JP4708234B2 - 医療用複室容器 - Google Patents

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Description

本発明は、剥離可能な仕切部により複数の薬剤室に区分されるとともに、各薬剤室に薬剤が充填された用事混合可能な医療用複室容器に関する。
薬剤の中には、あらかじめ配合すると経時的変化を起こしやすい不安定な薬剤がある。例えば、患者に必要な栄養成分を非経口的に投与する輸液剤では、アミノ酸液とブドウ糖液を同時に投与することが広く行われているが、あらかじめアミノ酸液とブドウ糖液を配合して一製剤とした場合、保存時の経時的変化、あるいは滅菌処理時などの加熱で発生するメイラード反応によって混合液が着色(褐変)することが知られている。また、カルシウム化合物はリン酸化合物との共存下では、酸性では安定であるが、pHが上昇するとリン酸カルシウムの沈殿を生じることが知られている。このような薬剤を患者に投与する場合、混合前の成分を個別に収納する医療用複室容器を用い、隔壁を剥離することにより投与直前に混合してから投与するようになってきている。
しかしながら、医療用複数容器は排出口側の収納部に液剤を収納している場合が多く、この場合、隔壁を剥離せずに排出口から薬剤を投与してしまう虞がある。
このため、確実に各収納部に収納されている薬剤を混合した後に患者に投与することを保証し、薬剤を誤って混合しないで患者に投与する事故を確実に防止する方法が工夫されている。例えば、特開2002−136570号公報(特許文献1)のように薬剤排出口と薬剤を収納する分室との間を区切る隔壁である仕切り用弱シール部を備える複室容器が提案されている。
特開2002−136570号公報
特許文献1に示すものでは、作業者にとって、仕切部を剥離して2つの薬剤室を連通させる必要があることを認識しにくく、連通させる操作に慣れる迄試行錯誤を要するものである。また、作業者によってはその連通作業方法を不明と認識してしまうことも起こりうる。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、操作者に2つの薬剤室の連通混合と、容器に備えられた連通阻害部の剥離の必要性を喚起し、かつ、操作者に2つの薬剤室と、連通阻害部の的確な連通操作方法を示唆することができる医療用複室容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
) 可撓性材料により作製され、内部空間が剥離可能な仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された軟質バッグと、該第1の薬剤室の下端部と連通する排出ポートと、該第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、該第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、該第1の薬剤室と該排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部とを備える医療用複室容器であって、前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を圧迫することにより、ワンアクションで前記仕切部、前記連通阻害部の順で剥離するものであり、かつ、前記第2の薬剤室の表面には、前記仕切部の剥離のための圧迫操作を促す表示が設けられており、前記第1の薬剤室の表面には、前記圧迫操作を促す表示が設けられておらず、かつ前記圧迫操作を促す表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に圧迫することを促す表示となっている医療用複室容器。
(2) 前記第2の薬剤室には、前記第1の薬剤室より多い量の薬剤が充填されており、前記医療用複室容器は、前記第1の薬剤室の圧迫による前記仕切部および前記連通阻害部の剥離作業より、前記第2の薬剤室の圧迫による前記仕切部および前記連通阻害部の剥離作業性が優れたものとなっている上記(1)に記載の医療用複室容器。
(3) 前記表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に絞るように圧迫することを促す表示である上記(1)または(2)に記載の医療用複室容器。
(4) 前記表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に圧迫することを促す方向性を示す表示となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(5) 前記軟質バッグは、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備え、前記表示は、前記第2の薬剤室の前記向かい合う側辺部付近に設けられた前記向かい合う側辺部を中央側に圧迫することを促す表示となっている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(6) 前記軟質バッグは、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備え、前記表示は、前記第2の薬剤室の前記向かい合う側辺部付近に設けられた前記向かい合う側辺部を中央側に絞るように圧迫することを促す表示となっている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(7) 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を圧迫した時の薬液の流れ方向を直感的に理解できる方向性表示を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(8) 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室の向かい合う側部の中央付近が、該薬剤室の内側方向に向かうように変形している上記(1)ないし(7)のいずれかにに記載の医療用複室容器。
(9) 前記連通阻害部の剥離のための強度は、前記仕切部の剥離のための強度より大きいものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(10) 前記仕切部は、仕切用弱シール部であり、前記連通阻害部は、連通阻害用弱シール部である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(11) 前記医療用複室容器は、前記仕切用弱シール部の剥離強度が0.1〜5N/10mm、前記連通阻害用弱シール部の剥離強度が1〜25N/10mmである上記(10)に記載の医療用複室容器。
(12) 前記連通阻害用弱シール部のシール強度は、前記仕切用弱シール部のシール強度とほぼ同じ若しくは若干小さい若しくは若干大きいものである上記(10)または(11)に記載の医療用複室容器。
(13) 前記仕切部は、前記軟質バッグの側辺部からそれぞれ前記軟質バッグの中央に向かって延出した2つの側部シール部と、前記2つの側部シール部間を連続してつなぐように設けられた中央弱シール部とにより形成され、さらに、前記側部シール部は、前記中央弱シール部より幅が広く、かつ、前記側部シール部の上縁は、前記側辺部に向かうに従って、前記軟質バッグの上端側に向かうように湾曲し、前記第2の薬剤室を圧迫したとき、前記第2の薬剤室内の薬剤が、前記中央弱シール部に向かうように構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の医療用複室容器。
(14) 前記側部シール部は、前記中央弱シール部および前記連通阻害部より剥離しにくい弱シール部となっている上記(13)に記載の医療用複室容器。
(15) 前記側部シール部は、実質的に剥離しないものまたは強シール部となっている上記(13)に記載の医療用複室容器。
本発明の医療用複室容器によれば、操作者への2つの薬剤室の連通操作の必要性を喚起することができ、かつ、操作者に的確な連通操作方法を示唆できる。よって、この医療用複室容器によれば、2つの薬剤室の薬剤の混合忘れを防止でき、かつ投与前準備も容易である。
以下、本発明の医療用複室容器について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の医療用複室容器の一実施例の正面図である。図2は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。
なお、図中の上側を「上端」、下側を「下端」として説明する。
本発明の医療用複室容器1は、可撓性材料により作成され、内部空間が剥離可能な仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室21の下端部と連通する排出ポート3と、第1の薬剤室21に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室22に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室21と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害部10とを備えるものである。そして、この医療用複室容器1は、第1の薬剤室21の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性と第2の薬剤室22の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に差違を有するものである。さらに、仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に優れた側の薬剤室22の表面には、仕切部の剥離のための圧迫操作を促す表示14が設けられており、かつ、仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に劣る側の薬剤室21の表面には、圧迫操作を促す表示が設けられていないものとなっている。
また、本発明の医療用複室容器1は、可撓性材料により作成され、内部空間が剥離可能な仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室21の下端部と連通する排出ポート3と、第1の薬剤室21に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室22に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室21と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害部10とを備えるものである。そして、第2の薬剤室22を圧迫することにより、仕切部9、連通阻害部10の順で剥離するものであり、かつ、第2の薬剤室22の表面には、仕切部の剥離のために第2の薬剤室22を圧迫することを促す表示14が設けられているものとなっている。
本発明の医療用複室容器1は、図1に示すように、軟質バッグ2と、第1の薬剤と、第2の薬剤と、排出ポート3、混注ポート4とを備えている。
また、本発明の軟質バッグ2は、図1に示すように、第1の薬剤室21と、第2の薬剤室22と、仕切部9と、連通阻害部10と、排出ポート取付部27、混注ポート取付部28,薬剤注入部29を備えている。
軟質バッグ2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、軟質バッグ2は、例えばブロー成形法などの種々の方法により製造されたものであってもよい。また、軟質バッグ2は、筒状体の外周部の全周をシールしたもの、上下端のみをシールしたもの、1枚のシートを2つ折りにして、折り曲げ部(側辺部7または8)以外の3辺をシールしたものなどの袋状物であってもよい。
すなわち、軟質バッグ2の上端部および下端部には、上端側シール部5および下端側シール部6が設けられている。上端側シール部5、下端側シール部6は、幅広強シール部となっている。また、軟質バッグ2の側辺には、強シール部である側辺部7,8が設けられていてもよい。また、軟質バッグ2の下端側シール部6には、図1に示すように、排出ポート3を取り付けるための排出ポート取付部27、第1の薬剤室21内に薬剤を注入するための薬剤注入部29が設けられている。排出ポート取付部27および薬剤注入部29は、下端側シール部6の一部を軟質バッグ2内部と外部とが連通する非シール部である。なお、下端側シール部6には薬剤注入部29が設けられていることが好ましいが側辺部7、8に設けられていてもよく、また、なくてもよい。また、上端側シール部5には、混注ポートを取り付けるための混注ポート取付部28が設けられている。混注ポート取付部28は、上端側シール部5の一部を軟質バッグ内部と外部とが連通する非シール部である。なお、混注ポート取付部28は、必ずしも設けなくてもよい。また、同様の非シール部を第2の薬剤室の薬剤の注入部として同じ位置設けてもよい。なお、第2の薬剤室の薬剤の注入部は、側辺部7、8に設けてもよい。
図1に示すように、軟質バッグ2は、仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区画されている。そして、この実施例の医療用複室容器1では、仕切部9は、仕切用弱シール部により形成されている。仕切用弱シール部9は、中央弱シール部9aと、中央弱シール部9aの両側部分もしくは両側に形成された側部弱シール部9bとにより形成されている。本発明の実施例においては、仕切部9は、図1に示すように、軟質バッグ2の薬剤室の横方向全体を横切るように設けられている。そして、中央弱シール部9aは、軟質バッグ2の側辺部(側辺シール部)7、8からそれぞれ軟質バッグ2の中央に向かって延出した2つの側部弱シール部9bの間を連続してつなぐように設けられている。中央弱シール部9a及び側部弱シール部9bは、軟質バッグ2のシート材を帯状に剥離可能に融着することにより形成されている。このような構成により、薬剤室の中央付近には、中央弱シール部9aのみ形成されており、その両側には中央弱シール部9aに重なって側部弱シール部9bが形成されている。また、この実施例では、側部弱シール部9bは中央弱シール部9aより幅が広く、かつ、その上縁は、側辺部に向かうに従って、軟質バッグの上端側に向かうように湾曲している。このため、第2の薬剤室22を圧迫したとき、薬剤室22内の薬剤が、中央弱シール部9aに向かうように構成されている。
なお、この実施例の医療用複室容器1において、側部弱シール部9bは、中央弱シール部9aより幅が広いものとなっているが、同程度の幅、あるいは狭幅のものとしてもよい。
実施例の仕切部9は、いずれか一方の薬剤室を手指等で強く圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)に剥離して第1の薬剤室21と第2の薬剤室22とを連通可能なものである。また、中央弱シール部9aは、第2の薬剤室22を圧迫したとき、連通阻害部10より剥離しやすいものである。
また、実施例の側部弱シール部9bは、中央弱シール部9aおよび連通阻害部10より剥離しにくい、実質的に剥離しないものとなっている。
仕切部9(中央弱シール部9a)の剥離強度としては、輸送中に2つ折り梱包形態の軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグ2を手指などで強く圧迫した(絞った)ときに剥離する程度であることが好ましい。仕切部9は、軟質バッグ2を融着することにより形成されることが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着、超音波融着などであることが好ましい。軟質バッグ2は、このように仕切部9に区分された2つの薬剤室21、22を有しているため、異なる成分の薬剤を無菌的に軟質バッグ2内で混合することができる。また、図1に示す実施例において仕切部9は、軟質バッグ2に対して水平に直線的に設けられているが、これに限定されるものではない。なお、本発明の実施例では、軟質バッグは、仕切用弱シール部9は、中央弱シール部9aおよび側部弱シール部9bにより構成されているが、これに限定されるものではなく、中央弱シール部9aのみにより構成してもよい。また、側部弱シール部9bは、通常の使用方法では剥離しないことが好ましい。また、側部弱シール部9bは、軟質バッグ2を熱融着、高周波融着、超音波融着などにより融着することにより形成されることが好ましい。なお、側部弱シール部9bは、剥離不能な強シール部であってもよい。
具体的には、弱シール部(中央弱シール部)9aのシール強度(初期の剥離強度)は、0.1〜5N/10mm、特に、0.3〜3N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って中央弱シール部が剥離することがなく、また、中央弱シール部を剥離する作業も容易である。側部弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、3N/10mm以上、特に、4N/10mm以上であることが好ましい。中央弱シール部と側部弱シール部とのシール強度差(初期の剥離強度差)としては、側部弱シール部のシール強度が、中央弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、3〜30N/10mm、特に、4〜25N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を押圧した際、仕切用弱シール部の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも中央弱シール部からの剥離を確実なものとできる。
なお、本発明の実施例では、仕切用弱シール部9の両側に側部弱シール部9bが形成されているが、側部弱シール部9bが形成されていなくてもよく、易剥離性の中央弱シール部9aのみにより軟質バッグ2が仕切られていてもよい。また、側部弱シール部9bに該当する部分が強シールであっても良い。なお、側部弱シール部9bに相当する部分を切り欠いて、軟質バッグ2をひょうたんのような形状としても側部弱シール9bと同様の効果を得ることができる。
側部弱シール部9bを有する場合の中央弱シール部9aの長さ(側部弱シール部9bを除く長さ)は、薬剤室の横幅に対して0.2〜0.8であることが好ましい。特に、0.3〜0.7であることが好ましい。具体的には、中央弱シール部9aの長さは、薬剤室の横幅にもよるが横幅190mmの場合70〜110mm、特に80〜100mmであることが好ましい。中央弱シール部9aの幅は、8〜20mm、特に、10〜15mmであることが好ましい。側部弱シール部9bの幅は、6〜50mm、特に8〜30mmであることが好ましい。
また、仕切部9は、図1に示すように、後述する連通阻害部10の上方、特に、鉛直方向上方となる位置に設けられていることが好ましい。また、側部弱シール部9bは、図示するように、連通阻害部10の鉛直方向上方となる位置の両側に設けられていることが好ましい。このような位置に仕切用弱シール部9が設けられていることにより、仕切用弱シール部9が剥離した際、軟質バッグ2の連通阻害部10が形成されている部分が大きく膨らむため連通阻害部10が剥離しやすくなる。
なお、側部弱シール部9bは、実質的に剥離することができないシール部となっていてもよい。側部弱シール部9bに相当する部分を必ずしも剥がれるシールとする必要はなく、当該部分が強シール部となっていてもよい。なお、仕切用弱シール部9もしくは側部弱シール部9bは、帯状に形成されていなくてもよい(図示せず)。例えば、仕切用弱シール部9は、V字形状、半円形状、半楕円形状に形成されていてもよい。また、仕切用弱シール部9は、細く作製されていることにより、剥離しやすいものとなっていてもよい。また、この実施例では、排出ポート3および連通阻害用弱シール部10が軟質バッグ2下部の中央付近に設けられているため、それに対応して中央弱シール部9aも軟質バッグ2の中央付近に設けられている。排出ポート3および連通阻害用弱シール部10が軟質バッグ2の側辺側に寄った位置に設けられる場合には、それに対応して、中央弱シール部9aも軟質バッグ2の横方向の中央付近から側辺側に寄った位置に設けることが好ましい。
仕切用弱シール部9により区分される第1の薬剤室21と第2の薬剤室22との容積比は、1:1〜1:5であることが好ましい。
また、医療用複室容器1の第1の薬剤室21の容積はできるだけ小さい方がよい。このような構成であれば、第2の薬剤室22を圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)、ワンアクションで連通阻害用弱シール部10が容易に剥離するものとなる。
また、医療用複室容器1の表示14を有する薬剤室には、他の薬剤室より多い量の薬液が充填されているものであることが好ましい。このようにすることにより、表示14が付された薬剤室を圧迫したときの仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10への応力が大きくなり、これらの弱シール部の剥離がより確実になる。
そして、医療用複室容器1は、連通阻害部10を備える。この実施例の医療用複室容器1では、連通阻害部は、連通阻害用シール部により形成されている。そして、この実施例の医療用複室容器1では、連通阻害部10は、排出ポート3の上方を取り囲むように形成されている。この連通阻害部10により、第1の薬剤室21から隔離された第3の室23が形成されている。この第3の室23は、空き室となっている。しかし、第3の室23には、所定の液体(例えば、注射用水または生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第3の室23は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、連通阻害用弱シール部10に若干の水蒸気などの水分が通る通路を形成し、第1の薬剤室21と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。連通阻害用弱シール部10は、シート材を熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着)することにより形成することができる。
連通阻害部10は、仕切用弱シール部9の中央弱シール部9a部分の下側となる位置に形成されていることが好ましい。このような位置に形成されることにより、第1の薬剤室21または第2の薬剤室22を圧迫したとき(例えば押圧したときあるいは絞ったとき)に、上述したように連通阻害部10が剥離しやすくなる。
連通阻害部10は、図1に示す実施例では、脚部が開いた反転したU字(コの字)形状(言い換えれば、短辺が上側となる台形状)に形成されている。また、連通阻害部10は、排出ポート3が頂点となる三角形状、排出ポート3が底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。なお、連通阻害部10が外周縁に角部を有する場合には、角部にエッジが形成されていないことが好ましい。
連通阻害部10の剥離のための強度は、仕切用弱シール部(中央弱シール部9a)の剥離のための強度より大きいものとなっている。また、連通阻害用弱シール部10は、本発明の実施例においては、側部弱シール部9bより剥離しやすいものである。
また、医療用複室容器1は、第1の薬剤室21を圧迫することにより、仕切用弱シール部9(中央弱シール部9a)の剥離に続いて連通阻害用弱シール部10が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、軟質バッグ2の第1の薬剤室21を圧迫し、仕切用弱シール部9の剥離時の流体の力により、連通阻害用弱シール部10を剥離させることができる。
また、連通阻害用弱シール部10は、連通阻害用弱シール部のシール強度が、仕切部(中央弱シール部)9aと同等もしくは仕切部(中央弱シール部)9aのシール強度より若干強くすることにより構成することとができる。連通阻害用弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、1〜25N/10mm、好ましくは、2〜20N/10mm、特に3〜12N/10mmであることが好ましい。
このようにすることにより、いずれかの薬剤室を圧迫した際、仕切用弱シール部9の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも中央弱シール部9a部分からの剥離が確実なものとなる。
剥離強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。医療用複室容器を、各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に10mmの長さに切断して、それぞれの切断片のシール部を引張速度300mm/分で剥離させた際の測定値の平均値である。
また、医療用複室容器1は、連通阻害用弱シール部10の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さ(最短距離)に対する中央弱シール部9aの横方向の長さの比は、0.2〜3であることが好ましく、更に0.5〜2であることが好ましい。特に、0.7〜1.5であることが好ましい。また、連通阻害用弱シール部10の幅(帯幅)は、2〜20mm、特に、4〜12mmであることが好ましい。
医療用複室容器1に用いられる軟質バッグ2は、水蒸気バリアー性を有することが好ましい。水蒸気バリアー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下あることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように軟質バッグ2が水蒸気バリアー性を有することにより、医療用複室容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用複室容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィン類が含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィン類を含むものであるのが好ましい。軟質バッグ2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン類に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を用いてもよい。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
さらに、上記のブレンド樹脂を用いる場合には、2種以上の融点の異なる材料を用いることになり、軟質バッグ2の上端側シール部5や下端側シール部6、側辺部7、8、仕切用弱シール部9(中央弱シール部9a,側部弱シール部9b)、および連通阻害用弱シール部10の各シール条件の設定、各シール部分の剥離強度の安定化を容易かつ良好に図ることができる。
また、軟質バッグ2は、上述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、軟質バッグ2の耐熱性、耐衝撃性を向上させたり、耐ブロッキング性を付与したり、あるいは透明性を向上させたりすることができる。また、金属層を有するものの場合、軟質バッグ2のガスバリアー性などを向上させることができる。例えば、アルミ箔などのフィルムが積層された場合、ガスバリアー性を向上させることができる。なお、軟質バッグ2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
軟質バッグ2を構成するシート材料の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過度、耐熱性など)に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜550μm程度であるのが好ましく、200〜400μm程度であるのがより好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが好ましい。
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに残りの3辺の開放周縁部を融着して形成したものなどのいずれでもよい。
軟質バッグ2の薬剤室21、22には、薬剤が収納されている。薬剤室21、22には共存することにより沈殿が生じたり、経時的にあるいは一時的な加熱による着色・分解等の配合変化が生じたりすることがある成分を分離して収納するなど、異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような薬剤(輸液剤)としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の薬剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液などが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、さらに両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミン等を、安定性等を考慮して適宜振り分け収納することができる。
また、軟質バッグ2の上端側シール部5には、ハンガーなどに吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられている。
排出ポート3は、図1に示すように、軟質バッグ2の下端側シール部6に形成された排出ポート取付部27に取り付けられている。排出ポート取付部27は、下端側シール部6の中心に設けられている。また、医療用複室容器1は、薬液を混注するための混注ポート4を備えている。このようにすることにより、医療用複室容器1に入れられた薬剤以外の成分を使用前に混注することができる。排出ポート3、混注ポート4は、高周波融着、熱融着、超音波融着等により軟質バッグ2に取り付けられている。なお、排出ポート3、混注ポート4としては、公知のものが使用できる。
そして、この医療用複室容器1では、第1の薬剤室21の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性と第2の薬剤室22の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性に差違を有している。ここでいう剥離作業性の差違における優劣は、両薬剤室を個別に圧迫した際に、どちらの薬剤室を圧迫した方が容易に仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10を剥離できたかの比較結果である。
本発明の医療用複室容器1では、第1の薬剤室21、第2の薬剤室22のいずれを圧迫することによっても、仕切部9、連通阻害部10の順にワンアクションで、剥離するものとなっている。しかし、本発明の医療用複室容器1では、上述したように、第1の薬剤室21の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性と第2の薬剤室22の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に差違を有している。これは、薬剤室の変形の容易性、薬剤室の大きさ、薬剤室内に充填される薬剤量などに起因する。そして、作業性の優劣は、第1の薬剤室21、第2の薬剤室22のいずれを圧迫した方が、ワンアクションでの仕切部と連通阻害部の連続剥離性が良好であるかが判断基準となる。
そして、この医療用複室容器1では、仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性に優れた側の薬剤室22の表面には、弱シール部の剥離のための圧迫操作を促す表示14が設けられており、かつ、仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性に劣る側の薬剤室21の表面には、圧迫操作を促す表示が設けられていないものとなっている。
この実施例の医療用複室容器1では、第2の薬剤室の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性は、第1の薬剤室21の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性より高いものとなっている。そして、第2の薬剤室22の表面には、弱シール部の剥離のために第2の薬剤室22を圧迫することを促す表示14が設けられている。
この実施例の医療用複室容器1では、種々の点において、第2の薬剤室の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性は、第1の薬剤室21の圧迫による仕切用弱シール部9および連通阻害用弱シール部10の剥離作業性より高いものとなっている。具体的には、第2の薬剤室22の容積は、第1の薬剤室21の容積より大きい。このため、圧迫可能な表面積が大きく、作業が容易である。さらに、第2の薬剤室22には、第1の薬剤室21よりも多い量の薬剤が充填されている。このため、圧迫時に圧迫される液体量が多く、より強い力を弱シール部に負荷可能である。さらに、上述したように、仕切用弱シール部9の側部弱シール部9bは、その上縁が、軟質バッグの側辺に向かうに従ってバッグの上端側に向かう形状となっている。つまり、仕切用弱シール部9の第2の薬剤室側の内縁形状は、その両側部が中央側かつ第1の薬剤室側に湾曲する形態となっている。このため、第2の薬剤室22の圧迫時における仕切用弱シール部の中央部に負荷がかかることを確実なものとし、かつ、剥離開始後の液体の中央方向への流れも確実なものとしている。さらに、この実施例の医療用複室容器1では、第2の薬剤室22を圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)、仕切用弱シール部に続き、連通阻害用弱シール部10が剥離し、いわゆるワンアクションによる2つの弱シール部の剥離が可能なものとなっている。
そして、医療用複室容器1および医療用複室容器20では、剥離性に優れた側の薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)の表面に、弱シール部の剥離のために圧迫操作を促す表示14が設けられている。そして、剥離性に劣る側の薬剤室(この実施例では、第1の薬剤室21)の表面には、弱シール部の剥離のために圧迫操作を促す表示は設けられていない。圧迫操作を促す表示14の存在により、作業者は、第1の薬剤室と第2の薬剤室の連通作業が必要であることを認識する。さらに、圧迫操作を促す表示14が、剥離性に優れた側の薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)の表面にのみ設けられているので、作業者は、第2の薬剤室を圧迫することにより、連通作業を行うものとなり、作業が良好に行われる。
さらに、この実施例の医療用複室容器1、20では、図1および図2に示すように、圧迫操作を促す表示14は、表示を有する薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)を向かい合う側面から中央側に圧迫することを促す方向性を示す表示となっている。このように薬剤室を圧迫することにより、確実に弱シール部を開通できる。
図1および図2に示す実施例では、軟質バッグ2は、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備えており、圧迫操作を促す表示14a,14bは、薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)の向かい合う側辺部付近に向かい合うように設けられており、かつ、向かい合う側辺部を中央側に圧迫することを促す表示となっている。
さらに、圧迫操作を促す表示14は、図1および図2に示す医療用複室容器20のように、表示を有する薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)を向かい合う側面から中央側に絞るように圧迫することを促す表示であることが好ましい。このように薬剤室を圧迫することにより、確実かつ容易に弱シール部を開通できる。
図1および図2に示す実施例では、軟質バッグ2は、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備えており、圧迫操作を促す表示14a,14bは、薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)の向かい合う側辺部付近に向かい合うように設けられており、かつ、向かい合う側辺部を中央側に絞るように圧迫することを促す表示となっている。
なお、表示14は、図1に示した形に限定されるものではなく、図2に示すようなものでもよい。また、文字により第2の薬剤室22を圧迫するように促すことが好ましい。
さらに、表示14は、図5に示すようなものでもよい。この医療用複室容器50では、表示14は、略ブーメラン状(言い換えれば、中央部が第二の薬剤室の中央側に屈曲し、かつ中央部が最も幅の広いものとなっている屈曲形状)を有しの表示となっており、2つの表示14a,14bの頂点部が向かい合うように配置されている。そして、2つの表示14a,14b間には、「開通」との文字表示も付されている。
さらに、医療用複室容器は、図1に示すように、薬剤の流れを直感的に理解できる表示26を設けてもよい。医療用複室容器1には、連通阻害部10もしくはその付近に到達する方向性表示26が設けられている。この表示26は、第2の薬剤室22を圧迫した時の圧力負荷方向(薬液の流れ方向)を示すものでもある。この表示26を設けることにより、「圧迫操作を促す表示」によって圧迫操作を行うときの圧迫方向の直感的把握もしくは無意識における排出口側への液圧負荷の実行を起こさせることができる。さらに、この方向性表示26を連通阻害部10上にその一部(先端部)を配置することにより、剥離すべき「連通阻害部」の存在をより明確に意識付けることができ、より一層圧迫操作を促す表示による効果を高めることができる。なお、方向性表示26としては、図1に示すような二股に分かれた矢印表示、図5に示す医療用複室容器50のような、分岐のない直線的な矢印表示、図6に示す医療用複室容器60のような、三角形状の表示であってもよい。
次に、本発明の他の実施例の医療用複室容器について、添付図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。図4は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。
本発明の医療用複室容器30、40は、可撓性材料により作成され、内部空間が剥離可能な仕切部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室21の下端部と連通する排出ポート3と、第1の薬剤室21に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室22に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室21と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部10とを備えるものである。そして、この医療用複室容器30,40は、第1の薬剤室21の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性と第2の薬剤室22の圧迫による仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に差違を有するものである。さらに、医療用複室容器30,40では、仕切部9および連通阻害部10の剥離作業性に優れた側の薬剤室22の中央付近(軟質バッグ2の長手方向)の向かい合う側部37,38が、薬剤室22の内側方向に向かうように変形している。
また、本発明の医療用複室容器30、40は、可撓性材料により作成され、内部空間が剥離可能な仕切用弱シール部9により第1の薬剤室21と第2の薬剤室22に区分された軟質バッグ2と、第1の薬剤室21の下端部と連通する排出ポート3と、第1の薬剤室21に収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室22に収納された第2の薬剤と、第1の薬剤室21と排出ポート3との連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部10とを備えるものである。そして、医療用複室容器30、40は、第2の薬剤室22を圧迫することにより、仕切用弱シール部9、連通阻害用弱シール部10の順で剥離するものであり、かつ、第2の薬剤室22の向かい合う側部37,38が、第2の薬剤室22の内側方向に向かうように変形している。
この実施例の医療用複室容器30、40と、上述した実施例の医療用複室容器1との相違は、医療用複室容器30、40が、上記したように、薬剤室22の向かい合う側部37,38が、薬剤室22の内側方向に向かうように変形している点および、医療用複室容器30、40では、圧迫操作を促す表示14を必須としてない点のみである。なお、この医療用複室容器30、40においても、上述した圧迫操作を促す表示14を有することが好ましい。よって、医療用複室容器としては、上記の変形側部37,38以外の点は、上述した医療用複室容器1と同じであるので、変形側部についてのみ説明するものとし、その他の構成については、上述した記載を参照するものとする。
また、医療用複室容器30と医療用複室容器40との相違は、側部シール部7,8の有無のみである。いずれの医療用複室容器30、40においても、剥離作業性に優れた側の薬剤室(この実施例では、第2の薬剤室22)の向かい合う側部37,38は、薬剤室22の内側方向に向かうように変形している。このため、この変形側部37,38部分を用いた薬剤室の内側方向への圧迫、いわゆる絞り作業が容易となる。また、この変形側部37,38の内側への変形量は、小さいものであることが好ましい。多くなりすぎると、薬剤室の容積が過剰に減少し、また、変形側部間の距離も近くなり、圧迫可能距離が短くなる。この変形側部37,38の内側への変形量としては、側辺より3〜10mm程度が好適であり、変形側部37,38の軟質バッグの上下方向の長さは、2〜5cm程度が好適である。また、変形側部37,38の形状としては、図に示すような内側へ突出する湾曲形状であることが好ましい。
さらに、図3および図4に示すように、この変形側部37,38の付近に、上述した圧迫操作を促す表示14を有することが好ましい。特に、圧迫操作を促す表示14は、図3および図4に示すように、変形側部37,38を内側に圧迫することを促す表示となっていることが好ましい。
図1は、本発明の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図2は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図3は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図4は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図5は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。 図6は、本発明の他の実施例の医療用複室容器の正面図である。
符号の説明
1 医療用複室容器
2 軟質バッグ
3 排出ポート
9 仕切部
10 連通阻害部
14 表示
21 第1の薬剤室
22 第2の薬剤室

Claims (15)

  1. 可撓性材料により作製され、内部空間が剥離可能な仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された軟質バッグと、該第1の薬剤室の下端部と連通する排出ポートと、該第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、該第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と、該第1の薬剤室と該排出ポートとの連通を阻害する剥離可能な連通阻害部とを備える医療用複室容器であって、
    前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を圧迫することにより、ワンアクションで前記仕切部、前記連通阻害部の順で剥離するものであり、かつ、前記第2の薬剤室の表面には、前記仕切部の剥離のための圧迫操作を促す表示が設けられており、前記第1の薬剤室の表面には、前記圧迫操作を促す表示が設けられておらず、かつ前記圧迫操作を促す表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に圧迫することを促す表示となっていることを特徴とする医療用複室容器。
  2. 前記第2の薬剤室には、前記第1の薬剤室より多い量の薬剤が充填されており、前記医療用複室容器は、前記第1の薬剤室の圧迫による前記仕切部および前記連通阻害部の剥離作業より、前記第2の薬剤室の圧迫による前記仕切部および前記連通阻害部の剥離作業性が優れたものとなっている請求項1に記載の医療用複室容器。
  3. 前記表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に絞るように圧迫することを促す表示である請求項1または2に記載の医療用複室容器。
  4. 前記表示は、前記第2の薬剤室を向かい合う側面から中央側に圧迫することを促す方向性を示す表示となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用複室容器。
  5. 前記軟質バッグは、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備え、前記表示は、前記第2の薬剤室の前記向かい合う側辺部付近に設けられ前記向かい合う側辺部を中央側に圧迫することを促す表示となっている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用複室容器。
  6. 前記軟質バッグは、折り曲げられることにより形成された向かい合う側辺部を備え、前記表示は、前記第2の薬剤室の前記向かい合う側辺部付近に設けられ前記向かい合う側辺部を中央側に絞るように圧迫することを促す表示となっている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用複室容器。
  7. 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室を圧迫した時の薬液の流れ方向を直感的に理解できる方向性表示を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用複室容器。
  8. 前記医療用複室容器は、前記第2の薬剤室の向かい合う側部の中央付近が、該薬剤室の内側方向に向かうように変形している請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用複室容器。
  9. 前記連通阻害部の剥離のための強度は、前記仕切部の剥離のための強度より大きいものである請求項1ないし8のいずれかに記載の医療用複室容器。
  10. 前記仕切部は、仕切用弱シール部であり、前記連通阻害部は、連通阻害用弱シール部である請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用複室容器。
  11. 前記医療用複室容器は、前記仕切用弱シール部の剥離強度が0.1〜5N/10mm、前記連通阻害用弱シール部の剥離強度が1〜25N/10mmである請求項10に記載の医療用複室容器。
  12. 前記連通阻害用弱シール部のシール強度は、前記仕切用弱シール部のシール強度とほぼ同じ若しくは若干小さい若しくは若干大きいものである請求項10または11に記載の医療用複室容器。
  13. 前記仕切部は、前記軟質バッグの側辺部からそれぞれ前記軟質バッグの中央に向かって延出した2つの側部シール部と、前記2つの側部シール部間を連続してつなぐように設けられた中央弱シール部とにより形成され、さらに、前記側部シール部は、前記中央弱シール部より幅が広く、かつ、前記側部シール部の上縁は、前記側辺部に向かうに従って、前記軟質バッグの上端側に向かうように湾曲し、前記第2の薬剤室を圧迫したとき、前記第2の薬剤室内の薬剤が、前記中央弱シール部に向かうように構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の医療用複室容器。
  14. 前記側部シール部は、前記中央弱シール部および前記連通阻害部より剥離しにくい弱シール部となっている請求項13に記載の医療用複室容器。
  15. 前記側部シール部は、実質的に剥離しないものまたは強シール部となっている請求項13に記載の医療用複室容器。
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