JP4706847B2 - 感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子用スペーサー - Google Patents

感放射線性樹脂組成物および液晶表示素子用スペーサー Download PDF

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Description

本発明は、特に液晶表示素子用スペーサーの形成に極めて好適な感放射線性樹脂組成物、液晶表示素子用スペーサーとその形成方法、および当該液晶表示素子用スペーサーを具備する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子には、従来から、2枚の基板間の間隔(セルギャップ)を一定に保つため、所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサーが使用されているが、これらのスペーサーは、ガラス基板などの透明基板上にランダムに散布されるため、画素形成領域にスペーサーが存在すると、スペーサーの写り込み現象を生じたり、入射光が散乱を受け、液晶表示素子としてのコントラストが低下するという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が採用されるようになってきた。この方法は、基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成し、所定のフォトマスクを介して例えば紫外線を露光したのち現像して、ドット状やストライプ状のスペーサーを形成するものであり、画素形成領域以外の所定の場所にのみスペーサーを形成することができるため、前述したような問題は基本的には解決される。
また近年、液晶表示素子の大面積化や生産性の向上等の観点から、マザーガラス基板の大型化(例えば、1,500×1,800mm程度)が進んでいる。しかし、従来の基板サイズ(680×880mm程度)では、マスクサイズよりも基板サイズが小さいため、一括露光方式で対応が可能であったが、大型基板の場合、その基板サイズと同程度のサイズのマスクを作製することがほぼ不可能であり、一括露光方式では対応が困難である。
そこで、大型基板に対応可能な露光方式として、ステップ露光方式が提唱されている。しかし、ステップ露光方式では、一枚の基板に数回露光され、各露光毎に、位置合せやステップ移動に時間を要するため、一括露光方式に比較して、スループットの低減が問題視されている。
また、一括露光方式では3,000J/m程度の露光量が可能であるが、ステップ露光方式の場合は各回の露光量をより低くすることが必要であり、スペーサーの形成に使用される従来の感放射線性樹脂組成物では、1,200J/m以下の露光量で十分なスペーサー形状および膜厚を達成することが困難であった。
一方、液晶表示素子を作製する工程でのスループットを向上させる観点から、基板を張り合わせる前に、液晶材料を基板表面にたらしておく工程技術“ODF(One Drop Fill)法”が導入されており、この方法により、液晶表示素子の作製に要する時間を大幅に短縮することができる。例えば30インチの液晶表示素子の場合、液晶材料を充填するのに、従来の方法では約5日間を要するが、ODF法では2時間程度で十分であり、スループットの大幅な向上が可能となる。
しかし、ODF法の場合、薄膜トランジスター(TFT)アレイとカラーフィルターとを室温で圧着する工程が必要であり、圧縮荷重によるスペーサーの塑性変形が大きくなると、セルギャップの均一性が保てなくなって、セル内に隙間が発生して表示ムラの原因となる。
そこで、塑性変形しにくく、圧縮荷重による変形を受けても回復率の高いスペーサーが必要となり、特許文献1に、環状イミド基を有するモノマーと(メタ)アクリル酸モノマーと水酸基含有モノマーとの共重合体に、エチレン性不飽和結合含有イソシアネート化合物を反応させて得られる重合体および熱架橋性エポキシ基含有化合物を含有する感光性樹脂組成物から形成されたスペーサーが提案されており、このスペーサーは高感度でかつ弾性特性に優れているとされている。しかし、この感光性樹脂組成物では、アルカリ水溶液に対する現像性の観点から、耐熱性の向上に寄与する熱架橋性エポキシ基含有化合物の添加量が制限されるため、得られるスペーサーの耐熱性が必ずしも満足できないという問題がある。
特開2003−173025号公報
そこで、本発明の課題は、高感度かつ高解像度で、1,200J/m程度以下の露光量でも十分なスペーサー形状が得られ、弾性回復性、ラビング耐性、基板との密着性、耐熱性等に優れた液晶表示素子用スペーサーを形成することができる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、第一に、
(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)水酸基含有不飽和化合物と(a3)他の不飽和化合物との共重合体(α)に、(b1)下記式(1)で表されるジイソシアネート化合物と(b2)水酸基含有重合性不飽和化合物との反応により得られる遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)を反応させて得られる〔A〕重合体を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、からなる。
〔式(1)において、Wは下記式(ii、(iii)、(v)〜(ix)で表される2価の基を示す。
本発明は、第二に、
液晶表示素子用スペーサーの形成に用いられる前記感放射線性樹脂組成物からなる。
本発明は、第三に、
前記液晶表示素子用スペーサーの形成に用いられる感放射線性樹脂組成物から形成されてなる液晶表示素子用スペーサーからなる。
本発明は、第四に、
以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示素子用スペーサーの形成方法からなる。
(イ)基板上に前記感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
本発明は、第五に、
前記液晶表示素子用スペーサーを具備する液晶表示素子からなる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、高感度かつ高解像度で、1,200J/m以下の露光量でも十分なスペーサー形状が得られ、弾性回復性、ラビング耐性、基板との密着性、耐熱性等にも優れた液晶表示素子用スペーサーを形成することができ、またスペーサー形成時に、現像後のポストベーク温度を下げることが可能であり、樹脂基板の黄変や変形を来たすことがない。
特に、上記弾性回復性は、後に定義される弾性回復率が80%以上を示すほどに優れている。
また、本発明の液晶表示素子用スペーサーの形成方法によると、優れた特性を有する液晶表示素子用スペーサーを生産性よく形成することができる。
また、本発明の液晶表示素子は、パターン形状、弾性回復性、ラビング耐性、基板との密着性、耐熱性等の諸性能に優れたスペーサーを具備するものであり、長期にわたり高い信頼性を発現することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
感放射線性樹脂組成物
−〔A〕重合体−
本発明の感放射線性樹脂組成物における〔A〕重合体は、(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「(a1)不飽和カルボン酸系化合物」という。)と(a2)水酸基含有不飽和化合物と(a3)他の不飽和化合物との共重合体(α)に、(b1)前記式(1)で表されるジイソシアネート化合物(以下、「(b1)ジイソシアネート化合物」という。)と(b2)水酸基含有重合性不飽和化合物との反応により得られる遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)を反応させて得られる重合体からなる。
共重合体〔α〕を構成する各成分のうち、(a1)不飽和カルボン酸系化合物としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸および;
前記ジカルボン酸の無水物
等を挙げることができる。
これらの(a1)不飽和カルボン酸系化合物のうち、共重合反応性、得られる〔A〕重合体のアルカリ現像液に対する溶解性および入手が容易である点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
共重合体〔α〕において、(a1)不飽和カルボン酸系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔α〕において、(a1)不飽和カルボン酸系化合物に由来する繰り返し単位の含有率は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。(a1)不飽和カルボン酸系化合物に由来する繰り返し単位の含有率が5重量%未満では、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応により得られる重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方40重量%を超えると、該重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が大きくなりすぎるおそれがある。
また、(a2)成分である水酸基含有不飽和化合物としては、例えば、
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ(シクロ)アルキルエステル;
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ(シクロ)アルキルエステルおよび;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−プロピル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル
等を挙げることができる。
これらの水酸基含有不飽和化合物のうち、共重合反応性および遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応性の点から、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル等が好ましい。
共重合体(α)において、水酸基含有不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体(α)において、水酸基含有不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率は、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%である。水酸基含有不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が1重量%未満では、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応により得られる重合体中への不飽和結合の導入率が低下して、感度が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、該重合体の溶液状態での保存安定性が低下する傾向がある。
また、(a3)成分である他の不飽和化合物、すなわち(a)成分および(a2)成分と異なる他の不飽和化合物としては、エポキシ基含有不飽和化合物およびそれ以外の化合物を挙げることができる。エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
前記エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、
アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸4−グリシジルオキシブチル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等のアクリル酸エポキシ(シクロ)アルキルエステル;
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸4−グリシジルオキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等のメタクリル酸エポキシ(シクロ)アルキルエステル;
α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等の他のα−アルキルアクリル酸エポキシ(シクロ)アルキルエステル;
o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル
等を挙げることができる。
これらのエポキシ基含有不飽和化合物のうち、共重合反応性および得られるスペーサーの強度の点から、アクリル酸4−グリシジルオキシブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等が好ましい。
共重合体〔α〕において、エポキシ基含有不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率は、通常、70重量%以下、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。エポキシ基含有不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が70重量%を超えると、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応により得られる重合体の溶液状態での保存安定性が低下する傾向がある。なお、エポキシ基含有不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満の場合、加熱による硬化性が低下したり、得られるスペーサーの強度の改善効果が低下するおそれがある。
また、エポキシ基含有不飽和化合物以外の他の不飽和化合物としては、例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸脂環式エステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸脂環式エステル;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステルあるいはアラルキルエステル;
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステルあるいはアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル;
アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環あるいは含酸素複素6員環を有するアクリル酸エステル;
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環あるいは含酸素複素6員環を有するメタクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物;および
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
等を挙げることができる。
これらのエポキシ基含有不飽和化合物以外の他の不飽和化合物のうち、共重合反応性および得られる〔A〕重合体のアルカリ現像液に対する溶解性の点から、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエン等が好ましい。
共重合体〔α〕において、エポキシ基含有不飽和化合物以外の他の不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体〔α〕において、エポキシ基含有不飽和化合物以外の他の不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率は、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30〜50重量%である。他の不飽和化合物に由来する繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応により得られる重合体の溶液状態での保存安定性が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、該重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
共重合体(α)は、例えば、(a1)不飽和カルボン酸系化合物、水酸基含有不飽和化合物および他の不飽和化合物を、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下で重合することにより製造することができる。
前記重合に用いられる溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルプロピオネート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等のジプロピレングリコールアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;
2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸n−プロピル、2−メトキシプロピオン酸n−ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸n−プロピル、2−エトキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−プロポキシプロピオン酸メチル、2−n−プロポキシプロピオン酸エチル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−ブトキシプロピオン酸メチル、2−n−ブトキシプロピオン酸エチル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸n−プロピル、3−メトキシプロピオン酸n−ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸n−プロピル、3−エトキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−プロポキシプロピオン酸メチル、3−n−プロポキシプロピオン酸エチル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−ブトキシプロピオン酸メチル、3−n−ブトキシプロピオン酸エチル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチル等のアルコキシプロピオン酸アルキル;および
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸n−プロピル、ヒドロキシ酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸n−プロピル、メトキシ酢酸n−ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸n−プロピル、エトキシ酢酸n−ブチル、n−プロポキシ酢酸メチル、n−プロポキシ酢酸エチル、n−プロポキシ酢酸n−プロピル、n−プロポキシ酢酸n−ブチル、n−ブトキシ酢酸メチル、n−ブトキシ酢酸エチル、n−ブトキシ酢酸n−プロピル、n−ブトキシ酢酸n−ブチル等の他のエステル
等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルコキシプロピオン酸アルキル等が好ましい。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4―シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;過酸化水素等を挙げることができる。
また、ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、それを還元剤とを併用して、レドックス型開始剤としてもよい。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
このようにして得られた共重合体(α)は、溶液のまま〔A〕重合体の合成に供しても、また一旦溶液から分離して〔A〕重合体の合成に供してもよい。
共重合体〔α〕のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。この場合、Mwが2,000未満であると、得られる被膜のアルカリ現像性、残膜率等が低下したり、またスペーサー形状、耐熱性等が損なわれたりするおそれがあり、一方100,000を超えると、解像度が低下したり、スペーサー形状が損なわれたりするおそれがある。
次に、〔A〕共重合体の合成に使用される遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)について説明する。
遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)は、(b1)前記式(1)で示されるジイソシアネート化合物(以下、「(b1)ジイソシアナート化合物」という。)と(b2)水酸基含有不飽和化合物との反応により得られるものである。
(b1)ジイソシアネート化合物のうち、式(1)におけるW(以下、単に「W」という。)が式(ix)で表される基である化合物としては、例えば、2,5−ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができる。
この他、Wが式(ii)で表わされる基である化合物はジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートであり、Wが式(iii)で表わされる基である化合物はジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートであり、式(v)で表わされる基である化合物は3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートであり、式(vi)で表わされる基である化合物はm−キシリレンジイソシアネートであり、式(vii)で表わされる基である化合物は1,3−ジシソシアナートメチルシクロキサンであり、そして式(viii)で表わされる基である化合物は1,3−ジ(2−イソシアナートプロピル−2−イル)ベンゼンである。
また、(b1)ジイソシアネート化合物の市販品としては、商品名で、コスモネートT−65、同T−100、同M−100、同M−200、同M−300、同M−1500、同MX、同CX、同PH、同NBDI、タケネート80、同500、同600(以上、三井武田ケミカル(株)製)を挙げることができる。
これらの(b1)ジイソシアネート化合物のうち、(b2)成分である水酸基含有重合性不飽和化合物や共重合体(α)との反応性の点から、(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、Wが式(ix)で表わされる式(1)で表わされる化合物等が好ましい。
特により好ましくは、高感度と高弾性回復率を達成することにおいて、2,5−ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが好ましい。遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)において、(b1)ジイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(b2)成分である水酸基含有重合性不飽和化合物のうち、重合反応に関して単官能の水酸基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、前記(a2)成分の水酸基含有不飽和化合物について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
また、重合反応に関して2官能以上の水酸基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等を挙げることができる。
これらの水酸基含有不飽和化合物のうち、共重合反応性および(b1)ジイソシアネート化合物との反応性の点から、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等が好ましい。
遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)において、水酸基含有不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)は、例えば、(b1)ジイソシアネート化合物、およびジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(IV)等の触媒やp−メトキシフェノール等の重合禁止剤を含む溶液に、温度を10℃以下に保って攪拌しつつ、水酸基含有不飽和化合物を例えば3〜5時間かけて徐々に滴下して反応させることにより合成することができる。この反応では、(b1)ジイソシアネート化合物と水酸基含有不飽和化合物とを等モルないし略等モルで使用することが好ましい。
次に、〔A〕重合体を合成する際の共重合体(α)と遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)との反応は、例えば、共重合体(α)を、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(IV)等の触媒やp−メトキシフェノール等の重合禁止剤と共に適当な溶媒に溶解し、この溶液に、室温または加温下で、攪拌しつつ、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)を例えば3〜5時間かけて徐々に滴下して反応させることにより合成することができる。
前記溶媒としては、例えば、前記共重合体(α)の合成について例示した溶媒と同様のものを使用することができる。
これらの溶媒のうち、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルコキシプロピオン酸アルキル等が好ましい。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
〔A〕重合体を合成する際の遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)の使用量は、共重合体(α)の合成に使用された(a2)水酸基含有不飽和化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜90重量部、さらに好ましくは10〜80重量部、特に好ましくは25〜75重量部である。遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)の使用量が0.1重量部未満では、感度や弾性回復性の改善効果が低下する傾向があり、一方90重量部を超えると、未反応の遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)が残存し、得られる重合体や感放射線性樹脂組成物の溶液状態での保存安定性が低下する傾向がある。
〔A〕重合体は、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を有し、アルカリ現像液に対して良好な溶解性を有している。また、〔A〕重合体は、重合性不飽和結合を有し、硬化性を有するものであるが、さらにエポキシ基を有する場合、硬化性がより改善され、特別な硬化剤を併用しなくとも加熱により容易に硬化することができる。したがって、〔A〕重合体を含有する本発明の感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液により現像する際に現像残りおよび膜減りを生じることなく、所定形状のスペーサーを容易に形成することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、〔A〕重合体を必須成分とするものであるが、さらに、下記する〔B〕重合性不飽和化合物および〔C〕感放射線性重合開始剤を含有することが好ましい。
−〔B〕重合性不飽和化合物−
重合性不飽和化合物は、〔C〕感放射線性重合開始剤の存在下で放射線の露光により重合する不飽和化合物からなる。
このような重合性不飽和化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、重合反応に関して単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが、共重合性が良好で、得られるスペーサーの強度が高い点から好ましい。
前記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、(2−アクリロイルオキシエチル)(2−ヒドロキシプロピル)フタレート、(2−メタクリロイルオキシエチル)(2−ヒドロキシプロピル)フタレート等を挙げることができる。また市販品として、商品名で、例えば、アロニックスM−101、同M−111、同M−114(以上、東亜合成(株)製);KAYARAD TC−110S、同 TC−120S(以上、日本化薬(株)製);ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
また、前記2官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート等を挙げることができる。また市販品として、商品名で、例えば、アロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亜合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同 HX−220、同 R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
さらに、前記3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、トリ(2−メタクリロイルオキシエチル)フォスフェートや、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル特に9官能以上のものとして、直鎖アルキレン基および脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個、4個あるいは5個のアクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物とを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート系化合物等を挙げることができる。
3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルの市販品としては、商品名で、例えば、アロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1450(以上、東亜合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同 DPHA、同 DPCA−20、同 DPCA−30、同 DPCA−60、同 DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同400、同GPT、同3PA(以上、大阪有機化学工業(株)製)や、多官能ウレタンアクリレート系化合物を含有する市販品として、ニューフロンティア R−1150(第一工業製薬(株)製)、KAYARAD DPHA−40H(日本化薬(株)製)等を挙げることができる。
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルのうち、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートや、多官能ウレタンアクリレート系化合物を含有する市販品等が好ましい。
前記単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、重合性不飽和化合物の使用量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは1〜120重量部、さらに好ましくは3〜100重量部である。重合性不飽和化合物の使用量が1重量部未満では、現像時に現像残りが発生するおそれがあり、一方120重量部を超えると、得られるスペーサーの基板との密着性が低下する傾向がある。
−〔C〕感放射線性重合開始剤−
感放射線性重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等の放射線の露光により、重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種を発生する成分からなる。
このような感放射線性重合開始剤としては、例えば、9.H.−カルバゾール系のO−アシルオキシム型重合開始剤(以下、「O−アシルオキシム型重合開始剤(I)」という。)が好ましい。
O−アシルオキシム型重合開始剤(I)としては、例えば、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ペンタン−1,2−ペンタン−2−オキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−(1,3,5−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート等を挙げることができる。
これらのO−アシルオキシム型重合開始剤(I)のうち、特に1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタートが好ましい。
前記O−アシルオキシム型重合開始剤(I)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明においては、感放射線性重合開始剤として、O−アシルオキシム型重合開始剤(I)以外のO−アシルオキシム型光重合開始剤(以下、「O−アシルオキシム型重合開始剤(II)」という。)を1種以上併用することができる。
O−アシルオキシム型重合開始剤(II)としては、例えば、1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−(4―メチルベンゾイルオキシム))等を挙げることができる。
これらのO−アシルオキシム型重合開始剤(II)のうち、特に1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)が好ましい。
本発明において、O−アシルオキシム型重合開始剤(I)あるいはこれとO−アシルオキシム型重合開始剤(II)との混合物(以下、これらをまとめて単に「O−アシルオキシム型重合開始剤」という。)を用いることにより、1,200J/m以下の露光量でも、良好な感度を達成でき、かつ基板への良好な密着性を有するペーサーを得ることが可能となる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、O−アシルオキシム型重合開始剤の使用量は、〔B〕重合性不飽和化合物100重量部に対して、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。O−アシルオキシム型重合開始剤の使用量が5重量部未満では、現像時の残膜率が低下する傾向があり、一方30重量部を超えると、現像時に未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
また、O−アシルオキシム型重合開始剤(II)の使用割合は、O−アシルオキシム型重合開始剤(I)とO−アシルオキシム型重合開始剤(II)との合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。
さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物においては、O−アシルオキシム型重合開始剤と共に、他の感放射線性重合開始剤を1種以上併用することもできる。
前記他の感放射線性重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、α−ジケトン化合物、多核キノン化合物、キサントン化合物、ホスフィン化合物、トリアジン化合物等を挙げることができ、これらのうちアセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が好ましい。
前記アセトフェノン化合物としては、例えば、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物等を挙げることができる。
前記α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等を挙げることができ、また前記α−アミノケトン化合物としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンゾイル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等を挙げることができ、これら以外の化合物として、例えば、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。
これらのアセトフェノン化合物のうち、特に、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−(4−メチルベンゾイル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンが好ましい。
本発明においては、アセトフェノン化合物を併用することにより、感度、得られるスペーサーの形状や圧縮強度をさらに改善することが可能となる。
また、前記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
これらのビイミダゾール化合物のうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が好ましく、特に2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
本発明においては、ビイミダゾール化合物を併用することにより、感度、解像度や得られるスペーサーの基板との密着性をさらに改善することが可能となる。
また、ビイミダゾール化合物を併用する場合、それを増感するため、ジアルキルアミノ基を有する脂肪族系または芳香族系の化合物(以下、「アミノ増感剤」という。)を添加することができる。
アミノ増感剤としては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸i−アミル等を挙げることができる。
これらのアミノ増感剤のうち、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記アミノ増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、ビイミダゾール化合物とアミノ増感剤とを併用する場合、水素供与化合物として、チオール化合物を添加することができる。ビイミダゾール化合物は前記アミノ増感剤によって増感されて開裂し、イミダゾールラジカルを発生するが、そのままでは高い重合開始能が発現されず、得られるスペーサーが逆テーパ形状のような好ましくない形状となる場合が多い。しかし、ビイミダゾール化合物とアミノ増感剤とが共存する系に、チオール化合物を添加することにより、イミダゾールラジカルにチオール化合物から水素ラジカルが供与される結果、イミダゾールラジカルが中性のイミダゾールに変換されるとともに、重合開始能の高い硫黄ラジカルを有する成分が発生し、それによりスペーサー形状をより好ましい順テーパ状にすることができる。
前記チオール化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾイミダゾール等の芳香族化合物;3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸エチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等の脂肪族モノチオール;3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリストールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリストールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)等の2官能以上の脂肪族系チオールを挙げることができる。
これらのチオール化合物のうち、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、他の感放射線性重合開始剤の使用割合は、全感放射線性重合開始剤100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下、特に好ましくは60重量部以下である。他の感放射線性重合開始剤の使用割合が100重量部を超えると、本発明の所期の効果が損なわれるおそれがある。
また、ビイミダゾール化合物とアミノ増感剤とを併用する場合、アミノ増感剤の添加量は、ビイミダゾール化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。アミノ増感剤の添加量が
0.1重量部未満では、感度、解像度や得られるスペーサーの基板との密着性の改善効果が低下する傾向があり、一方50重量部を超えると、スペーサー形状が損なわれるおそれがある。
また、ビイミダゾール化合物とアミノ増感剤とを併用する場合、チオール化合物の添加量は、ビイミダゾール化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。チオール化合物の添加量が0.1重量部未満では、スペーサー形状の改善効果が低下したり、膜減りを生じやすくなる傾向があり、一方50重量部を超えると、スペーサー形状が損なわれるおそれがある。
但し、本発明においては、O−アシルオキシム型重合開始剤(I)以外の感放射線性重合開始剤だけを、単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
−添加剤−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、本発明の所期の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、前記成分以外にも、界面活性剤、接着助剤、保存安定剤、耐熱性向上剤等の添加剤を配合することもできる。
前記界面活性剤は、塗布性を改善する作用を有する成分であり、フッ素界面活性剤、シリコーン界面活性剤が好ましい。
前記フッ素界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基あるいはフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましく、その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−ペンチル)エーテル、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−デカン、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロ−n−ドデカン、パーフルオロ−n−ドデシルスルホン酸ナトリウムや、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素アルキルエステル等を挙げることができる。
また、フッ素界面活性剤の市販品としては、商品名で、例えば、BM−1000、同−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F178、同F183、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC 170C、同FC−171、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同FT−110、同FT−140A、同FT−150、同FT−250、同FT−251、同FT−300、同FT−310、同FT−400S、同FTX−218、同FTX−251(以上、(株)ネオス製)等を挙げることができる。
前記シリコーン界面活性剤としては、市販品として、商品名で、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4300、同−4440、同−4445、同−4446、同−4452、同−4460(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
さらに、前記以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル等のノニオン界面活性剤や、市販品として、商品名で、例えば、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.57、同No.95(以上、共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の配合量が5重量部を超えると、塗布時に膜荒れを生じやすくなる傾向がある。
前記接着助剤は、得られるスペーサーの基板との密着性をさらに改善する作用を有する成分であり、官能性シランカップリング剤が好ましい。
前記官能性シランカップリング剤としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基を有する化合物を挙げることができ、より具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これらの接着助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
接着助剤の配合量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。接着助剤の配合量が20重量部を超えると、現像残りが生じやすくなる傾向がある。
前記保存安定剤としては、例えば、硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等を挙げることができ、より具体的には、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等を挙げることができる。
これらの保存安定剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
保存安定剤の配合量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、さらに好ましくは0.001〜0.5重量部である。保存安定剤の配合量が3重量部を超えると、感度が低下してスペーサー形状が損なわれるおそれがある。
前記耐熱性向上剤としては、例えば、N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基を有する化合物等を挙げることができる。
前記N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
これらのN−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物のうち、特にN,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。
また、前記N−(アルコキシメチル)メラミン化合物としては、例えば、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。
これらのN−(アルコキシメチル)メラミン化合物のうち、特にN,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましく、その市販品としては、商品名で、例えば、ニカラックN−2702、同MW−30M(以上、三和ケミカル(株)製)等を挙げることができる。
また、前記2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂や、市販品として、商品名で、例えば、エポライト40E、同100E、同200E、同70P、同200P、同400P、同1500NP、同80MF、同100MF、同1600、同3002、同4000(以上、共栄社化学(株)製)、EOCN102、同103S、同104S、同1020、同1025、同1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S(ジャパンエポキシレジン社製)等を挙げることができる。
前記耐熱性向上剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
耐熱性向上剤の配合量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。耐熱性向上剤の配合量が30重量部を超えると、感放射線性樹脂組成物の溶液状態での保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、適当な溶剤に溶解した組成物溶液として使用に供することが好ましい。
前記溶剤としては、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分を均一に溶解し、各成分と反応せず、適度の揮発性を有するものが用いられるが、各成分の溶解能、各成分との反応性および被膜形成の容易性の観点から、アルコール、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルコキシプロピオン酸アルキル等が好ましく、特に、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が好ましい。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、さらに、前記溶剤と共に、高沸点溶剤を併用することもできる。
前記高沸点溶剤としては、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等を挙げることができる。
これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記のように調製された組成物溶液は、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いてろ過して、使用に供することもできる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に、液晶表示素子用スペーサーの形成に極めて好適に使用することができる。
スペーサーの形成方法
次に、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて本発明の液晶表示素子用スペーサーを形成する方法について説明する。
本発明の液晶表示素子用スペーサーを形成する方法は、少なくとも以下の工程を以下に記載の順序で含むものである。
(イ)基板上に本発明の感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
以下、これらの各工程について順次説明する。
−(イ)工程−
透明基板の一面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の上に、感放射線性樹脂組成物を、好ましくは組成物溶液として塗布したのち、塗布面を加熱(プレベーク)することにより、被膜を形成する。
スペーサーの形成に用いられる透明基板としては、例えば、ガラス基板、樹脂基板等を挙げることができ、より具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板を挙げることができる。
透明基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜等を用いることができる。
組成物溶液の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の被膜を形成する方法としては、例えば(1)塗布法、(2)ドライフィルム法によることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物の被膜を形成する際に、(2)ドライフィルム法を採用する場合、該ドライフィルムは、ベースフィルム、好ましくは可とう性のベースフィルム上に、本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性層を積層してなるもの(以下、「感光性ドライフィルム」という)である。
上記感光性ドライフィルムは、ベースフィルム上に、本発明の感光性樹脂組成物を好ましくは液状組成物として塗布したのち乾燥することにより、感光性層を積層して形成することができる。感光性ドライフィルムのベースフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂のフィルムを使用することができる。ベースフィルムの厚さは、15〜125μmの範囲が適当である。得られる感光性層の厚さは、1〜30μmの程度が好ましい。
また、感光性ドライフィルムは、未使用時に、その感光性層上にさらにカバーフィルムを積層して保存することもできる。このカバーフィルムは、未使用時には剥がれず、使用時には容易に剥がすことができるように、適度な離型性を有する必要がある。このような条件を満たすカバーフィルムとしては、例えば、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどの合成樹脂フィルムの表面にシリコーン系離型剤を塗布または焼き付けたフィルムを使用することができる。カバーフィルムの厚さは、通常、25μm程度で十分である。
また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常、70〜120℃で1〜15分程度である。
−(ロ)工程−
次いで、形成された被膜の少なくとも一部に露光する。この場合、被膜の一部に露光する際には、通常、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。
露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
露光量は、露光される放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model 356 、OAI Optical Associates Inc. 製)により測定した値として、通常、100〜10,000J/mであるが、本発明の感放射線性樹脂組成物は、1,200J/m程度以下の露光量でも十分なスペーサー形状が得られるものである。
−(ハ)工程−
次いで、露光後の被膜を現像することにより、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、アルカリ現像液が好ましく、その例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;エチルアミン、n−プロピルアミン等の脂肪族1級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の脂肪族2級アミン;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族3級アミン;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環族3級アミン;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族3級アミン;エタノールジメチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液を挙げることができる。
また、前記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は、通常、10〜180秒間程度である。
現像後、例えば、流水洗浄を30〜90秒間行ったのち、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のスペーサー形状の被膜が形成される。
−(二)工程−
次いで、得られたスペーサー形状の被膜を、例えばホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度、例えば100〜160℃で、所定時間、例えばホットプレート上では5〜30分間、オーブン中では30〜180分間、加熱(ポストベーク)をすることにより、所定の液晶表示素子用スペーサーを得ることができる。
液晶表示素子用スペーサーの形成に使用される従来の感放射線性樹脂組成物は、180〜200℃程度以上の温度で加熱処理を行わないと、得られるスペーサーが十分な性能を発揮できなかったが、本発明の感放射線性樹脂組成物では、加熱温度を従来より低温とすることができ、その結果、樹脂基板の黄変や変形をきたすことなく、圧縮強度、液晶配向時のラビング耐性、基板との密着性等の諸性能に優れる液晶表示素子用スペーサーを形成することができる。
液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、前記のようにして形成された本発明の液晶表示素子用スペーサーを具備するものである。
本発明の液晶素子の構造としては、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示すように、基板上にカラーフィルター層とスペーサーを形成し、液晶層を介して配置される2つの配向膜、対向する透明電極、対向する基板等を有する構造を挙げることができる。また図1に示すように、必要に応じて、偏光板や、カラーフィルター層上に保護膜を形成してもよい。
また、図2に示すように、基板上にカラーフィルター層とスペーサーを形成し、配向膜および液晶層を介して、薄膜トランジスター(TFT)アレイと対向させることによって、TN−TFT型の液晶表示素子とすることもできる。この場合も、必要に応じて、偏光板や、カラーフィルター層上に保護膜を形成してもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ここで、部および%は重量基準である。
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル250部を仕込み、引き続いてメタクリル酸17部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル20部、メタクリル酸ベンジル23部、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル20部を仕込んで、窒素置換したのち、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、固形分濃度29.0%の共重合体(α)の溶液を得た、この共重合体(α)を「共重合体(α−1)」とする。
得られた共重合体(α−1)について、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(商品名、東ソー(株)製)を用いてMwを測定したところ、20,000であった。
別に、Wが式(v)で表される基である化合物(3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)17部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル30部に溶解して、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(IV)0.03部、4−メトキシフェノール0.1部を添加したのち、5℃で30分間攪拌した。その後、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部を滴下し、非攪拌下5℃で1時間保持したのち、室温で2時間攪拌しつつ反応させることにより、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−1)の溶液を得た。
次いで、前記共重合体(α−1)の溶液に、前記遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−1)の溶液を、攪拌しつつ30℃で1時間かけて滴下したのち、同温度で3時間攪拌しつつ反応させることにより、固形分濃度31.5%の〔A〕重合体の溶液を得た。この〔A〕重合体を「重合体(A−1)」とする。
合成例2
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル250部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18部、メタクリル酸グリシジル30部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル27部、スチレン5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル10部を仕込んで、窒素置換したのち、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、固形分濃度29.0%の共重合体(α)の溶液を得た。この共重合体(α)を「共重合体(α−2)」とする。
得られた共重合体(α−2)について、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020を用いてMwを測定したところ、11,000であった。
次いで、前記共重合体(α−2)の溶液に、合成例1と同様にして得た遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−1)の溶液を、攪拌しつつ30℃で1時間かけて滴下したのち、同温度で3時間攪拌しつつ反応させることにより、固形分濃度31.0%の〔A〕重合体の溶液を得た。この〔A〕重合体を「重合体(A−2)」とする。
合成例3
2,5−ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン13部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル30部に溶解して、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(IV)0.03部、4−メトキシフェノール0.1部を添加したのち、5℃で30分攪拌した。その後、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10部を滴下し、非攪拌下5℃で1時間保持したのち、室温で2時間攪拌しつつ反応させることにより、遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−2)の溶液を得た。
次いで、合成例1と同様にして得た共重合体(α−1)の溶液に、前記遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−2)の溶液を、攪拌しつつ30℃で1時間かけて滴下したのち、同温度で3時間攪拌しつつ反応させることにより、固形分濃度32.0%の〔A〕重合体の溶液を得た。この〔A〕重合体を「重合体(A−3)」とする。
合成例4
合成例2と同様にして得た共重合体(α−2)溶液に、合成例3と同様にして得た遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β−2)の溶液を、攪拌しつつ30℃で1時間かけて滴下したのち、同温度で3時間攪拌しつつ反応させることにより、固形分濃度32.0%の〔A〕重合体の溶液を得た。この〔A〕重合体を「重合体(A−4)」とする。
実施例1
組成物溶液の調製
〔A〕成分として、合成例1で得た重合体(A−1)溶液を重合体(A−1)として100部、〔B〕成分として、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(商品名KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)80部、〔C〕成分として、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート(商品名CGI−242、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)5部、接着助剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5部、界面活性剤として、フタージェントFTX−218を0.5部、保存安定剤として、4−メトキフェノール0.5部を混合し、固形分濃度が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液(S−1)を調製した。
スペーサーの形成
無アルカリガラス基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液(S−1)を塗布したのち、80℃のホットプレート上で3分間プレベークして、膜厚4.0μmの被膜を形成した。
次いで、得られた被膜に、10μm角の残しパターンのフォトマスクを介して、365nmにおける強度が250W/mの紫外線を10秒間露光した。その後、水酸化カリウム0.05重量%水溶液により、25℃で60秒間現像したのち、純水で1分間洗浄し、さらに220℃のオーブン中で60分間加熱することにより、スペーサーを形成した。
次いで、下記の要領で各種評価を行った。評価結果を、表5に示す。
評価
−感度−
露光量を変量とした以外は前記スペーサーの形成と同様にして、スペーサーを形成したとき、現像後の残膜率(現像後の膜厚×100/初期膜厚。以下同様。)が90%以上になる最小露光量を感度とした。この露光量が1,200J/m以下のとき、感度が良好といえる。
−解像度−
露光量を変量とした以外は前記スペーサーの形成と同様にして、スペーサーを形成したとき、現像後の残膜率が90%以上となる最小露光量により解像される最小のパターンサイズにより評価した。
−断面形状−
得られたスペーサーの断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察して、図3に示すA〜Cのいずれに該当するかにより評価した。このとき、AあるいはBのように、パターンエッジが順テーパーあるいは垂直状である場合は、断面形状が良好といえる。これに対して、Cに示すように、逆テーパ状(断面形状で、膜表面の辺が基板側の辺よりも長い逆三角形状)である場合、ラビング処理時にスペーサーが剥がれるおそれが大きくなることから、断面形状が不良とした。
−弾性回復率−
得られたスペーサーについて、微小圧縮試験機(商品名MCTM−200、(株)島津製作所製)を用い、直径50μmの平面圧子により、負荷速度および徐荷速度をともに2.6mN/秒として、50mNまでの荷重を負荷して5秒間保持したのち除荷して、負荷時の荷重−変形量曲線および徐荷時の荷重−変形量曲線を作成した。このとき、図4に示すように、負荷時の荷重50mNでの変形量と荷重5mNでの変形量との差をL1とし、除荷時の荷重50mNでの変形量と荷重5mNでの変形量との差をL2として、下記式により、弾性回復率を算出した。
弾性回復率(%)=L2×100/L1
−ラビング耐性−
スペーサーを形成した基板に、液晶配向剤としてAL3046(商品名、JSR(株)製)を液晶配向膜塗布用印刷機により塗布したのち、180℃で1時間乾燥して、膜厚0.05μmの液晶配向剤の被膜を形成した。
その後、この被膜に、ポリアミド製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒として、ラビング処理を行った。このとき、スペーサーの削れや剥がれの有無を評価した。
−密着性−
フォトマスクを使用しなかった以外は前記スペーサーの形成と同様にして、硬化膜を形成したのち、JIS K−5400(1900)8.5の付着性試験のうち、8.5・2の碁盤目テープ法により評価した。このとき、100個の碁盤目のうち残った碁盤目の数を表5〜8に示す。
−耐熱性−
フォトマスクを使用しなかった以外は前記スペーサーの形成と同様にして硬化膜を形成したのち、240℃のオーブン中で60分間加熱し、加熱前後の膜厚を測定して、残膜率(加熱後の膜厚×100/初期膜厚)により評価した。
実施例2〜41および比較例1〜4
表1、2および4に示す〔A〕成分ないし共重合体、〔B〕成分および〔C〕成分を、接着助剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5部、界面活性剤として、FTX−218を0.5部、保存安定剤として、4−メトキフェノール0.5部と混合し、固形分濃度が30%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、実施例1と同様にして評価した。評価結果を、表5、6および8に示す。
スペーサーの断面形状が逆テーパ状(C)の場合、基板との密着性が低下して弾性回復率の測定が困難となるため、表8の比較例1では弾性回復率の評価結果を示していない。
表1、2および4において、〔A〕成分および共重合体以外の各成分は、下記のとおりである。
〔B〕成分
B−1:ジペンタエリストールヘキサアクリレート(商品名KAYARAD DPHA 日本化薬(株)製)
B−2:多官能ウレタンアクリレート系化合物を含有する市販品(商品名KAYARAD DPHA−40H 日本化薬(株)製)
〔C〕成分
C−1:1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート(商品名CGI−242、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
C−2:1,2−オクタジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名CGI−124、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−1:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−2:2−(4−メチルベンゾイル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン
E−1:2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
E−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
E−3:2−メルカプトベンゾチアゾール
E−4:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
液晶表示素子の構造の一例を示す模式図である。 液晶表示素子の構造の他の例を示す模式図である。 スペーサーの断面形状を例示する模式図である。 弾性回復率の評価における負荷時および除荷時の荷重−変形量曲線を例示する図である。

Claims (9)

  1. (a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)水酸基含有不飽和化合物と(a3)他の不飽和化合物との共重合体(α)に、(b1)下記式(1)で表されるジイソシアネート化合物と(b2)水酸基含有重合性不飽和化合物との反応により得られる遊離イソシアナート基含有不飽和化合物(β)を反応させて得られる〔A〕重合体を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
    〔式(1)において、Wは下記式(ii、(iii)、(v)〜(ix)で表される2価の基を示す。

  2. ジイソシアネート化合物が、上記式(1)においてWが式(ix)で表わされる化合物である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の〔A〕重合体、〔B〕重合性不飽和化合物および〔C〕感放射線性重合開始剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  4. [C]感放射線性重合開始剤の少なくとも1部が−アシルオキシム型光重合開始剤である請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. スペーサーの形成用である請求項1〜4のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示素子用スペーサーの形成方法。
    (イ)基板上に請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する工程、
    (ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
    (ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
    (ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
  7. 請求項6の方法により形成されたスペーサー。
  8. 弾性回復率が80%以上である請求項7に記載のスペーサー。
  9. 請求項6または7に記載のスペーサーを具備する液晶表示素子。
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