JP4543605B2 - 固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサと呼ばれる各種の固体撮像装置及びその製造方法に関し、特に撮像素子を形成した半導体チップを湾曲させることにより、結合光学系による像面湾曲を吸収するパッケージ構造を有する固体撮像装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に携帯性を重視した電子機器等では、市場において小型化、軽量化、および低コスト化が求められており、例えばプラスティック製の一枚レンズが用いられる(なお、このような結像光学系の現象を像面湾曲という)。
しかし、一枚レンズによって結像される結像面は、レンズの材質によらず、湾曲面を描いており、固体撮像素子の受光面が平面状であることから、受光面とレンズによる結像面とを全体的に一致させるようなピント調整を行うことが困難となる。
このため、例えば受光面の中心部を重視してピント調整した場合、結果として周辺がボケた画質が得られるようになり、また、例えば受光面の周辺部を重視してピント調整した場合、結果として、中心部がボケた画質となって、一枚レンズでは優れた画質を得ることができなかった。
【0003】
また、このような結像光学系の像面湾曲に対応する方法として、複数枚、たとえば、二枚レンズを用いる方法も考えられる。
しかしながら、この場合には、二枚レンズを設けることによる大幅なコストアップ、および、光路長が長くなってカメラモジュールが大型になってしまい、適用される用途が限定されてしまうことになる。
【0004】
そこで、このような問題に対し、固体撮像素子の受光面を湾曲させることにより、結像光学系の像面湾曲を吸収し、受光面全体でピントの合った画像が得られるような固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−156278号公報
【特許文献2】
特開2001−284564号公報
【0006】
図3は、このような固体撮像素子の受光面を湾曲させた固体撮像装置のパッケージ構造の一例を示す断面図である。
この固体撮像装置は、固体撮像素子を形成した薄板状の半導体チップ10と、この半導体チップ10を所定の曲率で湾曲させた状態で装着するための湾曲装着面20Aを有するパッケージ本体20と、半導体チップ10が装着されたパッケージ本体20を封止する透明なカバー体30とを有している。
【0007】
半導体チップ10は、チップ表面(図中上面側)の中央領域に固体撮像素子の受光面が形成されており、その外側に電極パッドが配置されている。
また、パッケージ本体20は、例えばセラミック製の容器状に形成され、半導体チップ10を装着する湾曲装着面20Aの周辺に配線パターンが形成されている。なお、半導体チップ10の受光面、電極パッド、並びにパッケージ本体20の配線パターン等については、図示は省略している。
そして、半導体チップ10の電極パッドとパッケージ本体20の配線とをワイヤ40によってボンディングすることにより、固体撮像素子とパッケージ本体20側の回路とを電気的に接続し、各種信号(制御信号や画像信号)のやり取りを行うようになっている。
【0008】
図4は、図3に示す固体撮像装置のパッケージ化とワイヤボンドを行う場合の工程を示す断面図である。
まず、図4(a)(b)に示すように、湾曲装着面20Aを有するパッケージ本体20を用意し、このパッケージ本体20の湾曲装着面20Aに沿って半導体チップ10を湾曲させ、半導体チップ10と湾曲装着面20Aとを密着させた状態で接着剤等によって接合固定する。
この場合、半導体チップ10を湾曲装着面20Aに沿って湾曲させる方法としては、例えば図示のようにパッケージ本体20の底部に設けた吸引孔20Bを通して真空吸引を行い、湾曲装着面20A側に吸着させる方法や、図示しない治具等を用いて上方から押す圧力をかけ、湾曲装着面20A側に押し付ける方法を用いることが可能である。
次に、図4(c)に示すように、半導体チップ10側の電極パッドとパッケージ本体20側の電極パッドとを図示しないワイヤボンダによってワイヤ40で接続する。
最後に、図4(d)に示すように、パッケージ本体20の上面にカバー体30を装着し、パッケージ本体20内の半導体チップ10を封止する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップと、前記半導体チップを所定の曲率で湾曲させた状態で装着するための湾曲装着面を有するパッケージ本体と、前記半導体チップの裏面に接着手段によって一体に接合されて前記半導体チップと一体に湾曲され、前記半導体チップとパッケージ本体の湾曲装着面との間に介在配置され、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材と、前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面を封止するカバー体とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材を接着手段によって一体に接合し、平坦な状態で前記半導体チップの端子と前記中間補強材の配線とのワイヤボンドを行う第1の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材をパッケージ本体に形成した湾曲装着面に密着させて一体に湾曲させた後、接着手段によって固定する第2の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面をカバー体によって封止する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材を接着手段によって一体に接合する第1の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材をパッケージ本体に形成した湾曲装着面に密着させて一体に湾曲させた後、接着手段によって固定する第2の工程と、前記半導体チップの端子と前記中間補強材またはパッケージ本体の少なくとも一方に設けた配線とのワイヤボンドを行う第3の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面をカバー体によって封止する第4の工程とを有することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に、前記半導体チップと接続されるフレキシブル配線基板である薄板状の中間補強材を接合し、平坦な状態で前記半導体チップの端子と中間補強材の配線とのワイヤボンドを行う第1の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材を一体に湾曲させ、パッケージ本体に形成した湾曲装着面に装着、固定する第2の工程とを有することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に薄板状の中間補強材を接合する第1の工程と、前記半導体チップ及び中間補強材を一体に湾曲させ、パッケージ本体に形成した湾曲装着面に装着、固定する第2の工程と、前記半導体チップの端子と前記中間補強材またはパッケージ本体の少なくとも一方に設けた配線とのワイヤボンドを行う第3の工程とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の固体撮像装置では、湾曲した薄板状の半導体チップとパッケージ本体の湾曲装着面との間に、半導体チップと一体化された薄板状の中間補強材を介在配置させたことから、半導体チップの湾曲時に中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止できる。
また、半導体チップのワイヤボンド時にも、ワイヤボンダによって半導体チップにかかる衝撃を中間補強材によって吸収、緩和でき、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0015】
また本発明の製造方法では、半導体チップとそのフレキシブル配線基板である中間補強材を接合し、平坦な状態で半導体チップと中間補強材とをワイヤボンドで接続した後、この半導体チップ及び中間補強材を一体に湾曲させ、パッケージ本体の湾曲装着面に装着、固定することから、平坦な状態でワイヤボンド作業を行え、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
また、半導体チップの湾曲時にも中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置の製造工程における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0016】
また本発明の製造方法では、半導体チップと中間補強材を接合した状態で一体に湾曲させ、パッケージ本体の湾曲装着面に装着、固定し、その後、半導体チップのワイヤボンドを行うことから、半導体チップの湾曲時には中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止できる。
また、半導体チップのワイヤボンド時にも、ワイヤボンダによって半導体チップにかかる衝撃を中間補強材によって吸収、緩和でき、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置の製造工程における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による固体撮像装置及びその製造方法の実施の形態例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態例による固体撮像装置のパッケージ構造の一例を示す断面図である。
この固体撮像装置は、固体撮像素子を形成した薄板状の半導体チップ110と、この半導体チップ110の裏面に接合される薄板状の中間補強材140と、この半導体チップ110及び中間補強材140を所定の曲率で湾曲させた状態で装着するための湾曲装着面120Aを有するパッケージ本体120と、半導体チップ110が装着されたパッケージ本体120を封止する透明なガラス等によるカバー体130とを有している。
【0018】
半導体チップ110は、例えば20〜30μm程度の膜厚を有する方形薄板状に形成されており、チップ表面(図中上面側)の中央領域に固体撮像素子の画素を2次元アレイ状に集積した受光面を有し、その外側にチップ外と各種信号を入出力するための電極パッドが配置されている。
また、中間補強材140は、例えば数10μmの膜厚を有する方形薄板状の可撓自在な絶縁性シート体、例えばプラスチックフィルムを主体とするものであり、半導体チップ110の裏面に接着剤(接着手段)等によって接合され、半導体チップ110と一体化されて湾曲されたものである。そして、本例の中間補強材140は、プラスチックフィルム上に配線パターンを設けたフレキシブル配線基板として形成されている。
【0019】
また、図1に示すように、本例の中間補強材140は、パッケージ本体120をカバー体130で封止する際に、このカバー体130の外周部とパッケージ本体120の外周部との間に挟持されるような構造で配置されている。
そして、図1に示す例では、中間補強材140上の配線と半導体チップ110上の電極パッドとがワイヤ142によってボンディングされている。また、中間補強材140の外周部は、上述のようにカバー体130とパッケージ本体120の間からパッケージの外側に露出しており、この露出部分に設けたコネクタ(図示せず)等を用いてパッケージ外との接続を行うような構成となっている。
【0020】
また、パッケージ本体120は、例えばセラミック製の容器状に形成され、半導体チップ110及び中間補強材140を装着する湾曲装着面120Aを有している。
また、パッケージ本体120の底部には、吸引孔120Bが形成されており、この吸引孔120Bを介して半導体チップ110及び中間補強材140を真空吸引することにより、半導体チップ110及び中間補強材140を湾曲装着面120A側に湾曲させる。
【0021】
また、図1では省略しているが、パッケージ本体120の外周部(湾曲装着面120Aの外側領域)には位置合わせ用の突起が形成され、中間補強材140の外周部(半導体チップの外側領域)にはパッケージ本体120の突起が挿入される位置合わせ用の孔が形成されている。
なお、これら位置合わせ用の突起と孔は、パッケージ本体120及び中間補強材140の外周部に沿って複数箇所(例えば各コーナー部や各辺)に配置されており、パッケージ本体120と中間補強材140(及び半導体チップ110)を容易かつ正確に位置合わせして組み立てられるようになっている。
【0022】
なお、図1に示す構造例、及び後述する図2に示す製造方法の例では、半導体チップ110を必ず中間補強材140にワイヤボンドする構成であるので、この中間補強材140にフレキシブル配線基板を用いることが有効であるが、半導体チップ110をワイヤボンドする相手としては、中間補強材140でなく、パッケージ本体120側に配線を設けてワイヤボンドすることも可能である。
すなわち、半導体チップ110及び中間補強材140をパッケージ本体120に装着した後にワイヤボンドを行うことも可能であることから、半導体チップ110及び中間補強材140をパッケージ本体120に装着した後、半導体チップ110とパッケージ本体120とをワイヤボンドすることができる。
【0023】
この場合、半導体チップ110が湾曲した状態でワイヤボンドを行うことになるため、従来技術で説明したように、ワイヤボンダ用ツール(キャピラリ)が半導体チップ110に損傷を与える恐れも生じるが、本例では、半導体チップ110の下面に密着性及び弾力性のある中間補強材140を配置しているため、ワイヤボンダ用ツールによる局所的な衝撃を吸収でき、半導体チップ110の損傷を防止することが期待できる。
そして、このように半導体チップ110をパッケージ本体120にワイヤボンドする場合には、中間補強材140に配線を持たないものを用いることも可能であるため、図1に示す中間補強材140は、必ずしもフレキシブル配線基板には限定されないものとする。
【0024】
また、中間補強材140の強度や膜厚については、あまり柔らかいものや変形量の大きいものを用いた場合には、半導体チップ110をワイヤボンダで結線する際に、半導体チップ110がかえって損傷し易くなることも考えられるため、中間補強材140の材質や膜厚、強度等の特性については、例えば各種のサンプルを用いて試作実験を行い、試作品が最も良好な特性や歩留等を得ることができる最適なものを選択するような方法を用いて決定することが可能である。
また、半導体チップ110及び中間補強材140を湾曲する場合、一定の温度で加熱して湾曲作業を行うことになるが、この加熱及びその後の冷却に際して、半導体チップ110と中間補強材140の線膨張係数の差によって、より湾曲が容易となるような材質を選ぶようにすることも有効である。
また、パッケージ本体120は、全体的にセラミックで形成されたものに限らず、例えば金属製の容器に湾曲装着面120Aの部分だけを絶縁性のセラミック等の材料によって形成して接合したような構造のものであってもよい。
また、上述の例では、真空吸引によって半導体チップ110及び中間補強材140を湾曲装着面120A側に湾曲させているが、半導体チップ110及び中間補強材140を湾曲装着面120A側に押圧することにより、湾曲させるような方法を採用してもよい。
【0025】
以上のような構成の固体撮像装置では、半導体チップ110とパッケージ本体120の湾曲装着面120Aとの間に、半導体チップ110と一体化された中間補強材140を介在配置させたことから、半導体チップ110の湾曲時に中間補強材140によって補強され、また、半導体チップ110が直接パッケージ本体120に当接することもなくなるため、半導体チップ110が中間補強材120によって保護され、割れ等の損傷を防止できる。
また、半導体チップ110のワイヤボンド時にも、ワイヤボンダによって半導体チップ110にかかる衝撃を中間補強材140によって吸収、緩和でき、ワイヤボンダによる半導体チップ110自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
この結果、半導体チップ110を湾曲させることによって結像光学系による像面湾曲を吸収するようにした固体撮像装置において、信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0026】
図2は、図1に示す固体撮像装置のパッケージ化とワイヤボンドを行う場合の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、図2(a)に示すように、半導体チップ110と中間補強材140を位置合わせし、接着剤等によって接合する。そして、半導体チップ110と中間補強材140とを平坦な状態のままで、ワイヤボンダによるワイヤボンド作業を行い、半導体チップ110の電極パッドと中間補強材140の配線とをワイヤ142によって結線する。このように本例では、半導体チップ110と中間補強材140とを平坦に重ねてワイヤボンドを行うことにより、半導体チップ110の損傷を招くことなく、また、信頼性の高い結線状態を確保できる。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、このような半導体チップ110及び中間補強材140をパッケージ本体120の上面に位置決め配置する。これは上述したパッケージ本体120の位置合わせ用の突起121を中間補強材140の位置合わせ用の孔141に挿入するようにして、半導体チップ110及び中間補強材140をパッケージ本体120の上面に装着することにより、容易に位置合わせできるものである。
そして、図2(c)に示すように、半導体チップ110及び中間補強材140をパッケージ本体120の湾曲装着面120Aに沿って一体に湾曲させる。これは上述した真空吸引で行ってもよいし、押圧変形によって行ってもよい。図示の例は、吸引孔120Bにより真空吸引で行う場合を示している。また、湾曲作業は一定の温度で加熱して行うことになる。
このように本例では、半導体チップ110と中間補強材140とを一体な状態で湾曲させることで、半導体チップ110の割れ等を有効に防止できる。
また、この湾曲時に、例えば湾曲装着面120Aの表面に接着剤を塗布しておくことにより、湾曲後の半導体チップ110と中間補強材140を湾曲装着面120Aに密着させた状態で確実に固定することが可能である。
【0028】
次に、図2(d)に示すように、中間補強材140の外周部を介してカバー体130をパッケージ本体120の上面に装着し、パッケージの内部を封止した後、最後に図2(e)に示すように、パッケージの外部にはみ出した中間補強材140の外周部を切断し、パッケージ化された固体撮像装置を完成する。
【0029】
なお、以上のような図2に示す製造工程では、半導体チップ110と中間補強材140のワイヤボンドを行った後、パッケージ本体120に湾曲させて装着したが、半導体チップ110と中間補強材140をパッケージ本体120に湾曲させて装着した後、半導体チップ110と中間補強材140のワイヤボンドを行うことも可能である。
この場合、半導体チップ110及び中間補強材140の湾曲傾斜面にワイヤボンドを行うことになるが、上述のように密着性と弾力性を有する中間補強材140を配置したことで、直接パッケージ本体に装着した従来の構成に比べて、半導体チップ110の損傷を有効に防止でき、生産性や信頼性の面で十分な効果を得られるものである。
【0030】
また、このように半導体チップ110と中間補強材140との間でワイヤボンドを行う代わりに、半導体チップ110とパッケージ本体120との間でワイヤボンドを行うような構成であってもよい。
この場合には、中間補強材140を小さい幅に形成し、半導体チップ110と中間補強材140をパッケージ本体120に装着した状態で、パッケージ本体120に設けた配線部分が上方に露出するような構造とすることで、半導体チップ110の電極パッドとパッケージ本体120の配線のワイヤボンドを行うことになる。
【0031】
また、上述した例では、カバー体130によってパッケージ本体120を封止する構成例を説明したが、このようなカバー体を持たない構造のものであってもよい。
さらに、上述した実施の形態例は、本発明を具体例で限定的に説明したものであり、本発明は上述した実施の形態例に限定されず、例えば各部材の材質や寸法等は適宜選択し得るものである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の固体撮像装置によれば、湾曲した薄板状の半導体チップとパッケージ本体の湾曲装着面との間に、半導体チップと一体化された薄板状の中間補強材を介在配置させたことから、半導体チップの湾曲時に中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止でき、さらに半導体チップのワイヤボンド時にも、ワイヤボンダによって半導体チップにかかる衝撃を中間補強材によって吸収、緩和でき、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0033】
また本発明の製造方法によれば、半導体チップとそのフレキシブル配線基板である中間補強材を接合し、平坦な状態で半導体チップと中間補強材とをワイヤボンドで接続した後、この半導体チップ及び中間補強材を一体に湾曲させ、パッケージ本体の湾曲装着面に装着、固定することから、平坦な状態でワイヤボンド作業を行え、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止でき、さらに、半導体チップの湾曲時にも中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置の製造工程における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【0034】
また本発明の製造方法によれば、半導体チップと中間補強材を接合した状態で一体に湾曲させ、パッケージ本体の湾曲装着面に装着、固定し、その後、半導体チップのワイヤボンドを行うことから、半導体チップの湾曲時には中間補強材によって補強され、また、半導体チップが直接パッケージ本体に当接することもなくなるため、半導体チップが中間補強材によって保護され、割れ等の損傷を防止でき、さらに、半導体チップのワイヤボンド時にも、ワイヤボンダによって半導体チップにかかる衝撃を中間補強材によって吸収、緩和でき、ワイヤボンダによる半導体チップ自体あるいは電極パッドの損傷を防止できる。
この結果、半導体チップの湾曲によって結像光学系による像面湾曲を吸収した固体撮像装置の製造工程における信頼性の向上や歩留の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例による固体撮像装置のパッケージ構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す固体撮像装置のパッケージ化とワイヤボンドを行う場合の製造工程の一例を示す断面図である。
【図3】従来の固体撮像装置のパッケージ構造の一例を示す断面図である。
【図4】図3に示す固体撮像装置のパッケージ化とワイヤボンドを行う場合の製造工程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
110……半導体チップ、120……パッケージ本体、120A……湾曲装着面、120B……吸引孔、121……位置合わせ用の突起、130……カバー体、140……中間補強材、141……位置合わせ用の孔。
Claims (13)
- 表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップと、
前記半導体チップを所定の曲率で湾曲させた状態で装着するための湾曲装着面を有するパッケージ本体と、
前記半導体チップの裏面に接着手段によって一体に接合されて前記半導体チップと一体に湾曲され、前記半導体チップとパッケージ本体の湾曲装着面との間に介在配置され、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材と、
前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面を封止するカバー体と、を有する
固体撮像装置。 - 前記中間補強材は、前記半導体チップに接続されるフレキシブル配線基板である請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記パッケージ本体は前記半導体チップに接続される配線を有し、前記半導体チップの端子と前記パッケージ本体の配線がワイヤボンドによって接続されている請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記パッケージ本体の湾曲装着面における半導体チップ配置領域の外側領域に位置合わせ用の突起が前記パッケージ本体の外周部に沿って複数設けられ、
前記中間補強材における半導体チップの外側領域に前記位置合わせ用の突起に対応して前記突起が挿入される位置合わせ用の孔が前記中間補強材の外周部に沿って複数設けられている、請求項1記載の固体撮像装置。 - 表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材を接着手段によって一体に接合し、平坦な状態で前記半導体チップの端子と前記中間補強材の配線とのワイヤボンドを行う第1の工程と、
前記半導体チップ及び中間補強材をパッケージ本体に形成した湾曲装着面に密着させて一体に湾曲させた後、接着手段によって固定する第2の工程と、
前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面をカバー体によって封止する第3の工程と、を有する
固体撮像装置の製造方法。 - 前記第1の工程では、前記半導体チップと中間補強材とを接着手段によって一体に接合する請求項5記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の工程では、前記半導体チップ及び中間補強材を真空吸引によって前記パッケージ本体の湾曲装着面に密着させた後、接着手段によって固定する請求項5記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の工程では、前記半導体チップ及び中間補強材を押圧によって前記パッケージ本体の湾曲装着面に密着させた後、接着手段によって固定する請求項5記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の工程では、前記パッケージ本体の湾曲装着面における半導体チップ配置領域の外側領域に前記パッケージ本体の外周部に沿って複数設けられた位置合わせ用の突起と、前記中間補強材における半導体チップの外側領域に前記位置合わせ用の突起に対応して前記中間補強材の外周部に沿って複数設けられ前記突起が挿入される位置合わせ用の孔とによって位置合わせを行う請求項5記載の固体撮像装置の製造方法。
- 表面に固体撮像素子の受光面を形成した薄板状の半導体チップの裏面に、局所的な衝撃を吸収するに足る弾力性を有し、可撓自在なプラスチックフィルムを主体とする中間補強材を接着手段によって一体に接合する第1の工程と、
前記半導体チップ及び中間補強材をパッケージ本体に形成した湾曲装着面に密着させて一体に湾曲させた後、接着手段によって固定する第2の工程と、
前記半導体チップの端子と前記中間補強材またはパッケージ本体の少なくとも一方に設けた配線とのワイヤボンドを行う第3の工程と、
前記半導体チップ及び中間補強材が装着された前記パッケージ本体の湾曲装着面をカバー体によって封止する第4の工程と、を有する
固体撮像装置の製造方法。 - 前記第2の工程では、前記半導体チップ及び中間補強材を真空吸引によって前記パッケージ本体の湾曲装着面に密着させた後、接着手段によって固定する請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の工程では、前記半導体チップ及び中間補強材を押圧によって前記パッケージ本体の湾曲装着面に密着させた後、接着手段によって固定する請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の工程では、前記パッケージ本体の湾曲装着面における半導体チップ配置領域の外側領域に前記パッケージ本体の外周部に沿って複数設けられた位置合わせ用の突起と、前記中間補強材における半導体チップの外側領域に前記位置合わせ用の突起に対応して前記中間補強材の外周部に沿って複数設けられ前記突起が挿入される位置合わせ用の孔とによって位置合わせを行う請求項10記載の固体撮像装置の製造方法。
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