JP2000171308A - 温度センサおよびその製造方法 - Google Patents

温度センサおよびその製造方法

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JP2000171308A
JP2000171308A JP25614799A JP25614799A JP2000171308A JP 2000171308 A JP2000171308 A JP 2000171308A JP 25614799 A JP25614799 A JP 25614799A JP 25614799 A JP25614799 A JP 25614799A JP 2000171308 A JP2000171308 A JP 2000171308A
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thermistor
temperature sensor
outer cylinder
thermistor element
sensor according
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Matsuo Fukaya
松雄 深谷
Junichi Nagai
準一 永井
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属キャップに収納されたサーミスタ素子
と、該サーミスタ素子の信号取出し用のシースピンを有
する温度センサにおいて、シースピンにて、安定したサ
ーミスタ素子の抵抗特性を得る通気構成とする。 【解決手段】 サーミスタ素子1は、酸化物半導体から
なるサーミスタ部1a及びサーミスタ部1aから引き出
されたサーミスタ信号取出し用の一対の電極線1bとを
備えられ、シースピン2の先端に配設され、金属キャッ
プ3に収納されている。シースピン2は、電極線1bに
接続された導電性の芯線2bを、金属製の外筒2a内に
て充填された絶縁性粉末2cにより、外筒2aに絶縁保
持した構成としている。外筒2a内の通気量は常温にて
5×10-4ミリリットル/(MPa・秒)以上に確保さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度検出を行うた
めに用いられるサーミスタ素子を有する温度センサおよ
びその製造方法に関し、特に、1000℃程度の耐熱性
が要求される温度センサ、例えば、自動車排気系の触媒
コンバータ等に取付けられ、異常温検出とか触媒劣化検
出等を行なう排気温センサ等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】この種の温度センサは、一般に、温度−
抵抗特性を有するサーミスタ素子を、サーミスタ信号を
外部に取出す為の配線部材の先端に設け、この先端部分
を有底筒状の金属ケースで被覆し、金属ケース及び配線
部材先端部分にて形成される空間内にサーミスタ素子を
収納した構成としている。
【0003】ここで、通常、配線部材は、金属製の外筒
内にて該外筒と芯線との間に絶縁性粉末を充填すること
により、芯線を外筒に絶縁保持した構成となっており、
この芯線はサーミスタ素子に設けられた電極線に接続さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サーミスタ
素子を構成するサーミスタ材料は、酸化物半導体からな
るため、サーミスタ素子の周囲雰囲気の酸素分圧によ
り、サーミスタ部の抵抗特性(温度−抵抗特性)が変動
する。
【0005】この種の温度センサでは、サーミスタ素子
は金属ケース内に収納されているため、高温(例えば7
00℃以上)になると耐熱金属の酸化が進行し、内部雰
囲気の酸素分圧が低下する。過度な還元雰囲気になると
サーミスタ部の酸化物半導体から酸素が一時的にうばわ
れる現象を呈し、高温下での上記抵抗特性に狂いが生ず
る。
【0006】そこで、サーミスタ特性を安定化するため
には、金属ケース内に収納されているサーミスタ素子に
適度な通気を確保する必要がある。ここで、配線部材の
外周囲を更に金属筒等で被覆する二重管構造の温度セン
サ(例えば、特許第2621488号公報の第8図記載
のもの)では、配線部材と金属筒との間の隙間を利用し
て、通気経路を形成することが可能である。
【0007】しかし、最近のセンサは、触媒劣化判定な
ど温度差が少ない領域で精度よく検出し、ON−OFF
制御などしなければならず、一層の高応答化が必要とな
っている。そのために、センサを高応答化すべく、感温
部外径の細径化が要望される。このような事情に対し
て、上記二重管構造は構造的に複雑であり、不向きであ
る。
【0008】一方、サーミスタ素子が設けられた配線部
材の先端部分を有底筒状の金属ケースで被覆しただけ
の、一重管構造では、感温部外径の細径化には有利であ
るが、サーミスタ素子への通気経路は、配線部材内に形
成せざるを得ない。
【0009】ところが、配線部材は、上述のように、金
属製の外筒内に充填された絶縁性粉末によって芯線を外
筒に絶縁保持した構成ゆえ、通気量を多く期待できる部
材ではない。また、高応答化の為、感温部外径の細径化
を図るとなると、配線部材も細径化が要求されるため、
通気確保が難しくなる。そこで、サーミスタ特性を安定
化するために必要な通気量を明確化する必要が生じてく
る。
【0010】そこで、本発明は上記点に鑑みて、金属ケ
ースに収納されたサーミスタ素子と、該サーミスタ素子
の信号取出し用の配線部材を有する温度センサにおい
て、配線部材を、安定したサーミスタ素子の抵抗特性を
得る通気構成とすること、及び、そのような配線部材構
成を有する温度センサの製造方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、配線部材
の通気量に着目し、鋭意検討を行なった結果、該通気量
が所定量以上であれば、安定したサーミスタの抵抗特性
が得られることを実験的に見出した。請求項1〜9記載
の発明は、この知見に基づいてなされたものである。
【0012】即ち、請求項1記載の発明では、サーミス
タ素子(1)に電気的に導通されたサーミスタ信号を外
部に取出すための導電性の芯線(2b)を金属製の外筒
(2a)内に収納してなる配線部材(2)において、外
筒(2a)内の通気量を常温にて5×10-4ミリリット
ル/(MPa・秒)以上に確保したことを特徴としてい
る。
【0013】それによって、金属ケース(3)と配線部
材(2)によって形成されるサーミスタ素子(1)の収
納空間内に、配線部材(2)内部を通じて上記所定通気
量に基づいた量の外部空気を導入でき、サーミスタ素子
(1)の周囲を過度な還元雰囲気となるのを防止でき
る。従って、本発明によれば、安定したサーミスタ素子
の抵抗特性を得る通気構成を実現できる。
【0014】ここで、サーミスタ素子(1)は、請求項
2の発明のように、サーミスタ材料からなるサーミスタ
部(1a)及び該サーミスタ部(1a)から引き出され
たサーミスタ信号取出し用の電極線(1b)を有するも
のとできる。
【0015】また、本発明者らの実験検討によれば、上
記所定通気量は、常温にて1×10 -3ミリリットル/
(MPa・秒)以上に確保されていること(請求項3の
発明)が好ましく、常温にて5×10-3ミリリットル/
(MPa・秒)以上に確保されていること(請求項4の
発明)が更に好ましい。
【0016】また、本発明者等は、請求項5及び請求項
6記載の発明のように、外筒(2a)の外径即ち配線部
材(2)の外径が3mm以下まで細径化されたもの、及
び、外筒(2a)の外径がφ2.5mm以下のものにお
いても、請求項1ないし4の発明のような通気量が確保
されていれば、本発明の目的を実現できることを確認し
ている。
【0017】また、請求項7記載の発明は、上記所定通
気量とするための配線部材(2)の具体的手段を提供す
るものであり、配線部材(2)を、外筒(2a)内にて
該外筒(2a)と芯線(2b)との間に絶縁性粉末(2
c)を充填することにより、芯線(2b)を外筒(2
a)に絶縁保持し、更に、外筒(2a)を、絶縁性粉末
(2c)よりも熱膨張係数が3×10-6(/℃)以上大
きいものとしたことを特徴としている。
【0018】それによって、還元雰囲気を形成し易い高
温下において、外筒(2a)よりも外筒(2a)内に充
填された絶縁性粉末(2c)の方が相対的に収縮し、外
筒(2a)と絶縁性粉末(2c)との間にて上記所定通
気量を確保できるような隙間を形成することができる。
具体的に、絶縁性粉末(2c)としては酸化マグネシウ
ムを用いる(請求項8の発明)ことができる。
【0019】また、更に検討を進めた結果、請求項7ま
たは8に記載の発明において、配線部材を加熱処理する
ことにより、通気量が増加するという知見を実験的に見
出した。請求項9記載の発明は、この知見に基づいてな
された温度センサの製造方法に関するもので、配線部材
(2)を900℃以上で加熱処理することを特徴として
おり、上記所定通気量をより高いレベルにて実現するも
のである。
【0020】また、温度センサにおいて、配線部材は金
属製の外筒で構成され、曲げ等の柔軟性に乏しい。そこ
で、温度センサと外部回路との配線は、通常、配線部材
から更に柔軟性のある被覆管内に線材を配したリード線
を用いて外部回路等に接続するようにしている。その際
に、リード線と配線部材との接続部分は、水分や埃の侵
入防止及び外部衝撃等から保護するために、保護部材に
よって外部から保護される。
【0021】従って、サーミスタ素子の収納部分と外部
との空気のやり取りは、配線部材、保護部材及びリード
線の被覆管の各内部を通って行なわれる。そして、この
ような構成においては、リード線の被覆管内部の通気性
も良好にしておくことが好ましい。
【0022】請求項10記載の発明は、上記リード線を
用いた構成に係るものであり、リード線(4)を、複数
本の導電性の線材(4a)を柔軟性を有する被覆管(4
b)で被覆したものとしたことを特徴としている。
【0023】本発明では、リード線(4)において、被
覆管(4b)内の線材(4a)は複数本から構成されて
いるため、各線材(4a)同士及び被覆管(4b)と線
材(4a)との間には、隙間が形成される。そして、こ
の隙間による被覆管(4b)内部の通気量は、上記配線
部材(2)の所定通気量よりも、かなり大きくでき、問
題はない。
【0024】なお、上記した括弧内の符号は、後述する
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例であ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態では、本発明の温度セン
サを、例えば触媒コンバータ等の自動車排気ガス浄化装
置に装着され異常温検出とか触媒劣化検出を行なう排気
温センサに適用したものとして説明する。この温度セン
サは、主に自動車排気ガスの排気ガス通路に取付けられ
るので、例えば1000℃程度の高温に耐えられるよう
に、感温部には耐熱性、耐熱衝撃性、耐振性等が要求さ
れる。
【0026】従って、感温部もそれに耐えられる耐熱材
料が使用され、堅ろうな構造設計がとられている。さら
に、最近ではエンジン制御システム上、より精度ある排
気温検出が要求され、熱応答性も向上した追従性ある温
度検出が望まれている。図1は、これらの新しいシステ
ム用途にも十分対応出来るよう設計された本発明の温度
センサの一実施形態を示す一部切欠断面図である。
【0027】温度センサ100は、大きくは、サーミス
タ素子1、サーミスタ信号を外部に取り出すためのシー
スピン(配線部材)2、サーミスタ素子1を排気ガスに
直に接触しないように収納する金属キャップ(金属ケー
ス)3、シースピン2と外部回路を接続するためのリー
ド線4、センサを排気ガス通路の管壁21に固定するた
めのフランジ5、及び、シースピン2とリード線4との
接続部分を保護するスリーブ(保護部材)6を備えた構
成となっている。
【0028】図1において、管壁21の下側は排気ガス
が流れる排気ガス通路20の内部であり、温度センサ1
00は、サーミスタ素子1とこれを収納する金属キャッ
プ3とからなる感温部が、排気ガス通路20の内部に露
出するように、管壁21に形成されたネジ穴を有する穴
部22に挿入固定される。
【0029】ここで、穴部22の内面において、ネジ穴
よりも排気ガス通路20の内部側にはテーパ部22aが
形成されている。そして、ネジ23によって、フランジ
5を押しつけることにより、温度センサ100は固定さ
れる。
【0030】フランジ5は、耐熱性金属(例えばSUS
304)からなり、シースピン2の外周面に接合され、
穴部22のテーパ部22aに対応したテーパ形状を有す
る。そして、センサが管壁21に固定された際に、テー
パ部22aに密着することにより、排気ガス通路20内
部から排気ガスが漏れださないようにするとともに、管
壁21の穴部22にセンサを支持するようになってい
る。
【0031】次に、サーミスタ素子1は、例えばMn−
Cr系等の酸化物半導体からなる耐熱性に優れたサーミ
スタ材料にて円柱形状に焼結成形されたサーミスタ部1
aと、サーミスタ部1aに焼きばめにより埋設された一
対の電極線1bとを有する。一対の電極線1bは、サー
ミスタ部1aからサーミスタ信号としての出力(抵抗−
温度特性)を取出すためのものであり、例えば白金線等
の耐熱性及び出力特性に優れた線材からなる。
【0032】一対の電極線1bは、互いに一定の間隔
(極間)をもって、サーミスタ部1aの円柱軸方向に略
平行に埋設され、各線の一端部がサーミスタ部1aから
引き出されている。そして、一対の電極線1bの引き出
し側端部は、各々、サーミスタ信号を外部に取り出すた
めのシースピン(配線部材)2の一対の芯線2bに、図
1中の×印M1部分にて、抵抗溶接やレーザ溶接等によ
り電気的に接続されている。
【0033】シースピン2の径方向断面を図2に示す。
シースピン2は、ステンレス(本例ではSUS310
S)等の金属からなる円筒状の外筒2a内に、ステンレ
ス(本例ではSUS310S)等の金属からなる一対の
芯線2bを絶縁保持してなる。本実施形態では、外筒2
a内にて外筒2aと各芯線2bとの間に、MgO、Al
2 3 等(本例ではMgO)からなる絶縁性粉末(保持
部材)2cを充填することにより、芯線2bを外筒2a
に絶縁保持している。
【0034】このシースピン2は、太い材料状態から減
径加工〜焼鈍工程を繰返し作られた部材ゆえ、使用時の
細径状態では絶縁性粉末2cも密度高く詰まっており、
2本の芯線2bも固く保持されている。外筒2aの外径
(シースピン2の外径)は3mm以下であり、本例で
は、外筒2aは、外径φ2.3mm、肉厚0.3mm、
長さ60mmの円筒形状としている。また、各芯線2b
は、例えば外径φ0.3mmとしている。
【0035】また、シースピン2は、一方側から他方側
に向けて5気圧加圧の状態で空気(例えば工業用の空
気)を流したとき、外筒2a内の通気量が常温にて5×
10-4ミリリットル/(MPa・秒)以上(以下、所定
通気量という)に確保されている。この所定通気量は絶
縁性粉末2cの粒径(例えば、平均粒径:100μm、
粒度分布:75〜150μmのもの)を適宜選択したも
のを用い、適当な空隙が形成出来るよう充填し、シース
ピンとして減径加工した後でも、必要以上に密度が高く
詰まらないよう工夫することにより、実現可能である。
【0036】また、上記所定通気量を実現するには、外
筒2aは、絶縁性粉末2cよりも熱膨張係数が3×10
-6(/℃)以上大きい構成とすることが好ましい。本例
では、外筒2aをSUS310S、絶縁性粉末2cをM
gO(酸化マグネシウム)としているが、各熱膨張係数
は、常温〜400℃までではSUS310Sが16.
4、MgOが13、400℃〜1000℃までではSU
S310Sが19.5、MgOが15、(各係数の数値
単位は、×10-6/℃)である。
【0037】また、サーミスタ素子1を収納する金属キ
ャップ(金属ケース)3は、一端側に開口部3a、他端
側に閉鎖部3bを有する例えばSUS310S等の耐熱
性の金属からなる有底円筒状をなし、外径φ3mmとな
っている。従って、本実施形態の感温部も外径φ3mm
と細径化されている。金属キャップは、本例では、板厚
は0.3mm、内径はφ2.4mmである。
【0038】金属キャップ3の開口部3a側は、外筒2
aにラップされて、このラップ部にて金属キャップ3の
内周面と外筒2aの外周面とが例えばレーザ溶接等によ
り円周溶接され(図1中、符号M2で示す部分)、両者
が固定されている。そして、金属キャップ3の開口部3
a側は、シースピン2によって閉塞され、両者により形
成される空間内にサーミスタ素子1が収納されている。
【0039】次に、一対のリード線4は、シースピン2
におけるサーミスタ素子1の電極線1bとの接続側とは
反対側の部位にて、一対の芯線2bに各々、コネクタや
溶接等の接続手法を用いて接続されている(図1中、M
3部分)。リード線4の径方向断面を図3に示す。この
リード線4は、複数本の導電性の線材4aを柔軟性を有
する被覆管4bで被覆したものである。
【0040】このように、被覆管4b内の線材4aは複
数本(図示例では7本)から構成されているため、各線
材4a同士及び被覆管4bと線材4aとの間には、図3
に示す様に、隙間が形成される。ここで、リード線4内
に形成される隙間は、絶縁性粉末2cで適度に詰まった
シースピン2内の上記所定通気量より十分に大きいもの
とできる。
【0041】また、例えば、線材4aはステンレス等の
金属、被覆管4bは四フッ化エチレン樹脂等の柔軟性を
有する樹脂から構成できる。そして、本例ではφ0.1
2mm以上の外径を有する7本の線を撚り線とすること
で、各線がばらけないようにして、作業性を良くすると
ともに、リード線4の曲げ応力に対する強度向上を図っ
ている。
【0042】そして、一対のリード線4におけるシース
ピン2(芯線2b)との接続部分は、スリーブ6によっ
て外部から保護されている。スリーブ6はSUS304
等の金属からなる円筒形状を有し、リード線4の外周か
ら外筒2aの外周に渡って設けられている。
【0043】スリーブ6は、外筒2aの外周において、
フランジ5の外周面に溶接等により固定され、リード線
4の外周において、防水、防塵等のためのゴムブッシュ
7を介してかしめ固定され(図1中、M4部分)、スリ
ーブ6内部を気密に保っている。本実施形態では、スリ
ーブ6及びゴムブッシュ7により保護部材が構成されて
いる。
【0044】また、一対のリード線4におけるシースピ
ン2(芯線2b)との接続部分との反対側端部(リード
線出口部)には、外部回路(車両のECU等)や外部回
路から延びるケーブル等に接続するためのカプラー8が
設けられている。
【0045】かかる構成を有する温度センサ100にお
いては、サーミスタ素子1の出力は、一対の電極線2b
で取り出され、シースピン2からリード線4を介して、
センサ外部に取り出され、外部回路に伝えられる。
【0046】また、温度センサ100において、使用時
における排気ガスの温度変動により、金属キャップ3
内、即ちサーミスタ素子1の収納部内の空気が膨張ある
いは収縮する。それによって、カプラー8の接続部分の
隙間から外気がカプラー8内に入ったり、外部回路にお
ける外気との連通部分からカプラー8に外気が流れてく
る。
【0047】そして、図1の破線矢印に示す様に、外気
は、カプラー8、リード線4の隙間、スリーブ6内部、
シースピン2の絶縁性粉末2c部分、サーミスタ素子1
へと流れ、サーミスタ素子1の収納部内に入り込む。ま
た、サーミスタ素子1の周囲空気は、上記経路とは逆に
外部へ流れだす。
【0048】このように本実施形態では、上記空気流れ
の律束部分となるシースピン2内を上記所定通気量とし
ているため、サーミスタ素子1の収納部分(金属キャッ
プ3内部)の空気の入れ替えが良好に行なわれ、サーミ
スタ素子1の周囲を過度な還元雰囲気となるのを防止で
き、安定したサーミスタ素子の抵抗特性を得ることがで
きる。
【0049】次に、本発明の要部であるシースピン2
は、上述のように通常行なわれる減径加工〜焼鈍工程を
繰返すことにより、作られる。ここで、上述のように、
所定通気量となるように、粒度分布等を適宜調整する。
そして、シースピン2は、焼結成形されたサーミスタ素
子1の電極線1bと芯線2bとを抵抗またはレーザ溶接
することで、サーミスタ素子1と接続される。
【0050】ところで、本実施形態では、シースピン2
において上記通気量をより高いレベルにて実現すべく、
シースピン2全体を900℃以上で加熱処理する。その
根拠について、シースピン2内の通気量とサーミスタ素
子の抵抗特性との関係を検討した一例に基づいて述べ
る。
【0051】シースピン2は、上記例(外径φ2.3m
m)の構成を用い、サーミスタ素子1及び金属キャップ
3を組付けた状態で、900℃で加熱処理(酸化処理)
した。シースピン2内の通気量は、常温(約25℃)に
て、一方側から他方側に向けて5気圧加圧の状態で空気
(例えば工業用の空気)を流したときの通気量(ミリリ
ットル/秒)を1MPa当たりの量(ミリリットル/
(MPa・秒))に換算した。
【0052】図4に、酸化処理時間(Hr)と通気量
(ミリリットル/(MPa・秒))との関係を示す。酸
化処理時間は、0、40、100(各Hr)について行
い、各々2個測定した。なお、図4には、シースピン2
の空気導入側をシール部材等でシールし、殆ど通気しな
いようにした比較例も示してある。
【0053】図4に示す様に、酸化処理を行なうことに
より、上記所定通気量(常温にて5×10-4ミリリット
ル/(MPa・秒)以上、図4中、酸化処理時間0Hr
の下側のプロットの値に相当)は増加し、酸化処理時間
の増加に伴い、通気量が増加している。
【0054】そして、酸化処理時間0、40、100H
rとした各温度センサ100について、サーミスタ素子
1の抵抗特性を調査した結果を、図5に示す。図5は、
各温度センサ100について、25℃〜900℃までの
冷熱サイクルを与え、冷熱サイクル回数(横軸)とサー
ミスタ素子1における初期抵抗からのずれを示す抵抗変
化率(縦軸:R変化率、単位%)との関係を表したグラ
フである。
【0055】図5中、酸化処理時間0Hrのものを白四
角及び黒四角プロット、酸化処理時間40Hrのものを
白三角及び黒三角プロット、酸化処理時間100Hrの
ものを白丸及び黒丸プロットで表してある。なお、比較
例として酸化処理時間100Hrであるが、シースピン
2の一方をシールして殆ど通気しないようにしたものを
クロスプロット(×)にて表してある。
【0056】これら図4に示す様に、酸化処理時間40
Hrにおいては、常温にて通気量1×10-3ミリリット
ル/(MPa・秒)以上が確保され、酸化処理時間10
0Hrにおいては、常温にて通気量5×10-3ミリリッ
トル/(MPa・秒)以上が確保されている。
【0057】そして、図5に示す様に、本実施形態の温
度センサ100は、いずれも実用レベル(例えば抵抗変
化率5%以内)にあり、酸化処理時間の増加即ち通気量
の増加に伴い、抵抗変化率が良好に抑制され、特に酸化
処理時間100Hrでは、抵抗変化率は殆ど変化しな
い。
【0058】従って、シースピン2は酸化処理しないも
のでも上記所定通気量が確保されていれば、安定したサ
ーミスタ素子の抵抗特性が得られるが、望ましくは、酸
化処理を行なって、常温にて通気量1×10-3ミリリッ
トル/(MPa・秒)以上とすることが好ましく、常温
にて通気量5×10-3ミリリットル/(MPa・秒)以
上とすることが更に好ましい。
【0059】なお、シースピン2単体で加熱処理しても
よいが、サーミスタ素子1及び金属キャップ3を組付け
た状態で、全体を加熱処理する方が好ましい。これは、
金属キャップ3の内面に安定した酸化膜が形成されるた
め、高温等下において、サーミスタ素子の抵抗特性に悪
影響を及ぼす還元雰囲気となるのを抑制できるためであ
る。
【0060】このように、本実施形態によれば、φ3m
m以下のシースピン2において上記所定通気量を確保し
ているため、安定したサーミスタ素子の抵抗特性を得る
通気構成を実現できる。特に、図5に示す検討例では、
外径がφ2.3mmという、より細径化されたシースピ
ン2について、上記所定通気量であれば、安定したサー
ミスタ素子の抵抗特性を得ることを確認している。
【0061】また、本実施形態によれば、シースピン2
を加熱処理することにより、通気量が増加するため、上
記所定通気量をより高いレベルにて実現することができ
る。さらに、リード線4内の通気量も、上述の隙間を有
する構成により、十分に確保される。
【0062】ところで、サーミスタ素子周囲の雰囲気が
過度な還元雰囲気となるのを防止するために、近年、周
囲雰囲気に影響を受けにくく耐熱金属管で密閉化しても
特性が安定したサーミスタ素子が開発されたり、また予
め耐熱金属管の内面に安定した酸化膜形成とか、サーミ
スタ周囲に不活性物質を充填するなどASSY構造を密
閉化する方向の検討が成され、一部では実用化されてい
る。
【0063】しかし、前述の方法を用いても、密閉型サ
ーミスタは特性上バランスをとった原料組成としている
にすぎないので組成バラツキがあれば特性も変動し易く
なる。本実施形態では、このような構成のものに対して
も、サーミスタ素子の抵抗特性を安定化させるという点
において、優位な温度センサを実現している。
【0064】(他の実施形態)なお、配線部材としての
シースピン2は、外筒2a内にて該外筒2aと芯線2b
との間に絶縁性粉末2cを充填することにより、芯線2
bを外筒2aに絶縁保持した構成としたが、配線部材
は、これに限定されるものではない。
【0065】配線部材は、サーミスタ素子1に電気的に
導通された導電性の芯線2bを金属製の外筒2a内に絶
縁保持する構成であること、及び、上記所定通気量が確
保できていること、の2点が満足されていれば、他の部
分はどのような構成でもよい。例えば、芯線を絶縁保持
する保持部材として、絶縁性の繊維や多孔質の部材を用
いてもよい。また、芯線2bは、電極線1bを介さずに
サーミスタ部1aに一体成形される等により、サーミス
タ部1aに直接接続されていても良い。
【0066】また、上記実施形態では、サーミスタ素子
1は、サーミスタ部1aから一対の電極線1bが同一方
向に引き出された、いわゆるラジアル型サーミスタであ
るが、一対の電極線が互いに反対方向に引き出され、一
方が配線部材と、他方が金属キャップに接続された、い
わゆるアキシャル型サーミスタにも、本発明は適用可能
である。つまり、電極線の数は何本でもよく、配線部材
の芯線は電極線の数に対応した数となる。
【0067】また、本発明は、排気温センサ以外に適用
してもよい。特に、感温部の外径をφ3mm以下として
高応答化を狙った温度センサに好適である。また、サー
ミスタ素子の周囲が還元雰囲気となりやすい1000℃
程度までの温度域に使用される温度センサに好適であ
る。そして、本発明の要部は配線部材の通気構成にある
から、他の部分は適宜設計変更しても良いことは勿論で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る温度センサを示す一部
切欠断面図である。
【図2】図1における温度センサのシースピンの径方向
断面図である。
【図3】図1における温度センサのリード線の径方向断
面図である。
【図4】シースピンにおける酸化処理時間と通気量との
関係を示すグラフである。
【図5】シースピンにおける酸化処理時間を変えたとき
の、温度センサにおける冷熱サイクル回数とサーミスタ
素子の抵抗変化率との関係を表したグラフである。
【符号の説明】
1…サーミスタ素子、1a…サーミスタ部、1b…一対
の電極線、2…シースピン、2a…外筒、2b…一対の
芯線、2c…絶縁性粉末、3…金属キャップ、3a…金
属キャップの開口部、3b…金属キャップの閉鎖部、4
…一対のリード線、4a…線材、4b…被覆管、6…ス
リーブ、7…ゴムブッシュ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ材料からなるサーミスタ部
    (1a)を有するサーミスタ素子(1)と、 該サーミスタ素子(1)と電気的に導通され、前記サー
    ミスタ素子(1)からのサーミスタ信号を外部に取出す
    ための導電性の芯線(2b)を金属製の外筒(2a)内
    に絶縁保持してなる配線部材(2)と、 一端側に開口部(3a)、他端側に閉鎖部(3b)を有
    し、前記開口部(3a)側にて前記外筒(2a)に接合
    され、前記サーミスタ素子(1)を収納する筒状の金属
    ケース(3)と、を備える温度センサにおいて、 前記配線部材(2)は、前記外筒(2a)内の通気量が
    常温にて5×10-4ミリリットル/(MPa・秒)以上
    に確保されているものであることを特徴とする温度セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記サーミスタ素子(1)は、サーミス
    タ材料からなるサーミスタ部(1a)及び該サーミスタ
    部(1a)から引き出されたサーミスタ信号取出し用の
    電極線(1b)を有することを特徴とする請求項1に記
    載の温度センサ。
  3. 【請求項3】 前記通気量は、常温にて1×10-3ミリ
    リットル/(MPa・秒)以上に確保されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の温度センサ。
  4. 【請求項4】 前記通気量は、常温にて5×10-3ミリ
    リットル/(MPa・秒)以上に確保されていることを
    特徴とする請求項3に記載の温度センサ。
  5. 【請求項5】 前記外筒(2a)の外径が3mm以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つ
    に記載の温度センサ。
  6. 【請求項6】 前記外筒(2a)の外径が2.5mm以
    下であることを特徴とする請求項5に記載の温度セン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記配線部材(2)は、前記外筒(2
    a)内にて前記外筒(2a)と前記芯線(2b)との間
    に絶縁性粉末(2c)を充填することにより、前記芯線
    (2b)を前記外筒(2a)に絶縁保持しているもので
    あり、 前記外筒(2a)は、前記絶縁性粉末(2c)よりも熱
    膨張係数が3×10-6(/℃)以上大きいことを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の温度セン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記絶縁性粉末(2c)は酸化マグネシ
    ウムから構成されていることを特徴とする請求項7に記
    載の温度センサ。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の温度センサを
    製造する製造方法であって、 前記配線部材(2)を900℃以上で加熱処理すること
    を特徴とする温度センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記配線部材(2)における前記サー
    ミスタ素子(1)と電気的に導通された側とは反対側の
    部位には、外部回路との接続を行なうためのリード線
    (4)が前記芯線(2b)に接続されており、 前記リード線(4)と前記芯線(2b)との接続部分
    は、前記リード線(4)の外周から前記外筒(2a)の
    外周に渡って設けられた保護部材(6、7)によって外
    部から保護されており、 前記リード線(4)は、複数本の導電性の線材(4a)
    を柔軟性を有する被覆管(4b)で被覆したものである
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記
    載の温度センサ。
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