JP4705296B2 - 無線チャネルを介する無線信号の受信方法 - Google Patents

無線チャネルを介する無線信号の受信方法 Download PDF

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Description

【0001】
従来の技術
本発明は、独立請求項の上位概念による、無線チャネルを介した無線信号の受信方法に関する。
フレームに分割された無線信号において時間同期を受信器で実行することは公知である。ここではとりわけDAB(Digital Audio Broadcasting)の場合に受信器で電圧制御発振器が受信器でのクロック周波数の形成のために使用される。電圧制御発振器のクロック周波数が送信器で使用されたクロック周波数と異なっていると、エラーが時間同期の際に発生し、このエラーでは実際のフレーム開始が周波数エラーのため受信器により取られたフレーム開始からますます離れてしまう。このことは、電圧制御発振器の周波数をこの発振器の電圧を変化することによって追従制御される。
EP−A2872304には、受信器と放送局との間の時間差を検出する同期が開示されている。これは、受信時間と検知時間との差に基づくものである。さらに偏差の平均値が形成される。この偏差に依存して補正信号が形成される。
発明の利点
例えばトンネル通過による受信中断の際に時間同期が失われることがない。これにより無線受信器のユーザは受信の中断後に品質低下を経験することがない。
先行のエラー値から尺度が計算され、時間同期の補正が受信中断中に検出される。これにより先行する偏差が時間同期の際に、受信中断の際の偏差の予測に利用される。
TFPRシンボルによって計算される非常に大きなエラー値を棄却すると有利である。とりわけ例えばDABのような同時放送網の場合に短時間の放送局切り替えにより惹起されるエラー値がこのことにより除去される。これにより大きく偏差する値が平均値形成から除外される。
従属請求項に記載された手段によって独立請求項記載の無線チャネルを介する無線信号の受信方法が有利に改善される。
特に有利には本発明の方法により受信器で固定周波数発振器を使用することができ、この固定周波数発振器は非常に安価であり、無線受信器の構造が格段に簡素化される。
【0002】
さらにDABの受信の際にTFPR(Time Frequency Phase Reference)シンボルを使用し、時間同期を受信器で生成すると有利である。このために有利にはTFPRシンボルによって無線チャネルのパルス応答を計算し、伝搬時間に起因する時間同期の偏差を計算すると有利である。
【0003】
本発明の有利な改善形態では、先行するエラー値に対して計算される尺度として、このエラー値の平均値が計算される。これによりエラー値の短時間の偏差は、受信欠落の際の時間同期の補正に対して何ら重大な影響を及ぼさない。
さらに順次連続するエラー値の比較によって受信器で、エラー値が発生する際にトレンドが存在するか否かを識別し、このトレンドに基づいて将来の偏差を予測可能にすると有利である。このことにより時間同期の適合制御が受信欠落の際に達成される。
さらに送信局変化の発生を同時放送網の場合に識別すると有利である。これにより有利には、受信に使用される放送局に対して計算されたエラー値だけが平均値形成に利用される。
図面
本発明の実施例が図面に示されており、以下詳細に説明する。
図1は、時間同期のための方法を示す。
図2は、DABフレームを示す。
図3は、2つのパルス応答を示す。
図4は、受信欠落の際の適合時間同期のための方法を示す。
実施例の説明
フレーム伝送される無線信号を時間同期する際、例えばDABの場合のような放送伝送方式では、受信器でフレーム開始に同期される。このフレーム開始への同期が必要であり、これによりフレーム開始時に伝送される情報を受信器により読み出すことができ、従ってフレームをデコードすることができる。とりわけDABの場合は、フレーム開始部の情報が、このフレーム内で伝送される他のデータについてのデータも含んでいる。受信器が放送局と比較してフレームを処理するのに別の周波数を有している場合には、同期がフレーム開始部からずれ、そのため受信器が情報をフレーム内で正しく処理できなくなることがある。したがって特に、クロック周波数を受信器で追従制御できない場合には、時間同期の制御が必要である。
このポインタは例えばプロセッサにより受信器でセットされる。エラーが同期の際に存在すると、このポインタが瞬時に処理すべきフレームの開始部を指示しなくなる。この場合このポインタをエラー値に相応してずらさなければならない。これによりポインタは再びフレームの開始部を指示する。従ってこのエラー値は時間同期の際の時間エラーを表す。
DABは大きなバンド幅を有するマルチ周波数伝送方式である。このデジタル地上放送システムでは、直交周波数マルチプレクス変調方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex = OFDM)が使用される。OFDMは、伝送すべき信号を複数の搬送波に分割する変調方式であり、サブ搬送波に分割された信号が相互に妨害を与えない。この特性は直交により説明される。
DABの伝送モードIIでは、24msの長さのフレームが存在する。サンプリング周波数は2.048MHzであり、フレームに対して49152のサンプリング値が生じる。放送局と受信器との間のサンプリング周波数に0.005%の周波数差が存在すると、24msフレーム当たりに約2.46サンプリング期間のクロックドリフトが発生する。従って受信器は正しく時間同期するために、各24msフレームの場合はフレーム開始部へのポインタを2.46サンプリング値だけずらさなければならない。例えばトンネルの通過により受信が比較的長く中断された場合、正しい時間同期は新たな受信の際に最初は不可能である。本発明の方法はこの場合に必要な新たな同期を回避する。
DABの他に、例えばDVB(Digital Video Broadcasting)およびDRM(Digital Radio Mondial)のような他の放送伝送方式もフレーム構造を有する。ここでこの放送伝送方式は変調方式OFDMを有する。この方式はDABとは、1つにはフレーム構造の形成の点で異なり、2つには送信周波数領域と伝送速度の点で異なる。DVBおよびDRMでは、クロック信号がパルス応答の検出と、ひいては時間同期のために使用される。
発振器、すなわち1つの周波数だけの振動を形成する回路は、固定周波数発振器と称される。これに対して電圧制御発振器は、印加される電圧を変化することによって可変の周波数での振動する。固定周波数発振器はその構造が簡単であるため安価であり、簡単に製造できる。
図1には時間同期のための方法が示されている。この方法はここではDAB受信器で実行され、この方法はDAB受信器のプロセッサ上で実行されるソフトウエアによって制御される。
方法ステップ1で方法が開始される。方法ステップ2で、瞬時にDAB放送信号が受信されているか否かが検査される。このことは、信号出力を監視することにより検出される。信号出力が所定の既知を越えて識別されれば、DAB方法信号が存在しており、それ以外の場合は存在しない。
DAB放送信号が受信されていると、方法ステップ3で、受信されるフレームに存在する位相基準シンボルが受信器に記憶されている位相基準シンボルと比較される。この比較は、無線信号のパルス応答を検出するために行われる。
図2には、DABモード1に対するDABフレームが示されている。DABフレームはここでは96msの幅を有する。DABフレーム内ではまず同期チャネル11が伝送される。この同期チャネルにはゼロシンボル9と位相基準シンボル10が存在する。次に高速情報チャネル12で、メインサービスチャネル13のどこで、プログラムおよびデータに配属されたデータを見つけることができるか、どのようにそれぞれのチャネルコーディングが見えるかという情報が伝送される。メインサービスチャネル13は残りの72OFDMシンボルにより伝送される。メインサービスチャネル13は本来の有効データ、例えばオーディオ信号および付加データを含んでいる。
DABフレームからの位相基準シンボルによって、無線チャネルのパルス応答が検出される。位相基準シンボルは各フレームごとに、すなわち96msごとに伝送される。このクロックを以下、フレームクロックと称する。パルス応答は、まず周波数に依存する伝送関数H(f)が検出されるように計算される。H(f)は、受信チャネルを複素共役送信信号と乗算することによって検出される。複素共役信号として、直交位相基準シンボルが使用され、共役される。時間領域に逆変換することによって、伝送関数H(f)からパルス応答h(t)が得られる。伝送関数H(f)を検出する前に、位相基準シンボルが時間領域から周波数領域への変換によって変換される。
図3には、無線チャネルの2つのパルス応答が示されている。無線チャネルの、瞬時に計算されたパルス応答21のピーク値は基準としての別のパルス応答20と比較され、ここでこの基準からの偏差が時間同期に対するエラー値を表す。
この基準は、パルス応答にピーク値が発生する場合には、パルス応答の計算に使用された時間値の中央にある。従って高速フーリエ変換(=FFT)によって時間信号が周波数領域へ移行される。ここでは時間窓がFFTに対して使用される。この時間窓は、時間領域から周波数領域へ変換される値上に置かれる。これにより伝送関数とパルス応答を検出するための値が設定される。逆高速フーリエ変換によって伝送関数が周波数領域から時間領域へ移行される。
受信器が正しく同期されると、FFTに対する時間窓が位相基準シンボル上に直接来るようになり、これによりパルス応答のピーク値が時間窓の中央に発生するようになる。受信器が正しく同期されないと、パルス応答のピーク値も相応にずれ、これにより時間同期に対するエラー値が計算される。
複数のピーク値がパルス応答に存在する場合には、これらピーク値をすべてFFTの時間窓内に有し、例えばパルス応答内での最大エネルギーの時間を計算し、パルス応答の時間的中央からの偏差を検出し、これによりエラー値を時間同期の際に検出するということが当てはまる。FFT窓の位置を設定するための方法は、時間窓の縁部からのピーク値の間隔を最大にするというストラテジーである。
方法ステップ4では100フレームに対するエラー値の平均値が計算される。このために最後の100フレームのエラー値が加算され、100により割り算される。それより多いフレーム数または少ないフレーム数も、必要である場合または受信器でのメモリスペースリソースによって可能であるなら平均値形成に使用することができる。
方法ステップ5では、平均値が記憶される。方法ステップ6では、時間同期がDAB受信器でエラー値だけ補正される。このエラー値は瞬時のフレームに対して検出されたエラー値である。このために、エラー値分だけ誤ってフレーム開始部を指示するポインタが正しいフレーム開始部にセットされる。方法ステップ6では、受信器で瞬時のフレームに含まれるデータが処理される。従ってDABではここでデコーディングが行われる。
例えばトンネル通過時でDAB放送信号が受信されていなければ、方法ステップ8で、フレーム開始部を指示するポインタおよびひいては時間同期が、最後に記憶された平均値だけ補正される。ここで平均値は正または負であって良い。なぜならエラー同期は両方の方向で存在するからである。なぜなら受信器の発振器による周波数は放送局の周波数と比較して高いことも低いこともあるからである。
DABでは同時放送網が存在する。すなわち放送局は所定の周波数で駆動される。従って1つの放送局の信号を受信できないが、他の放送局の信号はまだ受信できるという放送局切り替えの際には非常に大きなエラー値が時間同期に発生する。この切り替えが短時間のものであれば、受信器はこのエラー値を棄却し、エラー値の平均値が歪まないようにする。しかし受信器はエラー値を同時に棄却するわけではない。なぜならこれは放送局の持続的切り替えを表すことができるからである。従って受信器はエラー値が所定数に達するまで別のエラー値を検出する。次に受信器は平均値を検出し、エラー値がこの平均値から大きく偏差しているか否かをエラー値について調査する。このために所定の閾値が受信器に記憶されている。エラー値はこの閾値と比較され、エラー値がこれを越える場合には、このエラー値が棄却される。
しかし放送局切り替えに時間がかかる場合、受信器は、もはや受信に使用されなくなった第1の放送局に対して生じたエラー値を棄却し、エラー値の平均値を現在使用されている放送局に対してだけ形成する。このために受信器は2つの平均値を形成する。1つは平均値から大きく異なるエラー値より前のエラー値に対する平均値であり、もう1つは大きく偏差するエラー値に続くエラー値に対する平均値である。2つの平均値の差が所定の閾値以下であれば、持続的放送局切り替えは存在していない。しかし越える場合には持続的放送局切り替えが存在する。
その他にDABでは同時放送網が駆動されず、領域が1つの放送局によりカバーされると言うことも考えられる。
図4には、受信欠落の際に時間同期を適合的に維持するための方法が示されている。
方法ステップ15でエラー値が上に述べたように計算される。方法ステップ16で瞬時のエラー値が先行して計算された少なくとも2つのエラー値と比較される。方法ステップ17で、このエラー値間の差が単調増加関数であるか、または単調下降関数であるかが検査される。これによりエラー値の差からトレンドを予測することができる。このトレンドは例えば温度作用に基づくものである。このようなトレンドが識別されると、方法ステップ19で関数の外挿によって将来のエラー値が推定され、受信欠落の際に時間同期がこのエラー値だけ補正される。
ここで外挿とは、将来のエラー値を例えば次のように計算することを意味する。すなわち放送信号の受信がまだ存在していたときに最後に計算されたエラー値を第1のエラー値に対して、放送信号の受信がもはや存在しない場合に、最後の1つ前のエラー値が最後のエラー値に付いて放送受信の際に変化された値だけ変化させることにより計算することを意味する。従ってここでは単純な線形外挿が行われる。
エラー値の比較からトレンドが読み出されなければ、方法ステップ18で時間同期が放送信号の受信の際にエラー値だけ補正される。または受信中断の際に最後のエラー値の平均値だけ補正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、時間同期のための方法を示す。
【図2】 図2は、DABフレームを示す。
【図3】 図3は、2つのパルス応答を示す。
【図4】 図4は、受信欠落の際の適合時間同期のための方法を示す。

Claims (7)

  1. 無線チャネルを介して無線信号を受信するための方法であって、
    フレームで送信される無線信号に送信側で、シンボルがフレームクロックで時間同期のために挿入され、
    受信器が受信されたシンボルに時間同期のために同期され、
    当該同期は、前記シンボルを時間同期のために受信器によって識別することにより行われ、
    時間同期のためのシンボルを備える無線信号の受信の際に、受信されたシンボルを受信器に記憶されたシンボルと比較し(3)、
    時間同期の際のエラー値をフレームクロックごとに検出し、
    該エラー値は時間差値であり、
    エラー値の平均値を時間同期の際に受信された複数のシンボルにわたって計算し(4)、
    平均値を受信器に記憶し(5)、
    時間同期のためのシンボルを備える無線信号の受信の際に、最後に検出されたエラー値だけ時間同期をずらし(6)、
    無線信号を受信しない時間セグメントでは、間同期をフレームクロックごとに、記憶された平均値だけずらし、
    時間同期された無線信号を受信器でさらに処理する(7)形式の方法において、
    目下のシンボルに対して計算されたエラー値を、先行のフレームクロックに対して計算されたエラー値と比較し(16)、
    当該エラー値の比較によってエラー値の単調な上昇変化または下降変化が識別される場合(17)、エラー値変化の平均を計算し(19)、
    当該エラー値変化の平均最後の計算されたエラー値に加算し、これにより時間同期の変化を検出する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 信欠落の際には時間同期を、先行のエラー値の平均値だけずらす、請求項1記載の方法。
  3. フレームクロックを受信器で形成するために周波数固定発振器を使用する、請求項1または2記載の方法。
  4. 時間同期のためのシンボルとしてTFPRシンボル(10)を使用する、請求項1または2記載の方法。
  5. TFPRシンボル(10)から無線チャネルのパルス応答を検出し、
    パルス応答からエラー値を時間同期の際に検出する、請求項4記載の方法。
  6. 先行のフレームクロックでのエラー値を、平均値と比較して所定の差を上回る時間同期の際には棄却する、請求項5記載の方法。
  7. エラー値に対して、エラー値の前の第1の平均値と、エラー値の後の第2の平均値を計算し、
    前記エラー値は、すべてのエラー値に対する平均値から所定の差以上異なっているエラー値であり、
    前記2つの平均値の差が所定の値を越える場合、第1の平均値の計算に使用したエラー値を棄却し、
    第2の平均値の計算に使用したエラー値をさらに平均値の検出に使用する、請求項6記載の方法。
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