JP4706033B2 - プローブ型熱電対温度センサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形、押出成形などの成形加工過程における流動状態の樹脂材料、複合材料などの温度分布を計測する温度センサーに関し、特に、計測対象容器への装着が容易なプローブ型熱電対温度センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流動状態の流体内部の温度分布を計測するための熱電対温度センサーとして、薄い絶縁基板上に複数の熱電対およびそのリード線を印刷配線により形成した集積型の熱電対センサーが本願発明者等により開発され、その具体的な構成は同発明者等に付与された特許第2582260号特許公報に開示さている。
【0003】
このセンサーは、絶縁基板としてポリイミドなどのプラスチック、ガラス/エポキシなどの複合材、各種セラミックスが用いられ、この基板上に微細プリント配線技術により、例えば0.3mm間隔で多数の熱電対を配列形成できるので、射出成形用ノズル内の流動樹脂内部あるいは金型内流動樹脂内部のように、樹脂内のわずかな厚さ範囲内で大きな温度変化が存在するような温度分布を高い精度で計測することができる。
【0004】
このような構造の集積型熱電対温度センサーは、これを被測定対象流体が供給されるノズルあるいは金型へ装着する場合、特殊な構造の装着手段が用いられていた。たとえば上記射出成形用ノズル内の樹脂の温度分布を計測する場合、ノズルの先端部をその中心軸を通る平面で2分割し、その一方の分割部を断面が半円形のブロックとして分離するとともに、ネジで他方の分割部に着脱可能とした特殊な構造のノズルが用いられていた。このような構造のノズルにおいて、前記ブロックを分離して、他方の分割部上に前記集積型熱電対温度センサーを配置し、その上に前記ブロックを重ねてセンサーを挟み込み、ネジ止めして固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような集積型熱電対センサーの被測定機器への装着手段は、構造が複雑であり、その装着にも熟練を要し、実用上の障害になっていた。すなわち、一般に測定すべき流体が供給されるノズル内は1000乃至3000気圧という高い気圧であるため、樹脂の漏洩防止の観点から上記の分割されたブロックのネジ止めは強固に行う必要がある。しかし、絶縁基板としてセラミック基板を用いた集積型熱電対センサーの場合、このネジ止め作業の際、基板にひび割れが生じ、素子が破壊される事故がしばしば生じた。
【0006】
また、上記の測定用のノズルにおいては、内外の高い圧力差により、分割されたブロックが吹き飛ばされないように、ネジ止め固定の強度を向上するため、実際の成形に用いられるノズルよりも大きな径のノズルが用いられる。しかし実際に使用されるノズルとは異なる径のノズルを用いて測定された流体内部の温度分布は、成形用のノズル内の温度分布とは必ずしも一致しないという欠点もあった。
【0007】
そこで本発明は、測定対象機器への装着が容易で、正確な温度分布の測定が可能なプローブ型熱電対温度センサーを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のプローブ型熱電対温度センサーは、細長い板状の絶縁基板の表面に前記熱電対を構成する異種導体がパターン形成され前記絶縁基板の端部に接合部が配列された熱電対センサー素子と、この熱電対センサー素子の前記絶縁基板が挿入されるスリットが軸方向に形成された柱状の本体部およびこの本体部の一端に設けられ前記本体部のスリットに連続するスリットが形成されたフランジ部からなり、前記熱電対センサー素子を前記絶縁基板の端部が前記フランジ部から露出するように前記スリット内に挿入保持するセンサー保持体と、このセンサー保持体の前記フランジ部に形成され回転阻止機構と、内部に前記センサー保持体が挿入されるとともに外周面にネジ部が形成され、一端が前記フランジ部に当接するように設けられたネジ筒体と、このネジ筒体が螺合するネジ穴が形成された外壁を有し、内部に被測定流体用の流路が形成された流体容器と、この流体容器の前記ネジ穴に形成された回転阻止機構とを備え、前記センサー保持体が挿入されたネジ筒体を前記流体容器のネジ穴に螺合することにより、前記熱電対センサー素子を前記流体容器に固定するとともに、前記フランジ部の回転阻止機構が前記流体容器の回転阻止機構に係合することにより、前記熱電対センサー素子の端部が前記被測定流体内に挿入されたとき、前記板状の絶縁基板面が流動方向にほぼ平行となるように、前記センサー保持体のスリットの角度位置および前記回転阻止機構の角度位置が決定されることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記熱電対センサー素子は、その一端がフランジ部から露出するように前記スリット内に挿入され、このスリットの長手方向における挿入位置を選択することにより、前記露出端部の長さを調整することができることを特徴とするものである。
【0012】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部を溶融樹脂が通過するノズルであることを特徴とするものである。
【0013】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部を溶融樹脂が通過するダイであることを特徴とするものである。
【0014】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部に溶融樹脂が供給される金型であることを特徴とするものである。
【0015】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記熱電対センサー素子の絶縁基板は、セラミック基板であり、前記熱電対の接合部は前記セラミック基板の一端部に複数個配列されていることを特徴とするものである。
【0016】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記セラミック基板面には、前記各熱電対を構成する異種金属材料からなる複数本の配線パターンがその長手方向に延長して形成されており、前記セラミック基板面の他端近傍に設けられたリード線接続端子を介してリード線が接続されていることを特徴とするものである。
【0017】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記センサー保持体は、前記スリットにより分離される柱状本体の一部が、前記リード線接続端子部が設けられているセラミック基板面部分を露出するように除去されていることを特徴とするものである。
【0018】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記センサー保持体は金属により構成され、前記セラミック基板面は絶縁膜により被覆されていることを特徴とするものである。
【0019】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記センサー保持体の本体部および前記ネジ筒体間には、前記セラミック基板が挿入された本体部および前記リード線を内部に含む絶縁スリーブが設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記フランジ部および前記流体容器の回転阻止機構は、一方が凸部であり、他方がこの突起が嵌合する凹部であることを特徴とするものである。
【0021】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記フランジ部は先端が円錐形であり、前記流体容器のネジ穴底部は前記円錐形のフランジ部は先端が嵌合するようにテーパー状に形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記被測定流体は絶縁性の流体であることを特徴とするものである。
【0023】
さらに本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、前記ネジ筒体にはその外周の一部にナット部が固定されていることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明のプローブ型熱電対温度センサーの1実施例を説明する。図1は熱電対センサー素子11の構造を示す平面図で、同図(A)はその表面側、(B)はその裏面側の平面図である。この熱電対センサー素子11は、例えば、幅3.5mm×長さ45mm×厚さ0.2mmの細長い板状のセラミック基板12の一端部に例えば0.3mm間隔で10個の熱電対接合部13が配列形成されている。これらの熱電対13は、セラミック基板12の表面(A)に印刷配線されたNi配線14と、裏面(B)に印刷配線されたCu配線15とを、セラミック基板12の端縁部において接合することにより形成される。図2は、図1(B)の熱電対接合部13が配列された部分の拡大図であるが、同図に示すように、セラミック基板12の長手方向の一端部における長辺の縁部には、例えば直径0.1mmのスルーホール16が0.6mm間隔で形成されており、これらのスルーホール16内で、Cu−Ni間のカップリングが形成されている。セラミック基板12の他端近傍には長辺に沿って20個のリード線接続端子部17が印刷配線技術により形成されている。これらのリード線接続端子部17には、図1(A)に示すように、Ni配線14が1つおきに接続されている。また、Cu配線15の熱電対13が接続されている端部と反対の端部は、図1(B)に示すように、10個のスルーホール17´を介して表面に形成された20個のリード線接続端子部17に1個おきに接続されている。そしてこのように印刷配線パターンが形成されたセラミック基板12の表裏両面は、リード線接続端子部17が形成された部分を除いて、図示しない絶縁膜により被覆されている。
【0025】
リード線接続端子部17には図3に示すように、20本の被覆リード線18が接続されている。
【0026】
図4は上記のように構成された熱電対センサー素子11を保持するためのセンサー保持体21の構造を説明するための図で、同図(A)は側面図、同図(B)は上面図である。このセンサー保持体21は、例えば直径が4.5mmの円柱状の本体部22およびこの本体部の一端に設けられた、例えば直径が10.5mmの円形のフランジ部23から構成されている。このフランジ部23の本体部22と反対側には円錐台状のテーパー部24および先端部に弧状凹部が形成され、本体部22と同径の先端円柱部25が一体に形成されている。また、フランジ部23には、図4(A)に示すように、その外周面の一部に回転阻止機構を構成するガイドピン26が植設されている。このガイドピン26の長さはたとえば2.5mmである。ここで、本体部22の中心軸方向の長さは例えば33mm、フランジ部23から先端円柱部25までの中心軸上の長さは例えば8.5mmである。これらの本体部22、フランジ部23および先端円柱部25は金属材料により一体に形成されており、これらの全長に亘って、熱電対センサー素子11のセラミック基板12が挿入されるスリット27が形成されている。このスリット27の幅は、例えばセラミック基板12の厚さ0.2mmより0.1mmだけ広い0.3mmとし、その深さは図4(C)に示すように、約3.5mmである。センサー保持体21の本体部22は、フランジ部23と反対側の端部から軸方向の所定の長さに亘って、スリット27で分離された一方の部分が、その断面内で円周の4分の1に亘って除去された、切欠部28が形成されている。
【0027】
セラミック基板12はその長辺がセンサー保持体21の中心軸に平行となるように配置し、スリット27内に挿入される。図5にこの状態を示す。同図に示されるように、セラミック基板12の幅はスリット27の深さよりわずかに長いため、セラミック基板12の長辺縁部はスリット27から露出している。ここでセラミック基板12の長さ45mmに対して、センサー保持体21の中心軸上の全長は41.5mmであるため、セラミック基板12の熱電対13が配列形成されている端部が約5mm程度センサー保持体21の先端円柱部25から露出するように保持される。この露出部分の長さは、セラミック基板12の位置をスリット26に沿ってずらせることにより、測定すべき流体の深さを調整することができる。セラミック基板12はスリット27内で位置決めされた後、接着剤で固定される。この状態においては、セラミック基板12のリード線接続端子部16およびこれらに接続されたリード線18は、センサー保持体21の本体部22の切欠部28により、スリット27から露出している。
【0028】
図6は図5に示す熱電対セラミックセンサー11が装着されたセンサー保持体21およびセンサー11に接続されたリード線18を内部に含む絶縁スリーブ29が設けられている。この絶縁スリーブ29は例えば外径が6mm、内径が5mm、軸方向の長さが33mmであり、センサー保持体21の本体部22の長さに一致している。この絶縁スリーブ29はリード線18を含む熱電対セラミックセンサー11およびこれらを保持する保持体21を内部に収納して、機械的に保護するとともに、電気的な絶縁を図っている。
【0029】
図7は絶縁スリーブ29の外周面にネジ筒体31が装着された状態を示す図で、同図(A)は側面図、(B)は図(A)の一点鎖線C−C´に沿って切断し、矢印の方向から見た断面図である。ネジ筒体31はその外周面にネジ部32が形成され、一端がセンサー保持体21のフランジ部23に当接するように絶縁スリーブ29の外周に設けられている。また、このネジ筒体31の他端部近傍にはその外周面の一部にナット部33が固定されている。このナット部33とネジ筒体31の他端間には第2のネジ部34が形成されている。なお、図7においてはセンサーのリード線18は省略されている。
【0030】
図8は本発明のプローブ型熱電対温度センサーの全体構造とこれを測定対象流動体が供給されるノズルに装着した状態を示す断面図である。プローブ型熱電対温度センサー41はネジ筒体31の端部に形成された第2のネジ部34に螺合するキャップ42が設けられている。このキャップ42には、センサー素子11のリード線18を引き出し孔43が形成されており、複数本のリード線18がまとめて引き出されている。
【0031】
ノズル45はその中心に溶融樹脂46が矢印47方向に流れる流路47が形成されている。このノズル45には、その外壁の一部に流路47に到達するネジ穴48が形成されている。このネジ穴48はネジ筒体31の外周面に形成されたネジ部32が螺合する。また、ネジ穴48の底部にはセンサー保持体21のフランジ部23先端に形成された円錐台状のテーパー部24が密着嵌合するテーパー部49が形成されている。さらに、ネジ穴48の内壁には、その表面からテーパー部49までの間に回転阻止機構を構成するガイドスリット50が形成されている。
【0032】
図9は図8の一点鎖線C−C´に沿って切断した断面図である。
【0033】
このようなノズル45にプローブ型熱電対温度センサー41を装着するには、プローブ型熱電対温度センサー41をノズル45のネジ穴48にその熱電対13が形成された先端部から挿入し、ネジ筒体31のナット部33をスパナ等により回転させて、ネジ部32を螺合する。これによりネジ筒体31はネジ穴48に沿ってノズル45の流路47に向かって回転移動する。このネジ筒体31の端部はセンサー保持体21のフランジ部23に接触しているため、ネジ筒体31の移動に伴いセンサー保持体21も移動する。しかしセンサー保持体21はネジ筒体31の中空部内に固定されることなく配置されているとともに、そのフランジ部23に植設されたガイドピン26がガイドスリット50に嵌合案内されるため、回転することなく流路47方向に移動する。そしてフランジ部23先端のテーパー部24がノズル45のテーパー部49に到達し、両者が強固に密着するまでネジ筒体31のナット部33が締め付けられる。
【0034】
この状態においては、熱電対セラミックセンサー11の熱電対13が形成された先端部は、ノズル45の流路47内に挿入されている。そして熱電対13配列部は、溶融樹脂46の流れに対向するとともに、セラミック基板12の面が流れの方向に平行となるように配置されている。このようなセラミック基板12の面方向は、センサー保持体21の軸に垂直な平面内におけるスリット27の角度位置、回転阻止機構を構成するガイドピン26およびガイドスリット50の前記平面内の角度位置により決定される。
【0035】
このように構成された本発明のプローブ型熱電対温度センサー41は、ノズル45に設けたネジ穴48にネジとナットにより固定することにより、簡単に装着することができる。
【0036】
また、測定用の特別なノズルを用いる必要がなく、成形用に用いるノズルと同じ寸法形状のノズルにより内部流体の温度分布を測定することができるため、実際の成形工程と実質的に同じ計測環境下で正確な計測ができる。
【0037】
したがって、本発明のプローブ型熱電対温度センサー41をこれを装填するネジ穴48および回転防止機構を形成したノズルをユニット化することにより、異なる射出成形機の樹脂温度分布を容易に計測することができ、その用途を飛躍的に拡大することができる。
【0038】
さらに、熱電対温度センサー素子11を構成する絶縁基板としてセラミック基板を用いたため、樹脂基板に比較して機械的な強度がより向上し、繰り返し使用による長寿命化が図れた。
【0039】
さらに、熱電対温度センサー素子11をそのセンサー保持体21のスリット27に沿って移動することにより、測定すべき流体内への挿入長を調整できるため、必要な深さの温度分布を計測できる。
【0040】
図10は本発明のプローブ型熱電対温度センサーにより、射出成形用のノズル部流動樹脂の温度分布を計測した一例を示す図である。同図(A)は樹脂の連続可塑化過程、同図(B)は樹脂の計量可塑化過程における温度分布を示すグラフで、それぞれ横軸は時間、縦軸はノズル中心(R=0)からの距離を示している。
【0041】
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0042】
上述した本発明のプローブ型熱電対温度センサーにおいては、熱電対を構成する異種金属としてNi配線14とCu配線15とを、セラミック基板12の表面に印刷配線により形成したが、スパッタリングあるいめっき等により配線パターンを形成してもよい。また、異種金属はNi配線14とCu配線15に限らず他の組み合わせでもよいことはいうまでもない。
【0043】
また、上記プローブ型熱電対温度センサーにおいては、熱電対をセラミック基板12の短辺上の端面スルーホール内に形成したが、必ずしも端面に配列する必要はなく、短辺近傍の基板表面あるいは裏面に配列してもよい。
【0044】
さらに、本発明のプローブ型熱電対温度センサーにより温度分布を測定可能な対象装置は、射出成形機用のノズル45に限らず、押出成形用のダイあるいは成形用金型にも適用できる。すなわち、本発明のプローブ型熱電対温度センサーは、内部を流体が流動する流体容器であればどのような機器に対しても装着することが可能である。すなわち、本発明のプローブ型熱電対温度センサーは、射出成形機のノズルに装填し、射出過程におけるノズルの半径方向の温度分布変化を計測・モニターしたり、押出しにおけるダイ内部の流動樹脂温度分布を計測・モニターすることに用いられる。また、エジェクタピン形状として金型内の板厚方向の流動樹脂内温度分布計測プローブとしても用いられる。
【0045】
また、温度分布を計測すべき流体は樹脂に限らず、各種配管内の非導電性の流体温度分布計測にも広く用いられる。
【0046】
さらに、センサー保持体21の回転阻止機構として、フランジ部23にガイドピン26を、ノズル45のネジ穴48内にガイドスリット50を設けたが、ガイドピン26およびガイドスリット50の位置関係を逆にしてもよい。また、回転阻止機構として、ガイドピン26およびガイドスリット50に限らず、一方が凸部で他方がこれに嵌合する凹部が形成されていればどのようなものでもよい。
【0047】
さらに上記実施形態の説明において記載した寸法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0048】
さらに上記実施形態の説明においては、ネジ筒体31の回転手段としその外周部にナット部33が固定されているが、このナット部33は必ずしも断面が6角形である必要はなく、多角形あるいは円形の一部に平坦部を設けた形状等、スパナその他の工具を用いてネジ筒体31を回転できる手段であればどのようなものでもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明のプローブ型熱電対温度センサーは、センサーを片持ち支持構造とすることにより、市販の圧力センサー、放射温度センサーと同様の挿入固定方式を可能とするプローブ形状により使用できる。これにより、センサー組み込みに際して、対象物に挿入穴、ネジ、回転阻止機構を加工形成するだけで、容易に装填することが可能になった。
【0050】
したがって、この種の熱電対温度センサーを実験室的な限定された計測用途から生産現場での広範な計測用途に拡大することができ、その普及に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブ型熱電対温度センサーに用いられる熱電対センサー素子11の構造を示す平面図で、同図(A)はその表面側、(B)はその裏面側の平面図である。
【図2】図1(B)の熱電対接合部13が配列された部分の拡大図である。
【図3】図1(A)のセラミック基板12のリード線接続部を示す部分拡大図である。
【図4】図1に示す熱電対センサー素子11を保持するためのセンサー保持体21の構造を説明するための図で、同図(A)は側面図、同図(B)は上面図、同図(C)は横断面図である。
【図5】熱電対セラミックセンサーをセンサー保持体に装着した状態を示す側面図である。
【図6】図5に示す熱電対セラミックセンサー11が装着されたセンサー保持体21およびセンサー11に接続されたリード線18を内部に含む絶縁スリーブ29が設けられた状態を示す側断面図である。
【図7】図5に示す絶縁スリーブ29の外周面にネジ筒体31が装着された状態を示す側面図である。
【図8】本発明のプローブ型熱電対温度センサーの全体構造とこれを測定対象流動体が供給されるノズルに装着した状態を示す断面図である。
【図9】図8の一点鎖線C−C´に沿って切断した断面図である。
【図10】本発明のプローブ型熱電対温度センサーにより、射出成形用のノズル部流動樹脂の温度分布を計測した一例を示す図で、同図(A)は樹脂の連続可塑化過程、同図(B)は樹脂の計量可塑化過程における温度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
11 熱電対センサー素子
12 セラミック基板
13 熱電対接合部
14 Ni配線
15 Cu配線
16 スルーホール
17 リード線接続端子
18 被覆リード線
21 センサー保持体
22 本体部
23 フランジ部
24 テーパー部
25 先端円柱部
26 ガイドピン
27 スリット
28 切欠部
29 絶縁スリーブ
31 ネジ筒体
32 ネジ部
33 ナット部
34 第2のネジ部
41 プローブ型熱電対温度センサー
42 キャップ
43 引き出し孔

Claims (14)

  1. 細長い板状の絶縁基板の表面に前記熱電対を構成する異種導体がパターン形成され前記絶縁基板の端部に接合部が配列された熱電対センサー素子と、この熱電対センサー素子の前記絶縁基板が挿入されるスリットが軸方向に形成された柱状の本体部およびこの本体部の一端に設けられ前記本体部のスリットに連続するスリットが形成されたフランジ部からなり、前記熱電対センサー素子を前記絶縁基板の端部が前記フランジ部から露出するように前記スリット内に挿入保持するセンサー保持体と、このセンサー保持体の前記フランジ部に形成され回転阻止機構と、内部に前記センサー保持体が挿入されるとともに外周面にネジ部が形成され、一端が前記フランジ部に当接するように設けられたネジ筒体と、このネジ筒体が螺合するネジ穴が形成された外壁を有し、内部に被測定流体用の流路が形成された流体容器と、この流体容器の前記ネジ穴に形成された回転阻止機構とを備え、前記センサー保持体が挿入されたネジ筒体を前記流体容器のネジ穴に螺合することにより、前記熱電対センサー素子を前記流体容器に固定するとともに、前記フランジ部の回転阻止機構が前記流体容器の回転阻止機構に係合することにより、前記熱電対センサー素子の端部が前記被測定流体内に挿入されたとき、前記板状の絶縁基板面が流動方向にほぼ平行となるように、前記センサー保持体のスリットの角度位置および前記回転阻止機構の角度位置が決定されることを特徴とするプローブ型熱電対温度センサー。
  2. 前記熱電対センサー素子は、その一端がフランジ部から露出するように前記スリット内に挿入され、このスリットの長手方向における挿入位置を選択することにより、前記露出端部の長さを調整することができることを特徴とする請求項1記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  3. 前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部を溶融樹脂が通過するノズルであることを特徴とする請求項2記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  4. 前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部を溶融樹脂が通過するダイであることを特徴とする請求項2記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  5. 前記被測定流体は溶融樹脂であり、前記流体容器は、内部に溶融樹脂が供給される金型であることを特徴とする請求項2記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  6. 前記熱電対センサー素子の絶縁基板は、セラミック基板であり、前記熱電対の接合部は前記セラミック基板の一端部に複数個配列されていることを特徴とする請求項記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  7. 前記セラミック基板面には、前記各熱電対を構成する異種金属材料からなる複数本の配線パターンがその長手方向に延長して形成されており、前記セラミック基板面の他端近傍に設けられたリード線接続端子を介してリード線が接続されていることを特徴とする請求項記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  8. 前記センサー保持体は、前記スリットにより分離される柱状本体の一部が、前記リード線接続端子部が設けられているセラミック基板面部分を露出するように除去されていることを特徴とする請求項記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  9. 前記センサー保持体は金属により構成され、前記セラミック基板面は絶縁膜により被覆されていることを特徴とする請求項記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  10. 前記センサー保持体の本体部および前記ネジ筒体間には、前記セラミック基板が挿入された本体部および前記リード線を内部に含む絶縁スリーブが設けられていることを特徴とする請求項記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  11. 前記フランジ部および前記流体容器の回転阻止機構は、一方が凸部であり、他方がこの突起が嵌合する凹部であることを特徴とする請求項2記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  12. 前記フランジ部は先端が円錐形であり、前記流体容器のネジ穴底部は前記円錐形のフランジ部先端が嵌合するようにテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項11記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  13. 前記被測定流体は絶縁性の流体であることを特徴とする請求項2記載のプローブ型熱電対温度センサー。
  14. 前記ネジ筒体にはその外周の一部にナット部が固定されていることを特徴とする請求項2、11あるいは12のいずれか1項に記載のプローブ型熱電対温度センサー。
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