JP4704846B2 - 表面検査方法および同装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検査対象物の表面欠陥を検出する表面検査方法および同装置に関する。
従来、高い表面精度が求められる感光ドラム用基体等は、キズ、凹凸、異物付着および汚れ等の表面欠陥を検出するため、表面検査が行われている。
このような表面検査方法として、たとえば下記特許文献1では、ストライプ状の明暗をもった照明を用いて正反射光量を減少させることにより、表面欠陥の検出精度の向上を図る方法が提案されている。
また下記特許文献2では、微細チェッカーパターンを被検体に照明し、その反射光を撮影して得たチェッカーパターンのゆがみと、明部と暗部の明るさの変化の度合いによって表面欠陥を評価する方法が提案されている。
また、下記特許文献3では、検査対象物を撮影して得た画像データから高周波成分画像データと低周波成分画像データを作成し、両者を用いて加工痕とそれ以外の傷や巣あるいは汚れ等とを区別する方法が提案されている。
また、下記特許文献4では、表面凹凸の変化率の高い欠陥と変化率の低い欠陥を別々の光学系で撮影することにより、効率よく凹凸状欠陥と濃淡ムラ状欠陥を検査して過剰検査によるロスを低減する方法が開示されている。
特開平5−52766号公報 特開2001−21332号公報 特開2003−329605号公報 特開2003−075363号公報
ところで、種々の原因によって発生する表面欠陥には、形状や大きさ等によって、光源やカメラの位置関係等の光学条件が極めて狭い範囲内に設定されていなければ検出されないことがある。このため、従来の各種の表面検査方法では、検査時の光学条件下では僅かな変化しか現れない欠陥を検出できずに流出されてしまうおそれがあった。
一方、僅かな変化にも反応するように判定条件を厳しく設定すると、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズに過剰に反応して不良品と判定してしまい、収率を不必要に低下させてしまうおそれがあった。
また、欠陥と疑わしい異常を発見した場合に、新たな光学条件等を設定して再検査を行うことも考えられるが、このようにすると、検査の長時間化を招いてしまうという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高い欠陥検出能力が得られる表面検査方法および同装置等を提供することを目的とする。
本発明は、下記の手段を提供する。すなわち、
[1]検査対象領域に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査方法であって、
検査対象領域の各部位に対して、照明光の入射角度がそれぞれ異なる光学条件を設定して複数回の撮影を行い、
前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索し、
前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価することを特徴とする表面検査方法。
[2]前記再評価には、欠陥候補が検出された回の撮影結果も用いる前項1に記載の表面検査方法。
[3]前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果をそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行う前項1または2に記載の表面検査方法。
[4]前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果の組み合わせに基づいて行う前項1または2に記載の表面検査方法。
[5]前記再評価は、前記検査対象領域を撮影した撮影画像から、欠陥候補が検出された部位についての複数回の撮影部分を切り出した画像を用いる前項1〜4のいずれかに記載の表面検査方法。
[6]前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像を合成して評価する前項1〜5のいずれかに記載の表面検査方法。
[7]前記再評価は、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いる前項1〜6のいずれかに記載の表面検査方法。
[8]前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果について、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いて、前記欠陥候補条件より厳しい判定基準でそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行う前項7に記載の表面検査方法。
[9]前記再評価は、前記欠陥候補条件と異なる種類の指標を用いる前項1〜6のいずれかに記載の表面検査方法。
[10]前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像について、前記欠陥候補条件を満たすか否かの判定時と異なる画像処理を行う前項1〜9のいずれかに記載の表面検査方法。
[11]検査対象領域に照射される照明光を遮光体によって遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を形成する前項1〜10のいずれかに記載の表面検査方法。
[12]複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、検査対象領域に照射される照明光を断続的に遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を繰り返し形成する前項1〜10のいずれかに記載の表面検査方法。
[13]管体の外周面に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査方法であって、
管体の軸方向に沿ったカメラの検出領域に、照明光の入射角度が異なる領域を繰り返して形成し、
管体を軸回りに回転させながら、前記照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影することにより、管体の外周面の各部に対して、照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行い、
前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索し、
前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価することを特徴とする管体の表面検査方法。
[14]複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、管体に照射される照明光を断続的に遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を繰り返し形成する前項13のいずれかに記載の表面検査方法。
[15]前記照明光の入射角度が異なる領域とともに、前記カメラによる検出領域を前記管体の軸方向に移動させることを特徴とする前項13または14に記載の表面検査方法。
[16]前記管体は、感光ドラム用基体であることを特徴とする前項13〜15のいずれかに記載の表面検査方法。
[17]表面精度が求められる物品を成形する工程と、
前記物品を検査対象物として前項1〜16のいずれかに記載の表面検査方法を行う表面検査工程と、
前記表面検査工程における評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を判別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別工程と、
を備えたことを特徴とする物品の製造方法。
[18]前項17に記載の物品の製造方法により製造されたことを特徴とする感光ドラム用基体。
[19]検査対象領域に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査装置であって、
検査対象領域の各部に対して、照明光の入射角度が異なる領域を形成可能な照明系と、
前記照明系による照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を変化させながら、前記カメラにより検査対象領域の各部に対して照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行わせる制御手段と、
前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索する欠陥候補検出手段と、
前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価する再評価手段と、
を備えたことを特徴とする表面検査装置。
[20]表面精度が求められる物品を成形する成形手段と、
前記物品を検査対象とする前項19に記載の表面検査装置と、
前記表面検査装置による評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を分別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別手段と、
を備えたことを特徴とする製造システム。
[21]管体の表面欠陥を検出する表面検査装置であって、
管体の外周面に照明光を照射する照明と、
管体の軸方向に沿った検出領域における照明光の反射光を撮影するカメラと、
複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成され、照明光を管体の軸方向について断続的に遮ることにより、照明光の入射角度を制限して照明光の入射角度が異なる領域を繰り返し形成するスリット体と、
管体を軸回りに回転させながら、前記スリット体を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影させることにより、管体の外周面の各部に対して、照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行わせる制御手段と、
前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索する欠陥候補検出手段と、
前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価する再評価手段と、
を備えたことを特徴とする管体の表面検査装置。
[22]表面精度が求められる管体を成形する成形手段と、
前記管体を検査対象物とする前項21に記載の表面検査装置と、
前記表面検査装置による評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を分別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別手段と、
を備えたことを特徴とする管体の製造システム。
上記発明[1]によると、照明光の入射角度が異なる複数の光学条件下で表面欠陥の撮影を行って欠陥候補を探索するため、各種の欠陥をいずれかの光学条件下において欠陥候補として漏れなく発見することができる。そして、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことなく、高い欠陥検出能力を得ることができ、ひいては、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズと表面欠陥とを的確に判別して、欠陥の流出および収率の低下を防止することができる。
上記発明[2]によると、前記再評価には、欠陥候補が検出された回の撮影結果も用いるため、欠陥候補として検出された光学条件下における異常の程度も加味して、より的確な再評価を行うことができる。
上記発明[3]によると、前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果をそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行うため、再評価を容易に行うことができる。
上記発明[4]によると、前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果の組み合わせに基づいて行うため、各回毎の撮影結果には僅かにしか現れていない欠陥の情報を、より確実に拾い上げて、的確な再評価を行うことができる。
上記発明[5]によると、前記再評価は、前記検査対象領域を撮影した撮影画像から、欠陥候補が検出された部位についての複数回の撮影部分を切り出した画像を用いるため、再評価の対象となる限られた撮影部分について詳細に評価して、より的確な再評価を行うことができる。
上記発明[6]によると、前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像を合成して評価するため、各回毎の撮影結果には部分的にしか現れていない欠陥の情報を束ねて、欠陥候補の全体像を把握することができるため、より的確な再評価を行うことができる。
上記発明[7]によると、前記再評価は、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いるため、再評価を容易に行うことができる。
上記発明[8]によると、前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果について、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いて、前記欠陥候補条件より厳しい判定基準でそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行うため、再評価を容易に行うことができる。
上記発明[9]によると、前記再評価は、欠陥候補条件と異なる種類の指標を用いるため、欠陥候補を多様な観点から検討して、より的確な再評価を行うことができる。
上記発明[10]によると、前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像について、欠陥候補条件を満たすか否かの判定時と異なる画像処理を行うため、欠陥候補を多様な観点から検討して、より的確な再評価を行うことができる。
上記発明[11]によると、検査対象領域に照射される照明光を遮光体によって遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を形成するため、容易に入射角度が種々に異なる光学条件を得ることができる。
上記発明[12]によると、複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、検査対象領域に照射される照明光を断続的に遮るため、検査対象領域上に複数の光学条件の領域を容易に形成することができる。
上記発明[13]によると、管体を軸回りに回転させながら、照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影して欠陥候補を探索するため、管体の外周面の各部に対して複数の光学条件を連続的に形成し、各種の欠陥をいずれかの光学条件下において欠陥候補として漏れなく発見することができる。そして、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことなく、高い欠陥検出能力を得ることができ、ひいては、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズと表面欠陥とを的確に判別して、欠陥の流出および収率の低下を防止することができる。
上記発明[14]によると、複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、管体に照射される照明光を断続的に遮るため、照明光の入射角度が制限された複数の領域を容易に形成することができる。
上記発明[15]によると、照明光の入射角度が異なる領域とともに、カメラによる検出領域を前記管体の軸方向に移動させるため、カメラの視野内における各光学条件の形成位置が変化せず、より正確に表面欠陥を検出し、評価することができる。
上記発明[16]によると、感光ドラム用基体に求められる表面状態を正確に評価して、好適な感光ドラム用基体の生産に寄与することができる。
上記発明[17]によると、成形した物品を上記いずれかの表面検査方法の評価結果により判別するため、不良品の流出を防止しながら、不良として扱う必要のない物品を不良品として収率を低下させてしまう事態を防止することができる。
上記発明[18]によると、表面欠陥について所定の基準を満たす感光ドラム用基体を確保することができる。
上記発明[19]によると、照明光の入射角度が異なる複数の光学条件下で表面欠陥の撮影を行って欠陥候補を探索するため、各種の欠陥をいずれかの光学条件下において欠陥候補として漏れなく発見することができる。そして、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことなく、高い欠陥検出能力を得ることができ、ひいては、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズと表面欠陥とを的確に判別して、欠陥の流出および収率の低下を防止することができる。
上記発明[20]によると、成形した物品を上記いずれかの表面検査方法の評価結果さにより判別するため、不良品の流出を防止しながら、不良として扱う必要のない物品を不良品として収率を低下させてしまう事態を防止することができる。
上記発明[21]によると、管体を軸回りに回転させながら、照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影して欠陥候補を探索するため、管体の外周面の各部に対して複数の光学条件を連続的に形成し、各種の欠陥をいずれかの光学条件下において欠陥候補として漏れなく発見することができる。そして、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことなく、高い欠陥検出能力を得ることができ、ひいては、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズと表面欠陥とを的確に判別して、欠陥の流出および収率の低下を防止することができる。
上記発明[22]によると、成形した管体を上記いずれかの表面検査方法の評価結果により判別するため、不良品の流出を防止しながら、不良として扱う必要のない管体を不良品として収率を低下させてしまう事態を防止することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、模式的な説明図を参照しながら説明する。
図1は、この第1実施形態にかかる表面検査装置(円筒体検査装置)の検査対象物とされる円筒体(管体)の斜視図である。
<検査対象物>
この図1に示すように、円筒体(管体)90は、たとえば電子写真システムを構成する複写機、プリンタ、FAX装置、これらの複合機等において、感光ドラム、転写ローラ、現像ローラ、その他各部に利用されるものであり、その外周面91が表面検査の検査対象領域とされる。
このような円筒体90としては、具体的には、電子写真システムを採用した複写機やプリンタ等における感光ドラム用の素管や基体を挙げることができる。なお、感光ドラム用の基体とは、切削加工や引抜き加工等が行われた後の円筒体であって、感光層の形成前の円筒体をいう。また、感光ドラム用基体に感光層を形成した後の円筒体も、本発明の検査を行う対象たる円筒体とできる。感光ドラム用基体外周面の検査対象領域91は、金属光沢を有し、入射した光のほとんどを正反射する鏡面となっている。
この表面検査装置の検査対象物とされる感光ドラム用基体は、たとえば直径が10〜60mm、長さ200〜500mm程度のものである。
このような円筒体90の製造方法としては、後述するように、押出成形および引き抜き成形の組み合わせを挙げることができる。ただし、これに限定されるものではなく、押出成形、引き抜き成形、鋳造、鍛造、射出成形、切削加工またはこれらの組み合わせなど、円筒体を製管できる方法であればよい。
また、対象とする円筒体90の材質は特に限定されるものでなく、各種の金属材料の他、合成樹脂等を適用することができる。たとえば、アルミニウムおよびアルミニウム合金(1000〜7000系)、銅および銅合金、鋼材、マグネシウムおよびマグネシウム合金を挙げることができる。
特に好ましい材質の例として、アルミニウム合金の3003合金、6061合金、6051合金および7075合金を挙げることができる。たとえば3003合金は好ましくは感光ドラム用基体として用いることができ、6061合金は好ましくは自動車部品であるプロペラシャフトとして用いることができ、6051合金は好ましくは一般機械部品として用いることができ、7075合金は好ましくはバット用素管として用いることができる。なお、本明細書中の「アルミニウム」はアルミニウム合金を含むものである。
<全体構成>
図2は、本発明の第1実施形態にかかる表面検査装置の正面図である。図3は、同装置の平面図である。図4は、同装置の側面図である。
この表面検査装置1は、図2に示すように、照明(光源)10、遮光体20、カメラ30、検査位置の円筒体(検査対象物)90を支持するチャック部70、各部を統括制御する管理コンピュータ80等を備えた検査装置本体2と、検査装置本体2に円筒体90を供給する円筒体供給コンベア51と、検査装置本体2から円筒体90を順次搬出する合格品搬出コンベア52および不合格品搬出コンベア53とを備えている。
管理コンピュータ80は、CPU、RAMおよびROM等のメモリ、ハードディスク記憶装置、入出力手段、各部とのインタフェース等を備えたパーソナルコンピュータ等から構成され、機能的には、カメラ30によって撮像された画像を処理する画像処理手段、各部の駆動を制御する制御手段、さらに後述するように、撮影結果から欠陥候補を探索する欠陥候補検出手段、欠陥候補が検出された部位の撮影結果を再評価する再評価手段、および検査した管体(円筒体)を合否判別する判別手段とを備えている。
円筒体供給コンベア51は、上縁部がV型に切り欠かれた円筒体支持台59…で各円筒体90…の両端近傍部分を支持し、各円筒体支持台59…を図示しない駆動チェーンで移動させることにより、検査前の円筒体90を検査装置本体2に移送する。
検査装置本体2の円筒体供給側(図2,図3の左側)には、円筒体90を両側端部から挟んで持ち上げて移送するコンベア間移載装置54が設けられており、円筒体供給コンベア51によって搬送されてきた円筒体90を、コンベア間移載装置54によって検査装置本体2内の搬送コンベア61に移載するようになっている。
合格品搬出コンベア52および不合格品搬出コンベア53は、ともに、上縁部がV型に切り欠かれた円筒体支持台59…で各円筒体90…の両端近傍部分を支持し、各円筒体支持台59…を図示しない駆動チェーンで移動させることにより、検査後の円筒体90を検査装置本体2から搬出する。また、合格品搬出コンベア52と不合格品搬出コンベア53をまたぐ位置には、不合格品払出ロボット56が設けられており、検査装置本体2における検査で不合格品と判定された円筒体90を、合格品搬出コンベア52上から不合格品搬出コンベア53上に送り出すようになっている。
検査装置本体2の円筒体搬出側(図2,図3の右側)には、円筒体90を両側端部から挟んで持ち上げて移送するコンベア間移載装置55が設けられており、検査装置本体2内の搬送コンベア62上の円筒体90を、コンベア間移載装置55によって合格品搬出コンベア52に移載するようになっている。
検査装置本体2内の搬送コンベア61,62は、上縁部がV型に切り欠かれた円筒体支持台63…で各円筒体90…の両端近傍部分を支持し、各円筒体支持台63…を駆動チェーンで移動させることにより、検査直前および直後の円筒体90を移送する。
<回転移送装置>
検査前後の搬送コンベア61,62の間には、円筒体90を検査位置Bに移送する回転移送装置64が配置されている。この回転移送装置64は、円筒体90を支持するチャック部70を複数(ここでは4個)備えている。
各チャック部70…は、回転駆動モータ65の回転軸66に接続された回転フレーム67に取り付けられており、搬送コンベア61から円筒体90を取り出すの取出位置Aと、光源10、遮光体20およびカメラ30等の検査光学系による検査を実行する検査位置Bと、搬送コンベア62に円筒体90を送り出す送出位置Cとに同時に位置するチャック部70…が存在するように配置されている。
そして、取出位置Aに位置するチャック部70は搬送コンベア61から検査前の円筒体90をチャックして取り出し、検査位置Bに位置するチャック部70は円筒体90を回転支持して表面検査を実行し、送出位置Cに位置するチャック部70は検査後の円筒体90のチャックを解除して搬送コンベア62に送り出す作業を、同時並行して行うことができるようになっている。また、取出位置Aから検査位置Bに移動するチャック部70は、検査位置Bに搬送するまでに円筒体90の回転が安定するように、予め円筒体90の回転駆動を開始するようになっており、これにより検査位置Cに到着すれば即座に表面検査を実行して、サイクルタイムの短縮を図ることができるようになっている。
<チャック部>
図5は、第1実施形態におけるチャック部70の正面図である。図6は、同チャック部70の側面図である。
これらの図に示すように、各チャック部70は、1つの基準ローラ71と、2つの支持ローラ72,72とを備えており、円筒体90の両側に配置された一対のチャック部70,70が協働して、1本の円筒体90をチャックするようになっている。
各チャック部70における基準ローラ71は、検査位置Bにおける姿勢では、円筒体90の内周面の上側に接触してその高さ位置を規定する。基準ローラ71は、チャック部本体76に対して回転可能に取り付けられ、検査実行時に円筒体90とともに回転する。また、協働して1本の円筒体90をチャックする一対のチャック部70の一方には、基準ローラ回転駆動モータ73が設けられ、検査実行時に基準ローラ71を回転駆動することにより、円筒体90を回転させることができるようになっている。
支持ローラ72,72は、検査位置Bにおける姿勢では、円筒体90の内周面の下側左右にそれぞれ接触し、エア駆動圧によって円筒体90を下方に付勢することにより、円筒体90の内周面の上側を確実に基準ローラ71に接触させて、その高さ位置を安定させる。また、支持ローラ72、72は、チャック部本体76に対して回転可能に取り付けられ、検査実行時には円筒体90とともに回転する。また、支持ローラ72,72は、図5,図6に破線と実線とで示すように、検査位置Bにおける姿勢では、上下方向に移動することにより基準ローラ71との距離を円筒体90の内径よりも小さくして、円筒体90をチャックする前後には基準ローラ71とともに円筒体90の内側に挿入することができるようになっている。これらの動作のため、各チャック部70…には、支持ローラ72,72をエア駆動圧によって上下に移動動作させる支持ローラ駆動部74が設けられている。
基準ローラ71および支持ローラ72,72が取り付けられたチャック部本体76は、回転移送装置64の回転フレーム67に取り付けられたチャック部ベース77に対し、スライド駆動部75によって円筒体90の軸方向にスライド動作可能となっており、円筒体90を両外側から挟み込んでチャックすることができるようになっている。
回転移送装置64およびチャック部70は、円筒体90を所定の検査位置Bで回転可能に支持する支持部を構成している。
<照明(光源)>
照明(光源)10は、検査位置Bに搬送されてきた円筒体90の外表面に対して検査のための照明光を照射する。この照明10は、高輝度が得られる蛍光灯等のライン状光源から構成され、円筒体90の長手方向に沿った広がりを有している。この照明10は、図2に示すように、光源支持フレーム13によって、検査位置Bにある円筒体90のほぼ真上に配置され、照射する光を効率的に円筒体90側に向けるため、光源フード12によって下方以外が覆われている。
この照明10は、所定の広がりを有し、拡散光を照射する光源を備えている。
拡散光とは、光源から様々な方向に拡散して照射される光をいう。なお、拡散光でない光としては、平行光が挙げられる。平行光とは、光源から発せられた光を、例えばレンズまたはファイバーを用いて集光させ、方向性を持った光の束として照射されるようにしたものである。
照明10の光源が所定の広がりを有するとは、光源が実質的に点光源でなく、拡散光を発する部位が一定の面積を有することをいう。
このような所定の広がりを有し、拡散光を照射する照明10を用いれば、円筒体90の表面の各部位には、この照明10の各部から種々の方向の光が入射することとなる。
<遮光体>
遮光体20は、光源10から照射される光の一部を遮光して、円筒体90の外周面91に明暗縞を形成することで種々の異なる光学条件を構成する。この遮光体20は照明10とともに照明系として機能している。
図7は、第1実施形態における遮光体20の斜視図である。図7に示すように、第1実施形態の遮光体20は、複数のスリット孔状の透光部23…と、遮光部24…とが交互に繰り返すように形成されたスリット体から構成されている。
透光部23および遮光部24の大きさは、適宜設定することができるが、たとえば、透光部23の幅(開口幅)aは1〜6mm程度、遮光部24の幅は3〜6mm程度が好ましい。
この遮光体20は、図2〜図4に示すように、遮光体支持台25に取り付けられ、照明10と検査位置Bの円筒体90との間に常設配置されている。
このような透光部23…および遮光部24…が形成された遮光体(スリット体)20を介し、所定の広がりを有し、拡散光を照射する照明10によって円筒体90を照明すると、円筒体90の表面では、部位によって遮光部24…により遮光される光量が異なることとなるため、到達光量が連続的に変化した明暗縞が形成されることになる。
<カメラ>
カメラ30は、多数の光量検出要素が一次元的に配列されてなるラインセンサ32と、円筒体90の軸方向に延びる所定の検出領域31をラインセンサ32上に結像するレンズ等を備えたラインセンサカメラとして構成されており、検出領域31の各部から入射する光量を検出する。
一般にラインセンサは、光を受光する感光部が一列だけに配置されたセンサで、エリア(2次元)センサと比べて、1ラインの画素数を多くできる点が大きな特長となる。エリアセンサでは、水平方向の画素数が高品位TV用でも例えば約1000画素程度であるが、ラインセンサでは、1000〜7500画素の画素数が容易に実現でき、近年では、画素数が10000画素を越えるセンサも登場しており、高い解像度を容易かつ安価に得ることができる。また、ラインセンサを用いることにより、エリアセンサに比べて画像を逐次処理することが可能であり、より高速の検査を実現できる利点もある。
なお、ラインセンサ32は、一次元的な光量情報を検出できるものであればよく、一列の白黒ラインセンサでも、たとえばRGB等の各色用のセンサが合計3列に並べられたカラーラインセンサ、あるいは各色用のセンサを交互に配列してなるカラーラインセンサでもよい。さらに、ラインセンサの主たる配列方向とは垂直方向に複数列のセンサを配列したTDIラインセンサでもよい。あるいは、2次元的に配列されたセンサの特定の1または複数列のみを選択的に用いることで実質的にラインセンサとして利用されるパーシャルスキャンカメラ等であってもよい。
このカメラ30は、その位置および角度を微調整可能なカメラ支持台34に取り付けられ、検査位置Bの円筒体90の外周面91のうち、軸方向に延びる所定の領域を検出領域31として狙っている。
<スライドテーブル>
遮光体20が取り付けられる遮光体支持台25およびカメラ30が取り付けられるカメラ支持台34は、ともにスライドテーブル40上に取り付けられ、検査位置Bの円筒体90の軸方向についてスライド移動動作可能となっている。すなわち、スライドテーブル40は、本体フレームに固定されたスライドテーブル支持台42上をスライドコロ41によってスライド移動動作可能に支持され、スライド駆動モータ43によってスライド駆動されるようになっている。
このスライド駆動動作のストロークは、遮光体20の透光部23の幅aおよび遮光部24の幅bの和よりも大きく設定されている。具体的には、たとえば、透光部23の幅aおよび遮光部24の幅bの和の1.1倍以上程度が好ましい。これにより、円筒体90の外周面の検査対象領域91の軸方向位置の全域が、遮光体20の透光部23および遮光部24の直下に位置する場合が実現されるようになっている。
<表面検査の原理>
図8は、第1実施形態にかかる円筒体90の表面検査装置の要部の概略を表した側面図である。図9は、同斜視図である。
図8に示すように、カメラ30は、円筒体90の曲率に応じて、遮光体20が存在しなければ常に光源10から円筒体90外周面の検査対象領域91に入射する光の正反射光を受光する位置に配置されている。
また、カメラ30による検出領域31は、円筒体90の内周面側が基準ローラ71によって支持されている部分に対向する外周面91側部分となっている。この部分は、円筒体90の各部のうちで、基準ローラ71によって支持されているために最も位置および角度が安定する部分である。したがって、円筒体90の曲がり等の形状精度により、表面検査の結果に影響が及ぶことを低減することができる。
また、カメラ30による検出領域31は基準ローラ71に対向する部分となっているため、サイズ(直径)が異なる円筒体90であっても、ほぼ同一の光学条件を構成することができる。とくに、円筒体90の厚みが同一であれば、検出領域31については実質的に同一の光学条件を構成することができる。したがって、種々のサイズの円筒体90の表面検査を行う場合であっても、段取り替えに要する手間および時間を最小限に抑え、効率的に表面検査を実行することができる。
また、円筒体90は、その内周面側から支持されているため、基準ローラ71等が円筒体90の外周面91に影を生じるなどの表面検査への悪影響を低減することができる。
また、図9に示すように、光源10は、円筒体90の軸方向に広がりを有し、下向きに種々の角度の光を照射するため、円筒体90外周面91の検査対象領域の各部位には遮光体20の透光部23を通過した種々の角度の光が入射するが、遮光体20の遮光部24…により入射する光の角度が制限されている。
図10は、カメラから見た検査対象領域の各部位の光学条件の説明図である。図11は、カメラによって撮影された画像における各種光学条件の説明図である。図10に示すように、カメラ30から見ると、カメラ30の検出領域31には、表面欠陥がなければカメラ30に入射する正反射光が存在する明領域(正反射光領域)28と、正反射光が存在しない暗領域(正反射光制限領域)29とが形成されている。また、検出領域31には、明領域28と暗領域29の境界には、境界領域(際領域)27が含まれている。
明領域28では、表面欠陥がなければカメラ30に正反射光が入射するが、表面欠陥があると反射角度が変化してカメラ30に捉えられなくなる。このため、表面欠陥が明領域28にあるとき、周囲より暗い欠陥(黒欠陥)として検出される場合が多い。このような黒欠陥として検出される表面欠陥は、反射角度を大きく変化させる鋭い欠陥である場合が多い。
また、明領域28内であってもその部位によって照明光の入射角度(遮光部24により制限される方向)が異なる様々な光学条件が構成されているため、鋭い欠陥が明領域28内にあってもその深さをはじめとする種々の要因によって黒欠陥として検出される場合やされない場合がある。
なお、明領域28であっても正常部の検出階調が飽和していなければ、正常部よりさらに明るい欠陥(白欠陥)が検出される場合もある。
暗領域29では、表面欠陥がなければカメラ30に正反射光は入射しない。図12は、暗領域29内に表面欠陥が存在しない場合の説明図である。
同図(a)に示すように、暗領域29内の特定の着目部位29aに着目すると、この着目部位29で反射してカメラ30に正反射光として入射するはずの光12aは遮光部24によって遮光されている。この着目部位29aには光源10から光12b、12cが入射しているが、着目部位29aに表面欠陥がなく正常であれば、これらの光12b、12cの正反射光13b、13cは斜め方向に向かい、カメラに正反射光として入射しない。したがって、カメラから見てこの着目部位29aは暗い。
具体的には、図12(b)の受光量分布図に示すように、暗領域29では、カメラ30の受光量が少なくなっており、明領域28は正反射光が入射するので受光量が多く明るくなっている。明領域28と暗領域29の境界領域27は、光の回折等により明領域28から暗領域29へと受光量が連続的に変化している。なお、図12(b)において二点鎖線は、遮光部24がなかった場合の受光量を示している。
図13は、暗領域29内に表面欠陥が存在する場合の説明図である。
同図(a)に示すように、着目部位29aに表面欠陥があれば、その形状によっては光源10からの光12b、12cの正反射光がカメラに検出される真上に向く場合がある。ここでは着目部位29aに入射角度αで入射した光12bが真上に反射方向を変えている。このとき、カメラから見て当該着目部位29aが明るくなる。この部位29aはもともと暗領域29内にあるため、周辺の正常部からは正反射光が存在しないため、表面欠陥による正反射光は際立った光量として捉えられることになる。
具体的には、図13(b)の受光量分布図に示すように、着目部位29aを含む暗領域29では表面欠陥がなければカメラによって検出される受光量が少なく、ここに表面欠陥によってカメラに入射する正反射光が生じれば、受光量分布図ではその周囲に対して際立った光量変化として確実に捉えられることになる。すなわち、明領域28のような周囲の正常部の正反射光に埋もれさせてしまうことなく、高いコントラストをもって表面欠陥を検出することができる。
このように、表面欠陥が暗領域29にあるとき、周囲より明るい欠陥(白欠陥)として検出される場合が多い。このような白欠陥として検出される表面欠陥は、反射角度を僅かにしか変化させないなだらかな欠陥や比較的浅い欠陥である場合が多い。
また、暗領域29内であってもその部位によって照明光の入射角度(遮光部24により制限される方向)が異なる様々な光学条件が構成されているため、なだらかな欠陥が暗領域29内にあってもその深さをはじめとする種々の要因によって白欠陥として検出される場合やされない場合がある。
なお、暗領域29であっても正常部の検出階調が飽和していなければ、正常部よりさらに暗い欠陥(黒欠陥)が検出される場合もある。
境界領域27は、明領域28と暗領域29の境界に位置するため、上述した明領域28および暗領域29の両方の性質があり、黒欠陥および白欠陥のいずれも検出される。
以上のように、照明光の入射角度の異なる種々の光学条件下で欠陥検出を行うと、各種の表面欠陥はそのサイズ、深さ、鋭いあるいはなだらかといった形状等によって、欠陥としてはっきり検出できる光学条件や、検出できない光学条件がある。さらに、極めて微細な欠陥の検出が求められる場合には、正常部の地合模様やノイズに紛れてしまい、いずれの光学条件においても単独では欠陥であると評価することが困難な微妙な変化しか検出されない場合もある。
そこで、この実施形態では、照明光の入射角度の異なる光学条件下で複数回の撮影を行い、まず1次評価として、各光学条件下での撮影結果により明かな表面欠陥を探索するとともに、単独では表面欠陥と評価することが困難ながら、欠陥と疑わしい異常を欠陥候補として検出して、欠陥候補が見出された部位については、2次評価として、1次評価では欠陥と疑わしい異常が検出されなかった他の回の撮影結果を含む、当該欠陥候補が見出された部位の撮影結果について再評価を行い、欠陥候補が欠陥であるか否かを評価するようになっている。具体的な判定方法については後述する。
具体的な表面検査のための撮影は、検査位置Bに送り込まれ、基準ローラ70によって軸回りに回転駆動される円筒体90に対して、カメラ30により連続的にその外周面91を撮像することによって行われる。したがって、円筒体90の外周面91の各周方向位置が順次カメラ30の検出領域31となり、その全域を検査することができる。
この円筒体90の回転速度は、検出したい欠陥サイズとカメラ30のラインセンサ取込速度に応じて設定される。すなわち、カメラ30によって撮影される検出領域31の実質的な幅は、円筒体90が回転している場合、ラインセンサ取込速度と円筒体90の回転速度に応じて決定されることになるが、この検出領域31の実質的な幅が、検出したい欠陥サイズより小さくなるように設定されている。
具体的に検出される表面欠陥は、カメラの解像度30等にもよるが、たとえばミリオーダー、ミクロンオーダー、サブミクロンオーダー等の種々の大きさや深さの欠陥、さらに凹み角度等の形状の異なる多様な欠陥を検出することができる。
また、こうして円筒体90を回転させながら、遮光体20は円筒体90の軸方向について、遮光体20の透光部23の幅aおよび遮光部24の幅bの和よりも大きなストロークでスライド移動動作する。このため、円筒体90の外周面91全域を明領域28および暗領域29、さらにこれらの境界領域27としてカメラ30の検出領域31に含れることとなり、外周面91の全域について微細な表面欠陥(欠陥候補)をも検出できる表面検査を行うことができる。
図14は、円筒体を回転させながらカメラによって連続的に撮影して得られる画像の説明図である。この図において、横軸方向の各ラインが各瞬間にカメラ(ラインセンサ)30によって検出された検出領域31の明るさを示しており、管体90を回転させながら順次連続的に撮像を繰り返して得られた画像を縦軸方向に並べている。
カメラ30は遮光体20とともにスライド移動動作するため、カメラ30から見ると常に同じ位置に同じ光学条件が形成されている。このため、後述するように、表面欠陥の検出を、単純な画像処理によって確実に行うことができる。
また、このカメラ30による欠陥検出は、円筒体を複数回転(ここでは6回転)させる間、連続して行われている。このため、円筒体の外周面91上の各部は、円筒体90が複数回転して複数回、カメラ30の検出領域31に至る間に、明領域28,暗領域29および境界領域27という異なる光学条件下での欠陥検出が行われるようになっている。さらに、ここでは6回転させているため、明領域28であっても照明光の入射角度の制限が異なる光学条件や、境界領域27であっても暗領域29の右側と左側のように、制限される照明光の向きが異なる光学条件が構成されている。
また、円筒体90を回転させながら遮光体20およびカメラ30が円筒体90の軸方向に移動するため、円筒体90の外周面91上の明領域28や暗領域29、さらにカメラ30の検出領域31は、円筒体90の外周面91上を螺旋状に移動することとなる。これをカメラ30側から見ると、円筒体90の各部は、各周回毎に、カメラ30の検出領域31内を移動することになる。具体的には、図14に示すように、円筒体90のある部位が、カメラ30の撮像画像では、1周目に位置A1に現れていたとすると、2周目では1周当たりのカメラ30のスライド量だけ横方向にずれた位置A2に現れ、以下各周毎に同じく横方向にずれた位置A3〜A6に現れることになる。これにより、円筒体90の外周面91上の各部位は、遮光体20およびカメラ30の移動により、円筒体90の一回転毎に異なる光学条件の下で表面検査されていることが分かる。
以上のようなカメラ30により複数の光学条件下で円筒体を撮影する一連の動作は、管理コンピュータ80の制御手段によって制御され、実行されるようになっている。
<欠陥検出の流れ>
図15は、表面欠陥検出の流れの一例を示すフローチャートである。
検査対象とする円筒体90がセットされれば、管理コンピュータ80の制御手段により、円筒体90の外周面の各部に対して異なる光学条件下で複数回の撮影が行われる(ステップS10)。この実施形態では、上述したように軸方向に複数の明暗縞を形成して明暗縞の形成位置をずらしながら円筒体90を6回転させる間連続してカメラで撮影する。
図16は、カメラによって撮像された画像から表面欠陥を検出するため、管理コンピュータ80の画像処理手段によって行われる画像処理工程の例を示す説明図である。
図16(a)は、円筒体90を回転させながらカメラ30によって撮影された撮影画像の例である。この撮影画像は、まず欠陥検出を容易にするため、微分処理、積分処理、膨張処理、収縮処理などの画像処理を駆使して、暗領域29や境界領域27の微弱信号を強調する加工を行う。
そして、明領域28や暗領域29がなす縞模様の中から表面欠陥を浮き立たせるため、差分処理を行う。図16(b)は差分処理を行った画像の例である。この差分処理は、各ラインのデータについて、以前の1または複数のラインの同位置のデータとの差分を算出し、その差分の大きさの絶対値を濃淡で表現したものである。なお、本発明では、こうして差分処理等を行った画像も撮像画像と呼ぶ。
この実施形態では、上述したようにカメラ30は遮光体20とともに管体90の軸方向に移動するため、撮像画像では、明領域28、暗領域29および境界領域27の横方向位置が変化していない。これにより、撮影画像の上下の差を求めることで容易に差分処理を行うことができる。ちなみに、遮光体20とカメラ30を連動させない場合には、明領域28等は、図中で斜め方向に延びることになるため、両者の相対速度に応じて撮影画像では斜め方向に差分を求めればよい。
次に、表面欠陥の1次評価として、管理コンピュータ80の欠陥候補検出手段により、検査対象領域の全域を対象とした撮影画像から、欠陥判定条件を満たす欠陥を探索する(ステップS12)。欠陥判定条件とは、1回の異常な検出結果によって当該異常箇所が欠陥であると判定できる条件であり、程度の大きな異常の場合であれば該当する。この実施形態では、欠陥判定条件を撮影画像の濃度値(階調値)に基づいて設定している。具体的には、各画素が256階調で表現されている場合、たとえば差分処理を行った撮影画像において、階調値40を欠陥判定しきい値として、階調値40以上が検出されることを欠陥判定条件として設定している。
このような欠陥判定条件を満たす欠陥があれば(ステップS12でYES)、当該欠陥を有する円筒体(ワーク)は不合格評価とされる(ステップS14)。なお、図16(b)の例では、このような欠陥判定条件を満たすような欠陥は見出されていないとする。
欠陥判定条件を満たす欠陥がなければ(ステップS12でNO)、欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索する(ステップS16)。欠陥候補条件とは、1回だけの検出結果によっては当該異常箇所が欠陥であると判定できるには至らないが、欠陥である可能性が高い検出値を判別する条件である。この欠陥候補条件は、1次評価における欠陥探索の効率の観点から、上記欠陥判定条件と同じ指標を用いることが好ましい。そして、欠陥候補条件は、上記欠陥判定条件よりも程度の小さい異常であっても該当するように、上記欠陥判定条件よりも厳しい条件が設定される。具体的に、ここでは上記差分処理を行った撮影画像において、階調値30を再評価しきい値として、階調値30以上が検出されることを、再評価条件として設定している。
このような欠陥候補条件を満たす欠陥候補がなければ(ステップS16でNO)、欠陥と疑わしい異常すら存在しないため、当該円筒体を合格評価する(ステップS40)。
一方、欠陥候補条件を満たす欠陥候補があれば(ステップS16でYES)、管理コンピュータ80の再評価手段により、各欠陥候補が、当該円筒体90を不合格と判断すべき欠陥であるのか否かを再評価する(ステップS20)。図16(b)の例では、検査対象領域内から、再評価しきい値30を越える2つの欠陥候補1,2が検出されている。
<再評価>
この実施形態では、予め欠陥候補を探索する際、検出漏れを防止できるように異なる光学条件下で複数回の撮影を行っている。欠陥候補として検出された部位は、欠陥候補として検出された回の光学条件下以外では、欠陥候補条件すら満たさなかったものである。
しかしながら、欠陥候補として検出された部位が、不合格判定すべき欠陥部位である場合、欠陥候補条件を満たさなかった回の撮影結果においても、単独で欠陥候補として判定できるほどの異常値ではなくても、通常の正常部等より幾分異常値に近い検出値を示している場合が多いと考えられる。逆に、不合格判定すべき欠陥でなければ、通常の正常部等と変わらない検出値を示すはずである。
そこで、この実施形態では、当該部位の他の回の撮影結果に着目して、他の回の撮影結果を再評価することにより、当該部位が不合格判定すべき欠陥を有するのか否かを評価するようになっている。すなわち、撮影画像全体の中からは抽出することが困難な程度の異常であるが、当該部位が少なくとも1度はいずれかの光学条件下で欠陥候補として検出されたことを条件として当該部位の撮影結果に着目するものである。
このように、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことがない。
また、この実施形態では、再評価には、欠陥候補として検出された回の撮影結果も用いるようになっている。これにより、欠陥候補として検出された光学条件下における異常の程度も加味して、より的確な再評価を行うことができる。
この再評価に当たっては、まず、検査対象領域の全体をを撮影した撮影画像から、欠陥候補が検出された部位についての複数回の撮影部分を切り出して、再評価の対象とする画像を取り出す。図16(c)は、検査対象領域全体の撮影画像から切り出す再評価の対象画像の例を示している。このように、再評価の対象とする画像を切り出すことにより、再評価の対象とする限られた撮影部分を詳細に評価して、より的確な再評価を行うことができる。
図17は、欠陥候補の再評価の第1の例を示す説明図である。この第1の例は、各欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果をそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて再評価を行う例である。
また、この例では、欠陥候補を検出した場合と同一種類の指標である各部位の濃度値(階調値)に基づいて評価を行っている。このため、欠陥候補の検出に用いたデータをそのまま利用することが可能であり、再評価を容易に行うことができる。
具体的には、この例は、図16に示した2つの欠陥候補1,2を再評価の対象としている。欠陥候補1は、3回目(3周目)の検出時に欠陥候補条件である再評価しきい値30を越える階調値35が検出されたことで欠陥候補として抽出されており、上述したように切り出された当該部位に対する他の回の撮影結果から、各検出回における階調値が再評価のための指標値として算出されている。また、欠陥候補2は、4回目(4周目)の検出時に欠陥候補条件である再評価しきい値30を越える階調値36が検出されたことで欠陥候補として抽出されており、各検出回における階調値が再評価のための指標値として算出されている。
これら各検出回における階調値について評価する再評価における判定基準は、同じ濃度値(階調値)という指標を用いた欠陥候補条件よりも厳しい基準(しきい値)が設定される。再評価における判定基準は、欠陥候補条件を満たさなかった他の検出回のより程度の小さい異常であっても欠陥の可能性があると評価するためである。ここでは具体的にはしきい値として階調値20を設定し、階調値が20以下であれば欠陥の可能性のある異常と評価しないものとする。
この場合、欠陥候補1は、全6回の検出回のうち、しきい値を越えて欠陥の可能性ありと評価されたのは4回(図17中の×印)であり、欠陥候補2は欠陥候補として検出された際の1回のみであった。
そして、異常と評価された回数が2回以下であることを再評価における最終判断基準に設定したとすると、欠陥候補1は欠陥(NG)と評価され、欠陥候補2は欠陥ではない(OK)と評価されている。
図18は、欠陥候補の再評価の第2の例を示す説明図である。この第2の例は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果を組み合わせて、再評価を行う例である。
また、この例では、上述した第1の例と同様に、欠陥候補を検出した場合と同一種類の指標である各部位の濃度値(階調値)に基づいて評価を行っている。このため、欠陥候補の検出に用いたデータをそのまま利用することが可能であり、再評価を容易に行うことができる。
また、この例も、図16に示した2つの欠陥候補1,2を再評価の対象としており、各欠陥候補に切り出された当該部位に対する他の回の撮影結果から、各検出回における階調値が求められ、さらに各検出回の撮影結果を組み合わせた指標として、具体的には各検出回の階調値の合計(階調値和)が算出され、これに基づいて再評価が行われるようになっている。たとえば、欠陥候補1では、階調値和が136と算出され、欠陥候補2では、階調値和が62と算出されている。
そして、階調値和が80以下であることを再評価における最終判断基準に設定したとすると、欠陥候補1は欠陥(NG)と評価され、欠陥候補2は欠陥ではない(OK)と評価されている。
このように、複数回の撮影結果を組み合わせて得たデータ(ここでは階調値和)に基づいて再評価を行うようにすると、各回毎の撮影結果には僅かにしか現れていない欠陥であっても、それがもたらす小さな変化を積み上げて欠陥であるか否かの判断を行うことができ、また逆に特定の検出回において発生したノイズ等を欠陥として判断してしまうことを防止できるため、より再評価を行うことができる。
図19は、欠陥候補の再評価の第3の例を示す説明図である。この第3の例は、欠陥候補条件と異なる種類の指標を用いて再評価を行う例である。
具体的には、この例では、周囲に対して暗いあるいは明るい異常な階調値を示した部分(画素)によって囲まれる欠陥の疑いのある領域の面積を算出して、これを再評価における指標としている。このため、この例では、差分画像に対して、所定階調以上の異常な階調値を示した異常部分を抽出し、近傍にあるこのような異常部分によって囲まれる(あるいは挟まれる)領域については、異常部分がつながっている領域として、異常部分と同様の階調値に変換する画像処理を行うようになっている。
図19では、欠陥候補1,2の各検出回1〜6毎に、各検出回の撮影結果から求められる指標として、欠陥(候補)の面積が算出されている。さらに、この例では、各検出回の撮影結果を組み合わせた指標として、各検出回の欠陥(候補)面積の合計(欠陥面積和)が算出され、これに基づいて再評価が行われるようになっている。たとえば、欠陥候補1では、欠陥面積和が328と算出され、欠陥候補2では、欠陥面積和が37と算出されている。
そして、欠陥面積和が180以下であることを再評価における最終判断基準に設定したとすると、欠陥候補1は欠陥(NG)と評価され、欠陥候補2は欠陥ではない(OK)と評価されている。
このように、欠陥候補条件を満たすか否かの判定時と異なる画像処理を行い、欠陥候補条件と異なる種類の指標(ここでは欠陥(候補)の面積)を用いて再評価を行うようにすると、欠陥候補を多様な観点から検討して、より的確な再評価を行うことができる。
なお、この第3の例では、欠陥候補条件と異なる種類の指標として、欠陥(候補)の面積を用いたが、これに限らず、たとえば周囲に対して暗いあるいは明るい異常な階調値を示した部分(画素)の密集度合い等、他の指標を採用してもよい。
また、この第3の例では欠陥候補条件と異なる種類の指標(ここでは欠陥(候補)の面積)を用いるにあたって、各検出回の指標を組み合わせて(合計して)再評価を行ったが、上述した第1の例のように、各回の指標をそれぞれ個別評価して、個別評価の結果を束ねて最終評価をするようにしてもよい。
図20は、欠陥候補の再評価の第4の例を示す説明図である。この第4の例は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像を合成して再評価を行う例である。
具体的には、検査対象領域全体の撮影画像から切り出した欠陥候補部位の各検出回の部分画像を、重ね合わせるように画像を合成し、こうして得た欠陥候補部位の合成画像に基づいて再評価を行うものである。すなわち、この例における画像合成は、同一部位に対する複数回の検出値(階調値)を各位置(画素)毎に足し合わせていき、その和を各位置の検出値とした画像を作成するものである。
このような合成画像に基づいて再評価を行うようにすると、各回毎の撮影結果には部分的にしか現れていない欠陥の情報を束ねて、欠陥候補の全体像を把握することができるため、より的確な再評価を行うことができる。
たとえば照明光が左から入射する光学条件下で左側が光り、照明光が右から入射する光学条件下で右側が光るような欠陥であれば、各光学条件下での撮影画像ではそれぞれ欠陥の一部分しか検出できず、そのサイズ等を判別することが困難であるが、これらの画像を合成することにより、欠陥の全体像(輪郭)が浮かび上がる場合がある。このため、各検出回毎の撮影結果それぞれからは判断できない全体像に基づいて再評価を行うことができる。
こうして作成された合成画像に対する具体的な評価方法は、上述したような濃度値(階調値)や欠陥面積等の指標値を所定の判定基準(しきい値)によって判定する方法の他、画像認識処理によっての欠陥画像としての形状を備えているかを判定する方法等を挙げることができる。
図21は、欠陥候補の再評価の第5の例を示す説明図である。この第5の例もまた、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像を合成して再評価を行うものである。
具体的に、この例では、検査対象領域全体の撮影画像から切り出した欠陥候補部位の各検出回の部分画像を各画素ライン毎に分割し、同一部位(ライン)に対する複数回の検出値(階調値)をつないで並べていくことで、各検出回の画像を合成し、こうして得た欠陥候補部位の合成画像に基づいて再評価を行うものである。このようにして作成される合成画像は、図21に示すように、検出回数分だけ縦長に引き延ばされた形状となる。
このようにして作成した合成画像に基づいて再評価を行うようにすると、各回毎の撮影結果には部分的にしか現れていない欠陥の情報を束ねて、欠陥候補の全体像を把握することができるため、より的確な再評価を行うことができる。
また、上述した第4の例のように、各位置に対する検出値(階調値)の和を各位置の検出値とするように各検出回の部分画像を重ね合わせる画像合成では、複数の検出回のうち1回のみにおいて異常値が検出され、他の検出回では検出されなかった場合、これらの和をとると異常値が埋もれてしまうおそれがある。これに対し、この第5の例では、合成画像において各検出回の検出値(階調値)をそのまま用いられるため、異常値が埋もれてしまうことなく、各検出回における検出値を尊重した再評価を行うことができる。
こうして作成された合成画像に対する具体的な評価方法は、第4の例と同様に、上述した濃度値(階調値)や欠陥面積等の指標値を所定の判定基準(しきい値)によって判定する方法の他、画像認識処理によっての欠陥画像としての形状を備えているかを判定する方法等を挙げることができる。
以上、再評価の具体的方法として5つの例を挙げたが、このような再評価を行った結果、欠陥候補がやはり欠陥であったと判断されれば(図15:ステップS22でYES)、管理コンピュータの判別手段は、当該円筒体を最終的に不合格と判定し(ステップS14)、欠陥候補は欠陥ではなかったと判断されれば(ステップS22でNO)、当該円筒体を最終的に合格と判定する(ステップS18)。
以上のように、上記実施形態によると、照明光の入射角度が異なる複数の光学条件下で表面欠陥の撮影を行って欠陥候補を検出するため、各種の欠陥をいずれかの光学条件下において欠陥候補として漏れなく発見することができる。
そして、欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価するため、新たな条件下での検査を行う場合のような検査の長時間化を招くことなく、高い欠陥検出能力を得ることができ、ひいては、欠陥とする必要のない程度の異常やノイズと表面欠陥とを的確に判別して、欠陥の流出および収率の低下を防止することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
この第2実施形態は、上述した第1実施形態にかかる表面検査装置1を備えた円筒体90の製造システムである。
図22は、第2実施形態にかかる円筒体の製造システム700の構成を示す機能ブロック図である。
この製造システム700は、円筒体90を製管する製管装置710と、上述した円筒体の表面検査装置1と、表面検査装置1の検査結果を製管装置710にフィードバックするフィードバック部720とを備えている。
製管装置710は、たとえば、アルミニウム合金の引抜き加工によって感光ドラム基体を製管する場合であれば、原料を溶解させて押出加工材料を製造する工程、押出工程、引抜工程、曲がり矯正工程、所定長さへの切断工程、粗洗浄工程、仕上げ洗浄工程等を実行する各機械装置の集合として構成されている。なお、製管装置710は、これらの全ての工程を行うものでなくてもよい。この製管装置710は、表面精度が求められる物品である円筒体を成形する成形手段として機能している。
押出工程は、たとえばアルミニウム製のビレットを押出してアルミニウム押出素管を得る工程である。
図23は、この押出工程を行う押出機の概略平面図である。押出機本体730から押し出されたアルミニウム押出素管740は、複数対配置された支持ローラ750…によって押出方向前方に搬送され、切断機760により所定長さRに切断される。
図24は、押出機本体が備える押出ダイスの一例における断面図である。この押出ダイス770は、ポートホールダイスであり、771はダイス雌型、772はダイス雄型である。ダイス雌型771には中央部に貫通上の押出孔773が形成されるとともに、押出孔773の入口側の周面が円形のベアリング部774となされている。なお、775はレリーフ部である。一方、ダイス雄型772は、その中央部に断面円形の成型凸部776を有するとともに、成形凸部776の先端周面に円形のベアリング部777が形成されている。なお778は、アルミニウムビレットを通過させる通過孔である。そして、前記ダイス雌型771と前記ダイス雄型772とが組み合わされ、雄型772の成形凸部776先端が雌型771の押出孔773に望んで雌雄両型のベアリング部774,777が環状の成形間隙779を介して対向状の配置されている。
なお、押出方式は特に限定されることはなく、ポートホールダイスを用いたものでもマンドレル押出でもよい。
引抜き工程は、押出加工によって得られた所定長さのアルミニウム押出素管を引抜き加工してアルミニウム引抜管を得る工程である。
図25は、この引抜き工程を行う引抜き機の一例を示す断面である。この引抜き機780は、たとえば、アルミニウム押出素管781を引抜きダイス782と引抜きプラグ783との間に通し、押出素管781先端に形成された口付け部784をキャリッジ部のチャック部785で掴んで該キャリッジ部を前方に移動させることにより、アルミニウム引抜き管786を得るようになっている。引抜きプラグ783は、ロッド787によって支持されている。このロッド787には1個または複数個の中子788がその略全長に亘って装着されており、この中子788は、押出素管781の内周面に当接して自重により押出素管781がたわむことを防止して、引抜きの初めから終わりまで押出素管781の軸線をダイス782の軸線に一致した状態に保持できるようになっている。また、引抜き加工中には、引抜きダイス782と押出素管781との間に潤滑油が供給されるようになっている。
なお、この引抜き工程は、プラグを固定しない浮きプラグ引き方式によって引抜きを行うようにしてもよい。また、引抜きは、1回だけ行ってアルミニウム引抜き管を得るようにしてもよいが、引抜きを複数回繰り返し行って順次的に縮径し、もってアルミニウム引抜き管を得るようにするのが好ましい。とくに、引抜きを2回行ってアルミニウム引抜き管を得るのが好ましい。
曲がり矯正工程は、引抜き加工によって得られたアルミニウム引抜き管の曲がりを矯正する工程である。具体的には、引抜き加工によって得られたアルミニウム引抜き管は、まず、その口付け部がプレス切断法により除去され、その後、ロール矯正機に投入され、内部の矯正ロールの作用で真っ直ぐに矯正される。
図26は、口付け部切除工程を行う切断機の一例を示す断面図である。この切断機790は、アルミニウム引抜き管791の口付け部792側の端部を金型793,793の内方に挿入し、切断刃794を下降させることにより、該口付け部792を切断除去する。この切断は突切り刃によって行われるから切粉の発生はなく、切粉等がロール矯正機内に持ち込まれ、アルミニウム引抜き管791にキズがつくことがないようになっている。
図27は、曲がり矯正工程を行うロール矯正機の一例を示す概念図である。このロール矯正機810は、その内部の矯正ローラ812の作用によって、口付け部が切除されたアルミニウム引抜き管811を真っ直ぐに矯正するようになっている。
粗洗浄工程は、上記引抜き工程等においてアルミニウム引抜き管に付着した潤滑油等を除去する工程である。この粗洗浄工程は、たとえば脱脂力を有する溶剤を用いて行われる。具体的手法としては、特に限定されないが、たとえば浸漬法、シャワー法等が挙げられる。
仕上げ洗浄工程は、好適には、たとえば超音波洗浄によって行われる。
図28は、超音波洗浄機の一例を示す概念図である。この超音波洗浄機830は、洗浄増831に貯められた洗浄液832に被洗浄物である複数個のアルミニウム引抜き管833を浸漬しておき、振動子834によって洗浄液832中に超音波を送ることにより、被洗浄物であるアルミニウム引抜き管833を洗浄するものである。
超音波の照射方式は特に限定されることはなく、上記投げ込み型のほか、接着型、振動伝達子型その他各種の洗浄機を用いることができる。また、洗浄液としては、一般には白灯油、軽油、アルカリ、界面活性剤あるいはトリクロロエチレンなどが用いられるが、これらに限定されることはなく、水系、炭化水素系、塩素系有機溶媒などを適宜用いればよい。
上記のような押出工程、切断工程、引抜き工程、曲がり矯正工程、洗浄工程、仕上げ洗浄工程を経て得られた円筒体(アルミニウム引抜き管)90は、表面品質精度に優れ、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置の感光ドラム基体として好適である。
こうして製管された円筒体(アルミニウム引抜き管)90は、上述した表面検査装置1においてその表面状態が所定の許容範囲内にあるか否かが検査され、この検査結果が所定の許容範囲内にあるのであれば、その円筒体90を完成品と判定する。
また、表面検査装置1において、円筒体90に発生している不良の種類や特徴等が判別された場合には、この検査結果をフィードバック部720が製管装置710にフィードバックし、これにより不良管の発生を未然に防止するようになっている。
こうして検査結果がフィードバックされた製管装置710においては、検査結果の内容に応じて、製管条件の設定に供される。具体的には、押出ダイスの取付状態や押出速度等の押出条件の設定、素管の選別、引抜きダイスの取付状態の確認や引抜き速度等の引抜き条件の設定、ロール矯正機におけるロール高さ調整や搬送速度等のロール矯正機条件が制御される。これにより、より確実に必要十分な表面精度を持った円筒体を得ることができるとともに、仮に不良管が発生した場合でも、速やかにこれに対応し、不良管の発生数を抑えることができる。
このような製造システム700によれば、所定の形状精度を有する円筒体、および円筒体の集合を確実に得ることができる。
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、検査対象領域の各部位を光学条件を変えながら6回検出するようにしたが、複数回であればよい。ただし、種々の欠陥を見逃すことなく検出し、かつ欠陥であるか否かを的確に再評価するためには、検出回数は3回以上であることが好ましい。
(2)上記実施形態では、1次評価において濃度値(階調値)の大きさで欠陥候補を判別し、検出したが、他の指標を用いて欠陥候補を検出してもよい。
(3)上記実施形態では、1次評価において欠陥判定基準を満たす欠陥については、即座に不合格判定としたが、1次評価においては最終判断をせず、発見される異常をすべて欠陥候補として再評価(2次評価)を行うようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、カメラをラインセンサカメラから構成したが、二次元的な広がりを有する撮像領域をもつエリアセンサや、特定の一点の光量を検出する光センサから構成されるカメラ等を採用してもよい。
(5)上記実施形態では、遮光体を用いて暗領域および境界領域を形成したが、照明とカメラの角度関係により、反射光がカメラに直接検出されない暗領域を構成するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、透光部および遮光部の光学特性が変化しないスリット体により明暗縞を形成したが、減光フィルター(NDフィルター)を用いたスリット体により、明部や暗部の光量を調整できるようにしてもよい。また、液晶パネルを用いたスリット体により、明部や暗部の光量を調整したり、遮光形態を連続的にまた自由に可変できるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、1つの長尺の光源を用いたが、複数の光源を用いてもよい。
(8)上記実施形態では、円筒体を回転させながら表面検査を行ったが、長尺平板材等を連続移動させながらその表面検査を行うようにしても良い。
図29は、長尺平板材を連続移動させながら表面検査を行う例である。この例では、連続的に繰り出されるシート状の長尺平板材93に対し、平板材93の移動方向に対して斜めに形成された透光部623…および遮光部624…を有するスリット体62を介して光源61からの照明が平板材93上に照射されている。
これにより、平板材93の各部位は繰り出し方向に移動するにつれて、明領域625…、暗領域626…およびそれらの境界領域を通過するようになっている。そして、ラインセンサを有する複数個のカメラ63…が、平板材の移動方向について異なる領域を検出領域631…となるように配置されていることにより、平板材93の各部位は、各カメラ63…の撮像により、明領域625…、暗領域626…および境界領域を含む種々の異なる光学条件下での検出が行われるようになっている。
図30は、長尺平板材を連続移動させながら表面検査を行う別の例である。この例では、複数組の光源64およびスリット体65が平板材93の繰り出し方向に直交する幅方向について、異なる位置に明暗縞を形成するように配置されており、複数のカメラ66が各明暗縞ごとに検出領域661を受け持つように配置されることにより、平板材93の各部位が明領域655…、暗領域656…および境界領域を含む種々の異なる光学条件下での検出を行うことができる。
第1実施形態にかかる表面検査装置の検査対象物たる円筒体の斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる表面検査装置の正面図である。 同装置の平面図である。 同装置の側面図である。 第1実施形態におけるチャック部の正面図である。 同チャック部の側面図である。 第1実施形態における遮光体の斜視図である。 第1実施形態にかかる円筒体の表面検査装置の要部の概略を表した側面図である。 同斜視図である。 カメラから見た検査対象領域の各部位の光学条件の説明図である。 カメラによって撮影された画像における各種光学条件の説明図である。 暗領域内に表面欠陥が存在しない場合の説明図である。 暗領域内に表面欠陥が存在する場合の説明図である。 円筒体を回転させながらカメラによって連続的に撮影して得られる画像の説明図である。 表面欠陥検出の一例の流れを示すフローチャートである。 画像処理装置によって行われる画像処理工程の例を示す説明図である。 欠陥候補の再評価の第1の例を示す説明図である。 欠陥候補の再評価の第2の例を示す説明図である。 欠陥候補の再評価の第3の例を示す説明図である。 欠陥候補の再評価の第4の例を示す説明図である。 欠陥候補の再評価の第5の例を示す説明図である。 第2実施形態にかかる円筒体の製造システムの構成を示す機能ブロック図である。 押出工程を行う押出機の概略平面図である。 押出機本体が備える押出ダイスの一例における断面図である。 は、この引抜き工程を行う引抜き機の一例を示す断面である。 口付け部切除工程を行う切断機の一例を示す断面図である。 曲がり矯正工程を行うロール矯正機の一例を示す概念図である。 超音波洗浄機の一例を示す概念図である。 長尺平板材を連続移動させながら表面検査を行う例である。 長尺平板材を連続移動させながら表面検査を行う別の例である。
符号の説明
10 照明
20 遮光体(スリット体)
23 透光部
24 遮光部
27 境界領域
28 明領域
29 暗領域
30 カメラ
31 検出領域
80 管理コンピュータ
90 円筒体

Claims (22)

  1. 検査対象領域に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査方法であって、
    検査対象領域の各部位に対して、照明光の入射角度がそれぞれ異なる光学条件を設定して複数回の撮影を行い、
    前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索し、
    前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価することを特徴とする表面検査方法。
  2. 前記再評価には、欠陥候補が検出された回の撮影結果も用いる請求項1に記載の表面検査方法。
  3. 前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果をそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行う請求項1または2に記載の表面検査方法。
  4. 前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果の組み合わせに基づいて行う請求項1または2に記載の表面検査方法。
  5. 前記再評価は、前記検査対象領域を撮影した撮影画像から、欠陥候補が検出された部位についての複数回の撮影部分を切り出した画像を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の表面検査方法。
  6. 前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像を合成して評価する請求項1〜5のいずれかに記載の表面検査方法。
  7. 前記再評価は、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いる請求項1〜6のいずれかに記載の表面検査方法。
  8. 前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影結果について、前記欠陥候補条件と同一種類の指標を用いて、前記欠陥候補条件より厳しい判定基準でそれぞれ個別評価し、この個別評価の結果に基づいて行う請求項7に記載の表面検査方法。
  9. 前記再評価は、前記欠陥候補条件と異なる種類の指標を用いる請求項1〜6のいずれかに記載の表面検査方法。
  10. 前記再評価は、欠陥候補が検出された部位に対する複数回の撮影画像について、前記欠陥候補条件を満たすか否かの判定時と異なる画像処理を行う請求項1〜9のいずれかに記載の表面検査方法。
  11. 検査対象領域に照射される照明光を遮光体によって遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を形成する請求項1〜10のいずれかに記載の表面検査方法。
  12. 複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、検査対象領域に照射される照明光を断続的に遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を繰り返し形成する請求項1〜10のいずれかに記載の表面検査方法。
  13. 管体の外周面に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査方法であって、
    管体の軸方向に沿ったカメラの検出領域に、照明光の入射角度が異なる領域を繰り返して形成し、
    管体を軸回りに回転させながら、前記照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影することにより、管体の外周面の各部に対して、照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行い、
    前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索し、
    前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価することを特徴とする管体の表面検査方法。
  14. 複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成されたスリット体によって、管体に照射される照明光を断続的に遮ることにより、照明光の入射角度が制限された領域を繰り返し形成する請求項13のいずれかに記載の表面検査方法。
  15. 前記照明光の入射角度が異なる領域とともに、前記カメラによる検出領域を前記管体の軸方向に移動させることを特徴とする請求項13または14に記載の表面検査方法。
  16. 前記管体は、感光ドラム用基体であることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の表面検査方法。
  17. 表面精度が求められる物品を成形する工程と、
    前記物品を検査対象物として請求項1〜16のいずれかに記載の表面検査方法を行う表面検査工程と、
    前記表面検査工程における評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を判別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別工程と、
    を備えたことを特徴とする物品の製造方法。
  18. 請求項17に記載の物品の製造方法により製造されたことを特徴とする感光ドラム用基体。
  19. 検査対象領域に照明光を照射し、その反射光をカメラで撮影することにより表面欠陥を検出する表面検査装置であって、
    検査対象領域の各部に対して、照明光の入射角度が異なる領域を形成可能な照明系と、
    前記照明系による照明光の入射角度が異なる領域の形成位置を変化させながら、前記カメラにより検査対象領域の各部に対して照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行わせる制御手段と、
    前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索する欠陥候補検出手段と、
    前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価する再評価手段と、
    を備えたことを特徴とする表面検査装置。
  20. 表面精度が求められる物品を成形する成形手段と、
    前記物品を検査対象とする請求項19に記載の表面検査装置と、
    前記表面検査装置による評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を分別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別手段と、
    を備えたことを特徴とする製造システム。
  21. 管体の表面欠陥を検出する表面検査装置であって、
    管体の外周面に照明光を照射する照明と、
    管体の軸方向に沿った検出領域における照明光の反射光を撮影するカメラと、
    複数の透光部と遮光部とが交互に繰り返すように形成され、照明光を管体の軸方向について断続的に遮ることにより、照明光の入射角度を制限して照明光の入射角度が異なる領域を繰り返し形成するスリット体と、
    管体を軸回りに回転させながら、前記スリット体を管体の軸方向に移動させ、管体が複数回転する間、カメラにより管体の外周面を連続して撮影させることにより、管体の外周面の各部に対して、照明光の入射角度が異なる光学条件下で複数回の撮影を行わせる制御手段と、
    前記複数回の撮影結果それぞれに対して所定の欠陥候補条件を満たす欠陥候補を探索する欠陥候補検出手段と、
    前記複数回の撮影結果のいずれかから欠陥候補が検出されれば、その欠陥候補が検出された部位に対する他の回の撮影結果を再評価することにより、その欠陥候補が検出された部位を評価する再評価手段と、
    を備えたことを特徴とする管体の表面検査装置。
  22. 表面精度が求められる管体を成形する成形手段と、
    前記管体を検査対象物とする請求項21に記載の表面検査装置と、
    前記表面検査装置による評価結果が所定の基準を満たすか否かにより物品を分別し、前記所定の基準を満たす場合に当該物品を完成品とする判別手段と、
    を備えたことを特徴とする管体の製造システム。
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