JP4708175B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チップ状の固体撮像素子が封止パッケージによって気密封止されてなる固体撮像装置に関する。
CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等のチップ状の固体撮像素子を封止する封止方式として、気密封止方式がある。これは一般に、封止パッケージのベースとなるパッケージ本体に収納用の凹部を一体に形成し、この凹部の底面に、受光面が上向きとなるように固体撮像素子を固着したうえで、凹部の開口を塞ぐように、パッケージ本体に透明な蓋体(リッド)を接着剤を用いて接合することにより、封止を行うものである。
ところで、このような気密封止方式の固体撮像装置では、固体撮像素子の受光面に結露が生じることが問題である。この結露の防止に関して、特許文献1において、リッドと受光面との間に透明樹脂を充填する技術が開示されているが、これでは、光の透過率が小さくなり、感度が低下するといった問題がある。
そこで、その他の方法として、外部から封止空間内への水分の進入を防ぐ技術(特許文献2,3参照)や、発熱する固体撮像素子の温度を下げる技術(特許文献4参照)が提案されている。特許文献2では、パッケージ本体のリッドの接合部に凹凸を形成することで、接合面積を拡大し、耐湿性(外部からの水分の浸入を防止する性能)を向上させている。特許文献3では、パッケージ本体のリッドの接合部に、吸湿性接着剤と低透湿性接着剤を用いて接着を行うことで、耐湿性を向上させるとともに、封止空間内に残存する水分を減少させている。特許文献4では、パッケージ本体の外側面に、金属製放熱フィンを設けることで、固体撮像素子の温度を下げている。
特開平6−151643号公報 特開平10−247695号公報 特開平11−145337号公報 特開2004−146530号公報
本発明は、上記従来文献に記載の技術に比して、より効果的に結露を防止することができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の固体撮像装置は、矩形チップ状の固体撮像素子と、この固体撮像素子を気密封止する封止パッケージとを備えた固体撮像装置において、前記封止パッケージは、前記固体撮像素子の受光面を含む上面、およびその各側面を囲うように凹状に形成されたパッケージ本体と、このパッケージ本体に固着され、前記固体撮像素子の電極パッドに電気的に接続されるリードと、このパッケージ本体に固着され、前記受光面を除く前記固体撮像素子の上面の一部に当接する放熱板とを有し、少なくとも前記受光面を除いた前記固体撮像素子と前記パッケージ本体との間に樹脂を充填することにより前記固体撮像素子を気密封止していることを特徴とする。これにより、固体撮像素子と封止パッケージとの温度差が減少する。
なお、前記放熱板は、金属製であることが好ましい。また、前記放熱板は、前記受光部の周囲に当接するように形成された枠状部を備えることが好ましい。また、前記リードが実装基板に接合された際に、前記放熱板は、この実装基板に接触して熱を放出することが好ましい。これらにより、放熱性が高まる。
また、前記樹脂と接触する前記放熱板あるいは前記パッケージ本体の表面に、凹部が設けられていることが好ましい。これにより、樹脂とパッケージ本体との密着性が高まる。
また、前記樹脂は、前記固体撮像素子の裏面を覆っていることが好ましい。また、前記固体撮像素子の裏面を覆う前記樹脂の表面に、所定の情報が印字された印字板が貼り付けられていることが好ましい。
また、前記固体撮像素子はCCDイメージセンサであって、前記放熱板は、出力アンプ上に当接していることが好ましい。出力アンプは発熱量が大きく、これにより、放熱性が高まる。
本発明の固体撮像装置によれば、固体撮像素子と封止パッケージとの温度差を減少させ、結露を防止することができる。また、受光面から外部までのパスが固体撮像素子の側部を介するため長く、その側部には樹脂が充填されるので、結露の起因となる湿気の進入を低減することができる。さらに、放熱板は、固体撮像素子の上面に当接し、固体撮像素子の上下方向の取り付け位置基準板として機能するので、固体撮像素子の封止パッケージに対する取り付け精度を向上させることができる。
図1において、矩形チップ状の固体撮像素子20を気密封止するための封止パッケージ10は、透明プラスティック製のパッケージ本体11と、パッケージ本体11に固着された複数のリード12および放熱板13とからなる。パッケージ本体11は、矩形平板状の上部と、これを取り囲む矩形平板状の4つの側部とからなる凹状の蓋部材であり、固体撮像素子20の受光面21を含む上面、およびその各側面を囲う。なお、パッケージ本体11の材質は、プラスティックに限られず、ガラスとしてもよい。また、パッケージ本体11は、光を受光面21に入射させるために、少なくとも受光面21に対向する部分が透明であれば、その他の部分は不透明であってもよい。
リード12は、金属製(銅合金系、ニッケル合金系など)であり、短冊状の基部12cと、基部12cに対してほぼ垂直に曲げ加工されたインナーリード部12aおよびアウターリード部12bとからなる。インナーリード部12aは、パッケージ本体11上部の内壁面に、基部12cは、パッケージ本体11側部の内壁面に、アウターリード部12bは、その下端面にそれぞれ固着されている。
放熱板13は、金属製(銅合金系、ニッケル合金系など)であり、矩形開口13aが形成された矩形状の枠状部13bと、枠状部13bに対してほぼ直角に曲げ加工された2つの側部13cと、各側部13cの端部に対してほぼ直角に曲げ加工された端部13dとからなる。枠状部13bは、パッケージ本体11上部の内壁面に、側部13cは、リード12が形成されていないパッケージ本体11側部の内壁面に、端部13dは、その下端面にそれぞれ固着されている。
各リード12は、固体撮像素子20の上面に形成された各電極パッド22に対応するように配置されている。放熱板13は、固体撮像素子20の上面に形成された受光面21と電極パッド22とを除く部分に対応するように配置されており、矩形開口13aから受光面21を露呈させる。なお、固体撮像素子20は、シリコン製の半導体チップであり、撮像素子として、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどが構成されている。
図2は、固体撮像素子20を封止パッケージ10によって気密封止してなるパッケージユニット(固体撮像装置)2の断面を示す。図2(A)は、図1のX方向に沿う縦断面図であり、図2(B)は、図1のY方向に沿う縦断面図である。
固体撮像素子20は、電極パッド22が導電性接着剤30を介してインナーリード部12aにボンディングされることによって封止パッケージ10内に固着されるとともに、固体撮像素子20の上面は、放熱板13の枠状部13bに当接している。固体撮像素子20と封止パッケージ10との間(少なくとも受光面21を除く)には、樹脂31が充填されており、この樹脂31は、固体撮像素子20の裏面も覆っている。この固体撮像素子20の裏面側には、樹脂31を介して、所定の情報(製品名、ロット番号、ウエハ番号など)が印字(マーキング)されたプラスティック製または金属製の印字板32が貼り付けられている。なお、樹脂31は、湿気の進入を防止するために、低透湿性樹脂であることが好ましい。
アウターリード部12bは、外部に露呈しており、パッケージユニット2の外部端子として機能する。アウターリード部12bは、パッケージユニット2を所定の実装基板(不図示)に実装する際に半田付け等で接続される。また、放熱板13の端部13dも外部に露呈しており、パッケージユニット2が実装基板に実装された際に、端部13dは実装基板に接触する。
パッケージユニット2は、撮像動作によって固体撮像素子20に生じた熱を放熱板13を介してパッケージ本体11に伝えるとともに、この熱は放熱板13を介して実装基板に放出されるので、固体撮像素子20と封止パッケージ10との温度差を減少させ、結露を防止することができる。また、受光面21から外部までのパスが固体撮像素子20の側部を介するため長く、そのパスには樹脂31が充填されているので、受光面21上へ湿気が進入しにくい。この構造も結露の防止に寄与する。
また、放熱板13の枠状部13bは、図2(A)のように、リード12のインナーリード部12aより厚く形成されており、固体撮像素子20を取り付ける際にその上面に当接するので、放熱板13は、固体撮像素子20の上下方向の取り付け位置基準板として機能する。これにより、上下方向の取り付け精度が向上し、固体撮像素子20の封止パッケージ10に対する平坦性(チップ平坦度)が向上する。
なお、放熱板13は、光の反射を防止し、不要光が受光面21に入射することのないように、黒色または表面が黒色にコーティングされたものであることが好ましい。また、固体撮像素子20がCCDイメージセンサとして構成されている場合、撮像動作時の発熱量は、信号電荷を電圧信号に変換する出力アンプ(不図示)が最も大きいため、放熱板13は、少なくともこの出力アンプ上に当接するように配置されていることが好ましい。
また、図3は、樹脂31に接触する放熱板13の表面に、凹部33を設けた例を示す。この凹部33により、放熱板13と樹脂31との密着性が向上する。凹部33の外形は、円形、矩形、溝状などの適宜形状であってよい。また、凹部33は、樹脂31に接触する部分であれば、パッケージ本体11の表面に設けてもよい。
次に、図4を用いてパッケージユニット2の製造方法(固体撮像素子20の封止方法)を説明する。図4(A)に示すように、まず、封止パッケージ10を、開口部を上向きにした状態で、リード12のインナーリード部12aに導電性接着剤30を塗布する。次いで、図4(B)に示すように、固体撮像素子20の受光面21を下向きにして、電極パッド22をインナーリード部12aに対応させるようにアライメントしながら、封止パッケージ10内に積載する。このとき、固体撮像素子20の表面は、放熱板13の枠状部13bに当接する。
次いで、導電性接着剤30を硬化させ、固体撮像素子20を封止パッケージ10に固着させた後、図4(C)に示すように、固体撮像素子20と封止パッケージ10との間(少なくとも受光面21を除く)を埋めるとともに、固体撮像素子20の裏面を覆うように、樹脂31を充填し、さらに、充填された樹脂31の表面に、印字板32を貼り付ける。そして、樹脂31を硬化させた後、レーザやインクなどで印字板32に印字を行う。
この方法では、工程の早い段階で、固体撮像素子20の受光面21が気密封止されるので、受光面21上への塵埃の混入が低減し、工程起因のキズなどが防止される。
なお、上記実施形態では、インナーリード部12aと電極パッド22とを導電性接着剤30を用いて接合しているが、これに限定されず、半田などを用いて接合を行ってもよい。
また、この接合に、異方性導電接着剤を用いることも効果的である。図4(A)での導電性接着剤30の塗布に代えて、図5に示す領域40に、複数のインナーリード部12aをまたぐように異方性導電接着剤し、図4(B)と同様にして、インナーリード部12a上に、異方性導電接着剤を介して電極パッド22を押し付ける。この押圧によって、異方性導電接着剤は上下方向に導電性が発生し、対応するインナーリード部12aと電極パッド22とを導通させる。異方性導電接着剤は横方向には導電性を有さないので、インナーリード部12a間、または電極パッド22間をショートさせることはない。異方性導電接着剤を用いることにより、上記の接着剤の塗布工程が簡単化される。
また、上記異方性導電接着剤に代えて、厚さ方向にのみ導電性を有する異方性導電性テープを用いることも効果的である。この異方性導電性テープを図5に示す領域40に、複数のインナーリード部12aをまたぐように貼り付け、電極パッド22上に半田などでバンプを形成した固体撮像素子20を押圧すればよい。
さらに、放熱板13と固体撮像素子20との接触性および放熱性を確実にするために、固体撮像素子20の上面に当接する枠状部13bの表面に異方性導電性テープを貼り付けてもよい。また、枠状部13bの表面に、熱伝導性および低透湿性を有する絶縁性接着剤を塗布することも効果的である。
また、上記実施形態では、固体撮像素子20の裏面側に印字板32を設けているが、印字板32は必ずしも設ける必要はない。印字板32を設けない場合には、充填された樹脂31の表面にレーザなどで直接印字を行えばよい。
また、上記実施形態では、リード12および放熱板13を、封止パッケージ10の内壁に沿って配置し、封止パッケージ10の下端部を基板との実装面としているが、リード12および放熱板13の形状、およびパッケージ本体11への配置方式は適宜変更してよい。
図6は、リード12および放熱板13の変形例であり、リード12の基部12cと、放熱板13の側部13cとを封止パッケージ10の外面に露呈させたものである。以上は、表面実装型パッケージを例示しているが、さらに、図7は、リード12のアウターリード部12bを下向きに真っ直ぐ伸ばした、挿入実装型パッケージの一種であるDIP(Dual Inline Package)を例示している。
固体撮像素子およびその封止パッケージの外観斜視図である。 パッケージユニットの縦断面図であり、(A)は図1のX方向に沿う断面、(B)は図1のY方向に沿う断面を示す。 放熱板の表面に凹部を設けた例を示す断面図である。 パッケージユニットの製造方法を説明する断面図であり、(A)は接着剤の塗布工程、(B)は固体撮像素子のアライメント工程、(C)は樹脂の充填工程を示す。 異方性導電接着剤の塗布領域、および異方性導電テープの貼着領域を示す斜視図である。 リードおよび放熱板を封止パッケージの外側面に露呈させた例を示す縦断面図であり、(A)は図1のX方向に沿う断面、(B)は図1のY方向に沿う断面を示す。 リードのアウターリード部を下向きに伸ばした例を示す縦断面図であり、(A)は図1のX方向に沿う断面、(B)は図1のY方向に沿う断面を示す。
符号の説明
2 パッケージユニット(固体撮像装置)
10 封止パッケージ
11 パッケージ本体
12 リード
12a インナーリード部
12b アウターリード部
12c 基部
13 放熱板
13a 矩形開口
13b 枠状部
13c 側部
13d 端部
20 固体撮像素子
21 受光面
22 電極パッド
30 導電性接着剤
31 樹脂
32 印字板
33 凹部

Claims (8)

  1. 矩形チップ状の固体撮像素子と、この固体撮像素子を気密封止する封止パッケージとを備えた固体撮像装置において、
    前記封止パッケージは、前記固体撮像素子の受光面を含む上面、およびその各側面を囲うように凹状に形成されたパッケージ本体と、このパッケージ本体に固着され、前記固体撮像素子の電極パッドに電気的に接続されるリードと、このパッケージ本体に固着され、前記受光面を除く前記固体撮像素子の上面の一部に当接する放熱板とを有し、少なくとも前記受光面を除いた前記固体撮像素子と前記パッケージ本体との間に樹脂を充填することにより前記固体撮像素子を気密封止していることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記放熱板は、金属製であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記放熱板は、前記受光部の周囲に当接するように形成された枠状部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の固体撮像装置。
  4. 前記リードが実装基板に接合された際に、前記放熱板は、この実装基板に接触して熱を放出することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の固体撮像装置。
  5. 前記樹脂と接触する前記放熱板あるいは前記パッケージ本体の表面に、凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の固体撮像装置。
  6. 前記樹脂は、前記固体撮像素子の裏面を覆っていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の固体撮像装置。
  7. 前記固体撮像素子の裏面を覆う前記樹脂の表面に、所定の情報が印字された印字板が貼り付けられていることを特徴とする請求項6記載の固体撮像装置。
  8. 前記固体撮像素子はCCDイメージセンサであって、前記放熱板は、出力アンプ上に当接していることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の固体撮像装置。
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