JP4705754B2 - 生体粒子のイオン移動度分析 - Google Patents

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Description

本発明は一般に粒径分析に関し、詳細には、従来の微粒子粒径測定装置または移動度測定装置を利用した診断目的の生体粒子分析に関する。より詳細には、本発明の一態様は、リポタンパク質クラスおよびサブクラスの定量および定性分析のための医学診断、ならびにこれらと、冠状動脈性心疾患および脂質に関連した他の健康リスクの割当てとの関係に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2001年11月13日出願の「Ion Mobility Analysis of Biological Particles」という名称の米国仮特許出願番号60/338,214の優先権を主張するものである。
米連邦の助成に関する記載
本発明は、米国政府の支援を受け、米国エネルギー省(the U.S.Department of Energy)とカリフォルニア大学理事会(The Regents of the University of California)との間で締結されたローレンスバークレー国立研究所(the Lawrence Berkeley National Laboratory)の管理および運営のための契約第DE−AC03−76SF00098号の下でなされたものである。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
緒言
臨床診療では、リポタンパク質粒子の測定が、心臓血管の健康リスクおよび脂質に関連した他の健康リスクを評価し、治療プロトコルを決定し、治療レジメンの効能を追跡するために使用される。リポタンパク質粒子は、コレステロールおよび他の生化学物質を包み込んだ巨大分子を構成し、これらの物質の血流による輸送を可能にする。リポタンパク質粒子の粒径分布は、遺伝的および非遺伝的影響のため人によって異なる。リポタンパク質粒子の粒径は一般に約7nmから約120nmである。この粒径範囲には、心臓血管疾患の重要な予測因子であるリポタンパク質粒子のいくつかのサブフラクションが存在する。例えば、超低密度リポタンパク質はトリグリセリドを血流にのせて輸送し、血流中の高い超低密度リポタンパク質レベルは、高トリグリセリド血症(hypertriglyceremia)を指示する。これらのサブフラクションは、物質の量をリポタンパク質粒子の粒径または密度の関数として表示する分析技法によって識別される。
血漿脂質/リポタンパク質コレステロールの標準測定技法
一般的な標準脂質測定には、空腹時の総コレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロールおよびLDLコレステロールが含まれる。現在、最も広く使用されているLDLコレステロール測定法は間接Friedewald法(Friedewald他、Clin.Chem.、第18巻、499〜502ページ、1972年)である。このFriedewald検定法には次の3つのステップが必要である:1)血漿トリグリセリド(TG)および総コレステロール(TC)の測定、2)VLDLおよびLDLの沈殿、3)HDLコレステロール(HDLC)の定量。VLDLCを血漿トリグリセリドの1/5(TG/5)と推定することによって、LDLコレステロール濃度(LDLC)は次式によって計算される:LDLC=TC−(HDLC+VLDLC)。Friedewald法は全般的に有用ではあるが、ケースによってはその正確さが限定される。上記の3つのステップのいずれにおいても誤差は起こりうる。これは一つには、この方法では、それぞれのステップでさまざまな手法を使用する必要があるためである。Friedewald法は、VLDLC濃度を血漿トリグリセリド濃度の1/5と仮定するので、ある程度間接的な方法である。患者のVLDLがこの比率から外れるときにはさらに不正確になる。400mg/dLを超えるTGを有する患者に対してFriedewald法は使用できないので、いくつかの試料に対しては、LDLコレステロールの分離およびその後の測定のために超遠心法を使用しなければならない。
リポタンパク質亜種の分析手法
現在、リポタンパク質亜種を分析する普及した方法には、核磁気共鳴、バーティカルオートプロファイル(vertical auto profile)、および電気泳動ゲル分離が含まれる。次に、これらのそれぞれの方法について簡単に論じる。
核磁気共鳴
Otvosは、リポタンパク質サブクラスの濃度を求める、Friedewald法よりも正確な核磁気共鳴(NMR)手法を教示している(米国特許第5343389号、1994年8月30日発行)。Otvosの方法ではまず最初に、血漿または血清試料のNMR化学シフトスペクトルを得る。次いで、観察された血漿試料全体のスペクトルを、コンピュータソフトウェアプログラム中に記憶されたリポタンパク質サブクラスのNMRスペクトルの既知の加重和と突き合わせる。次いで、試料スペクトルと計算スペクトルの間の最適合致を与える重み係数を使用して、血液試料中の構成リポタンパク質サブクラスの濃度を推定する。この手法は、短時間で済むというの追加の利点を有する。
バーティカルオートプロファイル
臨床的に使用されている他のリポタンパク質サブフラクション測定法が、バーティカルオートプロファイル(VAP)である(Kulkarni他、J.Lip.Res.、第35巻、159〜168ページ、1994年)。バーティカルオートプロファイル法では、フローアナライザを使用して、ショートスピンシングルパーティカル超遠心法によって分離したリポタンパク質クラス中のコレステロールの酵素分析を実施し、続いて分光測光法、得られたデータのソフトウェア解析を実施する。役立つ進歩ではあるが、この技法はLDLを、電気泳動勾配ゲル分離によって同定される全7亜種にまでは分割しない。
電気泳動勾配ゲル分離
このゲル分離法は、参照によって本明細書に組み込まれる1999年7月20日発行のR.M.Krauss他の「Low Density Lipoprotein Fraction Assay for Cardiac Disease Risk」という名称の米国特許5925229号(229号特許)に示されている。この229号特許には、LDLサブクラスを分離するための勾配ゲル電気泳動手法が開示されている。LDLフラクションは、超遠心器によって得られる結果に匹敵する結果を生み出す勾配ゲル電気泳動によって分離される。この方法はLDLサブクラスの細分割を生み出し、主に研究機関で使用されている。しかし、勾配ゲル電気泳動は完了までに多くの時間がかかる。勾配ゲル電気泳動の分離時間を短縮し、分析を単純化することができ、その結果、高分解能脂質分析を、臨床検査室での血液試料のルーチンのスクリーニングの一部として、冠状動脈性疾患の危険因子の割当てに使用することができるようになれば有用であろう。
後に光学的に測定する全ての成分を均一に染色することに依存するこのゲル分離法は、色素形成が不均一であることが欠点である。すなわち、全てのリポタンパク質粒子が均一に染色されるというわけではない。この示差的な染料の取込みは誤った定量的結果をもたらし、染色の弱いピークを、実際によりも低い値に読み取ってしまう可能性がある。さらに、この不均一な色素形成が誤った定性的結果をもたらすことがあり、測定されたピークが、あるリポタンパク質クラスまたはサブクラスを他のリポタンパク質クラスまたはサブクラスと混同するのに十分な程度にまでゆがめられている可能性がある。
LDL、VLDL、IDLおよびHDLの全てのサブクラスならびにカイロミクロン粒子を測定する正確、直接、完全な高分解能検定が見いだされれば、脂質測定技術の重大な革新となろう。このような検定が安価かつ便利であれば、研究施設だけでなく臨床検査室でも使用することができる。理想的には、臨床医はこの情報を使用して、現在の冠状動脈疾患リスクの推定を改善し、この検定に基づいて妥当な医学リスク管理上の判断をすることができよう。
本発明は、1)微分移動度分析(「DMA」)用の血漿試料を調製する方法、2)生体粒子(好ましくはリポタンパク質粒子)の粒径または密度分布を、計数された1秒ごとの特定の選択された移動度の生体粒子の数に関して測定された粒子移動度計数率に基づいて、流体(空気など)中へスプレーされたイオン化した生体粒子の下記粒径
Figure 0004705754
または下記密度
Figure 0004705754
の関数として測定する技法、3)それぞれの粒径クラスおよびサブクラスの生体粒子の数を測定するDMA装置、4)生体粒子(好ましくはリポタンパク質)の粒径または密度分布情報を低リスク、中間リスクおよび高リスク患者の基準データと比較して冠状動脈性心疾患(CHD)のリスクを予測するアルゴリズム、ならびに5)それぞれCHDに対する低リスク、中間リスクおよび高リスクに関連づけられたA型、AB型およびB型パターンのどれに試料が対応するのかを判定する具体的な方法、を提供する。
次の移動度分析のために最終的に粒子を気相中に送り込むように設計されたいくつかのステップを使用して血漿試料を処理し、リポタンパク質粒子の全てのクラスおよびサブクラスをバルク血清から分離する。この技法は、リポタンパク質粒子の組成および粒径を保存し、リポタンパク質粒子に汚染をもちこまない。エレクトロスプレープロセスは初め、多くの異なる電荷状態を有するエレクトロスプレー小滴を生成する。これらの多電荷小滴をα放射線源のすぐ近くに通す。α放射線源は、エレクトロスプレー小滴の荷電状態を中性または単一正電荷の状態に低減するα粒子または遊離の2次電子を生成する。あるいは、帯電したこれらの小滴を別の方法で処理して、正電荷を2つ以上持たない均一な荷電状態を達成することもできる。
続いて小滴希釈剤を揮発させて、中性のまたは単一の正電荷を有する個々のリポタンパク質粒子を生み出す。移動度選択を変化させる高電圧選択電圧を走査することによって、ある移動度範囲にわたるリポタンパク質粒子の気相移動度を測定することができる。この走査移動度を走査範囲にわたって計数すると、移動度分布を得ることができる。リポタンパク質の移動度分布の解釈に熟練した人であれば、患者の心臓リスクに関して直接に結論を下すことができる。
リポタンパク質の移動度と粒径との間の逆線形関係によって、移動度分布データを粒径分布に変換することができ、これによって、粒径に対する、単位時間ごとに計数される粒子数のスペクトルまたは分布を表示する方法が提供される。時間を一定にすれば、この測定値を、粒径に対する粒子数と考えることができ、元に戻って、原試料中のリポタンパク質の定量的フラクション分布に関係づけることができる。得られるリポタンパク質粒径分布は成分領域からなる。これらの領域は、元々の血清試料中のリポタンパク質粒子の量およびタイプを区別する。ある領域のあるピークの相対位置を求めることによって、心臓リスクに関する予測を実施することができる。リポタンパク質密度の従来の比較のために、この粒径分布は、密度に対する粒子数の分布に変換することもできる。
A.定義
「生体粒子」は、共有結合以外の方法で結合した生物由来分子の集合体を有する物質を意味する。その例には、アポリポタンパク質と脂質とから形成されたリポタンパク質粒子、共有結合以外の方法で結合したコートタンパク質と糖タンパク質とから形成されたウイルス構成要素、抗体とその同系抗原とから形成された免疫複合物などが含まれるが、細胞全体は含まれない。
「生理的試料」は、血液、組織、髄質、細胞質など、生物体から得られる試料を意味する。
「CHD」は冠状動脈性心疾患を意味する。
「VLDL、IDL、LDLおよびHDL」は、図2に示したクラスの名称、略称、サブクラスおよび密度範囲によって記述される。
「カイロミクロン」は、粒径が70〜120nm、対応する密度が1.006g/mL未満の生体粒子を意味する。
「微分移動度分析器」は、イオン電気移動度に基づいて電荷を帯びた粒子を分級する装置を意味する。電荷を帯びた粒子が均一な既知の電荷を有するとき、分級する粒子の粒径は粒子の移動度から求めることができる。
「Lp(a)」は、リポタンパク質Aに共有結合したLDLからなる生体粒子を意味する。
「リポタンパク質粒子」は、哺乳動物の血液から得られる粒子であって、共有結合以外の結合で生物学的に集合してコレステロールおよび脂質を包み込んだアポリポタンパク質を含む粒子を意味する。好ましくはリポタンパク質粒子が、7nmから1200nmの範囲の粒径を有する生体粒子を指す。本明細書で使用するとおり、リポタンパク質粒子は実質上、VLDL、IDL、LDL、HDLおよびカイロミクロンを含む。
「遠心法」は、高速回転によって適当な機器の内部に生み出される遠心力の中に溶液を置くことによって、その溶液中の物質を、密度および密度に関係した分子量の関数として分離または分析する方法を意味する。
「パターンA」は、図5に示すように、CHDに対する相対的に低いリスクを指示する特性リポタンパク質粒子分布を有する人に適用される呼称である。
「パターンB」は、図5に示すように、CHDに対する相対的に高いリスクを指示する特性リポタンパク質粒子分布を有する人に適用される呼称である。
「パターンAB」は、図5に示すように、CHDに対する中程度のリスクを指示する特性リポタンパク質粒子分布を有する人に適用される呼称である。パターンABは、パターンAとパターンBとの両方の特徴を部分的に備えた分布を有する。
本明細書で使用する用語「素因」は、リスク、傾向、性向、偏向または感受性と実質的に同義である。
「基準粒径分布」は、後に図5に関して詳細に論じるパターンA、BまたはABなどのリポタンパク質粒子の粒径分布を意味する。
「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータが処理できる編成された情報を供給する任意の供給源を意味し、これには、磁気可読記憶システム;直接法、光学反射/透過スキャニング、または光学的文字認識法によって読むことができるパンチカード、印刷物などの光学可読記憶媒体;コンパクトディスク(CD)、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)、リライタブルCDおよび/またはリライタブルDVDなどの他の光学記憶媒体;プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、フラッシュランダムアクセスメモリ(フラッシュRAM)などの電気可読媒体;および電磁気的または光学的方法によって伝送される遠隔伝送情報が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
「分布」は、1つまたは複数の変量の一般関数を意味し、一般に、分散チャート、グラフ、プロットまたはヒストグラムとして図示される。
B.生体粒子のイオン移動度分析の概要
図1に、生体粒子のイオン移動度分析に関与する主要な機能構成要素を示す。マイクロ遠心管410に試料を入れ、次いでこれを遠心器420にかけて、後に「D.精製リポタンパク質粒子試料の調製」の項で説明するLp(a)や他の細胞成分などの望ましくない成分を除去する。細胞成分およびLp(a)を除去し、さらに密度超遠心法でリポタンパク質だけを選択した後、試料溶液455を試験用マイクロ遠心管450に入れ、次いでこれを加圧室460に入れる。高圧可変電源430によって、加圧室460および試料溶液455にPt線435を通して正バイアスをかける。この正バイアスおよび高い相対圧力によって、毛細管100が、テイラー円錐(Taylor cone)150を形成して加圧室460から粒子小滴を発射する。図3には毛細管100がより詳細に示されている。
図1をさらに参照する。小滴が形成されると、乾燥ガス210が小滴を、α放射線源480の発射領域まで運ぶ。α放射線源480は、揮発性希釈剤以外の成分を含む小滴が乾燥して単一の粒子となるときに、小滴の荷電状態を、小滴1つにつき正電荷が1つ以下の状態まで低減させる。あるいは、電気を帯びたこの小滴を他の方法で処理して、1正電荷以下の均一な荷電状態を達成することもできる。このような他の1つの方法は、α線源と同じ荷電状態低減作用を有する2次電子を生成する交流電流コロナを使用する方法である。
電荷低減後、乾燥ガス210は粒子を微分移動度分析器200に運ぶ。微分移動度分析器200は図4に詳細に示されている。層状過剰ガス流220および追加の乾燥ガス流230を導入して、乾燥ガス流210の速度と一致させる。高圧電源205を変化させることによって、この結合流によって運ばれた粒子が選択的に移動度選択粒子流240に入り、移動度選択粒子流240は粒子計数器490に流入する。
粒子計数器490は、異なる粒径の粒子の走査分布出力を記録する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体への記憶能力を有するコンピュータシステム(図示せず)と通信することが好ましい。後に「F.微分移動度分析」の項で論じるが、単一正電荷粒子、固定乾燥ガス流210および追加の乾燥ガス流230、ならびに走査型高圧電源205の特定の電圧設定によって、出口環状選択スリット290に入る選択粒子流285が分類される。選択粒子流285は、特定の移動度および対応する粒径を有する粒子を有する。
本発明の1つの特徴は、共有結合以外の方法でゆるく結合した生体粒子を、その生物学的アイデンティティが失われたり、または分割されたりすることなく、このシステムを介して処理できることである。具体的には、リポタンパク質粒子(例えばVLDL、IDL、LDLおよびHDL、ならびにこれらのサブクラス)を、その粒子移動度、したがって粒径および密度を迅速に求めることができるような方法で、リポタンパク質粒子が分割することなく処理することができる。
粒径と密度との間の関係が分かれば、粒径または移動度の分布を、粒子質量、元々の血漿の密度μg/cm、粒径区間内の粒子数、および粒径区間内の粒子質量の分布に変換することができる。
C.リポタンパク質粒子
リポタンパク質は、ヒトの血漿中に見られる複雑な巨大分子であり、脂質を包み込んでリポタンパク質粒子となっている。循環系中のリポタンパク質粒子は特に、細胞で使用するコレステロールを輸送する機能を有する。リポタンパク質粒子は、密度および粒径に基づいてさまざまなクラスおよびサブクラスに区分されている。リポタンパク質粒子の密度は、平衡密度超遠心法および分析超遠心法によって直接に求めることができる。リポタンパク質粒子の密度は、粒径ならびに粒径と密度との間の既知の関係に基づいて、間接的に求めることもできる。粒径は、ゲル電気泳動を含むいくつかの方法によって求めることができる。
図2は、従来のゲル電気泳動測定値を使用してさまざまなリポタンパク質フラクションに割り当てられた現時点の標準のクラスおよびサブクラスの表であり、これには超低密度リポタンパク質(VLDL)、そのサブクラスVLDL IおよびII、中間密度リポタンパク質(IDL)、そのサブクラスIDL IおよびII、低密度リポタンパク質(LDL)ならびに高密度リポタンパク質(HDL)が含まれる。HDLは一般に、HDL IIa、IIb、IIIa、IIIbおよびIIIcなどのいくつかのサブクラスを含む。
カイロミクロンは、心疾患の予測における臨床的意義がまだ見い出されていないので図2には含まれていない。
異なる2段階の塩類密度背景での分析超遠心法によって、超遠心法によって分離されたリポタンパク質粒子の浮揚特性を分析することができ、これによって水和LDL粒子密度を決定することができる。これについては、参照によって本明細書に含まれるLindgren他「Blood Lipids and Lipoproteins:Quantitation,Composition and Metabolism」、G.L.Nelson編、Wiley、1992年、181〜274ページに示されている。
図2に指示されているように、LDLクラスは、平衡密度勾配超遠心法(EDGU)として知られる予備分離技法を使用することによって、密度または粒径に基づいて7つのサブクラスに分けることができる。特定のLDLサブクラスLDL−IIIa、IIIb、IVaおよびIVbのレベルが高いことは、アテローム性動脈硬化症を含むCHDに対するリスクが高いことと密接に関連する臨床知見であることが知られている。
血清総コレステロールレベルならびにLDLおよびHDLフラクション中のコレステロールレベルの測定は、冠状動脈性心疾患のリスクの診断検査として日常的に使用されている。リポタンパク質クラスおよびサブクラスの分布の検査ほうが予測には役立つが、費用と時間がかかるので、一般に、限られた数の患者にしか実施されない。
図2に使用されている粒径の値は、ゲル電気泳動法によって決定されたものであることに留意されたい。本明細書に開示するイオン移動度法では、イオン移動度を用いて得られるリポタンパク質粒子の粒径の測定値が、ゲル電気泳動を用いて得られたデータに比べて全てが小粒径側へシフトすることが観察されている。この違いはゲルの較正によるものと推測される。このシフトはほぼ下式の線形関係で表されるようである。
0.86×ゲル粒径=イオン移動度粒径
イオン移動度粒径とゲル電気泳動粒径との間で観察される差は、電気泳動ゲルの固有印加電界の影響下でゲルマトリックスに衝突するときにリポタンパク質粒子がゆがめられることに起因するとも考えられる。この粒径の差は、(分析超遠心分離によって得られた)粒子密度を電子顕微鏡法から得られた粒径に変換するのに使用された歴史的データによるものとも考えられる。図2は、一般的な科学文献に公表されているゲル電気泳動ランに対して受け入れられたリポタンパク質の粒径を表している。イオン移動度粒径のほうがゲル粒径よりも正確であるというのが本発明の発明者の意見だが、これは確認を要する。
D.精製リポタンパク質粒子試料の調製
試料調製は一般に以下のステップを含む:血液試料を採取するステップ、細胞物質から血漿を分離するステップ、超遠心法、親和ゲルへの吸着など、いくつかあるうちの1つの方法によって非リポタンパク質タンパク質を血漿から除去するステップ、透析ろ過をおこなって、粒子揮発性および/または粒径に影響を及ぼすと思われる密度調整用成分を除去するステップ、エレクトロスプレー小滴の形成を容易にするために揮発性試薬を添加するステップ、リポタンパク質粒子試料溶液を希釈するステップ、および試料溶液のpHを調整するステップ。
まず最初に、空腹時血液試料50から100μLを採取する。少なくとも12時間絶食した人の体内にはカイロミクロンは一般に存在しないので、VLDLとカイロミクロンとの粒径の重なりは絶食することによって排除される。次いでこの試料をまず遠心器にかける。試料は、2000Gで約10分間、回転させることが好ましい。これによって試料から細胞成分が十分に除去できる。このプロセスの間に、相対的に高密度の細胞成分は試料の底に層をなす。次いで、上に残った相対的に低密度の血漿標本を抜き取る。
次いでこの血漿標本の密度を、高純度の塩化ナトリウム(NaCl)溶液および臭化ナトリウム(NaBr)溶液を使用して特定の密度に調整する。一実施形態では、選択するこの特定の密度を、分析する最も密度の高いリポタンパク質物質の密度か、またはそれよりも大きい密度にして、密度によって成層させたときにリポタンパク質物質が浮遊するようにする。これらの密度は、図2のリポタンパク質クラス、サブクラス、密度および粒径の表から見つけることができる。最も低い密度調整密度から最も高い密度調整密度まで順番に遠心処理することによって、さまざまなリポタンパク質クラスおよびサブクラスを順番に抽出することができる。
本発明で使用される好ましい方法では、一連の順次密度調整/遠心処理の代わりに、NaClおよびNaBr塩を使用した密度調整を1度だけ実施する。この好ましい実施形態では密度調整に対して特定の1つの密度が選択される。試料密度調整を、図2に密度に従って1〜1.21g/mLの範囲で選択することによって、その密度に等しいかまたはそれよりも小さい密度を有するリポタンパク質クラスを分離することができる。好ましい実施形態では、1.21g/mLに密度を調整する。HDL、IDL、LDLおよびVLDLの密度は1.21g/mLよりも小さいので、このようにするとこれらが全て同時に抽出される。
次いで、リポタンパク質粒子から非リポタンパク質タンパク質を分離するために、密度調整したこの血漿試料を市販の100μL超遠心管に入れ、100,000Gすなわち10m/sで約18時間超遠心処理する。次いで、好ましくはこの超遠心ステップによって、非リポタンパク質タンパク質、具体的にはアルブミンを血漿標本から除去する。リポタンパク質粒子は、超遠心処理の間に試料の表面に浮いてくる。
Lp(a)は、IDL粒子やLDL粒子とは異なる分子組成を有する血清中に見られる他のタイプのリポタンパク質粒子である。Lp(a)は、LDLおよびIDL粒子と重なる粒径を有し、したがって、Lp(a)粒子が血清中に存在するときには粒径分析を妨害する。Lp(a)濃度が元々低い患者もいるが、LDL粒子の粒径測定の前にLp(a)を除去しておくことは、かなり高いLp(a)濃度を有する患者の測定値が不正確になることを防ぐためによいことである。こうすると、Lp(a)による潜在的な粒径の干渉の問題が回避される。
Lp(a)を除去していない試料溶液では、LDL測定値の1/2がLp(a)からなることもある。したがって、エレクトロスプレー分析の前に、血漿試料からLp(a)を除去しておくことが好ましい。この除去は、マトリックスに付着させたレクチンまたは特異抗体を使用したLp(a)タンパク質の固相吸収によって達成することができる。Lp(a)の濃度は、(例えば免疫検定法によって)別個に測定し、または吸収前の血漿と吸収後の血漿を使用した免疫検定結果の差によって決定することができる。Lp(a)は、レクチンアフィニティクロマトグラフィによって除去するのが最も好ましい。Lp(a)除去ステップは密度調整/超遠心処理の後に実施することが好ましい。この後に、選択した1.21g/mLフラクションの透析を実施する。
超遠心処理した試料のうち密度の最も低い一番上の部分を、リポタンパク質粒子を含む液体試料として、その後の透析のために抜き取る。次いでこの液体を、10,000ダルトン分子量カットオフフィルタの後ろに配置して、リポタンパク質粒子はフィルタの後ろに保持し、HO、NaClおよびNaBrイオン成分は自由に拡散させる。このフィルタを、密度調整用のNaClおよびNaBrを含んだこの液体とともに、0.22μm粒子を除去した18メガオームの脱イオン水に浸して、NaClおよびNaBrを、周囲の水と濃度平衡させる。この方法では、移動度測定時に粒子重量に影響を及ぼすと思われるNaClおよびNaBrが除去、すなわち透析される。検査室では、カットオフ膜を水と接触させて置き、この膜の上に試料滴を単純に付着させるだけでよいことが分かっている。次いで、試料滴中のNaClおよびNaBrレベルを水希釈剤と平衡させる。
次いで、リポタンパク質粒子が1つまたは複数の構成分子に分解することを防ぐために、十分に中性(pH7.0)に近いpHの揮発性水性緩衝液中で、試料溶液を調製する。好ましい緩衝液は、粒子をろ別した18メガオーム脱イオン水に溶解し、高純度の水酸化アンモニウムでpHを中性に調整した20〜30mM、好ましくは25mMの酢酸アンモニウムである。後の粒子移動度測定に影響を及ぼすであろうリポタンパク質粒子の汚染を防ぐために、酢酸アンモニウム溶液および水酸化アンモニウム溶液は非常に高い純度の試薬を用いて調製することが重要である。
この揮発性水性緩衝液は以下の主要な3つの機能を果たす:1)エレクトロスプレーしたときにそれぞれのエレクトロスプレー小滴にリポタンパク質粒子が1つだけ含まれるように、試料を十分に希釈し、2)毛細管の中の試料内容物が、均一に高圧電源とほぼ等電位となるように電気伝導性を与え、3)バルク溶液により高い蒸気圧を与え、これによって希釈試料の揮発性を高め、小滴の乾燥時間を短縮する。ここでは酢酸アンモニウムを使用したが、当業者なら、これと同じ3つの機能を達成するいくつかの代替製剤に思い至るであろう。
希釈およびその後の揮発のあとに残る不溶性物質および残留物の量は、特定の品質の試薬を選択する重要な仕様である。これらの量はできる限り少なく抑えなければならない。それぞれの試薬が、0.005重量パーセント未満の不純物を有することが好ましい。続いて、リポタンパク質試料をこの試薬を含む溶液中で調製し、またはこの試薬で約1011粒子/mL以下まで希釈する。
1011粒子/mL未満のリポタンパク質粒子濃度で、1滴のエレクトロスプレー小滴中にリポタンパク質粒子は2粒子以上存在してはならない。エレクトロスプレー小滴中にリポタンパク質粒子が1つだけあるように希釈プロセスを設計することによって、リポタンパク質粒子集団を人為的に結合し、それによって塊になった粒子集団をより大きなリポタンパク質として検出しまう潜在的なエイリアシング(aliasing)の問題が回避される。言い換えると、重量の小さい2つのリポタンパク質粒子が単一の小滴に入った場合、その結果得られるこの複合粒子の粒径測定値はずっと大きくなってしまい、元のリポタンパク質試料を代表しない。したがって、エイリアシングが起こる場合には、2つ以上の小さなHDL粒子を1つのVLDL粒子として測定してしまい、移動度測定がゆがめられ、不正確な粒径分布が指示される。
酢酸アンモニウム溶液に懸濁させたリポタンパク質粒子を次いでエレクトロスプレーする。エレクトロスプレーは、試料溶液を、小毛細管、好ましくはOsage062442番毛細管を通して約50nL/分の速度でポンピングすることによって供給する。試料溶液20から50μLをマイクロ遠心管に入れ、内径20μmのシリカ毛細管の入口をこの試料溶液の中へ入れる。このマイクロ遠心管および毛細管の入口端を正圧容器に入れて密封する。毛細管に3psig程度の正差圧をかけ、毛細管の中に試料溶液流を生じさせる。ほぼ周囲大気圧に維持された毛細管の出口側を、エレクトロスプレー小滴発生器、好ましくはTSIモデル3480エレクトロスプレーエーロゾルジェネレータ(TSI Incorporeted、米ミネソタ州St.Paul)に挿入する。
E.試料のエレクトロスプレー
本発明で使用するエレクトロスプレー毛細管を図3に軸対称に示す。毛細管本体100は、その中を試料溶液130が輸送される中空の中心部を有する。試料溶液130をエレクトロスプレーするときに試料溶液130中の物質が吸着しないように、毛細管100は、毛細管100の内孔110の中空心に沿ってメチル誘導体化などのコーティングで不活性化されたものを使用することが好ましい。このような付着が生じると毛細管が詰まる傾向があり、十分に清掃されるまで管が使用できなくなるからである。メチル化試薬で誘導体化された毛細管は、内孔110の表面のシラノールおよびSi−O−基をメチル基で置換し、これによって毛細管への試料の吸着およびその後の目詰まりを最小化する。
安定なエレクトロスプレーが得られるのは、毛細管100の長さを約25cmとし、試料130に約2kVの正電圧をかけたときである。これは、図1に示すように、Pt線435を試験用マイクロ遠心管450の中に入れ、試料溶液435と電気的に接触させることによって実施される。Pt線435は、高圧可変電源430の正極に接続されている。毛細管120の出口端の壁にテーパを付けて、先端が平らに切り取られた約90°のテーパを有する円錐140を生み出すことも必要である。したがって毛細管のテーパの付いた領域は円錐台に似る。
次に図3を参照する。毛細管100のテーパ付き出口端120は、50rpmDCモータに取り付けられたピンバイス(pin−vise)に毛細管100をしっかりと固定し、続いて毛細管の縦方向から約45°の角度で研磨することによって生成する。
エレクトロスプレーは、毛細管120の先が平らなテーパ付き出口端に生じる。管を出ていく試料液130のメニスカスは、安定なエレクトロスプレーの特徴であるテイラー円錐150の特性形状をとるが、一般に使用される非常に導電性の高い液体のエレクトロスプレーの際には先端の鋭い円錐160しか見ることができない。これは、形成する小滴流170が、あまりに小さくて光を散乱させることができず、したがって顕微鏡で観察できない小滴からなるためである。
小滴流170は、TSIの工場推奨に従って確立されたCOと空気との層流によって小室の中へ運ばれ、そこで、(以前に図1に示した)α放射線源480に暴露される。α放射線源480は、小滴希釈剤が蒸発すると、小滴の正味の荷電状態をゼロまたは1に引き下げる。初期の小滴の直径は一般に約150nmである。
「B.生体粒子のイオン移動度分析の概要」の項で論じたとおり、小滴は、CO/空気流の中で急速に乾燥し、脱溶媒和(desolvation)して、中性の、または電荷が1のリポタンパク質粒子を形成する。リポタンパク質粒子は、最初にレクトロスプレーした小滴と同じ量の電荷を担持する。一般的な実施では、小滴、ここではリポタンパク質粒子を分割するクーロン力を防ぐために、乾燥と電荷低減とを同時に実施することができる。これによって生じガスによって運ばれる粒子は主に、電気的に中性であるか、または1つの正電荷を担持する。このα線源による電荷低減プロセスは、信頼性の高いよく特徴づけられた荷電粒子流を生じる。この場合、よく特徴づけられたという表現は、単一電荷粒子の割合は粒径によって変化するが、単一の電荷を有する粒子の割合と粒径との関係は十分に確立されていることを意味する。エレクトロスプレーエーロゾル発生器は、中性および単一電荷リポタンパク質粒子を、粒子の粒径分布を決定する微分移動度分析器200の入力に供給する。
他の方法を使用して、入ってきた荷電粒子流が、正電荷を1つ以下しか待たない粒子を含んで出ていくことを保証することもできる。これらの方法の1つは、α放射線源と同じ荷電状態低減作用を有する2次電子を生成する交流電流コロナを使用することを含む。
F.微分移動度分析
イオン電気移動度分析は、分析を受ける荷電粒子が電界にさらされているときに、その荷電粒子の粒径を決定する技法である。以下に、荷電粒子の粒径決定に使用する分析方法を説明する。
イオン電気移動度はイオンの物理的性質であり、電界を受けたときにイオンが獲得する速度に関係する。電気移動度Zは下式で定義される。
Figure 0004705754
上式で、V=終端速度、E=粒子の移動を引き起こしている電界、である。さらに、下式から粒子の粒径を得ることができる。
Figure 0004705754
上式で、n=粒子の電荷数(この場合は単一電荷)、e=1.6×10−19クーロン/電荷、C=粒径依存のすべり補正係数、η=ガス粘度、d=粒径、である。dについて解くと下式が得られる。
Figure 0004705754
このように、粒径の明確な関係が周知のパラメータの関数として得られた。これらのパラメータをさまざまな値にセットすることによって、後に説明するように、荷電粒子のさまざまな粒径を選択することができる。具体的には、荷電粒子に作用する電界の強さEを変化させることが最もたやすい。
微分移動度分析器は、電気を帯びた入力リポタンパク質粒子群をそれらの粒径および電荷に従って分級する。好ましい微分移動度分析器は、TSIモデル3080静電分級機(Electrostatic Classifier)である。
次に図4を参照すると、中心線で切った、一般的な軸対称微分移動度分析器200の断面が示されている。この分析器は、特定の粒径の単一電荷陽イオン285だけをこの機器の出口環状選択スリット290に通すように設計されており、そのように操作される。図解のため、選択粒径285とは異なるいくつかの粒子、すなわち中性粒子295、荷電小粒子260および荷電大粒子280が示されている。
微分移動度分析器200は、中心に配置された管270を有する中空円筒領域245を有する円筒形キャニスタ275の中に収容されている。中心に配置された管270は、ある電界が存在するときに粒子(例えば中空円筒領域245の粒子285)がそこを通過する環状選択スリット290を備えている。粒子285は、その粒子の粒径および粒子に加えられた起電力の関数として環状選択スリット290に入る。起電力は、中心に置かれた管270および円筒形キャニスタ275に高電圧源205から選択電圧が印加されることによって生じる。選択スリット290を通って粒子285が中心に置かれた管270の中へ入ると、中心に置かれた管270の中を流れるガス流230が、粒子を含んだガス流240を粒子計数装置490(図1に示されている)へ運ぶ。
図解のため、図4には、4つの異なるタイプの粒子が示されている。4つの異なる記号は、3つの異なる粒径を有する単一電荷リポタンパク質粒子260、280および285、ならびに非荷電粒子295を表している。中心に置かれた管270と外側円筒275との間に高電圧源205を印加すると、これらの正荷電粒子は、電界の強さによって発揮される力と、周囲の媒質の中を移動している粒子の抗力に起因する粘性抵抗力との間のバランスによって決まる半径方向速度で、中心に置かれた管270に向かって移動し始める。
この粘性抗力は粒子の粒径に関係するので、同じ起電力では、より断面積が小さい、より小径の粒子ほど抗力は小さく、起電力の影響を最も受け、従ってより高い移動度を有する。これに対応して、より大きな粒子はより大きな断面積を有し、同じ起電力による影響が最も小さく、従ってより小さい移動度を有する。
分析器の頂部225から分析器の底部235へ移動するガスの軸方向の流速は、ベクトル速度成分の追加によって、粒子が中心に置かれた管270に衝突する位置に影響を及ぼす。図4は、1つのタイプの粒子イオン285の移動度が、選択されたイオンを検出器490まで導く検出スリット290の中へ自体を沈積させるような移動度であることを示している。すなわち、指定された高電圧205、中空円筒領域245の中の特定の層状ガス流速では、選択された粒径のまわりに分布した狭い範囲の粒径だけが検出スリット290を出ていく。
粒子を含んだ乾燥ガス210が微分移動度分析器200に粒子を導入し、あらゆる種類の乱流渦を最小化するために層状過剰ガス流220が導入される。分析器の頂部225に追加の乾燥ガス230が導入され、このガスは最終的に、移動度によって分級された粒子流240として分析器の底部235から出ていく。
図4では、特定の粒径を有する粒子285だけが選択されている。より小径の粒子260は検出スリット290に達する前に中心管と衝突する。より大径の粒子280はスロットを過ぎた後で中心管と衝突し、またはバルクガス流とともに運び去られ、いずれの場合も測定はされない。非荷電粒子295は起電力の影響を受けず、したがって検出スリット290を通過することなく退出ガス流250の中を進む。次いで、中心に置かれた管270および円筒キャニスタ275に印加する高電圧源205を関心の粒子の粒径に対応した電圧範囲にわたって走査することによって、移動度スペクトルを得ることができる。微分電圧を走査すると、上記の3種類のイオンがそれぞれに導かれてスリットに入り、下流に位置する検出器に送られる。この例では、小径260、中間径285および大径粒子280がそれぞれ例えばHDL、LDLおよびVLDLを表す。
この選択可能微分移動度分析器は、定義されたサンプリング時間dtの間の選択された特定の粒径sの荷電生体粒子イオンの数dnを計数し、下記粒径計数率出力
Figure 0004705754
を得ることによって動作する。
選択可能微分移動度分析器を、所望の特定の粒径範囲にわたって走査して、粒径に対する、定義されたサンプリング時間の間に計数された荷電生体粒子イオンの出力を得ることができる。粒径と密度との関係はよく分かっているので、この粒径計数率出力を、密度ρに対する、計数された1秒ごとの特定の密度の下記生体粒子数
Figure 0004705754
のデータセットに変換することができる。
次に、生体粒子がリポタンパク質である具体的なケースを検討する。このケースでは、ヒトの体内に存在する最も密度の低いリポタンパク質および最も密度の高いリポタンパク質の粒径に対応する3nmから120nmの走査粒径範囲が適当である。計数された1秒ごとの特定の粒径のリポタンパク質粒子数の従来のフォーマットで走査データセットを生成すると、密度に対する特定のリポタンパク質量を計算することができる。さまざまなリポタンパク質クラスおよびサブクラスに対応する密度範囲内のリポタンパク質量を数値的に積分することによって、従来の心臓リスク分析を評価することができる。
G.データの取得および分析
移動度スペクトルの記録に使用する検出器490は凝縮粒子検出器、好ましくはTSI社のモデル3025A凝縮粒子検出器(Condensation Particle Detector)である。凝縮粒子検出器は、リポタンパク質粒子などの粒子を過飽和状態の蒸気凝縮室に通し、粒子の表面で蒸気を凝縮させる。粒子は凝縮核の生成場所となる。1つ1つの全てのリポタンパク質粒子が凝縮核を生成し溶媒小滴を生み出すので、この装置は単一粒子レベルの感度を有する。それぞれの凝縮小滴の内側には1つのリポタンパク質粒子が完全に包み込まれている。この凝縮プロセスは事実上リポタンパク質粒子の粒径を大きくし、その粒径を数十nmから数μmにまで成長させる。
μm規模の小滴は、レーザビームを横切るときに光検出器の中へ光を効率的に散乱させる。このプロセスの結果生じる小滴は十分に光を散乱させ、レーザビームまたは他の光源の透過または反射(散乱)の変化を測定することによって個々の小滴を計数することを可能にする。それぞれの小滴にはリポタンパク質粒子がただ1つだけ含まれるので、これは、1つ1つのリポタンパク質粒子を間接的に計数する方法となる。
大気に近い気相中での粒子移動度測定によるリポタンパク質粒子の密度測定は、リポタンパク質粒子の粒径分布を迅速に求める新しい方法を提供する。図2を参照すると、主要なリポタンパク質サブフラクションの密度および粒径を含む表が示されている。リポタンパク質粒子の粒径と密度とは非常によく相関するので、一方を他方に換算しなおすのは簡単である。この相関を、測定された粒径と対応する密度とのプロットに示すことができる。これは線による曲線の当てはめである。これが図6に示されており、これについては「J.密度に対する線形性」の項で論じる。したがって、特定の粒径のリポタンパク質粒子移動度測定を、その対応する粒子密度に関係づけることができる。
ヒトの血液から得た一般的な6つのリポタンパク質試料の移動度スペクトルを図5に示す。以前に論じたとおりに調製したそれぞれのリポタンパク質粒子試料溶液を、25mM酢酸アンモニウム溶液を用いて、リポタンパク質粒子の濃度が1011個/mL未満になるように希釈した。この試料を1850ボルトの正電圧を使用して50nL/分の速度でエレクトロスプレーして、形のよい安定なエレクトロスプレーを発生させた。安定なエレクトロスプレーとは、テイラー円錐に目に見えるゆらぎがないことを言う。CO 0.5L/分を乾燥空気1.0L/分と結合して、このエレクトロスプレー小滴を、電荷中和器および微分移動度分析器に通し、凝縮粒子検出器まで運んだ。得られたリポタンパク質粒子スペクトルを図5に示す。これについては後に詳細に説明する。
ゲル電気泳動によって得られるリポタンパク質の粒径と微分移動度分析によって得られる粒径との間にはスカラ差があることを思い出してほしい。その目盛係数によれば0.86×ゲル粒径=イオン移動度粒径であり、図2のリポタンパク質クラスおよびサブクラスに対応するように、図5の移動度粒径を86%だけシフトする。
H.一般的な試料ランの例
次に、生体粒子、具体的にはリポタンパク質のイオン移動度分析の実施に関与するハードウェア構成要素を示す図1を参照する。試料溶液は、ほぼ中性のpHに緩衝された25mM酢酸アンモニウム水溶液を含む。
試料溶液10から50μLを小さなプラスチックびん、好ましくは1.5mLマイクロ遠心管410に導入する。このマイクロ遠心管410は先に説明したとおりに超遠心器420で超遠心処理されていることが好ましいが、免疫吸収(immunoabsorption)、レクチン親和結合などの他の方法を使用して、リポタンパク質の測定をゆがめるLp(a)を除去することができる。試験用マイクロ遠心管450を、加圧室460の中のエレクトロスプレー発生器に取り付ける。加圧室460に約3psigの正圧を加え、試料溶液455を、エレクトロスプレー毛細管100を通して面取りした先端から押し出す。3psigといった小さな差圧では、試料が毛細管を満たし、面取りされた先端から試料455が出るのを検出するまでに数分かかる。毛細管を満たす速度を速める改良された代替法は、加圧室460の圧力を約15psigに高める方法である。この圧力ではわずか約30秒で毛細管が満たされる。エレクトロスプレー毛細管が満たされたら、差圧を3psigに下げ、流量を約50nL/分に戻す。
次いで、高圧可変電源430から正の高電圧を試料455に印加する。次いで、この高電圧を約5,000から約5,100ボルトまで走査する。次いで、高電圧430の走査の間に毛細管100のテイラー円錐150を調べて、エレクトロスプレーが安定する特定の電圧を見つける。安定なエレクトロスプレーが得られるのは、テイラー円錐150がそのままの位置に固定され、毛細管100の軸からまっすぐにのび、先端が鋭く、1本の定常物質流が発射されているときである。テイラー円錐の顕微鏡像は一般に、テーパ付き毛細管100の端の平らな先端に45°の等辺三角形がくっついているように見える。
流量約1.5L/分の乾燥ガス210を使用して、テイラー円錐150から生じた小滴流を、まず最初にα放射線源480を用いて中性状態または単一正電荷状態まで電荷を低減させた後に、接続された管を通して微分移動度分析器200に導入する。15L/分の層状過剰ガス流220を微分移動度分析器200に追加する。追加の乾燥ガス230を導入して、移動度によって選択された粒子を集める。その結果、移動度によって分級された1.5L/分の粒子流240が微分移動度分析器200を出ていき、微分移動度分析器200は、移動度によって選択されたこれらの粒子240を凝縮粒子計数器490に送る。微分移動度分析器200の高圧電源205を走査することによって、移動度に対する計数された1秒ごとの粒子数のデータセットを生み出すことができる。
エレクトロスプレー電流を知ることによって、安定なエレクトロスプレーを追加的に確認することができる。TSIエレクトロスプレーエーロゾル発生器は、エレクトロスプレー高圧電源205によって出力されたエレクトロスプレー電流を表示する電流計を有する。安定なエレクトロスプレーは、分析の間、一般的な総エレクトロスプレー電流300nAから±1nA未満しか電流が変化しない長期安定性を示す。
一般に、毛細管がきれいであることを確認するために、酢酸アンモニウム緩衝液からなる実質上純粋な試料を機器に通す。これを背景スペクトルチェックと呼ぶ。一般的な背景スペクトルは、粒径3〜4nmで7個/mL未満の粒子数を指示する。
TSIモデル3980気相電気泳動移動度巨大分子/ナノパーティクル分析(Gas−phase Electrophoretic−Mobility Macromolecule/nanoparticle Analysis:GEMMA)ユニットとともに供給されるソフトウェアは、オペレータ定義のいくつかの条件を提供する。このデータ記録ソフトウェアでは、粒径デカード(decade)ごとに記録される粒径細区分の数に対するいくつかの選択が可能である。一般に、1デカードあたり64個の粒径細区分が記録される。走査範囲も選択することができる。一般に、一般的なLDL試料に対しては3nmから100nmの走査範囲が走査されるが、IDLおよびカイロミクロンを測定するときには、この範囲が1200nmまで拡張される。走査時間は一般に3分に設定される。イオン移動度スペクトル中のピークの位置は、このメーカのソフトウェアを用いて決定する。コンピュータマウスの移動を使用し、ドラッグ可能な指示子を観察することによってピークの最大値を選択する。
I.冠状動脈性心疾患リスク分析
得られるリポタンパク質粒径分布を分析することによって、リポタンパク質の微分移動度分光法をさらに、冠状動脈性心疾患(CHD)リスクの迅速な判定に使用することができる。
勾配ゲル電気泳動によって以前に特徴づけられたリポタンパク質パターンを有する6人から血漿を採取した。これらの人たちのリポタンパク質粒子を、1.20g/cm未満の密度を有する成分を分離する超遠心法を使用して血漿から分離した。次いで、このリポタンパク質粒子を脱塩し、イオン移動度分光法を用いて分析して粒径分布を求めた。エレクトロスプレー移動度分光法によって得られた6タイプのリポタンパク質パターンを図5に示す。
図5には、微分移動度分析の結果として6つの個々のリポタンパク質粒径スペクトル(510、520、530,540、550および560)が示されている。移動度は、以前に説明したとおりに粒径に変換されている。そうしないと重なり合ってしまうグラフを区別するために、最も低い質量値のトレース560を除く全てのトレースは縦に移動されている。縦に移動された質量値を読み取るためには、そのトレースの最も小さな粒径の質量をゼロまで縦に移動させる。質量を示す縦軸は、相対的に基準化された任意のグラム単位である。
パターンAは、CHDのリスクが相対的に低い人に適用される呼称である。パターンAのリポタンパク質は、LDL粒子が、冠状動脈性心疾患のリスクが相対的に高い人、すなわちパターンBの人から得られたLDL粒子よりも大きいのが特徴である(粒径中央値で約22.5nm対約20.8nm)。さらに、パターンAのリポタンパク質は、HDL粒子の集団が一般にいくつかのサブタイプを示すことを特徴とする。これらのサブタイプは、パターンAスペクトルのHDL領域(約7〜13nm)のいくつかのピークに現れている。約8.9nmのところの縦線は、パターンA、パターンBおよび中間パターンABを有する患者の主要なHDLピークを指示している。パターンAスペクトルは、約11nmの第2のHDLピークを観察することによって容易に識別される。これらの特徴に留意すると、トレース510、520および530は、低リスクのA型パターンである。パターンBの人の粒子のLDL集団のピークは、パターンAの人のLDL粒子よりも数ナノメートル小さい位置にある。パターンAからパターンBへのシフトは、約20.8nm(破線)および約22.5nm(実線)のLDLピークの上に引かれた2本の縦線によっておおよそ表されている。トレース550および560に示されたパターンBの人のHDL粒子は一般に異質性が相対的に低く、この図でも、パターンBのHDLピークは予想どおり1つの鋭い主要なピークしか示していない。このようにイオン移動度測定は勾配ゲル測定と一致し、CHDを評価する代替の測定方法となる。
図5をさらに参照する。トレース540は、中間のAB型パターンを有する患者を表す。このトレース540は、A型の一般的な22.5nmのピークとB型の一般的な20.8nmのピークの中間に位置するLDLピークを示す。さらにトレース540では、HDLのピークが1つしかない。これは相対的に高リスクのB型パターンの特徴である。
イオン移動度分光法は定量法であり、この方法を使用して、それぞれのリポタンパク質クラスおよび/またはサブクラスのリポタンパク質粒子の総量を直接に測定することができる。この独立変数(粒径、密度、移動度など)に対する粒子質量分布の曲線の下の面積はリポタンパク質粒子の質量を直接に表す。この測定技法は、個々の粒子を粒径(直径)の関数として計数することに依存する。したがって、粒子の体積および密度を使用して特定の粒径の粒子の数を質量値に変換することができる。リポタンパク質粒子の密度は、粒径の周知の関数であり、文献から得ることができる。この図に関連づけられた質量値は、相対値を指示するために単純な形に基準化されているが、希釈係数、ならびにイオン移動度分光計を通過する試料および空気の流量を使用して、血漿中のリポタンパク質の実際の質量に変換することもできる。
図5のスペクトルはさらに、VLDL粒径クラスに含まれるリポタンパク質粒子の存在を示している。この粒子の存在は、粒径約30nmから上のスペクトルの小さな隆起によって指示されている。この図のプロットの下側の陰影のついた部分の面積は粒子質量に比例しており、この面積を使用して、30nmから40nmまたは35nmから40nm、あるいは他のビンサイズの選択など、選択された任意の粒子区間の粒子の質量を評価することができる。
J.密度に対する線形性
どのようにしてイオン移動度分析を実施できるかを示す他の例を図6のデータを用いて示す。リポタンパク質粒子を、NaCl/DO中での非平衡超遠心法を用いて分画した。1.0から1.08g/cmの範囲の粒子を、複数の液体フラクションとして超遠心管から取り出した。粒子が超遠心器管内の平衡浮選位置に達する前に超遠心ステップは終了したので、それぞれのフラクションとともに取り出されたリポタンパク質粒子の密度は、その粒子の真の密度の推定値だが合理的な推定値であり、推定密度として表示した。図6は、それぞれのフラクションの溶液密度に対するリポタンパク質粒子の粒径のプロットであり、粒径と密度との間の予想される逆線形関係を明らかにしている。図6の縦軸は、イオン移動度分析によって測定した粒径(nm)、横軸は、非平衡超遠心法によって得た推定粒子密度(g/cm)である。
図6の粒径は、イオン移動度分析を使用して測定されたものである。この結果は、粒径と粒子密度との間に予想どおりに逆線形相関関係があることを指示している。この逆線形相関関係と必ずしも一致しないデータ点は、データ試料を得るのに使用した非平衡浮選法に起因する。
K.リポタンパク質質量測定の線形性
この検出方法の線形性を、特定のLDL粒子セットの一連の希釈を分析することによって確認した。このLDL粒子は、ゲルろ過によって他のクラスのリポタンパク質粒子から分離した。このLDL粒子の出発濃度を、溶液のアポリポタンパク質Bの濃度を測定することによって求めた。それぞれのLDL粒子にはアポリポタンパク質B分子が1つずつ存在する。アポリポタンパク質Bの濃度を使用することによって、試料中のLDL粒子の数を計算することができる。この特定の試料を順番に希釈し、それぞれの希釈物中の粒子の数(「IMSピーク高さ、個/cm」軸)を微分移動度分光測定によって求め、それぞれの希釈物の計算アポリポタンパク質B濃度(「粒子、個/mL」軸)に対してプロットした。このTSI社製機器と一緒に供給される商業ソフトウェアで使用可能な1つのオプションは、微分移動度分析器を通過する空気1cm当たりの検出粒子数をプロットする。図7には、イオン移動度ピーク高さが、アポリポタンパク質Bの測定から求めたLDL粒子の個数濃度に対してプロットされている。このプロット(図7)は、この測定が、1012粒子/mLから1014粒子/mLまでの3桁を超える範囲にわたって線形であることを示している。さらなる詳細として、図7のはめ込みグラフは、8×1012粒子/mLまでの範囲を示している。図7は、リポタンパク質サブクラスの濃度の変動は、1000:1すなわち0.1%の範囲で正確に測定されることを示唆している。
L.リポタンパク質分析の線形独立性
微分移動度分析は、さまざまなリポタンパク質クラスおよびサブクラスにわたって非常に線形独立であるように見える。この線形独立性を、図8〜23に示すように検証した。これらの図では、1つのヒト血液試料を16個の異なる平均密度に分画した。使用した方法は非平衡超遠心法である。このタイプの分画の1つの副産物は、平均密度を中心とした密度分布が常に存在することである。ここでは生体粒子を取り扱っているので、特定の平均密度を有するフラクションの中に幅の広い範囲の粒径が含まれる。それぞれのリポタンパク質粒子サブクラスを表す密度フラクションを選択することを試みた。
図8〜23に、さまざまなヒトリポタンパク質クラスおよびサブクラスにまたがるある範囲の選択平均密度の、ヒトのリポタンパク質の16個のフラクションの微分移動度分析走査を示す。リポタンパク質粒子はヒトの血漿から上記のとおりに調製し、超遠心法にかけた。超遠心管の中の密度勾配はDOに溶解したNaClを用いて調製した。勾配組成の選択は、約1.000g/cm(図8)から約1.090g/cm(図23)までの範囲の平均密度を有するリポタンパク質粒子を、血漿中の他の物質から分離する方法を提供した。参照のため、ゲル電気泳動勾配8を使用して、約1.000g/cm(図8)から約1.062g/cm(図19と図20の間に入る)の範囲の平均密度を分離する。この密度勾配は、超遠心管の長手方向に沿ってリポタンパク質粒子を分布させる。HDLなどのより高い密度を有するリポタンパク質は、タンパク質分子がするように超遠心管の下部へ移動する。VLDLなどのより低い密度のリポタンパク質は超遠心プロセスの間に管の上部に移動する。
得られた超遠心管の中の液体を16のフラクションに分配し、続いて、10,000分子量カットオフ透析膜を使用して25mM酢酸アンモニウムに対して3時間、透析した。
次いで、それぞれのフラクションのリポタンパク質粒子の粒径分布を、イオン移動度スペクトル分析を使用して求めた。これらの粒径分布を図8〜23に示す。これらの粒径分布は、以下に指示するリポタンパク質クラスおよびサブクラスに対応する密度を有する:VLDL I(図8〜10)およびII(図11)、IDL I(図12)およびII(図13)、LDL I(図14)、IIa(図15)、IIb(図16)、IIIa(図17)およびIVa(図18および19)、ならびにHDL IIa(図20〜23)。フラクションの元々の検査室試料ラベルはそれぞれ、1a、1b、2a、2b、3〜10、11a、11b、12aおよび12bとなっているので、図8〜23のフラクション、およびそれらのその後の密度分析は、いくぶん混乱する。その結果、試料ラベルはリポタンパク質サブクラスと似た点もある。このフラクションの選択には、リポタンパク質サブクラスIIIbを示さなかったが、図8〜23の補足に基づけば、IIIbの分布も同様に、図2に指示されている1.041から1.044g/cmの範囲に含まれるピークを有するはずである。それぞれの粒径分布は、粒径に対する質量としてプロットされている。それぞれの図では、質量値が、それぞれの指示された粒径の粒子の1mあたりの質量を示す。ただしmは、微分移動度分析器に入るリポタンパク質を含んだガスの体積を基準とする。DMAは選択起電力分級を使用しているため、単一正電荷粒子だけが測定されるが、所与の粒径区間の荷電粒子のフラクションに対してμg/m数は補正される。このレートは、試料溶液をエレクトロスプレーする速度も、DMAに向かって粒子を運ぶフローガスの流量も考慮していない。この質量値は、ガス流量、エレクトロスプレーした試料の流量、粒子の転送効率および液体希釈係数の情報を使用することによって、原試料血漿中に存在するリポタンパク質粒子の質量に変換することができる。
図9〜18、20、21および23は、約1.003〜1.090g/cmの範囲のリポタンパク質密度について、この特定のヒト試料では、超遠心法を経たそれぞれの密度試料が、質量対粒径グラフに1つの主要なピークを生じることを指示している。
図8、19および22では、双峰およびピークの広幅化が見られる。これらの幅広いリポタンパク質分布および双峰のリポタンパク質分布が何を表しているのかは今のところ分からない。この双峰は、先に論じた試料調製法のアーチファクトである可能性がある。すなわち、使用した試料調製技法が、集塊した生体粒子の一部を破壊し、その結果、より小さな粒径の断片を生じるだけの十分に破壊的な技法である可能性がある。これが事実ならば、試料調製方法を修正することによって、これらの試料を、比較的にきれいな単一ピークの粒径スペクトルに分割することができよう。
この双峰および広幅化は、この特定の実験のサブフラクションの生成に使用した非平衡超遠心法に起因するアーチファクトである可能性もある。この問題は追加実験によって解決される。
さらに、非平衡超遠心法の結果、図8〜23で求められた密度は非定常状態密度である。そのため、これらの図8〜23の密度は全ておおよその密度である。
M.リポタンパク質サブクラスの線形重ね合わせ
原則として、これらのサブクラスに表現されたリポタンパク質に関しては、それぞれのリポタンパク質サブクラスの線形重ね合わせによって、血漿試料全体を数学的に表現することができる。最終的にたとえ複数のピークが残っても、最小2乗法、特異値分解などの従来の数値的データ相関方法を使用して、試料全体のそれぞれのリポタンパク質サブクラスの量を求めることができる。したがって、1回の微分移動度スペクトル走査で、血漿試料中のそれぞれのリポタンパク質サブクラスの量を決定することができる。これが決定されれば、それぞれのリポタンパク質の量およびタイプも分かるであろう。結果として得られるサブクラス情報を、集団死亡率および危険因子と統計学的に相関させることによって、冠状動脈性心疾患リスクのより正確な評価が得られると考えられる。具体的には、複峰対単峰HDL分布、およびLDL分布のピークリポタンパク質粒径のこの既知の特徴を、100%A型パターン(低リスク)から100%B型パターン(高リスク)までの危険因子に容易に変換することができる。
N.結語
本明細書で言及した全ての文献、特許および特許出願は、それぞれを特に個別に本明細書に組み込むと指示したのと同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書の説明および本発明を実施する最良の形態は、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの変更、代替構造および等価物を使用することができる。
生体粒子のイオン移動度分析のハードウェアおよび分析シーケンスの概要を示す図である。 ゲル電気泳動の結果から報告された主要なリポタンパク質クラス、サブクラス、密度および粒径を示す表である。 安定なテイラー円錐を有し、適正に動作している軸対称エレクトロスプレー毛細管の拡大断面図である。 中心線で切った軸対称微分移動度分析器の断面図である。 走査型微分移動度分析器の出力である、6人から得たリポタンパク質の粒径分布を示す図である。ただし質量はずれている。 リポタンパク質の粒径とリポタンパク質試料の推定密度との間のおおよその逆線形関係を指示するグラフである。 リポタンパク質粒子計数と対応するリポタンパク質試料の粒子計数との間のおおよその線形関係を指示するグラフである。 VLDL Iに対応する平均密度約1.000g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 VLDL Iに対応する平均密度約1.003g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 VLDL Iに対応する平均密度約1.005g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 VLDL IIに対応する平均密度約1.0075g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 IDL Iに対応する平均密度約1.0105g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 IDL IIに対応する平均密度約1.0161g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL Iに対応する平均密度約1.0217g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL IIaに対応する平均密度約1.0273g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL IIbに対応する平均密度約1.0330g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL IIIaに対応する平均密度約1.0386g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL IVaに対応する平均密度約1.0442g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 LDL IVaに対応する平均密度約1.0498g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 HDL IIbに対応する平均密度約1.0692g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 HDL IIbに対応する平均密度約1.0767g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 HDL IIbに対応する平均密度約1.0844g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。 HDL IIbに対応する平均密度約1.090g/cmのリポタンパク質試料の微分移動度スペクトル走査を示す図である。

Claims (40)

  1. (a)リポタンパク質粒子を含む生理的試料を得るステップと、
    (b)前記リポタンパク質粒子を濃縮するステップと、
    (c)前記リポタンパク質粒子を荷電状態でスプレーするステップと、
    (d)前記リポタンパク質粒子の荷電状態を均一な単一の電荷まで低減させるステップと、
    (e)電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子を微分移動度分析器に供給し、それによって電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子を粒径に基づいて分離するステップと、
    (f)前記リポタンパク質粒子を分析して、前記リポタンパク質粒子の粒径分布を形成するステップと、
    (g)前記リポタンパク質粒子の前記粒径分布を基準粒径分布と比較するステップと
    を含む、リポタンパク質粒子の粒径分布を分析するための方法。
  2. リポタンパク質粒子の前記粒径分布を分析して、VLDL、IDL、LDL、HDLおよびカイロミクロンならびにこれらのサブクラスを区別するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記微分移動度分析器の選択電圧を走査して、電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子がさまざまな大きさの静電気力を受けるようにし、それによってさまざまな粒径のリポタンパク質粒子をサンプリングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 粒径分布を分析する前記ステップが、約1.7nmから約120nmの粒径範囲にわたる、粒径に対するリポタンパク質粒子の数を示す表示をコンピュータ可読媒体に出力するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 検出器を通過する1秒ごとの所与の粒径のリポタンパク質粒子の数を計数するための方法であって、
    (a)希釈されたリポタンパク質を含む生体試料を、粒径選択可能微分移動度分析器中へエレクトロスプレーするステップと、
    (b)単一の電荷を有するリポタンパク質粒子イオンを形成するステップと、
    (c)選択可能微分移動度分析器の少なくとも1つの特定の選択粒径sに含まれる、定義されたサンプリング時間dtの間の電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンのおおよその数dnを計数し、約
    Figure 0004705754
    の粒径計数率出力を得るステップと
    を含む方法。
  6. 定義された前記サンプリング時間の間に計数された、粒径に対する、電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンの表示を、コンピュータ可読媒体に出力するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記出力を、密度ρに対する、定義された前記サンプリング時間の間に計数された、電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンの数の、下記で表されるヒストグラム
    Figure 0004705754
    に変換する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記希釈されたリポタンパク質試料が、1エレクトロスプレー小滴あたり1リポタンパク質粒子の希釈度となるように希釈されており、前記エレクトロスプレー小滴が、脱溶媒和後に、実質上個別のリポタンパク質粒子を生じる、請求項に記載の方法。
  9. 前記希釈された生体試料が、酢酸アンモニウム水溶液によって希釈されている、請求項に記載の方法。
  10. 冠状動脈性心疾患リスクを評価するために、電荷を帯びたリポタンパク質粒子の出力ヒストグラムを得る方法であって、
    (a)血球全体、非リポタンパク質タンパク質およびLp(a)を生体試料から除去し、これによって血漿試料を形成するステップと、
    (b)前記血漿試料に1種または数種の希釈剤を加え、これによって希釈試料を形成するステップと、
    (c)前記希釈試料をエレクトロスプレーするステップと、
    (d)エレクトロスプレーした前記試料を均一な単一の電荷まで低減させるステップと、
    (e)電荷を均一に帯びた前記希釈試料を揮発室へ通して、前記希釈剤を蒸発させ、均一な単一の電荷を有する個々の電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンを形成するステップと、
    (f)電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子イオンを粒径選択可能微分移動度分析器の中へ輸送するステップと、
    (g)前記選択可能微分移動度分析器のそれぞれの粒径選択sの定義されたサンプリング時間dtの間の電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンの数dn を計数し、下記粒径出力
    Figure 0004705754
    を得るステップと、
    (h)粒径選択を、220から285オングストロームの範囲を含む粒径選択範囲にわたって走査して、粒径に対する、定義された前記サンプリング時間の間に計数された、電荷を帯びたリポタンパク質粒子の出力ヒストグラムを得るステップと
    を含む方法。
  11. 前記サンプリング時間が一定に保たれ、その結果、粒径に対する、電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンの出力ヒストグラムn が得られる、請求項10に記載の方法。
  12. 冠状動脈性心疾患リスクを評価するために、電荷を帯びたリポタンパク質粒子の出力ヒストグラムを得る方法であって、
    (a)アルブミンおよび血球全体を全血試料から除去し、これによって血漿試料を形成するステップと、
    (b)1種または数種の希釈剤を用いて前記血漿試料を希釈して、希釈試料を形成するステップと、
    (c)前記希釈試料をエレクトロスプレーして、エレクトロスプレー小滴を形成するステップと、
    (d)前記エレクトロスプレー小滴にα放射線源を照射し、これによって電荷を中和し、または1つ以下の正電荷を残すステップと、
    (e)照射された前記エレクトロスプレー小滴を揮発室へ通して、前記希釈剤を蒸発させ、実質上、前記血漿試料に由来するリポタンパク質粒子からなる、電荷を帯びたリポタンパク質粒子イオンを形成するステップと、
    (f)電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子イオンを粒径選択可能微分移動度分析器の中へ輸送するステップと、
    (g)前記粒径選択可能微分移動度分析器のそれぞれの粒径選択sの定義されたサンプリング時間dtの間の電荷を帯びた前記生体粒子イオンの数dn を計数し、下記粒径出力
    Figure 0004705754
    を得るステップと、
    (h)前記粒径出力を約
    Figure 0004705754
    の密度出力に変換するステップと、
    (i)前記粒径選択をある粒径選択範囲にわたって走査して、密度ρに対する、定義された前記サンプリング時間の間に計数された所与の密度の電荷を帯びたリポタンパク質粒子の出力ヒストグラムを得るステップと
    を含む方法。
  13. 生体試料から抽出したリポタンパク質粒子の粒径分布を決定するための装置であって、
    (a)複数のリポタンパク質試料を所定の順序で供給する試料供給手段と、
    (b)前記リポタンパク質試料をメチル誘導体化された毛細管を通してスプレーし、前記試料を、均一の電荷のスプレー粒子に変換するエーロゾル発生器と、
    (c)出口を有する粒子移動度分析器であって、電圧が印加され、それによって電荷を帯びた前記粒子がその粒子の移動度の関数として前記微分移動度分析器を出るところの粒子移動度分析器と、
    (d)前記粒子移動度分析器を出る粒子を計数する粒子計数器と、
    (e)粒径分布を生成し、この分布を、心臓疾患リスクに応じて識別された人に見られる既知のリポタンパク質粒子分布と比較して、前記リポタンパク質試料のリスク評価を得るコンピュータ化された手段と、
    (f)前記リスク評価を含む、この装置に関連づけられたコンピュータ可読媒体と
    を備えた装置
  14. 前記エーロゾル発生器が、リポタンパク質粒子を、2nmから120nmの粒径分布でスプレーするのに適している、請求項13に記載の装置。
  15. 前記粒子計数器が凝縮計数器である、請求項13に記載の装置。
  16. 前記粒子計数器が飛行時間計数器である、請求項13に記載の装置。
  17. 前記エーロゾル発生器が、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)およびカイロミクロンからなるグループから選択されたエーロゾル粒子をスプレーするのに適している、請求項13に記載の装置。
  18. リポタンパク質粒子を含む試料の粒径分布を決定するための方法であって、
    (a)前記試料を調製して、非リポタンパク質汚染物質を除去するステップと、
    (b)前記試料をエレクトロスプレー装置に導入し、これによって1小滴につき1つのリポタンパク質粒子を生成するステップと、
    (c)実質上、複数の前記小滴からなるエーロゾルを形成するステップと、
    (d)前記エーロゾルを走査微分移動度分析器に導入し、それによって、帯電した小滴を、空気中でのその移動度に従って分離するステップと、
    (e)前記微分移動度分析器を出た前記粒子を計数するステップと、
    (f)計数された粒子からのデータを取得して、前記試料中の前記リポタンパク質粒子の粒径分布を生み出すステップであって、前記分布が19〜25nmの範囲を含むところのステップと
    を含む方法
  19. 前記試料がヒトの血液または血液成分である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記試料が実質上、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)およびカイロミクロンからなるグループからの粒子からなる、請求項18に記載の方法。
  21. リポタンパク質粒子の粒径分布を分析するための方法であって、
    (a)濃縮されたリポタンパク質粒子を含む試料を得るステップと、
    (b)前記生体粒子を、均一に電荷を帯びた状態でスプレーするステップと、
    (c)電荷を帯びた前記粒子を微分移動度分析器に供給し、それによって粒子を粒径に基づいて分離するステップと、
    (d)72オングストロームから285オングストロームまでを含む範囲にわたって電荷を帯びた前記粒子の前記粒径分布を分析し、これによってLDLおよびHDL粒子を網羅するステップと、
    (e)前記リポタンパク質粒子の前記粒径分布を表するデータをコンピュータ可読媒体に記憶するステップと
    を含む方法。
  22. 前記コンピュータ可読媒体に記憶された前記データを分析して、前記粒径分布を、VLDL、IDL、LDLおよびHDLからなるグループから選択された少なくとも1つのクラスおよびそのサブクラスに分離するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 粒径分布の前記クラスがLDLおよびその少なくとも1つのサブクラスである、請求項22に記載の方法。
  24. 患者試料中のリポタンパク質粒子の粒径分布を決定するための方法であって、
    (a)複数の前記リポタンパク質粒子と希釈剤とからなる混合物を、帯電した状態でスプレーするステップと、
    (b)前記混合物の前記希釈剤を乾燥させるステップであって、それによって乾燥した前記混合物が実質上前記リポタンパク質粒子だけを含むところのステップと、
    (c)前記リポタンパク質粒子の前記荷電状態を、主に中性または単一正電荷の荷電状態にまで低減させるステップと、
    (d)電荷が低減された前記リポタンパク質粒子を微分移動度分析器(DMA)に供給し、それによって電荷が低減された前記リポタンパク質粒子を移動度に基づいて分級するステップと、
    (e)移動度によって分級された電荷が低減された前記リポタンパク質粒子を検出するステップと、
    (f)前記DMAの前記移動度分級を走査して、前記患者のリポタンパク質粒子の粒径分布を生み出すステップと
    を含む方法。
  25. 前記粒径分布が、粒子移動度、粒径、粒子密度、粒子質量、粒径区間内の粒子数および粒径区間内の粒子質量からなるグループから選択された少なくとも1つの測定値を含む、請求項24に記載の方法。
  26. (a)前記患者からのリポタンパク質粒子の前記粒径分布を、心臓血管疾患または状態、あるいは前記心臓血管疾患または状態を発達させる素因と相関させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. (a)リポタンパク質粒子をエレクトロスプレーして、前記リポタンパク質粒子を電荷を帯びた状態にするステップと、
    (b)前記リポタンパク質粒子を微分移動度分析器に供給するステップと、
    (c)前記微分移動度分析器によって、前記リポタンパク質粒子を粒径に基づいて分離するステップと、
    (d)分離された前記リポタンパク質粒子の粒径分布を決定するステップと
    を含む、リポタンパク質粒子の粒径分布を決定するための方法。
  28. 前記粒径分布を基準粒径分布と比較するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記リポタンパク質粒子を微分移動度分析器に供給するステップに先立って、前記リポタンパク質粒子を含む試料を処理して、非リポタンパク質成分を除去することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  30. 前記粒径分布を少なくとも1つのリポタンパク質クラスにおいて分析するステップをさらに含み、前記クラスは、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタンパク質(HDL)からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  31. 粒子移動度、粒径、粒子密度、粒子質量、粒径区間内の粒子数、または、粒径区間内の粒子質量を測定するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  32. (a)既に得られ、濃縮されたリポタンパク質粒子を含む試料を準備するステップと、
    (b)電荷を帯びたリポタンパク質粒子を生成するのに適した条件で、前記サンプルをスプレーするステップと、
    (c)電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子を微分移動度分析器に供給し、それによって粒子を粒径に基づいて分離するステップと、
    (d)電荷を帯びた前記粒子の粒径分布を、低密度リポタンパク質(LDL)の粒子の粒径分布の少なくとも一部を含む範囲にわたって分析するステップと
    を含む、リポタンパク質粒子の粒径分布を分析するための方法。
  33. 微分移動度分析器に供給される、電荷を帯びた前記リポタンパク質粒子は、均一な電荷を有していることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  34. 低密度リポタンパク質(LDL)の粒子の粒径分布の少なくとも一部を含む、粒径分布の前記範囲は、72オングストロームから285オングストロームまでを含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  35. 前記分析の結果を、コンピュータ可読媒体に記憶することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  36. 前記試料がヒトの血液または血液成分であることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  37. 前記リポタンパク質粒子が、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、および、カイロミクロンリポタンパク質からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  38. 生体試料中におけるリポタンパク質粒子の粒径分布を決定するための装置であって、
    (a)前記試料をスプレーして、電荷を帯びたリポタンパク質を生成するエーロゾル発生器と、
    (b)出口を有する粒子移動度分析器であって、電圧が印加され、それによって電荷を帯びた前記粒子がその粒子の移動度の関数として前記微分移動度分析器を出るところの粒子移動度分析器と、
    (c)前記粒子移動度分析器を出る粒子を計数する粒子計数器と、
    (e)粒子の粒径分布を生成するためのコンピュータ化された手段と
    を備えた装置
  39. 前記粒子計数器が凝縮計数器である、請求項38に記載の装置
  40. 前記粒子計数器が飛行時間計数器である、請求項38に記載の装置
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