JP4706885B2 - クロック・データ再生回路およびその制御方法 - Google Patents
クロック・データ再生回路およびその制御方法 Download PDFInfo
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- H03L7/0807—Details of the phase-locked loop concerning mainly a recovery circuit for the reference signal
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信したディジタル信号を識別点で識別してデータを再生するクロック・データ再生回路(CDR: Clock and data recovery)およびその制御方法に関し、特には、IC化に適した位相同期ループ(PLL: Phase Locked Loop)を道いてデータを再生するクロック・データ再生回路およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信の大容量化に伴い、更なる伝送速度の高速化が進んでいる。近年では、伝送速度が40Gb/s以上の通信システムも盛んに報告されている。また、一般的に、ディジタル通信システムでは、受信信号からクロック信号を生成し、そのクロック信号で受信信号を識別してデータを再生するクロック・データ再生回路が用いられている。特に近年では、IC化に適した位相同期ループを用いたクロック・データ再生回路が広く使用されている。
【0003】
しかしながら、通信速度が高速になるにつれ、従来では問題とはならなかった様々な要因が、受信波形の劣化に大きく影響を及ぼしている。このため、符号誤りのない安定した通信システムを実現することが困難になってきている。
【0004】
例えば、光通信システムでは、伝送路である光ファイバの偏波分散および波長分散、および、光増幅中継器で発生するASE(amplified spontaneous emission)に起因する雑音により、受信波形が劣化する。このため、受信回路でのデータの再生が困難になり、安定した通信が困難になってきている。
【0005】
また、メタリック伝送システムでは、伝送信号の高周波成分の劣化に起因する符号間干渉、および、コネクタなどの伝送路中の不連続点における伝送信号の反射により、受信波形が劣化する。このため、光通信システムと同様に、受信回路でのデータ再生が困難となってきている。
【0006】
さらに、受信信号の波形劣化以外にも、受信信号を識別する識別器の識別点が、最適な識別点からずれてしまうという問題があった。これは、受信信号からクロック信号を生成するクロック生成回路の内部オフセットや遅延ばらつきに起因する。なお、識別点は、クロック信号にて決定される識別位相と、識別レベルとの組み合わせである。
【0007】
この問題を解決するために、外部から手動でクロック・データ再生回路の識別点を調整する方法が従来から存在する。しかしながら、受信波形の劣化は、伝送路の状態によって時刻と共に変化する。このため、この方法では、識別点を最適な点に調整することは困難であった。このような背景から、信号を受信しながら自動的に識別点を最適な点に調整する方法が期待されている。
【0008】
この課題を解決するために、特許文献1には、受信波形のアイ開口をモニタして、識別器の識別点を最適な点に自動で制御するディジタル信号受信装置が記載されている。
【特許文献1】
特開平10−13396号公報 (第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のディジタル信号受信装置では、クロック生成回路と識別器とが各々独立した構成になっている。このため、識別器の識別点を最適化できても、クロック生成回路の動作点を最適化することができない。このため、受信波形が大きく崩れた場合や、ジッタおよび雑音に対する動作マージンが劣化し、安定したクロック信号を生成することができなくなるという問題があった。
[発明の目的]
本発明の目的は、上記の課題である、安定したクロック信号を生成することができないという問題を解決するクロック・データ再生回路およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明によるクロック・データ再生回路は、受信信号をクロック信号で識別し、該識別結果を示す再生データを生成する主識別器を有し、前記主識別器の識別結果を用いて前記受信信号および前記クロック信号の位相を比較し、該比較結果を示す位相比較信号を出力する比較器と、前記比較器から出力された前記位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の前記クロック信号を生成する生成手段と、前記受信信号から分岐されたモニタ信号と、前記主識別器が生成した再生データとに基づいて、前記主識別器の最適な識別点を検出し、該検出結果に基づいて前記主識別器の識別点を調整するモニタ手段と、を含む。
【0011】
また、本発明によるクロック・データ再生回路の制御方法は、前記クロック・データ再生回路の制御方法であって、前記クロック・データ再生回路の処理を、前記受信信号を受信しながらバックグラウンドで繰り返す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安定したクロック信号を生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図2】位相比較器の具体例を示した回路図である。
【図3】モニタクロック位相可変器の具体例を示した回路図である。
【図4A】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4B】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4C】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4D】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図5】モニタ識別点の走査を説明するためのアイパターン図である。
【図6】クロック・データ再生回路の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図9】位相比較器の位相比較特性と入力位相オフセット調整端子に入力される制御信号との関係を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【0015】
図1において、クロック・データ再生回路は、主信号オフセット調整器100と、位相同期ループ200と、アイ開口モニタ部300とを含む。位相同期ループ200は、主信号識別器1を有する位相比較器2と、位相比較信号オフセット調整器3と、ループフィルタ4と、電圧制御発振器5とを含む。アイ開口モニタ部300は、モニタ識別器8と、モニタ信号オフセット調整器9と、モニタクロック位相可変器11と、エラー検出回路12と、最適識別点制御回路13とを含む。ここで、ループフィルタ4および電圧制御発振器5は、生成部を構成する。
【0016】
主信号オフセット調整器100は、レベル調整手段の一例である。主信号オフセット調整器100は、受信信号から分岐された主信号のレベルを調整する。これは、主信号識別器1の識別レベルを調整するためである。
【0017】
具体的には、主信号オフセット調整器100は、最適識別点制御回路13から、主信号識別器1の識別レベルを制御するための主信号識別レベル制御信号20を受け付ける。そして、主信号オフセット調整器100は、その主信号識別レベル制御信号20に応じて、主信号のレベルを調整する。
【0018】
位相同期ループ200は、再生クロックを生成し、主信号を再生クロックで識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。
【0019】
主信号識別器1は、主信号を再生クロックで識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。また、位相比較器2は、主信号識別器1の識別結果を用いて主信号および再生クロックの位相を比較する。そして、位相比較器2は、その比較結果を示す位相比較信号を出力する。
【0020】
位相比較器2は、例えば、図2で示したようなHogge型位相比較器(米国特許第4,535,459号明細書参照)にて構成される。つまり、位相比較器2は、フリップフロップ2aおよび2bと、排他的論理和回路2cおよび2dと、加算器2eとを含む。また、フリップフロップ2aおよび2bと、排他的論理和回路2cおよび2dとは、主信号識別器1を構成する。
[0021]
フリップフロップ2aは、主信号オフセット調整器100にて調整された主信号を再生クロックCLKで識別する。フリップフロップ2bは、フリップフロップ2aの出力信号を再生クロックCLKの反転クロックで識別する。
[0022]
排他的論理和回路2cは、主信号とフリップフロップ2aの出力信号とを受け付け、それらの信号の排他的論理和を求める。また、排他的論理和回路2dは、フリップフロップ2aおよび2bの出力信号を受け付け、それらの信号の排他的論理和を求める。加算器2eは、二つの排他的論理和回路2cおよび2dの出力信号の差を求め、その差を位相比較信号として出力する。
[0023]
図1に戻る。位相比較信号オフセット調整器3は、位相調整手段の一例である。位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較器2から出力された位相比較信号のオフセットを調整する。これは、主信号識別器1の識別位相を調整するためである。
[0024]
具体的には、位相比較信号オフセット調整器3は、最適識別点制御回路13から、主信号識別器1の識別位相を制御するための主信号識別位相制御信号21を受け付ける。位相比較信号オフセット調整器3は、主信号識別位相制御信号21に応じて、位相比較信号のオフセットを調整する。
[0025]
ループフィルタ4および電圧制御発振器5で構成される生成部は、位相比較信号オフセット調整器3にて調整された位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。
[0026]
具体的には、ループフィルタ4は、その位相比較信号が示す比較結果に応じた制御電圧を出力する。電圧制御発振器5は、ループフィルタ4から出力された制御電圧に応じた周波数の再生クロックを生成する。
[0027]
アイ開口モニタ部300は、受信信号から分岐されたモニタ信号24と、主信号識別器1が生成した再生データとに基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、アイ開口モニタ部300、その検出結果に基づいて主信号識別器1の識別点を調整する。
[0028]
モニタ識別器8は、モニタ信号24をモニタクロック25で識別し、その識別結果を示すモニタデータを生成する。
[0029]
モニタ信号オフセット調整器9は、モニタレベル調整手段の一例である。モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ信号24のレベルを調整する。これは、モニタ識別器8の識別レベルを調整するためである。
[0030]
具体的には、モニタ信号オフセット調整器9は、最適識別点制御回路13から、モニタ識別器8の識別レベルを制御するためのモニタ識別レベル制御信号22を受け付ける。そして、モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ識別レベル制御信号22に応じて、モニタ信号24のレベルを調整する。
[0031]
モニタクロック位相可変器11は、モニタクロック位相調整手段の一例である。モニタクロック位相可変器11は、再生クロックの位相を調整して、モニタクロック信号を生成する。これは、モニタ識別器8の識別位相を調整するためである。
[0032]
具体的には、モニタクロック位相可変器11は、最適識別点制御回路13から、モニタ識別器8の識別位相を制御するためのモニタ識別位相制御信号23を受け付ける。そして、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23に応じて、再生クロックの位相を調整して、モニタクロック信号を生成する。
[0033]
エラー検出回路12は、判定手段の一例である。エラー検出回路12は、主信号識別器1にて生成された再生データと、モニタ識別器8にて生成されたモニタデータとに基づいて、モニタ識別器8の識別点と主信号識別器1の識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれるか否かを判定する。以下、主信号識別器1の識別点を主信号識別点と称し、モニタ識別器8の識別点をモニタ識別点と称することもある。
[0034]
エラー検出回路12は、排他的論理和回路12aと、平均値回路12bと、コンパレータ12cとを含む。
[0035]
排他的論理和回路12aは、再生データとモニタデータとの排他的論理和を求める。
[0036]
平均値回路12bは、排他的論理和回路12aの出力信号の所定期間における平均値を求める。
[0037]
コンパレータ12cは、比較手段の一例である。コンパレータ12cは、平均値回路12bにて求められた平均値が予め定められたエラー閾値Vrefより大きいか否かを判定する。その平均値がエラー閾値Vrefより大きいと、モニタデータに符号誤りがあり、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれていないことを示す。一方、また、その平均値がエラー閾値Vref以下であると、モニタデータに符号誤りがなく、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれていることを示す。
【0038】
最適識別点制御回路13は、制御手段の一例である。最適識別点制御回路13は、モニタ信号オフセット調整器9の調整量と、モニタクロック位相可変器11の調整量とを順次調整する。これにより、モニタ識別点が走査される。
【0039】
また、最適識別点制御回路13は、その走査されたモニタ識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。この最適な識別点を検出する具体的な方法は、後述する。
【0040】
最適識別点制御回路13は、モニタ識別点制御回路13aと、最適識別点検出回路13bと、主信号識別点制御回路13cとを含む。ここで、最適識別点検出回路13bは、様々な計算アルゴリズムに対応できるようにCPUで構成されることが望ましい。これは、最適識別点検出回路13bがエラー検出回路12の検出結果に基づいて最適な識別子を計算するためである。
【0041】
主信号識別点制御回路13cは、主信号識別器1の識別レベルを制御するための主信号識別レベル制御信号20と、主信号識別器1の識別位相を制御するための主信号識別位相制御信号21を生成する。また、主信号識別点制御回路13cは、主信号識別レベル制御信号20を、主信号オフセット調整器100に出力し、主信号識別位相制御信号21を、位相比較信号オフセット調整器3に出力する。位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較信号に主信号識別位相制御信号21を加算して、位相同期ループ200を伝搬する信号のオフセットを制御することで、主信号識別器1の識別位相を制御する。
【0042】
ここで、主信号識別点制御回路13cは、アナログ電圧を発生する回路である。主信号識別点制御回路13cは、例えば、DAコンバータを用いて所望の電圧を発生させて、主信号識別レベル制御信号20および主信号識別位相制御信号21を生成することができる。
【0043】
モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別器8の識別レベルを制御するためのモニタ識別レベル制御信号22と、モニタ識別器8の識別位相を制御するためのモニタ識別位相制御信号23を生成する。モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別レベル制御信号22を、モニタ信号オフセット調整器9に出力し、モニタ識別位相制御信号23をモニタクロック位相可変器11に出力する。
【0044】
ここで、モニタ識別点制御回路13aは、主信号識別点制御回路13cと同様に、DAコンバータを用いて、モニタ識別レベル制御信号22を生成する。また、モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別位相制御信号23が電圧信号の場合、DAコンバータを用いて、モニタ識別位相制御信号23を生成する。また、モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別位相制御信号23がディジタル信号の場合、または、モニタ識別位相制御信号23がディジタル信号を含む場合、最適識別点検出回路13bから出力された制御信号を、モニタ識別位相制御信号23としてモニタクロック位相可変器11に転送する。
【0045】
最適識別点検出回路13bは、モニタ識別点制御回路13aに制御信号を出力して、モニタ識別器8の識別点を位相方向および振幅方向に順次調整する。最適識別点検出回路13bは、その調整を行いながら、その調整された識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、受信信号のアイ開口および主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、最適識別点検出回路13bは、その検出結果に応じて、主信号識別器1の識別点が最適な識別点になるように、主信号識別点制御回路13cを制御する。
【0046】
次に、モニタクロック位相可変器11を詳細に説明する。モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別点制御回路13aから受け付けたモニタ識別位相制御信号23に応じて、位相同期ループ200で生成された再生クロックの位相を調整して、モニタクロック25を生成する。
【0047】
例えば、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23を電圧信号として受け付け、その電圧に応じた調整量で位相を調整して、モニタクロック25を生成する。
【0048】
また、モニタクロック位相可変器11は、位相補間器(Phase Interpolator)含む構成にすることもできる。このとき、モニタクロック位相可変器11は、再生クロックから多相クロックを生成し、位相補間器が、その多相クロックから中間位相の前記モニタクロックを生成する。
【0049】
図3は、モニタクロック位相可変器11の位相補間器の構成例を示した回路図である。
【0050】
図3において、モニタクロック位相可変器11は、二つの差動回路を含む。各差動回路には、個別に電流源が接続されている。また、各電流源の電流比は、m:nとする。
【0051】
一方の差動回路には、再生クロックが入力クロックCLK1およびCLK1barとして入力される。また、他方の差動回路には、入力クロックCLK1から位相が90度遅れた再生クロックが入力CLK2およびCLK2barとして入力される。クロックCLK1の波形をsinθとすれば、クロックCLK2の波形はcosθと表わすことができる。ここで、入力クロックCLK1およびCLK1barと、入力CLK2およびCLK2barとのそれぞれは、多相クロックの各相を示す。
【0052】
このとき、出力クロックCLK3の波形(ksinΘ)は、(1)式で与えられる。
【0053】
【数1】
但し、
【0054】
【数2】
である。
【0055】
よって、モニタクロック位相可変器11は、電流比m:nを変えることで、二つのクロックCLK1およびCLK2の位相を調整することが可能になる。また、この位相補間器の出力クロックCLK3およびCLK3barは、モニタクロック25としてモニタ識別器8に出力される。
【0056】
なお、説明を簡単にするため、図3には90度の位相調整を行う回路を示したが、360度の位相調整を行う回路も構成することができる。この場合、差動回路のそれぞれは、入力クロックと差動回路の入力端子との間に切換スイッチを有し、差動回路のそれぞれに入力されるクロックを反転させることができるようにすればよい。この場合、切換スイッチの切換信号は、モニタ識別位相制御信号23である。
【0057】
次に、図4ないし図6を用いて、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の動作例を詳細に説明する。図4は、主信号識別器の識別点を最適化する過程を示した受信信号のアイパターン図である。図4では、受信信号の波形が歪み、立ち上がりおよび立ち下がりが鈍っている。なお、受信信号は、広がりのある線で描かれている。
【0058】
図4Aは、主信号識別点30と、受信波形31とが示されている。主信号識別点30は、最適な識別点への調整が行われる前の状態(初期状態)の主信号識別器1の識別点を示している。主信号識別点30は、位相同期ループ200が生成した再生クロックの位相タイミングと、受信信号の振幅の中央レベルとで設定されている。
【0059】
主信号識別点30は、受信信号の劣化または位相同期ループ200の内部オフセットや遅延ばらつきのために、受信波形31のアイ開口の中央からずれている。
【0060】
次に、図4Bで示すように、主信号識別点30が固定された状態で、モニタ識別点32が位相方向ならびに振幅方向に走査される。
【0061】
図5は、モニタ識別点の走査を説明するための図である。図5に示すように、アイ開口が、例えば、位相方向に等間隔で並んだN本の線と、振幅方向に等間隔で並んだM本の線とで区分される。また、そのN本の線のそれぞれと、M本の線のそれぞれとN×M個の交点がモニタ識別点32の候補である。そして、モニタ識別点32が、位相方向にn=0からn=N−1まで走査され、その後、振幅方向にm=0からm=M−1まで走査される。
【0062】
以下、主信号識別点30を最適化する動作をさらに詳細に説明する。
【0063】
図6は、主信号識別点30を最適化する動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
モニタ識別点制御回路13は、ステップS101で、m=0にセットする。また、モニタ識別点制御回路13は、ステップS102で、n=0にセットする。
【0065】
続いて、モニタ識別点制御回路13は、モニタ識別点(n,m)に対応したモニタ識別レベル制御信号22およびモニタ識別位相制御信号23を生成する。モニタ識別点制御回路13は、モニタ識別レベル制御信号22をモニタ信号オフセット調整器9に出力し、モニタ識別位相制御信号23をモニタクロック位相可変器11に出力する。
【0066】
モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ識別レベル制御信号22を受け付けると、モニタ識別レベル制御信号22に応じて、モニタ識別点の位相方向の位置がnになるようにモニタ信号のレベルを制御する。
【0067】
また、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23を受け付けると、モニタ識別位相制御信号23に応じて、モニタ識別点の振幅方向の位置がmになるようにモニタ信号の位相を制御する(ステップS103)。
【0068】
そして、モニタ識別器8は、そのモニタ識別点(n,m)でモニタ信号24を識別する。エラー検出回路12は、主信号識別器1から再生データを受け付け、モニタ識別器8からモニタデータを受け付ける。エラー検出回路12は、再生データおよびモニタデータの排他的論理和を求める。エラー検出回路12は、それらのデータが同一符号の場合、Low信号を出力し、異符号の場合、High信号を出力する。これにより、再生データおよびモニタデータの符号誤りを示すエラーパルスが得られる。さらに、エラー検出回路12は、そのエラーパルスの平均値を求める。(ステップS104)。
【0069】
エラー検出回路12では、コンパレータ12cは、そのエラーパルスの平均値とエラー閾値Vrefとをコンパレータで比較して、その平均値がエラー閾値Vrefより大きいか否かを判定する(ステップS105)。
【0070】
その平均値がエラー閾値Vrefより大きい場合、エラー検出回路12は、符号誤りがあると判断して、High信号を最適識別点検出回路13bに出力する(ステップS106)。なお、この場合、モニタ識別点32は、主信号識別点30のアイ開口から外れている。
【0071】
一方、その平均値がエラー閾値Vref以下の場合、エラー検出回路12は、符号誤りがないと判断して、Low信号を最適識別点検出回路13bに出力する(ステップS107)。なお、この場合、モニタ識別点32は、主信号識別点30のアイ開口から外れている
その後、最適識別点検出回路13bは、nをインクリメントする(ステップS108)。そして、最適識別点検出回路13bは、n=Nか否かを調べる(ステップS109)。最適識別点検出回路13bは、n=Nでない場合、ステップS103を実行する。また、最適識別点検出回路13bは、n=Nである場合、ステップS110に移行して、mをインクリメントする(ステップS110)。
【0072】
そして、最適識別点検出回路13bは、m=Mか否かを調べる(ステップS111)。最適識別点検出回路13bは、m=Mでない場合、ステップS102を実行する。
【0073】
以上の処理が、m=Mになるまで繰り返される。これにより、最適識別点検出回路13bは、受信信号のアイ開口をモニタすることが可能になる。以下では、このアイ開口をモニタする一連の処理をプロセス1(図4B参照)と呼ぶ。
【0074】
なお、本実施の形態では、エラー検出回路12は、エラーパルスの平均値とエラー閾値Vrefとを比較した。しかしながら、エラー検出回路12は、排他的論理和回路12aの出力するパルス数をデジタルカウンタでカウントし、そのカウント値と、予め定めたエラー閾値パルス数とを比較してもよい。
【0075】
ステップS111において、最適識別点検出回路13bは、m=Mの場合、図4Cに示すように、アイ開口に入る最大の真円33を求める(ステップS112)。そして、最適識別点検出回路13bは、真円33の中心点を最適識別点34に設定する(ステップS113)。これは、中心点が、振幅方向の雑音、位相方向のジッタに対して最も動作マージンが確保できると推定されるからである。
【0076】
このようにして、最適識別点検出回路13bが、主信号識別器1の最適な識別点をプロセス1で得られたアイ開口の情報に基づいて計算する。これにより、現在受信している受信信号の最適な識別点が検出される。以下、この最適な識別点を検出する処理をプロセス2と呼ぶ。
【0077】
なお、本実施形態では、最適識別点検出回路13bは、真円33を求める際、アイパターンの振幅および再生クロックの周期をリスケーリングして、振幅と位相とを数値的な対応付けを行うものとする。例えば、最適識別点検出回路13bは、アイパターンの振幅を1ユニットとし、クロックの周期を2ユニットとする。なお、ユニットは、長さの単位である。
【0078】
また、上記の例では、真円を用いて最適な識別点が検出されたが、最適な識別点を検出する計算アルゴリズムは、この計算アルゴリズムに限らず適宜変更可能である。例えば、最適識別点検出回路13bは、真円の代わりに、楕円や長方形を用いてもよい。また、最適識別点検出回路13bは、アイ開口の位相方向の長さが最大となる識別レベルを検出し、その位相方向の二等分点を最適な識別点に設定してもよい。また、最適識別点検出回路13bは、アイ開口の振幅方向の長さが最大となる識別位相を検出し、その位相振幅の二等分点を最適な識別点に設定してもよい。
【0079】
次に、最適識別点検出回路13bは、ステップS113を終了すると、ステップS114を実行する。最適識別点検出回路13bは、ステップS113で検出した最適な識別点を示す主信号識別レベル制御信号20と主信号識別位相制御信号21を主信号識別点制御回路13cから出力する。これより、図4Dで示すように、主信号識別器1の識別点が、プロセス2で求められた最適な識別点に設定される。
【0080】
このとき、主信号識別点の識別レベルの設定は、主信号識別点制御回路13cが、主信号識別レベル制御信号20を用いて主信号オフセット調整器100を制御することで行なわれる。一方、主信号識別点の識別位相の設定は、主信号識別点制御回路13cが、主信号識別位相制御信号21を、位相比較信号オフセット調整器3にフィードバックを施すことで行われる。このとき、位相比較信号オフセット調整器3は、主信号識別位相制御信号21をオフセット電圧として位相比較信号に加算することで、位相同期ループ200を伝搬する信号にオフセットを与える。これにより、位相同期ループ200の定常位相誤差が制御され、主信号識別点の識別位相が最適な識別位相に設定される。
【0081】
以上の動作によって、初期の主信号識別点30は、最適化された主信号識別点35に変化される。以下では、最適な識別点を設定する一連の処理をプロセス3と呼ぶ。
【0082】
プロセス3が終了すると、ステップS101が実行され、その後、ステップS101ないしS114が繰り返される。これにより、クロック・データ再生回路の処理、具体的には、主信号識別点の最適化を、受信信号を受信しながらバックグラウンドで繰り返すことが可能になる。
【0083】
なお、本発明において最も重要なことは、位相比較器2が主信号識別器1を有するクロック・データ再生回路を構成していることである。このため、プロセス3(ステップS114)が行われることで、主信号識別点の最適化だけでなく、位相同期ループ200を構成する位相比較器2の動作点も最適化されることである。その結果、ジッタおよび雑音に対する動作マージンが向上する。
[0084]
このように、プロセス1からプロセス3までの処理が繰り返し行なわれることで、最適な識別点で動作するクロック・データ再生回路を実現することができる。また、アイ開口モニタ部300は、位相同期ループ200と独立して動作することが可能である。したがって、受信信号の受信や再生などが停止されなくても、バックグラウンドで最適識別点が検出され、その最適識別点が主信号識別器1にフィードバックされる。よって、受信信号の受信や再生が停止されなくても、など、符号誤りのない安定したクロック・データ再生回路を実現することが可能になる。
[0085]
次に効果を説明する。
[0086]
本実施形態では、位相比較器2は、主信号識別器1を有する。主信号識別器1は、受信信号をクロック信号で識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。位相比較器2は、主信号識別器1の識別結果を用いて受信信号および再生クロックの位相を比較し、その比較結果を示す位相比較信号を出力する。生成部は、位相比較器2から出力された位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。アイ開口モニタ部300は、受信信号から分岐されたモニタ信号と、主信号識別器1が生成した再生データとに基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、アイ開口モニタ部300は、その検出結果に基づいて主信号識別器1の識別点を調整する。
[0087]
この場合、位相比較器2は、主信号識別器1を有し、主信号識別器1の識別結果を用いて受信信号および再生クロックの位相を比較する。生成部は、その比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。また、主信号識別器1の最適な識別点が検出され、その検出結果に基づいて、主信号識別器1の識別点が調整される。
[0088]
したがって、主信号識別器1の識別点を最適化することで、位相比較器2の動作点も最適化することが可能になる。よって、再生クロックを生成する生成部の動作点も最適化することが可能になるので、安定した再生クロックを生成することが可能になる。
[0089]
また、本実施形態では、位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較器2から出力された位相比較信号のオフセットを調整する。アイ開口モニタ部300は、位相比較信号オフセット調整器3の調整量を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整する。
【0090】
この場合、容易に生成部の動作点も最適化することが可能になる。
【0091】
また、本実施形態では、主信号オフセット調整器100は、受信信号のレベルを調整する。アイ開口モニタ部は、主信号オフセット調整器100の調整量を調整して、主信号識別器1の識別レベルを調整する。
【0092】
この場合、容易に主信号識別器1の識別レベルを調整することが可能になる。
【0093】
また、本実施形態では、モニタ識別器8は、モニタ信号をモニタクロック25で識別し、その識別結果を示すモニタデータを生成する。エラー検出回路12は、モニタデータと再生データとに基づいて、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれているか否かを判定する。モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ信号24のレベルを調整する。モニタクロック位相可変器11は、再生クロックの位相を調整してモニタクロック25を生成する。最適識別点制御回路13は、モニタ信号オフセット調整器9の調整量と、前記モニタクロック位相可変器の調整量とを順次調整して、モニタ識別点を順次調整する。また、最適識別点制御回路13は、そのモニタ識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。
【0094】
この場合、受信信号の再生動作が停止されなくても、バックグラウンドでクロック・データ再生回路を動作させることが可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、モニタクロック位相可変器11は、位相補間器を含み、再生クロック信号から多相クロックを生成する。また、その位相補間器が、多相クロック信号から中間位相のモニタクロック信号を生成する。
【0096】
この場合、モニタクロック位相可変器11をディジタル制御することが可能になる。
【0097】
また、本実施形態では、排他的論理和回路12aは、モニタデータと再生データとの排他的論理和を求める。平均値回路12bは、排他的論理和回路12aの出力信号の所定期間における平均値を求める。コンパレータ12cは、平均値回路12bが求めた平均値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定して、モニタ識別器8の識別点がアイ開口に含まれるか否かを判定する。
【0098】
この場合、モニタ識別器8の識別点がアイ開口に含まれるか否かの判定精度を向上させることが可能になる。
〔第2の実施形態〕
図7は、本発明の第2の実施形態のクロック・データ再生回路を示したブロック図である。図7において、クロック・データ再生回路は、図1で示した構成から、位相比較信号オフセット調整器3を除いた構成を有する。また、電圧制御発振器5に、主信号識別位相制御信号21を受け付ける中心周波数制御端子5aが備わっている。
【0099】
本実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理と、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理との相違点は、以下のものである。
【0100】
最適識別点制御回路13が、電圧制御発振器5の中心周波数を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整することである。
【0101】
具体的には、最適識別点制御回路13は、主信号識別位相制御信号21を電圧制御発振器5の中心周波数制御端子5aに出力する。電圧制御発振器5は、中心周波数制御端子5aが受け付けた主信号識別位相制御信号21に応じて、再生クロックの中心周波数を調整する。
【0102】
上記の相違点を除けば、本実施形態のクロック・データ再生回路は、第1の実施形態のクロック・データ再生回路と同じである。このため、最適識別点を検出する処理などには、第1の実施形態と同様な方法を適用することができる。
【0103】
次に効果を説明する。
【0104】
本実施形態においても、生成部(具体的には、電圧制御発振器5)の中心周波数が制御されるので、位相同期ループ200を伝搬する信号にオフセットを与えることが可能になる。このため、第1の実施形態と同様に、位相同期ループ200の定常位相誤差を制御することが可能になり、主信号識別器1の識別位相および位相同期ループ200を構成する位相比較器2の動作点を最適化することが可能になる。
〔第3の実施形態〕
図8は、本発明の第3の実施形態のクロック・データ再生回路を示すブロック図である。図8において、クロック・データ再生回路は、図1で示した構成から、位相比較信号オフセット調整器3を除いた構成を有する。また、位相比較器2には、主信号識別位相制御信号21を受け付ける入力位相オフセット調整端子2fが備わっている。
【0105】
本実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理と、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理との相違点は、以下のものである。
【0106】
主信号識別器1は、再生クロックの位相を調整し、その調整した再生クロックで主信号を識別する。また、最適識別点制御回路13は、主信号識別器1の調整量を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整する。
【0107】
具体的には、最適識別点制御回路13は、位相比較器2の入力位相オフセット調整端子2fに出力する。位相比較器2の主信号識別器1は、入力位相オフセット調整端子2fが受け付けた主信号識別位相制御信号21に応じて、再生クロックの位相を調整する。
【0108】
ここで、位相比較器2として図2で示した位相比較器を用いる場合、例えば、主信号識別器1は、フリップフロップ2aないし2bのクロック入力端子の前に遅延回路を設け、その遅延量を主信号識別位相制御信号21によって制御するようにすることで実現できる。
【0109】
図9は、位相比較器2の位相比較特性と入力位相オフセット調整端子2fに入力される制御信号との関係を示した図である。図9に示されるように、入力位相オフセット調整端子2fへの制御信号を制御することで、位相比較特性は左右に平行移動する。位相同期ループ200には、位相比較器の出力が0になるようにフィードバックが掛かるため、位相比較特性を左右に平行移動させることで、位相同期ループ200の入力位相オフセットを調整することができる。本実施形態では、この特性を利用して、主信号識別器の識別位相を調整することが特徴である。
【0110】
本実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、主信号識別器1の識別点と、位相比較器2の動作点の両方を最適化することが可能になる。
【0111】
この出願は、2007年3月30日に出願された日本出願特願2007−090445号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0001】
本発明は、受信したディジタル信号を識別点で識別してデータを再生するクロック・データ再生回路(CDR: Clock and data recovery)およびその制御方法に関し、特には、IC化に適した位相同期ループ(PLL: Phase Locked Loop)を道いてデータを再生するクロック・データ再生回路およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信の大容量化に伴い、更なる伝送速度の高速化が進んでいる。近年では、伝送速度が40Gb/s以上の通信システムも盛んに報告されている。また、一般的に、ディジタル通信システムでは、受信信号からクロック信号を生成し、そのクロック信号で受信信号を識別してデータを再生するクロック・データ再生回路が用いられている。特に近年では、IC化に適した位相同期ループを用いたクロック・データ再生回路が広く使用されている。
【0003】
しかしながら、通信速度が高速になるにつれ、従来では問題とはならなかった様々な要因が、受信波形の劣化に大きく影響を及ぼしている。このため、符号誤りのない安定した通信システムを実現することが困難になってきている。
【0004】
例えば、光通信システムでは、伝送路である光ファイバの偏波分散および波長分散、および、光増幅中継器で発生するASE(amplified spontaneous emission)に起因する雑音により、受信波形が劣化する。このため、受信回路でのデータの再生が困難になり、安定した通信が困難になってきている。
【0005】
また、メタリック伝送システムでは、伝送信号の高周波成分の劣化に起因する符号間干渉、および、コネクタなどの伝送路中の不連続点における伝送信号の反射により、受信波形が劣化する。このため、光通信システムと同様に、受信回路でのデータ再生が困難となってきている。
【0006】
さらに、受信信号の波形劣化以外にも、受信信号を識別する識別器の識別点が、最適な識別点からずれてしまうという問題があった。これは、受信信号からクロック信号を生成するクロック生成回路の内部オフセットや遅延ばらつきに起因する。なお、識別点は、クロック信号にて決定される識別位相と、識別レベルとの組み合わせである。
【0007】
この問題を解決するために、外部から手動でクロック・データ再生回路の識別点を調整する方法が従来から存在する。しかしながら、受信波形の劣化は、伝送路の状態によって時刻と共に変化する。このため、この方法では、識別点を最適な点に調整することは困難であった。このような背景から、信号を受信しながら自動的に識別点を最適な点に調整する方法が期待されている。
【0008】
この課題を解決するために、特許文献1には、受信波形のアイ開口をモニタして、識別器の識別点を最適な点に自動で制御するディジタル信号受信装置が記載されている。
【特許文献1】
特開平10−13396号公報 (第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のディジタル信号受信装置では、クロック生成回路と識別器とが各々独立した構成になっている。このため、識別器の識別点を最適化できても、クロック生成回路の動作点を最適化することができない。このため、受信波形が大きく崩れた場合や、ジッタおよび雑音に対する動作マージンが劣化し、安定したクロック信号を生成することができなくなるという問題があった。
[発明の目的]
本発明の目的は、上記の課題である、安定したクロック信号を生成することができないという問題を解決するクロック・データ再生回路およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明によるクロック・データ再生回路は、受信信号をクロック信号で識別し、該識別結果を示す再生データを生成する主識別器を有し、前記主識別器の識別結果を用いて前記受信信号および前記クロック信号の位相を比較し、該比較結果を示す位相比較信号を出力する比較器と、前記比較器から出力された前記位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の前記クロック信号を生成する生成手段と、前記受信信号から分岐されたモニタ信号と、前記主識別器が生成した再生データとに基づいて、前記主識別器の最適な識別点を検出し、該検出結果に基づいて前記主識別器の識別点を調整するモニタ手段と、を含む。
【0011】
また、本発明によるクロック・データ再生回路の制御方法は、前記クロック・データ再生回路の制御方法であって、前記クロック・データ再生回路の処理を、前記受信信号を受信しながらバックグラウンドで繰り返す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安定したクロック信号を生成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図2】位相比較器の具体例を示した回路図である。
【図3】モニタクロック位相可変器の具体例を示した回路図である。
【図4A】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4B】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4C】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図4D】最適識別点制御の動作を説明するための説明図である。
【図5】モニタ識別点の走査を説明するためのアイパターン図である。
【図6】クロック・データ再生回路の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【図9】位相比較器の位相比較特性と入力位相オフセット調整端子に入力される制御信号との関係を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態のクロック・データ再生回路の構成を示したブロック図である。
【0015】
図1において、クロック・データ再生回路は、主信号オフセット調整器100と、位相同期ループ200と、アイ開口モニタ部300とを含む。位相同期ループ200は、主信号識別器1を有する位相比較器2と、位相比較信号オフセット調整器3と、ループフィルタ4と、電圧制御発振器5とを含む。アイ開口モニタ部300は、モニタ識別器8と、モニタ信号オフセット調整器9と、モニタクロック位相可変器11と、エラー検出回路12と、最適識別点制御回路13とを含む。ここで、ループフィルタ4および電圧制御発振器5は、生成部を構成する。
【0016】
主信号オフセット調整器100は、レベル調整手段の一例である。主信号オフセット調整器100は、受信信号から分岐された主信号のレベルを調整する。これは、主信号識別器1の識別レベルを調整するためである。
【0017】
具体的には、主信号オフセット調整器100は、最適識別点制御回路13から、主信号識別器1の識別レベルを制御するための主信号識別レベル制御信号20を受け付ける。そして、主信号オフセット調整器100は、その主信号識別レベル制御信号20に応じて、主信号のレベルを調整する。
【0018】
位相同期ループ200は、再生クロックを生成し、主信号を再生クロックで識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。
【0019】
主信号識別器1は、主信号を再生クロックで識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。また、位相比較器2は、主信号識別器1の識別結果を用いて主信号および再生クロックの位相を比較する。そして、位相比較器2は、その比較結果を示す位相比較信号を出力する。
【0020】
位相比較器2は、例えば、図2で示したようなHogge型位相比較器(米国特許第4,535,459号明細書参照)にて構成される。つまり、位相比較器2は、フリップフロップ2aおよび2bと、排他的論理和回路2cおよび2dと、加算器2eとを含む。また、フリップフロップ2aおよび2bと、排他的論理和回路2cおよび2dとは、主信号識別器1を構成する。
[0021]
フリップフロップ2aは、主信号オフセット調整器100にて調整された主信号を再生クロックCLKで識別する。フリップフロップ2bは、フリップフロップ2aの出力信号を再生クロックCLKの反転クロックで識別する。
[0022]
排他的論理和回路2cは、主信号とフリップフロップ2aの出力信号とを受け付け、それらの信号の排他的論理和を求める。また、排他的論理和回路2dは、フリップフロップ2aおよび2bの出力信号を受け付け、それらの信号の排他的論理和を求める。加算器2eは、二つの排他的論理和回路2cおよび2dの出力信号の差を求め、その差を位相比較信号として出力する。
[0023]
図1に戻る。位相比較信号オフセット調整器3は、位相調整手段の一例である。位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較器2から出力された位相比較信号のオフセットを調整する。これは、主信号識別器1の識別位相を調整するためである。
[0024]
具体的には、位相比較信号オフセット調整器3は、最適識別点制御回路13から、主信号識別器1の識別位相を制御するための主信号識別位相制御信号21を受け付ける。位相比較信号オフセット調整器3は、主信号識別位相制御信号21に応じて、位相比較信号のオフセットを調整する。
[0025]
ループフィルタ4および電圧制御発振器5で構成される生成部は、位相比較信号オフセット調整器3にて調整された位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。
[0026]
具体的には、ループフィルタ4は、その位相比較信号が示す比較結果に応じた制御電圧を出力する。電圧制御発振器5は、ループフィルタ4から出力された制御電圧に応じた周波数の再生クロックを生成する。
[0027]
アイ開口モニタ部300は、受信信号から分岐されたモニタ信号24と、主信号識別器1が生成した再生データとに基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、アイ開口モニタ部300、その検出結果に基づいて主信号識別器1の識別点を調整する。
[0028]
モニタ識別器8は、モニタ信号24をモニタクロック25で識別し、その識別結果を示すモニタデータを生成する。
[0029]
モニタ信号オフセット調整器9は、モニタレベル調整手段の一例である。モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ信号24のレベルを調整する。これは、モニタ識別器8の識別レベルを調整するためである。
[0030]
具体的には、モニタ信号オフセット調整器9は、最適識別点制御回路13から、モニタ識別器8の識別レベルを制御するためのモニタ識別レベル制御信号22を受け付ける。そして、モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ識別レベル制御信号22に応じて、モニタ信号24のレベルを調整する。
[0031]
モニタクロック位相可変器11は、モニタクロック位相調整手段の一例である。モニタクロック位相可変器11は、再生クロックの位相を調整して、モニタクロック信号を生成する。これは、モニタ識別器8の識別位相を調整するためである。
[0032]
具体的には、モニタクロック位相可変器11は、最適識別点制御回路13から、モニタ識別器8の識別位相を制御するためのモニタ識別位相制御信号23を受け付ける。そして、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23に応じて、再生クロックの位相を調整して、モニタクロック信号を生成する。
[0033]
エラー検出回路12は、判定手段の一例である。エラー検出回路12は、主信号識別器1にて生成された再生データと、モニタ識別器8にて生成されたモニタデータとに基づいて、モニタ識別器8の識別点と主信号識別器1の識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれるか否かを判定する。以下、主信号識別器1の識別点を主信号識別点と称し、モニタ識別器8の識別点をモニタ識別点と称することもある。
[0034]
エラー検出回路12は、排他的論理和回路12aと、平均値回路12bと、コンパレータ12cとを含む。
[0035]
排他的論理和回路12aは、再生データとモニタデータとの排他的論理和を求める。
[0036]
平均値回路12bは、排他的論理和回路12aの出力信号の所定期間における平均値を求める。
[0037]
コンパレータ12cは、比較手段の一例である。コンパレータ12cは、平均値回路12bにて求められた平均値が予め定められたエラー閾値Vrefより大きいか否かを判定する。その平均値がエラー閾値Vrefより大きいと、モニタデータに符号誤りがあり、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれていないことを示す。一方、また、その平均値がエラー閾値Vref以下であると、モニタデータに符号誤りがなく、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれていることを示す。
【0038】
最適識別点制御回路13は、制御手段の一例である。最適識別点制御回路13は、モニタ信号オフセット調整器9の調整量と、モニタクロック位相可変器11の調整量とを順次調整する。これにより、モニタ識別点が走査される。
【0039】
また、最適識別点制御回路13は、その走査されたモニタ識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。この最適な識別点を検出する具体的な方法は、後述する。
【0040】
最適識別点制御回路13は、モニタ識別点制御回路13aと、最適識別点検出回路13bと、主信号識別点制御回路13cとを含む。ここで、最適識別点検出回路13bは、様々な計算アルゴリズムに対応できるようにCPUで構成されることが望ましい。これは、最適識別点検出回路13bがエラー検出回路12の検出結果に基づいて最適な識別子を計算するためである。
【0041】
主信号識別点制御回路13cは、主信号識別器1の識別レベルを制御するための主信号識別レベル制御信号20と、主信号識別器1の識別位相を制御するための主信号識別位相制御信号21を生成する。また、主信号識別点制御回路13cは、主信号識別レベル制御信号20を、主信号オフセット調整器100に出力し、主信号識別位相制御信号21を、位相比較信号オフセット調整器3に出力する。位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較信号に主信号識別位相制御信号21を加算して、位相同期ループ200を伝搬する信号のオフセットを制御することで、主信号識別器1の識別位相を制御する。
【0042】
ここで、主信号識別点制御回路13cは、アナログ電圧を発生する回路である。主信号識別点制御回路13cは、例えば、DAコンバータを用いて所望の電圧を発生させて、主信号識別レベル制御信号20および主信号識別位相制御信号21を生成することができる。
【0043】
モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別器8の識別レベルを制御するためのモニタ識別レベル制御信号22と、モニタ識別器8の識別位相を制御するためのモニタ識別位相制御信号23を生成する。モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別レベル制御信号22を、モニタ信号オフセット調整器9に出力し、モニタ識別位相制御信号23をモニタクロック位相可変器11に出力する。
【0044】
ここで、モニタ識別点制御回路13aは、主信号識別点制御回路13cと同様に、DAコンバータを用いて、モニタ識別レベル制御信号22を生成する。また、モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別位相制御信号23が電圧信号の場合、DAコンバータを用いて、モニタ識別位相制御信号23を生成する。また、モニタ識別点制御回路13aは、モニタ識別位相制御信号23がディジタル信号の場合、または、モニタ識別位相制御信号23がディジタル信号を含む場合、最適識別点検出回路13bから出力された制御信号を、モニタ識別位相制御信号23としてモニタクロック位相可変器11に転送する。
【0045】
最適識別点検出回路13bは、モニタ識別点制御回路13aに制御信号を出力して、モニタ識別器8の識別点を位相方向および振幅方向に順次調整する。最適識別点検出回路13bは、その調整を行いながら、その調整された識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、受信信号のアイ開口および主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、最適識別点検出回路13bは、その検出結果に応じて、主信号識別器1の識別点が最適な識別点になるように、主信号識別点制御回路13cを制御する。
【0046】
次に、モニタクロック位相可変器11を詳細に説明する。モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別点制御回路13aから受け付けたモニタ識別位相制御信号23に応じて、位相同期ループ200で生成された再生クロックの位相を調整して、モニタクロック25を生成する。
【0047】
例えば、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23を電圧信号として受け付け、その電圧に応じた調整量で位相を調整して、モニタクロック25を生成する。
【0048】
また、モニタクロック位相可変器11は、位相補間器(Phase Interpolator)含む構成にすることもできる。このとき、モニタクロック位相可変器11は、再生クロックから多相クロックを生成し、位相補間器が、その多相クロックから中間位相の前記モニタクロックを生成する。
【0049】
図3は、モニタクロック位相可変器11の位相補間器の構成例を示した回路図である。
【0050】
図3において、モニタクロック位相可変器11は、二つの差動回路を含む。各差動回路には、個別に電流源が接続されている。また、各電流源の電流比は、m:nとする。
【0051】
一方の差動回路には、再生クロックが入力クロックCLK1およびCLK1barとして入力される。また、他方の差動回路には、入力クロックCLK1から位相が90度遅れた再生クロックが入力CLK2およびCLK2barとして入力される。クロックCLK1の波形をsinθとすれば、クロックCLK2の波形はcosθと表わすことができる。ここで、入力クロックCLK1およびCLK1barと、入力CLK2およびCLK2barとのそれぞれは、多相クロックの各相を示す。
【0052】
このとき、出力クロックCLK3の波形(ksinΘ)は、(1)式で与えられる。
【0053】
【数1】
但し、
【0054】
【数2】
である。
【0055】
よって、モニタクロック位相可変器11は、電流比m:nを変えることで、二つのクロックCLK1およびCLK2の位相を調整することが可能になる。また、この位相補間器の出力クロックCLK3およびCLK3barは、モニタクロック25としてモニタ識別器8に出力される。
【0056】
なお、説明を簡単にするため、図3には90度の位相調整を行う回路を示したが、360度の位相調整を行う回路も構成することができる。この場合、差動回路のそれぞれは、入力クロックと差動回路の入力端子との間に切換スイッチを有し、差動回路のそれぞれに入力されるクロックを反転させることができるようにすればよい。この場合、切換スイッチの切換信号は、モニタ識別位相制御信号23である。
【0057】
次に、図4ないし図6を用いて、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の動作例を詳細に説明する。図4は、主信号識別器の識別点を最適化する過程を示した受信信号のアイパターン図である。図4では、受信信号の波形が歪み、立ち上がりおよび立ち下がりが鈍っている。なお、受信信号は、広がりのある線で描かれている。
【0058】
図4Aは、主信号識別点30と、受信波形31とが示されている。主信号識別点30は、最適な識別点への調整が行われる前の状態(初期状態)の主信号識別器1の識別点を示している。主信号識別点30は、位相同期ループ200が生成した再生クロックの位相タイミングと、受信信号の振幅の中央レベルとで設定されている。
【0059】
主信号識別点30は、受信信号の劣化または位相同期ループ200の内部オフセットや遅延ばらつきのために、受信波形31のアイ開口の中央からずれている。
【0060】
次に、図4Bで示すように、主信号識別点30が固定された状態で、モニタ識別点32が位相方向ならびに振幅方向に走査される。
【0061】
図5は、モニタ識別点の走査を説明するための図である。図5に示すように、アイ開口が、例えば、位相方向に等間隔で並んだN本の線と、振幅方向に等間隔で並んだM本の線とで区分される。また、そのN本の線のそれぞれと、M本の線のそれぞれとN×M個の交点がモニタ識別点32の候補である。そして、モニタ識別点32が、位相方向にn=0からn=N−1まで走査され、その後、振幅方向にm=0からm=M−1まで走査される。
【0062】
以下、主信号識別点30を最適化する動作をさらに詳細に説明する。
【0063】
図6は、主信号識別点30を最適化する動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
モニタ識別点制御回路13は、ステップS101で、m=0にセットする。また、モニタ識別点制御回路13は、ステップS102で、n=0にセットする。
【0065】
続いて、モニタ識別点制御回路13は、モニタ識別点(n,m)に対応したモニタ識別レベル制御信号22およびモニタ識別位相制御信号23を生成する。モニタ識別点制御回路13は、モニタ識別レベル制御信号22をモニタ信号オフセット調整器9に出力し、モニタ識別位相制御信号23をモニタクロック位相可変器11に出力する。
【0066】
モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ識別レベル制御信号22を受け付けると、モニタ識別レベル制御信号22に応じて、モニタ識別点の位相方向の位置がnになるようにモニタ信号のレベルを制御する。
【0067】
また、モニタクロック位相可変器11は、モニタ識別位相制御信号23を受け付けると、モニタ識別位相制御信号23に応じて、モニタ識別点の振幅方向の位置がmになるようにモニタ信号の位相を制御する(ステップS103)。
【0068】
そして、モニタ識別器8は、そのモニタ識別点(n,m)でモニタ信号24を識別する。エラー検出回路12は、主信号識別器1から再生データを受け付け、モニタ識別器8からモニタデータを受け付ける。エラー検出回路12は、再生データおよびモニタデータの排他的論理和を求める。エラー検出回路12は、それらのデータが同一符号の場合、Low信号を出力し、異符号の場合、High信号を出力する。これにより、再生データおよびモニタデータの符号誤りを示すエラーパルスが得られる。さらに、エラー検出回路12は、そのエラーパルスの平均値を求める。(ステップS104)。
【0069】
エラー検出回路12では、コンパレータ12cは、そのエラーパルスの平均値とエラー閾値Vrefとをコンパレータで比較して、その平均値がエラー閾値Vrefより大きいか否かを判定する(ステップS105)。
【0070】
その平均値がエラー閾値Vrefより大きい場合、エラー検出回路12は、符号誤りがあると判断して、High信号を最適識別点検出回路13bに出力する(ステップS106)。なお、この場合、モニタ識別点32は、主信号識別点30のアイ開口から外れている。
【0071】
一方、その平均値がエラー閾値Vref以下の場合、エラー検出回路12は、符号誤りがないと判断して、Low信号を最適識別点検出回路13bに出力する(ステップS107)。なお、この場合、モニタ識別点32は、主信号識別点30のアイ開口から外れている
その後、最適識別点検出回路13bは、nをインクリメントする(ステップS108)。そして、最適識別点検出回路13bは、n=Nか否かを調べる(ステップS109)。最適識別点検出回路13bは、n=Nでない場合、ステップS103を実行する。また、最適識別点検出回路13bは、n=Nである場合、ステップS110に移行して、mをインクリメントする(ステップS110)。
【0072】
そして、最適識別点検出回路13bは、m=Mか否かを調べる(ステップS111)。最適識別点検出回路13bは、m=Mでない場合、ステップS102を実行する。
【0073】
以上の処理が、m=Mになるまで繰り返される。これにより、最適識別点検出回路13bは、受信信号のアイ開口をモニタすることが可能になる。以下では、このアイ開口をモニタする一連の処理をプロセス1(図4B参照)と呼ぶ。
【0074】
なお、本実施の形態では、エラー検出回路12は、エラーパルスの平均値とエラー閾値Vrefとを比較した。しかしながら、エラー検出回路12は、排他的論理和回路12aの出力するパルス数をデジタルカウンタでカウントし、そのカウント値と、予め定めたエラー閾値パルス数とを比較してもよい。
【0075】
ステップS111において、最適識別点検出回路13bは、m=Mの場合、図4Cに示すように、アイ開口に入る最大の真円33を求める(ステップS112)。そして、最適識別点検出回路13bは、真円33の中心点を最適識別点34に設定する(ステップS113)。これは、中心点が、振幅方向の雑音、位相方向のジッタに対して最も動作マージンが確保できると推定されるからである。
【0076】
このようにして、最適識別点検出回路13bが、主信号識別器1の最適な識別点をプロセス1で得られたアイ開口の情報に基づいて計算する。これにより、現在受信している受信信号の最適な識別点が検出される。以下、この最適な識別点を検出する処理をプロセス2と呼ぶ。
【0077】
なお、本実施形態では、最適識別点検出回路13bは、真円33を求める際、アイパターンの振幅および再生クロックの周期をリスケーリングして、振幅と位相とを数値的な対応付けを行うものとする。例えば、最適識別点検出回路13bは、アイパターンの振幅を1ユニットとし、クロックの周期を2ユニットとする。なお、ユニットは、長さの単位である。
【0078】
また、上記の例では、真円を用いて最適な識別点が検出されたが、最適な識別点を検出する計算アルゴリズムは、この計算アルゴリズムに限らず適宜変更可能である。例えば、最適識別点検出回路13bは、真円の代わりに、楕円や長方形を用いてもよい。また、最適識別点検出回路13bは、アイ開口の位相方向の長さが最大となる識別レベルを検出し、その位相方向の二等分点を最適な識別点に設定してもよい。また、最適識別点検出回路13bは、アイ開口の振幅方向の長さが最大となる識別位相を検出し、その位相振幅の二等分点を最適な識別点に設定してもよい。
【0079】
次に、最適識別点検出回路13bは、ステップS113を終了すると、ステップS114を実行する。最適識別点検出回路13bは、ステップS113で検出した最適な識別点を示す主信号識別レベル制御信号20と主信号識別位相制御信号21を主信号識別点制御回路13cから出力する。これより、図4Dで示すように、主信号識別器1の識別点が、プロセス2で求められた最適な識別点に設定される。
【0080】
このとき、主信号識別点の識別レベルの設定は、主信号識別点制御回路13cが、主信号識別レベル制御信号20を用いて主信号オフセット調整器100を制御することで行なわれる。一方、主信号識別点の識別位相の設定は、主信号識別点制御回路13cが、主信号識別位相制御信号21を、位相比較信号オフセット調整器3にフィードバックを施すことで行われる。このとき、位相比較信号オフセット調整器3は、主信号識別位相制御信号21をオフセット電圧として位相比較信号に加算することで、位相同期ループ200を伝搬する信号にオフセットを与える。これにより、位相同期ループ200の定常位相誤差が制御され、主信号識別点の識別位相が最適な識別位相に設定される。
【0081】
以上の動作によって、初期の主信号識別点30は、最適化された主信号識別点35に変化される。以下では、最適な識別点を設定する一連の処理をプロセス3と呼ぶ。
【0082】
プロセス3が終了すると、ステップS101が実行され、その後、ステップS101ないしS114が繰り返される。これにより、クロック・データ再生回路の処理、具体的には、主信号識別点の最適化を、受信信号を受信しながらバックグラウンドで繰り返すことが可能になる。
【0083】
なお、本発明において最も重要なことは、位相比較器2が主信号識別器1を有するクロック・データ再生回路を構成していることである。このため、プロセス3(ステップS114)が行われることで、主信号識別点の最適化だけでなく、位相同期ループ200を構成する位相比較器2の動作点も最適化されることである。その結果、ジッタおよび雑音に対する動作マージンが向上する。
[0084]
このように、プロセス1からプロセス3までの処理が繰り返し行なわれることで、最適な識別点で動作するクロック・データ再生回路を実現することができる。また、アイ開口モニタ部300は、位相同期ループ200と独立して動作することが可能である。したがって、受信信号の受信や再生などが停止されなくても、バックグラウンドで最適識別点が検出され、その最適識別点が主信号識別器1にフィードバックされる。よって、受信信号の受信や再生が停止されなくても、など、符号誤りのない安定したクロック・データ再生回路を実現することが可能になる。
[0085]
次に効果を説明する。
[0086]
本実施形態では、位相比較器2は、主信号識別器1を有する。主信号識別器1は、受信信号をクロック信号で識別し、その識別結果を示す再生データを生成する。位相比較器2は、主信号識別器1の識別結果を用いて受信信号および再生クロックの位相を比較し、その比較結果を示す位相比較信号を出力する。生成部は、位相比較器2から出力された位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。アイ開口モニタ部300は、受信信号から分岐されたモニタ信号と、主信号識別器1が生成した再生データとに基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。また、アイ開口モニタ部300は、その検出結果に基づいて主信号識別器1の識別点を調整する。
[0087]
この場合、位相比較器2は、主信号識別器1を有し、主信号識別器1の識別結果を用いて受信信号および再生クロックの位相を比較する。生成部は、その比較結果に応じた周波数の再生クロックを生成する。また、主信号識別器1の最適な識別点が検出され、その検出結果に基づいて、主信号識別器1の識別点が調整される。
[0088]
したがって、主信号識別器1の識別点を最適化することで、位相比較器2の動作点も最適化することが可能になる。よって、再生クロックを生成する生成部の動作点も最適化することが可能になるので、安定した再生クロックを生成することが可能になる。
[0089]
また、本実施形態では、位相比較信号オフセット調整器3は、位相比較器2から出力された位相比較信号のオフセットを調整する。アイ開口モニタ部300は、位相比較信号オフセット調整器3の調整量を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整する。
【0090】
この場合、容易に生成部の動作点も最適化することが可能になる。
【0091】
また、本実施形態では、主信号オフセット調整器100は、受信信号のレベルを調整する。アイ開口モニタ部は、主信号オフセット調整器100の調整量を調整して、主信号識別器1の識別レベルを調整する。
【0092】
この場合、容易に主信号識別器1の識別レベルを調整することが可能になる。
【0093】
また、本実施形態では、モニタ識別器8は、モニタ信号をモニタクロック25で識別し、その識別結果を示すモニタデータを生成する。エラー検出回路12は、モニタデータと再生データとに基づいて、モニタ識別点と主信号識別点とが、受信信号の同一のアイ開口に含まれているか否かを判定する。モニタ信号オフセット調整器9は、モニタ信号24のレベルを調整する。モニタクロック位相可変器11は、再生クロックの位相を調整してモニタクロック25を生成する。最適識別点制御回路13は、モニタ信号オフセット調整器9の調整量と、前記モニタクロック位相可変器の調整量とを順次調整して、モニタ識別点を順次調整する。また、最適識別点制御回路13は、そのモニタ識別点のそれぞれに対応するエラー検出回路12の判定結果に基づいて、主信号識別器1の最適な識別点を検出する。
【0094】
この場合、受信信号の再生動作が停止されなくても、バックグラウンドでクロック・データ再生回路を動作させることが可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、モニタクロック位相可変器11は、位相補間器を含み、再生クロック信号から多相クロックを生成する。また、その位相補間器が、多相クロック信号から中間位相のモニタクロック信号を生成する。
【0096】
この場合、モニタクロック位相可変器11をディジタル制御することが可能になる。
【0097】
また、本実施形態では、排他的論理和回路12aは、モニタデータと再生データとの排他的論理和を求める。平均値回路12bは、排他的論理和回路12aの出力信号の所定期間における平均値を求める。コンパレータ12cは、平均値回路12bが求めた平均値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定して、モニタ識別器8の識別点がアイ開口に含まれるか否かを判定する。
【0098】
この場合、モニタ識別器8の識別点がアイ開口に含まれるか否かの判定精度を向上させることが可能になる。
〔第2の実施形態〕
図7は、本発明の第2の実施形態のクロック・データ再生回路を示したブロック図である。図7において、クロック・データ再生回路は、図1で示した構成から、位相比較信号オフセット調整器3を除いた構成を有する。また、電圧制御発振器5に、主信号識別位相制御信号21を受け付ける中心周波数制御端子5aが備わっている。
【0099】
本実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理と、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理との相違点は、以下のものである。
【0100】
最適識別点制御回路13が、電圧制御発振器5の中心周波数を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整することである。
【0101】
具体的には、最適識別点制御回路13は、主信号識別位相制御信号21を電圧制御発振器5の中心周波数制御端子5aに出力する。電圧制御発振器5は、中心周波数制御端子5aが受け付けた主信号識別位相制御信号21に応じて、再生クロックの中心周波数を調整する。
【0102】
上記の相違点を除けば、本実施形態のクロック・データ再生回路は、第1の実施形態のクロック・データ再生回路と同じである。このため、最適識別点を検出する処理などには、第1の実施形態と同様な方法を適用することができる。
【0103】
次に効果を説明する。
【0104】
本実施形態においても、生成部(具体的には、電圧制御発振器5)の中心周波数が制御されるので、位相同期ループ200を伝搬する信号にオフセットを与えることが可能になる。このため、第1の実施形態と同様に、位相同期ループ200の定常位相誤差を制御することが可能になり、主信号識別器1の識別位相および位相同期ループ200を構成する位相比較器2の動作点を最適化することが可能になる。
〔第3の実施形態〕
図8は、本発明の第3の実施形態のクロック・データ再生回路を示すブロック図である。図8において、クロック・データ再生回路は、図1で示した構成から、位相比較信号オフセット調整器3を除いた構成を有する。また、位相比較器2には、主信号識別位相制御信号21を受け付ける入力位相オフセット調整端子2fが備わっている。
【0105】
本実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理と、第1の実施形態のクロック・データ再生回路の行う処理との相違点は、以下のものである。
【0106】
主信号識別器1は、再生クロックの位相を調整し、その調整した再生クロックで主信号を識別する。また、最適識別点制御回路13は、主信号識別器1の調整量を調整して、主信号識別器1の識別位相を調整する。
【0107】
具体的には、最適識別点制御回路13は、位相比較器2の入力位相オフセット調整端子2fに出力する。位相比較器2の主信号識別器1は、入力位相オフセット調整端子2fが受け付けた主信号識別位相制御信号21に応じて、再生クロックの位相を調整する。
【0108】
ここで、位相比較器2として図2で示した位相比較器を用いる場合、例えば、主信号識別器1は、フリップフロップ2aないし2bのクロック入力端子の前に遅延回路を設け、その遅延量を主信号識別位相制御信号21によって制御するようにすることで実現できる。
【0109】
図9は、位相比較器2の位相比較特性と入力位相オフセット調整端子2fに入力される制御信号との関係を示した図である。図9に示されるように、入力位相オフセット調整端子2fへの制御信号を制御することで、位相比較特性は左右に平行移動する。位相同期ループ200には、位相比較器の出力が0になるようにフィードバックが掛かるため、位相比較特性を左右に平行移動させることで、位相同期ループ200の入力位相オフセットを調整することができる。本実施形態では、この特性を利用して、主信号識別器の識別位相を調整することが特徴である。
【0110】
本実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、主信号識別器1の識別点と、位相比較器2の動作点の両方を最適化することが可能になる。
【0111】
この出願は、2007年3月30日に出願された日本出願特願2007−090445号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
Claims (9)
- 受信信号をクロック信号で識別し、該識別結果を示す再生データを生成する主識別器を有し、前記主識別器の識別結果を用いて前記受信信号および前記クロック信号の位相を比較し、該比較結果を示す位相比較信号を出力する比較手段と、
前記比較手段から出力された前記位相比較信号が示す比較結果に応じた周波数の前記クロック信号を生成する生成手段と、
前記受信信号から分岐されたモニタ信号と、前記主識別器が生成した再生データとに基づいて、前記主識別器の最適な識別点を検出し、該検出結果に基づいて前記主識別器の識別点を調整するモニタ手段と、を含むクロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1に記載のクロック・データ再生回路において、
前記比較手段から出力された位相比較信号のオフセットを調整するオフセット調整手段を含み、
前記モニタ手段は、前記オフセット調整手段の調整量を調整して、前記主識別器の識別位相を調整する、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1に記載のクロック・データ再生回路において、
前記モニタ手段は、前記生成手段の中心周波数を調整して、前記主識別器の識別位相を調整する、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1に記載のクロック・データ再生回路において、
前記主識別器は、前記クロック信号の位相を調整し、該調整したクロック信号で前記受信信号を識別し、
前記モニタ手段は、前記主識別器の調整量を調整して、前記主識別器の識別位相を調整する、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1ないし4のいずれか1項に記載のクロック・データ再生回路において、
前記受信信号のレベルを調整するレベル調整手段を含み、
前記モニタ手段は、前記レベル調整手段の調整量を調整して、前記主識別器の識別レベルを調整する、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1ないし5のいずれか1項に記載のクロック・データ再生回路において、
前記モニタ手段は、
前記モニタ信号をモニタクロック信号で識別し、該識別結果を示すモニタデータを生成するモニタ識別器と、
前記モニタ識別器にて生成されたモニタデータと、前記主識別器にて生成された再生データとに基づいて、前記モニタ識別器の識別点と前記主識別器の識別点とが、前記受信信号の同一のアイ開口に含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記モニタ信号のレベルを調整するモニタレベル調整手段と、
前記クロック信号の位相を調整して前記モニタクロック信号を生成するモニタクロック位相調整手段と、
前記モニタレベル調整手段の調整量と、前記モニタ位相調整手段の調整量とを順次調整して、前記モニタ識別器の識別点を順次調整し、該識別点のそれぞれに対応する前記判定手段の判定結果に基づいて、前記主識別器の最適な識別点を検出する制御手段と、を含む、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲6に記載のクロック・データ再生回路において、
前記モニタクロック位相調整手段は、位相補間器を含み、前記クロック信号から多相クロックを生成し、前記位相補間器が、前記多相クロック信号から中間位相の前記モニタクロック信号を生成する、クロック・データ再生回路。 - 請求の範囲6または7に記載のクロック・データ再生回路において、
前記判定手段は、
前記モニタデータと前記再生データとの排他的論理和を求める排他的論理和回路と、
前記排他的論理和回路の出力信号の所定期間における平均値を求める算出手段と、
前記算出手段が求めた平均値が予め定められた閾値より大きいか否かを判定して、前記モニタ識別器の識別点が前記アイ開口に含まれるか否かを判定する比較手段と、を含むクロック・データ再生回路。 - 請求の範囲1ないし8のいずれか1項に記載のクロック・データ再生回路の制御方法であって、
前記クロック・データ再生回路の処理を、前記受信信号を受信しながらバックグラウンドで繰り返す、クロック・データ再生回路の制御方法。
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