側面に当接するように構成されている。一方で、テンションアーム22は、他端部が固定プレート26に固設された枢支ボルト29に枢支されて、揺動自在とされている。また、テンションアーム22の機体外側の一辺が、テンションローラ21及び枢支ボルト29と間で凸状に形成され、かかる一辺の凸部にリンク機構24を構成する中間リンク32の端部が枢支ピン41によって枢支されている。
リンク機構24は、前記PTOクラッチレバー10及びテンションアーム22を、ワイヤ23を介して接続し、PTOクラッチレバー10の操作に連動してテンションアーム22を揺動させるように構成されている。このリンク機構24は、ワイヤ23によって揺動自在に操作される原動リンク30と、ワイヤ23と原動リンク30との間に介設されるテンションスプリング31と、原動リンク30をテンションアーム22に接続する中間リンク32と、原動リンク30を元位置(A)(図5参照)に復帰するように付勢する戻しばね33等とから構成されている。
原動リンク30は、正面視略L字状に形成され、エンジン3の前下方であって機体左側に配設され、上端部30aが固定プレート26に固設された枢支ボルト34に枢支されて揺動自在とされている。また、枢支ボルト34が枢支された端部30aと逆側の下側の中途部30bには、テンションスプリング31の端部と中間リンク32の端部とが枢支されている。枢支ボルト34は、出力軸12に近接して固定プレート26に固定され、出力軸12の斜め左下方に配置されている。ここで、ベルト19にテンションがかけられていない状態(クラッチ切り状態)での原動リンク30の位置を元位置(A)とすると、原動リンク30が元位置(A)にあるときは、中途部30bは、枢支ボルト34から略直下に垂下するように配設される。そして、中途部30bには、原動リンク30が元位置(A)にあるときの機体外側の他端位置に取付孔30cが穿設され、取付孔30cにテンションスプリング31の端部が係止されるとともに、機体内側の中途部30b位置に固定ピン35が挿通されて、中間リンク32の端部と一体として枢結されている。
テンションスプリング31は、枢支ボルト34の外側であって、エンジン3のフライホイール3aの外周より外側であって機体左側に配設され、端部が原動リンク30の取付孔30cに係止され、他端部がワイヤ23の端部と係止される。このテンションスプリング31は、ワイヤ23を原動リンク30に接続するもので、ワイヤ23によってリンク機構24が急操作されたり、操作の際に高負荷がかかったりしても、テンションスプリング31が伸縮することで、クラッチ操作を安定して行うことができる。
ワイヤ23は、一端部がテンションスプリング31に係止され、他端部がエンジン3の上方に向けてボンネット4等の機体内側を延設されて、前記PTOクラッチレバー10に接続されている。すなわち、ワイヤ23は、テンションスプリング31を介して原動リンク30に接続され、原動リンク30及びテンションスプリング31から、エンジン3のフライホイール3aの側方を通って、略垂直方向に延出されている。そして、ワイヤ23は、PTOクラッチレバー10が操作されることによって、ボンネット4内部においては上下方向に移動される(図1及び図3参照)。
ここで、ワイヤ23は、テンションスプリング31との係止部近傍の端部に支持部23aが形成され、支持部23aが前記固定プレート26の一端を略垂直に屈曲させて機体前方に突出して形成されたステー36に支持される。この支持部23aは、後述するアウター37・40の間に上下方向に取付用のボルト42・42が嵌挿されている。ステー36は、固定プレート26に一体的に形成されており、エンジン3のフライホイール3aの外側であって、原動リンク30の枢支ボルト34よりも上方に形成されるように、上下方向に垂直に配設された固定プレート26の左方の上端部が機体前方に突出するように屈曲して形成されている。
このステー36の略中央部には、取付孔36aが穿設され、ワイヤ23は、この取付孔36aに挿通されて、ボルト42・42が上下方向からネジ締められてアウター37・40が支持固定される。ワイヤ23は、ステー36によって、クラッチ切り状態のテンションアーム22と略平行であって、原動リンク30から略垂直方向に施設されてエンジン3の上方へと延出されるように支持される。なお、支持部23aのステー36への支持方法は、特に限定するものではなく、また、ステー36に支持部23aが支持された状態において、ステー36を中心として前後左右方向にある程度変位できるように構成される。
このように、クラッチ機構20において、ワイヤ23を、固定プレート26の一端を機体前方に屈曲させて形成されたステー36に取り付けるように構成することで、ワイヤ23の支持部材を別部材として設ける必要がない。そのため、従来のように、ワイヤ23の支持部材(ステー)を固定プレート26に別部材として取り付ける場合と比べて、フロントPTO構造16を構成する部材の部品点数を少なくでき、製造工程や組立工程を簡略化して、製造コストを低減できる。また、ステー36は、固定プレート26と一体として形成されるため、上下方向の曲げ強度が高く、取付位置がズレたり外れたりすることがない。そのため、PTOクラッチレバー10が操作されてワイヤ23が上下方向に移動されても、ワイヤ23を支持部23aにおいて確実に支持でき、クラッチ機構20の操作性が向上する。
なお、ステー36の形成箇所は、上述したように、略コ字状に形成された固定プレート26の端部を屈曲させて形成する場合に限定されない。ただし、固定プレート26の端部を屈曲させる場合には、かかる端部を機体前方に屈曲させるだけでよく、ステー36の形成が容易である点で好ましい。
また、ワイヤ23には、支持部23aとテンションスプリング31との間、及び、支持部23aとPTOクラッチレバー10との間に、アウター37・40が取り付けられている。アウター37・40は、ワイヤ23の表面を覆うようにして設けられており、アウター37は、蛇腹状に形成されて伸縮自在とされ、ワイヤ23の上下移動に連動して伸縮される。そして、このアウター37は、支持部23aがステー36に取り付けられた状態で、蛇腹面の端面37aが略鉛直の下向きとなるように構成される。このような構成とすることで、ワイヤ23に付着した水や泥等が、ワイヤ23を伝って、アウター37内部にまで侵入するのを効果的に防止できる。
このように、ワイヤ23は、エンジン3を中心としてテンションアーム22と対向し、これと略平行に配設されるとともに、エンジン3の近傍に構成された原動リンク30から略垂直方向に施設され、ステー36によって支持部23aが固定されながらエンジン3上方へと延出されて、PTOクラッチレバー10に接続されている。このような構成とすることで、ワイヤ23やリンク機構24等の等のクラッチ機構20を構成する部材が、フロントアクスル14やエンジン3下端よりも上方に配置されるため、機体下方の障害物に当接して損傷するのを防止できる。また、ワイヤ23をエンジン3上方へと延設することによって、ワイヤ23の曲げ半径を大きく確保して曲げによる疲労破壊を低減し、短くすることができるため、PTOクラッチレバー10によるクラッチ操作が容易となり、操作性が向上されるとともに、ボンネット4内の配置構成の自由度を向上できる。
中間リンク32は、テンションアーム22と原動リンク30とを連動連結し、一端部が、ベルト19の右側に位置するテンションアーム22に枢支ピン41によって枢支され、このテンションアーム22から斜下方にベルト19を交差して、他端部が、ベルト19の左側に位置する原動リンク30に枢支されている。中間リンク32の各端部は、テンションアーム22及び原動リンク30に対して揺動自在とされており、特に、原動リンク30との接続部においては、上述のように、固定ピン35が挿通されて、中間リンク32と原動リンク30とが一体として枢支される。中間リンク32、原動リンク30、及びテンションアーム22は、クラッチ切り状態で、正面視略Z字状となるように接続されている。
戻しばね33は、原動リンク30に係合されて、原動リンク30が元位置(A)に復帰するように、すなわちテンションアーム22がクラッチ切り状態に復帰するように付勢するように構成される。具体的には、戻しばね33は、原動リンク30の側方であって、ベルト19及び中間リンク32の下方に配設され、一端部が、原動リンク30(及び中間リンク32の端部)に挿通された固定ピン35に係合され、他端部が、カウンタプーリ18に巻回されたベルト19の前面を覆うように取り付けられたベルト押えカバー38の固定ボルト39に係合されている。
ベルト押えカバー38は、カウンタプーリ18に巻回されたベルト19がクラッチ「切」時に外れないように、このカウンタプーリ18の略中心部を横切るようにして、前面を覆うように配設される。ベルト押えカバー38の端部38aは、固定プレート26の前面であって、原動リンク30に近い側のカウンタプーリ18の側方に、固定ボルト39によって螺設される。この固定ボルト39は、固定プレート26側の端部のナット43によって位置決め固定されている。そして、本実施例における固定ボルト39は、ネジ部39aが長く、機体前方に突出するようにして固定プレート26に植設され、このネジ部39aに、前記戻しばね33の他端部が係合されている。
このように、戻しばね33の他端部を、フロントPTO構造16の構成する部品であって、ベルト押えカバー38を固定プレート26に螺設するための固定ボルト39のネジ部39aに係合させるように構成することで、支持ブラケット等の別部材を設ける必要がない。そのため、従来のように、戻しばね33の支持ブラケットを固定プレート26に別部材として取り付ける場合と比べて、フロントPTO構造16を構成する部材の部品点数を少なくでき、製造工程や組立工程を簡略化して、製造コストを低減できる。また、固定ボルト39は、固定プレート26に直接に植設されるため、リンク機構24において、原動リンク30が元位置(A)から揺動されて、戻しばね33が伸縮されても、この戻しばね33を確実に支持でき、クラッチ機構20の操作性を向上できる。
なお、固定ボルト39は、ネジ部39aの長いものが用いられるが、その形状等は特に限定されるものではなく、汎用されるボルトの中から、固定プレート26の前面から突出するように植設可能なものを採用することができる。
本実施例におけるリンク機構24は、正面視においてセンターピン25を通る略水平の直線L1よりも上方に位置するように構成されるとともに、ワイヤ23は、正面視においてエンジン3と重なるように構成される。フロントPTO構造16は、ボンネット4等に囲繞された制限された空間に構成されるものであり、このような構成とすることで、フロントPTO構造16を構成する部材の内でも、特に、ワイヤ23及びリンク機構24の締めるスペースを分散させて、全体としてコンパクト化を図ることができる。すなわち、具体的には、リンク機構24をセンターピン25より上方に位置させることによって、フロントアクスル14の前方スペースを確保できるため、車高を低くできるとともに、ボンネット4やロアカバー27等を小さくして運転席9からの視界を確保できる。
なお、リンク機構24は、原動リンク30等の部材がエンジン3のフライホイール3aより外側に位置するように、各部材が正面視においてフライホイール3aと重ならないように構成されるのが好ましい。このような構成とすることで、リンク機構24を取り外すことなくフライホイール3aを着脱でき、メンテナンスの際の作業性が向上される。
本実施例に係るフロントPTO構造16におけるクラッチ機構20の動きを、以下に説明する。図5及び図6に示すように、クラッチ機構20がクラッチ切り状態にある場合は、テンションアーム22のテンションローラ21によってベルト19にテンションがかけられておらず、原動リンク30は元位置(A)において停止される(図5参照)。かかる状態から、PTOクラッチレバー10が操作されると、ワイヤ23が上方に移動され、テンションスプリンク31が伸長されながら、原動リンク30が元位置(A)にある状態から枢支ボルト34を中心に上方(図5において左周り)に揺動され始める。原動リンク30が揺動されると、これに連動して、中間リンク32を介して枢支ボルト29を中心にテンションアーム22が下方(図6において右周り)に揺動され、テンションローラ21が側面からベルト19を押圧して、ベルト19が緊張され、PTO軸13に動力が伝達されるように構成されている(図6参照)。
一方、PTOクラッチレバー10が操作されて、クラッチ機構20がクラッチ切り状態へ切り換えられる場合には、ワイヤ23が下方に移動され、原動リンク30及びテンションアーム22がそれぞれ上述した方向とは逆方向に揺動されて、ベルト19の緊張が弛められて、PTO軸13への動力伝達が断たれるように構成されている。このようにして、クラッチ機構20は、出力軸12からPTO軸13への動力伝達を切り換えるように構成されている。
なお、クラッチ機構20がクラッチ入り状態に切り換えられて、原動リンク30が揺動されると、原動リンク30の固定ピン35に係合された戻しばね33が徐々に伸長される(図5及び図6参照)。この戻しばね33によって、クラッチ機構20がクラッチ切り状態となるように、すなわち、原動リンク30が元位置(A)に復帰する方向に付勢されている。このように戻しばね33を設けることによって、クラッチ入り状態に切り換えた場合に、モア5が急操作されるのを防止することができる。
本発明に係るフロントPTO構造を備えてなるトラクタの全体的な構成を示した側面図。 同じく図1の正面図。 フロントPTO構造の正面図。 フロントPTO構造の側面図。 クラッチ機構及びリンク機構の詳細を表す正面図。 クラッチ機構の操作状態を表す図5の状態図。 従来のフロントPTO構造の正面図。 同じく図7の側面図。
1 トラクタ
3 エンジン
12 出力軸
13 PTO軸
16 フロントPTO構造
19 ベルト
20 クラッチ機構
21 テンションローラ
22 テンションアーム
23 ワイヤ
24 リンク機構
26 固定プレート
36 ステー

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  1. エンジン(3)の出力軸(12)とPTO軸(13)とがベルト(19)を介して接続され、該エンジン(3)からの動力伝達を切り換えるベルトテンション式のクラッチ機構(20)が設けられた作業車両のフロントPTO構造(16)において、該クラッチ機構(20)は、フロントアクスル(14)の前面に配設された固定プレート(26)に支持して形成され、該ベルト(19)に当接して緊張するテンションローラ(21)が枢支されたテンションアーム(22)を、操作用ワイヤ(23)によって揺動操作するリンク機構(24)を構成し、該リンク機構(24)は、該操作用ワイヤ(23)と、前記操作用ワイヤ(23)によって揺動自在に操作される原動リンク(30)と、前記操作用ワイヤ(23)と原動リンク(30)との間に介設されるテンションスプリング(31)と、前記原動リンク(30)をテンションアーム(22)に接続する中間リンク(32)と、前記原動リンク(30)を元位置(A)に復帰するように付勢する戻しばね(33)により構成し、前記操作用ワイヤ(23)は、該テンションスプリング(31)との係止部近傍の端部に支持部(23a)を形成し、前記固定プレート(26)の一端を略垂直に屈曲させ、機体前方に突出して形成されたステー(36)に、該支持部(23a)を支持させ、前記リンク機構(24)を構成する原動リンク(30)は、枢支ボルト(34)を中心として揺動自在に枢支され、前記原動リンク(30)を一定方向に付勢する戻しばね(33)の一端部が、前記原動リンク(30)に枢結され、該戻しばね(33)の他端部は、前記ベルト(19)の前方を覆うようにして取り付けられるベルトカバー(28)の固定ボルト(39)に係合されることを特徴とする作業車両のフロントPTO構造。
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