JP4707068B2 - フォトマスクブランクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置等の製造におけるリソグラフィー工程で用いられるフォトマスク等のリソグラフィーマスクを製造するためのフォトマスクブランク等に関し、特にKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、及びF2エキシマレーザに特に適したハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びその製造方法等に関する。
近年、フォトリソグラフイーに要求される二つの重要な特性である高解像度化と焦点深度の確保は相反する関係にあり、露光装置のレンズの高NA化、短波長化だけでは実用解像度を向上できないことが明らかにされた(非特許文献1等)。
このような状況下、次世代のフォトリソグラフィー技術として位相シフトリソグラフィーが注目を集めており、一部実用化されている。位相シフトリソグラフィーは、光学系には変更を加えず、マスクだけの変更で光リソグラフィーの解像度を向上させる方法であり、フォトマスクを透過する露光光間に位相差を与えることにより透過光相互の干渉を利用して解像度を飛躍的に向上できるようにしたものである。
位相シフトマスクは、光強度情報と位相情報とを併有するマスクであり、レベンソン(Levenson)型、補助パターン型、自己整合型(エッジ強調型)などの各種タイプが知られている。これらの位相シフトマスクは、光強度情報しか有しない従来のフォトマスクに比べ、構成が複雑で製造にも高度の技術を要する。
この位相シフトマスクの一つとして、いわゆるハーフトーン型位相シフトマスクと称される位相シフトマスクが近年実用化されている。
このハーフトーン型の位相シフトマスクは、光半透過部が、露光光を実質的に遮断する遮光機能と、光の位相をシフト(通常は反転)させる位相シフト機能との二つの機能を兼ね備えることになるので、遮光膜パターンと位相シフト膜パターンを別々に形成する必要がなく、構成が単純で製造も容易であるという特徴を有している。
ハーフトーン位相シフトマスクにおいてはマスクパターンの加工をドライエッチング工程により行っているが、遮光機能と位相シフト機能を別々の層で実現する方法では、遮光機能を有する層と位相シフト機能を持つ層の両方について、良好なパターン形状を得るための高度な制御が必要である。それに対し、遮光機能と位相シフト機能を兼ね備えた単層の光半透過部を構成することにより、単一のエッチング工程を用いることができるので、マスクの製造工程を単純化でき、容易に良好なパターン形状を得ることが可能である。
ハーフトーン型の位相シフトマスクは、図1に示すように、透明基板100上に形成するマスクパターンを、実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部(透明基板露出部)200と、実質的に露光に寄与しない強度の光を透過させる光半透過部(遮光部兼位相シフタ部)300とで構成し(同図(a))、かつ、この光半透過部を透過する光の位相をシフトさせて、光半透過部を透過した光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって(同図(b))、光半透過部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラストすなわち解像度を向上させるものである(同図(c))。
また、上述したハーフトーン型の位相シフトマスクやブランクにおける光半透過部や光半透過膜(位相シフト層)は、マスク製造工程における洗浄及びマスク使用時の洗浄等の前処理又は洗浄液として使用される硫酸等の酸溶液に対する十分な耐久性、及びアンモニア等のアルカリ溶液に対する十分な耐久性を有している必要がある。
そして、これらの要求される最適な特性を単層の光半透過部で実現しうる位相シフトマスクに関し、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(特許文献1、特許文献2、特許文献3)に関する提案が行われている。
月刊Semiconductor World 1990.12、応用物理第60巻第11月号(1991) 特開平6−214792号 特許第2878143号 特許第2989156号
ところで、露光に用いるレーザの波長がi線(365nm)やKrFエキシマレーザー(248nm)から、ArFエキシマレーザー(193nm)へと短波長化するにつれて、同じ膜厚変化量に対する位相角のずれが大きくなるため、露光の短波長化に従って位相シフトマスクの酸溶液及びアルカリ溶液に対する耐久性を向上させることが必要となる。
また、露光に用いるレーザーの波長が短波長化することにより、レーザー光のエネルギーが大きくなるため、露光による光半透過部のダメージが大きくなり、位相シフトマスクに要求される使用寿命期間内に、設定した透過率及び位相差にずれが生じてしまうという問題がある。
一方で、半導体回路等の微細化にともない、リソグラフィーに用いる露光光源の短波長化、露光装置のレンズの高NA化が進んでいるが、露光装置のレンズの高NA化と焦点深度の確保は相反する関係にあり、焦点深度を確保するため、フォトマスクに要求される平坦度はますます厳しくなっており、近年においては0.3から0.5μm以下が要求されている。フォトマスクの平坦度は透明基板の曲げ強度や成膜前の基板の平坦度と回路パターン等を形成する膜の内部応力に依存しており、これらのうちで特に回路パターンを形成する膜の内部応力が大きな問題となってきている。
このような状況のもと、位相シフトマスクの耐酸性、耐アルカリ性、及び耐エキシマレーザー照射耐性を向上させるために、光半透過部の密度を向上させたものについて、本願出願人による出願(特願2001−246080)がある。この出願には、光半透過部の密度を向上させるために、光半透過部を構成する膜をスパッタリングにより形成する際に用いるアルゴン及び反応性ガスを含む雰囲気の圧力を低くする方法が開示されている。
さらに、上記出願においては、スパッタリングを行う雰囲気の圧力を小さくした場合、膜の内部応力が増加するという事実に基づき、光半透過膜を成膜後、熱処理を行うことにより光半透過膜の圧縮応力を緩和する方法が開示されている。 一方、上記出願では、所定の応力を得るために非常に高温の熱処理(例えば600℃)が必要となる場合があり、さらに熱処理によって効率的に圧縮応力を緩和できる方法が要求されていた。
本発明は上述した問題点にかんがみてなされたものであり、パターンを形成する薄膜の応力を効果的に低減することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
(構成1) 透明基板上にマスクパターンを形成するための膜を少なくとも有するフォトマスクブランクの製造方法において、
前記方法は、前記マスクパターンを形成するための膜の少なくとも一層を、スパッタリング雰囲気中に少なくともヘリウムガスを含有させてスパッタ成膜を行う成膜工程と、前記成膜工程の間又は後に前記透明基板を加熱する工程とを有することを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
(構成2) 前記成膜工程において、前記マスクパターンを形成するための膜を、スパッタリングガスとしてアルゴンとヘリウムとの混合ガスを用いてスパッタ成膜を行うことを特徴とする構成1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。(構成3) 前記フォトマスクブランクがハーフトーン型位相シフトマスクブランクであり、前記マスクパターンを形成するための膜が、露光光に対して所定の透過率を有しかつ透明基板に対し露光光の位相を所定量シフトさせる一層又は二層以上から構成される光半透過膜であることを特徴とする構成1又は2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成4) 前記光半透過膜が、シリコン及び窒素及び/又は酸素、又は金属、シリコン、及び窒素及び/又は酸素を含む材料からなる膜を含むことを特徴とする構成1〜3から選ばれる一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成5) 前記透明基板を加熱する工程における加熱処理温度が、180℃以上であることを特徴とする構成1〜4から選ばれる一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成6) 構成1〜5に記載のフォトマスクブランクを用いて製造したことを特徴とするフォトマスク。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、透明基板上にマスクパターンを形成するための膜を少なくとも有するフォトマスクブランクの製造方法において、
前記方法は、前記マスクパターンを形成するための膜の少なくとも一層を、スパッタリング雰囲気中に少なくともヘリウムガスを含有させてスパッタ成膜を行う成膜工程と、前記成膜工程の間又は後に前記透明基板を加熱する工程とを有することを特徴とするものである(構成1)。
本発明は、本発明者らの実験により、従来スパッタリングガスとして、アルゴンを用いていたのに対し、アルゴンの一部または全部をヘリウムで置き換えることによって、従来のアルゴンを用いた場合に比べて圧縮応力が低減されたことにより達成されたものである。また、成膜の間又は後に熱処理を行うことによって、さらに効果的に圧縮応力が低減されることがわかった。これは、あらかじめ、揮発し易いヘリウムを膜中に存在させ、熱処理によりヘリウムが揮発することによって膜中の圧縮応力が緩和する方向へ働くためと推測される。
本発明において、好ましいスパッタリング圧力は、0.20〜0.40パスカルが好ましく、さらに好ましくは0.23〜0.35パスカル、最も好ましくは0.25〜0.31パスカルである。スパッタリング雰囲気の圧力が上記範囲のような低圧であると、光半透過膜の密度を向上させ膜を緻密化できる。薄膜の緻密化は、酸やアルカリに対する耐薬性や耐光性・耐エキシマレーザー照射耐性を向上させる効果があり、さらに微細パターンにおけるパターン精度も向上する。なお、上記範囲を下回ると、膜の内部応力が熱処理によって改善することができない程大きくなってしまう恐れがあるとともに、成膜の安定性に影響を与える恐れがある。
本発明においては、マスクパターンを形成するための膜に少なくとも一層の圧縮応力的性質を有する膜を含む場合、該圧縮応力的性質を有する膜の圧縮応力を低減することができる。なお、圧縮応力的性質とは、スパッタガスとしてArのみを用いた場合に示す応力が圧縮応力であることとする。
なお、後述するように透明基板上にマスクパターンを形成するための圧縮応力的性質を示す膜が多層構造である場合は、少なくとも一層を上記スパッタリング圧力範囲でスパッタリングすることが好ましく、全ての膜について上記スパッタリング圧力範囲でスパッタリングすることがより好ましい。
本発明において、スパッタリング雰囲気中の好ましいスパッタリングガスは、アルゴン等の不活性ガスとヘリウムとの混合ガスである。なお、アルゴンに替えて他の不活性ガスを用いることが可能であり、アルゴンとヘリウムとの混合ガスに他の不活性ガスを添加することが可能である。
スパッタリング雰囲気中に窒素や酸素などの反応性ガスを添加して反応性スパッタリングを行う際の好ましいスパッタリングガス含有量は、Heについては、25〜34%である。下限を外れると応力低減効果が小さくなり、上限を超えるとスパッタレートが低下して生産性が低下する。Arについては、5〜15%である。下限を外れると光学特性が極端に不安定となり、上限を超えるとスパッタレートが低下して生産性が低下する。
本発明において、透明基板上にマスクパターンを形成するための膜としては、例えば、ハーフトーン型位相シフトマスクにおける光半透過膜や、フォトマスクにおける遮光膜等が挙げられる。
ここで、ハーフトーン型位相シフトマスクにおける光半透過膜としては、単層構造の光半透過膜や、例えば低透過率層と高透過率層とを2層又はそれ以上積層し位相角及び透過率が所望の値となるように設計された多層構造の光半透過膜が含まれる。
単層構造の光半透過膜としては、金属とシリコン(ケイ素)に酸素及び/又は窒素を含む材料、又はこれらに炭素及び/又はフッ素及び/又は水素を含む材料、酸化クロム、フッ化クロム等が挙げられるが、金属、シリコン、及び、窒素及び/又は酸素から実質的になるものが好ましい。ここでいう金属としては、チタン、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステンのうちから選ばれる一以上の金属等が挙げられる。通常よく用いられる金属はモリブデンであるが、モリブデンは上記金属の中で特に、透過率の制御性とターゲット密度において優れている。チタン、バナジウム、ニオブはアルカリ溶液に対する耐久性に優れているが、ターゲット密度においてモリブデンに若干劣っている。タンタルはアルカリ溶液に対する耐久性及びターゲット密度において優れているが、透過率の制御性においてモリブデンに若干劣っている。タングステンはモリブデンとよく似た性質を持っているが、スパッタリング時の放電特性においてモリブデンより若干劣っている。
多層構造の光半透過膜としては、高透過率層として、シリコン、及び、窒素及び/又は酸素から実質的になる高透過率層、又は、金属(上記単層構造の光半透過膜における金属と同様)、シリコン、及び、窒素及び/又は酸素から実質的になる高透過率層等を用い、低透過率層として、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム等の一種又は二種以上の合金からなる金属膜、又はこれらの金属又は合金の酸化物、窒化物、酸窒化物、シリサイド等を用いたものが好ましい。
フォトマスクにおける遮光膜としては、クロム又はクロムに酸素、窒素、炭素等を含むクロム化合物、その他のクロム化合物等からなる単層又は多層構造の遮光膜が挙げられる。
本発明において、透明基板上にマスクパターンを形成するための膜が多層構造である場合は、少なくとも圧縮応力的性質を示す膜について、スパッタリング雰囲気中に少なくともヘリウムガスを含有させてスパッタ成膜を行うことが好ましい。なお、シリコン及び窒素及び/又は酸素、あるいは金属、シリコン及び/又は窒素又は酸素を含む材料からなる膜は、通常圧縮応力的性質を有する。
本発明において、成膜工程の間又は後に透明基板を加熱する工程における熱処理温度は、膜中のヘリウムを効果的に揮発させ膜中の圧縮応力を効果的に緩和させる観点から、180℃以上が好ましく、200℃以上、300℃以上、400℃以上がより好ましい。但し、高温になると、熱処理装置内における熱の到達時間がかかることや、装置の管理がより難しくなることから、実用的には500℃以下が好ましい。
なお、熱処理する雰囲気は、大気、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。なお、大気のような酸素を含むガスの場合は、熱処理によって光半透過膜の特性が若干変化してしまう場合があるので、光半透過膜の成膜時にその変化分を考慮して成膜することが好ましい。熱処理による膜特性の変化を避けたい場合には、不活性ガス雰囲気で熱処理を行うことが好ましく、特に高温(例えば380℃以上)の熱処理の場合は、膜特性の変化量も大きいため、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うことが望ましい。
(実施例)
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、スパッタリングガスとして、ヘリウムを用いたときの効果及び成膜後の熱処理の効果について説明する。
図2に示すようなDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、透明基板上に、モリブデンとシリコンと窒素から実質的になる単層の光半透過膜を成膜し、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクスを作製した。
このDCマグネトロンスパッタ装置は真空槽1を有しており、この真空槽1の内部にマグネトロンカソード2及び基板ホルダ3が配置されている。マグネトロンカソード2にはバッキングプレート4に接着されたスパッタリングターゲット5が装着されている。バッキングプレート4は水冷機構により直接または間接的に冷却されている。マグネトロンカソード2とバッキングプレート4及びスバッタリングターゲット5は電気的に結合されている。基板ホルダ3には透明基板6が装着されている。
真空槽1は排気口7を介して真空ポンプにより排気されている。真空槽内の雰囲気が形成する膜の特性に影響しない真空度まで達した後、ガス導入口8から窒素を含む混合ガスを導入し、DC電源9を用いてマグネトロンカソード2に負電圧を加え、スパッタリングを行う。真空槽1内部の圧力は圧力計10によって測定されている。
モリブデンシリサイドターゲット(Mo:Si=20:80)を用いて、スパッタリングガスとしてAr、N2及びHeの混合ガスを流量が、Ar:10sccm、N2:80sccmとし、He:0、9、18、36、54、69sccmの6条件とした光半透過膜(位相角:182〜184°、透過率5〜6%)を形成した位相シフトマスクブランクに対し、成膜後熱処理無し、200℃熱処理後、及び400℃熱処理を行い、光半透過膜の内部応力を評価した。光半透過膜の内部応力の評価は、光半透過膜形成前後における透明基板の平坦度変化量を測定することで行った。
平坦度は、合成石英基板(152mm×152mm×6.35mm)の基板の端3mmを除外した146mm角の範囲について測定し、基板の平均面から最高低と最低点における高さの差で定義した。透明基板の平坦度は、干渉計(TROPEL社製:FlatMaster200)を用いて測定した。
成膜後熱処理無し、200℃熱処理後、及び400℃熱処理を行った各ブランクに対し、スパッタリングガスのHe導入量と平坦度変化量の関係を図3に示す。なお、図3における平坦度変化量はプラスの変化量、即ち圧縮応力を示すものである。
図3から明らかなように、スパッタリングガスにHeを導入することによって平坦度変化量が低減される傾向があることが判り、さらに熱処理を行うことによって、さらに平坦度変化量を低減することができることから、光半透過膜の圧縮応力が低減できたことが示されている。
(実施例2)
本実施例では、モリブデンとシリコンと窒素から実質的になる単層の光半透過膜を有するKrFエキシマレーザ(248nm)用ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを製造した例について説明する。
実施例1の同様のスパッタリング装置を用いて、スパッタリングターゲットとしてMo:Si=20:80、スパッタリングガスにアルゴンと窒素とヘリウム(ガス流量:Ar=10sccm、N2=80sccm、He=40sccm)を用い、成膜圧力0.28Pa、として光半透過膜の位相角がほぼ180°となるように調整して光半透過膜の成膜を行った。その際の平坦度は1.3μmであった。
その後、熱処理装置を用いて250℃にて30分間熱処理を行った。
得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクは、露光光に対する透過率が6%、位相角はほぼ180°であり、平坦度は、0.6μmであり、要求値を満足するものであった。
また、耐薬性(耐酸性、耐アルカリ性、耐機能水性)、耐光性(耐KrFエキシマレーザ)ともに要求値をほぼ満足した。
(実施例3)
本実施例では、モリブデンとシリコンと窒素から実質的になる単層の光半透過膜を有するArFエキシマレーザ(193nm)用ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを製造した例について説明する。
実施例1の同様のスパッタリング装置を用いて、スパッタリングターゲットとしてMo:Si=10:90、スパッタリングガスにアルゴンと窒素とヘリウム(ガス流量:Ar=10sccm、N2=80sccm、He=40sccm)を用い、成膜圧力0.25Pa、として光半透過膜の位相角がほぼ180°となるように調整して光半透過膜の成膜を行った。その際の平坦度は1.3μmであった。
その後、熱処理装置を用いて250℃にて30分間熱処理を行った。
得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクは、露光光に対する透過率が6%、位相角はほぼ180°であり、平坦度は、0.6μmであり、要求値を満足するものであった。
また、耐薬性(耐酸性、耐アルカリ性、耐機能水性)、耐光性(耐ArFエキシマレーザ)ともに要求値をほぼ満足した。
(実施例4)
実施例2及び3の位相シフトマスクブランクの光半透過膜上に、レジスト膜(ベーク温度:ArF用190℃、KrF用180℃)を形成し、パターン露光、現像によりレジストパターンを形成した。次いで、エッチング(CF4+O2ガスによるドライエッチング)により、露出部分を除去し、光半透過膜のパターン(ホール、ドット等)即ち光半透過部を得た。レジスト剥離後、100℃の98%硫酸(H2SO4)に15分間浸漬して硫酸洗浄し、純水等でリンスして、ArFエキシマレーザ−用の位相シフトマスク、及び、KrFエキシマレーザー用の位相シフトマスクを得た。
以上好ましい実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、単層の光半透過膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクやブランクに限らず、多層構造の光半透過膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクやブランク、あるいは、単層又は多層の遮光膜を有するフォトマスクやフォトマスクブランクについても、本発明を適用できる。
なお、単層の光半透過部又は光半透過膜からなるF2エキシマレーザー(157nm)用のハーフトーン型位相シフトマスクやブランクにおいても本発明を適用することができ、さらにスパッタリングの際の反応性ガスとして酸素ガスを用い、例えば、MoSiO、MoSiON、NiSiON、PdSiON、SiON、SiOなどのシリコンと酸素を含む膜を含む単層又は多層構造の光半透過部や光半透過膜等を形成する際にも本発明を適用することができる。
(発明の効果)
以上説明したように本発明によれば、スパッタリング雰囲気中に少なくともヘリウムガスを含有させてスパッタ成膜を行い、かつ、前記成膜の間又は後に透明基板(スパッタ成膜された薄膜)を加熱することによって、効率的に膜応力の低減が可能である。
ハーフトーン型位相シフトマスクの転写原理を説明するための図である。 実施例で使用したDCマグネトロンスパッタリング装置の模式図である。 He導入量と平坦度変化量の関係を示す図である。
符号の説明
100 透明基板
200 光透過部
300 光半透過部

Claims (8)

  1. 透明基板上にマスクパターンを形成するための膜を少なくとも有するフォトマスクブランクの製造方法において、
    前記マスクパターンを形成するための膜は、シリコンと、窒素及び/又は酸素とを含む材料からなるか、あるいは、金属及びシリコンと、窒素及び/又は酸素とを含む材料からなる、1層または2層以上の圧縮応力を有する膜であり、
    前記膜の少なくとも一層を、少なくともヘリウムガスを含有し、スパッタリングガス中のヘリウムガスの含有量が30.8%以上である雰囲気中でスパッタ成膜することによってヘリウムを前記膜中に存在させるように成膜を行う成膜工程と、
    前記成膜工程後、レジスト膜の形成前に、前記透明基板を加熱する工程を有し、
    前記加熱する工程では、前記成膜工程において前記膜中に存在させたヘリウム揮発させ、前記圧縮応力を低減させることによって前記マスクブランクの平坦度が0.6μm以下となるように、前記透明基板を加熱し、
    前記加熱する工程における加熱処理温度が、250℃以上であることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  2. 前記成膜工程において、前記マスクパターンを形成するための膜を、スパッタリングガスとしてアルゴンとヘリウムと窒素との混合ガスを用いてスパッタ成膜を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  3. 前記フォトマスクブランクがハーフトーン型位相シフトマスクブランクであり、
    前記マスクパターンを形成するための膜が、露光光に対して所定の透過率を有し、かつ透明基板に対して露光光の位相を所定量シフトさせる1層又は2層以上で構成される光半透過膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  4. 前記成膜工程において、前記マスクパターンを形成するための膜を、スパッタリング圧力が0.20〜0.40パスカルで成膜することを特徴とする請求項1〜から選ばれる一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  5. 前記スパッタリング圧力が0.35パスカル以下であることを特徴とする請求項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  6. 前記成膜工程において、前記マスクパターンを形成するための膜を、スパッタリングガスとしてアルゴンガスとヘリウムガスと窒素とを含み、ヘリウムガスの含有量がアルゴンガスの含有量より多い 混合ガスを用いてスパッタ成膜を行うことを特徴とする請求項1〜から選ばれる一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  7. 前記透明基板を加熱する工程における加熱処理温度が、500℃以下であることを特徴とする請求項1〜から選ばれる一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  8. 請求項1〜から選ばれる一項に記載のフォトマスクブランクの製造方法により製造されたフォトマスクブランクを用い、前記マスクパターンを形成するための膜をパターニングして前記透明基板上にマスクパターンを形成することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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