JP4705866B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用中の燃料のセタン価を推定するための内燃機関の制御装置に関する。
従来のこの種の制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この制御装置では、内燃機関のアイドル運転中、燃焼室に噴射された燃料の実際の着火時期を、実着火時期として検出する。また、内燃機関において燃焼が良好に行われているときに得られるべき着火時期を、標準着火時期として設定する。そして、実着火時期と標準着火時期との差に基づいて、使用中の燃料の性状を判定する。
このように、従来の制御装置では、アイドル運転中に検出した実着火時期と標準着火時期との差、すなわち、標準着火時期に対する燃料の着火遅れに基づいて、燃料の性状を判定する。しかし、実際の着火時期は、燃料の性状が同じであっても必ずしも一定ではなく、内燃機関の燃焼状態の変化などに応じて変動する。例えば、アイドル運転中には、通常、内燃機関の回転数が所定の目標アイドル回転数になるように燃料量を制御するアイドル制御が行われる。このため、エアコンの負荷などに応じて内燃機関の回転数が変化すると、それに応じて燃料量が増減制御されるのに伴い、内燃機関の燃焼状態が変化するため、実際の着火時期が変動し、実着火時期の検出結果がばらついてしまう。また、このような実着火時期の検出結果のばらつきは、検出手段の検出誤差などによっても生じ得る。
そして、検出された実着火時期が上記のようにばらつくと、実着火時期と標準着火時期との差に基づいてなされる燃料性状の判定結果もまたばらついてしまうため、得られる判定精度には限界があり、セタン価を高い精度で判定することができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、検出された実着火時期のばらつきの影響を補償しながら、燃料のセタン価を高い精度で推定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
特開平2005−171818号公報
上記の目的を達成するため、本願の内燃機関の制御装置は、内燃機関3の気筒3aに燃料を供給する燃料供給手段(実施形態における(以下、本項において同じ)インジェクタ4)と、気筒3aに供給された燃料の着火時期を、実着火時期CAFMとして検出する実着火時期検出手段(筒内圧センサ11、クランク角センサ12、ECU2、ステップ16、図5)と、燃料の着火時期の基準となる基準着火時期CAFMMを設定する基準着火時期設定手段(ECU2、ステップ15)と、実着火時期CAFMと基準着火時期CAFMMとの比較結果に基づき、燃料のセタン価の暫定値CETTを算出する暫定値算出手段(ECU2、ステップ42)と、暫定値算出手段により算出された所定数の燃焼サイクル分のセタン価の暫定値CETTを平均化処理することによって、燃料のセタン価CET推定するセタン価推定手段(ECU2、ステップ18、ステップ44)と、セタン価推定手段により推定された複数回分の燃料のセタン価CETの発生頻度(カウント値CNTCET1〜20)を、セタン価を表す互いに異なる複数のセタン価値CETREFに対応させてカウントするカウント手段(カウンタCNT1〜20、ECU2、ステップ19)と、カウントされた発生頻度に基づき、燃料のセタン価(最終セタン価CETF)を決定するセタン価決定手段(ECU2、ステップ21)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、実着火時期検出手段によって燃料の実着火時期を検出するとともに、基準着火時期設定手段によって、着火時期の基準となる基準着火時期を設定し、これらの実着火時期と基準着火時期との比較結果に基づき、暫定値算出手段により、燃料のセタン価の暫定値が算出される。また、セタン価推定手段によ算出された所定数の燃焼サイクル分のセタン価の暫定値を平均化処理することによって、燃料のセタン価が推定される。推定された複数回分のセタン価の発生頻度は、カウント手段により、セタン価を表す複数のセタン価値に対応させてカウントされる。そして、カウントされた発生頻度に基づき、燃料のセタン価が決定される。
以上のように、本発明では、燃料のセタン価の暫定値を算出し、算出された所定数の燃焼サイクル分のセタン価の暫定値を平均化処理することによって、セタン価を推定する。そして、そのようなセタン価の推定を複数回、繰り返し行い、セタン価値ごとにカウントされたセタン価の発生頻度に基づいて、燃料のセタン価を最終的に決定する。例えば、発生頻度が最も高いセタン価値を、燃料のセタン価として最終的に決定する。これにより、セタン価の推定中、内燃機関の燃焼状態の変化や検出誤差などにより、検出された実着火時期がばらついても、その影響を補償しながら、着火遅れを最も良好に表すセタン価を的確に求めることができ、それにより、セタン価を高い精度で推定することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、複数のセタン価値CETREFが0.1のきざみで設定されていることを特徴とする。

以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による制御装置1を、これを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3とともに示している。エンジン3は、4つの気筒3aを有する直列4気筒型のディーゼルエンジンであり、車両(図示せず)に搭載されている。
エンジン3の各気筒3aには、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)4(供給燃料量制御手段)が設けられている。インジェクタ4の燃料噴射量および燃料噴射時期は、ECU2からの駆動パルス信号SINJによって、気筒3aごとに制御される。
エンジン3には、EGR管7aおよびEGR制御弁7bを有するEGR装置7と、ターボチャージャ9が設けられている。EGR管7aは、吸気管5および排気管6に接続されており、エンジン3の排ガスの一部が、EGRガスとして、EGR管7aを介して吸気管5に還流し、気筒3aに供給される。
EGR制御弁7bは、EGR管7aに設けられたバタフライ弁とこれを駆動するDCモータ(いずれも図示せず)で構成されている。このDCモータに供給される電流をECU2で制御し、バタフライ弁の開度を変化させることによって、EGRガス量が制御される。
ターボチャージャ9は、排気管6内に配置され、排気の運動エネルギにより回転駆動されるタービン9aと、タービン9aにシャフト9bを介して連結され、吸気管5内に配置されたコンプレッサ9cとを備えており、吸気管5に吸入された吸気の過給動作を行う。吸気管5のコンプレッサ9cよりも下流側には、インタークーラ10が設けられており、ターボチャージャ9で加圧された吸気を冷却する。
また、エンジン3の各気筒3aには、筒内圧センサ11(実着火時期検出手段)が設けられている。筒内圧センサ11は、圧電素子で構成された、グロープラグ(図示せず)と一体型のものであり、気筒3a内の圧力の変化量(以下「筒内圧変化量」という)DPを表す検出信号をECU2に出力する。
エンジン3のクランクシャフトには、マグネットロータとMREピックアップ(いずれも図示せず)で構成されたクランク角センサ12(実着火時期検出手段)が設けられている。クランク角センサ12は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角(例えば1゜)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。TDC信号は、各気筒3aにおいて、ピストン(図示せず)が吸気行程開始時のTDC(上死点)付近の所定のクランク角度位置にあることを表す信号である。
また、エンジン3の本体には、水温センサ13が取り付けられている。水温センサ13は、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
さらに、吸気管5には、コンプレッサ9cの上流側にエアフローセンサ14が、下流側に過給圧センサ15が、吸気マニホルド(図示さず)に吸気温センサ16が、設けられている。これらのセンサ14〜16は、吸入空気量QA、過給圧PCおよび吸気マニホルド内の吸気の温度(以下「吸気温」という)TAをそれぞれ検出し、それらの検出信号をECU2に出力する。また、排気管6には排気温センサ17が設けられており、排気温TEを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
また、ECU2には、油温センサ18、アクセル開度センサ19および車速センサ20から、エンジン3の潤滑油の温度(以下「油温」という)TOIL、アクセルペダル(図示せず)の操作量(以下「アクセル開度」という)AP、および車速VPを表す検出信号が、それぞれ出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ11〜20からの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、燃料噴射制御を含むエンジン制御を実行するとともに、使用中の燃料のセタン価を推定する。なお、本実施形態では、ECU2は、実着火時期検出手段、基準着火時期設定手段、暫定値算出手段、セタン価推定手段、カウント手段およびセタン価決定手段に相当する。
図2は、セタン価推定の実行条件の成否を判定する処理を示している。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、セタン価推定終了フラグF_DONEが「1」であるか否かを判別する。この答がYESで、セタン価の推定がすでに終了しているときには、ダウンカウント式のディレイタイマのタイマ値TMDLYを所定時間TREF(例えば10〜60秒)にリセットし(ステップ2)、通常の燃料噴射制御を実行する(ステップ3)とともに、実行条件成立フラグF_CEOKを「0」にセットし(ステップ4)、本処理を終了する。
上記の通常の燃料噴射制御では、各気筒3aにおいて、吸気行程中から圧縮行程中の任意の期間に燃料を噴射するパイロット噴射と、圧縮行程中に燃料を噴射するメイン噴射の双方を行うことにより、通常燃焼が行われる。また、燃料噴射量は、アイドル運転時には、エンジン回転数NEが所定の目標アイドル回転数NEIDLEになるように制御され、アイドル運転以外の運転時には、エンジン3の要求トルクPMCMDが得られるように制御される。なお、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出される。
一方、前記ステップ1の答がNOで、セタン価の推定がまだ終了していないときには、エンジン3がアイドル運転中であるか否かを判別する(ステップ5)。この判別では、車速VPおよびアクセル開度APがいずれもほぼ値0であるときに、アイドル運転中であるとされる。この答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ2〜4を実行し、本処理を終了する。
また、上記ステップ5の答がYESで、アイドル運転中のときには、エンジン3の他の運転条件が成立しているか否かを判別する(ステップ6)。この運転条件としては、例えば、排気温TEが所定温度(例えば90℃)以上であり、かつエンジン水温TWまたは油温TOILが、エンジン3の暖機状態を表す所定温度(例えば80℃)以上であることが設定されている。
このステップ6の答がNOのときには、実行条件が成立していないとして、前記ステップ2〜4を実行する一方、YESのときには、ステップ2でリセットしたディレイタイマのタイマ値TMDLYが値0であるか否かを判別する(ステップ7)。
この答がNOのとき、すなわち前記ステップ5および6の運転条件が成立した後、所定時間TREFが経過していないときには、セタン価の推定を行わないものとし、前記ステップ3および4を実行する。これは、アイドル運転への移行直後には、それまでの走行負荷により、エンジン3のシリンダヘッド(図示せず)の温度が上昇している可能性があり、その場合には、燃料の着火時期が早くなり、セタン価の推定精度に影響を及ぼすので、それを避けるためである。
前記ステップ7の答がYESのときには、セタン価推定の実行条件が成立しているとして、セタン価推定用の燃料噴射制御を実行する(ステップ8)とともに、実行条件成立フラグF_CEOKを「1」にセットし(ステップ9)、本処理を終了する。
上記のセタン価推定用の燃料噴射制御では、各気筒3aにおいて、メイン噴射のみを行うとともに、燃料噴射時期を通常燃焼時よりも早めることによって、燃料の噴射後、遅れ時間が経過したときに燃料が燃焼する、いわゆる予混合燃焼が行われる。予混合燃焼を行うと、通常燃焼の場合よりも、燃料のセタン価の違いによる着火時期の差が大きくなるので、着火遅れに基づくセタン価の推定を精度良く行うことができる。また、このセタン価推定用の燃料噴射制御中には、EGRガス量が値0に制御されるとともに、目標アイドル回転数NEIDLEは、通常の燃料噴射制御中よりも高めに設定される。
次に、図3を参照しながら、セタン価の推定処理について説明する。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。まずステップ11では、今回が、イグニッションスイッチ(IG.SW)がオンされた直後、または燃料が給油された直後であるか否かを判別する。この答がYESのときには、後述するカウンタCNT1〜20のカウント値CNTCET1〜20をすべてクリアする(ステップ12)とともに、セタン価推定終了フラグF_DONEを「0」にセットし(ステップ13)、本処理を終了する。
前記ステップ11の答がNOのときには、実行条件成立フラグF_CEOKが「1」であるか否かを判別する(ステップ14)。この答がNOで、実行条件が成立していないときには、セタン価の推定を行うことなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ14の答がYESで、実行条件が成立しているときには、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、図4に示すCAFMMマップを検索することによって、基準着火時期CAFMMを設定する(ステップ15)。このCAFMMマップは、所定のセタン価(例えば57)の燃料を予混合燃焼で燃焼させたときに得られる着火時期を、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、基準着火時期CAFMMとして設定したものである。
次いで、各気筒3aにおける実着火時期CAFMを算出する(ステップ16)。図5は、この実着火時期CAFMの算出処理を示している。本処理は、CRK信号の発生に同期して実行される。まずステップ31では、各筒内圧センサ11から出力される筒内圧変化量DPを、バンドパスフィルタ(図示せず)によってフィルタリングする。このバンドパスフィルタは、筒内圧センサ11の出力のうちの所定の周波数域の成分を通過させ、出力中のノイズ成分を除去する。
次いで、フィルタリングした筒内圧変化量DPに対して、位相遅れ補正を行う(ステップ32)。これにより、フィルタリングによって生じる筒内圧変化量DPの位相遅れが補正される。次に、位相遅れ補正を行った筒内圧変化量DPに基づいて、実着火時期CAFMを検出し(ステップ33)、本処理を終了する。
この実着火時期CAFMの検出は、例えば図6に示すようにして行われる。すなわち、クランク角度位置CAIMでインジェクタ4への駆動パルス信号SINJが出力された後、筒内圧変化量DPが所定のしきい値DPPを超えたときのクランク角度位置を、実着火時期CAFMとして検出する。なお、実着火時期CAFMの検出は、駆動パルス信号SINJの出力後、所定の角度範囲RDET(例えば10度)内において行われる。これにより、ECU2の演算負荷を増大させることなく、実着火時期CAFMを適切に検出することができる。
図3に戻り、前記ステップ16に続くステップ17では、上述したようにして求めた基準着火時期CAFMMと実着火時期CAFMとの差を、着火遅れ角DCAとして算出する。
次いで、算出した着火遅れ角DCAに応じてセタン価CETを算出する(ステップ18)。図7は、このセタン価CETの算出処理を示している。まずステップ41では、着火遅れ角DCAを、そのときのエンジン回転数NEを用いて着火遅れ時間TDFMに換算する。次いで、この着火遅れ時間TDFMに応じ、図8に示すCETTテーブルを検索することによって、セタン価の暫定値CETTを算出する(ステップ42)。このCETTテーブルでは、暫定値CETTは、着火遅れ時間TDFMが大きいほど、より小さな値に設定されている。
次に、算出した暫定値CETTを、そのときのエンジン水温TW、吸気温TAおよび過給圧PCに応じて補正する(ステップ43)。エンジン水温TW、吸気温TAまたは過給圧PCが高いほど、燃料の着火時期が早くなり、暫定値CETTが高めに算出されるので、暫定値CETTは、エンジン水温TWなどが高いほど、より小さくなるように補正される。
次いで、上記のようにして求めた所定数の燃焼サイクル分(例えば100)のセタン価の暫定値CETTに対して平均化処理を行い、その平均値を今回のセタン価CETとして算出し(ステップ44)、本処理を終了する。
図3に戻り、前記ステップ18に続くステップ19では、今回算出されたセタン価CETに対応するカウンタCNTのカウント値CNTCETをインクリメントする。図9に示すように、このカウンタCNTは20個のカウンタCNT1〜20で構成されており、これらのカウンタCNT1〜20には、0.1ピッチで設定された、セタン価を表す所定のセタン価値CETREF(55.1〜57.0)がそれぞれ割り当てられている。
上記のステップ19では、算出したセタン価CETに対応するセタン価値CETREFを割り当てたカウンタCNTがインクリメントされる。したがって、カウンタCNT1〜20のカウント値CNTCET1〜20は、セタン価CETの発生頻度をセタン価ごとに表す。なお、セタン価値CETREFはセタン価の中心値を示している。例えば、CETREF=55.7は、55.65≦CET<55.75に相当し、セタン価CETがこの範囲に属するときに、カウンタCNT7がインクリメントされる。
次いで、ステップ20では、カウント値CNTCET1〜20の和が所定値NREF(例えば50)以上であるか否か、すなわち、セタン価CETの推定回数が所定回数に達したか否かを判別する。この答がNOのときには、前記ステップ13を実行する。一方、この答がYESで、セタン価CETの推定回数が所定回数に達したときには、カウント値CNTCET1〜20のうちの最大のものに対応するカウンタCNTに割り当てられたセタン価値CETREFを、最終セタン価CETFとして決定する(ステップ21)。
そして、セタン価の推定が終了したことを表すために、セタン価推定終了フラグF_DONEを「1」にセットし(ステップ22)、本処理を終了する。以上のようにして決定された最終セタン価CETFは、パイロット噴射およびメイン噴射における燃料噴射量や燃料噴射時期の制御などに用いられる。
図10は、本実施形態によるセタン価の推定処理によって得られた結果の一例を示している。この例は、セタン価が既知(=55.8)の燃料に対し、セタン価CETの推定回数NREFを10、30および50回として、それぞれ推定処理を行ったものである。
同図に示すように、カウンタCNTのカウント値CNTCET、すなわち図3のステップ18で算出されたセタン価CETの発生頻度は、セタン価値CNTCETに対してばらついて分布している。また、推定回数が10回の場合には、セタン価CETの発生頻度が最も高いセタン価値CETREFは55.7であり、それに応じ、最終セタン価CETFは55.7に決定され、真値である55.8から若干ずれる。
また、セタン価CETの推定回数が多くなるにつれて、セタン価CETが真値に近い値として算出される頻度が高くなる結果、発生頻度が最も高いセタン価値CETREFは、55.7から55.8に移行し、推定回数が50回の場合には、55.8になり、最終セタン価CETFが真値に正しく決定される。
以上から、個々のセタン価CETがばらついても、最終セタン価CETFを精度良く求めることができ、また、セタン価CETの推定回数を増やすことによって、最終セタン価CETFの推定精度をより高めることができることが分かる。
以上のように、本実施形態によれば、セタン価CETの算出を所定回数NREF、繰り返し行うとともに、カウンタCNT1〜20によりセタン価値CETREFごとにカウントされたセタン価CETの発生頻度に基づき、発生頻度が最も高いセタン価値CETREFを、最終セタン価CETFとして決定する。したがって、セタン価の推定中、エンジン3の燃焼状態の変化や筒内圧センサ11の検出誤差などにより、検出された実着火時期CAFMがばらついても、その影響を補償しながら、着火遅れを最も良好に表す最終セタン価CETFを的確に求めることができ、セタン価を高い精度で推定することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、セタン価CETの発生頻度が最も高いセタン価値CETREFを、そのまま最終セタン価CETFとして決定しているが、図10の推定回数が30回の場合のように、セタン価CETの発生頻度が最も高いセタン価値CETREFが複数、得られたときには、それらの平均値を最終セタン価CETFとして決定してもよい。
また、実施形態で述べたカウンタCNTの数、セタン価値CETREFの値およびピッチや、セタン価CETの算出回数などは、あくまで例示であり、使用される燃料の性状などに応じて適宜、変更することが可能である。さらに、基準着火時期CAFMMの設定や実着火時期CAFMの検出についても、実施形態で示した以外の適当な手法を採用できる。
また、実施形態では、エンジン3のすべての気筒3aにおいて、実着火時期CAFMを検出しているが、筒内圧センサ11が一部の気筒に取り付けられるような場合には、その気筒においてのみ検出してもよい。また、実着火時期CAFMを検出するために、予混合燃焼を行っているが、これに代えて、通常燃焼を行ってもよいことはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
さらに、本発明は、クランク軸が鉛直方向に配置された船外機などのような船舶推進機用エンジンを含む、様々な産業用の内燃機関に適用できることはもちろんである。
本実施形態による制御装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。 セタン価推定の実行条件の判定処理を示すフローチャートである。 最終セタン価CETFの算出処理を示すフローチャートである。 図3の処理で用いられるCAFMMマップの一例である。 実着火時期CAFMの算出処理を示すフローチャートである。 実着火時期CAFMの検出方法を説明するための図である。 セタン価CETの算出処理を示すフローチャートである。 図7の処理で用いられるCETTテーブルの一例である。 カウンタCNTの構成を説明するための図である。 セタン価の推定処理によって得られる結果の一例を示す図である。
符号の説明
1 制御装置
2 ECU(実着火時期検出手段、基準着火時期設定手段、暫定値算出手段、 セタン価推定手段、カウント手段およびセタン価決定手段)
3 エンジン
3a 気筒
4 インジェクタ(燃料供給手段)
11 筒内圧センサ(実着火時期検出手段)
12 クランク角センサ(実着火時期検出手段)
CAFMM 基準着火時期
CAFM 実着火時期
CETT セタン価の暫定値
CET セタン価
CNT カウンタ(カウント手段)
CNTCET カウンタのカウント値(セタン価CETの発生頻度)
CETF 最終セタン価

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒に燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記気筒に供給された燃料の着火時期を、実着火時期として検出する実着火時期検出手段と、
    前記燃料の着火時期の基準となる基準着火時期を設定する基準着火時期設定手段と、
    前記実着火時期と前記基準着火時期との比較結果に基づき、燃料のセタン価の暫定値を算出する暫定値算出手段と、
    当該暫定値算出手段により算出された所定数の燃焼サイクル分の前記セタン価の暫定値を平均化処理することによって、燃料のセタン価推定するセタン価推定手段と、
    当該セタン価推定手段により推定された複数回分の燃料のセタン価の発生頻度を、セタン価を表す互いに異なる複数のセタン価値に対応させてカウントするカウント手段と、
    当該カウントされたセタン価の発生頻度に基づき、燃料のセタン価を決定するセタン価決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記複数のセタン価値が0.1のきざみで設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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