JP4706667B2 - マルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法、マルチホップ通信ネットワークのノード - Google Patents

マルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法、マルチホップ通信ネットワークのノード Download PDF

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Description

本発明は、通信ネットワーク上に存在するノード間で通信する際に、他のノードによる通信の中継を可能にしたマルチホップ通信ネットワークにおいて、通信データを伝送する適切なルートを選択するためのマルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法と、当該ルート評価方法に対応したマルチホップ通信ネットワークのノードに関するものである。
従来から、通信ネットワーク上に存在するノード(すなわち、通信端末)間で通信する際に、情報を伝送しようとするノード間で通信を直接行うことができない場合に、他のノードを通信の中継に用いることによって通信を可能にする技術が知られており、とくに通信ネットワークの一つである無線ネットワークにおいてこの技術を用いることが提案されている。この種の無線ネットワークは、マルチホップ無線ネットワークと呼ばれている。
無線ネットワークでは、ノードが移動したり雑音の影響を受けることにより、通信のルートの通信品質が時間経過に伴って変化する上に、通信可能であったノードとのルートが不通になって通信ネットワークのネットワークトポロジが時間経過に伴って変化するから、ノード間で通信を維持するには、ノード間で経路情報を交換し、使用可能なルートを探索するとともに使用可能なルートのうち通信品質のよいルートを選択することが必要である。
ところで、無線ネットワークにおける上述の問題は、電力線を伝送路に用いる電力線搬送通信(以下、「PLC」(Power Line Communication)と略称する)の技術を用いて構築した通信ネットワークであるPLCネットワークにおいても生じる。PLCネットワークの用途としては、たとえば、集合住宅において各住戸と管理室とにそれぞれノードを設置することによって、各住戸の設備機器を集中監視・制御するシステムが提案されている。
この種のシステムでは、電力線をルートに用いて高周波の搬送波信号を用いて情報を伝送するものであるから、搬送波信号には微弱な電力を用いており、集合住宅のように電力線の総延長が長くなると、各住戸に設置したノードから管理室のノードに対して通信を直接行うことができない場合が生じる。また、PLCネットワークはノードを電力線に接続するものであるから、電力線に接続された負荷機器により発生する雑音が通信品質に影響し、ノードを電力線のコンセントに接続する場合にはコンセントに対するノードの抜き差しによってネットワークトポロジが変化することになる。
したがって、PLCネットワークにおいても、マルチホップ無線ネットワークと同様に、他のノードを通信の中継に用いるとともに、ルートを探索し選択するマルチホップ通信ネットワークの技術が要求される。PLCネットワークにマルチホップ通信ネットワークの技術を適用した事例は知られている(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、マルチホップ通信ネットワークでは、通信を開始する前にどのノードを通るルートが使用可能かを探索し、使用可能なルートのなかから適切なルートを選択しなければならない。ルートの探索は、通信しようとする出発点のノードと到着点のノードとの間に存在する使用可能なルートの候補を見つけ出す処理であり、ルートの選択は、ルートの候補のなかで通信品質が上位であるルートを選び出す処理である。
ルートを探索するには、まず他のノードの中継なしに通信することができるノードの対(言い換えれば、ノード間のリンク)を検出する必要がある。このようなリンクがわかれば、リンクを辿ることにより通信データの出発点と到着点とのノードを結ぶルートを追跡することができる。一方、ルートを選択するには、リンクごとの通信品質を評価する必要がある。すなわち、探索により得られたルートのうちで、通信品質が良好であるルートを採用するのが望ましいから、各リンクの通信品質を適宜の評価値で評価し、この評価値を用いて出発点から到着点までの通信品質を推定し、通信品質が良好なルートを選択するのである。
他のノードの中継なしに通信することができるノードの対を検出する技術としては、特許文献1において、各ノードが適時にハローメッセージと称する信号を送受信し、ハローメッセージをノードが受信することによって受信方向の通信品質を取得し、さらに受信側のノードから受信方向の通信品質を含むハローメッセージを送信することにより、送信側のノードに送信方向の通信品質を取得させる技術が示されている。
特開2006−67557号公報
ところで、マルチホップ通信ネットワークでは各ノード間の通信品質が時間経過に伴って変化するから、通信データを伝送するたびにルートの探索および選択を行うと、ルートが変化する可能性がある。とくに、ルートの探索時に、通信データの出発点と到着点となるノード間にルートの候補が検出され、かつ全体の通信品質の評価値がほぼ等しいルートの候補が複数存在している場合には、伝送路のわずかな状態変動で、異なるルートが選択される可能性があり、頻繁なルート変動を引き起こしてしまう。ルートの通信品質の差が少なければ、同じルートが継続して使用されるほうが、管理装置などでのネットワークトポロジー把握が容易になり、システム管理上好ましい。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、同じノード間で通信データを伝送する際に、同じルートが選択される可能性を高め、ルートの変動を抑制することができるマルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法、マルチホップ通信ネットワークに用いるノードを提供することにある。
請求項1の発明は、複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークにおいて他のノードによる中継なしに通信可能なノードである隣接ノードとの間の物理層の通信品質を用いて通信のルートを評価する方法であって、各ノードは適時にハローメッセージを送信し隣接ノードとの間のハローメッセージの送受信により検出される隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値を各ノードに設けた隣接ノードテーブルに登録し、各ノードの隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って通信データを伝送するルートの候補を探索するとともに、探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択し、ルートの選択時には、各ノードの隣接ノードテーブルに、隣接ノードとの間の送信方向と受信方向との通信品質が登録されているときに、当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正して評価値を比較することを特徴とする。
請求項2の発明は、複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークにおいて他のノードによる中継なしに通信可能なノードである隣接ノードとの間の物理層の通信品質を用いて通信のルートを評価する方法であって、各ノードは適時にハローメッセージを送信し隣接ノードとの間のハローメッセージの送受信により検出される隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値を各ノードに設けた隣接ノードテーブルに登録し、各ノードの隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って通信データを伝送するルートの候補を探索するとともに、探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択し、ルートの選択時には、各ノードの隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードが通信データを伝送するルート上のノードとして過去に選択されたことがあるときに、当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正して評価値を比較することを特徴とする。
請求項3の発明は、複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークに用いるノードであって、他のノードによる中継なしに通信可能な隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値が登録され通信データを伝送するルートの選択時に通信品質の評価値を用いてルートが選択される隣接ノードテーブルと、通信データを伝送するルートの候補を隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って探索し探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択するルート選択手段と、隣接ノードとの間の送信方向と受信方向との通信品質が隣接ノードテーブルに登録されているときに当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正する評価値修正手段とを備え、ルート選択手段は評価値修正手段により修正された評価値を用いてルートの候補を比較することを特徴とする。
請求項4の発明は、複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークに用いるノードであって、他のノードによる中継なしに通信可能な隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値が登録され通信データを伝送するルートの選択時に通信品質の評価値を用いてルートが選択される隣接ノードテーブルと、通信データを伝送するルートの候補を隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って探索し探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択するルート選択手段と、隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードが通信データを伝送するルート上のノードとして過去に選択されたことがあるときに当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正する評価値修正手段とを備え、ルート選択手段は、評価値修正手段により修正された評価値を用いてルートの候補を比較することを特徴とする。
各請求項の発明の構成によれば、隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードが規定条件を満たすときにこの隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正し、ルートの候補から使用するルートを選択する際に、修正後の評価値を用いてルートの候補を比較するから、修正後の評価値を持つ隣接ノードを経由するルートが選択されやすくなり、隣接ノードテーブルに登録されている通信品質の評価値を用いると、複数のルートの候補の通信品質の評価にほとんど差が生じない場合でも、修正後の評価値を用いることで通信品質の評価の差を大きくすることが可能になる。したがって、選択したルートは続けて使用される可能性がたかまり、ルートの変動を抑制することができる。
請求項1、3の発明の構成によれば、隣接ノードとの間で送信方向と受信方向との双方向の通信品質が隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードを経由するルートを優先的に選択するから、ルートの変動が生じにくくなる。
請求項2、4の発明の構成によれば、通信データを伝送するルート上のノードとして過去に選択された隣接ノードを優先的に選択するから、一度選択されたルートが選択されやすくなり、ルートの変動が抑制される。
(基本構成)
マルチホップ通信ネットワークにおいて、通信データの出発点と到着点となるノードの間のルートを決めるには、他のノードの中継なしに直接通信が可能なノードの対を検出するとともに、対になる各ノード間のリンクにおける通信品質を評価することが必要である。また、通信データの出発点と到着点との間で取りうる通信経路(ルート)を探索し、通信可能なルートのうち通信品質の高いルートを選択することが必要である。
以下に説明する実施形態では、ルートの通信品質に関する評価に、隣接するノードが送信した信号の受信強度と、情報を伝送するルート内に含まれるノードについて隣接するノードを結ぶリンクの本数(以下、「ホップ数」と呼ぶ)とを用いる(ノードが隣接するとは、2つのノード間で他のノードによる中継なしに通信が可能であることを意味し、隣接ノードの間はホップ数が1である)。したがって、ホップ数は、ルートを構成するノード(ルートの両端のノードを含む)の個数から1を引いた値になる。ルートの通信品質は、信号強度が大きくホップ数が少ないほどよいと評価し、探索されたルートのなかで通信品質ができるだけよいルートを選択する。
たとえば、直接通信が可能なノード間の信号強度を複数段階(たとえば、10段階)に分割してコード化した値(以下、このコードをSQ(Signal Quality)と呼ぶ)を用い、通信ネットワーク内における通信データを伝送する2ノード間の通信品質を、次式で求められるルートコストによって評価する。つまり、ルートコストが通信品質の評価値になる。
(ルートコスト)=Ka×(ルート内の各リンクに関するSQ値の総和)+Kb×(ホップ数)
ただし、Ka,Kbは重み係数である。なお、以下では、Kb=0の場合について説明する。
通信データの出発点と到着点となるノードの間に中継する2個のノードの存在するルートがあり、各リンクのSQが、それぞれ3、4、5であれば、ルートコストは、Ka×(3+4+5)+Kb×3=12・Ka+3・Kbになる。
ところで、ルートコストのうち各リンクごとのSQ値に重み係数Kaを乗じた値は、直接通信が可能な互いに隣接ノードとなる2個のノード間のリンクに関する通信品質の評価値であって、以下ではこの評価値をリンクコストと呼ぶ。リンクコストは、通信する2個のノード間において、どちらのノードを送信側とするかによって変化することがあるから、相手ノードからの信号の受信強度により得られるリンクコスト(受信側の通信品質の評価値)を受信リンクコストと呼び、自ノードからの信号を相手ノードが受信したときの受信強度により得られるリンクコスト(送信側の通信品質の評価値)を送信リンクコストと呼ぶ。
各ノードは隣接ノードに関して受信リンクコストおよび送信リンクコストを相手ノードのアドレスに対応付けて登録する隣接ノードテーブルを備える。通信ネットワーク内の各リンクのリンクコストは、受信リンクコストと送信リンクコストとのうち値の大きいほうを用いる。つまり、各リンクのリンクコストを通信品質の悪いほうで評価する。
隣接ノードテーブルは、図5に示すように、隣接ノードごとに付与されているアドレス(隣接ノードアドレス)と、隣接ノードごとの受信リンクコストと、隣接ノードごとの送信リンクコストとの各項目を登録するフィールドを備える。ルートコストは上述した演算により求められたルートコストである。ただし、ルートに含まれる各リンクのリンクコストは重み係数Kaをすでに乗じてあるから、Ka×(ルート内の各リンクに関するSQ値の総和)は、ルートに含まれる各リンクのリンクコストの総和によって求められる。上位コストについては後述する。なお、隣接ノードテーブルでは、実際には、上位コストに関するデータとして、ルート上のノードのアドレスとルート上の各リンクのリンクコストとの情報を保持しているが、ここでは、説明を簡単にするために、上位コストをルート上のリンクコストの合計として扱いノードのアドレスについては考慮しない。
まず、隣接する2個のノードに着目してリンクコストを取得する動作を説明する。1個のノードに複数のノードが隣接する場合であってもリンクコストを取得する基本的な手順は同様である。リンクコストの取得には、通信データとは別に適宜の時間間隔で送信するハローメッセージを用いる。各ノードはハローメッセージに自アドレスを含めてブロードキャスト送信により送信する。
いま、図4に示すように、リンクコストを求める2個のノードA,Bに着目し、ノードAが最初にハローメッセージを送信する場合を想定する。ノードAからハローメッセージH1を送信すると、ノードBがノードAが送信したハローメッセージH1を直接受信できる場合には、ノードBにおいて受信リンクコストを取得する。ノードBが取得した受信リンクコストは、図5(a)のように、ノードBの隣接ノードテーブルにおいて、ノードAの隣接ノードアドレスに対応付けて登録される(ここでは、受信リンクコストが「8」)。ハローメッセージH1の送信は適時に行うが、通常は一定の時間間隔で定期的に行う。
次に、ノードBでは、ハローメッセージH1の送信元であるノードAのアドレスと受信リンクコストとを情報に含めたハローメッセージH2を送信する。このハローメッセージH2を受信したノードAでは、ハローメッセージH2によってノードBからの信号を受信したときの受信リンクコストを求めることができるから、図5(b)のように、この受信リンクコストをノードBのアドレスに対応付けて隣接ノードテーブルに登録する(ここでは、受信リンクコストが「5」)。また、ハローメッセージH2には、自アドレスと相手ノードBがハローメッセージH1を受信したときの受信リンクコストとが含まれているから、この受信リンクコストをノードAからノードBへの送信リンクコストとしノードBのアドレスに対応付けて隣接ノードテーブルに登録する(つまり、ノードBに対する送信リンクコストは「8」)。
その後、ノードAはふたたびハローメッセージH3を送信する。このハローメッセージH3は、ノードBからハローメッセージH2を受信したときの受信リンクコストとノードBのアドレスとを情報に含んでいる。したがって、ノードBではハローメッセージH3に含まれる情報としてノードAにハローメッセージH2を送信したときの送信リンクコストを取得することができる(つまり、ノードAい対する送信リンクコストは「5」)。ノードBでは、図5(c)のように、ノードAから受け取った受信リンクコストをノードBからノードAへの送信リンクコストとしノードAのアドレスに対応付けて隣接ノードテーブルに登録する。
上述のように、互いに隣接ノードとなるノードA,Bの間では、ハローメッセージH1〜H3を3回送受信することにより、双方向のリンクコストを隣接ノードテーブルに登録することができる。また、上述の手順から明らかなように、3個のハローメッセージH1〜H3の送受信後には、隣接するノードの隣接ノードテーブルの内容は相補的な内容になる。ここに、相補的であるということは、一方の内容が失われても他方の内容を復元できることになる。
ところで、実際の通信ネットワークは、図6に示すように、多数個(図示例では7個)のノードN0〜N6を含んでいる。ノードN0〜N6は対等に扱うことが可能であるが、ここでは、1つのノードN0を親ノードとしたマスタースレーブ型の通信ネットワークを用いて説明する。マスタースレーブ型の通信ネットワークでは、親ノードN0を除く他のノードN1〜N6は子ノードであり、通信データを伝送するルートの一端は親ノードN0になり、他端はいずれかの子ノードN1〜N6になる。マスタースレーブ型の通信ネットワークでは、通信データを伝送するルートの一端になる子ノードN1〜N6を除く子ノードN1〜N6は、必要に応じて通信を中継する。各子ノードN1〜N6は親ノードN0との間に介在する子ノードN1〜N6の個数が多いほど(つまり、ホップ数が大きいほど)下位であるということができる。どの子ノードN1〜N6が親ノードN0との間のルートに含まれて中継を行うかは、以下に説明する手順で決められる。また、マスタースレーブ型の通信ネットワークは説明の都合上で用いるが、各ノードN0〜N6は対等な関係であってもよい。
上述したように、隣接するノードN0〜N6の間ではハローメッセージH1〜H3を3回送受信することにより、受信リンクコストと送信リンクコストとを取得することができる。
ここで、図6に示す通信ネットワーク(ネットワークトポロジは、リンクコストの取得途中で変化しないものとする)について考察する。マルチホップ通信ネットワークでは、隣接ノードテーブルにデータが登録されるまでは、中継なしに直接通信することができるノードN0〜N6が未知であるから、隣接ノードを探索するために送信するハローメッセージH1〜H3は、ブロードキャストによって送信される。
すなわち、各ノードN0〜N6では、それぞれブロードキャストによってハローメッセージ(ハローメッセージH1に相当)を送信する。ただし、マスタースレーブ型の通信ネットワークであるから、親ノードN0からハローメッセージの送信を開始する。親ノードN0に隣接する子ノードN1,N2がハローメッセージを受信すると、子ノードN1,N2は、図4および図5を用いて説明した手順で親ノードN0との間で受信リンクコストおよび送信リンクコストを求める。
子ノードN1,N2が送信リンクコストを取得すると、各子ノードN1,N2はブロードキャストによってハローメッセージを送信する。親ノードN0は、受信リンクコストおよび送信リンクコストをすでに取得しているが、子ノードN1,N2が送信したハローメッセージ(ハローメッセージH1に相当)に応答する。このような動作を順次繰り返すことによって、各子ノードN1〜N6は隣接するノードとの間の受信リンクコストおよび送信リンクコストを取得し、隣接ノードテーブルに隣接ノードとの間の受信リンクコストおよび送信リンクコストを登録する。
子ノードN6を例として、受信リンクコストの取得後に送信リンクコストを取得するまでの手順をさらに詳しく説明する。子ノードN6は、隣接する子ノードN1,N3,N4,N5からハローメッセージを受信するから、図7に示すように、各子ノードN1,N3,N4,N5ごとの受信リンクコストを隣接ノードアドレスに対応付けて隣接ノードテーブルに登録する。
ここで、各子ノードN1,N3,N4,N5よりも上位のノードについては、それぞれが受信リンクコストと送信リンクコストを保有しているから、受信リンクコストと送信リンクコストとの大きいほうを当該子ノードN1,N3,N4,N5のリンクコストとし、上位の各子ノードN1,N3,N4,N5のいずれかを通って親ノードN0に至るルートについて、各子ノードN1,N3,N4,N5ごとにリンクコストの和の最小値を求める。このようにして求めた最小値を、各子ノードN1,N3,N4,N5ごとの「上位コスト」と呼ぶ。この時点では、子ノードN6は、隣接する各子ノードN1,N3,N4,N5との間の送信リンクコストを取得していないが、子ノードN1,N3,N4,N5では送信リンクコストをすでに取得して上位コストを決定しているのである。上位コストも隣接ノードテーブルに登録される。上述したように、上位コストに関する情報は、実際には、各子ノードN1,N3,N4,N5から親ノードN0までのルート上の各ノードのアドレスと各リンクのリンクコストとの個々の情報として登録されており、上位コストを求めるにはルート上のリンクについてリンクコストの総和を求める。
いま、図6における各ノードN0〜N6の間で、子ノードN1,N3,N4,N5と子ノードN6との間を除いては送信リンクコストが決定され、その値が隣接するノードN0〜N5を結ぶ直線(リンク)に対応付けて表記した値であるものとする。また、子ノードN1,N3,N4,N5と子ノードN6との間では、ハローメッセージの検出によって、受信リンクコストのみが既知になっているものとする(図6において*を付記した値は受信リンクコストである)。
図6によれば、子ノードN1,N3,N4,N5が送出したハローメッセージを子ノードN6が受信することにより取得される受信リンクコストは、それぞれ15,28,6,7であり、図7に示すように、子ノードN6の隣接ノードテーブルに、子ノードN1,N3,N4,N5のアドレスが隣接ノードアドレスとして登録されるとともに、それぞれの受信リンクコストが登録される。
図7の例では、各子ノードN1,N3,N4,N5ごとの親ノードN0へのルートの中でリンクコストが最小になるのは、それぞれ親ノードN0、子ノードN1→親ノードN0、子ノードN2→親ノードN0(または子ノードN1→親ノードN0)、子ノードN3→子ノードN1→親ノードN0のルートであって、各ルートの送信リンクコストの総和(つまり、上位コスト)は、それぞれ11,20(=11+9),30(=20+10または=11+9+10),16(=11+5)になる。
そこで、隣接する各子ノードN1,N3,N4,N5と着目する子ノードN6との間の受信リンクコストと、隣接する各子ノードN1,N3,N4,N5のそれぞれの上位コストとの加算値を、着目する子ノードN6から親ノードN0への送信リンクコストを反映する仮のルートコストとする。このようにして求めた仮のルートコストは、着目する子ノードN6の隣接ノードテーブルにおいて、隣接する各子ノードN1,N3,N4,N5に対応付けて「ルートコスト」の項目に登録される。図7において、ルートコストに*を付記しているのは、上位コストと受信リンクコストとによって求めた仮のルートコストであることを示す。
ところで、子ノードN6の隣接ノードテーブルにおいて送信リンクコストを求めるには、子ノードN6から隣接する各子ノードN1,N3,N4,N5のそれぞれにハローメッセージを送信する必要がある。ただし、子ノードN6から親ノードN0へのルートが複数存在する場合には、リンクコストの総和がなるべく小さいルートを選択するのが望ましい。
上述した例では、着目する子ノードN6に隣接する子ノードN1,N3,N4,N5が4個あり、各子ノードN1,N3,N4,N5を通って親ノードN0に至るルートについて、各子ノードN1,N3,N4,N5ごとにそれぞれリンクコストの総和の最小値を上位コストとして求めているから、上位コストを求めた4種類のルートについて通信品質(リンクコスト)を比較すれば、着目する子ノードN6が親ノードN0に情報を送信するのに適したルートを選択することができると考えられる。
そこで、着目する子ノードN6から親ノードN0に向かうルートを仮のルートコストによって評価する。ここで、子ノードN6に隣接する4個の各子ノードN1,N3,N4,N5に対して、着目する子ノードN6からそれぞれハローメッセージを送信してもよいが、実際に用いるルートは1種類であるから、予備のルートを含めて通信品質の上位から適数個のルート(2ルート程度)を選択してハローメッセージを送信する。図7の例では、着目する子ノードN6に隣接する子ノードN1,N3,N4,N5のうち、仮のルートコストが上位の2番までになっているのが、子ノードN1と子ノードN5とであるから、この2個の子ノードN1,N5に対してのみ子ノードN6からハローメッセージ(図4のハローメッセージH2に相当)を送信する。
このハローメッセージを受け取った子ノードN1,N5は、ハローメッセージ(図4のハローメッセージH3に相当)を用いて子ノードN6に対して、子ノードN1,N5に登録した受信リンクコストを返送する。すなわち、図8のように、子ノードN6では子ノードN1,N5に対する送信リンクコストを取得することができる。このように送信リンクコストを取得した子ノードN1,N5を通って親ノードN0に至るルートについては、送信リンクコストと上位コストとを加算することによって、仮のルートコストではなく正式のルートコストを得ることができるから、ルートコストの値を更新する。すなわち、図8のように、送信リンクコストを取得したノードN1,N5に対しては正式のルートコストが求められ、他のノードN3,N4に対しては仮のルートコストが用いられる。
上述の手順によって、親ノードN0との通信を行う子ノードN6において、子ノードN1,N5が通信を中継する2つのルートについて正式のルートコストが得られる。正式のルートコストが得られていることは、隣接ノードについて受信リンクコストと送信リンクコストとの双方向のリンクコストが求められていることになるから、以下では、この状態を「2WAY」と呼び、隣接ノードについて受信リンクコストのみが得られている場合を「1WAY」と呼ぶ。
子ノードN6が親ノードN0と通信を行う際には、ルートコスト(親ノードN0に向かうリンクコストの総和)が最小であるルートを最良のルートとして選択する。選択されたルートは、トポロジ通知メッセージを用いて親ノードN0に通知され、親ノードN0では子ノードN6までのルート情報を入手することができる。トポロジ通知メッセージは適時に送信すればよいが、通常は一定の時間間隔で定期的に送信される。
つまり、図8の例では、子ノードN5を通るルートについてルートコストが得られているから、子ノードN6→子ノードN5→子ノードN1→親ノードN0のルートを用いてトポロジ通知メッセージが送信される。このとき、子ノードN6は、子ノードN5だけではなく、正式のルートコストを求めた2個の子ノードN1,N5についてのルートコストをトポロジ通知メッセージに情報として含め、ユニキャストで子ノードN5に送信する。子ノードN5から親ノードN0までに経由する子ノードN1は、子ノードN5において既知であるから、子ノードN5は子ノードN6から受け取ったトポロジ通知メッセージの内容をユニキャストで子ノードN1に送信する。同様にして子ノードN1は親ノードN0に向かってトポロジ通知メッセージを送信する。親ノードN0では、受信したトポロジ通知メッセージの内容を用いて、子ノードN6との間のネットワークトポロジを把握する。
各子ノードN1〜N6の隣接ノードテーブルに受信リンクコストおよび送信リンクコストを登録するために用いられるハローメッセージは、図9に示すように、送信元であるノードの自アドレスSIDと、メッセージの種類を示すタイプTYと、送信元のノードの種類を示すノード種別NCと、ハローメッセージの内容に応じて3種類から少なくとも1種類が選択されるサブメッセージSB1,SB2,SB3とを有している。図4に示したハローメッセージH1,H2,H3はタイプTYは同じであるが、それぞれ異なるサブメッセージSB1,SB2,SB3を有している。
ハローメッセージでは、タイプTYはハローメッセージを示し、ノード種別NCはハローメッセージの送信元であるから親ノードの場合と子ノードの場合とがある。
サブメッセージSB1は、各子ノードN1〜N6が親ノードN0との通信の際に形成するルートのホップ数(つまり、親ノードN0までのノード数)と、ルート上の各ノードのアドレスおよび各ノード間のリンクコストの情報を持ち、図4のハローメッセージH1の内容として下位の子ノードN1〜N6に伝送される。サブメッセージSB1の内容を受信した下位の子ノードN1〜N6は上位コストを知ることができる。
サブメッセージSB2は、隣接ノードについて受信リンクコストのみが得られている1WAYの子ノードN1〜N6が、受信リンクコストが上位である適数個の隣接ノードについて、アドレスおよびリンクコスト(相手ノードの送信リンクコスト)の情報を持ち、図4のハローメッセージH2の内容としてハローメッセージH1の送信元である上位のノードに伝送される。
サブメッセージSB3は、受信リンクコストと送信リンクコストとが得られている2WAYのノードが、ハローメッセージH2により検出した受信リンクコストを相手側の子ノードN1〜N6に返送する際に用いる。つまり、下位の隣接ノードのアドレスおよびリンクコスト(相手ノードの送信リンクコスト)の情報をもち、図4のハローメッセージH3の内容として下位の子ノードN1〜N6に伝送される。
したがって、各サブメッセージSB1,SB2,SB3は、図10に示すように、サブメッセージタイプSTYにより3種類のサブメッセージSB1,SB2,SB3を区別し、サブメッセージSB1,SB2,SB3に含まれるノード数(サブメッセージSB1では親ノードN0までのホップ数)LNと、各ノードのアドレスNIDおよびリンクコストLCとの情報を持つ可変長のフォーマットを有する。
上述のように、ハローメッセージH1には、送信元の子ノードN1〜N6から親ノードN0までのルート上のノードのアドレスおよびリンクコストが含まれるから、ハローメッセージH1を受信した下位の子ノードN1〜N6の隣接ノードテーブルには、図11に示すように、親ノードN0までの各ノードごとに1ホップ目から順にリンクコスト(LC)およびアドレス(NID)が個別に保持される。このようなノードごとのリンクコストおよびアドレスが図5の上位コストの内容に相当する。また、図11に示す隣接ノードテーブルでは、リンク状態(1WAY、2WAY)を項目に備えている。リンク状態に相当する情報は、受信リンクコストと送信リンクコストとの情報の有無によっても知ることが可能である。
トポロジ通知メッセージは、図12に示すように、メッセージの種類を示すタイプTYと、送信元のノードの種類を示すノード種別NCと、2種類のサブメッセージSb1,Sb2とのフィールドを備える。つまり、トポロジ通知メッセージのフォーマットはハローメッセージとほぼ同様である。ただし、サブメッセージSb1,Sb2の内容は異なる。
トポロジ通知メッセージでは、タイプTYはトポロジ通知メッセージを示し、ノード種別NCはトポロジ通知メッセージの送信元のノードであるから子ノードになる。
サブメッセージSb1は、親ノードN0へのルートを示し、トポロジ通知メッセージの送信元である子ノード(上述の例では子ノードN6)を含めて、親ノードN0までのルートに含まれる子ノード(上述の例では、子ノードN6,N5,N1)のアドレスが順に並べられる。つまり、ハローメッセージにおけるサブメッセージSB1とほぼ同様の内容になるが、自ノードのアドレスを含む点が相違する。
サブメッセージSb2は、送信元の子ノード(上述の例では子ノードN6)に隣接する上位側のノードのうちルートコストを求めた子ノード(上述の例では子ノードN1,N5)のアドレスが並べられる。
各サブメッセージSb1,Sb2は可変長である。また、サブメッセージSB1はトポロジ通知メッセージに必須であって省略することはできないが、サブメッセージSb2は省略することが可能である。
(実施形態)
本実施形態は、上述した基本構成に以下の機能を付加したものである。本実施形態では、図2に示す親ノードN0と子ノードN1〜N4とを備えるマスタースレーブ型の通信ネットワークを例として説明するが、以下に説明する構成はマスタースレーブ型以外の通信ネットワークにおいても使用可能である。
各ノードNは、通信機能を備えるとともに後述する処理を行うマイクロコンピュータを備えた通信端末であって、図1に示すように、通信手段11を備える。通信手段11は、通信データの送受信のほか、上述したハローメッセージやトポロジ通知メッセージの送受信も行う。また、各ノードNには、それぞれ隣接ノードテーブルTb1が設けられる。隣接ノードテーブルTb1の内容は、上述したように、隣接ノードアドレス、受信リンクコスト、送信リンクコストなどであり、通信手段11がハローメッセージを送受信することによって隣接ノードテーブルTb1の情報が登録される。
各ノードN0には、隣接ノードテーブルTb1に登録された隣接ノードとの間のリンクコストを用いて親ノードN0との間で通信データを伝送する際のルートの候補を探索し、探索されたルートの候補に含まれるリンクのリンクコストを比較することにより、採用するルートを選択するルート選択手段12が設けられる。通信ネットワークがマスタースレーブ型ではない場合は、すべてのノードNにネットワークトポロジを把握するためのリンク情報テーブルが設けられる。リンク情報テーブルでは、ネットワーク内の各リンクの両端となる各一対のノードのアドレスに各リンクのリンクコストが対応付けられて登録される。
ルート選択手段12では、隣接ノードテーブルTb1を参照して親ノードN0との間のルートを探索する。ただし、隣接ノードテーブルTb1から収集されるリンクコストが規定条件を満たすときには、隣接ノードテーブルTb1に登録されているリンクコストを評価値修正手段13で修正して用いる。したがって、ルート選択手段12は評価値修正手段13により修正されたリンクコストを用いてルートの候補を比較することになる。ルートの探索および選択には、実際には、ダイクストラ法などの最少リンクコストルート選択アルゴリズムを用いればよい。
以下では、子ノードN2が親ノードN0に通信データを送信する場合であって、子ノードN2の隣接ノードテーブルTb1が図3に示す内容である場合を例として説明する。図2に示す通信ネットワークでは、子ノードN2には、親ノードN0(親)、子ノードN1(1)、子ノードN3(3)子ノードN4(4)が接続されているから、隣接ノードテーブルTb1には、親ノードN0、子ノードN1,N3,N4に関する情報が登録される。図示例では、子ノードN4に対してのみ送信リンクコストが得られておらず、親ノードN0と子ノードN1,N3とについては、受信リンクコストと送信リンクコストとの両方が得られている。したがって、子ノードN2と子ノードN4との間は仮のリンクコストになっている(*を付記している)。
ところで、各ノードNは、図4に示したハローメッセージH2を能動的に送信し、隣接ノードからのハローメッセージH3の受信により送信リンクコストを調査する「リンク調査」の機能を有している。このようなリンク調査を行った場合は、当該ノードの隣接ノードテーブルTb1に設けた「リンク調査実施」の項目を1とする。一方、リンク調査において、ハローメッセージH2を受信し、ハローメッセージH3を送信したノードは、「リンク調査実施」の項目は0になる。
評価値修正手段13は、子ノードN1,N3を経由するルートが選択されやすくなるように、子ノードN1,N3に関するリンクコストから一定値(たとえば、3)を減算する。この処理により、子ノードN1,N3に関するリンクコストが低減され、子ノードN1,N3を経由するルートが候補として選択されやすくなる。図3の例では、各子ノードN1,N3を経由する親ノードN0へのルートのルートコストが、それぞれ28(=22+9−3),10(=2+11−3)になる。
また、評価値修正手段13は、受信リンクコストと送信リンクコストとの両方が得られているノード(図3では2WAYの項目で値が1になっている親ノードN0と子ノードN1,N3)について、リンクコストから一定値(たとえば、3)を減算してもよい。つまり、親ノードN0では5(=8−3)、子ノードN1,N3では、それぞれ28,10になる。
このように、すでに2WAYになっているノードについて、リンクコストから一定値を減算することで、当該ノード間のリンクが選択されやすいように優遇することにより、1WAYのノードについてあらためて送信方向リンク品質を調べることを回避し、結果的に、ハローメッセージのサイズを短くし、トラフィックを削減できる。
さらに、評価値修正手段13では、すでに選択されているルートについてリンクコストを引き下げてもよい。図3の例では、子ノードN1を経由するルートが選択されているから、この子ノードN1とのリンクコストを低減し、ルートコストを28にするのである。
ここにおいて、上述の例では、評価値修正手段13において、3種類の条件を既定しており、各条件のいずれかが成立することによって、リンクコストから一定値を減算しているが、各条件が成立するたびに一定値を減算するようにしてもよい。この場合、複数の条件が成立するルートのルートコストが大幅に低減されるから、当該ルートが選択される確率が大幅に高まり、ルートの変動を抑制する効果が高くなる。
ルート選択手段12が評価値修正手段13により修正されたリンクコストを用いる期間には有効期限(図3参照)を設け、有効期限が経過した後には、あらためて条件を検証してリンクコストの修正の有無を判断する。このように有効期限を設けておくことにより、ネットワークトポロジの変化に対応することができる。
なお、上述の例では、各条件が成立するたびに減算する値が等しいが、各条件ごとに減算する値を異ならせてもよい。たとえば、すでに選択されたルート上のノードについては、他の条件が成立する場合よりも減算する値を大きくすれば、同じルートが使用される可能性を高めることができる。
上述した構成例は、従来構成において説明したPLCネットワークに用いることを想定しているが、他の有線の伝送路を用いる通信ネットワーク、あるいは小電力無線による無線LANのように無線の伝送路を用いる無線ネットワークなど、種々のマルチホップ通信ネットワークに上述の技術を適用してもよい。
さらにいえば、PLCネットワークには、10〜450kHzの低周波帯を利用する低速PLCと、2〜30MHzの高周波帯を利用する高速PLCとが知られており、低速PLCのノードは、高速PLCより伝送速度が遅いから、上述の構成のように低トラフィックでもネットワークトポロジを把握できることはとくに有効であり、また、通信ネットワーク全体のリンクを各ノードが持たなくとも隣接ノードテーブルがあればよいから、ノードに実装するメモリの容量を小さくすることができる。しかも、他の有線の伝送路を用いる場合に比較すると、PLCでは各ノードとなる電気機器のオン/オフや稼働状態によってネットワークトポロジや通信品質が変化しやすいから、本発明の技術は有効である。
実施形態に用いるノードを示すブロック図である。 同上を用いる通信ネットワークの例を示す図である。 同上に用いる隣接ノードテーブルの例を示す図である。 ハローメッセージを示す動作説明図である。 ハローメッセージによる隣接ノードテーブルの変化を示す動作説明図である。 通信ネットワークの構成例を示す図である。 隣接ノードテーブルの一例を示す図である。 隣接ノードテーブルの一例を示す図である。 ハローメッセージのフォーマットを示す図である。 ハローメッセージにおけるサブメッセージの構成例を示す図である。 隣接ノードテーブルの一例を示す図である。 トポロジ通知メッセージのフォーマットを示す図である。
符号の説明
11 通信手段
12 ルート選択手段
13 評価値修正手段
N ノード
N0〜N6 ノード
Tb1 隣接ノードテーブル

Claims (4)

  1. 複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークにおいて他のノードによる中継なしに通信可能なノードである隣接ノードとの間の物理層の通信品質を用いて通信のルートを評価する方法であって、各ノードは適時にハローメッセージを送信し隣接ノードとの間のハローメッセージの送受信により検出される隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値を各ノードに設けた隣接ノードテーブルに登録し、各ノードの隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って通信データを伝送するルートの候補を探索するとともに、探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択し、ルートの選択時には、各ノードの隣接ノードテーブルに、隣接ノードとの間の送信方向と受信方向との通信品質が登録されているときに、当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正して評価値を比較することを特徴とするマルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法。
  2. 複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークにおいて他のノードによる中継なしに通信可能なノードである隣接ノードとの間の物理層の通信品質を用いて通信のルートを評価する方法であって、各ノードは適時にハローメッセージを送信し隣接ノードとの間のハローメッセージの送受信により検出される隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値を各ノードに設けた隣接ノードテーブルに登録し、各ノードの隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って通信データを伝送するルートの候補を探索するとともに、探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択し、ルートの選択時には、各ノードの隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードが通信データを伝送するルート上のノードとして過去に選択されたことがあるときに、当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正して評価値を比較することを特徴とするマルチホップ通信ネットワークにおけるルート評価方法。
  3. 複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークに用いるノードであって、他のノードによる中継なしに通信可能な隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値が登録され通信データを伝送するルートの選択時に通信品質の評価値を用いてルートが選択される隣接ノードテーブルと、通信データを伝送するルートの候補を隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って探索し探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択するルート選択手段と、隣接ノードとの間の送信方向と受信方向との通信品質が隣接ノードテーブルに登録されているときに当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正する評価値修正手段とを備え、ルート選択手段は評価値修正手段により修正された評価値を用いてルートの候補を比較することを特徴とするマルチホップ通信ネットワークに用いるノード。
  4. 複数個のノードを備えノード間での通信時に他のノードによる通信の中継を可能としたマルチホップ通信ネットワークに用いるノードであって、他のノードによる中継なしに通信可能な隣接ノードとの間のリンクについて通信品質の評価値が登録され通信データを伝送するルートの選択時に通信品質の評価値を用いてルートが選択される隣接ノードテーブルと、通信データを伝送するルートの候補を隣接ノードテーブルに登録された隣接ノードを辿って探索し探索されたルートの候補に含まれるリンクの通信品質の評価値を比較することにより採用するルートを選択するルート選択手段と、隣接ノードテーブルに登録されている隣接ノードが通信データを伝送するルート上のノードとして過去に選択されたことがあるときに当該隣接ノードを経由するルートの通信品質を上昇させる方向に評価値を修正する評価値修正手段とを備え、ルート選択手段は、評価値修正手段により修正された評価値を用いてルートの候補を比較することを特徴とするマルチホップ通信ネットワークに用いるノード。
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